JP2002181739A - 強誘電体膜の評価方法、強誘電体膜の評価装置、及び半導体装置の製造方法並びに記憶媒体 - Google Patents

強誘電体膜の評価方法、強誘電体膜の評価装置、及び半導体装置の製造方法並びに記憶媒体

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JP2002181739A
JP2002181739A JP2000382698A JP2000382698A JP2002181739A JP 2002181739 A JP2002181739 A JP 2002181739A JP 2000382698 A JP2000382698 A JP 2000382698A JP 2000382698 A JP2000382698 A JP 2000382698A JP 2002181739 A JP2002181739 A JP 2002181739A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極がない状態でも素子構成部材である強誘
電体膜の強誘電特性を評価することができ、例えば製造
途中で強誘電体膜の強誘電性を回復させて製造歩留まり
を向上させることを可能とする強誘電体膜の評価方法等
を提供する。 【解決手段】 強誘電体膜の強誘電特性を判定するに際
して、X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結
晶構造毎に回折ピークに着目して、回折ピークが分裂し
ている場合には、各回折ピーク位置を基に分極値を算出
し、回折ピークが分裂していない場合には、所定の回折
線の半値幅を見積もり、前記半値幅に基いて回折ピーク
分離を行なって分極値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャパシタ等の半
導体素子の構成部材である強誘電体膜の強誘電特性の評
価方法、強誘電体膜の評価装置、及び半導体装置の製造
方法並びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置を構成する素子の材料
として、Pb(Zr1-xTix)O3(PZT)を始めと
する強誘電体材料が注目されている。また、既にPZT
をキャパシタ材料として用いたFeRAM(Ferroelect
ric Random Access Memory)が実用化されている。
【0003】従来では、PZT等からなる強誘電体膜の
強誘電特性を測定するには、以下のような手法を用い
る。即ち、先ず、強誘電体膜を一対の電極で挟んだ構造
のサンプルを形成する。次に、このサンプルの電極に電
圧を印加して、強誘電体の電界に対する分極のヒステレ
シスを測定する。そして、その測定値の大小により、強
誘電体膜の強誘電性の強さを評価する。
【0004】このようにして調べた強誘電体膜の強誘電
性から、強誘電体膜を有する半導体素子の電気的特性を
推測している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、PZTなど
の強誘電体材料をFeRAMやDRAM(Dynamic Rand
om Access Memory)等のメモリ構成部材として使う場
合、従来の誘電体材料に比べて元素数が多く不安定であ
り、製造工程や電極材料によっては酸素や鉛等の元素が
強誘電体膜から離脱してしまうことにより組成比が変わ
ってしまう場合がある。そうすると、強誘電体膜の強誘
電性が変化して、極端な場合には強誘電性が無くなって
しまうこともある。
【0006】製造途中の半導体素子の強誘電体膜の強誘
電性を調べ、工程管理や不良品のスクリーニングに用い
ようとしても、従来の方法では、電極が無い状態で強誘
電性を調べることができない。このため従来では、強誘
電体膜自体の強誘電性を調べようとしても、強誘電体膜
の両側に電極を形成しなければならなかった。
【0007】そこで本発明の目的は、電極がない状態で
も素子構成部材である強誘電体膜の強誘電特性を評価す
ることができ、例えば製造途中で強誘電体膜の強誘電性
を回復させて製造歩留まりを向上させることを可能とす
る信頼性の高い強誘電体膜の評価方法、強誘電体膜の評
価装置、及び半導体装置の製造方法並びに記憶媒体を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0009】本発明の強誘電体膜の評価方法は、強誘電
体膜の強誘電特性を判定するに際して、X線回折によ
り、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピー
クに着目する。
【0010】そして、回折ピークの分裂の有無を判別
し、分裂している場合には、各回折ピーク位置を基に分
極値を算出し、分裂していない場合には、所定の回折線
の半値幅を見積もり、前記半値幅に基いて回折ピーク分
離を行なって分極値を算出することを特徴とする。
【0011】この場合、第1の回折ピークの半値幅にお
ける温度依存の有無を判別し、当該半値幅が温度変化し
ない場合には、当該半値幅を利用し、常に温度変化する
第2の回折ピークを分離して分極値を算出し、前記第1
の回折ピークの半値幅が温度変化する場合には、高温領
域における前記第2の回折ピークの半値幅を利用し、前
記第2の回折ピークを分離して分極値を算出するように
しても良い。
【0012】また、強誘電体膜が強誘電体の結晶の異な
る結晶群を有する場合には、各々の結晶群について結晶
構造毎の回折ピークに着目して、結晶の量と歪の大きさ
を測定する。
【0013】更に具体的には、強誘電体の前記結晶構造
が正方晶の場合には、前記強誘電体膜の(h00)/
(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除
く(hkl)回折線及び(hhh)回折線の半値幅を検
出し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前
記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回
折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線及び
(hhh)回折線の半値幅を検出し、強誘電体の前記結
晶構造が菱面体晶の場合には、前記強誘電体膜の(hh
h)/(−hhh)回折線あるいはh,k,lのうち、
いずれか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線
及び(h00)回折線の半値幅を検出し、検出した前記
各半値幅に基いて前記強誘電体膜の強誘電特性を判定す
る。
【0014】また、他の具体例としては、強誘電体の前
記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘電体膜の(h
00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k
=lを除く(hkl)回折線の半値幅のみを検出し、強
誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘電
体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線ある
いはh=k=lを除く(hkl)回折線の半値幅のみを
検出し、強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合に
は、前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線
あるいはh,k,lのうち、いずれか2つが0である回
折線を除く(hkl)回折線の半値幅のみを検出し、検
出した前記各半値幅に基いて前記強誘電体膜の強誘電特
性を判定する。
【0015】また、更に他の具体例としては、強誘電体
の前記結晶構造が正方晶の場合、前記強誘電体膜の(h
00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k
=lを除く(hkl)回折線を測定し、回折ピークが分
離しているときには、その各々の回折ピーク位置を基に
a軸とc軸の格子定数を求め、その格子定数から分極値
を算出し、回折ピークが分離していないときには、強誘
電体膜の(hhh)回折線の半値幅から分極値の情報が
含まれていない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅
を基に前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(0
0l)回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折
線の回折ピーク分離を行い、その各々の回折ピーク位置
を基にa軸とc軸の格子定数を求め、その格子定数から
分極値を算出し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場
合、前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00
l)回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線
を測定し、回折ピークが分離しているときには、その各
々の回折ピーク位置を基にa軸、b軸及びc軸の格子定
数を求め、その格子定数から分極値を算出し、回折ピー
クが分離していないときには、前記強誘電体膜の(hh
h)回折線の半値幅から分極値の情報が含まれていない
回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基に前記強誘
電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
るいはh=k=lを除く(hkl)回折線の回折ピーク
分離を行い、その各々の回折ピーク位置を基にa軸、b
軸及びc軸の格子定数を求め、その格子定数から分極値
を算出し、強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合、
前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線ある
いはh,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線
を除く(hkl)回折線を測定し、回折ピークが分離し
ているときには、その各々の回折ピーク位置を基にa軸
とα角の格子定数を求め、その格子定数から分極値を算
出し、回折ピークが分離していないときには、前記強誘
電体膜の(h00)回折線の半値幅から分極値の情報が
含まれていない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅
を基に前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折
線あるいはh,k,lのうち、いずれか2つが0である
回折線を除く(hkl)回折線の回折ピーク分離を行
い、その各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子
定数を求め、その格子定数から分極値を算出する。
【0016】また、更に他の具体例としては、強誘電体
の前記結晶構造が正方晶の場合、前記強誘電体膜の(h
00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k
=lを除く(hkl)回折線について、ピークが分離し
ているときには、その各々のピーク位置からa軸とc軸
の格子定数を算出してこの格子定数から分極値を算出
し、ピークが分離していないときには、温度上昇により
半値幅が変化しなくなる程度の高温における当該半値幅
から分極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を見
積もり、その半値幅を基にピーク分離を行い、その各々
のピーク位置からa軸とc軸の格子定数を算出してこの
格子定数から分極値を算出し、強誘電体の前記結晶構造
が斜方晶の場合、前記強誘電体膜の(h00)/(0k
0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(h
kl)回折線について、ピークが分離しているときに
は、その各々のピーク位置からa軸、b軸及びc軸の格
子定数を算出してこの格子定数から分極値を算出し、ピ
ークが分離していないときには、温度上昇により半値幅
が変化しなくなる程度の高温における当該半値幅から分
極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を見積も
り、その半値幅を基にピーク分離を行い、その各々のピ
ーク位置からa軸、b軸及びc軸の格子定数を算出して
この格子定数から分極値を算出し、強誘電体の前記結晶
構造が菱面体晶の場合、前記強誘電体膜の(hhh)/
(−hhh)回折線あるいはh,k,lのうち、いずれ
か2つが0である回折線を除く(hkl)回折線につい
て、ピークが分離しているときには、その各々のピーク
位置からa軸とα角の格子定数を算出してこの格子定数
から分極値を算出し、ピークが分離していないときに
は、温度上昇により半値幅が変化しなくなる程度の高温
における当該半値幅から分極値の情報が含まれていない
回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基にピーク分
離を行い、その各々のピーク位置からa軸とα角の格子
定数を算出してこの格子定数から分極値を算出する。
