JP2002189014A - 酵素電極 - Google Patents

酵素電極

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JP2002189014A
JP2002189014A JP2000387275A JP2000387275A JP2002189014A JP 2002189014 A JP2002189014 A JP 2002189014A JP 2000387275 A JP2000387275 A JP 2000387275A JP 2000387275 A JP2000387275 A JP 2000387275A JP 2002189014 A JP2002189014 A JP 2002189014A
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cell separation
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Masatoshi Yamamoto
雅俊 山本
Yukie Yazawa
幸江 矢澤
Hiroshi Niwayama
妃呂司 庭山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血球分離能を向上させ、被検液中の妨害物質
の影響を軽減させ、被検液の血球分離層及び酵素層への
膨潤時間を短縮し、且つ被検液中の低酸素量の影響を低
減させた酵素電極を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板(1)上に設けた白金電極
(2)上に順次、酵素を主成分としてアルブミンと親水
性高分子物質とで固定された酵素層(3)及び高粘性多
糖類と高粘性糖アルコールとを主成分とする血球分離層
(4)を積層してなる酵素電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検液中の特定物
質を検出するための酵素電極に関し、例えば糖尿病患者
が在宅で自己の血糖値を測定するために使用される簡易
式血糖値測定装置に適した酵素電極に関する。
【0002】
【従来の技術】血液等被検液中のグルコースを分析する
手段として、グルコースオキシダーゼと酸化型電子伝達
物質とを電極上に担持させた、所謂「酵素電極」が使用
されている。これは、被検液中のグルコースとグルコー
スオキシダーゼとの反応によって酸化型の電子伝達物質
が還元され、それにより作用極上で電子を放出し、この
放出電子による電流を検出することで、グルコース濃度
を定量するものである。
【0003】しかし、上記測定において、血液中の赤血
球やヘモグロビン等の物質が電極表面に付着して、測定
の妨げとなることが知られている。これら妨害物質の量
が多いと、電極上での過酸化水素の酸化あるいは、電子
伝達物質による電子の供受が阻害され、グルコース濃度
に依存した本来の信号が得られず、臨床上の診断、管理
に大きな問題となる。そこで、例えば特許第25504
63号公報では、電極上に親水性高分子膜を付設して血
球分離能を付与することを提案している。この血球分離
膜により、赤血球を分離し、電極に付着しないようにす
ることが可能になる。しかし、溶血した赤血球から放出
されるヘモグロビン等の微細な妨害物質を完全に除去す
ることはできない。
【0004】また、血球分離層は乾燥状態で電極上に固
定されているため、測定に際して被検液による膨潤が必
要であり、通常、血液を電極に点着してから測定終了ま
でに30秒から60秒程度要している。本発明の主たる
使用目的のように、糖尿病患者が在宅で自己の血糖値を
分析する場合、通常被検液となる血液は指先から数μL
採血されるため、当然ヘパリンなどの抗凝固剤は使用さ
れない。従って、測定時間が長いと、電極上で血液が凝
固し始め、正常な反応が進まない。また、臨床的には、
インスリン過剰投与による低血糖昏睡の予知は一刻を争
うため、速やかな測定が要求されている。
【0005】更には、例えば酸素吸引している患者は、
被検液中の酸素分圧が数百mmHg以上の場合もあり、この
ような高酸素濃度の被検液を分析する場合、上記反応以
外の副反応、即ち酸素と水の存在下でグルコースとグル
コースオキシダーゼとの反応が促進されて副産物となる
過酸化水素が多量に生成し、本来のグルコース濃度より
も低い測定結果となる。
【0006】また、アスコルビン酸や尿酸等に代表され
る還元性物質が被検液中に大量に存在していると、作用
極上でこれら還元性物質が酸化され、グルコースによる
反応以外の電流が付加され、本来のグルコース濃度より
も高い測定結果となる。そこで、特許第2550463
号公報では、酵素を固定化した作用極と、固定化しない
作用極とを一対形成し、その出力差をとることによって
還元性物質の影響を取り除くことを提案している。しか
し、この場合、2つの作用極の分析精度が満足されて初
