JP2002186498A - 火落菌の検出法 - Google Patents

火落菌の検出法

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JP2002186498A JP2000389775A JP2000389775A JP2002186498A JP 2002186498 A JP2002186498 A JP 2002186498A JP 2000389775 A JP2000389775 A JP 2000389775A JP 2000389775 A JP2000389775 A JP 2000389775A JP 2002186498 A JP2002186498 A JP 2002186498A
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Tadamichi Kabutomori
忠道 兜森
Yoshitaka Furuki
吉孝 古木
Tomoyuki Nanbara
智之 南原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ATP生物発光法により火落菌を検出する方法
の改良に係り、火落菌を捕捉するための特殊なフィルタ
−、火落菌を増殖するための特殊な培地及び特殊な生物
発光画像解析システム装置を利用することなく、しかも
高度な熟練、勘及び経験を必要としない汎用型ルミノメ
−タを用いて、非常に簡便に、酒類の火落菌を検出でき
る方法を提供する。 【解決手段】酒類又はその半製品を無菌水で希釈して、
アルコ−ル濃度を低減した後、そのまま培養し、得られ
た培養液を微生物細胞崩壊処理し、これにルシフェリン
・ルシフェラ−ゼ発光試薬を加えて、生じる発光量を測
定し、火落菌を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ATP生物発光法
(ATPバイオルミネッセンス法)による火落菌の検出
法の改良に係り、特に火落菌を捕捉するための特殊なフ
ィルタ−、火落菌を増殖するための特殊な培地及び特殊
な生物発光画像解析システム装置を利用することなく、
しかも高度な熟練、勘及び経験を必要としない汎用型ル
ミノメ−タを用いて、非常に簡便に、火落菌を検出する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上槽後の清酒やみりんなど酒類が貯蔵中
または出荷後に雑菌の増殖で混濁、異臭、酸の増加等を
引き起こす現象を火落(ひおち)といい、その原因とな
る微生物(乳酸菌など)を火落菌と総称する。火落菌が
酒類中で増殖すると、酒類の風味を損ない、その商品価
値を著しく損なう。従って、できるだけ早期に簡便な方
法で酒類の火落菌を把握することは極めて重要である。
【0003】従来、ATP生物発光法により火落菌を検
出する方法として、日本酒を親水性ポリカ−ボネ−トメ
ンブレンフィルタ−で濾過し、その日本酒中に含まれて
いる火落菌を該フィルタ−上に捕捉し、次いで火落菌用
培地を用いてその火落菌を該フィルタ−上で培養した
後、そのフィルタ−の上からアデノシン−3−リン酸
(ATP)抽出試薬を噴霧して火落菌中のATPを抽出
し、続いてその上にルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光
試薬を噴霧して該ATPを発光せしめた後、直ちに以上
の処理をしたフィルタ−を生物発光画像解析システム装
置に装着してその輝点を撮像し、生菌数を測定すること
を特徴とする日本酒中の火落菌の測定方法が知られてい
る(以下、「MF捕捉法」という)。
【0004】しかしながら、この方法は火落菌を捕捉す
るための特殊なフィルタ−、捕捉した火落菌を増殖する
ため特殊な火落菌用培地及び特殊な生物発光画像解析シ
ステム装置などを必要とし、しかも汎用型ルミノメ−タ
では測定できない。また、一連の火落菌の測定操作が非
常に煩雑で、またフィルタ−の取扱い、火落菌用培地の
調製及び火落菌の培養などに高度な熟練や勘、経験を要
し、コストも嵩む難点を有する。さらにまたATP抽出
試薬及びルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光試薬は、噴