【0017】また、更に他の具体例としては、強誘電体
の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘電体膜の
(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh
=k=lを除く(hkl)回折線を検出し、強誘電体の
前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘電体膜の
(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh
=k=lを除く(hkl)回折線を検出し、強誘電体の
前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前記強誘電体膜の
(hhh)/(−hhh)回折線あるいはh,k,lの
うち、いずれか2つが0である回折線を除く(hkl)
回折線を検出し、強誘電体の前記結晶構造が立方晶の場
合には、前記強誘電体膜の(hkl)回折線を検出し、
各々の前記結晶群における結晶の量と歪の大きさを測定
する。
【0018】また、本発明は、前記各評価方法を実現す
る手段を備えた評価装置、及び前記各評価方法をプログ
ラムとして備えたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
を対象とする。
【0019】本発明の強誘電体膜の評価方法(評価装
置)においては、X線回折を用いて強誘電体膜の強誘電
特性を調べる。X線回折では、出現した回折ピークの位
置を検出することにより、結晶格子の長さ(格子定数)
を知ることができる。
【0020】一方、強誘電体膜は自発分極を有してお
り、この自発分極の発生により、その発生した方向に格
子定数が伸びる。即ち、自発分極の発生あるいは消失な
どによる格子定数の変化を測定することにより、強誘電
体膜の強誘電特性を知ることができる。
【0021】このように、本発明では、成膜した強誘電
体膜について直接的に強誘電特性を調べることができ、
しかも表面内又は膜厚方向を問わず局所的な検知が可能
であることから、半導体素子等の製造途中で形成した強
誘電体膜の強誘電特性をきめ細かく多面的に評価するこ
とができる。
【0022】更に本発明では、強誘電体膜が方位の異な
る複数の結晶からなる結晶群を有する場合に、強誘電体
膜を回転させて前記測定を実行することにより、各結晶
の割合及び各結晶毎の強誘電特性を知ることができる。
【0023】また、本発明の半導体装置の製造方法にお
いては、X線回折を使用して、強誘電体膜の強誘電特性
を調べて良否を判定し、不良と判定したときはその素子
と同一ロットの素子に対し、強誘電体に酸素または鉛等
を導入して強誘電性を回復させる処理や、成膜条件を修
正したロット処理等を行なう。これらの工程により、製
造歩留まりを向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した好適な諸
実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】(第1の実施形態)図1〜図3は、本実施
形態による強誘電体膜の評価方法をステップ順に示すフ
ローチャートである。本実施形態では、便宜上、強誘電
体膜の評価方法をステップ順に説明するが、当該評価方
法を実現するための評価装置も開示する。この評価装置
は、通常のX線回折装置及び出現ピーク位置の測定装置
(カウンター、位置敏感型比例計数管(Position Sensi
tive Proportional Counter:PSPC)、写真、イメージン
グプレート(Imaging Plate:IP)など)を含み、後述す
るように、当該評価方法を記憶した記憶媒体のプログラ
ムにより駆動するように構成されている。
【0026】成膜された強誘電体膜の強誘電特性を評価
するに際して、先ず、強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
を特定する(ステップS1)。結晶構造としては、正方
晶、斜方晶、菱面体晶、立方晶の4種に分類する。
【0027】ステップS1で結晶構造が正方晶である場
合、強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)
回折線が測定可能であるか否かを判定する(ステップS
11)。
【0028】ステップS11で前記測定が可能である場
合、2θ/ωスキャン等の手法により、(h00)/
(0k0)/(00l)回折線を測定する(ステップS
21)。
【0029】続いて、ステップS21で回折ピークの分
離が認められるか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、ピーク分離が認められるときには、直ちに各々
の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を算出す
る(ステップS12)。一方、ピーク分離が認められな
いときには、以下に示す各ステップを実行する。
【0030】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
23)。
【0031】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS24)。
【0032】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、(h00)/(0k0)/(00l)回
折線の位置における半値幅に換算する(ステップS2
5)。
【0033】続いて、算出された(h00)/(0k
0)/(00l)回折線の位置における半値幅を用い
て、(h00)/(0k0)回折線と(00l)回折線
に2ガウス関数でフィッティングによりピーク分離を行
なう(ステップS26)。
【0034】そして、分離された各々の回折ピーク位置
からa軸とc軸の格子定数を算出する(ステップS1
2)。
【0035】しかる後、算出されたa軸とc軸の格子定
数から歪の値を求め(ステップS2)、この歪値から分
極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する(ス
テップS3)。
【0036】ステップS11で強誘電体膜の(h00)
/(0k0)/(00l)回折線が測定できない場合、
2θ/ωスキャン等の手法により、h=k=lを除く
(hkl)回折線を測定する(ステップS31)。
【0037】続いて、ステップS31で回折ピークの分
離が認められるか否かを判定する(ステップS32)。
ここで、ピーク分離が認められるときには、直ちに各々
の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を算出す
る(ステップS12)。一方、ピーク分離が認められな
いときには、以下に示す各ステップを実行する。
【0038】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
33)。
【0039】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS34)。
【0040】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、h=k=lを除く(hkl)回折線の位
置における半値幅に換算する(ステップS35)。
【0041】続いて、算出されたh=k=lを除く(h
kl)回折線の位置における半値幅を用いて、h=k=
lを除く(hkl)回折線に多重ガウス関数、例えば2
ガウス、3ガウス関数でフィッティングによりピーク分
離を行なう(ステップS36)。
【0042】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とc軸の格子定数を算出する(ステップS1
2)。
【0043】しかる後、算出されたa軸とc軸の格子定
数から歪の値を求め(ステップS2)、この歪値から分
極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する(ス
テップS3)。
【0044】ステップS1で結晶構造が斜方晶である場
合、強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)
回折線が測定可能であるか否かを判定する(ステップS
13)。
【0045】ステップS13で前記測定が可能である場
合、2θ/ωスキャン等の手法により、(h00)/
(0k0)/(00l)回折線を測定する(ステップS
41)。
【0046】続いて、ステップS41で回折ピークの分
離が認められるか否かを判定する(ステップS42)。
ここで、ピーク分離が認められるときには、直ちに各々
の回折ピーク位置を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を
算出する(ステップS14)。一方、ピーク分離が認め
られないときには、以下に示す各ステップを実行する。
【0047】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
43)。
【0048】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS44)。
【0049】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、(h00)/(0k0)/(00l)回
折線の位置における半値幅に換算する(ステップS4
5)。
【0050】続いて、算出された(h00)/(0k
0)/(00l)回折線の位置における半値幅を用い
て、(h00)回折線、(0k0)回折線及び(00
l)回折線に3ガウス関数でフィッティングによりピー
ク分離を行なう(ステップS46)。
【0051】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を算出する(ステッ
プS14)。
【0052】しかる後、算出されたa軸、b軸、c軸の
格子定数から歪の値を求め(ステップS2)、この歪値
から分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価す
る(ステップS3)。
【0053】ステップS13で強誘電体膜の(h00)
/(0k0)/(00l)回折線が測定できない場合、
2θ/ωスキャン等の手法により、h=k=lを除く
(hkl)回折線を測定する(ステップS51)。
【0054】続いて、ステップS51で回折ピークの分
離が認められるか否かを判定する(ステップS52)。
ここで、ピーク分離が認められるときには、直ちに各々
の回折ピーク位置を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を
算出する(ステップS14)。一方、ピーク分離が認め
られないときには、以下に示す各ステップを実行する。
【0055】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
53)。
【0056】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS54)。
【0057】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、h=k=lを除く(hkl)回折線の位
置における半値幅に換算する(ステップS55)。
【0058】続いて、算出されたh=k=lを除く(h
kl)回折線の位置における半値幅を用いて、h=k=
lを除く(hkl)回折線に多重ガウス関数、例えば3
ガウス、6ガウス関数でフィッティングによりピーク分
離を行なう(ステップS56)。
【0059】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を算出する(ステッ
プS14)。
【0060】しかる後、算出されたa軸、b軸、c軸の
格子定数から歪の値を求め(ステップS2)、この歪値
から分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価す
る(ステップS3)。
【0061】ステップS1で結晶構造が菱面体晶である
場合、強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線が
測定可能であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0062】ステップS15で前記測定が可能である場
合、2θ/ωスキャン等の手法により、(hhh)/
(−hhh)回折線を測定する(ステップS61)。
【0063】続いて、ステップS61で回折ピークの分
離が認められるか否かを判定する(ステップS62)。
ここで、ピーク分離が認められるときには、直ちに各々
の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子定数を算出す
る(ステップS16)。一方、ピーク分離が認められな
いときには、以下に示す各ステップを実行する。
【0064】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(h00)回折線を測定する(ステップS
63)。
【0065】続いて、強誘電体膜の(h00)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS64)。
【0066】続いて、算出された(h00)回折線の半
値幅を用いて、(hhh)/(−hhh)回折線の位置
における半値幅に換算する(ステップS65)。
