JP2002198178A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2002198178A
JP2002198178A JP2000391802A JP2000391802A JP2002198178A JP 2002198178 A JP2002198178 A JP 2002198178A JP 2000391802 A JP2000391802 A JP 2000391802A JP 2000391802 A JP2000391802 A JP 2000391802A JP 2002198178 A JP2002198178 A JP 2002198178A
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Junichi Hoshi
淳一 星
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な材料を用いた複雑な構造を有すること
なく、小型高性能軽量な表示装置を可能とする発光素子
を提供する。 【解決手段】 電子と正孔を再結合させ発光させる素子
において、電子及び正孔が各々異なる金属あるいは縮退
した半導体からなる輸送層13,16により輸送され、
該両輸送層13,16間に高抵抗な半導体あるいは絶縁
体からなる薄膜15がサンドイッチされた構造を有し、
この薄膜15中に含まれる発光材料によって発光が行な
われることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気エネルギーを用
いた発光素子、特に基板上に高集積化可能なそれに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電気エネルギーを用いた発光素子
には、例えばLED(Light Emitting
Device)、有機EL(Electro Lumi
nescent)素子等がある。
【0003】LEDはディスクリート部品においては既
に実績があり、電球や蛍光灯よりも利用効率が高いた
め、近年では信号機に見られるような代替化が進んでい
る。しかし小型化には難があるため、室外で使用するよ
うな大型ディスプレーを除いては使用されていない。
【0004】有機EL素子は携帯電話に代表されるよう
なモバイル機器の表示装置として、近年盛んに研究開発
されている。これも利用効率はよくモバイル機器には向
くものの、絶縁体に破壊電圧に近い電圧を印加するため
その信頼性の確保には苦労しているようである。また未
だに良好な特性は実現されておらず、従って高階調な画
像は表示されてはいない。
【0005】有機EL素子の構造は、基板上に蒸着され
た陽極であるITO(IndiumTin Oxid
e)膜上に発光層である有機EL膜、陰極のAl膜を順
に形成したものである。この有機EL膜は両キャリア、
即ち電子と正孔を輸送する電子輸送層と正孔輸送層から
成るのが通常である。
【0006】しかし近年、例えば「表面」Vol.38
No.7(2000)pp28に紹介されているよう
に、電子だけでなく正孔を輸送可能なp型の透明導電膜
が発見、開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】LEDはその発光原理
は単純で理想的であるものの、Si以外の高価な半導体
材料を必要とし、縦方向に複雑な構造を必要とする。ま
たフルカラー化にはその材料と構造の制約から、ディス
クリート部品をアセンブルする以外には道がない。白色
LEDプラスカラーフィルタという手も有ることは有る
が、面状の大面積LEDは未だに実現されてはいない。
【0008】一方、有機EL素子は必要とされる有機材
料を開発することでその性能及び信頼性を向上させるこ
とは可能であるが、有機材料の精製が本質的に困難であ
ることと、無定形性、アモルファス性を伴い易いことか
ら、その性能と信頼性を向上させることには困難が伴う
ものと予想される。
【0009】即ち、前記有機材料中に含まれる不純物
は、半導体中のインピュリティのようにキャリアの性質
を変質させる源となる。前記不純物の量は前記半導体中
のそれとは異なり、最大で%オーダーとなることもある
ため、それだけその働きが無視できなくなる訳である。
【0010】また有機EL素子は絶縁体でありしかも複
数の界面を有するためチャージアップし易く、動作中に
その特性を変動させることがしばしばである。そのため
交流駆動、反転駆動等、LCDの初期に見られたような
種々の工夫がその駆動には必要となっている。これらは
周辺回路を複雑化し、コストアップの要因となる。
【0011】また前記p型透明導電膜と従来のn型透明
導電膜を各々陽極、陰極に使用し、ダイオードを形成し
た発光素子においては、その発光効率は前記文献中に記
載の通り10-3%と有機EL素子のそれ(数%)と比べ
ると桁違いに小さい。この発光効率が低い原因の一つと
しては、前記導電膜を直接接合したために発光に寄与し
