JP2002191970A - ホルムアルデヒド除去剤 - Google Patents

ホルムアルデヒド除去剤

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JP2002191970A
JP2002191970A JP2000398335A JP2000398335A JP2002191970A JP 2002191970 A JP2002191970 A JP 2002191970A JP 2000398335 A JP2000398335 A JP 2000398335A JP 2000398335 A JP2000398335 A JP 2000398335A JP 2002191970 A JP2002191970 A JP 2002191970A
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Shigeru Ono
滋 大野
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WOMAN'S EYE KK
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】居住空間内にある、人体に有害な気体ホルムア
ルデヒドを除去する、2次汚染の原因となる液体を実質
的に含まないホルムアルデヒド除去剤を提供する。 【解決手段】アセト酢酸アミドを固体担体に担持してな
るホルムアルデヒド除去剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、居住空間内にある、人
体に有害な気体ホルムアルデヒドを、室温で迅速且つ不
可逆的に除去する、実質的に液体を含まないホルムアル
デヒド除去剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年家屋や家具などから、居住空間内に
放出される気体ホルムアルデヒドによる、所謂シックハ
ウス症候群が重要問題視されている。その改善方法とし
て、木炭や、使用済みの茶葉又は紅茶葉の使用が推奨さ
れている。
【0003】そもそも、家屋や家具などから居住空間に
放出される気体ホルムアルデヒドを除去するには、家
屋や家具などから気体ホルムアルデヒドが放出される速
度よりも速い速度で補足し除去すること、一旦補足し
た気体ホルムアルデヒドを再び放出しない不可逆的除去
であること、および除去剤自身に黴の発生、周囲の汚
染、異臭、刺激臭、引火などの二次的弊害のないこと
が、実用上極めて重要な条件である。が満たされなけ
れば、相対的現象としては気体ホルムアルデヒドが増え
てしまい、実質的にはまったく除去効果がないのと同じ
になる。が満たされなければ、ある点までは除去が進
んでも、それ以後は逆にその除去剤から気体ホルムアル
デヒドが放出されるので、除去の目的は結局達成されな
い。
【0004】現在推奨されている木炭は、その吸着性を
利用して気体ホルムアルデヒドを除去しようとするもの
であるが、上述の条件の内、速度が遅い上、吸着のみに
依存するため、室温の変化などにより脱着が起こるので
不可逆的ではないことにより、よい結果が得られない。
速度を上げるために木炭を多量に使用する態様が考えら
れるが、木炭の形状が嵩張った不定型であるため、限ら
れた居住空間の中で大きな空間を専有し、居住空間の有
効利用を妨げる難点がある。
【0005】使用済みの茶葉や紅茶葉は、それらに含ま
れるキサンチン誘導体とホルムアルデヒドとの反応性を
利用するものであり、上述の条件の内、不可逆性である
点は満足されるが、速度が遅い欠点は免れない。又、使
用中に黴を生じる欠点もある。さらにこれらの物は、工
業的に供給される物ではなく、日常生活から出る一種の
副産物であって、必要量が十分供給される保証がないこ
とも欠点の一つである。
【0006】
【発明が解決使用とする課題】本発明は、上記の従来技
術の課題を背景になされたもので、家屋や家具などから
居住空間に放出される気体ホルムアルデヒドを、室温で
