JP2002186665A - 人工透析における血圧監視方法、人工透析における血圧監視システム - Google Patents

人工透析における血圧監視方法、人工透析における血圧監視システム

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JP2002186665A
JP2002186665A JP2000388860A JP2000388860A JP2002186665A JP 2002186665 A JP2002186665 A JP 2002186665A JP 2000388860 A JP2000388860 A JP 2000388860A JP 2000388860 A JP2000388860 A JP 2000388860A JP 2002186665 A JP2002186665 A JP 2002186665A
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Japan
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blood pressure
tube
systolic blood
dialysis
deformation
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JP2000388860A
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English (en)
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Masahide Kobayashi
正英 小林
Takashi Kimura
喬 木村
Minoru Kataiki
実 片伊木
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液汚染を防止しつつ透析患者の最高血圧を
連続的に監視する。 【解決手段】 監視用処理コンピュータ6には患者1に
予め定められた最高血圧の許容変動範囲を設定する。監
視用処理コンピュータは、ダイアライザー4へ血液を送
るチューブ2の途中におけるチューブの変形量を測定し
て得られた変形信号から最高血圧値を算出し、最高血圧
値が前記許容変動範囲か否かを監視し、透析中最高血圧
値が許容変動範囲外となったことを条件に警告信号を出
力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイアライザーと
患者との間を結ぶ弾性チューブの変形量を測定すること
により、人工透析中の患者の実質的な最高血圧(心臓の
収縮期における動脈圧)を連続的に監視する血圧監視方
法、及び人工透析における血圧監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】人工透析による治療中においては、ポン
プの駆動によって患者の体内から導き出された血液がダ
イアライザーを通過することで、ダイアライザー内に配
設された中空糸の外側を流れる透析液と中空糸の内側を
流れる血液との浸透圧差によって、血液中の老廃物や水
分が除去されて浄化される。このため、患者の血圧が急
激に変動することがあり、平常時より大幅に変動する
と、意識を喪失する等のいわゆる透析ショックの現象が
生じる。このため、従来は、いわゆるカフ式血圧計を用
い、透析開始前に血圧を測定するだけでなく、透析中に
おいても30分〜1時間間隔で間欠的に血圧測定を行っ
ていた。
【0003】また、患者の血圧変動を連続的に監視する
方法としては、例えば、特公平6−149号に記載され
ているように、人工透析循環処理回路において、動静脈
シャントとポンプとの間及びダイアライザと動静脈シャ
ントとの間の2点に圧力測定部を設け、圧力測定部で検
出された2点における圧力の和及び差から、動静脈シャ
ントの血圧及び血液粘度を連続的に測定したり、特開平
6−23038号に記載されているように、シャント形
成部位内で動脈血管吻合部近傍の血管内圧を自動的に継
続して測定するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−149号に記載のものは、人工透析循環処理回路中
のポンプの上流側とダイアライザの下流側とにそれぞれ
圧力変換器を挿入しているので、圧力変換器が循環する
血液に直接接触し、血液が汚染される虞がある。また、
特開平6−23038号に記載のものは、シャント形成
部位に突刺及び留置し血液が体外循環するためのシング
ルニードル針に内挿される連続血圧モニタ用ニードルを
介して圧力センサによって動静脈血管吻合部近傍の血管
内圧を自動測定するものであり、循環する血液に連続血
圧モニタ用ニードルが直接接触するため、やはり血液が
汚染される虞がある。
【0005】このように、従来の人工透析中の血圧監視
方法やシステムでは、血液が測定部品に直接接触するの
で、血液汚染の可能性が新たに生じてしまう。
【0006】本発明は上記に鑑み提案されたもので、そ
の目的は、透析患者の最高血圧を連続的に監視でき、さ
らに血液汚染を防止できる人工透析における血圧監視方
法、及び人工透析における血圧監視システムを提供しよ
うとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたもので、請求項1に記載の発明
は、透析患者に予め定められた最高血圧の許容変動範囲
を設定し、ダイアライザーへ血液を送るチューブの途中
における該チューブの変形量を測定して得られた変形信
号から最高血圧値を算出し、該最高血圧値が前記許容変
動範囲か否かを監視し、透析中最高血圧値が許容変動範
囲外となったことを条件に警告信号を出力することを特
徴とする人工透析における血圧監視方法である。
【0008】ここで、「チューブの変形量」とは、チュ
ーブ内を流れる血液の内圧に対応するチューブの変形量
を意味し、チューブの直径の変形量のみならず、中心か
らずれた位置でのチューブの径の変形量や、チューブ側
面の撓み量や伸縮量等も含まれる。