ない電流が界面を通じて直接流れ込んでいることが考え
られる。
【0012】本発明は、LEDのように高価な材料を用
いた複雑な構造を有することなく、小型高性能軽量な表
示装置を可能とする発光素子を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、発光素子に必
要な機能をリストアップし、それを各サブ構造に振り当
てることによって理想的な素子を実現したものである。
【0014】即ち本発明は、電子と正孔を再結合させ発
光させる素子において、前記電子及び正孔は各々異なる
金属あるいは縮退した半導体からなる輸送層により輸送
され、該両輸送層間に高抵抗な半導体あるいは絶縁体か
らなる薄膜がサンドイッチされた構造を有し、該薄膜中
に含まれる発光材料によって発光が行なわれることを特
徴とする。
【0015】本発明の発光素子は、さらなる特徴とし
て、「前記薄膜は、前記両輸送層間に電圧が印加されな
い場合には伝導に寄与する前記キャリアをほとんど含ま
ないこと」、「前記両輸送層間に電圧が印加された場
合、該両輸送層に起因する整流特性を示すこと」、「前
記両輸送層と前記薄膜の界面に存在するキャリアトラッ
プが埋まった場合にも前記整流特性を示すこと」、「前
記両輸送層および前記薄膜は同一基板上に形成されてい
ること」、「前記両輸送層のうち少なくとも光を導光す
る側のそれは、透明であること」、「前記薄膜のバンド
ギャップは1.8eVよりも広いこと」、「前記薄膜は
無機材料あるいは分子量が1000以下の低分子有機材
料からなること」、「前記薄膜を構成する半導体あるい
は絶縁体は、結晶質であること」、「前記両輸送層と前
記薄膜との間に存在する2つの界面の接合電位は、該両
輸送層間に印加される電圧によって一定の値に固定され
ていること」、「直流で駆動されること」、「前記発光
材料は、前記薄膜を構成する半導体材料あるいは絶縁体
材料であること」、「前記薄膜中に前記キャリアのいず
れかをトラップ若しくは局在化する材料を含むこと」、
「前記キャリアのいずれかをトラップ若しくは局在化す
る材料が発光材料であること」、を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の発光素子は、その他の素
子と同様に電子と正孔の再結合を利用して発光するもの
であるが、その構成部品は、基板、電極を兼ねる両輸送
層、薄膜からなる発光層の4つのみであり、その縦構造
は前記LEDとは異なり非常に単純である。
【0017】本発明の素子を形成する基板には高価な半
導体基板を使用する必要はなく、安価に大型の基板を作
成できるガラス基板等でよい。
【0018】前記キャリア(電子と正孔)の輸送層には
特性の劣る有機薄膜を用いることなく、前記安価な基板
上に容易に形成できる輸送効率の良い金属または縮退し
た半導体を使用することができる。輸送層を構成する縮
退した半導体にはn型とp型が存在し、前者は電子を後
者は正孔を運ぶのに適している。尚、前記ITOは縮退
した半導体に相当する。
【0019】電子輸送層としては、前記ITOに限るこ
となく、例えばNESA膜(SnO 2)、ZnO等であ
ってもよい。また透明導電膜に限ることはなく、一般の
不透明な金属、Al、Cu、Au等であってもよい。
【0020】正孔輸送層としては、例えばSrCu
22、CuAlO2、CuGaO2、Cu 2O等を用いる
ことができる。また陰極側が透明な場合には、陽極側を
不透明にすることが可能であり、その場合には前述の不
透明な金属をも使用することができる。
【0021】本発明の発光素子においては、発生した光
を外に効率よく運び去るには、少なくとも光を導光する
側の輸送層には透明な膜を使用するのが好ましい。
【0022】上記の金属あるいは導電型の異なる縮退し
た半導体を各々電子輸送層と正孔輸送層に使用し、この
両輸送層間に発光層である前記キャリアをほとんど含ま
ないイントリンシックな半導体かあるいは絶縁体をサン
ドイッチする。
【0023】また、前記両輸送層間にサンドイッチする
薄膜に両キャリアの再結合によって発光を行なうような
材料を少なくとも一種類以上含ませることにより、理想
的な発光素子が完成する。その方法とは、例えばバンド
ギャップが可視光よりも広い半導体材料を用いること
や、蛍光材料を含む高純度な有機膜を用いることであ
る。その際、前記両輸送層との界面を清浄に保つことに
よって、不必要なキャリアトラップの存在を極小とす
る。またその材質には、精製が容易で純度を上げ易い無
機材料や分子量が1000以下の低分子有機材料を用い
ることが好ましい。
【0024】また、前記サンドイッチされた薄膜の膜質
は、発光素子の大きさにもよるが、エントロピーが高
く、発熱によってその膜質を変化させる恐れのあるアモ
ルファス膜よりも、初期から安定な結晶性の膜の方が、
より信頼性的には好ましい。但し前記結晶の大きさと使
用する膜厚の大きさ、あるいは表示装置に使用する場合
にはその画素の大きさとの関係には注意が必要である。
【0025】前記両輸送層間にサンドイッチする薄膜の
