JP2002184342A - パターン境界を均一膜厚に形成する荷電粒子加工 - Google Patents
パターン境界を均一膜厚に形成する荷電粒子加工Info
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Abstract
を用いて所定パターンのデポジション加工またはエッチ
ング加工を施す場合に、パターン境界領域の鈍りが出な
い均一な加工を実現し、複数のパターン加工を同時に実
行出来る効率的な加工方法並びにその装置を提供するこ
とである。 【解決手段】 本発明の加工方法は、荷電粒子ビーム装
置を用いて所定パターンのデポジション加工またはエッ
チング加工を施すときに、該パターン加工領域をビーム
の径に相当する微小領域に区分し、均一加工を施す場合
には該微小領域毎のドーズ量が等しくなるように走査回
数等を調整すると共に、走査可能領域内の複数パターン
について同時に加工が進行するように荷電粒子ビームの
照射走査を行う。
Description
った荷電粒子の集束ビームを用いた成膜、エッチング加
工に関する技術である。
を用いたスパッタエッチングやガスアシストエッチング
によって、試料面に所望形状の穴を開けたり、ガス銃か
ら原料ガスを吹き付けながら集束イオンビームを照射し
てデポジションを施したりする集束イオンビーム加工
は、半導体デバイスのフォトマスク等に対して広く実施
されている技術である。図中の1はイオン源でありここ
から引出し電極に印加された電圧によりイオンが引出さ
れ、イオン光学系3によってビーム状に絞られ、デフレ
クタによって偏向作用を受け試料9の所望個所に照射さ
れる。デポジションによる加工の場合、試料ステージ7
に載置されたデポジションを施す試料9の面近傍に向け
てガス銃6から原料ガスを吹き付ける。すると試料9の
当該領域は吹きつけられた原料ガス雰囲気状態となり、
ここに集束イオンビーム2が照射されるとイオンと原料
ガスとが反応し、ある生成物は揮発しある生成物は試料
面上に堆積する。集束イオンビーム2がデフレクタによ
って試料9の所定領域を走査されたときには堆積物がそ
の領域に薄膜を形成する。スパッタエッチングによる加
工の場合は、試料9の特定領域にイオンビームが照射さ
れるようにデフレクタ4によってビームが偏向走査され
ると、その領域の試料表面がイオンの衝撃を受け、表面
素材が削られ飛散する。この作用によって、特定個所を
削り取る加工である。試料の照射領域にガス銃6からハ
ロゲン等のガスを吹き付けつつイオンビームを照射する
ガスアシストエッチングによる加工は、特定された照射
領域の試料表面がイオンの衝撃を受け、はじき出された
試料素材がアシストガスと反応して揮発する。この加工
は試料素材が積極的に揮発除去されるため、物理的に単
純に削り取るスパッタエッチングに比べ、加工速度が各
段に速い特徴を持つ。
しようと当該パターンの照射領域を設定してデポジショ
ンを実行したとき、イオンビームの加速電圧、ビーム電
流を一定状態に保ち走査回数を同じにしても、パターン
の周辺部分の厚みは薄く形成されてしまう。また、試料
面にあるパターンの穴を開ける加工をしようとして当該
パターンの照射領域を設定してスパッタエッチングを実
行したとき、イオンビームの加速電圧、ビーム電流を一
定状態に保ち走査回数を同じにしても、パターンの周辺
部分は鈍って傾斜して形成されてしまう。ガスアシスチ
エッチングにおいても全く同様である。この現象の原因
は集束イオンビームが、均一なイオン密度ではなく図1
のAに示すように正規分布のようなイオン密度分布を有
しているためである。いま、このような正規分布を持つ
集束イオンビームが一方向に走査されたときのことを考
える。ある時点でa点に一定時間集束イオンビームを照
射した後、ビーム径相当の間隔で一方向にシフトして同
じ時間照射を実行し、更にビーム径相当の間隔で同じ方
向にシフトして同じ時間照射を実行する。この動作を順
次繰返しb点まで走査したとする。集束イオンビームは
正規分布のようなイオン密度分布を有しているため、あ
る点にビーム中心が存在していないとき、すなわち次の
ステップでビーム中心がくる時点或いはさらにもうひと
つ前のステップにおいて既にいくらかのイオンビームの
照射を受けることになる。したがって、ある点が受ける