霧して行なわなければならない問題点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ATP生物
発光法により火落菌を検出する方法の改良に係り、特に
火落菌を捕捉するための特殊なフィルタ−、火落菌を増
殖するための特殊な培地及び特殊な生物発光画像解析シ
ステム装置を利用することなく、しかも高度な熟練、勘
及び経験を必要としない汎用型ルミノメ−タを用いて、
簡便に、そして安価に火落菌を検出する方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、酒類又は
その半製品を無菌水で希釈して、アルコ−ル濃度を低減
した後、そのまま静置培養し、得られた培養液を微生物
細胞崩壊処理し、これにルシフェリン・ルシフェラ−ゼ
発光試薬を加えて、生じる発光量を測定することによ
り、上記課題を解決できることを知り、この知見に基づ
いて本発明を完成した。すなわち、本発明は、酒類又は
その半製品を無菌水で希釈して、アルコ−ル濃度を低減
した後、そのまま培養し、得られた培養物を微生物細胞
崩壊処理し、これにルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光
試薬を加えて、生じる発光量を測定することを特徴とす
る火落菌の検出法である。また本発明は、清酒又は清酒
原酒を無菌水で希釈して、アルコ−ル濃度を5〜18v
/v%に低減した後、そのまま静置培養し、得られた培
養液を微生物細胞崩壊処理し、これにルシフェリン・ル
シフェラ−ゼ発光試薬を加えて、生じる発光量を測定す
ることを特徴とする清酒火落菌の検出法である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】(酒類の種類)まず、本発明で用いられる
酒類としては、清酒、みりん、ワイン、ビール及び蒸留
酒原酒(焼酎原酒)などが挙げられる。本発明は、これ
らの酒類のうち清酒及びみりんの火落菌の検出に威力を
発揮するので、清酒及びみりんが好ましい。
【0009】(酒類又はその半製品)酒類としては、包
装容器に詰められ出荷予定の、あるいは出荷され店先で
陳列された酒類製品が挙げられ、また酒類の半製品とし
ては酒類の醪を上槽(圧搾)した後の醪液汁、貯蔵中の
醪液汁(例えば、清酒原酒、蒸留酒原酒)などが挙げら
れる。
【0010】(水希釈用の無菌水)本発明で用いられる
無菌水としては、煮沸(殺菌)した水道水、煮沸(殺
菌)した井戸水又は蒸留水などが挙げられる。なお、検
出結果に影響を与える濃度の遊離ATPを含有する水道
水及び井戸水を使用する場合には、該無菌水にアデノシ
ンリン酸デアミナ−ゼ、アピラ−ゼなどのATP消去剤
を適宜添加して、該遊離ATPを予め消去しておくこと
が好ましい(特開平9−182600)。
【0011】(水希釈後のアルコ−ル濃度)本発明は、
酒類又はその半製品を無菌水で希釈して、アルコ−ル濃
度を低減した後、そのまま培養することを特徴としてい
る。この際、アルコ−ル低減率は、酒類又はその半製品
の本来有するアルコ−ル濃度を20%以上減、特に30
〜60%減したものが好ましい。そして、水希釈後のア
ルコ−ル濃度が5〜18v/v%、特に8〜15v/v
%に低減することが好ましい。無菌水の添加により酒類
のアルコ−ルが5v/v%未満に低減(希釈)すると、
酒類に混入した火落菌以外の雑菌(これらは一般に高濃
度アルコ−ル中では増殖できないが、アルコ−ル濃度が
低下すると増殖が可能となる)が旺盛に増殖し、酒類の
火落菌を選択的に検出することが困難になるので好まし
くない。反対に18v/v%を越えると、火落菌の生育
が緩慢となり、検出の結果を得るのにより時間がかかる
ので好ましくない。これに対し、酒類を無菌水で希釈し
てアルコ−ル濃度を特に5〜18v/v%に低減する
(または調整する)と、火落菌が選択的に旺盛に増殖
し、火落菌を迅速に検出することが可能となる。
【0012】(水希釈液の培養条件:温度)また培養の
温度は、20〜40℃、特に25〜35℃で、12時間
以上、特に1〜3日行うことが好ましい。
【0013】(培養手段)また、培養手段は、任意の培
養法が挙げられるが、静置培養法が特に好ましい。
【0014】(ATP生物発光法による火落菌の検出
