JP2002186090A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JP2002186090A
JP2002186090A JP2000382770A JP2000382770A JP2002186090A JP 2002186090 A JP2002186090 A JP 2002186090A JP 2000382770 A JP2000382770 A JP 2000382770A JP 2000382770 A JP2000382770 A JP 2000382770A JP 2002186090 A JP2002186090 A JP 2002186090A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁石の体積低減化の割合に比べ、磁束密度低
下の割合が小さく抑えられた反発磁気回路を有する反発
磁気型のスピーカ装置を提供すること。 【解決手段】 同極同士が対向配置される一対の磁石3
0a,30bを有すると共に、該磁石30a,30bが
取付部に取り付けられる反発回路型のスピーカ装置10
において、磁石30a,30bはその一部が他の部分よ
りも窪んだ凹陥部31を有している。また、この磁石3
0a,30bは該凹陥部31とは反対側の端面(取付面
33)同士が対向配置されていて、磁石取付部32には
該磁石30aの凹陥部31を嵌合させるためのボス部2
5が突出形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反発型磁気回路を
用いたスピーカ装置に係わり、特に磁石のマグネットホ
ルダに対する取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】反発磁気回路型スピーカ装置は、磁石の
同じ極同士を接合して上下対称構造の反発磁気回路を形
成しているものである。この反発磁気回路型スピーカ装
置は、小型化、薄型化に適しているため、近年では例え
ばプラズマディスプレイの如き壁掛けテレビ等へ用いら
れたりしている。また、ひずみが低減されるという特有
の効果をも有している。
【0003】図14に、この反発磁気回路型スピーカ装
置の構成を示す。この図(右半分が側面図で、左反分が
端面図)において、反発磁気回路型スピーカ装置50
は、フレーム51により全体が支持され、かつその側面
部分が覆われている。フレーム51は、その下方部分が
マグネットホルダ52となっており、内部に後述するボ
イスコイルや磁石、或いはセンタープレートが存する構
成となっている。このフレーム51には、ドーナッツ状
の振動板53の一端部が取り付けられている。そして、
振動板53の他端部は円筒形のボイスコイルボビン54
に取り付けられている。ボイスコイルボビン54には、
ドーナッツ状のダンパ55の一端部が取りつけ固定され
ている。それによって、該ダンパ55によってボイスコ
イルボビン54が弾性的に支持されている。
【0004】なお、ボイスコイルボビン54の下端側の
外周には、ボイスコイル56が円筒状に巻回されてい
る。
【0005】ボイスコイルボビン54の内方には、磁性
材料からなるドーナッツ状のセンタープレート57がボ
イスコイル56に対向するように設けられている。そし
て、このセンタープレート57を挟んで2つの磁石58
a,58bの同極同士が対向するように配置されてい
る。かかる磁石58a,58bの配置により、センター
プレート57の外周には反発磁束が生じ、該反発磁束の
磁界内にボイスコイルボビン54が位置している。
【0006】同極同士が対向して設けられる磁石58
a,58bは、例えばネオジウムを材質として形成され
ると共に、外観が円柱形状を為すように形成されてい
る。そして、円柱形状の磁石58a,58bは、その下
端部でマグネットホルダ52に形成されたマグネット受
け部59に載置される。すなわち、同極同士の反発によ
り、磁石58a,58bはセンタープレート57から互
いに遠ざかる向きに反発力を受けるが、かかる反発力に
よりマグネットホルダ52の底面側に存する磁石58a
はマグネット受け部59に載置される構成となる。ま
た、センタープレート57よりも上方に位置する磁石5
8bは、磁石受け60によって上方から抑え込まれるこ
とにより、マグネットホルダ52内に係止される構成と
なる。
【0007】なお、上述の磁石58a,58b、センタ
ープレート57、及びボイスコイル56を含むボイスコ
