JP2002184572A - 有機el素子の製造方法、及び該方法を用いて製造した有機el素子 - Google Patents

有機el素子の製造方法、及び該方法を用いて製造した有機el素子

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JP2002184572A
JP2002184572A JP2000382511A JP2000382511A JP2002184572A JP 2002184572 A JP2002184572 A JP 2002184572A JP 2000382511 A JP2000382511 A JP 2000382511A JP 2000382511 A JP2000382511 A JP 2000382511A JP 2002184572 A JP2002184572 A JP 2002184572A
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ultraviolet absorbing
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Takuji Kato
拓司 加藤
Takashi Okada
崇 岡田
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Ricoh Co Ltd
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    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL素子の耐久性を向上させる。 【解決手段】 有機EL素子は、透明支持体1の表面に
有機物を含む紫外線吸収層5を形成し、この上に陽極層
2、単数または複数層の有機化合物層3、及び陰極層4
を順に積層して構成される。上記の紫外線吸収層5を備
えることにより、有機化合物層3の劣化を防ぐことがで
き、これにより有機EL素子の耐久性を向上さえること
がでる。紫外線吸収層3としては、N−1置換アニリン
誘導体を含む紫外線吸収層を形成することにより高い耐
久性が得られる。このような紫外線吸収層5は、透明支
持体1と陽極層2の間に設けてもよく、また透明支持体
1における陽極層2の反対側に設けてもよい。また紫外
線吸収層5の材料で、各電極部を封止する封止層5'を
形成してもよく、また紫外線吸収層5にさらに保護層を
形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL素子の製
造方法及び該方法によって製造された有機EL素子、よ
り詳細には、透明支持体上に陽極及び陰極とこれらの間
に挟持された単層または複数層の有機化合物層より構成
される有機EL素子に有機物を含む紫外線吸収層を設け
た有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の多様化及び省スペース
化に伴い、CRTよりも低消費電力で空間占有面積の小
さい平面表示素子へのニーズが高まってきている。この
ような平面表示装置としては、液晶やプラズマディスプ
レイ等があるが、特に最近は自己発光型で表示が鮮明
な、また、直流低電圧駆動が可能な有機EL素子への期
待が高まっている。
【0003】有機EL素子の素子構造としては、これま
で2層構造(陽極と陰極の間にホール注入輸送層と発光
層が形成された構造(SH−A構造)(特開昭59−1
94393号公報、Appl.Phys.Lett.5
1,913(1987))、または、陽極と陰極の間に
発光層と電子注入輸送層が形成された構造(SH−B構
造)(USPNo.5085947、特開平2−250
92号公報、Appl.Phys.Lett.55,1
489(1989))、あるいは3層構造(陽極と陰極
の間にホール注入輸送層/発光層/電子注入輸送層が形
成された構造(DH構造)(Appl.Phys.Le
tt.57,531(1990))等の積層型の素子構
造が報告されている。
【0004】さらに最近では2層以上のホール注入輸送
層もしくは電子注入輸送層から構成されたEL素子構造
が報告されている(特開平5−94880号公報、US
P4720432号)。上記陽極としては、AuやIT
O(インジウム−スズ酸化物)などの様な仕事関数の大
きな電極材料を用い、陰極としてはCa、Mg、Al等
及びそれらの合金等の仕事関数の小さな電極材料を用い
る。
【0005】また、現在まで、上記ホール注入輸送層、
発光層、電子注入輸送層に使用可能な材料として様々な
有機化合物が報告されている。これらに使用される有機
材料としては、例えば、ホール注入輸送層としては芳香
族第3級アミン、フタロシアニン類等が、また発光層材
料としてはアルミニウムトリスオキシン(特開昭59−
194393号公報、特開昭63−295695号公
報)、スチリルアミン誘導体、スチリルベンゼン誘導体
(特開平2−209988号公報)、アミノピレン誘導
体等が、また、電子注入輸送層としてはオキサジアゾー
ル誘導体(日本化学会誌No.11、1540(199
1)、特開平4−363894号公報、特開平5−20
2011号公報)等が報告されている。
【0006】現在まで様々な素子構造及び有機材料を用
いることにより、初期的には1000cd/m2以上の
高輝度発光、駆動電圧10V以下のEL素子が得られて
いる。さらに有機材料の特徴であるが、分子設計等によ
り様々な新規材料が発明され、R、G、Bの三原色の発
光も盛んに研究されている。
【0007】しかし上記のような有機EL素子は、酸
化、湿気、紫外線により劣化して発光素子としての機能
を損ないやすい。そのため有機EL構造体をガラスや金
属等で覆い封止している。さらに水蒸気による酸化防止
のため吸湿剤を配置する方法(特開平5−41281号
公報)、不活性液体を充填する方法(特開平8−781
59号公報)、ゲル被覆体を充填する方法(特開平9−
204981号公報)、さらには有機EL素子上に光硬
化樹脂を塗布する方法(特開平4−267097号公
報)などが知られている。しかしながらいずれも封止効
果は不十分で素子の劣化を抑えられず素子寿命を延ばす
ことは困難であった。
【0008】有機EL素子の劣化を抑えられない原因の
一つとして透明支持体側からの紫外線による光劣化があ
げられる。通常用いられる支持体であるアクリルガラス
は300nm以上の波長の紫外線を通すため、透明支持
体側からの紫外線により有機化合物層が劣化を起こす。
このような劣化を防ぐため金属酸化物を含む層を透明支
持体に形成して紫外線を遮断する方法が知られている
(特開平4−334895号公報)。
【0009】しかしながら上述の方法は、金属酸化物層
を用いるため透明性に問題があり実用的でなかった。ま
た、有機化合物層との接着性、屈折率の違いによる視認
性、及び金属酸化物層での反射による視認性に問題があ
り、さらに塗布に手間がかかり実用的でなかった。それ
ゆえ透明支持体及び有機化合物層との接着性、視認性、
塗布の容易性に優れている有機物からなる紫外線吸収層
の形成方法について実現が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実情に鑑みてなされたもので、透明支持体上に陽極及
び陰極とこれらの間に挟持された単層または複数層の有
機化合物層より構成される有機EL素子に有機物を含む
紫外線吸収層を設けた有機EL素子の製造方法及び該方
法により製造された有機EL素子を提供することを目的
とするものである。
【0011】また、本発明は、透明支持体上に陽極及び
陰極とこれらの間に挟持された単層または複数層の有機
化合物層より構成される有機EL素子にN−1置換アニ
リン誘導体を含む紫外線吸収層を設けることにより、耐
久性を向上させた有機EL素子の製造方法及び該方法を
用いた有機EL素子を提供することを目的とするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、透明
支持体上に陽極、陰極及び該陽極と陰極との間に挟持さ
れた単層または複数層の有機化合物層が設けられた構成
を少なくとも有する有機EL素子の製造方法において、
