JP2002195299A - 二方向オーバーランニングクラッチ機構 - Google Patents

二方向オーバーランニングクラッチ機構

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JP2002195299A
JP2002195299A JP2001235042A JP2001235042A JP2002195299A JP 2002195299 A JP2002195299 A JP 2002195299A JP 2001235042 A JP2001235042 A JP 2001235042A JP 2001235042 A JP2001235042 A JP 2001235042A JP 2002195299 A JP2002195299 A JP 2002195299A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】自動車の差動機に用いるのに適した二方向オー
バーランニングクラッチで選択的に自動車の差動機をロ
ックさせることができる、ローラーとカム面を利用した
2方向オーバーランニングクラッチ機構に関する。 【解決手段】オーバーランニングクラッチ機構10は、
円筒形内周面を有する外レース12と、この円筒形内周
面と同軸の外周カム面を有する内レース20を有し、こ
の外周面と内周面の間の隙間にローラーが収容されてい
る。ローラーは付勢部材によって非係合位置に向けて付
勢されている。アクチュエーターに通電すると、付勢部
材に抗してローラーが移動して外周面と内周面に噛み込
み、外レースと内レースはロックされ、相対回転できな
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は、自動車の差動機に用いるのに
適した二方向オーバーランニングクラッチに関する。具
体的には本発明は、選択的に自動車の差動機をロックさ
せることができる、ローラーとカム面を利用した2方向
オーバーランニングクラッチ機構に関する。
【0002】
【背景技術】差動機は、自動車の駆動輪に動力を伝達し
つつ、両者が異なる速度で回転することを可能にする装
置である。自動車の駆動車軸に動力を伝達するのに用い
られる様々なタイプの差動機構が公知である。
【0003】通常の差動機の場合、車両が曲がっている
時は、動力はピニオンギアとリングギアを介してデフハ
ウジングに伝達されるが、カーブの内側となる車輪と外
側となる車輪は異なる円軌道を通るため、2本の車軸が
それぞれ連結されたサイドギアは、それと噛み合ったス
パイダーギアが回転することによって、異なる速度で回
転することになる。駆動輪と路面の間の摩擦が十分であ
れば、動力は差動機構を介して駆動輪に十分伝達され
る。しかし路面との摩擦が小さくなったり、全くなくな
ってしまうと、通常の差動機構は空転し始め、ほとんど
駆動輪に動力が伝わらなくなる。たとえば駆動輪の一方
のタイヤが凍結路面等の滑りやすい路面に乗り上げ、他
方の駆動輪は乾いた路面上にあるような場合、低摩擦側
の車輪だけが空転し、その結果動力がすべてこの空転し
ている車輪に伝わってしまうということが起きる。この
場合、乾いた路面上の車輪には動力が全く伝わっていな
いので、車両は前進あるいは後退することができなくな
る。そこでこのような場合は、2本の車軸をロックさせ
る必要がある。
【0004】標準的な差動機構の上記のような欠点をな
くすための機構は、デフロックと呼ばれている。典型的
なデフロック機構は、2本の駆動車軸をロックさせるた
めの「ドッグ」クラッチあるいは軸方向ギアを備えてい
る。しかしこのタイプのデフロック機構は車両の走行中
に操作することはできない。走行中にギアの歯を噛み合
わせると、ギアがひどく破損してしまいやすいためであ
る。そこで走行中にも差動機構を瞬間的にロックさせる
ことができるような装置が望まれている。
【0005】差動機以外の駆動系の部品を選択的にロッ
クするための、ローラーとカム面を有するクラッチ機構
は公知である。たとえばNTN株式会社に譲渡されてい
る米国特許No.927456(この引例を本願明細書の
一部とみなす)に記載されている2方向オーバーランニ
ングクラッチは、ローラーとカム面を用い、ローラーを
押圧、保持する機構を備えている。またやはりNTN株
式会社に譲渡されている米国特許No.5924510
(この引例も本願明細書の一部を成すものとする)に記
載されている回転伝達装置は、4輪駆動車のトランスフ
ァーに収容され、選択的に駆動力を伝達するクラッチ機
構を備えている。
【0006】このような装置を差動機に用いて、2本の
車軸を車両の走行中に必要に応じてロックできるように
することが望まれる。
【0007】この発明の第1の目的は、米国特許No.5
927456や5924510に開示されているような
2方向オーバーランニングクラッチを、自動車の差動機
に組み込んで、そのクラッチを作動させることによっ
て、一方のサイドギアまたは駆動車軸を差動機のハウジ
ングにロックさせることによって、2つの駆動輪が相対
回転できないようにすることである。上記のクラッチ
は、車輪と路面の摩擦状態に応じて電磁トリガークラッ
チや、油圧あるいは空気圧装置等を用いて制御すること
ができる。
【0008】本発明のもう一つの目的は、自動車の走行
中に状況に応じて瞬間的にロックさせることができる差
動機構を提供することである。
【0009】