【0009】請求項2に記載の発明は、測定起点時にお
いて、ダイアライザーへ血液を送るチューブの途中にお
ける該チューブの変形量を測定して得られた変形信号か
ら起点時仮最高血圧値を算出し、測定起点時において別
途実測された実測最高血圧値と前記起点時仮最高血圧値
とから補正値を算出し、透析患者に予め定められた最高
血圧の許容変動範囲を設定し、前記チューブの変形量を
測定して得られた変形信号から透析治療中における透析
中仮最高血圧値を算出し、該透析中仮最高血圧値を前記
補正値によって補正して透析中最高血圧値を算出し、該
透析中最高血圧値が前記許容変動範囲内か否かを監視
し、透析中最高血圧値が許容変動範囲外となったことを
条件に警告信号を出力することを特徴とする人工透析に
おける血圧監視方法である。
【0010】ここで、「測定起点時」とは、測定の基準
点となる時間であり、例えば、測定開始時が該当する。
また、透析治療は数時間に亘って行われることもあるの
で、測定開始時から一定時間が経過する毎、例えば、1
時間経過毎の時点や30分経過毎の時点も測定起点時に
該当する。
【0011】請求項3に記載の発明は、測定起点時にお
いて、ダイアライザーへ血液を送るチューブの途中にお
ける該チューブの変形量を測定して得られた変形信号か
ら起点時仮最高血圧値を算出し、測定起点時において別
途実測された実測最高血圧値と前記起点時仮最高血圧値
とから補正値を算出し、透析患者に予め定められた最高
血圧の許容変動範囲に前記補正値を加味して疑似許容変
動範囲として設定し、前記チューブの変形量を測定して
得られた変形信号から透析治療中における透析中仮最高
血圧値を算出し、該透析中仮最高血圧値が前記疑似許容
変動範囲内か否かを監視し、透析中仮最高血圧値が疑似
許容変動範囲外となったことを条件に警告信号を出力す
ることを特徴とする人工透析における血圧監視方法であ
る。
【0012】請求項4に記載の発明は、測定開始時にお
いて、ダイアライザーへ血液を送るチューブの途中にお
ける該チューブの変形量を測定して開始時チューブ径を
取得し、前記チューブの変形量を測定して透析治療中に
おける透析中チューブ径を取得し、該透析中チューブ径
と開始時チューブ径とから測定開始時を基準とするチュ
ーブの変形割合を算出し、該変形割合が許容変動範囲か
否かを監視し、変形割合が許容変動範囲外となったこと
を条件に警告信号を出力することを特徴とする人工透析
における血圧監視方法である。
【0013】請求項5に記載の発明は、ダイアライザー
へ血液を送るチューブの途中に配置され、該チューブの
変形量を測定して変形信号を出力するチューブ変形測定
手段と、透析患者の透析関連情報を入力する個人情報入
力手段と、前記チューブ変形測定手段によって出力され
る変形信号に基づいて最高血圧値を算出する最高血圧値
算出手段と、前記個人情報入力手段により入力された透
析関連情報に基づいて許容変動範囲を設定する許容変動
範囲設定手段と、最高血圧算出手段によって算出された
最高血圧値が前記許容変動範囲内か否かを監視する監視
手段と、最高血圧値が許容範囲外になったことを条件に
警告信号を出力する警告信号出力手段と、を備えること
を特徴とする人工透析における血圧監視システムであ
る。
【0014】請求項6に記載の発明は、ダイアライザー
へ血液を送るチューブの途中に配置され、該チューブの
変形量を測定して変形信号を出力するチューブ変形測定
手段と、測定起点時に別手段によって実測された実測最
高血圧値を入力する実測最高血圧値入力手段と、透析患
者の透析関連情報を入力する個人情報入力手段と、前記
チューブ変形測定手段によって出力される変形信号に基
づき、測定起点時における起点時仮最高血圧値を算出す
る起点時仮最高血圧値算出手段と、該起点時仮最高血圧
値算出手段によって算出された起点時仮最高血圧値と前
記実測最高血圧値との差に基づいて補正値を算出する補
正値算出手段と、前記個人情報入力手段により入力され
た透析関連情報に基づいて許容変動範囲を設定する許容
変動範囲設定手段と、前記チューブ変形測定手段によっ
て出力される変形信号に基づき、透析治療中における透
析中仮最高血圧値を算出する透析中仮最高血圧値算出手
段と、該透析中仮最高血圧値算出手段によって算出され
た透析中仮最高血圧値を前記補正値により補正して透析
中最高血圧値を算出する透析中最高血圧算出手段と、該
透析中最高血圧算出手段によって算出された透析中最高
血圧値が前記許容変動範囲内か否かを監視する監視手段
と、透析中最高血圧値が許容範囲外になったことを条件
に警告信号を出力する警告信号出力手段と、を備えるこ
とを特徴とする人工透析における血圧監視システムであ
る。
【0015】請求項7に記載の発明は、ダイアライザー
へ血液を送るチューブの途中に配置され、該チューブの
変形量を測定して変形信号を出力するチューブ変形測定
手段と、測定起点時に別手段によって実測された実測最
高血圧値を入力する実測最高血圧値入力手段と、透析患
者の透析関連情報を入力する個人情報入力手段と、前記
チューブ変形測定手段によって出力される変形信号に基
づき、測定起点時における起点時仮最高血圧値を算出す
る起点時仮最高血圧値算出手段と、該起点時仮最高血圧
値算出手段によって算出された起点時仮最高血圧値と前
記実測最高血圧値との差に基づいて補正値を算出する補
正値算出手段と、前記個人情報入力手段により入力され
た透析関連情報中の最高血圧の許容変動範囲に前記補正
値を加味して疑似許容変動範囲を設定する許容変動範囲
設定手段と、前記チューブ変形測定手段によって出力さ
れる変形信号に基づき、透析治療中における透析中仮最
高血圧値を算出する透析中仮最高血圧値算出手段と、該
透析中仮最高血圧値算出手段によって算出された透析中
仮最高血圧値が前記疑似許容変動範囲内か否かを監視す
る監視手段と、透析中仮最高血圧値が疑似許容範囲外に
なったことを条件に警告信号を出力する警告信号出力手
段と、を備えることを特徴とする人工透析における血圧
監視システムである。
【0016】請求項8に記載の発明は、ダイアライザー
へ血液を送るチューブの途中に配置され、該チューブの
変形量を測定して変形信号を出力するチューブ変形測定