前記透明支持体の表面に有機物を含む紫外線吸収層を形
成するステップと、該紫外線吸収層の上に前記陽極層、
前記有機化合物層、及び前記陰極層を順に積層するステ
ップとを有することを特徴としたものである。
【0013】請求項2の発明は、透明支持体上に陽極、
陰極及び該陽極と陰極との間に挟持された単層または複
数層の有機化合物層が設けられた構成を少なくとも有す
る有機EL素子の製造方法において、前記透明支持体上
に有機物を含む紫外線吸収層を形成するステップと、前
記透明支持体における該紫外線吸収層の形成面とは反対
側の表面に前記陽極層、前記有機化合物層、及び陰極層
を順に積層するステップとを有することを特徴としたも
のである。
【0014】請求項3の発明は、透明支持体上に陽極、
陰極及び該陽極と陰極との間に挟持された単層または複
数層の有機化合物層が設けられた構成を少なくとも有す
る有機EL素子の製造方法において、前記透明支持体上
に有機物を含む紫外線吸収層を形成するステップと、前
記紫外線吸収層の上に保護層を設けるステップと、前記
透明支持体における該紫外線吸収層の形成面とは反対側
の表面に前記陽極層、前記有機化合物層、及び前記陰極
層を順に積層するステップとを有することを特徴とした
ものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれか1の発明において、前記紫外線吸収層を形成した
材料によって前記陽極層、前記有機化合物層、及び前記
陰極層よりなる積層体を封止する封止層を形成するステ
ップをさらに有することを特徴としたものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、前記紫外線吸収層を形成した材料または前記保護層
を形成した材料によって前記陽極層、前記有機化合物
層、及び前記陰極層よりなる積層体を封止する封止層を
形成するステップをさらに有することを特徴としたもの
である。
【0017】請求項6の発明は、請求項4の発明におい
て、前記紫外線吸収層上及び前記封止層のそれぞれの上
に保護層を形成することを特徴としたものである。
【0018】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれか1の発明において、前記紫外吸収層に酸化防止剤
を添加することを特徴としたものである。
【0019】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記酸化防止剤は、少なくともヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤を含むことを特徴としたものである。
【0020】請求項9の発明は、請求項1ないし8のい
ずれか1の発明において、前記透明支持体は、アクリル
ガラスであることを特徴としたものである。
【0021】請求項10の発明は、請求項1ないし8の
いずれか1の発明において、前記透明支持体は、透明樹
脂フイルムであることを特徴としたものである。
【0022】請求項11の発明は、透明支持体上に陽
極、陰極及び該陽極と陰極との間に挟持された単層また
は複数層の有機化合物層が設けられた構成を少なくとも
有する有機EL素子の製造方法において、前記透明支持
体の表面に一般式
【数3】 で示されるN−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収
層を設けるステップと、該紫外線吸収層の上に前記陽極
層、前記有機化合物層、及び前記陰極層を順に積層する
ステップとを有することを特徴とする有機EL素子の製
造方法。(ここでR1は枝分かれしていてもよいアルキ
ル基またはアルケニル基、R2〜R 6はそれぞれ独立に水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基アリ
ールチオ基を示す。あるいは隣接部位と共に連結されて
環を形成しても良い)
【0023】請求項12の発明は、透明支持体上に陽
極、陰極及び該陽極と陰極との間に挟持された単層また
は複数層の有機化合物層が設けられた構成を少なくとも
有する有機EL素子の製造方法において、前記透明支持
体における該紫外線吸収層の形成面とは反対側の表面に
一般式
【数4】 で示されるN−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収
層を設けるステップと、該紫外線吸収層の上に前記陽極
層、前記有機化合物層、及び前記陰極層を順に積層する
ステップとを有することを特徴としたものである。(こ
こでR1は枝分かれしていてもよいアルキル基またはア
ルケニル基、R2〜R 6はそれぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、アルキルチオ基アリールチオ基を示
す。あるいは隣接部位と共に連結されて環を形成しても
良い)
【0024】請求項13の発明は、請求項11または1
2の発明において、前記紫外線吸収層は、酸化防止剤を
含むことを特徴としたものである。
【0025】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸
化防止剤であることを特徴としたものである。
【0026】請求項15の発明は、請求項11ないし1
4のいずれか1の発明において、前記N−1置換アニリ
ン誘導体のR1の窒素に隣接する炭素が第2級であるこ
とを特徴としたものである。
【0027】請求項16の発明は、請求項11ないし1
5のいずれか1の発明において、前記アニリン誘導体
は、N−iso−ブチルアニリンであることを特徴とし
たものである。
【0028】請求項17の発明は、請求項11ないし1
6のいずれか1の発明において、前記紫外線吸収層を形
成した材料によって前記陽極層、前記有機化合物層、及
び前記陰極層よりなる積層体を封止する封止層を形成す
るステップをさらに含むことを特徴としたものである。
【0029】請求項18の発明は、請求項17の発明に
おいて、前記紫外線吸収層上に保護層を形成するステッ
プをさらに含むことを特徴としたものである。
【0030】請求項19の発明は、請求項18の発明に
おいて、前記保護層は、蛍光増白剤を含むことを特徴と
したものである。
【0031】請求項20の発明は、請求項11ないし1
9のいずれか1の発明において、前記透明支持体は、ア
クリルガラスであることを特徴としたものである。
【0032】請求項21の発明は、請求項11ないし1
9のいずれか1の発明において、前記透明支持体は、透
明樹脂フイルムであることを特徴としたものである。
【0033】請求項22の発明は、請求項11ないし2
1のいずれか1の発明において、該有機EL素子を製品
形態で遮光かつ防湿能を有する袋中に密閉するステップ
をさらに有することを特徴としたものである。
【0034】請求項23の発明は、請求項1ないし22
のいずれか1に記載の有機EL素子の製造方法にて製造
されたことを特徴としたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕図1は、本発明の
有機EL表示素子の一例を説明するための概略構成図
で、図中、1は透明支持体、2は陽極、3は有機化合物
層、4は陰極、5は紫外線吸収層である。本発明の有機
EL素子の製造においては、まず透明支持体1上に紫外
線吸収層5を形成する。透明支持体1としては透明なガ
ラスまたはポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン
ナフタレートのような透明樹脂フイルムを用いて、この
片面に樹脂溶解液等を用いて紫外線吸収層5を形成す
る。紫外線吸収層5の形成方法は特に限定されることは
なく、従来公知の方法を用いることができ、例えば溶媒
塗布法(キャスト法、スピンコート法、ブレードコート
法、ディッピング法等)やワイヤーバーを用いる方法が
あげられる。
【0036】紫外線吸収層5を形成するための樹脂とし
ては、透明性の観点から樹脂の屈折率が透明支持体の屈
折率との比で0.8〜1.2の範囲に入る材料を用いるの
が好ましい。樹脂の具体例として、ポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等が