構成する無機材料としては、例えばAlAs、GaP、
AlP、SiC、GaN、CdTe、CdSe、ZnT
e、CdS、ZnSe、ZnO、ZnS、AlSb、C
uCl等、公知の発光物質、蛍光物質が使用できる。例
えば可視光を発するには、1.8eV以上のバンドギャ
ップを有するAlAs、AlP、SiC、CdTe、C
dSe、ZnTe、CdS、ZnSe、ZnS、AlS
b、CuCl等を用いる。また前述のように母材に発光
物質をドーパントとして添加しても良い。
【0026】前記両輸送層間にサンドイッチする薄膜の
構成する有機材料としては、例えばAlq3(8−キノ
リノールアルミ錯体)、Bebq2、DPVBi、PP
CP、BBOT、Eu(DBM)3(Phen)等、公
知の有機EL素子に用いられるそれでよい。また適当な
低分子有機物質中にドーパントとして発光材料を加える
場合には、例えばDCM、ルブレン、フタロシアニン、
キナクリドン、ナイルレッド、TPB、DCM−1、C
oumarin6等が使用できる。
【0027】前記キャリアをほとんど含まないイントリ
ンシックな半導体かあるいは絶縁体からなる前記サンド
イッチ膜には、電圧を印加しない場合にはキャリアを含
まない空乏層あるいは絶縁体が広がっており、これによ
り前記両輸送層あるいは両電極(陽極、陰極)間を流れ
る電流はほとんどない。従って、本発明の発光素子は、
前述のp型、n型導電膜を単純に接合してダイオードを
形成した従来例に比べて、発光に寄与しない電流を完全
に除去することができる。
【0028】また前記両輸送層あるいは両電極間に順方
向電圧を印加した場合には、前記サンドイッチ膜の導電
率が前記両輸送層と比べて低いことから、その電圧の大
部分が前記サンドイッチ膜に印加される。すなわち、前
記サンドイッチ膜には両側を挟む両輸送層からキャリア
の供給を受け、その膜中に電流を導通させる。
【0029】それに対して前記両輸送層あるいは両電極
間に逆方向電圧を印加した場合には、各輸送層が輸送す
るキャリアが片方に限られているため、一般には電流は
ほとんど流れない。これにより前記両輸送層とサンドイ
ッチ膜からなる本発明の発光素子は、理想的なダイオー
ド特性を示す。
【0030】前記ダイオードに存在する界面は2つのみ
であり、しかもその界面には有機EL素子に見られるよ
うな有機物質のミキシングは存在せず、また前記界面接
合の電位は両側から確実に固定されるため、有機EL素
子に代表されるような極端な界面への電荷の蓄積(チャ
ージアップ)やヒステリシスを生じない。従って、本発
明の発光素子は、駆動が複雑な交流駆動を用いる必要は
なく簡単な直流駆動で充分発光動作が可能であり、また
信頼性も確保できる。
【0031】前記サンドイッチ膜には両キャリアを輸送
する性質は一義的には必要でなく、その耐圧が確保でき
る膜厚、膜質でありさえすれば良い。また膜厚を薄くす
ることで、そのキャリア(電流)がトンネルで流れるよ
うにすることもできる。このように前記サンドイッチ膜
の膜厚を最適化することによって、低電圧駆動が可能と
なる。即ち、本発明の発光素子においては、従来の有機
EL素子に必要であった10V以上の電圧は、必ずしも
必要でなくなる。
【0032】また前記サンドイッチ膜を通して各キャリ
アが対向する反対側の輸送層まで到達すると、そこで意
図しない非発光の再結合が生じ、発光効率の低下を生じ
る。従って各キャリアが到達しないような何らかの工夫
が必要となるが、それらには、1)膜厚の最適化、2)
発光材料量の最適化、3)キャリアの閉じ込め、4)キ
ャリア断面積の増大、といった手段が考えられる。
【0033】1)は当然として、2)は前記薄膜を構成
する材料そのものが発光材料であることが理想的であ
る。また、3)のキャリアの閉じ込めには欠点もあり、
同符号のキャリア間には反発も生じるため、キャリアの
局在による発光の局在化、発光量の低下といった問題も
生じる。4)のキャリア断面積の増大とは、一種のキャ
リアから見た他種のキャリアの衝突断面積の増大のこと
である。これを実現するためには3)以外に例えばイン
ピュリティのような不純物を導入し、局所的なキャリア
センターを作りこむことも考えられる。これによって前
記薄膜中に滞在するキャリアの時間が長くなり、それだ
けキャリア断面積が増大する。
【0034】前記キャリアセンターはもちろん添加され
た発光材料のそれであっても構わない。但し前記キャリ
アセンターのエネルギー準位は一般にバンドの中心に近
く、それだけ利用可能な再結合エネルギーが低下する。
従って、前記薄膜のバンドギャップの大きさをそれだけ
大きく設計しておくことが必要となる。
【0035】また、本発明の発光素子では、前記両輸送
層あるいはサンドイッチ膜あるいは両電極のいずれかを
パターニングすることで、表示装置の画素を形成可能で
あり、これにより画像の表示が可能となる。この場合、
例えば本発明の発光素子を白色発光素子として公知のカ
ラーフィルタと組み合わせたり、前記発光層の材料を変
更して各色を発光させるように構成することでカラー表