【発明の要約】本発明のオーバーランニングクラッチ機
構は、円筒形内周面を有し、軸線を中心に回転可能で、
ケース端部材によって一端が閉じられている外レース
と、隙間を介して前記円筒形内周面と対向する、前記円
筒形内周面と同軸の外周面を有し、前記外レースに対し
て前記軸線を中心に相対的に回転自在の内レースとを備
えている。前記外周面には複数の(平面状あるいは少し
凹状の)カム面が形成されている。複数のローラーが前
記外レースと内レースの間に、各ローラーが各カム面の
中央部に位置する状態で組み込まれ、前記ローラーの径
は、前記円筒形内周面と前記各カム面の中央部間の距離
より小さく設定されている。前記ローラーは保持器によ
って、一斉に円周方向に移動するように保持され、前記
保持器は、前記軸線を中心に、所定の範囲内で前記内レ
ースに対して相対的に回転することができる。第1付勢
部材が前記保持器に支持され、この第1付勢部材で前記
保持器を円周方向に付勢することによって、前記ローラ
ーが各カム面の中央部に保持されている。作動ディスク
が、保持器に対してケース端部材に向かって多少軸方向
に動けるように、保持器に接続されている。好ましい実
施例では、この作動ディスクの外周縁に切り欠きが形成
され、この切り欠きに、保持器の一端から軸方向に延び
るタブを係合させることにより、前記作動ディスクは、
保持器に対して軸方向には移動できるが、相対的に回転
できないようにする。前記作動ディスクを前記保持器に
向けて、前記ケース端部材から離れる方向に付勢する第
2の付勢部材が、前記作動ディスクとケース端部材の前
記内面の間に組み込まれている。
【0010】さらにこのクラッチ機構は、前記第2付勢
部材に抗して前記作動ディスクを前記ケース端部材に押
しつけるためのアクチュエーターを備え、前記アクチュ
エーターを選択的に作動させて、作動ディスクをケース
端部材に摩擦接触させることにより、前記外レースとケ
ース端部材の回転を、前記作動ディスクと保持器に伝
え、保持器を第1付勢部材に抗して回転させることによ
って、前記ローラーを前記カム面上で移動させ、前記内
レースおよび外レース間に噛み込ませることによって、
前記内レースと外レースが相対的に回転できないように
することができる。
【0011】
【好ましい実施例】以下の好ましい実施例の説明は、発
明をこの実施例に限定することを意図したものではな
く、当業者が本発明を実施できるようにするためのもの
である。
【0012】図1−3において、本発明のオーバーラン
ニングクラッチ機構全体を10で示す。クラッチ機構1
0は、円筒形内面14を有し、軸線16を中心に回転自
在の外側レース12を有する。外側レース12の一端に
はケースエンド18が形成されている。クラッチ機構1
0はさらに内側レース20を有する。内側レースは、外
側レース12の円筒形内面14と同軸上に配置された外
周面22を有する。内側レース20と外側レース12の
間には、外側レース12の円筒形内面13と内側レース
20の外周面22とによって隙間24が形成されてい
る。内側レース20も軸線16を中心に回転する。外側
レース12は、クラッチ機構10をデフハウジング28
に取り付けるための、フランジ26等の手段を備えてい
る。ローラー34と、内側レース20と、外側レース1
2の材質としては、鋼鉄が好ましい。ローラー34と、
外側レース12の内周面14と、内側レース20の外周
面22には、高接触ヘルツ応力が加わるので、上記内周
面14と外周面22は焼き入れ後、研削するのが望まし
い。
【0013】内レース20の外周面22には、間隔をお
いて複数のスロープ、すなわちカム面が形成されてい
る。複数の転動体34が、それぞれが各カム面の中央部
で支持された状態で、外レース12と内レース20の間
にはまっている。転動体34の径は、円筒内面14と外
周面22の各カム面の中央部間の隙間24より小さく、
円筒内面14と各カム面の両端間の隙間より大きい値に
設定されている。転動体34は、保持器36によって一
斉に周方向に移動するように保持されている。保持器3
6は、内レース20に対して、所定の範囲で軸線16を
中心に回転できるようになっている。また保持器36
は、ケースエンド18の内面40に向かって軸方向に延
びるタブ38を備えている。タブ38の末端はケースエ
ンド18の内面40に隣接している。
【0014】ローラーは、保持器36に取り付けた第一
付勢部材81によって、各カム面の中央部に向けて付勢
されている。作動ディスク46が保持器36とケースエ
ンド18の内面40の間に設けられている。作動ディス
ク46は外周縁48と内周縁50を有し、外周縁48に
切欠き54が形成されている。切欠き54には保持器の
タブ38が嵌まっており、これにより作動ディスク46
は保持器36に対して軸方向には移動できるが、回転は
できないようになっている。第2付勢部材56が作動デ
ィスク46とケースエンド18の内面40の間に設けら
れ、作動ディスク46を保持器36に向けて、ケースエ
ンド18から離れる方向に付勢している。第2付勢部材
56としては波形バネがよい。
【0015】好ましい実施例における第1付勢部材は、
保持器36に支持されると共に内レース20に係合し、
各転動体34が各カム面の中央部に位置し、外レース1
2と内レース20が自由に相対回転できる位置に保持器
36を保持するバネである。このバネは、半径方向内向
きまたは外向きに延び、内レース20のハブ72に形成
された小さい切り欠き(図示省略)に係合する複数の小