あげられる。
【0037】樹脂と共に架橋剤を用いてもよい。架橋剤
の具体例としてはイソシアナート化合物、エポキシ化合
物等、従来から公知の化合物を使用することができる。
イソシアナート化合物の具体例としてはトルイレンジイ
ソシアナート、その2量体、ジフェニルメタンジイソシ
アナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、ポリイソシアナート
及びこれらの誘導体等分子中にイソシアナート基を2個
以上有する化合物が挙げられる。またエポキシ化合物の
具体例としてはエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ブチルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、エポキシアクリレート等が挙
げられる。さらに高分子型紫外線吸収剤を樹脂として用
いることもできる。
【0038】また本発明で使用する有機紫外線吸収剤と
しては公知の種々の化合物を使用でき、例えば、ベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤、ベンゾエート系紫外線安定剤、ヒンダードアミ
ン系光安定剤が挙げられ、少なくとも一種類のものを用
いる。上記のベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては公
知の種々の化合物を使用でき、例えば、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン等がある。
【0039】また上記のベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤としては公知の種々の化合物を使用でき、例えば、
2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5
−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−t−
ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(5−t−オクチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0040】光安定剤としては、ベンゾエート系化合
物、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,
4−ジ−t−ペンチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンゾエートなどがげられる。ベン
ゼン環の2位にヒドロキシ置換基を持つサリチル酸、及
びそのエステル骨格を有していても良い。
【0041】ヒンダードアミン系光安定剤としては、例
えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)2−n−
ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、等が挙げられる
が、ピペリジル骨格を有しているならばこれらに限定さ
れるものではない。
【0042】さらに紫外線吸収層に酸化防止剤を添加す
ることにより、より素子の劣化を防ぐことができること
を見出した。本発明で用いられる酸化防止剤としては公
知の種々の化合物を使用でき、例えば、L−アスコルビ
ン酸及びそのエステル、D−アスコルビン酸及びそのエ
ステル、α−トコフェロール、セザモール等がある。勿
論、これらに限定されるものではなく、また二種以上併
用することもできる。
【0043】特に効果の高い酸化防止剤としてはヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤であり、具体例としては、
2−メチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、
2,4,6−トリメチルフェノール、2,6−ジメチル
−4−オクチルフェノール、2−t−ブチルフェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4,6−
トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル
−4−オクチルフェノール、トリエチレングリコールビ
ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プピオネート]、1,6−ヘキサンジオー
ルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オ
クチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタ
エリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,
2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチ
レンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシ
ンナマイド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルフォスフォネートジエチルエステル、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、2,4−ビス[(オクチルチ
オ)メチル]−o−クレゾール、N,N’−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニル]ヒドラジン等があげられる。
【0044】透明支持体1に形成した紫外線吸収層5の
上には、ITOや酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛
アルミニウム等の透明導電性物質を真空蒸着やスパッタ
リンク法等で被覆し、この被覆膜を所望のパターンにエ
ッチング処理して陽極2とする。そして、この陽極2の
上にホール注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等を含
む有機化合物層3を積層させる。
【0045】ここで、有機化合物層3は、(a)発光層
単層型、(b)少なくとも1層以上から構成されるホー
ル注入輸送層/発光層型、(c)発光層/少なくとも1
層以上から構成される電子注入輸送層型、(d)少なく
とも1層以上から構成されるホール注入輸送層/発光層
型の少なくとも1層以上から構成される電子注入輸送層
型等から構成されている。積層方法は蒸着により形成し
てもよいし、必要に応じて高分子結着剤を用いた任意の
溶媒塗布法により形成してもよい。
【0046】上記のホール注入輸送層材料としては従来
公知のものが用いられ、例えば図5示した化合物があげ
られる。また、上記の発光層材料としては従来公知のも
のが用いられ、例えば図6に示した化合物があげられ
る。また、上記の電子注入輸送層材料としては従来公知
のものが用いられ、例えば図7に示した化合物があげら
れる。
【0047】次に陰極4を有機化合物層3の上に形成す
る。陰極4の材料としては仕事関数の小さい金属、例え
ば、Li,Na,Mg,Ca,Sr,Al,Ag,I
n,Sn,Zn,Zr等の金属元素単体あるいはこれら
の合金が用いられる。形成方法としては抵抗加熱法、電
子ビーム法による共蒸着や、あるいは合金ターゲットを
使用したスパッタリング法を用いてもよい。
【0048】ホール注入輸送層の厚さ、発光層の厚さ、
電子注入輸送層の厚さは特に制限されるものではなく、
形成方法や各層を構成しているものによっても異なる
が、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmと
することが望ましい。
【0049】さらに必要に応じて、有機化合物、電極の
酸化を防ぐため素子上にSiO2などの酸化物やMgF3
などの沸化物、もしくはGeSやSnS等の硫化物等に
よる封止層を設けてもよい。また図2に示すように、紫