めて正確なグルコース濃度が定量できるため、測定装置
の要因を増やす方向にあり、必ずしも最適とは言えな
い。
【0007】また、酵素電極に被検液を導入するための
手法として、毛細管現象を利用した特許第252793
3号公報、特開平10−318970公報や特公平6−
58338号公報等に記載の方法が知られている。毛細
管現象は、電極上に形成されたキャビティによって実現
されるが、被検液を吸い込ませるための導入口は一個所
に限定されるため、特に視力の低下した患者にとって導
入口が限定されることは望ましくない。また、誤って導
入口以外の部材に被検液が付着した場合、被検液と部材
との間に作用する付着力によって、導入口に入らないと
いう問題も発生する。更に、生産性から論ずれば、キャ
ビティを形成させるために要するスペーサ、その上に被
せる蓋材などが必要となり、またこれらを電極絶縁部に
固定するためには接着剤が必要となり、製造コストの上
昇につながる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みてなされたものであり、血球分離能を向上さ
せ、被検液中の妨害物質の影響を軽減させ、被検液
の血球分離層及び酵素層への膨潤時間を短縮し、且つ
被検液中の低酸素量の影響を低減させた酵素電極を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、絶縁性基板上に設けた白金電極上に順
次、酵素を主成分としてアルブミンと親水性高分子物質
とで固定された酵素層及び高粘性多糖類と高粘性糖アル
コールとを主成分とする血球分離層を積層してなること
を特徴とする酵素電極を提供する。
【0010】また、本発明は、前記酵素が、基質と反応
して過酸化水素を産出する酵素であることを特徴とする
上記酵素電極を提供する。
【0011】また、本発明は、前記酵素が、グルコース
オキシダーゼであることを特徴とする上記酵素電極を提
供する。
【0012】また、本発明は、前記酵素層が、牛血清ア
ルブミンと親水性高分子物質とで酵素を固定してなるこ
とを特徴とする上記酵素電極を提供する。
【0013】また、本発明は、前記高粘性多糖類が、ア
ルギン酸ナトリウムであり、かつ前記高粘性糖アルコー
ルがD−マンニトールであることを特徴とする上記酵素
電極を提供する。
【0014】また、本発明は、前記酵素層が、酵素濃度
を保持しつつ、酵素活性が低下されていることを特徴と
する上記酵素電極を提供する。
【0015】また、本発明は、前記血球分離層の上に、
一定距離を隔てて親水化処理を施したメッシュ状シート
を付設したことを特徴とする上記酵素電極を提供する。
【0016】更に、本発明は、絶縁性基板上に設けた白
金電極上に順次、グルコースオキシダーゼを主成分とし
て牛血清アルブミンとカルボキシメチルセルロースナト
リウムとで固定された酵素層及びアルギン酸ナトリウム
とD−マンニトールとを主成分とする血球分離層を積層
してなることを特徴とする酵素電極を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る酵素電極の好適な実施の形態について説明する。
【0018】図1に断面図として示すように、本発明に
係る酵素電極は、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁性基板1
上に設けた白金電極2上に順次、酵素を主成分としてア
ルブミンと親水性高分子物質とで固定された酵素層3及
び高粘性多糖類と高粘性糖アルコールとを主成分とする
血球分離層4を積層して構成される。
【0019】酵素層3に含まれる酵素としては、例え
ば、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダ
ーゼ、ウリカーゼ、乳酸オキシダーゼ等を使用すること
ができる。中でも、グルコースオキシダーゼが好まし
い。
【0020】また、酵素を固定するための親水性高分子
物質としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリソルベート等を使用することができる。中で
も、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好まし
い。
【0021】また、アルブミンとしては、例えば、牛血
清アルブミン、牛血清以外の各種動物血清アルブミン、
鶏卵製アルブミン等を使用することができ、中でも牛血
清アルブミンが好ましい。また、アルブミンと同様の作
用を有するカゼイン、ゼラチン、レシチン等の動物由来
の血中蛋白質ブロッキング剤を使用することもできる。
従って、本発明のアルブミンには、上記の動物由来の血
中蛋白質ブロッキング剤も含まれる。
【0022】一方、血球分離層4に含まれる高粘性多糖
類としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、ぺクチ