さいタング(図示省略)を備えている。このバネの押圧
力は正確に調整する必要がある。すなわちクラッチ機構
10の係合が解除された状態で、保持器36と転動体3
4を中立位置に容易に動かせるだけの押圧力が第1付勢
部材には要求されると共に、その押圧力は作動ディスク
46がケースエンド18に押しつけられたときに両者の
間に発生する摩擦力よりも大きくてはならない。さもな
いとクラッチ機構10を作動させることができないから
である。
【0016】図4に示すように、作動ディスク46の片
面には、気温が低く、潤滑剤の粘度がクラッチの作動に
悪影響を及ぼすほど高い時に、潤滑剤の流れをよくする
ための溝が形成されている。このような溝としては、半
径方向の溝、円周方向の溝、左巻きと右巻きの渦巻から
成る溝などが考えられる。渦巻状の溝は、部品が相対回
転しているとき、粘度が高い潤滑剤をらせん状に流動さ
せることによって、相対回転している部品の界面から押
し出す役目をする。
【0017】クラッチ機構10は、第2付勢部材56の
力に抗して、作動ディスク46をケースエンド18に押
しつけるためのアクチュエーター58を備えている。作
動ディスク46は保持器36に対して軸方向に移動でき
るので、アクチュエーター58の吸引力が第2押圧部材
56の力を上回ると、作動ディスク46はケースエンド
18の内面40に向けて移動し、内面40に押しつけら
れる。作動ディスク46がケースエンド18の内面40
に押しつけられると、両者の間の摩擦力によって、外レ
ース12とケースエンド18の回転が作動ディスク46
に伝わる。作動ディスク46には保持器のタブ38が係
合しているため、外レース12とケースエンド18の回
転は、作動ディスク46を介して保持器36に伝わる。
【0018】こうして保持器36が内レース20に対し
て相対的に回転し始めると、転動体34はカム面の中央
部から一方の端部に向かって動きだす。カム面の端部で
の隙間24の幅は転動体34の径より小さいため、転動
体34がカム面中央部から一方の端部に向かって動きだ
すと、内レースの外周面22と、外レース12の内周面
14の間に噛み込み、内レース20と外レース12はロ
ックされ一体回転する。転動体34が内レース12と外
レース20の間に噛み込んだ状態において、内レース2
0の各カム面と、外レース12の内周面14と転動体と
の接点における内周面14の接線が所定の角度を成すよ
うに、カム面は形成されている。転動体を外レース20
の内周面14と内レース20の外周面22の間にしっか
り噛み込ませるためには、上記角度は好ましくは約4°
〜約10°とする。この角度が上記範囲を下回ると、転
動体と内外レースとの接触ヘルツ応力が高くなりすぎ
て、転動体34が押しつぶされたり、内外レース12、
20の周面にブリネル圧痕が発生しやすくなる。またこ
の角度が上記範囲を上回ると、外レース12の内周面1
4と内レース20の外周面22の間から抜け出してしま
いやすくなる。カム面の形状と、カム面と転動体との相
互作用については、共にNTN株式会社に譲渡されてい
る米国特許No.5927456、5924510に詳し
く記載されている。
【0019】好ましい実施例におけるアクチュエーター
58は、固定の車軸ハウジング(図示省略)の外面に取
り付けられたハウジング62に収容された電磁コイル6
0である。ケースエンド18には、ケースエンド18を
軸方向に貫通し、互いに円周方向に離れた複数の円周方
向のスロット66が形成されている。電磁コイル60に
通電すると、磁束が発生し、その磁束はスロット66か
ら作動ディスク46を通過する。磁束が作動ディスク4
6を通過すると、作動ディスク46は、磁力によりケー
スエンド18の内面40の方に引っ張られる。そして電
磁コイル60の磁力が第2付勢部材56の力を上回る
と、作動ディスク46はケースエンド18の内面に向か
って実際に動き始める。
【0020】アクチュエーター58の形態としては電磁
コイル60が好ましいが、別のタイプのアクチュエータ
ーを用いることもできる。たとえば作動ディスク46を
動かす手段として、電磁手段以外に、油圧手段、空気圧
手段等を用いてもよい。本発明のアクチュエーター58
は、駆動機構の固定の車軸ハウジングに直接取り付ける
ことができるので、本発明の差動機は既存の車軸支持部
に装着することができる。このため交換の費用を抑える
ことができる。
【0021】アクチュエーター58の通電を切ると、作
動ディスク46を吸引する力がなくなるため、作動ディ
スク46は第2付勢部材56によって、ケースエンド1
8の内面から引き離され、両者の間の摩擦はなくなるの
で、作動ディスク46にはもはや回転力は伝わらなくな
る。こうして保持器36とローラー34を中立位置から
引き離す回転力がなくなるため、第1付勢部材81によ
って、保持器36は中立位置に戻り、ローラー34はカ
ム面の中央部の位置に戻り、クラッチ機構10の係合が
解除され、外レース12は内レース20に対して再び相
対回転できるようになる。
【0022】好ましい実施例の作動ディスク46には内
周縁50に沿って、ケースエンド18の内面と対向する
環状の段部82が設けられている。この段部によって形
成される凹部に第2付勢部材56が挿入されており、作
動ディスク46がケースエンド18の内面40に押しつ
けられた状態で、第2付勢部材は圧縮されて上記凹部に
完全に納まるようになっている。第2付勢部材56とし
ては、作動ディスク46の環状段部82に挿入され、電