迅速且つ不可逆的に除去し、且つ2次的汚染を起こす原
因となる液体を実質的に含まない、ホルムアルデヒド除
去剤を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、アセト酢酸
アミドを、固体担体に担持してなるホルムアルデヒド除
去剤によって解決される。
【0008】一般に両側をカルボニル基に挟まれたメチ
レン基を有する化合物は、アルデヒドやケトンと反応性
のあることが知られている。具体的にはアセチルアセト
ン、アセト酢酸、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセト酢酸アミドなどがあり、工業的有機合成に使
用されている。
【0009】アセト酢酸アミドについては、建築材料や
家具の製造に接着剤として汎用されている尿素・ホルマ
リン樹脂に残存する未反応のホルマリンの削減に使用す
る目的で、米国イーストマン・ケミカル社からその水溶
液が販売されている。即ち、尿素とホルマリンを水系で
反応させて尿素・ホルマリン樹脂を合成した時、多かれ
少なかれ未反応のホルマリンが樹脂水溶液中に溶存する
のが常であるが、このような状態で反応機中にある尿素
・ホルマリン樹脂水溶液中に投入して、未反応のホルマ
リンと反応させることにより、その量を削減しようとす
るものである。しかしこの情報は、本発明の目的とす
る、居住空間内において使用し、そこにある気体ホルム
アルデヒドを室温で除去することとは、技術的に全く異
なるものであり、本発明の居住空間内にあるホルムアル
デヒドを除去するホルムアルデヒド除去剤を示唆するも
のではない。
【0010】本発明者は、研究の結果、上記の両側をカ
ルボニル基に挟まれたメチレン基を有する化合物である
アセチルアセトン、アセト酢酸、アセト酢酸メチル、ア
セト酢酸エチル、アセト酢酸アミドの内、アセト酢酸ア
ミド以外は、それぞれ特有の異臭、刺激臭、引火性があ
り、且つ何れも高価であるため、本発明の目的には不適
当であるが、アセト酢酸アミドは臭気や刺激性がなく、
且つ水溶性であるため希釈するのに水が自由に使用出来
るため、有機溶剤を使用して新たな公害を発生させる恐
れがなく、取り扱い上も利便性が高く、本発明の目的に
最も適していることを発見した。
【0011】しかし、アセト酢酸アミドは工業的に水溶
液の形で供給されるため、単にその水溶液を容器に入れ
て、気体ホルムアルデヒドの存在する居住空間に置いて
も、その容器が転倒したり破損したりした場合は流出し
て、その周辺を汚染して二次的弊害を起こす実用上重要
な難点がある。この難点は、アセト酢酸アミド水溶液を
固体に含浸させることにより容易に解決出来ると考えら
れるが、固体によっては、それに含浸させることにより
アセト酢酸アミドの持つホルムアルデヒドとの反応性が
損なわれるおそれがある。本発明者はこの点にも留意
し、アセト酢酸アミドの持つホルムアルデヒドとの反応
性を維持しつつ、かつ2次的弊害の難点を解消するため
の固体担体についても研究した。その結果、固体担体を
活性炭、超吸収性ポリマーおよびその加工品或いは木炭
から選択することにより、その目的を達成し得ることを
発見して、本発明を完成した。
【0012】上記の通り、本発明に用いる固体担体とし
ては、活性炭、超吸収性ポリマーおよびその加工品或い
は木炭から任意に選択出来る。吸着剤として一般的によ
く知られているシリカゲルにアセト酢酸アミドを担持さ
せた場合は、アセト酢酸アミドがホルマリンとの強い反
応性を持っているにもかかわらず、その効果が殆ど発揮
されず、本発明の目的には不適当であった。
【0013】本発明のホルムアルデヒド除去剤は、上述
のアセト酢酸アミドを、上述の固体担体に担持せしめて
得られるが、アセト酢酸アミドは水溶液として使用出来
る。担持の方法としては、固体担体にアセト酢酸アミド
水溶液を注下してもよく、逆に固体担体をアセト酢酸ア
ミド水溶液に浸した後遠心濾過等により分離してもよ
い。但し、二次的弊害を起こさないために、担持せしめ