イオンビームの照射量はこれらビーム中心がその点には
存在しなくても近傍にあるときを含めた積算量というこ
とになる。これをグラフ的に示したものが図1のBであ
り、実線で示したものが各点にビーム中心があったとき
のイオン照射量、破線で示したものが走査後の積算イオ
ン照射量である。このようにパターン端部に当たる走査
開始点近傍の積算イオン照射量は中央部のそれに比べ低
くなっている。また走査終了点近傍もパターン端部に当
たり同様となる。この現象はイオンビームの照射をステ
ップ状に走査した場合ばかりでなくアナログ式に連続走
査した場合でも同様である。また、境界は走査方向に限
らず走査ライン間での境界についても同様であり、二次
元的な現象となる。結局この影響が先のデポジションと
エッチング加工においてパターン周辺部の鈍りとなって
現われるのである。
合が低いので比較的均一な加工がなされるが、小さなパ
ターンのときには境界周辺部の割合が高くなるので加工
不足気味となる。この様子をデポジション加工の例とし
て図2に示す。図2のAにaとして小さいパターンを、
bとして大きいパターンが示されている。小さいパター
においてはその大部分がパターン周辺部の鈍りの影響を
受ける薄塗り領域となり、大きいパターンではパターン
周辺部の鈍りの影響を受ける薄塗り領域は少なく、その
大部分が影響を受けない濃い塗り領域となる。図2のA
中I〜IVで示した各部分の断面を図2のBに示してあ
る。この断面の厚みはイオンビームの照射量に対応して
いる。このため、従来集束イオンビーム装置を用いたデ
ポジションとエッチング加工においては、加工パターン
について均一な厚みあるいは均一な深さの加工を実現す
るために、大きなパターンのときと小さなパターンのと
きとで走査時間を変えて加工を行っている現状があり、
ビーム走査が可能な範囲であってもパターン毎に走査領
域を設定し個別の加工を行うという非効率的な加工をし
ている。
以上の問題点を解決し、集束イオンビーム装置を用いて
所定パターンのデポジション加工またはエッチング加工
を施す場合に、パターン境界領域の鈍りが出ない均一な
加工を実現し、複数のパターン加工を同時に実行出来る
効率的な加工方法並びにその装置を提供することであ
る。
電粒子ビーム装置を用いて所定パターンのデポジション
加工またはエッチング加工を施すときに、該パターン加
工領域をビームの径に相当する微小領域に区分し、均一
加工を施す場合には該微小領域毎のドーズ量が等しくな
るように走査回数等を調整すると共に、走査可能領域内
の複数パターンについて同時に加工が進行するように荷
電粒子ビームの照射走査を行う。
域内のある微小領域へのイオンの照射はイオンビームの
中心が該微小領域に存在しないときにも行われることに
起因して、加工パターンの中央部分に比べ、パターン境
界部分では照射量が少なめになる現象に鑑み、均一な加
工を実現するためにそのパターン境界部分に対しても中
央部分と同じ照射量となるように、調整しようというと
ころに基本的な技術的思想がある。この照射量はドーズ
量と呼ばれ、イオンビームの強さ(密度)と照射時間と
の積で決まる。イオンビームの強さは加速電圧,ビーム
電流に依存し、これが安定であれば照射時間に対応する
物理量となる。集束イオンビーム装置においてこの加速
電圧,ビーム電流と走査速度が設定され、一定とみなせ
る条件のもとでは走査回数によってドーズ量を決めるこ
とができる。したがって、加工パターンの境界部分では
中央部分に比べ、走査回数を多くとることで、均一加工
を実現することができる。
一加工を実行するものとする。図中aは孤立微小パター
ン、bは大きいパターンであるが一部細い帯状部を有し
ている。このようなパターン加工を試料面に施すものと
して、加工領域を集束イオンビームの径に対応する微小
領域、例えば0.2μm×0.2μmの桝目に分割する。パタ
ーン領域を指定してビーム走査を実行したときの、この
分割した個々の微小領域についてのイオンのドーズ量を
比較してみると、図2に薄塗り領域として示したように
パターン境界周辺部では中央部の値(濃い塗り領域とし
て示してある。)より低くなる。そこで本発明ではこの
ドーズ量不足領域に対しては中央部分と同じドーズ量と
なるように走査回数で調整を行うようにするのである