手段と、前記チューブ変形測定手段によって出力される
変形信号に基づき、測定開始時における開始時チューブ
径を取得する開始時チューブ径取得手段と、前記チュー
ブ変形測定手段によって出力される変形信号に基づき、
透析治療中における透析中チューブ径を取得する透析中
チューブ径取得手段と、透析中チューブ径と開始時チュ
ーブ径とから測定開始時を基準とするチューブの変形割
合を算出する変形割合算出手段と、該変形割合算出手段
によって算出された変形割合が、予め設定された許容変
動範囲内か否かを監視する監視手段と、チューブの変形
割合が許容変動範囲外になったことを条件に警告信号を
出力する警告信号出力手段と、を備えることを特徴とす
る人工透析における血圧監視システムである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は人工透析システムの概略構
成図、図2及び図3はチューブ変形測定センサを説明す
る図、図4は監視処理用コンピュータの概略構成図であ
る。
【0018】人工透析システムは、図1に示すように、
患者1の体内から導き出された血液が通るチューブ2
と、このチューブ2の途中に設けられてチューブ2内の
血液を送る循環駆動源としてのポンプ3と、血液中の老
廃物や余分な水分を除去するダイアライザー4と、チュ
ーブ2の途中に設けられてチューブの変形量を測定し、
測定結果を変形信号として出力するチューブ変形測定セ
ンサ5(本発明のチューブ変形測定手段に相当)と、監
視処理用コンピュータ6とを備えて構成されている。そ
して、これらの中で、チューブ変形測定センサ5と監視
処理用コンピュータ6とが血圧監視システムを構成す
る。
【0019】チューブ2は、ダイアライザー4と共に人
工透析循環処理回路を構成し、弾性を有する中空状の部
材、例えば合成樹脂材によって作製されている。このチ
ューブ2は、動脈側チューブ2aと静脈側チューブ2b
とから構成されている。動脈側チューブ2aは患者1か
らダイアライザー4までの間を連通している。この動脈
側チューブ2aの一端は、患者1の一方の腕に形成され
た動静脈シャントにて腕表面に形成された動脈側穿刺部
(図示せず)に接続可能に形成され、動脈側チューブ2
aの他端はダイアライザー4の血液入口に接続されてい
る。また、静脈側チューブ2bはダイアライザー4から
患者1までの間を連通している。即ち、この静脈側チュ
ーブ2bの一端はダイアライザー4の血液出口に接続さ
れており、他端は静脈側穿刺部(図示せず)に接続可能
に形成されている。
【0020】ダイアライザー4は、血液浄化膜を挟んで
患者1の血液と透析液とが接触可能に構成されており、
血液中の老廃物や余分な水分を透析液中に移動させると
共に、必要な成分を透析液中から血液中に移動させる。
【0021】チューブ変形測定センサ5は、動脈側チュ
ーブ2aの途中であって、可能な限り患者1の動脈側穿
刺部の近く、つまり、動脈側チューブ2aの一端部に配
置されている。このチューブ変形測定センサ5は、チュ
ーブ2内の血圧(血流の内圧)とチューブ2の変形に基
づく電気量とに一定の相関関係、例えば、ほぼ比例する
関係があることに着目して設けられたものであり、本実
施形態では、チューブ2における直径の変形量を測定す
る。
【0022】図2及び図3に示すように、本実施形態に
おけるチューブ変形測定センサ5は、箱体状のケース2
7と、このケース27内に下向きに取り付けられた変形
センサ28と、ケース27の下側部に設けられ、チュー
ブ2を略水平方向(図では左右方向)に支持する把持部
29とから概略構成されている。
【0023】変形センサ28は、筒状のセンサケース
と、このセンサケース内に嵌合される可動ロッド(可動
部材の一種)28bとから構成され、可動ロッド28b
がセンサケースに対して軸方向に移動可能に構成されて
いる。そして、この変形センサ28は、可動ロッドの先
端部28aが、把持部29で支持されたチューブ2の上
端部に上方から接触し得る向きに配置されている。従っ
て、可動ロッド28bは、自重によって下向きに付勢さ
れており、チューブ2の膨張や収縮等の変形に伴って上
下方向に変位する。例えば、チューブ2内の血圧が上昇
してチューブ2が膨らむと可動ロッド28bは上方に移
動する。また、上昇した血圧が低下してチューブ2が収
縮すると可動ロッド28bは下方に移動する。そして、
この可動ロッド28bの上下方向の移動は変位センサに
よって検出され、変位センサは可動ロッド28bの移動
量に応じたレベル(例えば電圧レベル)の電気信号を変
形信号として出力する。
【0024】監視処理用コンピュータ6は、図4に示す
ように、CPU等によって構成された制御部21と、制
御部21の動作プログラム等を記憶したROM22と、
制御部21によって使用されるRAM23と、キーボー
ド等によって構成された入力装置24と、入出力インタ
ーフェース25とから概略構成されている。
【0025】制御部21は、本発明の起点時仮最高血圧
値算出手段、補正値算出手段、許容変動範囲設定手段、
透析中仮最高血圧値算出手段、透析中最高血圧算出手
段、最高血圧値算出手段、監視手段として機能する。ま
た、制御部21は、入出力インターフェース25と共
に、本発明の警告信号出力手段としても機能する。な
お、チューブ2の変形量を測定して得られた変形信号に
は、ポンプ3の吐出圧がノイズとして含まれている。こ
のノイズを除去するため、監視処理用コンピュータ6の
制御部21には、バンドパスフィルタ(図示せず)を組
み込んである。そして、このバンドパスフィルタによ
り、変形信号中の血圧値成分(血圧に応じて変動する成
分)のみを選択し、これにより測定精度を高めている。
【0026】入力装置24は、本発明の個人情報入力手
段、実測最高血圧値入力手段として機能する。従って、
この入力装置24を通じて監視処理用コンピュータ6に
は、患者1の透析関連情報や実測最高血圧値が入力され
る。透析関連情報は、例えば、患者1の標準血圧(通常
時における最高血圧)、最高血圧の許容変動範囲、現在
の体重やドライウエイト(基準となる体重)といった透
析に関連する患者1の個人情報である。また、実測最高