て得たホルムアルデヒド除去剤において、実質的に遊離
の液体を含まないよう、予め使用する担体の給水許容量
に合わせて液量を調節するか、或いは過剰の遊離液体を
遠心分離、乾燥等により除去する必要がある。得られた
ホルムアルデヒド除去剤に含まれる水の量は、ホルムア
ルデヒド除去能力には殆ど影響はなく、任意に選び得
る。
【0014】本発明のホルムアルデヒド除去剤におけ
る、固体担体とアセト酢酸アミドの重量比は、得に限定
されず、所望の性質、担体の種類に依存して適宜選択出
来る。一般的には重量比は100対0.01ないし10
0対500、好ましくは100対0.05ないし100
対300である。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0016】以下に述べる実施例1から7まで、および
比較例1から6までの説明を容易にするために、予め共
通の実験操作方法および、ホルムアルデヒドガス濃度の
測定方法について説明する。
【0017】〔実験操作法〕内容積約14リットルの真
空デシケーターを用いた。デシケーター上部にある排気
口には、ゴム栓を備えている。デシケーターの蓋を取
り、日本薬局方のホルマリンを入れた細口瓶を、瓶の栓
を開いた状態でデシケーター内に置き、デシケーターに
蓋を施す。所定時間放置後、デシケーターの蓋をずらし
て該細口瓶を取り出し、直ちにデシケーターの蓋を元に
戻す。この操作において放置時間を調節することによ
り、デシケーター内部に、所望の濃度の気体ホルムアル
デヒドを含んだ雰囲気を作り出すことが出来る。蓋を元
に戻した後にデシケーター内部のホルムアルデヒド濃度
を経時的に測定しした。このデータを第1図に白丸とし
て示す。濃度は安定していて、24時間後も変わらなか
った。このようにブランクテストにおいて気体ホルムア
ルデヒド濃度の安定した状態が得られることが確認出来
たので、以下ではデシケーターの中に種々の吸収剤を放
置して、気体ホルムアルデヒド濃度の時間的変化を測定
することによった、ホルムアルデヒド除去剤の効能を試
験出来る。
【0018】共蓋を有する直径8.6cmのペトリーシ
ャーレに吸収剤を入れる。共蓋には細い紐の一端が固定
してあり、紐の他端を引き上げることによって共蓋を外
すことが出来る。該共蓋つき容器に入れた吸収剤をデシ
ケーター内に置き、容器の共蓋に固定した細い紐の他端
を、デシケーターの上部排気口と排気口に備えたゴム栓
との間隙から外部に取り出しておく。紐は細いので、排
気口に紐を通したままゴム栓によりデシケーターを密閉
出来る。栓を開いたホルマリン入り細口瓶をデシケータ
ー内に置き、デシケーターに蓋をする。所定時間経過
後、デシケーターの蓋をずらして該細口瓶を取り出し、
直ちにデシケーターの蓋を元通りにする。デシケーター
内のホルムアルデヒドの濃度を測定し、これを気体ホル
ムアルデヒドの初濃度とする。初濃度測定後、ゴム栓を
少し緩めて、外部から紐を引き上げてデシケーター内に
置かれた吸収剤容器の共蓋を外し、直ちにゴム栓を固く
閉め、吸収時間の測定を開始する。
【0019】〔気体ホルムアルデヒド濃度の測定法〕気
体ホルムアルデヒドの濃度の測定には、株式会社ガステ
ック製のガス検知器に、同社製のガス検知管No.91
Lを装着して使用した。デシケーターの上部の排気口の
ゴム栓を取り、ホルムアルデヒドガス検知管を装着した
ガス検知器を、検知管がデシケーター内に入るように排
気口にあてがい、内部の気体を吸引してホルムアルデヒ
ド濃度を測定した。測定後は直ちにゴム栓をした。図1
において、ホルムアルデヒド濃度0.01ppmのレベ
ルに記した測定点は、ホルムアルデヒド濃度が本検知方
法による測定限界未満であったことを示す。
【0020】アセト酢酸アミドは、米国イーストマン・
ケミカル社製の25%水溶液に精製水を加えて2.5%
に希釈し、これを担体に施与した。以下では、該2.5
%水溶液を単に、アセト酢酸アミド水溶液という。
【0021】
【実施例1】固体担体として市販の粒状活性炭を選び、
50.7gに上記アセト酢酸アミド水溶液9.5gを振