【0067】続いて、算出された(hhh)/(−hh
h)回折線の位置における半値幅を用いて、(hhh)
回折線と(−hhh)回折線に2ガウス関数でフィッテ
ィングによりピーク分離を行なう(ステップS66)。
【0068】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とα角の格子定数を算出する(ステップS1
6)。
【0069】しかる後、算出されたa軸とα角の格子定
数から歪の値を求め(ステップS2)、この歪値から分
極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する(ス
テップS3)。
【0070】ステップS15で強誘電体膜の(hhh)
/(−hhh)回折線が測定できない場合、2θ/ωス
キャン等の手法により、h,k,lのうち、いずれか2
つが0である回折線を除く(hkl)回折線を測定する
(ステップS71)。
【0071】続いて、ステップS71で回折ピークの分
離が認められるか否かを判定する(ステップS72)。
ここで、ピーク分離が認められるときには、直ちに各々
の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子定数を算出す
る(ステップS16)。一方、ピーク分離が認められな
いときには、以下に示す各ステップを実行する。
【0072】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(h00)回折線を測定する(ステップS
73)。
【0073】続いて、強誘電体膜の(h00)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS74)。
【0074】続いて、算出された(h00)回折線の半
値幅を用いて、h,k,lのうち、いずれか2つが0で
ある回折線を除く(hkl)回折線の位置における半値
幅に換算する(ステップS75)。
【0075】続いて、算出されたh,k,lのうち、い
ずれか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線の
位置における半値幅を用いて、h,k,lのうち、いず
れか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線に多
重ガウス関数、例えば2ガウス、3ガウス、4ガウス関
数でフィッティングによりピーク分離を行なう(ステッ
プS76)。
【0076】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とα角の格子定数を算出する(ステップS1
6)。
【0077】しかる後、算出されたa軸とα角の格子定
数から歪の値を求め(ステップS2)、この歪値から分
極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する(ス
テップS3)。
【0078】ステップS1で結晶構造が立方晶である場
合には、歪が発生しないために分極値は0と算出される
(ステップS17)。
【0079】本実施形態によれば、従来では必須と考え
られていた電界を印加するための電極がない状態でも、
素子構成部材である強誘電体膜の強誘電特性を評価する
ことができ、例えば製造途中で強誘電体膜の強誘電性を
回復させて製造歩留まりを向上させることが可能とな
る。
【0080】(第2の実施形態)図4〜図6は、本実施
形態による強誘電体膜の評価方法をステップ順に示すフ
ローチャートである。本実施形態では、第1の実施形態
と同様に、強誘電体膜の評価方法(評価装置)をステッ
プ順に説明するが、回折ピークの半値幅が温度に依存し
て変化する場合に適合した技術を開示する点で第1の実
施形態と相違する。
【0081】成膜された強誘電体膜の強誘電特性を評価
するに際して、先ず、強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
を特定する(ステップS101)。結晶構造としては、
正方晶、斜方晶、菱面体晶、立方晶の4種に分類する。
【0082】ステップS101で結晶構造が正方晶であ
る場合、強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00
l)回折線が測定可能であるか否かを判定する(ステッ
プS111)。
【0083】ステップS111で前記測定が可能である
場合、2θ/ωスキャン等の手法により、(h00)/
(0k0)/(00l)回折線を測定する(ステップS
121)。
【0084】続いて、ステップS121で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS12
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を
算出する(ステップS112)。一方、ピーク分離が認
められないときには、以下に示す各ステップを実行す
る。
【0085】先ず、温度上昇により回折ピークの半値幅
が変化しなくなる程度に高温とした条件下(常誘電相)
で、2θ/ωスキャン等の手法により、強誘電体膜の
(h00)回折線を測定する(ステップS123)。
【0086】続いて、強誘電体膜の(h00)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS124)。
【0087】続いて、算出された(h00)回折線の半
値幅を用いて、(h00)/(0k0)回折線と(00
l)回折線において2ガウス関数のフィッティングによ
りピーク分離を行なう(ステップS125)。
【0088】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とc軸の格子定数を算出する(ステップS1
12)。
【0089】しかる後、算出されたa軸とc軸の格子定
数から歪の値を求め(ステップS102)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する
(ステップS103)。
【0090】ステップS111で強誘電体膜の(h0
0)/(0k0)/(00l)回折線が測定できない場
合、2θ/ωスキャン等の手法により、h=k=lを除
く(hkl)回折線を測定する(ステップS131)。
【0091】続いて、ステップS131で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS13
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を
算出する(ステップS112)。一方、ピーク分離が認
められないときには、以下に示す各ステップを実行す
る。
【0092】先ず、温度上昇により回折ピークの半値幅
が変化しなくなる程度に高温とした条件下で、2θ/ω
スキャン等の手法により、強誘電体膜のh=k=lを除
く(hkl)回折線を測定する(ステップS133)。
【0093】続いて、強誘電体膜のh=k=lを除く
(hkl)回折線の測定結果から、当該回折線の半値幅
を算出する(ステップS134)。
【0094】続いて、算出されたh=k=lを除く(h
kl)回折線の半値幅を用いて、h=k=lを除く(h
kl)回折線においてフィッティングによりピーク分離
を行なう(ステップS135)。
【0095】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とc軸の格子定数を算出する(ステップS1
12)。
【0096】しかる後、算出されたa軸とc軸の格子定
数から歪の値を求め(ステップS102)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する
(ステップS103)。
【0097】ステップS101で結晶構造が斜方晶であ
る場合、強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00
l)回折線が測定可能であるか否かを判定する(ステッ
プS113)。
【0098】ステップS113で前記測定が可能である
場合、2θ/ωスキャン等の手法により、(h00)/
(0k0)/(00l)回折線を測定する(ステップS
141)。
【0099】続いて、ステップS141で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS14
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸、b軸、c軸の格子
定数を算出する(ステップS114)。一方、ピーク分
離が認められないときには、以下に示す各ステップを実
行する。
【0100】先ず、温度上昇により回折ピークの半値幅
が変化しなくなる程度に高温とした条件下で、2θ/ω
スキャン等の手法により、強誘電体膜の(h00)回折
線を測定する(ステップS143)。
【0101】続いて、強誘電体膜の(h00)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS144)。
【0102】続いて、算出された(h00)回折線の半
値幅を用いて、(h00)回折線、(0k0)回折線及
び(00l)回折線において3ガウス関数のフィッティ
ングによりピーク分離を行なう(ステップS145)。
【0103】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を算出する(ステッ
プS114)。
【0104】しかる後、算出されたa軸、b軸、c軸の
格子定数から歪の値を求め(ステップS102)、この
歪値から分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評
価する(ステップS103)。
【0105】ステップS113で強誘電体膜の(h0
0)/(0k0)/(00l)回折線が測定できない場
合、2θ/ωスキャン等の手法により、h=k=lを除
く(hkl)回折線を測定する(ステップS151)。
【0106】続いて、ステップS151で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS15
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸、b軸、c軸の格子
定数を算出する(ステップS114)。一方、ピーク分
離が認められないときには、以下に示す各ステップを実
行する。
【0107】先ず、温度上昇により回折ピークの半値幅
が変化しなくなる程度に高温とした条件下で、2θ/ω
スキャン等の手法により、強誘電体膜のh=k=lを除
く(hkl)回折線を測定する(ステップS153)。
【0108】続いて、強誘電体膜のh=k=lを除く
(hkl)回折線の測定結果から、当該回折線の半値幅
を算出する(ステップS154)。
【0109】続いて、算出されたh=k=lを除く(h
kl)回折線の半値幅を用いて、h=k=lを除く(h
kl)回折線においてフィッティングによりピーク分離
を行なう(ステップS155)。
【0110】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を算出する(ステッ
プS114)。
【0111】しかる後、算出されたa軸、b軸、c軸の
格子定数から歪の値を求め(ステップS102)、この
歪値から分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評
価する(ステップS103)。
【0112】ステップS101で結晶構造が菱面体晶で
ある場合、強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折
線が測定可能であるか否かを判定する(ステップS11
5)。
【0113】ステップS115で前記測定が可能である
場合、2θ/ωスキャン等の手法により、(hhh)/
(−hhh)回折線を測定する(ステップS161)。
【0114】続いて、ステップS161で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS16
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子定数を
算出する(ステップS116)。一方、ピーク分離が認
められないときには、以下に示す各ステップを実行す
る。
【0115】先ず、温度上昇により回折ピークの半値幅
が変化しなくなる程度に高温とした条件下で、2θ/ω
スキャン等の手法により、強誘電体膜の(hhh)回折
線を測定する(ステップS163)。
【0116】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS164)。
【0117】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、(hhh)回折線と(−hhh)回折線
において2ガウス関数のフィッティングによりピーク分
離を行なう(ステップS165)。
【0118】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とα角の格子定数を算出する(ステップS1
16)。
【0119】しかる後、算出されたa軸とα角の格子定
数から歪の値を求め(ステップS102)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する
(ステップS103)。
【0120】ステップS115で強誘電体膜の(hh
h)/(−hhh)回折線が測定できない場合、2θ/
ωスキャン等の手法により、h,k,lのうちいずれか
2つが0である回折線を除く(hkl)回折線を測定す