血圧値は、例えば透析の開始前として設定された測定起
点時において、別手段によって実測された最高血圧値で
ある。本実施形態では、カフ8を備えた血圧測定器7に
よって看護婦等の医療従事者が実測した最高血圧を実測
最高血圧値として用いる。なお、「最高血圧」とは、心
臓の収縮期における動脈圧のことである。
【0027】このような構成の人工透析システムでは、
チューブ2内には予め生理食塩水が充填されているの
で、動脈側チューブ2aの一端を動静脈シャントの動脈
側穿刺部に、静脈側チューブ2bの他端を静脈側穿刺部
にそれぞれ接続した状態でポンプ3を作動させる。ま
た、ポンプ3の作動に連動して透析液をダイアライザー
4に供給する。これにより、ポンプ3の駆動によって患
者1の体内から導き出された血液は、動脈側チューブ2
aを通った後にダイアライザー4によって老廃物が除去
されて浄化され、また、余分な水分が除去される。そし
て、ダイアライザー4によって処理された血液は、静脈
側チューブ2bを通って患者1の体内に戻される。
【0028】そして、この血液浄化処理を行っている期
間に亘って、血圧監視システム、即ち、チューブ変形測
定センサ5と監視処理用コンピュータ6は、透析治療中
における患者1の実質的な最高血圧を連続的に監視す
る。以下、この血圧監視システムの動作について説明す
る。
【0029】この血圧監視システムでは、透析開始前
に、入力装置24(個人情報入力手段)によって、患者
1に関する透析関連情報を入力する。入力された透析関
連情報は、RAM23(記憶手段)の所定の記憶領域に
記憶される。そして、制御部21(許容変動範囲設定手
段)は、入力された透析関連情報に基づいて最高血圧の
許容変動範囲、つまり、上限及び下限の閾値を設定す
る。また、入力装置24(実測最高血圧値入力手段)に
より、実測最高血圧値を入力する。この実測最高血圧値
は、上記したように、血圧測定器7によって医療従事者
が別途実測した最高血圧である。そして、入力された実
測最高血圧値は、RAM23の所定の記憶領域に記憶さ
れる。
【0030】最高血圧の許容変動範囲を設定したなら
ば、透析治療を開始する。この透析治療では、まず、チ
ューブ2をチューブ変形測定センサ5(チューブ変形測
定手段)にセットし、このセンサ5を検出可能状態にす
る。次に、動脈側チューブ2aの一端を患者1の動脈側
穿刺部に、静脈側チューブ2bの他端を静脈側穿刺部に
それぞれ接続する。このようにして、チューブ2を接続
したら、ポンプ3を作動させてダイアライザー4への血
液の導入を開始すると共に、図示しない透析液供給装置
を作動させてダイアライザー4への透析液の供給を開始
する。この場合において、チューブ2やダイアライザー
4によって構成される血液回路内の血液は、図示しない
温度調節手段(ヒータ等)によって適温に維持される。
【0031】透析治療の開始により、監視処理用コンピ
ュータ6の制御部21(起点時仮最高血圧値算出手段)
は、測定起点である測定開始時における起点時仮最高血
圧値を算出する。
【0032】この起点時仮最高血圧値は、チューブ2の
直径を測定して得られた変形信号に基づいて算出され
る。即ち、チューブ2の直径はチューブ内を流れる液体
の内圧(つまり、血圧)に応じて変化し、チューブ2の
弾性変形範囲内であればチューブ2の直径と血圧との間
には高い相関(例えば、比例関係)がある。従って、予
め求めておいたチューブ2の特性、例えば、変形信号の
電圧レベルと血圧の組み合わせを、テーブル情報として
監視処理用コンピュータ6のROM22に記憶させてお
くと、チューブ変形測定センサ5で動脈側チューブ2a
の直径を測定することで、測定時点における患者1の血
圧を算出できる。
【0033】従って、透析治療の開始時におけるチュー
ブ変形測定センサ5からの変形信号を監視処理用コンピ
ュータ6に入力することにより、起点時仮最高血圧値を
算出することができる。この算出された起点時仮最高血
圧値は、RAM23の所定の記憶領域に記憶される。
【0034】そして、本実施形態では、動脈側チューブ
2aの直径をチューブの外側から測定することにより、
患者1の起点時仮最高血圧値を測定しているので、測定
時においてチューブ2a内を流れる血液と、チューブ変
形測定センサ5とは非接触である。このため、測定機器
との接触に起因する血液汚染を確実に防止することがで
きる。
【0035】なお、測定起点時における血圧測定におい
て、ポンプ3の作動直後は血流が不安定であるので、チ
ューブ径の変化量が比較的大きく、算出された起点時仮
最高血圧値が不安定になる可能性が高い。このため、起
点時仮最高血圧値は、透析治療の開始時であって、チュ
ーブ変形測定センサ5からの変形信号が安定した時点で
測定することが望ましい。
【0036】また、本実施形態では、チューブ変形測定
センサ5を、患者1の動脈側穿刺部にできる限り近付け
て配置しているので、測定場所におけるチューブ内の最
高血圧と、患者1の最高血圧との差異は、無視できる程
に小さい。このため、精度の高い測定が可能である。
【0037】起点時仮最高血圧値を算出したならば、制
御部21(補正値算出手段)は、算出された起点時仮最
高血圧値と、別途入力された実測最高血圧値との差に基
づいて補正値を算出する。即ち、起点時仮最高血圧値か
ら実測最高血圧値を求めるための定数を算出する。そし
て、この補正値を用いることにより、制御部21は、チ
ューブ変形測定センサ5の変形信号から患者1の最高血
圧を認識することができる。
【0038】その後、制御部21(最高血圧値算出手
段)は、透析中における最高血圧を、所定間隔、例え
ば、10秒〜1分間隔で算出する。つまり、制御部21
(透析中仮最高血圧値算出手段)は、チューブ変形測定
センサ5からの変形信号を所定間隔毎に取得して、透析
治療中における仮の最高血圧である透析中仮最高血圧値
を算出し、制御部21(最高血圧値算出手段)は、算出
した透析中仮最高血圧値を補正値によって補正すること
で透析中最高血圧値を算出する。なお、この場合におい
ても、制御部21(透析中仮最高血圧値算出手段)は、
取得した変形信号の電圧レベルをROM22に記憶させ
たテーブル情報にあてはめることで透析中仮最高血圧値