イルボビン54によって反発磁気回路61が構成され
る。かかる反発磁気回路61を有する反発磁気型スピー
カ装置50は、中低音域用スピーカであるが、反発磁気
回路61の上部に高音域用のツイータを取付固定するよ
うにしても良い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如く
磁石58a,58bは、ネオジウムの如き高価な材料か
らなり、しかも概観形状が円柱状を為すように形成され
ている。このため、磁石58a,58bの体積が大きく
なり、それによって必要とされる原材料も多くなるの
で、コストが掛かる、といった問題が生じる。
【0009】しかしながら、磁石58a,58bを小型
化する等して体積を単純に低減した場合には、その分だ
け磁束密度が低下してしまう。このため、ボイスコイル
56を通過する磁束密度が低下することとなり、効率が
低下する。また、磁石58a,58bを小型化すると、
その高さが小さくなり、逆磁界となる位置が中心側に大
きくずれてしまって音に悪影響を及ぼしてしまう。それ
故、磁石58a,58bの体積を単に低減することはで
きないものとなっている。
【0010】本発明は上記の事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、磁石の体積を低減化す
ると共に、体積の低減化の割には磁束密度が低下しない
反発磁気回路を有する反発磁気型のスピーカ装置を提供
しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のスピーカ装置は、同極同士が対向配置され
る一対の磁石を有すると共に、該磁石が磁石取付部に取
り付けられるスピーカ装置において、磁石は対向配置さ
れる極と反対側の極において、対向配置される極に向か
い切欠き部が形成されていることとしたものである。こ
のように、磁石の対向配置されている極と反対側の極に
おいて、切欠き部を形成することで、磁石の体積を少な
くすることができる。それによって、高価な材質を使用
する磁石のコストを低減することが可能となる。これと
共に、対向配置される極に向かい切欠き部を形成する場
合、磁石の体積の低減割合と比較して、磁束密度の低下
割合を小さく抑えることが可能となる。
【0012】また、他のスピーカ装置の発明は、同極同
士が対向配置される一対の磁石を有すると共に、該磁石
が磁石取付部に取り付けられるスピーカ装置において、
磁石はその一部が他の部分よりも窪んだ凹陥部を有し、
該凹陥部とは反対側の端面同士が対向配置されると共
に、磁石取付部には該磁石の凹陥部を嵌合させるための
突出部が形成されていることとしたものである。
【0013】このように、磁石同士が対向配置されてい
る端面とは反対側の面において凹陥部が形成されること
で、磁石の体積を少なくすることができる。それによ
り、高価な材質を使用する磁石のコストを低減すること
が可能となる。また、かかる凹陥部を形成することによ
り、磁石の体積の低減割合と比較して磁束密度の低下割
合を小さく抑えることが可能となる。さらに、磁石取付
部に形成された突出部に凹陥部を嵌合させることによ
り、磁石の位置合わせ等の必要が無くなり、磁石の取付
作業が容易になる。それによって、作業効率が向上し、
生産コストの低減を一層図ることが可能となる。また、
逆磁界となる位置が磁石が対向配置される中心位置から
逆磁界となる位置までの距離がほどんど小さくならず、
音への悪影響を生じない。
【0014】さらに、他の発明は、上述の発明に加えて
更に、磁石は円柱形状に形成されていると共に、凹陥部
は磁石の同極同士が対向している端面とは反対側の端面
の内周側を窪ませて形成されていることとしたものであ
る。このようにすれば、磁石の取付部の外周側には、磁
石が存するようになり、従来と同様な形状・構成にする
ことが可能となる。また、磁石の取付固定が一層簡単化
される。
【0015】さらに、他のスピーカ装置の発明は、同極
同士が対向配置される一対の磁石を有すると共に、該磁
石が磁石取付部に取り付けられるスピーカ装置におい
て、磁石はその一部が他の部分よりも突出した凸部を有
し、該凸部とは反体側の端面同士が対向配置されると共
に、磁石取付部には、該磁石の凸部を嵌合させるための
凹部が形成されることとしたものである。
【0016】このように、磁石同士が対向配置されてい
る端面とは反対側の面において凸部が形成されること
で、同程度の高さを有する磁石と比較して、磁石の体積