りかけながら混合して、本発明のホルムアルデヒド除去
剤を得た。得たホルムアルデヒド除去剤には実質的に遊
離の液体は無かった。上記の実験操作法により気体ホル
ムアルデヒドの経時変化を測定した。気体ホルムアルデ
ヒドの初濃度は7.2ppmで、温度は28℃であっ
た。得られた結果を、図1に中点のある丸で示す。これ
らは、ほぼ直線(b)で結ばれる。即ち、気体ホルムア
ルデヒド濃度の対数が時間に逆比例する。従って、この
場合において気体ホルムアルデヒドの減少は、1次反応
として表現出来るので、その直線の傾きから速度定数k
値を求めた。k値は−2.45であった。
【0022】活性炭50.5gとアセト酢酸アミド水溶
液9.6gを用いて同様にして得たホルムアルデヒド除
去剤について、25℃で同様に実験した。得られたk値
は同じく−2.45であった。
【0023】
【比較例1】比較のため、実施例1に用いたと同じ活性
炭50.1gを取り、アセト酢酸アミドを担持させなか
ったほかは、実施例1と同様にして気体ホルムアルデヒ
ド濃度の経時変化を測定した。気体ホルムアルデヒドの
初濃度は8.8ppmであり、測定温度は28℃であっ
た。得られた結果を、図1に黒丸として示す。この場
合、黒丸を結ぶ直線(c)は約3時間近傍で折れ曲がる
ことがわかった。0〜3時間のk値をkとし、3時
間以降のk値をkとした。kは−0.85、k
は−0.55であった。いずれも、実施例1に比較
し、非常に小さく、ホルムアルデヒドの減少速度が極め
て遅く、特に3時間経過後一段と遅くなることを示す。
【0024】
【実施例2】固体担体として浴槽用として真空パックし
て市販されている備長炭を選び、真空パックの影響を排
除するために1昼夜室内に開放状態で放置した後に、4
8.8gを取り、アセト酢酸アミド水溶液3.0gを万
遍なく振りかけてしみこませ、本発明のホルムアルデヒ
ド除去剤を得た。得たホルムアルデヒド除去剤には実質
的に遊離の液体は無かった。このホルムアルデヒド除去
剤を200mlのビーカーに入れ、ペトリーシャーレの
蓋を共蓋とし、以下は実施例1と同様に気体ホルムアル
デヒド濃度の経時変化を測定した。気体ホルムアルデヒ
ドの初濃度は8.0ppm、温度は25℃であった。こ
の場合は屈折点は認められず、k値は−1.70であっ
た。
【0025】
【比較例2】比較のため、実施例2に用いたと同じ備長
炭48.8gを用いて、アセト酢酸アミドを担持させな
かったほかは実施例2と同様に気体ホルムアルデヒド濃
度の経時変化を測定した。気体ホルムアルデヒドの初濃
度は12.2ppm、測定温度は25℃であった。この
場合、約3時間近傍に屈折点があったので、比較例1と
同様に0〜3時間のk値をkとし、3時間以降のk
値をkとした。k は−0.40、kは−
0.20で、実施例2に比較すると著しく速度が遅い。
【0026】
【実施例3】固体担体として市販の燃料用木炭を選び、
その57.5gにアセト酢酸アミド水溶液4.8gを万
遍なく振りかけてしみ込ませ、本発明のホルムアルデヒ
ド除去剤を得た。得たホルムアルデヒド除去剤には実質
的に遊離の液体は無かった。このホルムアルデヒド除去
剤を用い、実施例1と同様に気体ホルムアルデヒド濃度
の経時変化を測定した。気体ホルムアルデヒドの初濃度
は9.6ppm、温度は25℃であった。この場合は屈
折点は認められず、k値は−0.65であった。
【0027】
【比較例3】比較のため、実施例3に用いたと同じ木炭
57.2gを用いて実施例3と同様に気体ホルムアルデ
ヒド濃度の経時変化を測定した。気体ホルムアルデヒド
の初濃度は6.0ppm、測定温度は25℃であった。
この場合、約3時間近傍に屈折点があったので、比較例
1と同様に0〜3時間のk値をkとし、3時間以降
のk値をkとした。kは−0.45、k
−0.15で、実施例3に比較すると、気体ホルムアル
デヒドの吸収速度が遅く、特に3時間以降では著しく遅
い。
【0028】
【実施例4】固体担体として超吸収性ポリマー(日本触
媒化学製、アクアリックCA)粉末を選び、それを9.