示が可能となる。その際に、前記両輸送層の材料を一定
とし、そのバンドギャップを最も波長が短い色(通常は
青色)に適合したものとし、前記発光層のみを積層、パ
ターニングして対処することもできる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】(実施例1)本実施例の発光素子を図1及
び図2に示す。図1は発光素子の概略平面図であり、図
2は図1中のA−A’面における概略断面図である。
【0038】これらの図において、11は無アルカリガ
ラスからなる厚さ1.1mmの透明基板であり、その上
に厚さ1500Åの電極かつ電子輸送層であるITO膜
12が形成されている。ITO膜12はパターニングさ
れており、直径2mmの陰極に相当する部分13と太さ
0.5mmの配線部分14からなっている。基板上には
厚さ1000Åの不純物をほとんど含まないイントリン
シックなGaP半導体膜15が全面に形成されている。
このGaP半導体膜15の形成には公知のハロゲン化合
物法、MOCVD法、MBE法等を使用する。更にその
上には陰極部分13を覆うように厚さ1500Åの電極
かつ正孔輸送層であるSrCu22膜16が半面に形成
されている。
【0039】ITO膜12は縮退した半導体であり、n
型の透明導電膜である。またSrCu22膜は同様にp
型の透明導電膜である。
【0040】前記両電極間に数ボルトの電圧を印加する
と、前記両輸送層中を輸送された各キャリアは発光層で
あるGaP膜15に到達し、そこで再結合を行なう。前
記多結晶であるGaPのバンドギャップは2.26eV
程度であり、電子輸送層12と正孔輸送層16の重なり
部分で主に緑色の光を発光する。この発光光はITO膜
12を通りガラス基板11を通って外部へと導光され
る。
【0041】(実施例2)本実施例の発光素子は、Ga
P半導体膜の代わりに、厚さ500ÅのAlq3(8−
キノリノールアルミ錯体)膜を用いた以外は実施例1の
発光素子と同様である。
【0042】本実施例で用いたAlq3膜の分子量は4
59.6であり、有機物質であるものの低分子化合物で
あるため容易に精製可能である。またアモルファスであ
る前記物質のバンドギャップは2.7eV程度であり、
青色の発光を行なう。
【0043】(実施例3)本実施例の発光素子は、Ga
P半導体膜の代わりに、母材であるBebq2に1w%
のキナクリドンを混合した膜を用いた以外は実施例1の
発光素子と同様である。両者は共に発光材料であるが、
前記ドーパントであるキナクリドンの伝導帯(あるいは
LUMO準位)は母材のそれよりも低く電子のトラップ
として働くため、キャリアである電子がその周囲に局在
し易くなり、正孔に対する衝突断面積が増大し発光効率
が改善される。
【0044】以上説明した本発明による発光素子は、前
述したように簡単な直流駆動系で駆動可能である。図3
に本発明の発光素子の駆動回路を示す。
【0045】図3において、31はDC電源であり、5
Vの電池である。32は階調を表現するためのトランジ
スタであり、33はその制御端子である。前記トランジ
スタ32は発光素子34の陰極側に接続されており、例
えば図1及び図2に示したようにパターニングされてい
る陰極12に接続することによって、発光素子34を個
別に制御可能である。
【0046】発光素子34は流す電流によってそのキャ
リヤ数を変えるため、前記キャリア対の再結合数が変化
し、光量の制御が可能となる。
【0047】また、発光素子34の界面に存在するキャ
リアトラップは、DC電圧を継続して印加することによ
り埋まり、より綺麗な整流特性を発光素子34は示すよ
うになる。
【0048】また、前記諧調の制御を行なうことによ
り、前記トラップに起因する過渡的な電流が付加される
場合がある。そのような場合には、前記トラップの時定
数よりも前記諧調の制御を遅くすることによって、より
精密な階調制御が可能となる。
【0049】従来の有機EL素子においては、素子内に
電位の固定されない複数(通常は2つ以上)の界面接合
を有するため、前記トラップの時定数は1秒を越えるこ
ともある。これらは材料の種類や製造プロセスに依存す
るが、本発明の発光素子においては電位の固定されない
接合は無いので、前記トラップの時定数を充分に小さく
することが可能であり、交流駆動、反転駆動を使用しな
くとも直流駆動で充分に高速な階調制御が可能となる。
【0050】(実施例4)本実施例は本発明の発光素子
を用いた表示装置の例である。本実施例の表示装置の概
略断面図を図4に示す。
【0051】ガラス基板41上に形成されたn型輸送層
であるITO膜を、各々がRGB画素の陰極42r、4
2g、42bとなるようにパターニングする。前記画素
の大きさは100μm角である。
【0052】パターニングされた各電極上に選択的に各
色の発光層45r、45g、45bを形成する。前記発
光層の材料は各々ドーパント入りAlq3、Alq3、D
PVBiである。形成方法は、蒸着マスクを用いたそれ
でも、公知のホトリソ法でも良い。その後、共通電極で