を少なくすることができる。それにより、高価な材質を
使用する磁石のコストを低減することが可能となる。ま
た、かかる凸部を形成することにより、磁石の体積の低
減割合と比較して磁束密度の低下割合を小さく抑えるこ
とが可能となる。さらに、磁石の磁石取付部に形成され
た凹部に凸部を嵌合させることにより、磁石の位置合わ
せ等の必要が無くなり、磁石の取付作業が容易になる。
それによって、作業効率が向上し、生産コストの低減を
一層図ることが可能となる。また、磁石に凹部を設ける
構成に比べ、体積低減割合に対する磁束密度低下割合を
さらに小さく抑えることが可能となり、機能を維持しつ
つ、一層低コスト化できるスピーカ装置にすることがで
きる。
【0017】また、他の発明は、上述の発明に加えて更
に、磁石は円柱形状に形成されていると共に、凸部は磁
石の同極同士が対向している端面とは反対側の端面の内
周側を突出させて形成されていることとしたものであ
る。このようにすれば、磁石取付部の内周側には、磁石
が存するようになり、磁石外部に向けて一定の磁界を与
えることが可能となる。また、磁石の取付固定が一層簡
単化される。
【0018】
【発明の実施の形態】(第一の実施の形態)以下、本発
明の第一の実施の形態について、図1から図3に基づい
て説明する。図1は、本発明の反発磁気回路型のスピー
カ装置10の構成を示す側断面図である。この図におい
て、反発磁気回路型のスピーカ装置10は、略円錐形状
の上部が開放した形状のフレーム11が設けられてい
る。このフレーム11には、径大の外周縁部11aにて
ガスケット18を介してエッジ12が取り付けられてい
る。そして、このエッジ12を介して振動板13の一端
側が取り付けられている。振動板13は、径中心に孔部
14が形成されていて、この孔部14に円筒形状のボイ
スコイルボビン15が存する。そして、振動板13の他
端側がこのボイスコイルボビン15に例えば接着剤を介
して取付固定される。
【0019】また、ボイスコイルボビン15には、ダン
パー16の一端部が取付固定されている。ダンパー16
は、その他端部がフレーム11に取付固定されており、
それによってボイスコイルボビン15を弾性的に支持す
る構成となっている。また、ボイスコイルボビン15の
下端側の外周には、ボイスコイル17が円筒状に巻回さ
れている。
【0020】フレーム11の下端には、図2に示すよう
なマグネットホルダ20が取付固定されている。マグネ
ットホルダ20は、磁石30を取付固定するためのもの
であり、径方向中心部分が他の部分よりも窪んで形成さ
れた窪み部21を有している。窪み部21は、その一方
側のみが開放して設けられていて、開放した側からはボ
イスコイルボビン15や後述する磁石30aが挿通され
る。また、マグネットホルダ20は、その外周縁部に位
置する上端面20aを介してフレーム11に取付固定さ
れる。磁石30a,30bは、例えば窪み部21側がS
極となり、窪み部21とは反対側の面がN極となるよう
に着磁されており、全体として円柱状の磁石となってい
る。
【0021】窪み部21の底部22には、図3に示すよ
うな磁石30を取付固定するための磁石取付部23が設
けられている。この磁石取付部23は、底部22よりも
円盤状に突出形成して設けられた台座部24と、この台
座部24の径方向中心部においてさらに上方に向かって
突出形成されたボス部25とから構成されている。この
ボス部25には、磁石30aの凹陥部31が嵌め込まれ
る。凹陥部31は、磁石30aの取付面33のうち、内
径側を円柱状のボス部25の高さに対応した分の深さだ
けくり抜いて形成されている。それによって、凹陥部3
1をボス部25に位置合わせして嵌め込むことを可能と
している。
【0022】ここで、磁石30aの上面には、磁性材料
からなる円板状のセンタープレート32が取り付けられ
る。そして、このセンタープレート32を挟んで、さら
に磁石30aと同形状の磁石30bがセンタープレート
32の上面側に取り付けられている。この磁石30b
は、磁石30aと同極同士が対向するように取り付けら
れている。なお、磁石30bは、センタープレート32
に対して接着固定する等により、取付固定される。しか
しながら、磁石30bの上方に不図示の接触部材を設
け、この接触部材によって磁石30bが抑え付けられる
ことで、取付固定される構成としても構わない。
【0023】(第二の実施の形態)続いて、本発明の第
二の実施の形態について、図4から図6に基づいて説明
する。なお、本実施の形態においては、上述の第一の実
