JP2002188088A - 石炭ガス化炉の運転方法 - Google Patents

石炭ガス化炉の運転方法

Info

Publication number
JP2002188088A
JP2002188088A JP2000384722A JP2000384722A JP2002188088A JP 2002188088 A JP2002188088 A JP 2002188088A JP 2000384722 A JP2000384722 A JP 2000384722A JP 2000384722 A JP2000384722 A JP 2000384722A JP 2002188088 A JP2002188088 A JP 2002188088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
oxygen
furnace
containing gas
burner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000384722A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunikatsu Yoshida
邦勝 吉田
Akio Ueda
昭雄 植田
Naomi Yoshida
直美 吉田
Makoto Takeda
誠 竹田
Yoshiki Watabe
芳樹 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP2000384722A priority Critical patent/JP2002188088A/ja
Publication of JP2002188088A publication Critical patent/JP2002188088A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】石炭ガス化炉の立ち上がり時間を短縮すること
にある。 【解決手段】 昇温バーナ37から炉内に噴射される含
酸素ガス47の流速が、昇温バーナ37が燃焼を行うこ
とができる所定の範囲内の流速となるような第1の圧力
まで炉内を昇圧した後、昇温バーナ37に点火し、炉内
の圧力を定常運転可能な第2の圧力まで昇圧する一方
で、炉内の圧力の上昇に応じて、含酸素ガス47の流速
が所定の範囲内の流速となるように制御する方法により
石炭ガス化炉1の立ち上がり時間を短縮することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭ガス化炉に係
り、特に、昇温昇圧された炉内に微粉炭を噴射して可燃
性のガスを発生させる石炭ガス化炉の運転方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の石炭ガス化炉の運転方法では、炉
内、すなわち、熱回収室とガス化室とスラグ冷却室、に
窒素ガスなどを噴射し、定常運転が行われる定格圧力ま
で炉内を昇圧する。その後、昇温バーナから燃料と含酸
素ガスを噴射して、燃焼させることで炉内を昇温する。
このようにして、昇温昇圧された炉内に、粉末状の石炭
である微粉炭と、酸素などのガス化剤とを噴射し、反応
させることで、一酸化炭素や水素などの石炭ガスを生成
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昇温バーナ
は、燃料を噴射する管状の燃料ノズルと、燃料ノズルを
包むように同軸に配設された含酸素ガスを噴射する管状
の噴射口部などで形成されている。燃料ノズルから噴射
された燃料は噴霧液滴となり、噴射口部から噴射された
含酸素ガスと混合して混合気となる。この混合気に点火
することで火炎が形成される。このとき噴射口部から噴
射される含酸素ガスの流速は、点火された火炎が燃焼で
きる所定の範囲内に保たなければならない。これは、含
酸素ガスの流速が、所定の流速よりも速いと、火炎が吹
き飛んで消炎し、所定の流速よりも遅いと、燃料と含酸
素ガスの混合ができずに火炎が消炎してしまうためであ
る。
【0004】この含酸素ガスの流速は、噴射口部の含酸
