JP2002191565A - 医用テレメータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の医用テレメータ送信機は、位置情報発
信機からの患者位置情報を赤外線により受信していたの
で、物影になったりすると、情報が受信できないことが
あった。また、過去の患者位置情報を記憶していないの
で患者位置を狭い範囲にしぼり込めず、位置情報送信機
も多数必要であった。 【解決手段】 医療施設の要所に電磁誘導無線による位
置情報発信機３１ａ、３１ｂ、３１ｃ、……を設け、患
者４１、４２の持つ医用テレメータ送信機に位置情報を
受信する受信機を組み込み、位置情報を医用テレメータ
送信機の送信信号に重畳させ、受信装置３２が生体情報
と共に位置情報を受信するようにした。また、患者の過
去の位置情報を記憶し、現在の位置情報と比較して、よ
り狭い範囲に患者の位置を特定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医用テレメータの
システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】医用テレメータは患者の心電図や心拍数
等の生体現象を測定し、そのデータを増幅して患者のも
つ送信機で送信し、ナースステーション等においてこれ
を受信し、ディスプレイ上でモニタする装置である。

【０００３】特開平１０−２４８８１６号公報には病棟
内を複数の領域に区分けした各領域ごとに設置され、赤
外線を利用して位置情報を送信する赤外送信機と、患者
が携帯し、前記赤外送信機からの位置情報を受信すると
共に、電波を利用して前記赤外送信機からの位置情報及
び自機を特定する識別情報を送信する医用送信機と、こ
の医用送信機からの送信電波を病棟内に設置したアンテ
ナを介して受信し、その受信信号から前記位置情報及び
識別情報を復調して表示又は記録するモニタと、を備え
た患者位置検出システムが開示されている。そしてこの
医用送信機は、心電図を測定する生体情報測定部を有
し、この生体情報測定部の測定結果を前記位置情報及び
識別情報と共に送信することが記載されている。

【０００４】この従来の技術では、赤外線を利用してい
るので、赤外線がさえぎられてしまう状態、例えば、衣
服の下や柱のかげ、人のかげ、家具のかげなどでは位置
情報を受信できないことがあった。また、患者の過去の
位置情報を記憶して、現在の情報と比較しないので、患
者の位置のしぼり込みや移動方向を特定していなかっ
た。このため、位置情報発信機の数を多数設ける必要が
あった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の医用テレメータ
は、位置情報を伝送する手段として、赤外線を利用して
いたので、赤外線が確実に伝送できない場合、たとえ
ば、人、物、家具、柱などの影や、衣服の下などでは、
不確実であった。また、位置情報発信機の周囲が極めて
明るい場合、例えば昼間の窓際や、手術灯の下などでは
伝送できないことがあった。患者の位置についても、過
去の位置情報を記憶し、現在の位置情報と比較しなかっ
たので、患者の位置の特定範囲が広く、移動方向も特定
できなかった。また、患者の位置を狭く特定しようとす
ると位置情報発信機の数が増える問題があった。さらに
は、赤外線による位置情報発信機からは、一定の範囲の
広さ、例えば、室内をくまなくカバーするよう赤外線を
発射したから、隣接して設置された位置情報発信機とが
重なり合い、医用テレメータ送信機で、受信する位置情
報が隣から発射される位置情報と混信して、誤った情報
を受信してしまうことがあった。

【０００６】また、要所に設けて位置情報を発信する電
磁誘導無線発信機は、送信する搬送波を、位置情報を含
む振幅変調で変調した場合、患者の持つ心臓ペースメー
カーや補聴器などの医療機器に障害を生じることがあっ
た。

【０００７】本発明は、上記問題を解決し、患者の所在
位置をより精度よく特定する機能を付加した医用テレメ
ータを提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
電磁誘導無線が持つ指向特性の性質を利用すること、及
び、過去の位置情報を記憶し、比較利用することによっ
て、上記問題点を解決したもので、その技術手段は、医
用テレメータにおいて、医療施設の要所に設けた電磁誘
導無線による位置情報発信機と、医用テレメータ送信機
に組込まれ、位置情報を受信する受信機と前記位置情報
を医用テレメータ送信機の送信信号に重畳させる重畳装
置と、位置情報を生体情報と共に受信する受信装置と、
受信した生体情報を位置情報とともに表示する表示装置
とを備えたことを特徴とする医用テレメータである。位
置情報発信機は電磁誘導無線によりそれぞれの配設位置
に応じた特有の信号、例えばデジタル位置情報を発射す
る。