る(ステップS171)。
【0121】続いて、ステップS171で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS17
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子定数を
算出する(ステップS116)。一方、ピーク分離が認
められないときには、以下に示す各ステップを実行す
る。
【0122】先ず、温度上昇により回折ピークの半値幅
が変化しなくなる程度に高温とした条件下で、2θ/ω
スキャン等の手法により、強誘電体膜のh,k,lのう
ちいずれか2つが0である回折線を除く(hkl)回折
線を測定する(ステップS173)。
【0123】続いて、強誘電体膜のh,k,lのうちい
ずれか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS174)。
【0124】続いて、算出されたh,k,lのうちいず
れか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線の半
値幅を用いて、h,k,lのうちいずれか2つが0であ
る回折線を除く(hkl)回折線においてフィッティン
グによりピーク分離を行なう(ステップS175)。
【0125】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とα角の格子定数を算出する(ステップS1
16)。
【0126】しかる後、算出されたa軸とα角の格子定
数から歪の値を求め(ステップS102)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜を評価する
(ステップS103)。
【0127】ステップS101で結晶構造が立方晶であ
る場合には、歪が発生しないために分極値は0と算出さ
れる(ステップS117)。
【0128】本実施形態によれば、従来では必須と考え
られていた電界を印加するための電極がない状態でも、
素子構成部材である強誘電体膜の強誘電特性を評価する
ことができ、例えば製造途中で強誘電体膜の強誘電性を
回復させて製造歩留まりを向上させることを可能とな
る。
【0129】(第3の実施形態)図7〜図9は、本実施
形態による強誘電体膜の評価方法をステップ順に示すフ
ローチャートである。本実施形態は、強誘電体膜に複数
の異なる配向が存する場合に適用して好適な技術であ
る。
【0130】成膜された強誘電体膜の強誘電特性を評価
するに際して、先ず、χスキャン等の手法によりプロフ
ァイルを求め、強誘電体膜を配向の異なる複数の結晶群
に分離する(ステップS201)。
【0131】続いて、得られたプロファイルを各配向毎
に積分し、各々の結晶群の割合を算出する(ステップS
202)。
【0132】続いて、分離された各結晶群毎に、強誘電
体膜の強誘電体の結晶構造を特定する(ステップS20
3)。結晶構造としては、正方晶、斜方晶、菱面体晶の
3種に分類する。
【0133】ステップS203で結晶構造が正方晶であ
る場合、強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00
l)回折線が測定可能であるか否かを判定する(ステッ
プS211)。
【0134】ステップS211で前記測定が可能である
場合、2θ/ωスキャン等の手法により、(h00)/
(0k0)/(00l)回折線を測定する(ステップS
221)。
【0135】続いて、ステップS221で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS22
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置からa軸とc軸の格子定数を算
出する(ステップS212)。一方、ピーク分離が認め
られないときには、以下に示す各ステップを実行する。
【0136】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
223)。
【0137】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS224)。
【0138】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、(h00)/(0k0)/(00l)回
折線の位置における半値幅に換算する(ステップS22
5)。
【0139】続いて、算出された(h00)/(0k
0)/(00l)回折線の位置における半値幅を用い
て、(h00)/(0k0)回折線と(00l)回折線
に2ガウス関数でフィッティングによりピーク分離を行
なう(ステップS226)。
【0140】そして、分離された各々の回折ピーク位置
からa軸とc軸の格子定数を算出する(ステップS21
2)。
【0141】しかる後、算出されたa軸とc軸の格子定
数から歪の値を求め(ステップS204)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜の当該結晶
群の強誘電特性を評価する(ステップS205)。
【0142】ステップS211で強誘電体膜の(h0
0)/(0k0)/(00l)回折線が測定できない場
合、2θ/ωスキャン等の手法により、h=k=lを除
く(hkl)回折線を測定する(ステップS231)。
【0143】続いて、ステップS231で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS23
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を
算出する(ステップS212)。一方、ピーク分離が認
められないときには、以下に示す各ステップを実行す
る。
【0144】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
233)。
【0145】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS234)。
【0146】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、h=k=lを除く(hkl)回折線の位
置における半値幅に換算する(ステップS235)。
【0147】続いて、算出されたh=k=lを除く(h
kl)回折線の位置における半値幅を用いて、h=k=
lを除く(hkl)回折線においてフィッティングによ
りピーク分離を行なう(ステップS236)。
【0148】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とc軸の格子定数を算出する(ステップS2
12)。
【0149】しかる後、算出されたa軸とc軸の格子定
数から歪の値を求め(ステップS204)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜の当該結晶
群の強誘電特性を評価する(ステップS205)。
【0150】ステップS203で結晶構造が斜方晶であ
る場合、強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00
l)回折線が測定可能であるか否かを判定する(ステッ
プS213)。
【0151】ステップS213で前記測定が可能である
場合、2θ/ωスキャン等の手法により、(h00)/
(0k0)/(00l)回折線を測定する(ステップS
241)。
【0152】続いて、ステップS241で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS24
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置からa軸、b軸、c軸の格子定
数を算出する(ステップS214)。一方、ピーク分離
が認められないときには、以下に示す各ステップを実行
する。
【0153】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
243)。
【0154】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS244)。
【0155】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、(h00)/(0k0)/(00l)回
折線の位置における半値幅に換算する(ステップS24
5)。
【0156】続いて、算出された(h00)/(0k
0)/(00l)回折線の位置における半値幅を用い
て、(h00)回折線、(0k0)回折線及び(00
l)回折線に2ガウス関数でフィッティングによりピー
ク分離を行なう(ステップS246)。
【0157】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を算出する(ステッ
プS214)。
【0158】しかる後、算出されたa軸、b軸、c軸の
格子定数から歪の値を求め(ステップS204)、この
歪値から分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜の当
該結晶群の強誘電特性を評価する(ステップS20
5)。
【0159】ステップS213で強誘電体膜の(h0
0)/(0k0)/(00l)回折線が測定できない場
合、2θ/ωスキャン等の手法により、h=k=lを除
く(hkl)回折線を測定する(ステップS251)。
【0160】続いて、ステップS251で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS25
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸、b軸、c軸の格子
定数を算出する(ステップS214)。一方、ピーク分
離が認められないときには、以下に示す各ステップを実
行する。
【0161】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(hhh)回折線を測定する(ステップS
253)。
【0162】続いて、強誘電体膜の(hhh)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS254)。
【0163】続いて、算出された(hhh)回折線の半
値幅を用いて、h=k=lを除く(hkl)回折線の位
置における半値幅に換算する(ステップS255)。
【0164】続いて、算出されたh=k=lを除く(h
kl)回折線の位置における半値幅を用いて、h=k=
lを除く(hkl)回折線においてフィッティングによ
りピーク分離を行なう(ステップS256)。
【0165】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸、b軸、c軸の格子定数を算出する(ステッ
プS214)。
【0166】しかる後、算出されたa軸、b軸、c軸の
格子定数から歪の値を求め(ステップS204)、この
歪値から分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜の当
該強誘電特性を評価する(ステップS205)。
【0167】ステップS203で結晶構造が菱面体晶で
ある場合、強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折
線が測定可能であるか否かを判定する(ステップS21
5)。
【0168】ステップS215で前記測定が可能である
場合、2θ/ωスキャン等の手法により、(hhh)/
(−hhh)回折線を測定する(ステップS261)。
【0169】続いて、ステップS261で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS26
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子定数を
算出する(ステップS216)。一方、ピーク分離が認
められないときには、以下に示す各ステップを実行す
る。
【0170】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(h00)回折線を測定する(ステップS
263)。
【0171】続いて、強誘電体膜の(h00)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS264)。
【0172】続いて、算出された(h00)回折線の半
値幅を用いて、(hhh)/(−hhh)回折線の位置
における半値幅に換算する(ステップS265)。
【0173】続いて、算出された(hhh)/(−hh
h)回折線の位置における半値幅を用いて、(hhh)
回折線と(−hhh)回折線に2ガウス関数でフィッテ
ィングによりピーク分離を行なう(ステップS26
6)。
【0174】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とα角の格子定数を算出する(ステップS2
16)。
【0175】しかる後、算出されたa軸とα角の格子定
数から歪の値を求め(ステップS204)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜の当該結晶
群の強誘電特性を評価する(ステップS205)。
【0176】ステップS215で強誘電体膜の(hh
h)/(−hhh)回折線が測定できない場合、2θ/
ωスキャン等の手法により、h,k,lのうち、いずれ
か2つが0である回折線を除く(hkl)回折線を測定
する(ステップS271)。
【0177】続いて、ステップS271で回折ピークの