外線吸収層5を背面電極側の外表面に設けて封止層5'
として併用してもよい。さらに背面電極側に設けた紫外
線吸収層5の上に封止層をさらに重ねてもよい。また、
必要に応じて紫外線吸収層5に保護層を設けてもよい。
保護層としては従来公知の疎水性樹脂、紫外線硬化樹脂
や電子線硬化性樹脂を用いることができるが紫外線吸収
層と同じ樹脂を用いるのが好ましい。
【0050】また必要に応じて各種の耐光助剤、たとえ
ば前記紫外線吸収剤、蛍光増白剤等を用いてもよい。蛍
光増白剤の具体例としては、例えばピラゾリン誘導体、
クマリン誘導体、スチルベン誘導体などがあり、これら
を単独、あるいは2種類以上混合して用いることができ
る。あるいは以上の各耐光助剤の骨格をペンダントした
高分子をバインダーとして単独、あるいは他の樹脂と併
用することもできる。
【0051】保護層、紫外線吸収層では必要に応じて充
填剤を使用してよい。具体例としてはホスフェートファ
イバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、
ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カ
ルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状水酸
化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、
焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の無機フィラーや
架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン共重合体
粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸メチ
ルアクリレート樹脂粒子、グアナミンーホルムアルデヒ
ド共重合体粒子、メラミンーホルムアルデヒド共重合体
粒子等の有機フィラーが挙げられる。
【0052】図3及び図4は、それぞれ本発明のEL素
子の別の実施形態を示す概略構成図である。これらは、
透明支持体1における紫外線吸収層5の形成面とは反対
側の表面に、陽極2、有機化合物層3、陰極4を順に形
成したもので、図3は紫外線吸収層における封止層のな
い構成を示し、また図4は上記の紫外吸収層5と同材料
による封止層5'を設けた構成を示している。
【0053】以下に本発明の第1の実施形態に係わる具
体的な実施例を説明する。 (実施例1−1)まず透明支持体として厚さ1.1mm
のアクリルガラスを用いた。次に10%ポリビニルアセ
トアセタール樹脂溶解液(溶媒:メチルエチルケトン
(以下MEK)):2−ヒドロキシ−4−n−オクトキ
シベンゾフェノン:MEK=33:2:65の重量比で
混ぜ合わせ、ボールミルで粒子径0.3μmまで粉砕・分
散し、ガラス基板状に1μmの紫外線吸収層を形成し
た。これにITOを1200Å、ホール注入輸送層とし
て前記化合物HTM−1を100Å、発光層として前記
化合物EM−1を150Å、第二電子注入輸送層及び第
一電子注入輸送層としてETM−5、ETM−11をそ
れぞれ200Å、250Å蒸着した。さらに基板上にマ
スクをセットし、Mg:Ag=10:1の蒸着速度比で
陰極合金を2000Å形成して2×2mmの有機EL素
子を作製した。
【0054】(実施例1−2)実施例1−1で透明支持
体上に紫外線吸収層を形成した後、紫外線吸収層にある
面と反対側の面にITO、有機化合物層、陰極を実施例
1−1と同じ方法で形成し有機EL素子を作製した。
【0055】(実施例1−3)実施例1−2と同じ方法
で紫外線吸収層を形成した後、シリカ粉末:10%ポリ
ビニルアセトアセタール樹脂溶解液(溶媒:MEK):
シリコン変成ポリビニルブチラール(固形分12.5
%):MEK=5.5:5.5:21:68の重量比で調
整した保護層溶液をボールミルで粒子径0.3μmまで
粉砕・分散し、紫外線吸収層上に1μmの保護層を形成
した以外実施例2と同じ方法で有機EL素子を作成し
た。
【0056】(実施例1−4)実施例1−1で作製した
有機EL素子の背面電極側にも紫外線吸収層を形成し
た。
【0057】(実施例1−5)実施例1−2で作製した
有機EL素子の背面電極側にも紫外線吸収層を形成し
た。
【0058】(実施例1−6)実施例1−3で作製した
有機EL素子の背面電極側にも紫外線吸収層、保護層を
形成した。
【0059】(実施例1−7)10%ポリビニルアセト
アセタール樹脂溶解液(溶媒:メチルエチルケトン(以
下MEK)):2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン:α−トコフェロール:MEK=33:
2:1:65の重量比で紫外線吸収層を形成した以外実
施例6と同じ方法で有機EL素子を形成した。
【0060】(実施例1−8)10%ポリビニルアセト
アセタール樹脂溶解液(溶媒:メチルエチルケトン(以
下MEK)):2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン:ペンタエリスリチルテトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]:MEK=33:2:1:65の重量
比で紫外線吸収層を形成した以外実施例6と同じ方法で
有機EL素子を形成した。
【0061】(比較例1−1)紫外線吸収層5を形成し
なかった以外は、実施例1−1と同じ方法で有機EL素
子を形成した。
【0062】実施例1−1ないし1−8、及び比較例1
−1で作製した有機EL素子がそれぞれ直流30mA/
cm2の電流密度で駆動すると300cd/m2以上の輝
度があることを確認した後、大気中で透明支持体面を上
にして晴天の日に太陽光に露光した後、電流を流し発光
するかどうか複数の露光時間で複数の人間が黙視で確認
し5段階で評価した。結果を以下の表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】上記表1より、本発明の有機アミンを含む
紫外線吸収層を有機EL素子に形成することにより、耐
久性に優れた有機EL素子を提供することができること
がわかる。
【0065】〔実施形態2〕次に透明支持体上に陽極及
び陰極とこれらの間に挟持された単層または複数層の有
機化合物層より構成される有機EL素子にN−1置換ア
ニリン誘導体を含む紫外線吸収層を設けた有機EL素子
の製造方法及び該方法を用いた有機EL素子について説
明する。
【0066】本発明によれば、透明支持体上に陽極及び
陰極とこれらの間に挟持された単層または複数層の有機
化合物層より構成される有機EL素子において陽極と透
明支持体間もしくは透明支持体の陽極とは反対の面に下
記一般式(1)で示されるN−1置換アニリン誘導体を
含む紫外線吸収層を設けることを特徴とする有機EL素
子が提供される。
【0067】
【数5】
【0068】(ここでR1は枝分かれしていてもよいア
ルキル基またはアルケニル基、R2〜R 6はそれぞれ独立
に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基ア
リールチオ基を示す。あるいは隣接部位と共に連結され
て環を形成しても良い)
【0069】一般的な脂肪族アミン化合物は塩基性が高
いため、塗布液の増粘や凝集が起こり易く、紫外線吸収
層の形成が困難であった。そのような変化が起きないも
のでも、耐光性の寿命は短い。ジフェニルアミン化合物
やトリフェニルアミン類はそのような増粘は起きないが
耐光性の効果は小さい。N,N−ジアルキルアニリンは
少量での効果は大きいが同時に耐熱性の低下が著しい。
ところが、一般式(1)で示されるN−1置換アニリン
誘導体はそのような弊害が少なく、紫外線吸収層の形成
が容易かつ少量で大きな耐光性の効果が得られる。
【0070】本発明におけるN−1置換アニリン誘導体
は、窒素上にアリール基、アルキル基、水素原子が1つ
づつ置換した2級アミンである。アルキル鎖の長さが短
いと反応活性があり、また安全の面からも好ましくな
い。また、あまり長くなると耐光性への効果が発現しな
くなる。したがってアルキル鎖を構成する炭素原子は4