施の形態で述べた構成と同一の構成については、同一の
符号を付して説明する。
【0024】図4に示すように、本実施の形態のスピー
カ装置40は、上述の第一の実施の形態で述べ反発磁気
回路型のスピーカ装置10において、磁石30及び窪み
部21の底部22における凹凸関係が逆に形成されたも
のである。すなわち、本実施の形態の磁石41において
は、図4から図6に示すように円柱状の凸部42が設け
られている。この凸部42は、従来の円柱形状の磁石を
切り欠いた切欠き部42aを磁石41の取付面43の外
周側に形成することで、取付面43の内周側が突出して
凸部42となるようにしたものである。
【0025】また、図4及び図5に示すように、かかる
凸部42に対応して、マグネットホルダ20の磁石取付
部23の中央には、円柱状の凹部44が形成されてい
る。凹部44は、台座部24の径方向中心部を所定の深
さだけ繰り抜いて形成したものである。なお、かかる凹
部44を形成して磁石41を良好に嵌合するために、台
座部24は、上述の第一の実施の形態で述べた台座部2
4よりも高く突出形成されている。
【0026】(第一の実施の形態及び第二の実施の形態
の磁石についての特性の実験結果)以上のような第一の
実施の形態及び第二の実施の形態で述べた構成を有する
反発磁気回路型のスピーカ装置10,40の特性につい
て、図7から図13に基づいて説明する。なお、これら
の図は、本発明の発明者がシュミレーション実験した結
果を示すものである。この実験において、磁石30a,
30bの中心からの距離に対する磁束密度の強さを示す
ものである。この図において、縦軸は磁束密度の強さ、
横軸は磁石30a,30bの中心からの距離を示すもの
である。
【0027】なお、磁石30a,30bの中心からの距
離とは、センタープレート32の厚さの中央部分からの
距離についてのことである。さらに、磁石30a,30
bの外径、高さ、材質及び残留磁束密度の最小値を夫々
24mm、8mm、35H、1.17kGaussと
し、またセンタープレートの外径、高さをそれぞれ2
4.88mm、3.2mmとする。さらに、いずれの実
験においても、リングは設けられていない。また、測定
点は、センタープレート32の径方向の中心から12.
77mm、すなわち、センタープレート32の外周面か
ら外側に0.33mmの仮想面となっている。
【0028】まず、本発明の実験を行う前に、比較対象
として、従前の磁石についての中心距離からの距離−磁
束密度特性の実験を行った。この実験の様子を図7に示
す。この結果、最高磁束密度は中心から1.1mmの地
点において9700(Gauss)となった。また、逆
磁界となる地点は、中心から5.85mm離れた位置と
なった。なお、この磁石の体積は、3.62cm3
(1.2cm×1.2cm×3.14×0.8cm)と
なっている。
【0029】また、中心から1.1mmの地点は、磁石
の外周ではなく、センタープレート32の外周部分とな
る。すなわち、センタープレート32の厚さは、3.2
mmであり、その中心から1.6mmの地点までは依然
としてまだセンタープレート32の外周部分となってい
る。
【0030】続いて、磁石41の形状を、図6に示すよ
うに凸部42が形成されたものとした場合について述べ
る。この磁石41においては、高さ6mmまでは従来の
磁石と同様であるが、残りの2mmの部分については、
外周側を切り取って直径12mmの凸部42を形成して
いる。この磁石41においては、図8より、この結果、
最高磁束密度は中心から1.1mmの地点において90
00(Gauss)となった。この磁石41の体積は、
約2.94cm3 で、その体積減少率(以下、ΔVと
表示する。)を求めると、ΔV=18.8%となった。
【0031】また、磁束密度の減少率(以下、ΔGと表
示する。)について求めると、(9700−9000)
÷9700で、ΔG=7.2%となった。これより、磁
石41の体積減少率と比較して、磁束密度の減少率が小
さくなっている、と言える。また、逆磁界となる地点
は、中心から4.85mm離れた位置となり、従前の磁
石に比べ約1mmほど中心に近い位置となった。
【0032】さらに、磁石41の形状を変化させ、凸部
42の外径を16mmに変化させた場合について述べ
る。この磁石41においては、図9より、この結果、最
高磁束密度は中心から1.1mmの地点において920
0(Gauss)となった。この磁石41の体積は、約