ン、キトサン塩酸塩等を使用することができる。中で
も、アルギン酸ナトリウムが好ましい。
【0023】同じく血球分離層14に含まれる高粘性糖
アルコールとしては、例えば、D−マンニトール、D−
ガラクトース等を使用することができる。中でも、D−
マンニトールが好ましい。
【0024】上記酵素電極によれば、血球分離層4中の
高粘性糖アルコールにより、溶血ヘモグロビンを含めた
赤血球の凝集能が亢進し、血球分離能を向上させること
ができる。図2は、高粘性糖アルコールであるD−マン
ニトールを含有させたことによるヘマトクリットへの影
響を示すグラフであるが、D−マンニトールを含有する
ことにより、誤差が大幅に低減することがわかる。
【0025】また、酵素層3をアルブミンで固定させる
ことにより、被検液中の還元性物質の影響を軽減させる
ことができる。即ち、本発明によれば、電極を差動型に
せずに、分析精度を向上させることが可能である。これ
は、白金電極2上に固定させたアルブミンと還元性物質
とが反発し合い、還元性物質が作用極上に到達すること
を妨げるためと推察される。
【0026】更に、酵素層3をアルブミンと親水性高分
子物質とで固定させることによって被検液の血球分離層
4及びこの酵素層3への膨潤時間を短縮し、化学反応を
促進することができる。即ち、アルブミンが果たす役割
は、その親水性を利用して血球分離層4の上部に被検液
を急速に透過させることにあり、また親水性高分子物質
が果たす役割は、その吸水性を利用して前者と同様に被
検液を急速に透過させることにある。従って、この2つ
の物質の複合により、より短時間に白金電極2の上に被
検液の水分(血液で言えば血漿)を透過させることがで
きる。本発明において、測定所要時間は17秒である
が、その中の3〜7秒ほどで血球分離層4及び酵素層3
を膨潤させることができる。
【0027】被検液中には、アルブミンをはじめ種々の
蛋白質が存在する。従って、被検液を血球分離層4に点
着させると、アルブミンや他の蛋白質が白金電極2の上
に付着して電気化学的反応を阻害することが考えられ
る。しかし、本発明のように予めアルブミンを固定させ
ることによって、被検液中のアルブミンや他の蛋白質が
固着する影響を干渉させることが可能となる。
【0028】上記の各作用を踏まえて本発明に係る酵素
電極では、酵素層3の製造に用いる溶液には、酵素(例
えばグルコースオキシダーゼ)を16〜48mg/m
L、アルブミン(例えば牛血清アルブミン)を3〜9m
g/mL、親水性高分子物質(例えばカルボキシメチル
セルロースナトリウム)を3〜9mg/mL含有させる
ことが好ましい。また、血球分離層4中に、高粘性多糖
類(例えばアルギン酸ナトリウム)を5.25〜15.7
5mg/mL、高粘性糖アルコール(例えばD−マンニ
トール)を1.8〜5.4mg/mL含有させることが
好ましい。
【0029】尚、酵素層3及び血球分離層4には、pH
調整剤を含有させてもよく、それにより各物質の作用が
一層促進するようになる。pH調整剤としては、例えば
リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム等を挙
げることができる。また、このpH調整剤によるpH範
囲は、6.0〜7.5の範囲とすることが好ましい。
【0030】また、上述のように、被検液中のグルコー
スは、酸素と水の存在下で酵素層3中の酵素と反応して
過酸化水素を生成する。この生成した過酸化水素を電気
的に定量すれば、被検液中のグルコース濃度が求められ
る。即ち、生成した過酸化水素濃度とグルコース濃度と
の比例関係は、充分に反応する場合にのみ成立する。言
い換えれば、被検液中の酸素が充分でないと、グルコー
ス濃度に比例した過酸化水素が生成されず、この比例関
係は成立しない。臨床的には0〜600mg/dLのグ
ルコース濃度が測定できれば充分であるが、前記の通り
酸素が充分でないと、測定可能な範囲も狭くなる。これ
を解決する手段として、電極上で被検液中の水分を電気
分解することで酸素を生成させることでも可能である
が、本発明では酵素層3中の酵素の活性を予め低下させ
ておくことで、反応に必要な酸素消費量を低減させるこ
とが好ましい。
【0031】そのための方法としては、例えば、酵素層
3を、30〜37℃、75%RH以上の高湿度下に10
〜20時間程度放置することにより、酵素層3の酵素の
濃度を保持しつつ、酵素活性のみを低下させることがで
きる。また、75%RH以上で1時間程度放置後、直ち
に乾燥する工程を複数回繰り返してもよい。あるいは、
酵素層3に紫外線を10〜20時間程度照射しても同様
の効果が得られる。以下、このような酵素活性の低下
を、酵素活性の最適化と呼ぶ。
【0032】上記の酵素活性の最適化により、被検液中
の酸素が充分でない場合でもグルコース濃度と過酸化水
素濃度との比例関係を0〜600mg/dLの広範囲で
維持することが可能となる。図3は、グルコースオキシ
ダーゼを35℃、85%RHの高湿度下で、処理時間を