法:微生物細胞崩壊処理)次いで、水希釈液を培養して
得られた培養液を超音波処理するか、又は該培養液に微
生物ATP抽出試薬を添加して、微生物細胞崩壊処理
し、火落菌由来のATPを培養液に抽出し遊離する。
【0015】(微生物ATP抽出試薬)上記微生物AT
P抽出試薬としては、界面活性剤、トリクロロ酢酸(T
CA)、アルコール、エーテル、エステル、ハロゲン化
炭水化物、アセトニトリル、トリエチルアミン、溶菌酵
素などを含んだ試薬を挙げることができる。
【0016】(ルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光試薬
の添加)微生物細胞崩壊処理液(火落菌由来の遊離AT
Pを含有する)にルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光試
薬を添加して、生じる発光量を測定し、火落菌を検出す
る。微生物ATP抽出剤及びルシフェリン・ルシフェラ
−ゼ発光試薬としては、従来公知の試薬、または市販品
が用いられる。市販品としては、微生物ATP抽出剤及
びルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光試薬がセットとな
ったATP測定キット「ルシフェール250プラス(キ
ッコーマン社製)」などが挙げられる。
【0017】(発光量測定機器)生じる発光量の測定
は、汎用型ルミノメーターが好ましい。ルミノメ−タに
よれば、発光強度より火落菌由来のATP濃度を測定
し、火落菌による汚染菌の有無及び汚染の程度を迅速に
判断することが可能となる。ここで用いるルミノメータ
ーとしては、例えば小型でしかも高性能なルミテスター
K−210やルミテスターC−100(キッコーマン社
販売)が挙げられる。これらのルミテスタ−は、運転及
び測定操作が楽に行え、高度な熟練、勘および経験を必
要としない特徴を有する。
【0018】(火落菌の検出結果を得る)発光量の測定
結果に基づき、酒類及びその半製品の火落菌汚染の有無
及び汚染があった場合、その汚染程度を推定し、検出結
果とする。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明する。
【0020】実施例1(清酒原酒の火落菌の検出法) 1)検体液の調製 火落菌を含まない清酒原酒(エタノール濃度約20v/
v%)を用いた。これに、火落した清酒から分離した火
落菌(Lactobacillus属)を接種し、3×
100cells/mlから3×103cells/mlまで、火落菌を各
濃度で含む希釈系列を作成、検体原酒液とした。なお火
落菌を接種していない清酒原酒をテストブランクに用い
た。検体原酒液を蒸留水(無菌水)で希釈し、エタノー
ル濃度が約10v/v%の検体液を調製した。
【0021】2)検体液の培養 検体液を滅菌済みの蓋付きプラスチック製試験管に入
れ、密封し、30℃の恒温室に入れ、24時間及び48
時間静置培養を行った。
【0022】3)火落菌の検出 培養直前、培養24時間後、同48時間後の検体液の火
落菌由来ATPをATP生物発光法により測定した。即
ち、検体液0.1mlをディスポーザブルタイププラス
チック試験管(製品名:ルミチューブ、キッコーマン社
製)に採り、これに微生物ATP抽出剤(「ルシフェー
ル250プラス」、キッコーマン社製)0.1mlを添
加、火落菌細胞を崩壊処理し、細胞内ATPを抽出し
た。続いて、これにルシフェリン・ルシフェラーゼ発光
試薬(「ルシフェール250プラス」、キッコ−マン社
製)を0.1ml加え、発光させた。発光試薬を加えた
後、直ちに生じる発光量をルミノメーター(商品名:ル
ミテスターC−100、浜松ホトニクス社製、キッコー
マン社販売品)を用いて測定し、その含有ATP量に比
例した発光量を相対発光量(RLU)で示した。初発
(培養直前)、培養24時間後及び同48時間後におけ
る検体液の発光量(RLU)の経時的変化を表1に示
す。
【0023】 表1 培養液の発光量(RLU)の経時的変化 清酒原酒 発光量 発光量 発光量 火落菌濃度 (初発) (24時間後) (48時間後) (cells / ml) (RLU) (RLU) (RLU) 3×103 66 1,100 33,000 3×102 15 116 3,229 3×101 10 20 298 3×100 9 11 36 テストブランク 10 9 11