を算出する。
【0039】このような最高血圧の算出処理において、
所定時間を1単位、例えば1分間を1単位とし、この間
の最高血圧値の平均値を透析中最高血圧値として用いる
ようにしてもよい。なお、平均値の算出方法は、最小2
乗法など公知の方法を採ることができる。
【0040】透析中最高血圧値を算出したならば、制御
部21(監視手段)は、透析中最高血圧値が、透析関連
情報に基づいて設定された許容変動範囲内か否かを監視
する。即ち、制御部21は、透析中最高血圧値を算出す
る度に、算出した透析中最高血圧値と許容変動範囲内と
を比較する。ここで、透析中最高血圧値が許容変動範囲
内であった場合には、制御部21は、そのまま処理を続
行する。一方、透析中最高血圧値が許容変動範囲を越え
た場合には、制御部21(警告信号出力手段の一部)
は、入出力インターフェース25(警告信号出力手段の
一部)を通じて警告信号を出力する。この警告信号は、
ナースセンター等に配置された警告装置に受信される。
そして、警告装置は、警告信号の受信により警報メッセ
ージやアラームを出力し、看護婦等の医療従事者にその
旨を報知する。なお、上記警告信号に基づいて、透析装
置に設けた警告灯を作動させ、病室内を循環している看
護婦等に報知してもよいし、ブザーや電子音発生器によ
り警告音を発生して報知するように構成してもよい。
【0041】以上説明したように、本実施形態では、動
脈側チューブ2aのチューブ径を測定して得られた変形
信号に基づいて最高血圧値を算出し、この最高血圧値が
許容変動範囲か否かを監視し、透析中最高血圧値が許容
変動範囲外となったことを条件に警告信号を出力するよ
うに構成したので、血圧の測定部品と血液とは非接触で
あり、血液汚染を確実に防止することができる。
【0042】ところで、上記の第1実施形態では、透析
治療中に測定された透析中仮最高血圧値に補正値を加味
して透析中最高血圧値を算出する構成のシステムを例示
したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば、最高血圧の許容変動範囲に補正値を加味して疑
似許容変動範囲を設定し、透析中仮最高血圧値が疑似許
容変動範囲内か否かを監視し、透析中仮最高血圧値が疑
似許容範囲外になったことを条件に警告信号を出力する
ように構成してもよい。以下、このように構成した第2
実施形態について説明する。
【0043】この第2実施形態では、透析開始前(本発
明における測定起点時の一種)において、まず、患者1
の透析関連情報や実測最高血圧値を入力する。即ち、患
者1の標準血圧、最高血圧の許容変動範囲、現在の体重
やドライウエイト等が入力される。透析関連情報等を入
力したならば、透析治療を開始する。即ち、チューブ2
をチューブ変形測定センサ5にセットしてこのセンサ5
を検出可能状態とし、チューブ2を動静脈シャントに接
続する。チューブ2を接続したら、ダイアライザー4へ
の血液の導入、及び、ダイアライザー4への透析液の供
給を開始する。
【0044】透析治療の開始により、監視処理用コンピ
ュータ6の制御部21(起点時仮最高血圧値算出手段)
は、起点時仮最高血圧値を算出する。即ち、チューブ変
形測定センサ5で測定された動脈側チューブ2aの径
(変形信号)に基づいて、制御部21は起点時仮最高血
圧値を算出する。ここでも、制御部21は、ROM22
に記憶させたテーブル情報を用いて起点時仮最高血圧値
を算出する。
【0045】起点時仮最高血圧値が算出されたならば、
制御部21(補正値算出手段)は、算出された起点時仮
最高血圧値と入力された実測最高血圧値との差に基づい
て補正値を算出する。つまり、制御部21は、実測最高
血圧値から起点時仮最高血圧値を求めるための定数を算
出する。補正値を算出したならば、制御部21(許容変
動範囲設定手段)は、入力された透析関連情報中の最高
血圧の許容変動範囲に補正値を加味して最高血圧の疑似
許容変動範囲を設定する。この疑似許容変動範囲は、動
脈側チューブ2aのチューブの径を測定して得られた変
形信号から直接的に算出される仮最高血圧値での許容変
動範囲である。
【0046】その後、制御部21(透析中仮最高血圧値
算出手段)は、チューブ変形測定センサ5からの変形信
号に基づいて透析治療中における透析中仮最高血圧値を
算出する。この場合においても、透析中仮最高血圧値
は、所定間隔、例えば、10秒〜1分間隔で算出され
る。
【0047】透析中仮最高血圧値を算出したならば、制
御部21(監視手段)は、透析中仮最高血圧値が疑似許
容変動範囲か否かを監視する。即ち、制御部21は、透
析中仮最高血圧値を算出する度に、算出した透析中仮最
高血圧値と疑似許容変動範囲とを比較する。この場合に
おいて、本実施形態では、変形信号から直接的に算出さ
れる透析中仮最高血圧値を用いているので、透析中仮最
高血圧値から透析中最高血圧値への変換ステップを省略
することができる。このため、処理の高速化が図れ、サ
ンプリング周波数を高めても対応が容易である。そし
て、透析中仮最高血圧値が疑似許容変動範囲内であった
場合には、制御部21は、そのまま処理を続行する。一
方、透析中仮最高血圧値が疑似許容変動範囲を越えた場
合には、制御部21は、入出力インターフェース25を
通じて警告信号を出力する。
【0048】ところで、上記した各実施形態において
は、患者1の最高血圧の実測を透析治療の開始前に行っ
ており、この実測最高血圧と測定開始時における起点時
仮最高血圧値とから補正値を算出していたが、本発明
は、この方法に限定されるものではない。例えば、最高
血圧の実測を透析治療の開始時に行ってもよい。即ち、
チューブ変形測定センサ5からの変形信号に基づいて起
点時仮最高血圧値を算出している期間に、患者1の最高
血圧を実測してもよい。なお、実測最高血圧値の信頼性
からすれば、最高血圧の実測は、透析治療の開始前に行
うことが望ましい。また、測定起点時は、透析治療の開
始時に限定されるものではなく、透析治療中における任
意のタイミングに設定することができる。即ち、透析治
療は数時間に亘って行われることもあるので、測定開始
時から一定時間が経過する毎、例えば、1時間経過毎の