3.12cm3 で、その体積減少率を求めると、
(3.62cm3 −3.12cm3 )÷3.62c
m3 となり、ΔV=13.8%となった。
【0033】また、磁束密度の減少率について求める
と、上述と同様の計算によってΔG=5.2%となっ
た。これより、この磁石41においても、磁石41の体
積減少率と比較して、磁束密度の減少率が小さくなって
いる、と言える。また、逆磁界となる地点は、中心から
約5.0mm離れた位置となる。
【0034】続いて、磁石30の形状を、図3に示すよ
うに凹陥部31が形成されたものとした場合について述
べる。この磁石30においては、高さ6mmまでは従来
の磁石と同様であるが、残りの2mmの部分について
は、内周側を切り取って直径12mmの凹陥部31を形
成している。この磁石30においては、図10より、こ
の結果、最高磁束密度は中心から1.1mmの地点にお
いて9300(Gauss)となった。この磁石30の
体積は、約3.39cm3 で、体積減少率を求める
と、(3.62cm3 −3.39cm3 )÷3.6
2cm3 となり、ΔV=6.4%となった。
【0035】また、磁束密度の減少率について求める
と、上述と同様の計算によってΔG=4.1%となっ
た。すなわち、この磁石30においても、磁石30の体
積減少率と比較して、磁束密度の減少率が小さくなって
いる、と言える。また、逆磁界となる地点は、中心から
約5.75mm離れた位置となり、従前の磁石の場合と
略同一地点となる。
【0036】さらに、磁石30の形状を変化させ、凹陥
部31の外径を16mmに変化させた場合について述べ
る。この磁石30においては、図11に示すように、最
高磁束密度は中心から1.1mmの地点において910
0(Gauss)となった。この磁石30について、上
述と同様な計算によって体積減少率を求めると、ΔV=
11.0%となった。また、磁束密度の減少率について
求めると、ΔG=6.2%となった。すなわち、この磁
石30においても、磁石30の体積減少率と比較して、
磁束密度の減少率が小さくなっている、と言える。ま
た、逆磁界となる地点は、中心から5.55mm離れた
位置となった。
【0037】また、磁石30の形状を変化させ、高さ5
mmまでは上述の磁石と同様であるが、残りの3mmの
部分については、内周側を切り取って直径12mmの凹
陥部31を形成した場合について述べる。この磁石30
においては、図12より、最高磁束密度は中心から1.
1mmの地点において9100(Gauss)となっ
た。この磁石30について、体積減少率を求めると、Δ
V=9.4%となった。また、磁束密度の減少率につい
て求めると、ΔG=6.2%となった。すなわち、この
磁石30においても、磁石30の体積減少率と比較し
て、磁束密度の減少率が小さくなっている、と言える。
なお、逆磁界となる地点は、中心から略5.65mm離
れた位置となった。
【0038】さらに、磁石30の形状を変化させ、高さ
4mmまでは従来の磁石と同様であるが、残りの4mm
の部分については、内周側を切り取って直径12mmの
凹陥部31を形成した場合について述べる。この磁石3
0においては、図13より、最高磁束密度は中心から
1.1mmの地点において8900(Gauss)とな
った。この磁石30について、体積減少率を求めると、
ΔV=12.4%となった。また、磁束密度の減少率に
ついて求めると、ΔG=8.2%となった。すなわち、
この磁石30においても、磁石30の体積減少率と比較
して、磁束密度の減少率が小さくなっている、と言え
る。また、逆磁界となる地点は、中心から略5.70m
m離れた位置となった。
【0039】以上の実験結果から、磁石に凹陥部31や
凸部42を形成した場合には、磁石30,41の体積減
少率と比較して磁束密度の減少率を低く抑えられる、と
いうことが判明した。なお、凹陥部31を設けた磁石3
0は、従前の磁石に比べ、逆磁界に入る位置がほとんど
変わらないため、音に悪影響を与えることがほとんどな
い、と言える。一方、凸部42を設けた磁石41は、逆
磁界に入る位置がわずかにセンタープレート32側にず
れるが、音質悪化の影響はほとんどない。これに加え
て、体積減少率に比べ、磁束密度の減少率が小さく、本
発明における磁束密度を維持しつつ、コスト低減を図る
という効果に秀でたものとなる。
【0040】このような反発磁気型のスピーカ装置1
0,40によれば、磁石30,41に対して凹陥部31
や凸部42を設ける構成とすることで、磁石30,41