【0024】表1の結果から、火落菌を比較的高濃度
(3×102cells/ml、3×103cells/ml)含む検体液
は僅か24時間後に発光量(RLU)が、それぞれ1,
100及び116を示し、火落菌を接種していない検体
液(テストブランク)のそれ9と比べると、発光量に有
意な差が認められ、また、火落菌を低濃度(3×101c
ells/ml、3×100cells/ml)含む検体液では48時間
後に発光量(RLU)が、それぞれ298及び36を示
し、テストブランクのそれ11と比べると、発光量に有
意な差が認められた。以上のことから、本発明によれ
ば、検体原酒液の火落菌による汚染の有無と検体原酒液
の火落菌濃度をわずか24〜48時間で、推定もしくは
判定できることが判る。即ち、本発明によれば、清酒原
酒の既知火落菌濃度と、該原酒を水希釈後特定条件で培
養したときのATP生物発光法に基づく火落菌由来AT
P発光量との関係を、検量線などを作成して、調べてお
けば、検体原酒液の火落菌による汚染の有無と火落菌濃
度をわずか24〜48時間で、推定もしくは判定、即ち
検出できることが判る。
【0025】次に、火落菌の検出について、MF捕捉法
と本発明法の相違点を、表2に示す。
【0026】 表2 火落菌の検出法(MF捕捉法と本発明法の相違点一覧表) (MF捕捉法) (本発明法) 被検液の水希釈の有無 × ○ 火落菌培養の有無 ○ ○ 被検液の菌捕捉フィルタ−の使用 ○ × 菌捕捉フィルタ−培養 ○ × 火落菌用培地の使用 ○ × 微生物ATP抽出剤 噴霧器による添加 液状のまま添加 ルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光 噴霧器による添加 液状のまま添加 試薬 培養並びに検出操作 操作が煩雑 操作が容易 注)○:「有り」を意味する。×:「無し」を意味する。
【0027】
【発明の効果】1)火落菌の検出方法としては、財団法
人、「日本醸造協会」販売の火落菌検出培地「SI培
地」を用いる方法及び検酒ビンを用いる方法が知られて
いるが、これらの方法は、火落菌のコロニ−や混濁の形
成に3日〜1週間待たねばならない。また、PCR反応
キット(宝酒造社製)を用いる方法も知られているが、
操作が煩雑であるばかりでなく、熟練及び経験を要し、
費用が嵩む難点を有する。これに対し、本発明は、だれ
でも12時間〜3日で非常に簡単に、費用も安く行うこ
とができる。 2)本発明は、火落菌を捕捉するための特殊なフィルタ
−、火落菌を増殖するための特殊な培地及び特殊な生物
発光画像解析システム装置を利用することなく、汎用型
ルミノメ−タを用いて、火落菌を検出することができ
る。 3)本発明は酒類又はその半製品を無菌水で希釈し、こ
れを包装用容器や蓋付きプラスチック試験管などに入
れ、密封した後、12時間〜3日静置するだけの前処理
を行えば、極めて簡単に火落菌の測定が行える特徴を有
し、高度な熟練や勘、経験を要しない。 4)本発明は清酒、みりん等の酒類における火落菌汚染
の有無、汚染の程度が迅速、的確に、しかも極めて容易
に把握できるので、速やかに火落菌による酒類品質の劣
化防止対策を講ずることによって、火落ちによる損害を
未然に防止することが可能となり、酒類製造業界の品質
管理に多大な貢献をもたらす効果を奏する。 5)本発明は、ヘテロ発酵型真性火落菌(Lactob
acillus fructivorans)、ホモ型
真性火落菌(Lactobacillus homoh
iochii)、ヘテロ発酵型火落性乳酸菌(Lact
obacillus hilgardiiなど)、ホモ
発酵型火落性乳酸菌(Lactobacillus c
aseiなど)、火落した清酒などから分離される微生
物及び酒類に混入すると火落を招来する微生物などを酒
類中より検出することができる。 6)ATP生物発光法は、生きた微生物には必ず存在す
るATPを生物発光法を用いて測定する方法で、細胞を
含む試料を、ATP抽出試薬と接触させて細胞崩壊処理
し、細胞内ATPを細胞外に抽出した後、抽出したAT
Pをルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光試薬と接触し、