〜22であることが好ましい。直鎖アルキル基としては
ブチン、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデ
シル、テトラデシル、オクタデシル、エイコシル、ベヘ
ニルなどがあげられる。枝分かれしたものではiso-
ブチル、tert-ブチル、2―エチルヘキシル、tert-テト
ラデシルなどが挙げられる。
【0071】また、上記アルキル基に対してさらに置換
基があっても良く、たとえばハロゲン原子、水酸基、ニ
トロ基等の置換基を有していてもよい。本発明のN−1
置換アニリンの具体例としてはN−n−ブチルアニリ
ン、N−iso−ブチルアニリン、N−tert−ブチ
ルアニリン、N−n−ペンチルアニリン、N−ヘキシル
アニリン、N−オクチルアニリン、N−デシルアニリ
ン、N−ドデシルアニリン、N−オクタデシルアニリ
ン、N−ベヘニルアニリン等が挙げられる。こられの化
合物のうち、R1における窒素原子に隣接した炭素が3
級以上であると、立体障害で効果が若干薄れるため2級
であることが好ましく、特にそれらの中でもN−iso
―ブチルアニリンが最も好ましい。
【0072】本発明の有機EL表示装置の製造方法を、
前述の例と同様に図1を参照して説明する。本実施の形
態は、第1の実施の形態において、紫外線吸収層5とし
て、N−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収層を形
成したことを特徴とするものである。まず図1に示すよ
うに、透明支持体(1)上にN−1置換アニリン誘導体
を含む紫外線吸収層(6)を形成する。透明支持体とし
ては透明なガラスまたはポリエチレンテレフタラート、
ポリエチレンナフタレートのような透明樹脂フイルムを
用いる。
【0073】上記透明樹脂フィルムの片面にN−1置換
アニリン誘導体を含有する樹脂溶解液等を用いてN−1
置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収層を形成する。N
−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収層の形成方法
は特に制限はなく従来公知の方法で形成でき、たとえば
溶媒塗布法(キャスト法、スピンコート法、ブレードコ
ート法、ディッピング法等)やワイヤーバーを用いた方
法があげられる。
【0074】上記樹脂溶解液に用いる樹脂としては、透
明性の観点から樹脂の屈折率が透明支持体の屈折率との
比で0.8〜1.2の範囲に入る材料を用いるのが好まし
い。樹脂の具体例としてポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等がある。また樹
脂と共に架橋剤を用いてもよい。
【0075】架橋剤の具体例としては、イソシアナート
化合物、エポキシ化合物等、従来から公知の化合物を使
用することができる。イソシアナート化合物の具体例と
してはトルイレンジイソシアナート、その2量体、ジフ
ェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェ
ニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、ポリイソシアナート及びこれらの誘導体等分子中に
イソシアナート基を2個以上有する化合物が挙げられ
る。またエポキシ化合物の具体例としてはエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エ
ポキシアクリレート等が挙げられる。さらに高分子型紫
外線吸収剤を樹脂として用いることもできる。
【0076】さらにN−1置換アニリン誘導体を含む紫
外線吸収層に酸化防止剤を添加することにより、より素
子の劣化を防ぐことができることを見出した。本発明で
用いられる酸化防止剤としては公知の種々の化合物を使
用でき、例えば、L−アスコルビン酸及びそのエステ
ル、D−アスコルビン酸及びそのエステル、α−トコフ
ェロール、セザモール等がある。勿論、これらに限定さ
れるものではなく、また二種以上併用することもでき
る。
【0077】特に効果の高い酸化防止剤としては、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤があり、具体例として
は、2−メチルフェノール、2,6−ジメチルフェノー
ル、2,4,6−トリメチルフェノール、2,6−ジメ
チル−4−オクチルフェノール、2−t−ブチルフェノ
ール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4,6
−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−オクチルフェノール、トリエチレングリコール
ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プピオネート]、1,6−ヘキサンジオ
ールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペン
タエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサ
メチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シシンナマイド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルフォスフォネートジエチルエステル、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス[(オクチ
ルチオ)メチル]−o−クレゾール、N,N’−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル]ヒドラジン等が挙げられる。
【0078】また、N−1置換アニリン誘導体を含む紫
外線吸収層にさらにベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外
線安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤の中から少なく
とも1種を添加するとさらに劣化が抑えられることを見
出した。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては公知の
種々の化合物を使用でき、例えば、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−
ジメトキシベンゾフェノン等がある。
【0079】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、公知の種々の化合物を使用でき、2−(5−メチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(5−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−t−
オクチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、等が挙げられるが、これに限ったものではない。
【0080】光安定剤としてはベンゾエート系化合物、
例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−
ジ−t−ペンチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンゾエートなどがげられる。ベンゼン
環の2位にヒドロキシ置換基を持つサリチル酸、及びそ
のエステル骨格を有していても良い。ヒンダードアミン
系光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、4−ベ
ンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、等が挙げられるが、ピペリジル骨格を有している
ならばこれに限ったものではない。
【0081】図1に戻って有機EL表示素子について説