分離が認められるか否かを判定する(ステップS27
2)。ここで、ピーク分離が認められるときには、直ち
に各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子定数を
算出する(ステップS216)。一方、ピーク分離が認
められないときには、以下に示す各ステップを実行す
る。
【0178】先ず、2θ/ωスキャン等の手法により、
強誘電体膜の(h00)回折線を測定する(ステップS
273)。
【0179】続いて、強誘電体膜の(h00)回折線の
測定結果から、当該回折線の半値幅を算出する(ステッ
プS274)。
【0180】続いて、算出された(h00)回折線の半
値幅を用いて、h,k,lのうち、いずれか2つが0で
ある回折線を除く(hkl)回折線の位置における半値
幅に換算する(ステップS275)。
【0181】続いて、算出されたh,k,lのうち、い
ずれか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線の
位置における半値幅を用いて、h,k,lのうち、いず
れか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線にお
いてフィッティングによりピーク分離を行なう(ステッ
プS276)。
【0182】そして、分離された各々の回折ピーク位置
を基にa軸とα角の格子定数を算出する(ステップS2
16)。
【0183】しかる後、算出されたa軸とα角の格子定
数から歪の値を求め(ステップS204)、この歪値か
ら分極値を算出し、これに基いて強誘電体膜の当該結晶
群の強誘電特性を評価する(ステップS205)。
【0184】ステップS201で結晶構造が立方晶であ
る場合には、歪が発生しないために分極値は0と算出さ
れる(ステップS217)。
【0185】本実施形態によれば、従来では必須と考え
られていた電界を印加するための電極がない状態でも、
素子構成部材である強誘電体膜の強誘電特性を結晶群毎
にその割合と共に評価することができ、例えば製造途中
で強誘電体膜の強誘電性を回復させて製造歩留まりを向
上させることが可能となる。
【0186】なお、本実施形態のように強誘電体膜が複
数の結晶群を有する場合においても、第2の実施形態の
ように、回折ピークの半値幅が温度に依存して変化する
場合に適合した評価方法を導入することが可能である。
【0187】上述した第1〜第3の実施形態の評価方法
は、例えばDRAMやFeRAM等の半導体装置の製造
方法にも適用可能である。この場合、素子製造工程にお
ける半導体素子について、強誘電体膜を成膜した段階で
強誘電特性の良否を調べ、不良と判定した時には、条件
を修正してロットを流したり、判定に使用した半導体素
子と同一ロットの素子に対し酸素雰囲気中でアニールす
るなどの処理を施して、強誘電特性を回復させることが
できる。これにより、製造歩留まりの大幅な向上が実現
する。
【0188】(第4の実施形態)本実施形態では、第1
〜第3の実施形態による評価方法をプログラムとして記
憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を開示す
る。更に、第1〜第3の実施形態による評価装置は、当
該記憶媒体のプログラムにより駆動するように構成され
る。
【0189】図10は、一般的なパーソナルユーザ端末
装置の内部構成を示す模式図である。図10において、
1200はコンピュータPCである。PC1200は、
CPU1201を備え、ROM1202またはハードデ
ィスク(HD)1211に記憶された、あるいはフロッ
ピー(登録商標)ディスクドライブ(FD)1212よ
り供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、シス
テムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制
御する。
【0190】PC1200のCPU1201、ROM1
202またはハードディスク(HD)1211には、第
1の実施形態におけるステップS1〜ステップS76、
第2の実施形態におけるステップS101〜ステップS
175、第3の実施形態におけるステップS201〜ス
テップS276がプログラムとして記憶されており、こ
れに基いて評価装置が駆動する。
【0191】1203はRAMで、CPU1201の主
メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキ
ーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(K
B)1209や不図示のデバイス等からの指示入力を制
御する。
【0192】1206はCRTコントローラ(CRT
C)で、CRTディスプレイ(CRT)1210の表示
を制御する。1207はディスクコントローラ(DK
C)で、ブートプログラム(起動プログラム:パソコン
のハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラ
ム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザ
ファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶す
るハードディスク(HD)1211、及びフロッピーデ
ィスク(FD)1212とのアクセスを制御する。
【0193】1208はネットワークインタフエースカ
ード(NIC)で、LAN1220を介して、ネットワ
ークプリンタ、他のネットワーク機器、あるいは他のP
Cと双方向のデータのやり取りを行う。
【0194】本実施形態によれば、当該記憶媒体を用い
て評価装置を駆動することにより、従来では必須と考え
られていた電界を印加するための電極がない状態でも、
素子構成部材である強誘電体膜の強誘電特性を評価する
ことができ、例えば製造途中で強誘電体膜の強誘電性を
回復させて製造歩留まりを向上させることを可能とな
る。
【0195】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に開示するための
諸実施例について説明する。
【0196】(実施例1)図11は、実施例1において
使用した試料の断面図である。この試料は、Si基板1
0上にSiO2膜11、Ti膜12、下部Pt電極13
が順次形成され、この下部Pt電極13上に200nm
程度の厚みに形成されたPZT膜14を有している。
【0197】図12は、図11に示す試料のPZT(2
00)/(020)/(002)回折ピークの半値幅の
温度変化を示す特性図である。このように、PZT(2
00)/(020)/(002)回折ピークの半値幅
は、温度変化に伴い大きく変化する。
【0198】この半値幅の変化は分極値の変化に依存し
ており、十分高温では分極値は0になり、それに伴いP
ZT(200)/(020)/(002)回折線の幅も
一定値になる。
【0199】PZT(200)/(020)/(00
2)回折線の一定値になった半値幅は、分極値以外の結
晶粒径や測定装置のレゾリューションに依存した半値幅
であるので、この半値幅を利用することにより、分極値
の情報のみを取り出すことができる。
【0200】図13は、PZT(200)/(020)
/(002)回折ピークから求めた分極値の温度変化を
示す特性図である。先ず、分極値が消失するほど十分高
温であるPZT(200)/(020)/(002)回
折ピークの半値幅を用いて、各温度毎のPZT(20
0)/(020)/(002)回折線をPZT(20
0)/(020)回折線とPZT(002)回折線に2
ガウス関数でフィッティングによるピーク分離を行う。
【0201】次に、得られたPZT(200)/(02
0)回折線とPZT(002)回折線のピーク位置から
a軸とc軸の格子定数を算出する。
【0202】更に、その格子定数から下記の(1)式に
より分極値を算出する。(1)式中のAは定数なので、
予めPZTにおける値を調べておけば、格子定数から分
極値を求めることができる。 P=A(c/a−1)0.5 …(1) ここで、Pは分極値、Aは定数、cはc軸の格子定数、
aはa軸の格子定数を表す。
【0203】(実施例2)本例では、図11で示した実
施例1と同様の試料を用いて強誘電体膜の強誘電特性を
評価した。
【0204】図14は、図11で示す試料のPZT(1
11)回折ピークの半値幅の温度変化を示す特性図であ
る。PZT(200)/(020)/(002)回折ピ
ークの半値幅は、温度変化に伴い大きく変化するが、P
ZT(111)回折ピークの半値幅はほとんど温度変化
を示さない。
【0205】温度変化を示さないPZT(111)回折
ピークには分極値の情報は含まれていないと考えられる
ので、PZT(111)回折ピークの半値幅から結晶粒
径や測定装置のレゾリューションに依存した(分極値の
情報が含まれていない)半値幅を取り出す。
【0206】分極値の情報が含まれていないPZT(1
11)回折線の半値幅から、分極値が0の時のPZT
(200)/(020)/(002)回折線の半値幅
に、下記の数式(2)式を用いて換算する。
【0207】(2)式より求めたPZT(200)/
(020)/(002)回折線の半値幅を用いて、分極
値が0でないときのPZT(200)/(020)/
(002)回折線をPZT(200)/(020)回折
線とPZT(002)回折線に2ガウス関数でフィッテ
ィングによるピーク分離を行う。
【0208】次に、得られたPZT(200)/(02
0)回折線とPZT(002)回折線のピーク位置から
a軸とc軸の格子定数を算出し、更にその格子定数から
(1)式により分極値を算出する。(1)式中のAは定
数なので、予めPZTにおける値を調べておけば、格子
定数から分極値を求めることができる。 W2=W1cos(2θ1/2)/cos(2θ2/2) …(2) ここで、W2は分極値が0の時のPZT(200)/
(020)/(002)回折線の半値幅、W1はPZT
(111)回折線の半値幅、2θ1はPZT(111)
回折線のピーク位置、2θ2はPZT(200)/(0
20)/(002)回折線のピーク位置を表す。
【0209】(実施例3)図15は、実施例3において
使用した試料の断面図である。この試料は、Si基板1
0上にSiO2膜11、IrO2膜15、下部Pt電極1
3が順次形成され、この下部Pt電極13上に260n
m程度の厚みに形成されたPZT膜16を有している。
【0210】図16は、PZTのZrとTiの比を変え
た4試料の電気測定の結果(Qsw値/2〜P(分極
値))とPZT(100)/(010)/(001)回
折ピークの半値幅をプロットしたものである。分極値に
依存しないPZT(111)やPZT(222)回折線
の半値幅が試料ごとにほとんど変わらない(結晶粒径が
変わらない)ときには、図12のような電気測定による
分極値とPZT(100)/(010)/(001)回
折ピークの半値幅の相関図を予め作成しておき、その結
果を参照してPZT(h00)/(0k0)/(00
1)回折ピークの半値幅から分極値を求めることができ
る。
【0211】(実施例4)図17は、実施例4において
使用した試料の断面図である。この試料は、Si基板1
0上に、SiO2膜11、IrO2膜15、下部Pt電極
13が順次形成され、この下部Pt電極13上に150
nm程度の厚みに形成されたPLCSZT膜(PbLa
CaSrZrTiO3)17を有している。
【0212】図18は、図17の試料におけるPLCS
ZT(100)回折ピーク位置及びバックグラウンド位
置でχスキャンを行った特性図であり、図19は、図1
8のPLCSZT(100)回折ピーク位置におけるχ
スキャンのプロファイルから、バックグラウンド位置に
おけるχスキャンのプロファイルを引いた特性図であ
る。図17の試料には、基板面垂直方向に(111)配
向した結晶((111)配向結晶)、基板面垂直方向に
(100)配向した結晶((100)配向結晶)、無配
向結晶の3種類の結晶群が存在していることが分かる。
【0213】図20は、χを5°ずつ変えながら2θ/
ωスキャンを行い、各々のプロファイルを各々のプロフ
ァイルの2θ=19.76°(χ=0°の2θ/ωスキ
ャンで得られたプロファイルのピークトップ位置)にお
ける強度で規格化した、PZT(100)回折ピークま
わりのマップ図である。
【0214】図11の試料の構造は正方晶であるため、
(111)配向結晶の構造を示すχ=55°近傍の2θ
/ωプロファイルは、PLCSZT(001)回折ピー
クとPLCSZT(100)/(010)回折ピークが
重なり合い、幅が広がっている。
【0215】しかしながら、(100)配向結晶の構造
を示すχ=0°近傍の2θ/ωプロファイルと無配向結
晶の構造を示すχ=20°近傍の2θ/ωプロファイル
は、χ=55°で得られたプロファイルよりも幅が狭く
なり、またピークトップ位置も高角にずれている。
【0216】これは、(100)配向結晶と無配向結晶
からのプロファイルは、χ=55°の(111)配向結
晶からのPLCSZT(001)回折ピークとPLCS
ZT(100)/(010)回折ピークのうち、低角に
現れるPLCSZT(001)回折ピークが消失し、高
角に現れるPLCSZT(100)/(010)回折ピ
ークだけが残っているためである。
【0217】即ち、(111)配向結晶の構造は正方晶
であるが、(100)配向結晶と無配向結晶の構造は立
方晶であり、(111)配向結晶は分極を持ちメモリと
して機能するが、(100)配向結晶と無配向結晶は分
極を持たずメモリとして機能しないことが分かる。
【0218】図19や図20の測定データから、(11