あるp型輸送層46であるCu2Oを形成する。
【0053】本実施例によれば、フルカラーの表示が可
能な表示装置を提供することができる。
【0054】また、発光動作を行なう各画素(素子)
が、前記共通電極46によってシールドされているため
その動作は安定であり、前記素子特性が変動することは
ない。また、必要であるならば前記共通電極46上にパ
シベーション膜を設けることにより、更に信頼性を向上
することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
価な材料を用いた複雑な構造を有することなく、基板上
に高性能な発光素子を多数形成することができ、小型高
性能軽量な表示装置を可能とする発光素子を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る発光素子を概略的に示す
平面図である。
【図2】本発明の実施例に係る発光素子を概略的に示す
断面図である。
【図3】本発明の発光素子の駆動回路の一例を示す図で
ある。
【図4】本発明の発光素子を用いた表示装置の概略断面
図である。
【符号の説明】 11、41 基板 12、42r、42g、42b 電子輸送層 13 陰極部 14 配線部 15、45r、45g、45b 発光層 16、46 正孔輸送層 31 直流電源 32 トランジスタ 33 ゲート 34 発光素子

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子と正孔を再結合させ発光させる素子
    において、前記電子及び正孔は各々異なる金属あるいは
    縮退した半導体からなる輸送層により輸送され、該両輸
    送層間に高抵抗な半導体あるいは絶縁体からなる薄膜が
    サンドイッチされた構造を有し、該薄膜中に含まれる発
    光材料によって発光が行なわれることを特徴とする発光
    素子。
  2. 【請求項2】 前記薄膜は、前記両輸送層間に電圧が印
    加されない場合には伝導に寄与する前記キャリアをほと
    んど含まないことを特徴とする請求項1に記載の発光素
    子。
  3. 【請求項3】 前記両輸送層間に電圧が印加された場
    合、該両輸送層に起因する整流特性を示すことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 前記両輸送層と前記薄膜の界面に存在す
    るキャリアトラップが埋まった場合にも前記整流特性を
    示すことを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
  5. 【請求項5】 前記両輸送層および前記薄膜は同一基板
    上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の発光素子。
  6. 【請求項6】 前記両輸送層のうち少なくとも光を導光
    する側のそれは、透明であることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の発光素子。
  7. 【請求項7】 前記薄膜のバンドギャップは1.8eV
    よりも広いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
    に記載の発光素子。
  8. 【請求項8】 前記薄膜は無機材料あるいは分子量が1
    000以下の低分子有機材料からなることを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれかに記載の発光素子。
  9. 【請求項9】 前記薄膜を構成する半導体あるいは絶縁
    体は、結晶質であることを特徴とする請求項1乃至8の
    いずれかに記載の発光素子。
  10. 【請求項10】 前記両輸送層と前記薄膜との間に存在
    する2つの界面の接合電位は、該両輸送層間に印加され
    る電圧によって一定の値に固定されていることを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載の発光素子。
  11. 【請求項11】 直流で駆動されることを特徴とする請
    求項1乃至10のいずれかに記載の発光素子。
  12. 【請求項12】 前記発光材料は、前記薄膜を構成する
    半導体材料あるいは絶縁体材料であることを特徴とする
    請求項1乃至11のいずれかに記載の発光素子。
  13. 【請求項13】 前記薄膜中に前記キャリアのいずれか
    をトラップ若しくは局在化する材料を含むことを特徴と
    する請求項1乃至12のいずれかに記載の発光素子。
  14. 【請求項14】 前記キャリアのいずれかをトラップ若
    しくは局在化する材料が発光材料であることを特徴とす
    る請求項13に記載の発光素子。
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