酵素反応により生物発光させ、その生成した発光量を測
定して細胞内ATPを測定し、細胞の測定を行う方法で
ある。ところが、ATPは本来、その量の差こそあれ、
すべての生物の細胞内に含まれるもので、微生物ばかり
でなく、単細胞生物にも、そして動植物組織の細胞にも
存在し、またさらに生物細胞の周辺にはフリ−(遊離)
のATPが存在する。従って、ある生物細胞を含有する
試料から生物細胞だけに存在するATPを検出しようと
しても、生物細胞中のATPと、その周辺に存在する遊
離ATPが一緒になって検出されてくる。即ち、生物細
胞の測定にATPを指標にしようと思っても、今述べた
生物細胞以外の遊離ATPがバックグランド発光量(ノ
イズ)として同時に測定され、検出感度の低下を招来す
る欠点を有する。そのため、一般にATP生物発光法に
より火落菌を測定するには、火落菌を含有する試料か
ら、予め遊離ATPを消去しておくことが非常に重要な
操作となる。さて、一般に知られている火落菌検出培地
「SI培地」は、ATP関連物質が高濃度に含まれてい
るため、この培地をルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光
試薬と接触させると、強い発光反応が起こり、その発光
が菌体から抽出されたATPの発光と混同して火落菌の
正確な測定が全くできない。従って、先に紹介したMF
捕捉法では、ATP関連物質の含量が非常に少ないTM
培地を用いることにより、上記不都合を解消している
(特開平7−195参照)。これに対し、本発明では、
水希釈した酒類又はその半製品を、火落菌検出培地とし
て用いるものであるが、驚くべきことに、これらの試料
(酒類又はその半製品)は遊離ATPの含量が非常に少
ないため、火落菌の検出操作に当たり、予め試料の遊離
ATPを消去しておく必要がないことを発見した。した
がって、本発明は、ATP消去剤、並びに予め酒類又は
その半製品から遊離ATPを消去するための操作を省略
できる利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B063 QA01 QA18 QQ06 QQ63 QR02 QR66 QR69 QS14 QS24 QS28 QX02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酒類又はその半製品を無菌水で希釈して、
    アルコ−ル濃度を低減した後、そのまま培養し、得られ
    た培養液を微生物細胞崩壊処理し、これにルシフェリン
    ・ルシフェラ−ゼ発光試薬を加えて、生じる発光量を測
    定することを特徴とする火落菌の検出法。
  2. 【請求項2】酒類が、清酒又はみりんである請求項1に
    記載の火落菌の検出法。
  3. 【請求項3】無菌水が、水道水、井戸水又は蒸留水であ
    る請求項1に記載の火落菌の検出法。
  4. 【請求項4】培養を、20〜40℃で12時間〜3日行
    う請求項1に記載の火落菌の検出法。
  5. 【請求項5】培養が、静置培養である請求項1に記載の
    火落菌の検出法。
  6. 【請求項6】酒類又はその半製品を無菌水で希釈して、
    アルコ−ル濃度を5〜18v/v%に低減することを特
    徴とする請求項1に記載の火落菌の検出法。
  7. 【請求項7】清酒又は清酒原酒を無菌水で希釈して、ア
    ルコ−ル濃度を5〜18v/v%に低減した後、そのま
    ま静置培養し、得られた培養液を微生物細胞崩壊処理
    し、これにルシフェリン・ルシフェラ−ゼ発光試薬を加
    えて、生じる発光量を測定することを特徴とする清酒火
    落菌の検出法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012233271A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Hakuto Co Ltd 紙パルプ製造工程におけるスライムコントロール方法
CN107841528A (zh) * 2017-11-13 2018-03-27 常州明华运输有限公司 一种矿泉水中微量大肠杆菌的检测方法

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