時点や30分経過毎の時点を測定起点時とし、この時点
において最高血圧の実測値と起点時仮最高血圧値の算出
とを行ってもよい。
【0049】また、上記した各実施形態の方法は何れ
も、チューブ2の直径から算出された起点時仮最高血圧
値と、測定起点時に別途測定された患者1の実測最高血
圧値とから補正値を算出して、両最高血圧値を整合させ
るものであったが、本発明はこの方法に限定されるもの
ではない。
【0050】例えば、別途測定された実測最高血圧値と
起点時仮最高血圧値とが等しいと見なして患者1に対す
る血圧監視処理を行ってもよい。つまり、制御部21
(最高血圧値算出手段)は、測定起点時に実測された最
高血圧値を、測定起点時において得られた変形信号が示
す最高血圧値に設定する。例えば、透析開始時におい
て、カフ式の血圧測定器7によって実測された最高血圧
が150mmHgであった場合には、チューブ変形セン
サ5からの変形信号を最高血圧値で150mmHgを示
す信号として扱う。そして、以後は、最高血圧値とチュ
ーブ2の直径とが比例関係であることに基づき、チュー
ブ変形測定センサ5からの変形信号によって透析中最高
血圧を算出する。
【0051】また、透析開始時におけるチューブ2の直
径を基準直径とし、この基準直径からの変化率によっ
て、人工透析中の患者1の実質的な最高血圧を監視する
ようにしてもよい。即ち、チューブ2の直径と患者1の
血圧とは、チューブ2の弾性変形範囲内で高い相関関係
(例えば、比例関係)を有しており、また、患者1にお
ける血圧の許容変動範囲は、平常時の血圧(最高血圧)
に所定の係数を乗じることで概ね規定される。このた
め、透析開始時におけるチューブ2の直径を平常時の最
高血圧と見なすことにより、基準直径からの変化率によ
ってその患者1における最高血圧を監視できる。以下、
このような方法を採った第3実施形態について説明す
る。
【0052】この第3実施形態でも、上記した各実施形
態と同様に、透析開始前において、まず、患者1の透析
関連情報を入力し、透析治療を開始する。そして、この
透析治療の開始により、本実施形態では、監視処理用コ
ンピュータ6の制御部21(開始時チューブ径取得手
段)が開始時チューブ径を取得する。即ち、チューブ変
形測定センサ5で測定された動脈側チューブ2aの径
(変形信号)に基づいて、開始時チューブ径を取得す
る。開始時チューブ径を取得したならば、制御部21
(透析中チューブ径取得手段)は、チューブ変形測定セ
ンサ5からの変形信号に基づいて透析中チューブ径を取
得する。この場合においても、透析中チューブ径は、所
定間隔、例えば、10秒〜1分間隔で取得される。
【0053】透析中チューブ径を算出したならば、制御
部21(変形割合算出手段)は、算出した透析中チュー
ブ径と開始時チューブ径とから透析開始時を基準とする
チューブ2の変形割合を算出する。続いて、制御部21
(監視手段)は、この算出したチューブ2の変形割合
を、予め設定されている許容変動範囲内か否かを判断す
る。また、制御部21(警告信号出力手段)は、算出し
たチューブ2の変形割合が許容変動範囲外になったこと
を条件に警告信号を出力する。そして、変形割合の算出
からの一連の処理は、透析中チューブ径が算出される度
に実行される。即ち、上記の所定間隔毎に実行される。
【0054】このような第3実施形態の方法でも、動脈
側チューブ2aの径をチューブの外側から測定すること
により、透析中チューブ径や開始時チューブ径を測定し
ているので、測定時においてチューブ2a内を流れる血
液と、チューブ変形測定センサ5とは非接触である。こ
のため、測定機器との接触に起因する血液汚染を確実に
防止することができる。さらに、本実施形態では、チュ
ーブ2の直径に基づいて患者1の実質的な最高血圧を連
続的に監視しているので、演算処理が簡便である。
【0055】なお、この第3実施形態において、制御部
21を許容変動範囲設定手段として機能させ、開始時チ
ューブ径の取得後に続けて、開始時チューブ径を基準と
する許容変動範囲、つまり、最大許容チューブ径と最小
許容チューブ径とを設定させてもよい。この場合におい
て、制御部21は、許容変動範囲の設定後に監視手段と
して機能して、透析中チューブ径が許容変動範囲を越え
たか否かを監視する。また、制御部21は、警告信号出
力手段としても機能し、透析中チューブ径が許容変動範
囲外になったことを条件に警告信号を出力する。
【0056】ところで、本発明は、上記した各実施形態
に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基
づいて種々の変形が可能である。
【0057】例えば、上記した各実施形態では、チュー
ブ2の直径の変化をチューブ変形測定センサ5で測定す
ることでチューブ2の変形量を取得していたが、これに
限らず、中心からずれた位置でチューブ径の変化量を測
定することで変形量を取得してもよい。また、把持部2
9を、幅が定常状態のチューブ径と略等しく、高さが定
常状態のチューブ径以上に設定された上面開放の溝部に
よって構成し、チューブ2を溝内に嵌合することで、チ
ューブ2内を流れる血液の内圧上昇によってチューブ2
を上方向(可動ロッド28b側)に積極的に膨張させる
ようにしてもよい。
【0058】また、上記のチューブ変形測定手段は、チ
ューブ2の変形量が検出できればよい。このため、チュ
ーブ変形測定センサを、水平方向に延設されたアーム
(可動部材の一種)と、このアームの基端に配置された
変位センサとからなるチューブ変形測定センサを用いて
も良い。このチューブ変形測定センサでは、アームの先
端をチューブ2の上端部に当接させることで、チューブ
2の変形に応じてアームを変位させ、このアームの変位
量を変位センサによって検出する。
【0059】また、チューブ変形測定手段に関し、チュ
ーブ変形測定センサ以外の構成も採り得る。例えば、チ
ューブ変形測定手段を圧力センサによって構成してもよ
い。この場合、例えば、圧力センサをチューブ2aの外
側表面に配置し、チューブ2a内を通る血液の圧力変動
によるチューブ2の変形量、つまり、チューブ側面の撓
み量や伸縮量を、圧力センサによって検出する。そし