素ガスの噴射口の断面積を変更することで変えることが
でき、さらに、含酸素ガスが噴射される炉内の圧力によ
って変化する。つまり、定格圧力の炉内に噴射される含
酸素ガスの流速が、所定の範囲内に入るように含酸素ガ
スの噴射口の断面積を設定しても、炉内が定格圧力より
高い圧力であれば、含酸素ガスの噴射は所望の流速より
遅くなる。逆に、炉内が定格圧力より低い圧力であれ
ば、含酸素ガスの噴射は所望の流速より速くなる。
【0005】このため、従来の運転方法では、定格圧力
時の炉内に噴射する含酸素ガスの流速が所定の範囲内に
入るように設定した噴射口を備えた昇温バーナを用い、
一旦、炉内を定常運転が行われる定格圧力まで昇圧し、
その後、噴射口部から含酸素ガスと燃料とを噴射するこ
とで、燃焼を行い炉内を昇温する方法がとられている。
しかし、この方法は、炉内の昇温と昇圧の作業を別々に
行うので、運転起動時から定常運転開始までの時間、す
なわち、立ち上がり時間が長くなる。
【0006】このような問題に対して、炉内を昇温昇圧
する場合に、炉内の圧力上昇に応じて、昇温バーナに供
給する含酸素ガスの重量流量を調整し、炉内に噴射する
含酸素ガスの流速を所定の範囲内に保ちながら昇温する
方法が考えられる。しかし、常圧と定格圧力の圧力差な
どによっては、昇温バーナに供給する含酸素ガスの重量
流量の調整範囲を超えてしまう場合がある。つまり、定
格圧力下で含酸素ガスの流速が所定の範囲内に入るよう
に設定した噴射口を備えた昇温バーナを用い、常圧の炉
内に燃料と含酸素ガスを噴射するときに、昇温バーナの
含酸素ガスの供給量を最低にしても、含酸素ガスの流速
が所定の範囲より速くなり消炎してしまう場合、もしく
は、含酸素ガスの流速は所定の範囲内に入るが、供給さ
れる酸素量が少なくて火炎が得られない場合などが生じ
る。
【0007】本発明の課題は、石炭ガス化炉起動時の立
ち上がり時間を短縮することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】高温高圧のガス化室で微
粉炭を反応させ、可燃性ガスを生成する石炭ガス化炉の
運転方法であり、炉内の圧力を第1の圧力まで昇圧した
後、昇温バーナに供給される燃料量と含酸素ガス流量と
を、第1の圧力下で昇温バーナが燃焼を行うことができ
る範囲に調整して昇温バーナに点火し、炉内の圧力を第
1の圧力より高い定常運転時の圧力である第2の圧力に
昇圧しながら、炉内の圧力上昇に応じて燃料量と含酸素
ガス流量とを増大させる方法により上記課題を解決す
る。
【0009】このような運転方法とすれば、昇温と昇圧
の作業を同時に行えるため、石炭ガス化炉起動時の立ち
上がり時間を短縮することができる。
【0010】さらに、第2の圧力をP、昇温バーナの定
常運転時の燃料量の割合に対する昇温バーナが燃焼を行
うことができる最低の燃料量の割合をB、昇温バーナ
が燃焼を行うことができる含酸素ガスの流速をV、昇
温バーナが燃焼を行うことができる含酸素ガスの流速V
の変化幅をvとし、第1の圧力を(1)式で示すP
SL以上(2)式で示すPSH以下の範囲とする。
【0011】
【数3】
【0012】
【数4】 さらに、第1の圧力を(3)式で示すPとすることが
望ましい。
【0013】
【数5】 このような運転方法とすれば、昇温バーナの着火当初か
ら燃焼で発生する燃料の未燃分を減らすことができるこ
とから、昇温バーナの燃焼効率を上げることができ、石
炭ガス化炉起動時の立ち上がり時間をより短縮すること
ができるので好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用してなる石炭
ガス化炉の一実施形態について図1乃至図3を参照して
説明する。図1は、本発明を適用してなる石炭ガス化炉
の概略構成と動作を示す断面図である。図2は、石炭ガ
ス化炉に設けられた昇温バーナの概略構成と動作を示す
断面図である。図3は、昇温バーナに供給される各々の
割合の含酸素ガスの流量における、昇温バーナから炉内
へ噴射される含酸素ガスの流速と石炭ガス化炉内圧力と
の関係を示した図である。
【0015】本実施形態の石炭ガス化炉1は、図1に示