磁コイル60の磁力が第2付勢部材56の力を上回ると
圧縮されて環状段部82内に完全に納まる波形バネが好
ましい。
【0023】電磁コイル60のハウジング62は、固定
の車軸支持部に取り付け、ケースエンド18には軸受6
8を介して連結するのがよい。軸受68としては、玉軸
受、ころ軸受、ジャーナル軸受などを用いることができ
る。軸受68を介することによって、電磁コイル60と
ハウジング62は、車軸ハウジングに固定することがで
きる。電磁コイル60は静止しているため、その配線
は、回転体に対する電気配線に比べ単純なもので済む。
図示の軸受に代えて、ジャーナル軸受等の他の種類の軸
受を用いてもよい。ハウジング62とケースエンド18
の外面の相対的な回転を許容するものであれば何でもよ
い。
【0024】図4、5に示すように、好ましい実施例で
は、作動ディスク46の内周50に沿って複数の切り欠
き70が形成されている。また内レース20は外周面2
2に隣接してハブ72を有し、ハブ72には半径方向外
方および軸方向外方に延びる段部74が形成されてい
る。段部74はケースエンド18の内面40に向かって
軸方向に延び、段部74とケースエンド18の内面40
の間に隙間76が形成されている。作動ディスク46
は、作動ディスク46が保持器36に押しつけられた状
態で、内周縁が上記隙間76内に位置し、段部74が切
り欠き70に係合するように高さ寸法が設定されてい
る。したがってこの状態では、段部74と切り欠き70
の係合によって、作動ディスク46が内レース20のハ
ブ72に対して相対回転できないため、作動ディスク4
6が回転して、クラッチ10がロックしては困るときに
ロックしてしまうのを確実に防ぐことができる。段部7
4と欠き70がない場合、たとえばクラッチ10内のオ
イルの粘度が高い状態で、外レース12の回転速度が上
昇すると、アクチュエーター58によって作動ディスク
46がケースエンド18の内面40に引きつけられてい
なくても、オイルの摩擦によって作動ディスクが回転し
てしまう可能性がある。しかし本発明では、ハブ72の
段部74が作動ディスク46の切り欠き70に係合して
いる間は、作動ディスク46は回転できず、したがって
クラッチ10がロックすることはあり得ない。
【0025】電磁コイル60に通電すると、作動ディス
ク46はケースエンド18に向かって動き始め、ケース
エンド18の内面40に接触する直前に、作動ディスク
46の内周縁に形成された切り欠き70から段部74が
抜ける。このため作動ディスク46は、段部74とケー
スエンド18の内面40の間のスペース76内を自由に
回転して、クラッチ10をロックできる状態になる。段
部74は内レース20のハブ72に形成するのがよい
が、内レース20のハブ72に押し嵌めしたリング78
に形成してもよい。
【0026】好ましい実施例においては、保持器のタブ
38は保持器36に直接形成されているが。図2、3に
示すように、保持器36と一体回転するように固着され
た作動スパイダー80に設けてもよい。第1付勢部材8
1は保持器36を内レース20に対して中立位置に保持
する。作動スパイダー80から延びるタブ38は、作動
ディスク46の外周縁48に形成された切り欠き54に
係合している。
【0027】このクラッチ機構は、自動車の差動機に用
いて、2本の車軸をロックさせるのに用いることができ
る。図6、7に示すように、差動機は外周104に入力
リングギア(図示省略)が形成されたハウジング102
を有する。車両の駆動系からの回転運動が、リングギア
を介してハウジング102に伝わる。ハウジング102
の内部には、車両の2本の車軸(図示省略)にそれぞれ
連結された第1および第2のサイドギア106、108
が組み込まれている。2個以上のスパイダーギア110
がハウジング102内で、第1および第2のサイドギア
106、108と噛み合っている。
【0028】車両が直進している時は、2本の車軸は同
速度で回転するため、リングギアを介してハウジング1
02に伝わった動力によって、ハウジング102と車軸
は同速度で回転する。このためサイドギア106、10
8とスパイダーギア110は相対的に回転しない。車両
が曲がっているときは、車輪が異なる大きさの円軌道上
を移動するため、2本の車軸の間に回転速度差が生じ
る。このためサイドギア106、108間にも回転速度
差が生じるが、2本の車軸はスパイダーギア110を介
して互いに連結されているため、トルクは各車軸の速度
に比例して分配される。
【0029】クラッチ機構10は、第1のサイドギア1
06を差動機のハウジング102にロックさせることに
よって、車軸をロックさせることができるように、ハウ
ジング102内に組み込まれる。図7に示すように、第
2のサイドギア108は、ハウジング102内の第2の
端部114側に回転自在に組み込まれている。すなわち
第2のサイドギア108は、ハウジング102に対し
て、軸方向には移動できないが、相対回転できる。クラ
ッチ10の外レースは、ハウジング102の第1の端部
112側に固着されている。
【0030】図示のように、クラッチ機構10と差動機
のハウジング102は、それぞれのフランジ116、1
17を機械的固定手段で固定することによって連結され
ている。しかし機械的固定手段を用いる代わりに、外レ
ース12の外周面とハウジング102の第1端部112
側の内周面122にそれぞれスプラインを形成して、ク
ラッチ10をハウジング102の第1端部112側の内
周122に圧入することによって、両者を固着してもよ