の高さに対する磁石30,41の体積を減少させること
ができると共に、かかる磁石30,41の体積の減少に
比較して、磁束密度の低下を抑えることが可能となる。
それによって、磁石の原料である、例えばネオジウムの
如き高価な材質の使用量を低減させることが可能とな
る。すなわち、価格と比較すると、安価でありながら磁
束密度の減少が抑えられた、特性の良好な磁石30,4
1を提供することが可能となる。また、かかる磁石3
0,41を反発磁気型のスピーカ装置10,40に用い
ることによって、該スピーカ装置10,40の製造コス
トを抑制することが可能となる。
【0041】さらに、凹陥部31や凸部42を形成し、
この凹陥部31や凸部42をボス部25や凹部44に嵌
め込む構成であるので、磁石30,41の位置合わせや
取付固定が容易なものとなる。すなわち、磁石30,4
1に形成された凹陥部31や凸部42をボス部25や凹
部44に嵌め込むことにより、磁石30,41の位置合
わせを簡単に行うことが可能となる。
【0042】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となってい
る。以下それについて述べる。上述の各実施の形態で
は、取付面33,43には、所定の径を有する円形の凹
陥部31又は凸部42を形成しているが、かかる凹陥部
31や凸部42は、円形状に限られるものではない。ま
た、その個数も1つのみではなく、複数個形成しても構
わない。すなわち、体積の低減の効果に比して、磁束の
低減を抑えることができるものであれば、凹陥部31の
形状や個数は上述の実施の形態で述べたものに限定され
ない。
【0043】また、磁石は円柱形状の磁石30,41に
ついてのみならず、角柱形状や円筒形状の磁石に対して
も本発明を適用可能である。円筒形状の磁石について
は、磁石の内周面側を切り欠いたり外周面側を切り欠く
ことで、本発明と同様の作用効果(体積低減に比して磁
束密度低下を抑えることができる等)を奏する構成とな
る。また、ドーナッツ状の磁石と円柱形の磁石を貼り合
わせることで、凹陥部31を有する磁石30としたり、
小径の円柱形の磁石と大径の円柱形の磁石を貼り合わせ
ることで、凸部42を有する磁石41としても良い。
【0044】なお、本発明は、反発磁気回路型のスピー
カ装置に適用した場合が最も好ましいが、反発磁気回路
型ではない通常のスピーカ装置のマグネットと、マグネ
ット保持部に適用しても同様な効果を有するものとな
る。
【0045】ここで、図3の磁石30の各寸法につき、
夫々高さをh0 ,直径をd0 ,凹陥部31の直径を
d1 ,凹陥部31の深さをh1 とすると共に、図6
の磁石の各寸法につき、夫々高さをh0 ,直径をd0
,凸部42の直径をd2,凸部42の深さをh1 と
した場合、これらの寸法を以下のように設定しても構わ
ない。
【0046】すなわち、d1 ,d2 をd0 /3よ
り大きくし、h1 ,h2 をh0/5より大きくする
と、体積低減と比較して磁束密度の減少率が低いという
効果が顕著に現れてくる。また、d1 ,d2 を2d
0 /3より小さくし、h1 ,h2 を3h0 /5
より小さくすると、磁束密度が絶対値で大幅に減少する
ことがなくなり、また体積の減少率と比較して磁束密度
の減少率が低いという効果も維持できるものとなる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスピーカ
装置によると、磁石の対向配置されている極と反対側の
極において、切欠き部を形成することで、磁石の体積を
少なくすることができる。それによって、高価な材質を
使用する磁石のコストを低減することが可能となる。こ
れと共に、対向配置される極に向かい切欠き部を形成す
る場合、磁石の体積の低減割合と比較して、磁束密度の
低下割合を小さく抑えることが可能となる。また、磁石
の取付部に形成された突出部に凹陥部を嵌合させたり、
磁石の取付部に形成された凹部に凸部を嵌合させること
により、磁石の位置合わせ等の必要が無くなり、磁石の
取付作業が容易になる。それによって、作業効率が向上
し、生産コストの低減を一層図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係わるスピーカ装
置の構成を示す側断面図である。
【図2】図1のスピーカ装置において、マグネットホル
ダ付近の断面構成を示す部分拡大図である。
【図3】図1のスピーカ装置において、磁石の形状を示