【０００９】この位置情報を、その点を通過する医用テ
レメータ送信機で受信する。受信した位置情報を医用テ
レメータ送信機の電波に、生体情報とともに重畳させて
送信する。この位置情報を医用テレメータ受信監視セン
ターで受信し、生体情報とともに表示する。医用テレメ
ータ受信監視センターで当該患者の過去の位置情報を記
憶し、現在の情報と比較することによって、患者の位置
範囲をより狭くしぼり込むことができ、移動方向も特定
することができ、設置する位置情報発信機の数も必要最
小限とすることができる。

【００１０】上記本発明は、さらに、前記位置情報を時
刻情報と先に記憶する記憶装置と、記憶した過去の位置
情報と最新の位置情報とから、現在の位置及び移動方向
をしぼり込み、特定する演算処理する演算装置と、しぼ
り込み特定した位置を生体情報と共に表示する表示装置
とを備えたことを特徴とする医用テレメータとすると常
に現状を把握することができ、好適である。

【００１１】また、前記位置情報発信機は、発信する電
磁誘導無線に載せる位置情報の搬送波を変調する周波数
変調装置を備えた医用テレメータとすると心臓ペースメ
ーカーや補聴器などに障害を生ずるおそれがなく好まし
い。

【００１２】位置情報発信機が発射する電磁誘導無線の
搬送波は、位置情報により周波数変調で変調することに
より、発射する電磁波のエネルギーが連続した一定値と
なるので、患者の持つ心臓ペースメーカーや補聴器など
の医療機器に障害を生じる可能性が軽減される。

【００１３】本発明のシステムでは、医用テレメータ送
信機を持つ患者の居場所を医用テレメータ受信監視セン
ター側で特定することができるので、患者の緊急時の治
療を迅速に行うことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図１は本発明の実施例の医用テレメ
ータ送信機側の全体構成を示すブロック図である。従
来、患者から測定した心電図１は、増幅器２で増幅さ
れ、デジタル変換器（Ａ／Ｄ変換器）３によりデジタル
変換される。このデータは編集・同期・エラー検査コー
ド付加４が施される。一方、高周波発振器５で高周波を
発生する。この高周波は、変調装置６で上記デジタル変
換したデータを重畳して変調され電力増幅７を経てアン
テナ８から無線送信される。

【００１５】本発明では、位置情報を発信する発信装置
を要所に設け、位置情報を発信している。患者の保有し
ている送信機にこの位置情報を受信する装置を付加す
る。この受信装置は位置情報検出アンテナ１１を備えて
前記位置情報を受信し、増幅１２，検波１３、波形整形
１４を行った後、同期・エラー検査１５を行い、データ
を記憶装置１６に格納する。このデータは従来の送信用
テレメータ送信機内に取込まれ、編集・同期・エラー検
査コード付加４が施され、心電図情報と共に高周波に重
畳し変調される。そしてアンテナ８から発信される。

【００１６】図２は位置情報発信側の実施例を示すもの
で、位置情報設定スイッチ１７で指定された位置情報
に、エラー検査・同期コード付加１８を行い、高周波発
振５に載せてこれを周波数変調６し、電力増幅７を行っ
てアンテナ８から電磁誘導無線として発信する。

【００１７】図３は実施例の医用テレメータの受信側の
ブロック図である。受信アンテナ２１は医用テレメータ
送信機の電波を受信し、高周波増幅、検波・整形装置２
２で処理した後、同期・エラー検査２３を経て、記憶装
置２４に入力されて記憶される。このときクロック装置
から受信時刻情報２５が付加される。記憶装置の記憶情
報は演算処理装置２６で処理されて、ディスプレイ２７
に位置情報として表示される。この演算処理装置２６に
は記憶した過去の位置情報と最新の位置情報とから、現
在の位置及び移動方向をしぼり込み、特定する演算処理
する機能を付与し、ディスプレイ２７にはしぼり込み特
定した位置を表示することもできる。なお、ディスプレ
イ２７には、同時に、又は切替えて、生体情報も表示可
能である。