明を続ける。N−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸
収層の上にITOや酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜
鉛アルミニウム等の透明導電性物質を真空蒸着やスパッ
タリング法等で被覆して陽極2とする。次に陽極を所望
のパターンにエッチング処理した後ホール注入輸送層、
発光層、電子注入輸送層等を含む有機化合物層3を積層
させる。ここで、有機化合物層は、(a)発光層単層
型、(b)少なくとも1層以上から構成されるホール注
入輸送層/発光層型、(c)発光層/少なくとも1層以
上から構成される電子注入輸送層型、(d)少なくとも
1層以上から構成されるホール注入輸送層/発光層型の
少なくとも1層以上から構成される電子注入輸送層型等
から構成されている。積層方法は蒸着により形成しても
よいし、必要に応じて高分子結着剤をもちいた任意の溶
媒塗布法により形成してもよい。
【0082】上記のホール注入輸送層材料としては従来
公知のものが用いられ、例えば前述した図5に示した化
合物があげられる。また上記の発光層材料としては従来
公知のものが用いられ、例えば前述した図6に示した化
合物があげられる。また上記の電子注入輸送層材料とし
ては従来公知のものが用いられ、例えば前述した図7に
示した化合物があげられる。
【0083】そして陰極4を有機化合物層の上に形成す
る。陰極4の材料としては仕事関数の小さい金属、例え
ば、Li,Na,Mg,Ca,Sr,Al,Ag,I
n,Sn,Zn,Zr等の金属元素単体あるいはこれら
の合金が用いられる。形成方法としては抵抗加熱法、電
子ビーム法による共蒸着や、あるいは合金ターゲットを
使用したスパッタリング法を用いてもよい。
【0084】ホール注入輸送層の厚さ、発光層の厚さ、
電子注入輸送層の厚さは特に制限されるものではなく、
形成方法や各層を構成しているものによっても異なる
が、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmと
することが望ましい。
【0085】さらに必要に応じて有機化合物層3、電極
の酸化を防ぐため素子上にSiO2などの酸化物やMg
3などの沸化物、GeSやSnS等の硫化物等による
封止層を設けてもよい。また図2に示すように、紫外線
吸収層5を背面電極側の外表面に設け封止層5'として
併用してもよい。さらに背面電極側に設けた紫外線吸収
層5の上に封止層をさらに重ねてもよい。また、必要に
応じて紫外線吸収層5に保護層を設けてもよい。
【0086】保護層としては、従来公知の疎水性樹脂、
紫外線硬化樹脂や電子線硬化性樹脂を用いることができ
るが、紫外線吸収層と同じ樹脂を用いるのが好ましい。
必要に応じて各種の耐光助剤、たとえば前記紫外線吸収
剤、蛍光増白剤等を用いてもよい。蛍光増白剤の具体例
としては、例えばピラゾリン誘導体、クマリン誘導体、
スチルベン誘導体などがあり、これらを単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。あるいは以上
の各耐光助剤の骨格をペンダントした高分子をバインダ
ーとして単独、あるいは他の樹脂と併用することもでき
る。
【0087】保護層、紫外線吸収層では必要に応じて充
填剤を使用するとよい。具体例としてはホスフェートフ
ァイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウ
ム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭
酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状
水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タル
ク、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の無機フィラ
ーや架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン共重
合体粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸
メチルアクリレート樹脂粒子、グアナミンーホルムアル
デヒド共重合体粒子、メラミンーホルムアルデヒド共重
合体粒子等の有機フィラーが挙げられる。
【0088】また、第1の実施の形態と同様に、本発明
の別の形態として図3、4に示すような透明支持体にお
けるN−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収層の形
成面とは反対側に、陽極2、有機化合物層3、陰極4を
順に形成してもよい。
【0089】(実施例2−1)まず透明支持体として厚
さ1.1mmのアクリルガラスを用いた。次に10%ポ
リビニルアセトアセタール樹脂溶解液(溶媒:メチルエ
チルケトン(以下MEK)):N−iso―ブチルアニ
リン(窒素に隣接の炭素は2級):MEK=33:2:
65の重量比で混ぜ合わせ、ボールミルで粒子径0.2μ
mまで粉砕・分散し、ガラス基板状に1μmの紫外線吸
収層を形成した。
【0090】これに紫外線吸収層と反対側にITOを1
200Å、ホール注入輸送層として前記化合物HTM−
1を100Å、発光層として前記化合物EM−1を15
0Å、第二電子注入輸送層及び第一電子注入輸送層とし
てETM−5、ETM−11をそれぞれ200Å、25
0Å蒸着した。さらに基板上にマスクをセットし、M
g:Ag=10:1の蒸着速度比で陰極合金を2000
Å形成し2×2mmの有機EL素子を作製した。
【0091】(実施例2−2)実施例2−1でN−is
o−ブチルアニリンの代わりにN−tert−ブチルア
ニリン(窒素に隣接の炭素は4級)を使用した以外は、
上記実施例2−1と同じ方法で有機EL素子作成した。
【0092】(実施例2−3)実施例2−1でN−is
o−ブチルアニリンの代わりにN−ドデシルアニリン
(窒素に隣接の炭素は2級)を使用した以外は、上記実
施例1と同じ方法で有機EL素子作成した。
【0093】(実施例2−4)実施例2−1で透明支持
体上に紫外線吸収層を形成した後、紫外線吸収層上にI
TO、有機化合物層、陰極を実施例2−1と同じ方法で
形成して有機EL素子を作製した。
【0094】(実施例2−5)上記実施例2−1と同じ
方法で紫外線吸収層を形成した後、シリカ粉末:10%
ポリビニルアセトアセタール樹脂溶解液(溶媒:ME
K):シリコン変成ポリビニルブチラール(固形分1
2.5%):MEK=5.5:5.5:21:68の重量
比で調整した保護層溶液をボールミルで粒子径0.3μ
mまで粉砕・分散し、紫外線吸収層上に1μmの保護層
を形成した以外は、実施例2−2と同じ方法で有機EL
素子を作成した。
【0095】(実施例2−6)10%ポリビニルアセト
アセタール樹脂溶解液(溶媒:メチルエチルケトン(以
下MEK)):2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン:α―トコフェロール:MEK=33:
2:1:65の重量比で紫外線吸収層を形成した以外
は、上記実施例5と同じ方法で有機EL素子を形成し
た。
【0096】(実施例2−7)10%ポリビニルアセト
アセタール樹脂溶解液(溶媒:メチルエチルケトン(以
下MEK)):2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン:ペンタエリスリチルテトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]:MEK=33:2:1:65の重量
比で紫外線吸収層を形成した以外は、実施例2−5と同
じ方法で有機EL素子を形成した。
【0097】(実施例2−8)シリカ粉末:10%ポリ
ビニルアセトアセタール樹脂溶解液(溶媒:MEK):
シリコン変成ポリビニルブチラール(固形分12.5
%):クマリン:MEK=5.5:5.5:21:5:
68の重量比で保護層を形成した以外実施例2−7と同
じ方法で有機EL素子を作成した。
【0098】(実施例2−9)実施例2−8で作製した
有機EL素子の背面電極側にも保護層を形成した。