すように、熱回収室3、ガス化室5、スラグ冷却室7な
どで構成されている。熱回収室3、ガス化室5、スラグ
冷却室7は、上下に長い筒状の水冷壁9の流路を縮径す
るように形成された2ヵ所のくびれ部10a、10bに
より、上から、熱回収室3、ガス化室5、スラグ冷却室
7の順に画成されている。また、水冷壁9により画成さ
れた熱回収室3、ガス化室5、スラグ冷却室7は、上下
に長い筒状の圧力容器11に内包されて設けられ、水冷
壁9と圧力容器11との間には間隙が設けられている。
水冷壁9と圧力容器11との間隙には保温材13が設け
られ、スラグ冷却室7の保温材13は圧力容器11の内
面に貼付されている。熱回収室3の上部は、テーパ状に
収束し、収束した頂部には、ガス化室で生成された石炭
ガスが通流する石炭ガス管路17の一端が連通してい
る。熱回収室3は、熱回収室3の底部に設けられたくび
れ部10aによって形成された流路を介してガス化室5
と連結している。
【0016】ガス化室5は、ガス化室5の底部のくびれ
部10bによって形成された流路を介してスラグ冷却室
7と連結している。ガス化室5の上部と下部との各々に
は、微粉炭19と酸素ガス21とをガス化室5に供給す
る石炭バーナ23が、圧力容器11と水冷壁9とに挿通
された状態で設けられている。さらに、ガス化室5の下
部には、酸素ガス21と、ガス化室5で発生した石炭ガ
スに含まれる未反応のチャー25とをガス化室5に再投
入するチャーバーナ27が、圧力容器11と水冷壁9と
に挿通された状態で設けられている。石炭バーナ23に
は、石炭バーナ23に微粉炭19を供給する微粉炭供給
管路29と、酸素21を供給する酸素供給管路31a、
31bが連結している。チャーバーナ27には、チャー
バーナ27に未反応のチャー25を供給するチャー搬送
管路33と、酸素21を供給する酸素供給管路31cと
が連結している。微粉炭供給管路29は、図示していな
い微粉炭19を供給する微粉炭供給手段に連結してい
る。チャー搬送管路33は、図示していない窒素35を
供給する窒素供給手段に連結している。
【0017】スラグ冷却室7の上部には、昇温バーナ3
7と、昇温バーナ37に点火する点火バーナ39と、点
火バーナ39の着火を検知する火炎検知器41とが、圧
力容器11と水冷壁9とに挿通された状態で設けられて
いる。点火バーナ39は、昇温バーナ37の下方近傍に
配置され、昇温バーナに点火することができる。点火バ
ーナ39には、点火バーナ39にガス燃料43を供給す
るガス燃料供給管路45と、含酸素ガス47を供給する
含酸素ガス供給管路49とが連結している。ガス燃料供
給管路45は、図示していないガス燃料供給手段に連結
し、含酸素ガス供給管路49は、図示していない窒素ガ
ス供給手段に連結した窒素ガス管路51と酸素供給管路
31dに連結している。また、スラグ冷却室7の底部に
は、溶融スラグ53を冷却するための冷却水55が保持
されている。スラグ冷却室7の底部は、圧力容器11の
下部に開口している。圧力容器11の下部は収束し、収
束した底部の先端部分にはスラグ排出口が設けられてい
る。
【0018】昇温バーナ37は、図2に示すように、含
酸素ガス47を噴出するための筒体57と、液体燃料5
9を噴出するための燃料噴出管61などで構成されてい
る。筒体57は、圧力容器11と水冷壁9とに挿通され
た状態で設けられており、筒体57のスラグ冷却室7の
内側に位置している端部は開口し、圧力容器11の外側
に位置している端部は閉塞されている。閉塞された端部
には、含酸素ガス供給管路49が連結している。含酸素
ガス供給管路49は、図示していない窒素ガス供給手段
に連結した窒素ガス管路51と酸素供給管路31dに連
結している。燃料噴出管61は、筒体57の閉塞された
端部から開口された端部に向けて同軸に挿通された状態
となっており、ノズルチップ63とインペラ65は、筒
体57の開口端、すなわち、含酸素ガス47の噴出口6
7とほぼ同位置に設けられている。噴射口67の回りに
は、耐火材68が貼付されている。燃料噴出管61の他
端は、図示していない液体燃料供給手段に連結され、燃
料噴出管61には液体燃料59とアトマイズ用ガス69