が、これらドーズ量不足領域の各微小領域はどれだけ不
足しているかは該当領域がパターンにおけるどのような
位置にあるかによって異なっている。そこで、次に微小
領域がパターンにおける位置とその場合のドーズ量との
関係について検討しておく。いま、照射が影響するのは
隣接する領域のみと現象を単純化して考え、着目領域を
中心にして隣接3×3の領域の照射の影響を考慮するこ
とにする。そして、ビーム中心が存在する領域には70
%のイオンが照射され、上下左右に隣接する領域には5
%のイオンが、斜め関係で隣接する領域には2.5%が照
射されるものとする。図3において実線でかかれた枡部
分はパターン部分であり、破線でかかれた枡は非パター
ンの試料面である。Aモデルは孤立領域であるが、この
場合にはこの領域にビーム中心が存在したときのみイオ
ンビームの照射を受け、8つの周辺領域にビーム中心が
きてイオン照射がなされることはないので、70%のイ
オンが照射されるだけである。Bモデルは線端部領域
で、この場合にはこの領域にビーム中心が存在したとき
と右の領域にビームに中心があるときのイオンビームの
照射を受けるので、70%+5%=75%のイオンが照
射される。Cモデルは線状領域で、この場合にはこの領
域にビーム中心が存在したときと左右の領域にビームに
中心があるときのイオンビームの照射を受けるので、7
0%+5%×2=80%のイオンが照射される。Dモデ
ルは角部領域で、この場合にはこの領域にビーム中心が
存在したときと右、下そして斜め右下の領域にビームに
中心があるときのイオンビームの照射を受けるので、7
0%+5%×2+2.5%=82.5%のイオンが照射され
る。Eモデルは辺部領域で、この場合にはこの領域にビ
ーム中心が存在したときと右、左、下そして斜め右下と
斜め左下の領域にビームに中心があるときのイオンビー
ムの照射を受けるので、70%+5%×3+2.5%×2
=90%のイオンが照射される。Fモデルは中央領域
で、この場合にはこの領域にビーム中心が存在したとき
と上下左右そして斜め左上、左下、右上、右下の領域に
ビームに中心があるときのイオンビームの照射を受ける
ので、70%+5%×4+2.5%×4=100%のイオンが
照射される。Gモデルは曲部領域で、この場合にはEモ
デルとは一つの斜め領域のイオンビームの照射がないだ
けなので、70%+5%×4+2.5%×3=97.5%のイ
オンが照射される。Hモデルは曲部隣接領域で、この場
合にはEモデルとは左(上)一つの隣接領域と一つの斜
め領域のイオンビームの照射がないので、70%+5%
×3+2.5%×3=92.5%のイオンが照射される。な
お、IモデルはHモデルと同じ条件である。
A乃至Hのモデルを当てはめて中央領域Fモデルと比較
したときのドーズ量の不足を勘案し、走査回数等で積算
ドーズ量が等しくなるように調整して加工を実行する。
このように本発明によるイオンビーム加工はビーム径相
当の微小領域に区分して個々の領域に対して必要な走査
回数を実行するものであるから、従来のようにパターン
領域の大きさに関係なく走査を行えるので、走査可能領
域にある複数のパターンの加工を別個に実施する必要は
なく、しかも加工する厚さ(深さ)がパターン間で異な
っていても同時に加工を進めることができるもので、加
工効率に優れたものである。以上の説明は着目領域を中
心に隣接3×3の領域の照射の影響だけを考慮した単純
な例であるが、実際には5×5或いは7×7の領域の影
響を考慮して多様なモデルによって対応することによ
り、より木目の細かい均一化が可能になる。また、荷電
粒子ビームについては集束イオンビームを例に説明して
きたが、本発明はこれに限らず電子ビームを用いた加工
についても適用出来ることは当然である。
デポジションのシステムの実施例を示す。まず、被加工
試料9を試料ステージ7に載置し、試料面にイオンビー
ム2を走査して弾き出される二次荷電粒子を二次荷電粒
子検出器5で検出し、顕微鏡観察画像をディスプレイ11
上に表示させる。画面上で加工個所を特定し、加工パタ
ーンの設計画像をディスプレイ上に重ねて表示する。次
に加工パターンをイオンビーム径相当の微小領域に区分
し、パターンに対応して各区分に、モデルの割り当てを
実行する。ここでは前述したA乃至Hの単純モデルを割