8g取り、アセト酢酸アミド水溶液9.8gと混合し、
本発明のホルムアルデヒド除去剤を得た。得たホルムア
ルデヒド除去剤には実質的に遊離の液体はなかった。こ
のホルムアルデヒド除去剤を用い、実施例1と同様に気
体ホルムアルデヒド濃度の経時変化を測定した。気体ホ
ルムアルデヒドの初濃度は13.6ppm、温度は28
℃であった。この場合、約1時間半近傍に屈折点が認め
られたので、比較例1と同様に0〜1時間半のk値をk
とし、1時間半以降のk値をkとした。k
は−2.15、kは−1.05であった。
【0029】
【実施例5】固体担体として市販の超吸収性シート(プ
ロクター・アンド・ギャンブル・ファーイースト輸入、
セルティナ)から超吸収性ポリマーをサンドイッチした
部分のみ33.6g(サンドイッチしている外側材料の
重量を含め)を切り取った。これにアセト酢酸アミド水
溶液35.5gを万遍なく振りかけて吸収させて、本発
明のホルムアルデヒド除去剤を得た。得たホルムアルデ
ヒド除去剤には実質的に遊離の液体は無かった。このホ
ルムアルデヒド除去剤を用い、実施例2と同様に気体ホ
ルムアルデヒド濃度の経時変化を測定した。温度は28
℃であった。用いたガス検知器では気体ホルムアルデヒ
ド濃度が5ppm以下の場合には、5回サンプルを吸引
するよう指示されており、これに約10分を要する。本
実施例では、この間に気体ホルムアルデヒド濃度が検出
限界以下になった。即ち、本実施例において気体ホルム
アルデヒドの吸収速度は極めて速い。
【0030】
【実施例6】実施例1に用いたのと同じ活性炭を、実施
例1の約半量25.2gを取り、アセト酢酸アミド水溶
液を実施例1の約半量4.8gと混合して本発明のホル
ムアルデヒド除去剤を得た。得たホルムアルデヒド除去
剤には実質的に遊離の液体はなかった。このホルムアル
デヒド除去剤を用いて、実施例1と同様に気体ホルムア
ルデヒド濃度の経時変化を測定した。気体ホルムアルデ
ヒドの初濃度は9.0ppmで、測定温度は25℃であ
った。この場合、屈折点はなく、k値は−1.70であ
った。ホルムアルデヒド除去剤の量を50%に減らして
も、気体ホルムアルデヒドの吸収速度は70%維持さ
れ、が非常に速い。
【0031】
【比較例4】比較のため、実施例1に用いたのと同じ活
性炭50.3gを取り、日本薬局方精製水9.5gを混
合した。これを用いて実施例1と同様に、気体ホルムア
ルデヒド濃度の経時変化を測定した。気体ホルムアルデ
ヒドの初濃度は11.2ppm、測定温度は27℃であ
った。この場合、約2時間半近傍に屈折点があった。比
較例1と同様に0〜2時間半のk値をkとし、2時
間半以降のk値をk とした。kは−1.25、k
は−0.25で、実施例1と比較すると、ホルムア
ルデヒドガスの吸収速度が2時間半まででもほぼ2分の
1で遅く、特に2時間半以降では10分の1程度で著し
く遅い。
【0032】
【実施例7】この実施例は、活性炭を担体とするホルム
アルデヒド除去剤が含む水分の影響を見るためのもので
ある。実施例1で用いたと同じ活性炭50.6gを取
り、アセト酢酸アミド水溶液10.0gを振りかけ、混
合した。これをシリカゲルを入れたデシケーターに入
れ、室温で3日間保持した。9.4gだけ重量が減少し
た。即ち、アセト酢酸アミド水溶液に由来する水9.7
5gの内、9.4gが除かれ、0.35gが残った。か
くして得たホルムアルデヒド除去剤を用いて実施例1と
同様にホルムアルデヒド濃度の経時変化を測定した。ホ
ルムアルデヒドの初濃度は9.6ppm、温度は24℃
であった。得られた結果を図1に、半白丸として示す。
これらは直線(d)でほぼ結ばれ、屈折点はない。k値
は、1.50であった。これを実施例1におけるk値の
−2.45と比べると、ホルムアルデヒドの減少速度は