変えて処理した時の活性能力を測定した結果を示すグラ
フであるが、この条件下では約20時間の処理により活
性能力がほぼ一定の値まで低下している。尚、活性能力
はルミノール試薬による化学発光定量分析により求め
た。
【0033】上記の酵素電極3及び血球分離層4を備え
る本発明の酵素電極は、例えば以下の方法により作製す
ることができる。即ち、先ず、絶縁性基板1に電極形成
部及び周辺回路をパターニングした後、白金電極2を所
定形状に形成し、その上に、上記した成分を含む酵素層
用塗布液を塗布し、室温にて乾燥して酵素層3を形成す
る。次いで、上記した成分を含む血球分離層用塗布液を
酵素層3の上に塗布し、室温にて乾燥して血球分離層4
を形成する。そして、酵素活性最適化処理(例えば、3
5℃、85%RH)で10〜20時間程度放置した後、
室温にて乾燥することにより酵素電極が得られる。
【0034】本発明においては、必要に応じて、図4に
示すように、保護膜を兼用し、被検液を効率よく導入す
るためにメッシュ状シート5を酵素電極の全面を覆うよ
うに付設してもよい。このメッシュ状シート5の材料と
しては、例えばポリエステル、ナイロン、ポリプロピレ
ン等を挙げることができる。また、このメッシュ状シー
ト5に、例えばラウリル酸ナトリウムやコロナ放電等に
よる親水化処理を施すことが好ましく、それにより被検
液の血球分離層4への導入がより確実かつ迅速に行われ
る。
【0035】メッシュ状シート5の固定方法としては、
電極両側に直接熱圧着する方法を採ることができる。熱
圧着温度は、150〜300℃とすればよい。この時、
酵素層3の温度に対する安定性が問題となるが、メッシ
ュ状シートを熱圧着する際に、血球分離層4の上にステ
ンレス板を挟み込み、熱圧着後に抜き取る等して熱圧着
用のヒートブロックが直接電極部に作用しないように
し、更にその加熱時間を1~3秒程度とすることによ
り、酵素層3、特にグルコースオキシダーゼの熱による
酵素活性の低下を防ぐことができる。また、メッシュ状
シート5を熱圧着で固定する際に、このようにステンレ
ス板を挟み込み、熱圧着後に抜き取る方法を採ることに
より、血球分離層4とメッシュ状シート5との間に10
0〜200μmの隙間が確保されるため、血球分離層4
による分離作用が妨げられることもなくなる。
【0036】以上の工程によって作製された電極に対し
て、メッシュ状シート5の上方から被検液を滴下して直
接的に血球分離膜4に導入してもよく、或いはメッシュ
状シート5の吸水性を利用して被検液を血球分離膜4に
導入してもよい。従って、メッシュ状シート5は、上記
の電極部両側での固定の他に、電極部の両側に他の一辺
を加えた上面形状略コ字状に熱圧着してもよく、あるい
は電極部近傍の基板上に突起を設け電極部周囲の4辺全
てを熱圧着してもよい。前記突起を設けることにより、
血球分離膜4との接触を避けることが可能となる。この
ように熱圧着でメッシュ状シート5を固定することによ
り、接着剤による固定や、血球分離層4との隙間を形成
するためのスペーサを用いる必要もなくなり、コストの
低減につながる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
但し、本発明は本実施例により何ら制限されるものでは
ない。
【0038】(実施例1)下記に示す、酵素層用塗布液
及び血球分離層用塗布液をそれぞれ調製した。 ・酵素層用塗布液:1mL当たり、pH6.0〜7.5
の範囲内の0.05Mリン酸緩衝液(リン酸二水素ナト
リウム及びリン酸水素二カリウムを用いて製造)をベー
スとして、カルボキシメチルセルロースナトリウムを6m
g、グルコースオキシダーゼを32mg、牛血清アルブ
ミンを6mg及びラウリル硫酸ナトリウムを0.42m
g配合して調製した。 ・血球分離層用塗布液:1mL当たり、pH6.0〜
7.5の範囲内の0.884Mリン酸緩衝液(リン酸二
水素ナトリウム及びリン酸水素二カリウムより製す)を
ベースとして、アルギン酸ナトリウムを10.5mg、
D−マンニトールを3.6mg配合して調製した。
【0039】そして、上記各塗布液を用い、下記の手順
により酵素電極を作製した。 (a)図1に示すように、ガラスエポキシ基板1の上に
白金電極2を設け、その上に前記酵素層用塗布液1μL
を塗布した。 (b)室温(25℃)、湿度20%以下の環境下で1時
間以上乾燥させて酵素層3を形成した。 (c)酵素層3の上に前記血球分離層用塗布液を1μL
塗布した。 (d)室温(25℃)、湿度20%以下の環境下で1時
間以上乾燥させて血球分離層4を形成させた。 (e)温度35℃、湿度85%の環境下に16時間曝し
て酵素活性最適化処理を施した。 (f)室温(25℃)、湿度20%以下の環境下で24
時間以上乾燥させた。
【0040】尚、上記において、酵素層用塗布液及び血
球分離層用塗布液の塗布は、3次元方向に移動可能なロ
ボットに塗布ノズルとして内径0.31mm、外径0.