が供給される。また、筒体57は、筒体57外周面に形
成されたフランジ71と、圧力容器11の外壁面に設け
られたフランジ73とを当接し、ボルト止め、もしくは
クランプなどの手段により連結されて固定されている。
なお、酸素供給管路31a、b、c、dは、図示してい
ない酸素21を供給する、一つの酸素供給手段に連結し
ている。
【0019】本実施形態では、熱回収室3の頂部に連結
している石炭ガス管路17は、図1に示すように、熱回
収ボイラ77とサイクロン79とを順次介して、石炭ガ
スを利用する図示していない燃料電池やガスタービンな
どの設備に連結している。石炭ガス管路17に導かれた
石炭ガスは、複数の伝熱管75を備える熱回収ボイラ7
7に流入して、伝熱管75による熱交換で冷却される。
冷却された石炭ガスは、さらに、サイクロン79に導か
れる。サイクロン79では、熱回収ボイラ77で冷却さ
れた石炭ガス内に残留する未反応のチャー25と石炭ガ
スとを分離する。サイクロン79で分離された石炭ガス
は、石炭ガスを利用する図示していない燃料電池やガス
タービンなどの装置類や設備などに導かれる。一方、サ
イクロン79で分離された未反応のチャー25は、サイ
クロン79に連結したチャー搬送管路83aに流入し、
チャー搬送管路83aに設けられたサイクロンホッパ8
5、ロックホッパ87を経て、チャーフィードホッパ9
3に流入し、チャーフィードホッパ93からフィーダ9
5に導かれる。フィーダ95に導かれた未反応チャー2
5は、フィーダ95によって、チャー搬送管路33の送
られ、チャー搬送管路33に供給された窒素ガス35と
チャーバーナ27に供給される。
【0020】また、サイクロン79で分離された石炭ガ
スは、さらに石炭ガスに残留している未反応のチャーを
除去する必要がある。このため、サイクロン79の石炭
ガス流れ方向に対し下流側に、バイパス管路97を備え
たフィルタ81が設けられている。フィルタ81に導か
れた石炭ガスは、サイクロン79通過後も石炭ガス内に
残留している未反応のチャー25と石炭ガスとに分離さ
れる。フィルタ81で、さらに分離された石炭ガスは、
石炭ガス管路17に戻り、石炭ガスを利用する図示して
いない燃料電池やガスタービンなどの装置類や設備など
に導かれる。フィルタ81で分離された未反応のチャー
25は、フィルタ81に連結したチャー搬送管路83b
に流入し、フィルタホッパ89、ロックホッパ91を経
てチャーフィードホッパ93に導かれる。チャーフィー
ドホッパ93に集められた未反応チャー25は、フィー
ダ95に導かれる。フィーダ95に流入した未反応チャ
ー25は、フィーダ95によって、チャー搬送管路33
の送られ、チャー搬送管路33に供給された窒素ガス3
5とチャーバーナ27に供給される。チャーバーナ27
に供給された未反応のチャー25は再度ガス化室5に投
入される。
【0021】ところで、石炭ガス化炉1で生成された石
炭ガス中には、水分が含まれているので、石炭ガスの流
れの下流にある機器の壁面には結露が発生し、その壁面
に未反応のチャー25が付着、堆積することがある。し
かし、昇温バーナ37を設けることで石炭ガスを昇温し
て、石炭ガスの流れの下流にある機器の壁面の温度を露
点以上に昇温し、結露の発生を抑制することができる。
本実施形態でも、石炭ガス化炉1で生成された石炭ガス
の流れの下流に設けられた、複数の伝熱管75を備えた
熱回収ボイラ77、サイクロン79、フィルタ81など
の精製設備、そして、石炭ガスを利用する図示していな
い燃料電池やガスタービンなどの設備は昇温された石炭
ガスが流入することによって露点以上に昇温されてい
る。
【0022】このような構成の本実施形態の石炭ガス化
炉1の動作と、本発明の特徴部について説明する。ま
ず、昇温バーナ37に供給される液体燃料59の燃料
量、つまり昇温バーナ37の負荷が最大のときに、その
最大負荷時の液体燃料59が燃焼するために必要な重量
流量の含酸素ガス47を、定格圧力、例えば図3に示す
ように2.5MPaの圧力下の炉内に、火炎97が最適に燃焼
できる含酸素ガス47の流速V、例えば20m/sで噴射
するように、昇温バーナ37の含酸素ガス47の噴射口