い。
【0031】第1のサイドギア106は、クラッチ機構
10の内レース20に固定されている。好ましい実施例
では、内レース20の中心には孔124が形成され、第
1のサイドギア106の外周126が内レース20の孔
124に、圧入またはスプラインにより固定されてい
る。あるいは第1サイドギア106に中心孔を形成し、
この中心孔と内レース20の中心孔124の両方にスプ
ラインを形成し、第1サイドギアに連結される第1の車
軸の外周にもスプラインを形成し、これらのスプライン
を噛み合わせることによって、この第1の車軸を介して
第1サイドギアと内レースを連結すれば、内レース20
と第1サイドギアの相対回転をより確実に防ぐことがで
きる。上記どの実施例においても、第1サイドギア10
6と内レース20は互いに固着され、機能的に一体化さ
れている。
【0032】スパイダーギア110はハウジング102
内に組み込まれ、第2の軸線128すなわちハウジング
102に取り付けられたシャフト129の軸線を中心に
回転する。第1および第2のサイドギア106、108
は、前記第1の軸線に直交する、第1、第2の車軸の軸
線に一致する第2の軸線を中心に回転する。各スパイダ
ーギアは第1および第2サイドギア106、108の両
方と噛み合っている。
【0033】クラッチ機構10の係合が解除されている
状態では、内レース20と外レース12は相対回転でき
るので、第1サイドギア106と第1車軸109もハウ
ジング102に対して相対的に回転できる。車両が曲が
っている時などは、両車軸間に回転速度差が生じるが、
2本の車軸はスパイダーギア110を介して互いに連結
されているため、トルクは各車軸の速度に比例して分配
される。路面摩擦係数が低い場合(濡れた路面、雪道、
凍結路等)は、駆動輪の一方が空転して、差動機の作用
で他方の駆動輪にトルクが伝わらなくなることがある。
このような状況に陥ると、車両は、そんなに急ではない
上り坂を登攀するのが困難になる。
【0034】このような場合、クラッチ10をロックさ
せると、第1の車軸、第1のサイドギア106、内レー
ス20、外レース12、ハウジング102が互いに固着
され、相対回転できなくなる。第1サイドギア106が
ハウジング102に固着しているため、第1サイドギア
106と噛み合っているスパイダーギア110は第1の
軸線128を中心に回転することはできない。このた
め、スパイダーギア110と噛み合っている第2のサイ
ドギア108も、ハウジング102に対して相対的に回
転できない。すなわち簡単に言うと、クラッチ機構10
がロックすると、第1、第2のサイドギア106、10
8およびそれに連結された第1、第2の車軸は互いに固
着され、第1、第2の車軸にはトルクが等しく伝わると
共に、両者は相対回転ができなくなる。
【0035】上では一つの好ましい実施例についてのみ
説明したが、当業者なら、上記説明、添付の図面、クレ
ームから、クレームで定める発明の範囲から逸脱するこ
となく、様々な変更、改良を行うことができるはずであ
る。上記発明の説明で用いている用語は、明細書全体に
照らして解釈すべきものであり、発明を限定することを
意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオーバーランニングクラッチの斜視図
【図2】図1のオーバーランニングクラッチの断面側面
【図3】図2のオーバーランニングクラッチの部分詳細
【図4】オーバーランニングクラッチに用いる内レー
ス、保持器、ローラー、作動ディスクから成る組立体の
斜視図
【図5】図1の線5−5に沿った断面図
【図6】本発明のオーバーランニングクラッチを備えた
差動機ハウジングの斜視図
【図7】図6の差動機ハウジングの断面側面図

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形内周面を有し、軸線を中心に回転
    可能で、ケース端部材によって一端が閉じられている外
    レースと、 隙間を介して前記円筒形内周面と対向する、前記円筒形
    内周面と同軸の外周面を有し、前記外レースに対して前
    記軸線を中心に相対的に回転自在の内レースとを備え、 前記外周面には複数のカム面が形成され、 複数のローラーが前記外レースと内レースの間に、各ロ
    ーラーが各カム面の中央部に位置する状態で組み込ま
    れ、前記ローラーの径は、前記円筒形内周面と前記各カ
    ム面の中央部間の距離より小さく、 前記ローラーは保持器によって、一斉に円周方向に移動
    するように保持され、前記保持器は、前記軸線を中心
    に、所定の範囲内で前記内レースに対して相対的に回転
    することができ、前記保持器は、前記ケース端部材の軸
    方向内面に向かって軸方向に延び、末端がケース端部材
    の前記軸方向内面の近くに位置するタブを備えており、 第1付勢部材が前記保持器に支持され、この第1付勢部
    材で前記保持器を円周方向に付勢することによって、前
    記ローラーが各カム面の中央部に保持されており、 作動ディスクが前記保持器と前記ケース端部材の前記内
    面の間に組み込まれ、この作動ディスクの外周縁に切り
    欠きが形成され、この切り欠きに前記保持器のタブを係
    合させることにより、前記作動ディスクは、保持器に対
    して軸方向には移動できるが、相対的に回転できないよ
    うになっており、 前記作動ディスクを前記保持器に向けて、前記ケース端