77mmのテフロン(登録商標)チューブを取付け、ロ
ーター式ポンプから塗布液を送出して行った。塗布時の
電極面から塗布ノズル先端までの距離は0.35mmと
し、塗布ノズルの移動速度は2mm/secとした。塗
布ノズル先端の動きは、電極表面を血球分離層用塗布液
及び酵素層用塗布液が完全に覆うように電極の形状に合
わせて軌跡を描かせた。これらの制御はコンピュータに
より行った。
【0041】作製した酵素電極について、標準グルコー
ス溶液を用いて直線性を評価した。結果を図4に示す
が、良好な直線性を示すことがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る酵素
電極は、被検液中の妨害物質の影響が少なく、被検液中
のグルコース濃度を正確に、かつ迅速に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る酵素電極の一実施形態を示す断面
図である。
【図2】D−マンニトールのヘマトクリットへの影響を
示すグラフである。
【図3】グルコースオキシダーゼの活性能力と酵素活性
低下処理時間との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る酵素電極の他の実施形態を示す斜
視図である。
【図5】実施例において、グルコース溶液を測定した結
果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 白金電極 3 酵素層 4 血球分離層 5 メッシュ状シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 338 (72)発明者 庭山 妃呂司 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 Fターム(参考) 4B029 AA07 BB16 CC03 CC08 FA12 4B063 QA01 QA18 QQ03 QQ23 QR85 QS39 QX05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に設けた白金電極上に順
    次、酵素を主成分としてアルブミンと親水性高分子物質
    とで固定された酵素層及び高粘性多糖類と高粘性糖アル
    コールとを主成分とする血球分離層を積層してなること
    を特徴とする酵素電極。
  2. 【請求項2】 前記酵素が、基質と反応して過酸化水素
    を産出する酵素であることを特徴とする請求項1記載の
    酵素電極。
  3. 【請求項3】 前記酵素が、グルコースオキシダーゼで
    あることを特徴とする請求項2に記載の酵素電極。
  4. 【請求項4】 前記酵素層が、牛血清アルブミンと親水
    性高分子物質とで酵素を固定してなることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか1項に記載の酵素電極。
  5. 【請求項5】 前記高粘性多糖類が、アルギン酸ナトリ
    ウムであり、かつ前記高粘性糖アルコールがD−マンニ
    トールであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1
    項に記載の酵素電極。
  6. 【請求項6】 前記酵素層が、酵素濃度を保持しつつ、
    酵素活性が低下されていることを特徴とする請求項1〜
    5の何れか1項に記載の酵素電極。
  7. 【請求項7】 前記血球分離層の上に、一定距離を隔て
    て親水化処理を施したメッシュ状シートを付設したこと
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の酵素電
    極。
  8. 【請求項8】 絶縁性基板上に設けた白金電極上に順
    次、グルコースオキシダーゼを主成分として牛血清アル
    ブミンとカルボキシメチルセルロースナトリウムとで固
    定された酵素層及びアルギン酸ナトリウムとD−マンニ
    トールとを主成分とする血球分離層を積層してなること
    を特徴とする酵素電極。
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