67の断面積を設定しておく。
【0023】そして、本実施形態では、第1の圧力の下
限と上限であるPSLとPSHとを、各々以下の(1)
式、(2)式に、図3から得られる所定の値を代入して
求めている。
【0024】
【数6】
【0025】
【数7】 さらに、最適な第1の圧力であるPを以下の(3)式
に、図3から得られる所定の値を代入して求めている。
【0026】
【数8】 例えば、定常運転時の炉内の圧力、つまり、第2の圧力
Pを2.5MPa、昇温バーナ37が供給できる最低の燃料
量、すなわち昇温バーナ37の許容最低負荷Bを20
%、昇温バーナ37が燃焼を最適に行うことができる含
酸素ガス47の流速Vを20m/s、昇温バーナ37が燃
焼を行うことができる含酸素ガス47の流速Vの変化
幅vを10m/sとすると、第1の圧力は、(1)(2)式
により0.33MPa以上1.0MPa以下の範囲となる。これは、
第2圧力の0.13倍以上0.4倍以下の範囲となる。さら
に、第1の圧力として望ましい値は、(3)式により、
0.5MPa、つまり、第2圧力の0.2倍となる。したがっ
て、まず、炉内に窒素35を噴射し、炉内の圧力を上記
で求めた第1の圧力まで昇圧し、昇温バーナ37の負荷
が最大の負荷の20%のときに、その20%負荷時の液体燃
料59が燃焼するために必要な重量流量の含酸素ガス4
7を炉内に噴射すると、含酸素ガス47の流速は、(V
−v)〜(V+v)の範囲、つまり、10〜30m/sと
なる。さらに、20%負荷時の液体燃料59を炉内に噴霧
するために必要な重量流量のアトマイズ用ガス69を炉
内に噴射する。そして、点火バーナ39にメタンなどの
ガス燃料45と、含酸素ガス47を供給し、点火バーナ
39に点火する。点火バーナ39の着火を火炎検知器4
1で確認した後に、昇温バーナ37に軽油などの液体燃
料59を最大負荷の20%の負荷(B)で供給する。供
給された液体燃料59は、アトマイズ用ガス69により
ノズルチップ63及びインペラ65から炉内に噴霧99
され、噴霧液滴99となる。噴霧液滴99は、含酸素ガ
ス47と混合され、点火バーナ39の火炎によって着火
される。点火された噴霧液滴99は火炎97を形成し、
この燃焼により炉内が昇温する。昇温バーナ37による
昇温と同時に、炉内に供給される窒素35、酸素21、
燃焼で発生するガスなどによって炉内は昇圧される。そ
して、この昇温昇圧の間、昇温バーナ37から噴出する
含酸素ガス47の流速が、10〜30m/sの範囲内、望まし
くは20m/sになるように図3のグラフに基づいて、昇温
バーナ37に供給する含酸素ガス47の重量流量を制御
する。同時に、供給された含酸素ガス47の重量流量に
応じて液体燃料59の量とアトマイズ用ガス69の重量
流量を制御する。
【0027】その後、炉内が、所定の温度及び所定の圧
力となったら、石炭バーナ23に微粉炭19と酸素21
とを供給する。石炭バーナ23から噴射された微粉炭1
9と酸素21は、ガス化室5で反応し、可燃性の石炭ガ
スを生成する。また、溶融した石炭の灰分である液状の
溶融スラグ53は、ガス化室5からスラグ冷却室7に流
下する。冷却水55内に流下した溶融スラグ53は、冷
却され、固体となり、スラグ排出口から排出される。
【0028】ところで、従来の運転方法では、炉内に噴
出する含酸素ガス47の流速が速すぎると火炎が吹き飛
び消炎し、遅すぎると噴霧液滴99と含酸素ガス47と
の混合が悪くなり未燃分が増加し、また、酸素不足で消
炎するので、含酸素ガス47の適正な流速は、例えば10
〜30m/sとすることになる。そこで、定格圧力である2.5
MPaの圧力下の炉内に、火炎97が最適に燃焼できる含
酸素ガス47の流速V 、例えば20m/sで噴射するよう
に、昇温バーナ37の含酸素ガス47の噴射口67の断
面積を設定することになるが、常圧下である0.1MPaの炉
内に噴射する場合、含酸素ガス47の流速は定格圧力下
の流速の25〜30倍、つまり、250〜900m/sになってしま
う。したがって、昇温バーナ37に着火する際には、昇
温バーナ37から噴射する含酸素ガス47の重量流量を
できるだけ少なくする必要がある。しかし、例えば、含