1)配向結晶からのプロファイルの積分値、(100)
配向結晶からのプロファイルの積分値、無配向結晶から
のプロファイルの積分値を求めることで、各々の結晶群
の割合を算出することができる。
【0219】また、PLCSZT(001)回折ピーク
とPLCSZT(100)/(010)回折ピークを分
離して、各々のピーク位置から格子定数を求め、さらに
歪を算出することで、分極値に換算することができる。
即ち、結晶群ごとの分極値とその結晶の割合を得ること
が可能となる。
【0220】(実施例5)図21は、実施例5において
使用した試料の断面図である。この試料は、Si基板1
0上に、SiO2膜11、Ti膜12、下部Pt電極1
3が順次形成され、この下部Pt電極13上に260n
m程度の厚みに形成されたPZT膜18を有している。
【0221】図22は、図21の試料におけるPZT
(100)回折ピーク位置及びバックグラウンド位置で
χスキャンを行い、PZT(100)回折ピーク位置で
のχスキャンのプロファイルからバックグラウンド位置
でのχスキャンのプロファイルを引いた特性図である。
図21の試料には、基板面垂直方向に(111)配向し
た結晶((111)配向結晶)、基板面垂直方向に(1
00)配向した結晶((100)配向結晶)、無配向結
晶の3種類の結晶群が存在していることが分かる。
【0222】図23は、χ=0°((100)配向結
晶)、χ=20°(無配向結晶)、χ=55°((11
1)配向結晶)でPZT(100)回折ピーク近傍の2
θ/ωスキャンを行った特性図である。(111)配向
結晶の構造を示すχ=55°の2θ/ωプロファイル
は、低角のPZT(001)回折からの肩と高角のPZ
T(100)/(010)回折からのピークが観られ
る。
【0223】しかしながら、(100)配向結晶の構造
を示すχ=0°の2θ/ωプロファイルと無配向結晶の
構造を示すχ=20°の2θ/ωプロファイルは、χ=
55°で得られたプロファイルと異なり、低角のPZT
(001)回折からの肩が消失して高角のPZT(10
0)/(010)回折からのピークだけが観られる。
【0224】これにより、(111)配向結晶の構造は
正方晶であるが、(100)配向結晶と無配向結晶の構
造は立方晶であり、(111)配向結晶は分極を持ちメ
モリとして機能するが、(100)配向結晶と無配向結
晶は分極を持たずメモリとして機能しないことが分か
る。
【0225】図19や図20の測定データから、(11
1)配向結晶からのプロファイルの積分値、(100)
配向結晶からのプロファイルの積分値、無配向結晶から
のプロファイ、ルの積分値を求めることで、各々の結晶
群の割合を算出することができる。
【0226】また、PZT(001)回折ピークとPZ
T(100)/(010)回折ピークを分離して、各々
のピーク位置から格子定数を求め、さらに歪を算出する
ことで、分極値に換算することができる。即ち、結晶群
毎の分極値とその結晶の割合を得ることが可能となる。
【0227】以上の各実施例においては、強誘電体がP
ZTとPLCSZTの場合について説明したが、PZT
にLa,Sr,Ca,Ba,Mn,P,Bi等の全てあ
るいはその内のいくつかの元素を含んでいても適用する
ことができる。また、PZT以外の強誘電体にも同様に
適用することができる。
【0228】更に、本発明は、キュリー点温度以下で自
発分極が発生する条件であれば、高誘電体物質にも適用
することができる。
【0229】実施例1においては、格子定数から分極値
を求める時に(1)式により分極値を算出したが、必要
に応じてその他の式を用いても構わない。
【0230】各実施例においては、2ガウス関数でフィ
ッティングによるピーク分離を行ったが、必要に応じて
ローレンツ関数などその他の関数を用いても、また、3
ガウス関数や4ガウス関数などピークの数を増やしても
構わない。
【0231】また、各実施例においては、試料はすべて
強誘電体膜の上に上部電極などが無い状態であったが、
上部電極やその他の薄膜が付いていても構わない。ま
た、試料はチップ状などでもよく、どのような形状の物
でも構わない。
【0232】更に、実施例4,5においては、結晶の配
向割合を求める際に(100)/(010)/(00
1)回折ピークを用いたが、その他の回折ピークで配向
分離を行っても構わない。
【0233】以下、本発明の諸態様を付記としてまとめ
て記載する。
【0234】(付記1) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の強
誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目して、回折ピー
クが分裂している場合には、各回折ピーク位置を基に分
極値を算出し、回折ピークが分裂していない場合には、
所定の回折線の半値幅を見積もり、前記半値幅に基いて
回折ピーク分離を行なって分極値を算出することを特徴
とする強誘電体膜の評価方法。
【0235】(付記2) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の強
誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し、第1の回折
ピークの半値幅を指標として、前記第1の回折ピークの
半値幅が温度変化しない場合には、当該半値幅を利用
し、常に温度変化する第2の回折ピークを分離して分極
値を算出し、前記第1の回折ピークの半値幅が温度変化
する場合には、高温領域における前記第2の回折ピーク
の半値幅を利用し、前記第2の回折ピークを分離して分
極値を算出することを特徴とする強誘電体膜の評価方
法。
【0236】(付記3) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の強
誘電体の結晶を異なる結晶群に分類し、その各々の結晶
群について結晶構造毎の回折ピークに着目して、結晶の
量と歪の大きさを測定することを特徴とする強誘電体膜
の評価方法。
【0237】(付記4) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の強
誘電体の結晶を異なる結晶群に分類し、その各々の結晶
群について結晶構造毎の回折ピークに着目して、回折ピ
ークが分裂している場合には、各回折ピーク位置を基に
分極値を算出し、回折ピークが分裂していない場合に
は、所定の回折線の半値幅を見積もり、前記半値幅に基
いて回折ピーク分離を行なって分極値を算出して、各々
の前記結晶群における結晶の量と歪の大きさを測定する
ことを特徴とする強誘電体膜の評価方法。
【0238】(付記5) 前記各結晶構造は、正方晶、
斜方晶、菱面体晶、立方晶であり、これらの前記結晶構
造の各々について分極値を算出することを特徴とする付
記1〜4のいずれか1項に記載の強誘電体膜の評価方
法。
【0239】(付記6) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定する検査装置であって、X線回折により、前記強誘電
体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目して、
回折ピークが分裂している場合には、各回折ピーク位置
を基に分極値を算出し、回折ピークが分裂していない場
合には、所定の回折線の半値幅を見積もり、前記半値幅
に基いて回折ピーク分離を行なって分極値を算出するこ
とを特徴とする強誘電体膜の評価装置。
【0240】(付記7) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定する評価装置であって、X線回折により、前記強誘電
体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し、高
温領域でほぼ一定値となる第1の回折ピークの半値幅を
指標として、前記第1の回折ピークの半値幅が温度変化
しない場合には、当該半値幅を利用し、常に温度変化す
る第2の回折ピークを分離して分極値を算出し、前記第
1の回折ピークの半値幅が温度変化する場合には、前記
高温領域における前記第2の回折ピークの半値幅を利用
し、前記第2の回折ピークを分離して分極値を算出する
ことを特徴とする強誘電体膜の評価装置。
【0241】(付記8) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定する評価装置であって、X線回折により、前記強誘電
体膜の強誘電体の結晶を異なる結晶群に分類し、その各
々の結晶群について結晶構造毎の回折ピークに着目し
て、結晶の量と歪の大きさを測定することを特徴とする
強誘電体膜の評価方法。
【0242】(付記9) 強誘電体膜の強誘電特性を判
定する評価装置であって、X線回折により、前記強誘電
体膜の強誘電体の結晶を異なる結晶群に分類し、その各
々の結晶群について結晶構造毎の回折ピークに着目し
て、回折ピークが分裂している場合には、各回折ピーク
位置を基に分極値を算出し、回折ピークが分裂していな
い場合には、所定の回折線の半値幅を見積もり、前記半
値幅に基いて回折ピーク分離を行なって分極値を算出し
て、各々の前記結晶群における結晶の量と歪の大きさを
測定することを特徴とする強誘電体膜の評価装置。
【0243】(付記10) 前記各結晶構造は、正方
晶、斜方晶、菱面体晶、立方晶であり、これらの前記結
晶構造の各々について分極値を算出することを特徴とす
る付記5〜9のいずれか1項に記載の強誘電体膜の評価
方法。
【0244】(付記11) 強誘電体膜の強誘電特性を
判定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の
強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目して、強誘電
体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘電体膜
の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるいは
h=k=lを除く(hkl)回折線及び(hhh)回折
線の半値幅を検出し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶
の場合には、前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)
/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(hk
l)回折線及び(hhh)回折線の半値幅を検出し、強
誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前記強誘
電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線あるいはh,
k,lのうち、いずれか2つが0である回折線を除く
(hkl)回折線及び(h00)回折線の半値幅を検出
し、検出した前記各半値幅に基いて前記強誘電体膜の強
誘電特性を判定することを特徴とする強誘電体膜の評価
方法。
【0245】(付記12) 強誘電体膜の強誘電特性を
判定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の
強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目して、強誘電
体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘電体膜
の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるいは
h=k=lを除く(hkl)回折線の半値幅のみを検出
し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記
強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折
線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線の半値幅
のみを検出し、強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場
合には、前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回
折線あるいはh,k,lのうち、いずれか2つが0であ
る回折線を除く(hkl)回折線の半値幅のみを検出
し、検出した前記各半値幅に基いて前記強誘電体膜の強
誘電特性を判定することを特徴とする強誘電体膜の評価
方法。
【0246】(付記13) 強誘電体膜の強誘電特性を
判定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の
強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目して、強誘電
体の前記結晶構造が正方晶の場合、前記強誘電体膜の
(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh
=k=lを除く(hkl)回折線を測定し、回折ピーク
が分離しているときには、その各々の回折ピーク位置を
基にa軸とc軸の格子定数を求め、その格子定数から分
極値を算出し、回折ピークが分離していないときには、
強誘電体膜の(hhh)回折線の半値幅から分極値の情
報が含まれていない回折線の半値幅を見積もり、その半
値幅を基に前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/