て、チューブ2a内の血圧と圧力センサからの出力とは
相関関係を有するので、上記したテーブル情報に基づい
て同じように仮最高血圧値を求めることができる。ま
た、チューブ変形測定手段を歪みセンサによって構成し
てもよい。この場合も、圧力センサと同様に、歪みセン
サをチューブ2aの外側表面に固定し、チューブ2a内
を通る血液からの圧力によるチューブの変形を歪みセン
サによって検出する。この場合にも、チューブ側面の撓
み量や伸縮量がチューブ2の変形量として検出される。
【0060】また、上記実施形態では、入力装置24に
よって実測最高血圧値を入力する構成であったが、測定
結果を電気的に出力可能な血圧測定器7を用い、血圧測
定器7からの測定結果を入出力インターフェース25を
通じて入力するようにしてもよい。この場合、血圧測定
器7が本発明の実測最高血圧値入力手段として機能す
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果を奏する。即ち、透析患者に予め定められた最
高血圧の許容変動範囲を設定し、透析装置へ血液を送る
チューブの途中における該チューブの変形量を測定して
得られた変形信号から最高血圧値を算出し、該最高血圧
値が前記許容変動範囲か否かを監視し、透析中最高血圧
値が許容変動範囲外となったことを条件に警告信号を出
力するようにしたので、チューブ内を流れる血液に接触
させずに最高血圧値を算出することができる。これによ
り、透析患者の最高血圧を連続的に監視でき、さらに血
液汚染を確実に防止することができる。
【0062】また、透析開始時において、ダイアライザ
ーへ血液を送るチューブの途中における該チューブの変
形量を測定して開始時チューブ径を取得し、前記チュー
ブの変形量を測定して透析治療中における透析中チュー
ブ径を取得し、該透析中チューブ径と開始時チューブ径
とから透析開始時を基準とするチューブの変形割合を算
出し、該変形割合が許容変動範囲か否かを監視し、変形
割合が許容変動範囲外となったことを条件に警告信号を
出力するようにしたので、チューブ内を流れる血液に接
触させずに最高血圧値を算出することができる。これに
より、透析患者の最高血圧を連続的に監視でき、さらに
血液汚染を確実に防止することができる。さらに、チュ
ーブの変形量に基づいて患者の最高血圧を監視している
ので、演算処理が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工透析システムの概略構成図である。
【図2】チューブ変形測定センサを説明する図である。
【図3】チューブ変形測定センサを説明する図である。
【図4】監視処理用コンピュータの概略構成図である。
【符号の説明】
1 患者 2 チューブ 2a 動脈側チューブ 2b 静脈側チューブ 3 ポンプ 4 ダイアライザー 5 チューブ変形測定センサ 6 監視処理用コンピュータ 7 血圧測定器 8 カフ 21 制御部 22 ROM 23 RAM 24 入力装置 25 入出力インターフェース 27 ケース 28 変形センサ 29 把持部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61B 5/02 338M (72)発明者 片伊木 実 東京都東村山市野口町2丁目16番地2 日 機装株式会社東村山製作所内 Fターム(参考) 4C017 AA08 AB10 AC02 BD05 BD06 EE01 4C077 AA05 BB01 EE01 HH03 HH13 HH18 JJ03 JJ13 JJ24 JJ30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透析患者に予め定められた最高血圧の許
    容変動範囲を設定し、 ダイアライザーへ血液を送るチューブの途中における該
    チューブの変形量を測定して得られた変形信号から最高
    血圧値を算出し、 該最高血圧値が前記許容変動範囲か否かを監視し、 透析中最高血圧値が許容変動範囲外となったことを条件
    に警告信号を出力することを特徴とする人工透析におけ
    る血圧監視方法。
  2. 【請求項2】 測定起点時において、ダイアライザーへ
    血液を送るチューブの途中における該チューブの変形量
    を測定して得られた変形信号から起点時仮最高血圧値を
    算出し、 測定起点時において別途実測された実測最高血圧値と前
    記起点時仮最高血圧値とから補正値を算出し、 透析患者に予め定められた最高血圧の許容変動範囲を設
    定し、 前記チューブの変形量を測定して得られた変形信号から
    透析治療中における透析中仮最高血圧値を算出し、 該透析中仮最高血圧値を前記補正値によって補正して透
    析中最高血圧値を算出し、 該透析中最高血圧値が前記許容変動範囲内か否かを監視
    し、 透析中最高血圧値が許容変動範囲外となったことを条件
    に警告信号を出力することを特徴とする人工透析におけ
    る血圧監視方法。
  3. 【請求項3】 測定起点時において、ダイアライザーへ
    血液を送るチューブの途中における該チューブの変形量
    を測定して得られた変形信号から起点時仮最高血圧値を
    算出し、 測定起点時において別途実測された実測最高血圧値と前
    記起点時仮最高血圧値とから補正値を算出し、 透析患者に予め定められた最高血圧の許容変動範囲に前
    記補正値を加味して疑似許容変動範囲として設定し、 前記チューブの変形量を測定して得られた変形信号から
    透析治療中における透析中仮最高血圧値を算出し、 該透析中仮最高血圧値が前記疑似許容変動範囲内か否か
    を監視し、 透析中仮最高血圧値が疑似許容変動範囲外となったこと
    を条件に警告信号を出力することを特徴とする人工透析
    における血圧監視方法。
  4. 【請求項4】 測定開始時において、ダイアライザーへ
    血液を送るチューブの途中における該チューブの変形量
    を測定して開始時チューブ径を取得し、 前記チューブの変形量を測定して透析治療中における透