す側断面図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係わるスピーカ装
置の構成を示す側断面図である。
【図5】図4のスピーカ装置において、マグネットホル
ダ付近の断面構成を示す部分拡大図である。
【図6】図4のスピーカ装置において、磁石の形状を示
す側断面図である。
【図7】本発明や従来のスピーカ装置に用いられる磁石
において、中心からの距離に対する磁束密度の特性を示
す図であり、従来の磁石についての特性を示すものであ
る。
【図8】本発明のスピーカ装置に用いられる磁石におい
て、中心からの距離に対する磁束密度の特性を示す図で
あり、直径が12mmで高さ2mmの凸部が設けられて
いる磁石についての特性を示すものである。
【図9】本発明のスピーカ装置に用いられる磁石におい
て、中心からの距離に対する磁束密度の特性を示す図で
あり、直径が16mmで高さ2mmの凸部が設けられて
いる磁石についての特性を示すものである。
【図10】本発明のスピーカ装置に用いられる磁石にお
いて、中心からの距離に対する磁束密度の特性を示す図
であり、直径が12mmで深さ2mmの凹陥部が設けら
れている磁石についての特性を示すものである。
【図11】本発明のスピーカ装置に用いられる磁石にお
いて、中心からの距離に対する磁束密度の特性を示す図
であり、直径が16mmで深さ2mmの凹陥部が設けら
れている磁石についての特性を示すものである。
【図12】本発明のスピーカ装置に用いられる磁石にお
いて、中心からの距離に対する磁束密度の特性を示す図
であり、直径が12mmで深さ3mmの凹陥部が設けら
れている磁石についての特性を示すものである。
【図13】本発明のスピーカ装置に用いられる磁石にお
いて、中心からの距離に対する磁束密度の特性を示す図
であり、直径が12mmで深さ4mmの凹陥部が設けら
れている磁石についての特性を示すものである。
【図14】従来の反発磁気回路型スピーカ装置の構成を
示す側断面図である。
【符号の説明】
10,40…反発磁気回路型のスピーカ装置 11…フレーム 20…マグネットホルダ 21…窪み部 22…底部 23…磁石取付部 24…台座部 25…ボス部 30,30a,30b,41,41a,41b…磁石 31…凹陥部 32…センタープレート 33,43…取付面 42…凸部 44…凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同極同士が対向配置される一対の磁石を
    有すると共に、該磁石が磁石取付部に取り付けられるス
    ピーカ装置において、 上記磁石は対向配置される極と反対側の極において、対
    向配置される極に向かい切欠き部が形成されていること
    を特徴とするスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 同極同士が対向配置される一対の磁石を
    有すると共に、該磁石が磁石取付部に取り付けられるス
    ピーカ装置において、 上記磁石はその一部が他の部分よりも窪んだ凹陥部を有
    し、該凹陥部とは反対側の端面同士が対向配置されると
    共に、上記磁石取付部には該磁石の凹陥部を嵌合させる
    ための突出部が形成されていることを特徴とするスピー
    カ装置。
  3. 【請求項3】 前記磁石は円柱形状に形成されていると
    共に、前記凹陥部は磁石の同極同士が対向している端面
    とは反対側の端面の内周側を窪ませて形成されているこ
    とを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置。
  4. 【請求項4】 同極同士が対向配置される一対の磁石を
    有すると共に、該磁石が磁石取付部に取り付けられるス
    ピーカ装置において、 上記磁石はその一部が他の部分よりも突出した凸部を有
    し、該凸部とは反体側の端面同士が対向配置されると共
    に、上記磁石取付部には、該磁石の凹陥部を嵌合させる
    ための凹部が形成されていることを特徴とするスピーカ
    装置。
  5. 【請求項5】 前記磁石は円柱形状に形成されていると
    共に、前記凸部は磁石の同極同士が対向している端面と
    は反対側の端面の内周側を突出させて形成されているこ
    とを特徴とする請求項4記載のスピーカ装置。
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