(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)
回折線の回折ピーク分離を行い、その各々の回折ピーク
位置を基にa軸とc軸の格子定数を求め、その格子定数
から分極値を算出し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶
の場合、前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/
(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)
回折線を測定し、回折ピークが分離しているときには、
その各々の回折ピーク位置を基にa軸、b軸及びc軸の
格子定数を求め、その格子定数から分極値を算出し、回
折ピークが分離していないときには、前記強誘電体膜の
(hhh)回折線の半値幅から分極値の情報が含まれて
いない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基に前
記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回
折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線の回折
ピーク分離を行い、その各々の回折ピーク位置を基にa
軸、b軸及びc軸の格子定数を求め、その格子定数から
分極値を算出し、強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の
場合、前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折
線あるいはh,k,lのうち、いずれか2つが0である
回折線を除く(hkl)回折線を測定し、回折ピークが
分離しているときには、その各々の回折ピーク位置を基
にa軸とα角の格子定数を求め、その格子定数から分極
値を算出し、回折ピークが分離していないときには、前
記強誘電体膜の(h00)回折線の半値幅から分極値の
情報が含まれていない回折線の半値幅を見積もり、その
半値幅を基に前記強誘電体膜の(hhh)/(−hh
h)回折線あるいはh,k,lのうち、いずれか2つが
0である回折線を除く(hkl)回折線の回折ピーク分
離を行い、その各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角
の格子定数を求め、その格子定数から分極値を算出する
ことを特徴とする強誘電体膜の評価方法。
【0247】(付記14) 強誘電体膜の強誘電特性を
判定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の
強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目して、強誘電
体の前記結晶構造が正方晶の場合、前記強誘電体膜の
(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh
=k=lを除く(hkl)回折線について、ピークが分
離しているときには、その各々のピーク位置からa軸と
c軸の格子定数を算出してこの格子定数から分極値を算
出し、ピークが分離していないときには、温度上昇によ
り半値幅が変化しなくなる程度の高温における当該半値
幅から分極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を
見積もり、その半値幅を基にピーク分離を行い、その各
々のピーク位置からa軸とc軸の格子定数を算出してこ
の格子定数から分極値を算出し、強誘電体の前記結晶構
造が斜方晶の場合、前記強誘電体膜の(h00)/(0
k0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く
(hkl)回折線について、ピークが分離しているとき
には、その各々のピーク位置からa軸、b軸及びc軸の
格子定数を算出してこの格子定数から分極値を算出し、
ピークが分離していないときには、温度上昇により半値
幅が変化しなくなる程度の高温における当該半値幅から
分極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を見積も
り、その半値幅を基にピーク分離を行い、その各々のピ
ーク位置からa軸、b軸及びc軸の格子定数を算出して
この格子定数から分極値を算出し、強誘電体の前記結晶
構造が菱面体晶の場合、前記強誘電体膜の(hhh)/
(−hhh)回折線あるいはh,k,lのうち、いずれ
か2つが0である回折線を除く(hkl)回折線につい
て、ピークが分離しているときには、その各々のピーク
位置からa軸とα角の格子定数を算出してこの格子定数
から分極値を算出し、ピークが分離していないときに
は、温度上昇により半値幅が変化しなくなる程度の高温
における当該半値幅から分極値の情報が含まれていない
回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基にピーク分
離を行い、その各々のピーク位置からa軸とα角の格子
定数を算出してこの格子定数から分極値を算出すること
を特徴とする強誘電体膜の評価方法。
【0248】(付記15) 強誘電体膜の強誘電特性を
判定するに際して、X線回折により、前記強誘電体膜の
強誘電体の結晶を異なる結晶群に分類し、その各々の結
晶群について結晶構造毎に回折ピークに着目して、強誘
電体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘電体
膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるい
はh=k=lを除く(hkl)回折線を検出し、強誘電
体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘電体膜
の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるいは
h=k=lを除く(hkl)回折線を検出し、強誘電体
の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前記強誘電体膜
の(hhh)/(−hhh)回折線あるいはh,k,l
のうち、いずれか2つが0である回折線を除く(hk
l)回折線を検出し、強誘電体の前記結晶構造が立方晶
の場合には、前記強誘電体膜の(hkl)回折線を検出
し、各々の前記結晶群における結晶の量と歪の大きさを
測定することを特徴とする強誘電体膜の評価方法。
【0249】(付記16) X線回折により、強誘電体
膜の強誘電特性を判定する検査装置であって、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記
強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折
線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線及び(h
hh)回折線の半値幅を検出し、強誘電体の前記結晶構
造が斜方晶の場合には、前記強誘電体膜の(h00)/
(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除
く(hkl)回折線及び(hhh)回折線の半値幅を検
出し、強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、
前記強誘電体膜の(hhl)/(−hhh)回折線ある
いはh,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線
を除く(hkl)回折線及び(h00)回折線の半値幅
を検出し、検出した前記各半値幅に基いて前記強誘電体
膜の強誘電特性を判定する手段を備えることを特徴とす
る強誘電体膜の検査装置。
【0250】(付記17) X線回折により、強誘電体
膜の強誘電特性を判定する検査装置であって、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記
強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折
線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線の半値幅
のみを検出し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合
には、前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(0
0l)回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折
線の半値幅のみを検出し、強誘電体の前記結晶構造が菱
面体晶の場合には、前記強誘電体膜の(hhh)/(−
hhh)回折線あるいはh,k,lのうち、いずれか2
つが0である回折線を除く(hkl)回折線の半値幅の
みを検出し、検出した前記各半値幅に基いて前記強誘電
体膜の強誘電特性を判定する手段を備えることを特徴と
する強誘電体膜の検査装置。
【0251】(付記18) X線回折により、強誘電体
膜の強誘電特性を判定する検査装置であって、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合、前記強誘
電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
るいはh=k=lを除く(hkl)回折線を測定し、回
折ピークが分離しているときには、その各々の回折ピー
ク位置を基にa軸とc軸の格子定数を求め、その格子定
数から分極値を算出し、回折ピークが分離していないと
きには、強誘電体膜の(hhh)回折線の半値幅から分
極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を見積も
り、その半値幅を基に前記強誘電体膜の(h00)/
(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除
く(hkl)回折線の回折ピーク分離を行い、その各々
の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を求め、
その格子定数から分極値を算出し、強誘電体の前記結晶
構造が斜方晶の場合、前記強誘電体膜の(h00)/
(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除
く(hkl)回折線を測定し、回折ピークが分離してい
るときには、その各々の回折ピーク位置を基にa軸、b
軸及びc軸の格子定数を求め、その格子定数から分極値
を算出し、回折ピークが分離していないときには、前記
強誘電体膜の(hhh)回折線の半値幅から分極値の情
報が含まれていない回折線の半値幅を見積もり、その半
値幅を基に前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/
(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)
回折線の回折ピーク分離を行い、その各々の回折ピーク
位置を基にa軸、b軸及びc軸の格子定数を求め、その
格子定数から分極値を算出し、強誘電体の前記結晶構造
が菱面体晶の場合、前記強誘電体膜の(hhh)/(−
hhh)回折線あるいはh,k,lのうち、いずれか2
つが0である回折線を除く(hkl)回折線を測定し、
回折ピークが分離しているときには、その各々の回折ピ
ーク位置を基にa軸とα角の格子定数を求め、その格子
定数から分極値を算出し、回折ピークが分離していない
ときには、前記強誘電体膜の(h00)回折線の半値幅
から分極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を見
積もり、その半値幅を基に前記強誘電体膜の(hhh)
/(−hhh)回折線あるいはh,k,lのうち、いず
れか2つが0である回折線を除く(hkl)回折線の回
折ピーク分離を行い、その各々の回折ピーク位置を基に
a軸とα角の格子定数を求め、その格子定数から分極値
を算出することを特徴とする強誘電体膜の検査装置。
【0252】(付記19) X線回折により、強誘電体
膜の強誘電特性を判定する検査装置であって、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合、前記強誘
電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
るいはh=k=lを除く(hkl)回折線について、ピ
ークが分離しているときには、その各々のピーク位置か
らa軸とc軸の格子定数を算出してこの格子定数から分
極値を算出し、ピークが分離していないときには、温度
上昇により半値幅が変化しなくなる程度の高温における
当該半値幅から分極値の情報が含まれていない回折線の
半値幅を見積もり、その半値幅を基にピーク分離を行
い、その各々のピーク位置からa軸とc軸の格子定数を
算出してこの格子定数から分極値を算出し、強誘電体の
前記結晶構造が斜方晶の場合、前記強誘電体膜の(h0
0)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k=
lを除く(hkl)回折線について、ピークが分離して
いるときには、その各々のピーク位置からa軸、b軸及
びc軸の格子定数を算出してこの格子定数から分極値を
算出し、ピークが分離していないときには、温度上昇に
より半値幅が変化しなくなる程度の高温における当該半