    析中チューブ径を取得し、 該透析中チューブ径と開始時チューブ径とから測定開始
    時を基準とするチューブの変形割合を算出し、該変形割
    合が許容変動範囲か否かを監視し、 変形割合が許容変動範囲外となったことを条件に警告信
    号を出力することを特徴とする人工透析における血圧監
    視方法。
  5. 【請求項5】 ダイアライザーへ血液を送るチューブの
    途中に配置され、該チューブの変形量を測定して変形信
    号を出力するチューブ変形測定手段と、 透析患者の透析関連情報を入力する個人情報入力手段
    と、 前記チューブ変形測定手段によって出力される変形信号
    に基づいて最高血圧値を算出する最高血圧値算出手段
    と、 前記個人情報入力手段により入力された透析関連情報に
    基づいて許容変動範囲を設定する許容変動範囲設定手段
    と、 最高血圧算出手段によって算出された最高血圧値が前記
    許容変動範囲内か否かを監視する監視手段と、 最高血圧値が許容範囲外になったことを条件に警告信号
    を出力する警告信号出力手段と、を備えることを特徴と
    する人工透析における血圧監視システム。
  6. 【請求項6】 ダイアライザーへ血液を送るチューブの
    途中に配置され、該チューブの変形量を測定して変形信
    号を出力するチューブ変形測定手段と、 測定起点時に別手段によって実測された実測最高血圧値
    を入力する実測最高血圧値入力手段と、 透析患者の透析関連情報を入力する個人情報入力手段
    と、 前記チューブ変形測定手段によって出力される変形信号
    に基づき、測定起点時における起点時仮最高血圧値を算
    出する起点時仮最高血圧値算出手段と、 該起点時仮最高血圧値算出手段によって算出された起点
    時仮最高血圧値と前記実測最高血圧値との差に基づいて
    補正値を算出する補正値算出手段と、 前記個人情報入力手段により入力された透析関連情報に
    基づいて許容変動範囲を設定する許容変動範囲設定手段
    と、 前記チューブ変形測定手段によって出力される変形信号
    に基づき、透析治療中における透析中仮最高血圧値を算
    出する透析中仮最高血圧値算出手段と、 該透析中仮最高血圧値算出手段によって算出された透析
    中仮最高血圧値を前記補正値により補正して透析中最高
    血圧値を算出する透析中最高血圧算出手段と、 該透析中最高血圧算出手段によって算出された透析中最
    高血圧値が前記許容変動範囲内か否かを監視する監視手
    段と、 透析中最高血圧値が許容範囲外になったことを条件に警
    告信号を出力する警告信号出力手段と、を備えることを
    特徴とする人工透析における血圧監視システム。
  7. 【請求項7】 ダイアライザーへ血液を送るチューブの
    途中に配置され、該チューブの変形量を測定して変形信
    号を出力するチューブ変形測定手段と、 測定起点時に別手段によって実測された実測最高血圧値
    を入力する実測最高血圧値入力手段と、 透析患者の透析関連情報を入力する個人情報入力手段
    と、 前記チューブ変形測定手段によって出力される変形信号
    に基づき、測定起点時における起点時仮最高血圧値を算
    出する起点時仮最高血圧値算出手段と、 該起点時仮最高血圧値算出手段によって算出された起点
    時仮最高血圧値と前記実測最高血圧値との差に基づいて
    補正値を算出する補正値算出手段と、 前記個人情報入力手段により入力された透析関連情報中
    の最高血圧の許容変動範囲に前記補正値を加味して疑似
    許容変動範囲を設定する許容変動範囲設定手段と、 前記チューブ変形測定手段によって出力される変形信号
    に基づき、透析治療中における透析中仮最高血圧値を算
    出する透析中仮最高血圧値算出手段と、 該透析中仮最高血圧値算出手段によって算出された透析
    中仮最高血圧値が前記疑似許容変動範囲内か否かを監視
    する監視手段と、 透析中仮最高血圧値が疑似許容範囲外になったことを条
    件に警告信号を出力する警告信号出力手段と、を備える
    ことを特徴とする人工透析における血圧監視システム。
  8. 【請求項8】 ダイアライザーへ血液を送るチューブの
    途中に配置され、該チューブの変形量を測定して変形信
    号を出力するチューブ変形測定手段と、 前記チューブ変形測定手段によって出力される変形信号
    に基づき、測定開始時における開始時チューブ径を取得
    する開始時チューブ径取得手段と、 前記チューブ変形測定手段によって出力される変形信号
    に基づき、透析治療中における透析中チューブ径を取得
    する透析中チューブ径取得手段と、 透析中チューブ径と開始時チューブ径とから測定開始時
    を基準とするチューブの変形割合を算出する変形割合算
    出手段と、 該変形割合算出手段によって算出された変形割合が、予
    め設定された許容変動範囲内か否かを監視する監視手段
    と、 チューブの変形割合が許容変動範囲外になったことを条
    件に警告信号を出力する警告信号出力手段と、を備える
    ことを特徴とする人工透析における血圧監視システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006081852A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Nipro Corp 血液浄化装置
JP2009233226A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Yotaro Hatamura 血管形状測定装置および血管のコンプライアンス測定方法
JP2011030881A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Nikkiso Co Ltd 血液回路及びそれを具備した血液浄化装置

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