り当てるものとして説明する。一つの角部と他方の角部
が対峙しているパターンにおいては、パターンの角部に
はDモデルを割り当て該角部間には辺部モデルEを一括
割り当てる。また、角部と曲部が対応している辺には角
部にDモデル、曲部隣接領域にはHモデルそして曲部に
はGモデルを割り当て、その間には辺部モデルEを一括
割り当てる。そして境界の影響を受けない中央領域には
一括してFモデルが割り当てられる。
だけでなくはるかに広い領域に影響を及ぼすので、中央
領域以外の各モデルとも境界領域から中央領域に至るま
での複数区分を群として情報化してコンピューター10内
のROMに準備しておく。このモデル割り当て作業には
コンピューター10内のROMに支援ソフトが準備されて
おり、キーボード等の入力操作部12を操作してディスプ
レイ11上で設計パターンに角部や曲部などの特異点を指
定してやるとその間を辺部モデルが割り当てられ、残り
の領域を中央領域と判定し自動的にモデル割り当てを実
行し、この割り当て情報をコンピュータ10のRAMにマ
ップ情報として格納する。この情報が得られた段階でガ
ス銃6から原料ガスが噴射されると共にパターン領域に
対してイオンビーム2の照射走査が開始され、加工を実
行する。中央領域が所望の加工段階に至ったならば当該
領域へのビーム照射は中止し、周辺領域に対してだけ先
のマップ情報に基いて該当領域の不足分を補充すべくイ
オンビームの照射を続行する。照射量(ドーズ量)が中
央領域のそれに等しくなった領域については順次イオン
ビームの照射を中止する。この照射の中止は走査位置が
当該領域に回ってきたときにイオン光学系3のブランカ
ーによってビームをアパーチャー外に振ってカットす
る。加工パターン内のすべての区分微小領域へ所定ドー
ズ量の照射がなされたならば加工を終了する。
所定パターンのデポジション加工またはエッチング加工
を施すときに、該パターン加工領域をビームの径に相当
する微小領域に区分し、走査回数を調整するするなどし
て該微小領域毎のドーズ量が等しくなるように荷電粒子
ビームの照射を行う加工方法であるから、ビームが荷電
粒子密度において正規分布をしていることに起因してパ
ターン周辺部において生じる加工不足を適正に修正する
ことが出来る。ビーム径相当に区分した微小領域毎の情
報にもとづいて個々の領域毎にビームの照射を制御でき
るので、大きいパターンであっても小さいパターンであ
っても走査可能領域内にある複数パターン加工は同時に
行うことが可能であり、極めて効率的な加工を実現でき
る。
する図であり、Bはパターン端部から中央部にかけての
積算照射量の分布を説明する図である。
における加工状態を説明する図であり、BはAにおける
特定個所の加工断面を示す図である。
ある。
本構成を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 荷電粒子ビーム装置を用いて所定パター
ンのデポジション加工またはエッチング加工を施すとき
に、該パターン加工領域をビームの径に相当する微小領
域に区分し、該微小領域毎のドーズ量が等しくなるよう
に荷電粒子ビームの照射を行う加工方法。 - 【請求項2】 ドーズ量は走査回数によって調整するよ
うにした請求項1に記載の荷電粒子ビームの照射を行う
加工方法。 - 【請求項3】 走査可能領域内の複数パターン加工は同
時に行うようにした請求項1または2に記載の荷電粒子
ビームの照射を行う加工方法。 - 【請求項4】 加工パターンに対してビームを走査して
荷電粒子照射を行った場合の該加工パターンの照射量分
布情報を、ビーム径相当の微小領域に区分して得る手段
と、該照射量分布情報に基いて境界領域の照射量が中央
領域のそれに等しくなるように加工において調整する手
段と、を備えた走査型荷電粒子ビーム装置。 - 【請求項5】 加工パターンの照射量分布情報をパター
ンの位置に対応してモデル情報化し蓄積したメモリと、
パターンを表示したディスプレイ上で特異点のモデルを
特定するする手段と、該特定情報に基いて特異点間の領
域に辺モデルを、その他の領域に中央モデル割り当てを
実行する手段と、を備えた請求項4に記載の走査型荷電
粒子ビーム装置。
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