遅いが、対照である比較例1の活性炭のみの場合におけ
るk値の−0.85,−0.55よりも著しく速く、又
屈折点がないため、比較例1で示す場合のように3時間
近傍で吸収速度が著しく低下する欠点がない。ホルムア
ルデヒド臭が感知されない0.1ppm未満の濃度を比
較的早く達成出来る点でも、比較例1より顕著に優れて
いる。
【0033】この実施例では、シリカゲル入りのデシケ
ーターによって水分を相当に除去したが、実際の使用環
境においては、活性炭が雰囲気から水分を吸収するの
で、水分量は本実施例よりも相当に多い。従って、ホル
ムアルデヒドの減少速度は、図1の直線(d)よりも実
質的に速い。
【0034】
【比較例5】固体担体として市販の乾燥用粒状シリカゲ
ルを選び、3昼夜室内に開放状態で放置して水分を雰囲
気と平衡状態にした後、70.3gを取り、アセト酢酸
アミド水溶液4.8gを振りかけてかき混ぜ、混合物を
得た。この混合物には遊離の液体は無かった。この混合
物を用い、実施例1と同様に気体ホルムアルデヒド濃度
の経時変化を測定した。気体ホルムアルデヒドの初濃度
は11.2ppm、温度は25℃であった。約3時間近
傍に屈折点があった。比較例1と同様に0〜3時間のk
値をkとし、3時間以降のk値をkとした。k
は−0.90、kは−0.50であった。さら
に、同様に水分を雰囲気と平衡状態にしたシリカゲル7
2.2gを取り、アセト酢酸アミドを担持させなたった
ほかは上記と同様にして気体ホルムアルデヒド濃度の経
時変化を測定した。気体ホルムアルデヒドの初濃度は1
6.0ppm、測定温度は25℃であった。この場合も
約3時間近傍に屈折点があった。上記と同様に0〜3時
間のk値をkとし、3時間以降のk値をkとし
た。kは−0.85、kは−0.10であっ
た。上記と比較するとkには大きな差異が認められ
るが、kには大差がなく、シリカゲルを担体とする
場合は、ホルムアルデヒドの吸収において、アセト酢酸
アミドを担持しても、その効果が極めて乏しいことを示
す。さらに比較のため、同じシリカゲル70.2gを取
り、日本薬局方精製水9.2gを混合した。これを用い
て上記と同様に気体ホルムアルデヒド濃度の経時変化を
測定した。気体ホルムアルデヒドの初濃度は7.2pp
m、測定温度は24℃であった。この場合、約1時間半
近傍に屈折点があったので、上記と同様に0〜1時間半
のk値をkとし、1時間半以降のk値をkとし
た。kは−1.00、kは−0.40であっ
た。上記のアセト酢酸アミドを担持せしめた場合と比較
すると、ホルムアルデヒドの吸収速度は殆ど同じであっ
た。これは、シリカゲルを担体とする場合は、ホルムア
ルデヒドの吸収において、アセト酢酸アミドを担持する
効果が、非常に乏しいことを示す。
【0035】
【実施例8】この実施例では、本発明のホルムアルデヒ
ド除去剤を用いて、実際の状況下で家具から放出された
気体ホルムアルデヒドを除去することを示す。奥行32
cm、高さ116cm、幅56cmの、突板合板製の戸
棚内部の気体ホルムアルデヒド濃度を、実施例1に用い
たと同じガス検知器を用いて測定した所、0.2ppm
であり、ホルムアルデヒド臭は可なり強かった。この戸
棚に実施例1と同様にして作製したホルムアルデヒド除
去剤60.2gを、直径8.6cmのペトリーシャーレ
に均して入れ、蓋をせずに上記戸棚の中に置いた。24
時間後には気体ホルムアルデヒド濃度は0.1ppm以
下になり、ホルムアルデヒド臭は全く感知出来なかっ
た。
【0036】
【実施例9】実施例8と同様の戸棚を用いた。実施例1
に用いたと同じガス検知器を用いて測定した内部の気体
ホルムアルデヒド濃度は0.2ppmであり、ホルムア
ルデヒド臭は可なり強った。戸棚の中に、実施例4と同