    部材から離れる方向に付勢する第2の付勢部材が、前記
    作動ディスクとケース端部材の前記内面の間に組み込ま
    れ、 前記第2付勢部材に抗して前記作動ディスクを前記ケー
    ス端部材に押しつけるためのアクチュエーターを備え、
    前記アクチュエーターを選択的に作動させて、作動ディ
    スクをケース端部材に摩擦接触させることにより、前記
    外レースとケース端部材の回転を前記作動ディスクと保
    持器に伝え、それによって前記ローラーを前記カム面上
    で移動させ、前記内レースおよび外レース間に噛み込ま
    せることによって、前記内レースと外レースが相対的に
    回転できないようにすることができるオーバーランニン
    グクラッチ機構。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエーターが、前記ケース端
    部材の近くで、固定のハウジングに取り付けられたハウ
    ジングに収容された電磁コイルを有し、前記ケース端部
    材には円周方向に間隔をおいてスロットが形成されてお
    り、前記電磁コイルに通電すると、電磁コイルで発生し
    た磁束がスロットと作動ディスクを通過することによっ
    て、作動ディスクが前記ケース端部材の内面に磁力で引
    きつけられるようにした請求項1に記載のオーバーラン
    ニングクラッチ機構。
  3. 【請求項3】 前記電磁コイルのハウジングを前記ケー
    ス端部材に軸受を介して連結することにより、前記ケー
    ス端部材および前記外レースが、前記ハウジングに対し
    て相対的に回転できるようにした請求項2に記載のオー
    バーランニングクラッチ機構。
  4. 【請求項4】 前記作動ディスクの内周縁には、切り欠
    きが少なくとも一か所に設けられ、前記内レースは前記
    外周面の近くにハブを有し、前記ハブには半径方向外側
    に延びると共に、前記ケース端部材の内面に向かって軸
    方向に延びる段部が形成されており、前記ケース端部材
    の内面と前記段部の間には隙間が形成され、作動ディス
    クが保持器に押しつけられた状態で、段部が切り欠きに
    係合し、前記ハブと内レースに対する作動ディスクの相
    対回転を防ぐと共に、前記作動ディスクが前記ケースの
    内面に接触した状態では、前記段部が切り欠きから抜け
    出して、前記ハブおよび内レースに対して作動ディスク
    が相対的に回転できるように前記作動ディスクの幅寸法
    が設定されている請求項1に記載のオーバーランニング
    クラッチ機構。
  5. 【請求項5】 前記段部はカラーに形成され、そのカラ
    ーは前記ハブの外径より小さい内径を有し、前記ハブの
    外周に押し嵌めされている請求項4に記載のオーバーラ
    ンニングクラッチ機構。
  6. 【請求項6】 前記第1付勢手段は、前記内レースと保
    持器の間に設けられ、前記保持器を、各ころが前記各カ
    ム面の中央部に位置する中立位置に向けて押圧するバネ
    である請求項1に記載のオーバーランニングクラッチ機
    構。
  7. 【請求項7】 前記作動ディスクの軸方向の面に凹部が
    形成され、前記第2付勢部材は前記凹部に嵌まった波形
    バネであり、前記作動ディスクが前記ケース端部材の内
    面に接触した状態で、前記波形バネは圧縮されて、前記
    凹部内に納まるようになっている請求項1に記載のオー
    バーランニングクラッチ機構。
  8. 【請求項8】 前記作動ディスクに、潤滑剤の流動を促
    進する溝が形成されている請求項7に記載のオーバーラ
    ンニングクラッチ機構。
  9. 【請求項9】 第1および第2の車軸と、 車軸ハウジングを有し、 差動機ケースが前記車軸ハウジング内に回転自在に取り
    付けられ、 少なくとも2個のスパイダーギアが、第1の軸線を中心
    に回転自在に前記差動機ケースに取り付けられ、 第1のサイドギアが、前記第1の車軸に固定され、第2
    のサイドギアが第2の車軸に固定され、 クラッチ機構が前記差動機ハウジングと、前記車軸の一
    方に連結され、前記クラッチ機構は、円筒形内周面を有
    し、第2の軸線を中心に回転可能で、ケース端部材によ
    って一端が閉じられている外レースと、隙間を介して前
    記円筒形内周面と対向する、前記円筒形内周面と同軸の
    外周面を有し、前記外レースに対して前記第2の軸線を
    中心に相対的に回転自在の内レースとを備え、前記外周
    面には複数のカム面が形成され、複数のローラーが前記
    外レースと内レースの間に、各ローラーが各カム面の中
    央部に位置する状態で組み込まれ、前記ローラーの径
    は、前記円筒形内周面と前記各カム面の中央部間の距離
    より小さく、前記ローラーは保持器によって、一斉に円
    周方向に移動するように保持され、前記保持器は、前記
    軸線を中心に、所定の範囲内で前記内レースに対して相
    対的に回転することができ、第1付勢部材が前記内レー
    スと保持器の間に支持され、この付勢部材によって前記
    保持器は前記内輪に対して、各ローラーが各カム面の中
    央部に位置する方向に付勢され、この位置から保持器が
    内レースに対して回転すると、ローラーが内レースと外