酸素ガス47の重量流量の最低限度が20%であるとき、
常圧下である0.1MPaの炉内に、昇温バーナ37の最大負
荷の20%に対応する重量流量で含酸素ガス47を噴射し
ても、含酸素ガス47の流速は50〜180m/sとなり、含酸
素ガス47の適正な流速の範囲を逸脱してしまうことに
なり、昇温バーナ37を燃焼させることができない。
【0029】このため、従来の運転方法は、炉内に窒素
ガス35などを噴射し、定常運転が行われる第2の圧力
まで炉内を昇圧し、その後、含酸素ガス47の流速が10
〜30m/sになる範囲の液体燃料59を供給して、昇温バ
ーナ37に着火し、炉内を昇温しているため、立ち上が
り時間が長くなる。
【0030】これに対し、本実施形態の石炭ガス化炉1
の運転方法では、昇温バーナ37の負荷を抑え、負荷を
抑えられた昇温バーナ37から炉内に噴射される含酸素
ガス47の流速が、所定の範囲内の流速となるように炉
内の圧力を第1の圧力まで昇圧した後、昇温バーナ37
に点火し、炉内の圧力を定常運転が可能な第2の圧力ま
で昇圧する一方で、炉1内の圧力の上昇に応じて、含酸
素ガス47の流速が所定の範囲内の流速となるように、
昇温バーナ37に供給する含酸素ガス47の供給量を制
御し昇温することができるので、立ち上がり時間を短縮
することができる。
【0031】さらに、昇温バーナ37に供給する含酸素
ガス47の供給量に応じた液体燃料量59を供給するの
で、昇温バーナ37の着火当初から、燃焼で発生する燃
料の未燃分を減らし各機器の未燃分による汚染を抑制す
ることができ、各機器の能力低下などを避けることがで
きるので好ましい。さらに、燃焼で発生する未燃分を減
らすことは昇温バーナ37の燃焼効率を上げることにな
り、石炭ガス化炉1起動時の立ち上がり時間を短縮する
ことができるので好ましい。
【0032】また、本実施形態では、含酸素ガス47を
酸素21と窒素35とを混合させて得ているが、空気を
用いることもできる。
【0033】また、本発明は、本実施形態の構成の石炭
ガス化炉1に限らず、様々な構成のガス化炉に適応でき
る。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、石炭ガス化炉の立ち上
がり時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる石炭ガス化炉の一実施形
態の概略構成と動作を示す断面図である。
【図2】本発明を適用してなる石炭ガス化炉に設けられ
た昇温バーナの一実施形態の概略構成と動作を示す断面
図である。
【図3】本発明を適用してなる一実施形態の昇温バーナ
において、昇温バーナの各々の負荷に対応する含酸素ガ
スの重量流量における、含酸素ガスの流速と石炭ガス化
炉内圧力との関係を示したグラフ図である。
【符号の説明】
1 石炭ガス化炉 3 熱回収室 5 ガス化室 7 スラグ冷却室 37 昇温バーナ 39 点火バーナ 41 火炎検知器 47 含酸素ガス 59 液体燃料 67 噴射口 69 アトマイズ用ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 直美 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 竹田 誠 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 渡部 芳樹 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇温昇圧された炉内で微粉炭を反応さ
    せ、可燃性ガスを生成する石炭ガス化炉の運転方法であ
    って、前記炉内の圧力を第1の圧力まで昇圧した後、昇
    温バーナに供給する燃料量と含酸素ガス流量とを、該昇
    温バーナが第1の圧力下で燃焼を行うことができる範囲
    に調整して前記昇温バーナに点火し、前記炉内の圧力を
    前記第1の圧力より高い定常運転時の圧力である第2の
    圧力に昇圧しながら、前記炉内の圧力の上昇に応じて前
    記燃料量と前記含酸素ガス流量とを増大させる石炭ガス