【0099】(比較例2−1)紫外線吸収層を形成しな
かった以外は、上記実施例2−1と同じ方法で有機EL
素子を形成した。
【0100】(比較例2−2)紫外線吸収層を10%ポ
リビニルアセトアセタール樹脂溶解液(溶媒:ME
K):N−iso―ブチルアニリン:MEK=33:
2:65の重量比で混ぜ合わせたものを用いた以外は、
実施例1と同じ方法で有機EL素子を作成した。
【0101】実施例2−1ないし2−8、及び比較例2
−1、2−2で作製した有機EL素子がそれぞれ直流3
0mA/cm2の電流密度で駆動すると300cd/m2
以上の輝度があることを確認した後、大気中で透明支持
体面を上にして晴天の日に太陽光に露光した後、電流を
流して発光するかどうか複数の露光時間で複数の人間が
黙視で確認し5段階で評価した。この結果を表2に示
す。
【0102】
【表2】
【0103】(実施例2−10)上記実施例2−9で作
成した有機EL素子をアルミ蒸着防湿袋(Fineラミ
ジップ:ポリエステル−アルミニウム−ポリエチレン積
層)に入れて密封した後5,000ルクス照射下2週間
放置したところ光照射前と同じ輝度の発光が得られた。
【0104】表2より本発明の有機アミンを含む紫外線
吸収層を有機EL素子に形成することにより耐久性に優
れた有機EL素子を提供することができることがわか
る。
【0105】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、有機物を含む
紫外線吸収層を形成することにより有機化合物層の劣化
を防ぐことができ、有機EL素子の耐久性を向上させる
ことができる。
【0106】請求項2の発明によれば、有機物を含む紫
外線吸収層を形成することにより有機化合物層の劣化を
防ぐことができ、有機EL素子の耐久性を向上させるこ
とができる。
【0107】請求項3の発明によれば、有機物を含む紫
外線吸収層、及び該紫外線吸収層に対して保護層を形成
することにより有機化合物層の劣化を防ぐことができ、
有機EL素子の耐久性を向上させることができる。
【0108】請求項4の発明によれば、有機物を含む紫
外線吸収層を形成し、さらに封止層として使用すること
により有機化合物層の劣化を防ぐことができ、有機EL
素子の耐久性を向上させることができる。
【0109】請求項5の発明によれば、有機物を含む紫
外線吸収層、および該紫外線吸収層に対して保護層を形
成し、これらの少なくとも一方を封止層として使用する
ことにより有機化合物層の劣化を防ぐことができ、有機
EL素子の耐久性を向上させることができる。
【0110】請求項6の発明によれば、有機物を含む紫
外線吸収層を形成し、さらに封止層として使用して、さ
らに保護層を設けることにより有機化合物層の劣化を防
ぐことができ有機EL素子の耐久性を向上させることが
できる。
【0111】請求項7の発明によれば、酸化防止剤を含
む有機物を含む紫外線吸収層を形成することにより有機
化合物層の劣化を防ぐことができ、有機EL素子の耐久
性を向上させることができる。
【0112】請求項8の発明によれば、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤を含む有機物を含む紫外線吸収層を
形成することにより有機化合物層の劣化を防ぐことがで
き、有機EL素子の耐久性を向上させることができる。
【0113】請求項9の発明によれば、透明支持体にア
クリルガラスを使用することにより可視光を遮断せず色
認識の高い有機EL素子を提供することができる。
【0114】請求項10の発明によれば、透明支持体に
透明樹脂フイルムを使用することにより可視光を遮断せ
ず色認識の高い有機EL素子を提供することができる。
【0115】請求項11の発明によれば、N−1置換ア
ニリン誘導体を含む紫外線吸収層を形成することにより
有機化合物層の光劣化を防ぐことができ、有機EL素子
の耐久性を向上させることができる。
【0116】請求項12の発明によれば、N−1置換ア
ニリン誘導体含む紫外線吸収層を形成することにより有
機化合物層の光劣化を防ぐことができ、有機EL素子の
耐久性を向上させることができる。
【0117】請求項13の発明によれば、N−1置換ア
ニリン誘導体を含む紫外線吸収層が酸化防止剤を含むこ
とにより有機化合物層の光劣化を防ぐことができ有機E
L素子の耐久性を向上させることができる。
【0118】請求項14の発明によれば、N−1置換ア
ニリン誘導体を含む紫外線吸収層がヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤を含むことにより有機化合物層の光劣化
を防ぐことができ、有機EL素子の耐久性を向上させる
ことができる。
【0119】請求項15の発明によれば、窒素に隣接す
る炭素が第2級であるN−1置換アニリン誘導体を含む
紫外線吸収層を形成することにより有機化合物層の光劣
化を防ぐことができ、有機EL素子の耐久性を向上させ
ることができる。
【0120】請求項16の発明によれば、N−iso-
ブチルアニリン含む紫外線吸収層を形成することにより
有機化合物層の光劣化を防ぐことができ、有機EL素子
の耐久性を向上させることができる。
【0121】請求項17の発明によれば、N−1置換ア
ニリン誘導体を含む紫外線吸収層を形成し、さらに封止
層として使用することにより有機化合物層の劣化を防ぐ
ことができ、有機EL素子の耐久性を向上させることが
できる。
【0122】請求項18の発明によれば、N−1置換ア
ニリン誘導体を含む紫外線吸収層が保護層を持つことに
より有機化合物層の光劣化を防ぐことができ、有機EL
素子の耐久性を向上させることができる。
【0123】請求項19の発明によれば、N−1置換ア
ニリン誘導体を含む紫外線吸収層が蛍光増白剤を含む保
護層を持つことにより有機化合物層の光劣化を防ぐこと
ができ、有機EL素子の耐久性を向上させることができ
る。
【0124】請求項20の発明によれば、透明支持体に
アクリルガラスを使用することにより可視光を遮断せず
色認識の高い有機EL材料を提供できる。
【0125】請求項21の発明によれば、透明支持体に
透明樹脂フイルムを使用することにより可視光を遮断せ
ず色認識の高い有機EL材料を提供できる。
【0126】請求項22の発明によれば、遮光かつ防湿
能を有する袋中に密閉することにより、有機EL素子の
保存を可能とする。
【0127】請求項23の発明によれば、紫外線吸収層
を用いた耐久性の高い有機EL素子を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機EL素子の一例を説明するため
の概略構成図である。
【図2】 本発明の有機EL素子の他の例を説明するた
めの概略構成図である。
【図3】 本発明の有機EL素子の更に他の例を説明す
るための概略構成図である。
【図4】 本発明の有機EL素子の更に他の例を説明す
るための概略構成図である。
【図5】 本発明に適用して好適なホール注入輸送層材
料の例を示す図である。
【図6】 本発明に適用して好適な発光層材料の例を示
す図である。
【図7】 本発明に適用して好適な電子注入輸送層材料
の例を示す図である。
【符号の説明】
1…透明支持体、2…陽極、3…有機化合物層、4…陰
極、5…紫外線吸収層、5'…封止層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 Z

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に陽極、陰極及び該陽極と
    陰極との間に挟持された単層または複数層の有機化合物
    層が設けられた構成を少なくとも有する有機EL素子の
    製造方法において、前記透明支持体の表面に有機物を含
    む紫外線吸収層を形成するステップと、該紫外線吸収層
    の上に前記陽極層、前記有機化合物層、及び前記陰極層
    を順に積層するステップとを有することを特徴とする有
    機EL素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 透明支持体上に陽極、陰極及び該陽極と
    陰極との間に挟持された単層または複数層の有機化合物