    レースの間に噛み込み、内外レースが相対回転できなく
    なり、これによって前記第1、第2の車軸が相対回転で
    きないように互いにロックされ、これによって前記差動
    機ハウジングを介して、前記第1、第2の車軸の両方に
    トルクを伝達できるようにした駆動機構。
  10. 【請求項10】 前記保持器は、前記ケース端部材の軸
    方向内面に向かって軸方向に延び、末端がケース端部材
    の前記軸方向内面の近くに位置するタブを備えており、 作動ディスクが前記保持器と前記ケース端部材の前記内
    面の間に組み込まれ、この作動ディスクの外周縁に切り
    欠きが形成され、この切り欠きに前記保持器のタブを係
    合させることにより、前記作動ディスクは、保持器に対
    して軸方向には移動できるが、相対的に回転できないよ
    うになっており、 前記作動ディスクを前記保持器に向けて、前記ケース端
    部材から離れる方向に付勢する第2の付勢部材が、前記
    作動ディスクとケース端部材の前記内面の間に組み込ま
    れ、 前記第2付勢部材に抗して前記作動ディスクを前記ケー
    ス端部材に押しつけるためのアクチュエーターを備え、
    前記アクチュエーターを選択的に作動させて、作動ディ
    スクをケース端部材に摩擦接触させることにより、前記
    外レースとケース端部材の回転を前記作動ディスクと保
    持器に伝え、それによって前記ローラーを前記カム面上
    で移動させ、前記内レースおよび外レース間に噛み込ま
    せることによって、前記内レースと外レースが相対的に
    回転できないようにすることができる請求項9に記載の
    駆動機構。
  11. 【請求項11】 前記第1の軸線は、前記ハウジングに
    取り付けられたシャフトの中心軸であり、前記スパイダ
    ーギアはこのシャフトに回転自在に取り付けられている
    請求項10に記載の駆動機構。
  12. 【請求項12】 前記第1のサイドギアは前記内レース
    に固定されており、このため第1の車軸も内レースに固
    定され、前記第2のサイドギアは回転自在に前記ハウジ
    ングに支持され、このため前記第2の車軸も前記ハウジ
    ングに回転自在に支持されている請求項11に記載の駆
    動機構。
  13. 【請求項13】 前記内レースは前記第1の車軸に固定
    され、前記第2のサイドギアは前記ハウジングに回転自
    在に支持されており、このため前記第2の車軸も前記ハ
    ウジングに回転自在に支持されている請求項11に記載
    の駆動機構。
  14. 【請求項14】 前記アクチュエーターが、前記車軸ハ
    ウジングの内面に取り付けられたハウジング内に収容さ
    れ、軸受によって前記ケース端部材に対して位置決めさ
    れている電磁コイルを有し、前記ケース端部材には円周
    方向に間隔をおいてスロットが形成されており、前記電
    磁コイルに通電すると、電磁コイルで発生した磁束がス
    ロットと作動ディスクを通過することによって、作動デ
    ィスクが前記ケース端部材の内面に磁力で引きつけられ
    るようにした請求項11に記載の駆動機構。
  15. 【請求項15】 前記電磁コイルのハウジングを、前記
    軸受を介して前記ケース端部材に支持させることによ
    り、前記ケース端部材と外レースが前記ハウジングに対
    して相対的に回転できるようにした請求項14に記載の
    駆動機構。
  16. 【請求項16】 前記作動ディスクの内周縁には、切り
    欠きが少なくとも一か所に設けられ、前記内レースは前
    記外周面の近くにハブを有し、前記ハブには半径方向外
    側に延びると共に、前記ケース端部材の内面に向かって
    軸方向に延びる段部が形成されており、前記ケース端部
    材の内面と前記段部の間には隙間が形成され、作動ディ
    スクが保持器に押しつけられた状態で、段部が切り欠き
    に係合し、前記ハブと内レースに対する作動ディスクの
    相対回転を防ぐと共に、前記作動ディスクが前記ケース
    の内面に接触した状態では、前記段部が切り欠きから抜
    け出して、前記ハブおよび内レースに対して作動ディス
    クが相対的に回転できるように前記作動ディスクの幅寸
    法が設定されている請求項11に記載の駆動機構。
  17. 【請求項17】 前記段部はカラーに形成され、そのカ
    ラーは前記ハブの外径より小さい内径を有し、前記ハブ
    の外周に押し嵌めされている請求項16に記載の駆動機
    構。
  18. 【請求項18】 前記第1付勢手段は、前記内レースと
    保持器の間に設けられ、前記保持器を、各ころが前記各
    カム面の中央部に位置する中立位置に向けて押圧するバ
    ネである請求項11に記載の駆動機構。
  19. 【請求項19】 前記作動ディスクの軸方向の面に凹部
    が形成され、前記第2付勢部材は前記凹部に嵌まった波
    形バネであり、前記作動ディスクが前記ケース端部材の
    内面に接触した状態で、前記波形バネは圧縮されて、前
    記凹部内に納まるようになっている請求項11に記載の
    駆動機構。
  20. 【請求項20】 前記作動ディスクに、潤滑剤の流動を
    促進する溝が形成されている請求項19に記載の駆動機