様にして、超吸収性ポリマー(日本触媒化学製、アクア
リックCA)粉末とアセト酢酸アミド水溶液から得た本
発明のホルムアルデヒド除去剤19.2gを直径8.6
cmのペトリーシャーレに入れ、蓋をせずに置いた。2
4時間後には、実施例1に用いたと同じガス検知器を用
いて測定した気体ホルムアルデヒド濃度は、0.1pp
m以下になり、ホルムアルデヒド臭は全く感知出来なか
った。
【0037】
【比較例6】実施例8と同様の戸棚に、比較例1で用い
たと同じ活性炭50.8gを直径8.6cmのペトリー
シャーレに入れ、蓋をせずに置いた。24時間後に実施
例1に用いたと同じガス検知器を用いて測定した気体ホ
ルムアルデヒド濃度は0.1ppmであったが、なおホ
ルムアルデヒド臭が感知された。48時間後に測定した
気体ホルムアルデヒド濃度は、依然0.1ppmであ
り、なおホルムアルデヒド臭が感知され、ホルムアルデ
ヒドの除去は極めて不十分であった。
【0038】
【比較例7】実施例8と同様の戸棚に、比較例3に用い
たのと同じ木炭57.2gを、200mlのビーカーに
入れて置いた。48時間後、実施例1に用いたと同じガ
ス検知器を用いて測定した気体ホルムアルデヒドの濃度
は0.1ppm以上あり、ホルムアルデヒド臭が可なり
強く感知され、ホルムアルデヒドの除去は極めて不十分
であった。
【0039】上述の各実施例によって明らかなように、
本発明のホルムアルデヒド除去剤は極めて迅速に且つ不
加逆的にホルムアルデヒドを除去する。その理由は適切
な固体担体を選択したことによりアセト酢酸アミドの持
つホルムアルデヒドとの反応性がシリカゲルを用いた場
合のように損なわれなかったことと、選択された担体の
持つ吸着能の相乗効果によるものと考えられる。
【0040】
【発明の効果】本発明のホルムアルデヒド除去剤によ
り、居住空間内にある、人体に有害な気体ホルムアルデ
ヒドを、室温で極めて迅速に且つ不可逆的に除去するこ
とガ出来る。且つ本発明のホルムアルデヒド除去剤は,
実質的に遊離の液体を含まないため、それを収納した容
器が転倒するなどしても、内容物がこぼれて周囲を汚す
2次汚染がなく、シックハウス症候群の改善に実用的に
極めて有効である。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】気体ホルムアルデヒド濃度の経時変化を示すグ
ラフ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセト酢酸アミドを、固体担体に担持して
    なるホルムアルデヒド除去剤。
  2. 【請求項2】固体担体が、活性炭である請求項1に規定
    するホルムアルデヒド除去剤。
  3. 【請求項3】固体担体が、超吸収性ポリマー又はそれを
    含む成形物である請求項1に規定するホルムアルデヒド
    除去剤。
  4. 【請求項4】固体担体が、木炭である請求項1に規定す
    るホルムアルデヒド除去剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI472364B (zh) * 2011-09-08 2015-02-11 Fujiwara Industry Co Ltd Sludge scraper device
JP2016006178A (ja) * 2009-11-03 2016-01-14 サン−ゴバン アドフォル ホルムアルデヒドを捕捉できる作用物質を含む塗膜形成組成物およびその使用
CN115090111A (zh) * 2022-06-23 2022-09-23 烟台海誉新材料有限公司 一种家居用甲醛去除剂的制备及应用方法

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