    層が設けられた構成を少なくとも有する有機EL素子の
    製造方法において、前記透明支持体上に有機物を含む紫
    外線吸収層を形成するステップと、前記透明支持体にお
    ける該紫外線吸収層の形成面とは反対側の表面に前記陽
    極層、前記有機化合物層、及び陰極層を順に積層するス
    テップとを有することを特徴とする有機EL素子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 透明支持体上に陽極、陰極及び該陽極と
    陰極との間に挟持された単層または複数層の有機化合物
    層が設けられた構成を少なくとも有する有機EL素子の
    製造方法において、前記透明支持体上に有機物を含む紫
    外線吸収層を形成するステップと、前記紫外線吸収層の
    上に保護層を設けるステップと、前記透明支持体におけ
    る該紫外線吸収層の形成面とは反対側の表面に前記陽極
    層、前記有機化合物層、及び前記陰極層を順に積層する
    ステップとを有することを特徴とする有機EL素子の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1に記載の
    EL素子の製造方法において、前記紫外線吸収層を形成
    した材料によって前記陽極層、前記有機化合物層、及び
    前記陰極層よりなる積層体を封止する封止層を形成する
    ステップをさらに有することを特徴とする有機EL素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のEL素子の製造方法に
    おいて、前記紫外線吸収層を形成した材料または前記保
    護層を形成した材料によって前記陽極層、前記有機化合
    物層、及び前記陰極層よりなる積層体を封止する封止層
    を形成するステップをさらに有することを特徴とする有
    機EL素子。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の有機EL素子の製造方
    法において、前記紫外線吸収層上及び前記封止層のそれ
    ぞれの上に保護層を形成することを特徴とする有機EL
    素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1に記載の
    有機EL素子において、前記紫外吸収層に酸化防止剤を
    添加することを特徴とする有機EL素子。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の有機EL素子におい
    て、前記酸化防止剤は、少なくともヒンダードフェノー
    ル系酸化防止剤を含むことを特徴とする有機EL素子。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1に記載の
    有機EL素子において、前記透明支持体は、アクリルガ
    ラスであることを特徴とする有機EL素子。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれか1に記載
    の有機EL素子において、前記透明支持体は、透明樹脂
    フイルムであることを特徴とする有機EL素子。
  11. 【請求項11】 透明支持体上に陽極、陰極及び該陽極
    と陰極との間に挟持された単層または複数層の有機化合
    物層が設けられた構成を少なくとも有する有機EL素子
    の製造方法において、前記透明支持体の表面に一般式 【数1】 で示されるN−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収
    層を設けるステップと、該紫外線吸収層の上に前記陽極
    層、前記有機化合物層、及び前記陰極層を順に積層する
    ステップとを有することを特徴とする有機EL素子の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 透明支持体上に陽極、陰極及び該陽極
    と陰極との間に挟持された単層または複数層の有機化合
    物層が設けられた構成を少なくとも有する有機EL素子
    の製造方法において、前記透明支持体における該紫外線
    吸収層の形成面とは反対側の表面に一般式 【数2】 で示されるN−1置換アニリン誘導体を含む紫外線吸収
    層を設けるステップと、該紫外線吸収層の上に前記陽極
    層、前記有機化合物層、及び前記陰極層を順に積層する
    ステップとを有することを特徴とする有機EL素子の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11または12に記載の有機E
    L素子の製造方法において、前記紫外線吸収層は、酸化
    防止剤を含むことを特徴とする有機EL素子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の有機EL素子の製
    造方法において、前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノ
    ール系酸化防止剤であることを特徴とする有機EL素子
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項11ないし14のいずれか1に
    記載の有機EL素子の製造方法において、前記N−1置
    換アニリン誘導体のR1の窒素に隣接する炭素が第2級
    であることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項11ないし15のいずれか1に
    記載の有機EL素子の製造方法において、前記アニリン
    誘導体は、N−iso−ブチルアニリンであることを特
    徴とする有機EL素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項11ないし16のいずれか1に
    記載の有機EL素子の製造方法において、前記紫外線吸
    収層を形成した材料によって前記陽極層、前記有機化合
    物層、及び前記陰極層よりなる積層体を封止する封止層
    を形成するステップをさらに含むことを特徴とする有機
    EL素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の有機EL素子の製
    造方法において、前記紫外線吸収層上に保護層を形成す
    るステップをさらに含むことを特徴とする有機EL素子
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の有機EL素子の製
    造方法において、前記保護層は、蛍光増白剤を含むこと
    を特徴とする有機EL素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項11ないし19のいずれか1に
    記載の有機EL素子の製造方法において、前記透明支持
    体は、アクリルガラスであることを特徴とする有機EL
    素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項11ないし19のいずれか1に
    記載の有機EL素子の製造方法において、前記透明支持
    体は、透明樹脂フイルムであることを特徴とする有機E
    L素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項11ないし21のいずれか1に
    記載の有機EL素子の製造方法において、該有機EL素
    子を製品形態で遮光かつ防湿能を有する袋中に密閉する
    ステップをさらに有することを特徴とする有機EL素子
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし22のいずれか1に記
    載の有機EL素子の製造方法にて製造されたことを特徴
    とする有機EL素子。
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