    化炉の運転方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の圧力をP、前記昇温バーナの
    前記定常運転時の燃料量の割合に対する前記昇温バーナ
    が燃焼を行うことができる最低の燃料量の割合をB
    前記昇温バーナが燃焼を行うことができる前記含酸素ガ
    スの流速をV 、該昇温バーナが燃焼を行うことができ
    る前記含酸素ガスの流速Vの変化幅をvとし、前記第
    1の圧力を(1)式で示すPSL以上(2)式で示すP
    SH以下の範囲とすることを特徴とする請求項1に記載
    の運転方法。 【数1】 【数2】
JP2000384722A 2000-12-19 2000-12-19 石炭ガス化炉の運転方法 Pending JP2002188088A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000384722A JP2002188088A (ja) 2000-12-19 2000-12-19 石炭ガス化炉の運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000384722A JP2002188088A (ja) 2000-12-19 2000-12-19 石炭ガス化炉の運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002188088A true JP2002188088A (ja) 2002-07-05

Family

ID=18852115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000384722A Pending JP2002188088A (ja) 2000-12-19 2000-12-19 石炭ガス化炉の運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002188088A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2434932C2 (ru) Способ пуска газификатора угля и устройство пуска для него
CN102305415B (zh) 一种富氧环境下的等离子无油点火系统
JP5166556B2 (ja) 酸素燃焼流動床反応器及びこのような反応器の作動方法
JP3675163B2 (ja) 管状火炎バーナ
JP4829817B2 (ja) 廃棄物の焼却装置及び焼却方法
JP2008231294A (ja) 二段ガス化炉
JP5216076B2 (ja) スラグ溶融酸素バーナーを用いた溶融炉
JP2004051647A (ja) 固形バイオマス燃料のガス化装置
JP2527922B2 (ja) 微粉炭の酸素燃焼バ―ナ
JP2002161283A (ja) 石炭ガス化装置の起動方法
KR101620968B1 (ko) 액체 금속을 이용한 순산소 직접 연소 시스템
JP2002188088A (ja) 石炭ガス化炉の運転方法
JP3924224B2 (ja) ガス化炉およびバーナ
JP2004077007A (ja) 連続式加熱炉及びその操業方法
JP2005003360A (ja) 管状火炎バーナ
JP3680659B2 (ja) 燃焼装置および燃焼方法
JP3664951B2 (ja) 固形燃料用燃焼装置
JP2006089628A (ja) ガス化炉装置
JP4445479B2 (ja) 廃棄物溶融炉の羽口のパージ方法及びその装置
JP5044317B2 (ja) 廃棄物ガス化溶融設備の燃焼室及び燃焼方法
JP2002080863A (ja) 気流層石炭ガス化炉の昇温装置及び該装置を用いる昇温方法
JP3223485U (ja) バーナ装置およびそれを備えたガス化炉
JP2005314549A (ja) ガス化炉装置
JP3574967B2 (ja) 固形廃棄物の溶融処理及び廃油の部分燃焼処理方法
JP2009019125A (ja) ガス化方法及び装置