    構。
  21. 【請求項21】 円筒形内周面を有し、軸線を中心に回
    転可能で、ケース端部材によって一端が閉じられている
    外レースと、 隙間を介して前記円筒形内周面と対向する、前記円筒形
    内周面と同軸の外周面を有し、前記外レースに対して前
    記軸線を中心に相対的に回転自在の内レースとを備え、 前記外周面には複数のカム面が形成され、 複数のローラーが前記外レースと内レースの間に、各ロ
    ーラーが各カム面の中央部に位置する状態で組み込ま
    れ、前記ローラーの径は、前記円筒形内周面と前記各カ
    ム面の中央部間の距離より小さく、 前記ローラーは保持器によって、一斉に円周方向に移動
    するように保持され、前記保持器は、前記軸線を中心
    に、所定の範囲内で前記内レースに対して相対的に回転
    することができ、前記保持器は、前記ケース端部材の軸
    方向内面に向かって軸方向に延び、末端がケース端部材
    の前記軸方向内面の近くに位置するタブを備えており、 第1付勢部材が前記保持器に支持され、この第1付勢部
    材で前記保持器を内レースに対して円周方向に付勢する
    ことによって、前記ローラーが各カム面の中央部に保持
    されており、 作動ディスクが前記保持器と前記ケース端部材の前記内
    面の間に組み込まれ、この作動ディスクの外周縁に切り
    欠きが形成され、この切り欠きに前記保持器のタブを係
    合させることにより、前記作動ディスクは、保持器に対
    して軸方向には移動できるが、相対的に回転できないよ
    うになっており、 前記作動ディスクを前記保持器に向けて、前記ケース端
    部材から離れる方向に付勢する第2の付勢部材が、前記
    作動ディスクとケース端部材の前記内面の間に組み込ま
    れ、 車軸ハウジングの内面にハウジングが取り付けられ、こ
    のハウジングは軸受によって前記ケース端部材の外面に
    対して位置決めされ、この軸受によってケース端部材と
    外レースは、前記ハウジングに対して相対回転できるよ
    うになっており、 前記ハウジング内に電磁コイルが設けられ、前記ケース
    端部材には円周方向に間隔をおいてスロットが形成され
    ており、前記電磁コイルに通電すると、電磁コイルで発
    生した磁束がスロットと作動ディスクを通過することに
    よって、作動ディスクが、前記第2付勢手段に抗して前
    記ケース端部材の内面に磁力で引きつけられるようにな
    っており、作動ディスクをケース端部材に摩擦接触させ
    ることにより、前記外レースとケース端部材の回転を前
    記作動ディスクと保持器に伝え、それによって前記ロー
    ラーを前記カム面上で移動させ、前記内レースおよび外
    レース間に噛み込ませることによって、前記内レースと
    外レースが相対的に回転できないようにするようになっ
    ており、 前記作動ディスクの内周縁には、切り欠きが少なくとも
    一か所に設けられ、前記内レースは前記外周面の近くに
    ハブを有し、前記ハブには半径方向外側に延びると共
    に、前記ケース端部材の内面に向かって軸方向に延びる
    段部が形成されており、前記ケース端部材の内面と前記
    段部の間には隙間が形成され、作動ディスクが保持器に
    押しつけられた状態で、段部が切り欠きに係合し、前記
    ハブと内レースに対する作動ディスクの相対回転を防ぐ
    と共に、前記作動ディスクが前記ケースの内面に接触し
    た状態では、前記段部が切り欠きから抜け出して、前記
    ハブおよび内レースに対して作動ディスクが相対的に回
    転できるように前記作動ディスクの幅寸法が設定されて
    いるオーバーランニングクラッチ機構。
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US60/223882 2001-07-18
US60/258383 2001-07-18
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US09/908402 2001-07-18

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004256098A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Ntn Corp 電子制御ローラークラッチ機構を備えた車両駆動システム
JP2006308093A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Ntn Corp 機械式クラッチユニット
JP2012167782A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Toyota Motor Corp 電磁式係合装置

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JP2012167782A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Toyota Motor Corp 電磁式係合装置

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