【００１８】図４は本発明のシステムを説明する平面図
である。Ａ〜Ｇで示される病室等の出入口、及び廊下等
の主要な箇所には、それぞれの位置の情報を発信する位
置情報発振器３１ａ〜３１ｈが配置されている。ナース
ステイションＮには、医用テレメータの受信装置及びモ
ニター３２が配置されている。患者４１，４２，……は
それぞれ医用テレメータの送信器を携帯している。ナー
スステイションＮにおいて受信している患者の生体情報
に異常を発見したとき、表示装置の画面を切り替える
と、図４と同様の位置表示がディスプレイに表示され、
各医用テレメータを携帯する患者の位置が表示される。
その位置を確認して直ちに処置を行うことができる。

【００１９】図５に本発明の医用テレメータの位置情報
を狭い範囲にしぼり込む作動を説明するフローチャート
を示した。最新の位置情報５１を検出したとき、正常な
範囲の位置情報であるか否かの判定５２を行う。判定５
２の結果、正常な範囲の位置情報でないと判断したとき
は、位置情報の未受信表示５３を行う。正常な範囲の位
置情報であるとの判定５２であれば、最新の位置情報と
して時刻データと共に記憶５４をすると共に、１つ前の
位置情報の記憶があるか否かの判定５５を行う。判定５
５の結果、否であればこれを最新の位置情報の表示５６
を行う。判定５５の結果がイエスであれば、１つ前の位
置情報と最新の位置情報とが隣り合う位置関係にあるか
否かを判断５７を行う。その結果が否であれば、最新の
位置情報の表示５６を行う。判断５７の結果が是認され
れば、１つ前の情報から最新の位置をたどり、最新の位
置情報と隣接する位置までの間の位置範囲を現在の位置
として表示５８を行う。以上の手順により、本発明の医
用テレメータは常に最新の適正な位置情報を把握し、さ
らに位置を狭い範囲にしぼり込み、緊急事態の発生に対
しても即刻適切な措置をとることができる。

【００２０】

【発明の効果】従来医用テレメータに生体の異常が発見
されたとき、患者の現在地を適正に知ることができず緊
急措置を執ることができない場合があったが、本発明に
よれば、心電図等の情報と共に位置情報も適切に把握す
ることができ、直ちに必要な処置を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の送信側の全体構成を示すブロック図で
ある。

【図２】発信側の別の実施例を示すブロック図である。

【図３】受信側の実施例を示すブロック図である

【図４】本発明のシステムを説明する平面図である。

【図５】位置情報を狭い範囲にしぼり込むフローチャー
トである。

【符号の説明】

１ 心電図 ２ 増幅器 ３ デジタル変換器 ４ 編集・同期・エラー検査コード付加 ５ 高周波発振 ６ 周波数変調器 ７ 電力増幅器 ８ アンテナ １１ 位置情報検出アンテナ １２ 増幅 １３ 検波 １４ 波形整形 １５ 同期・エラー検査 １６ 記憶装置 １７ 位置情報設定スイッチ １８ エラー検査・同期コード付加 ２１ アンテナ ２２ 高周波増幅、検波・整形 ２３ 同期・エラー検査 ２４ 記憶装置 ２５ 受信時刻情報 ２６ 演算処理 ２７ 位置情報・生体情報表示 ３１ 位置情報発信器 ３２ 医用テレメータ受信装置 ４１、４２ 患者 ５１ 位置情報 ５２ 判定 ５３ 未受信表示 ５４ 記憶 ５５ 判定 ５６ 表示 ５７ 判断 ５８ 表示

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 医用テレメータにおいて、医療施設の要
   所に設けた電磁誘導無線を用いた位置情報発信機と、医
   用テレメータ送信機に組込まれ、該位置情報を受信する
   受信機と、前記位置情報を医用テレメータ送信機の送信
   信号に重畳させる重畳装置と、該位置情報を生体情報と
   共に受信する受信装置と、受信した生体情報を位置情報
   とともに表示する表示装置とを備えたことを特徴とする
   医用テレメータ。
2. 【請求項２】 さらに、前記位置情報を時刻情報と先に
   記憶する記憶装置と、記憶した過去の位置情報と最新の
   位置情報とから、現在の位置及び移動方向をしぼり込
   み、特定する演算処理する演算装置と、しぼり込み特定
   した位置を生体情報と共に表示する表示装置とを備えた
   ことを特徴とする請求項１記載の医用テレメータ。
3. 【請求項３】 前記位置情報発信機は、発信する電磁誘
   導無線に載せる位置情報の搬送波を変調する周波数変調
   装置を備えたことを特徴とする請求項１又は２記載の医
   用テレメータ。