値幅から分極値の情報が含まれていない回折線の半値幅
を見積もり、その半値幅を基にピーク分離を行い、その
各々のピーク位置からa軸、b軸及びc軸の格子定数を
算出してこの格子定数から分極値を算出し、強誘電体の
前記結晶構造が菱面体晶の場合、前記強誘電体膜の(h
hh)/(−hhh)回折線あるいはh,k,lのう
ち、いずれか2つが0である回折線を除く(hkl)回
折線について、ピークが分離しているときには、その各
々のピーク位置からa軸とα角の格子定数を算出してこ
の格子定数から分極値を算出し、ピークが分離していな
いときには、温度上昇により半値幅が変化しなくなる程
度の高温における当該半値幅から分極値の情報が含まれ
ていない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基に
ピーク分離を行い、その各々のピーク位置からa軸とα
角の格子定数を算出してこの格子定数から分極値を算出
することを特徴とする強誘電体膜の検査装置。
【0253】(付記20) X線回折により、強誘電体
膜の強誘電特性を判定する検査装置であって、前前記強
誘電体膜の強誘電体の結晶を異なる結晶群に分類し、そ
の各々の結晶群について結晶構造毎に回折ピークに着目
して、強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前
記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回
折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線を検出
し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記
強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折
線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線を検出
し、強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前
記強誘電体膜の(hhl)/(−hhh)回折線あるい
はh,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線を
除く(hkl)回折線を検出し、強誘電体の前記結晶構
造が立方晶の場合には、前記強誘電体膜の(hkl)回
折線を検出し、各々の前記結晶群における結晶の量と歪
の大きさを測定することを特徴とする強誘電体膜の検査
装置。
【0254】(付記21) X線回折により、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体膜の強誘電特性を判定するためのプログラ
ムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であ
って、前記プログラムは、強誘電体の前記結晶構造が正
方晶の場合には、前記強誘電体膜の(h00)/(0k
0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(h
kl)回折線及び(hhh)回折線の半値幅を検出し、
強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘
電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
るいはh=k=lを除く(hkl)回折線及び(hh
h)回折線の半値幅を検出し、強誘電体の前記結晶構造
が菱面体晶の場合には、前記強誘電体膜の(hhh)/
(−hhh)回折線あるいはh,k,lのうち、いずれ
か2つが0である回折線を除く(hkl)回折線及び
(h00)回折線の半値幅を検出し、検出した前記各半
値幅に基いて前記強誘電体膜の強誘電特性を判定するこ
とを実行させるものであることを特徴とする記憶媒体。
【0255】(付記22) X線回折により、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体膜の強誘電特性を判定するためのプログラ
ムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であ
って、前記プログラムは、強誘電体の前記結晶構造が正
方晶の場合には、前記強誘電体膜の(h00)/(0k
0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(h
kl)回折線の半値幅のみを検出し、強誘電体の前記結
晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘電体膜の(h0
0)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k=
lを除く(hkl)回折線の半値幅のみを検出し、強誘
電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前記強誘電
体膜の(hhh)/(−hhh)回折線あるいはh,
k,lのうち、いずれか2つが0である回折線を除く
(hkl)回折線の半値幅のみを検出し、検出した前記
各半値幅に基いて前記強誘電体膜の強誘電特性を判定す
ることを実行させるものであることを特徴とする記憶媒
体。
【0256】(付記23) X線回折により、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体膜の強誘電特性を判定するためのプログラ
ムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であ
って、前記プログラムは、強誘電体の前記結晶構造が正
方晶の場合、前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)
/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(hk
l)回折線を測定し、回折ピークが分離しているときに
は、その各々の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子
定数を求め、その格子定数から分極値を算出し、回折ピ
ークが分離していないときには、強誘電体膜の(hh
h)回折線の半値幅から分極値の情報が含まれていない
回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基に前記強誘
電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
るいはh=k=lを除く(hkl)回折線の回折ピーク
分離を行い、その各々の回折ピーク位置を基にa軸とc
軸の格子定数を求め、その格子定数から分極値を算出
し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合、前記強誘
電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
るいはh=k=lを除く(hkl)回折線を測定し、回
折ピークが分離しているときには、その各々の回折ピー
ク位置を基にa軸、b軸及びc軸の格子定数を求め、そ
の格子定数から分極値を算出し、回折ピークが分離して
いないときには、前記強誘電体膜の(hhh)回折線の
半値幅から分極値の情報が含まれていない回折線の半値
幅を見積もり、その半値幅を基に前記強誘電体膜の(h
00)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k
=lを除く(hkl)回折線の回折ピーク分離を行い、
その各々の回折ピーク位置を基にa軸、b軸及びc軸の
格子定数を求め、その格子定数から分極値を算出し、強
誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合、前記強誘電体
膜の(hhh)/(−hhh)回折線あるいはh,k,
lのうち、いずれか2つが0である回折線を除く(hk
l)回折線を測定し、回折ピークが分離しているときに
は、その各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子
定数を求め、その格子定数から分極値を算出し、回折ピ
ークが分離していないときには、前記強誘電体膜の(h
00)回折線の半値幅から分極値の情報が含まれていな
い回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基に前記強
誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線あるいは
h,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線を除
く(hkl)回折線の回折ピーク分離を行い、その各々
の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子定数を求め、
その格子定数から分極値を算出することを実行させるも
のであることを特徴とする記憶媒体。
【0257】(付記24) X線回折により、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体膜の強誘電特性を判定するためのプログラ
ムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であ
って、前記プログラムは、強誘電体の前記結晶構造が正
方晶の場合、前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)
/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(hk
l)回折線について、ピークが分離しているときには、
その各々のピーク位置からa軸とc軸の格子定数を算出
してこの格子定数から分極値を算出し、ピークが分離し
ていないときには、温度上昇により半値幅が変化しなく
なる程度の高温における当該半値幅から分極値の情報が
含まれていない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅
を基にピーク分離を行い、その各々のピーク位置からa
軸とc軸の格子定数を算出してこの格子定数から分極値
を算出し、強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合、前
記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回
折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線につい
て、ピークが分離しているときには、その各々のピーク
位置からa軸、b軸及びc軸の格子定数を算出してこの
格子定数から分極値を算出し、ピークが分離していない
ときには、温度上昇により半値幅が変化しなくなる程度
の高温における当該半値幅から分極値の情報が含まれて
いない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基にピ
ーク分離を行い、その各々のピーク位置からa軸、b軸
及びc軸の格子定数を算出してこの格子定数から分極値
を算出し、強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合、
前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線ある
いはh,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線
を除く(hkl)回折線について、ピークが分離してい
るときには、その各々のピーク位置からa軸とα角の格
子定数を算出してこの格子定数から分極値を算出し、ピ
ークが分離していないときには、温度上昇により半値幅
が変化しなくなる程度の高温における当該半値幅から分
極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を見積も
り、その半値幅を基にピーク分離を行い、その各々のピ
ーク位置からa軸とα角の格子定数を算出してこの格子
定数から分極値を算出することを実行させるものである
ことを特徴とする記憶媒体。
【0258】(付記25) X線回折により、前記強誘
電体膜の強誘電体の結晶を異なる結晶群に分類し、その
各々の結晶群について結晶構造毎に回折ピークに着目し
て、強誘電体膜の強誘電特性を判定するためのプログラ
ムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であ
って、前記プログラムは、強誘電体の前記結晶構造が正
方晶の場合には、前記強誘電体膜の(h00)/(0k
0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(h
kl)回折線を検出し、強誘電体の前記結晶構造が斜方
晶の場合には、前記強誘電体膜の(h00)/(0k
0)/(00l)回折線あるいはh=k=lを除く(h
kl)回折線を検出し、強誘電体の前記結晶構造が菱面
体晶の場合には、前記強誘電体膜の(hhh)/(−h
hh)回折線あるいはh,k,lのうち、いずれか2つ
が0である回折線を除く(hkl)回折線を検出し、強
誘電体の前記結晶構造が立方晶の場合には、前記強誘電
体膜の(hkl)回折線を検出し、各々の前記結晶群に
おける結晶の量と歪の大きさを測定することを実行させ
るものであることを特徴とする記憶媒体。
【0259】(付記26) 容量絶縁膜を介して下部導
電体膜と上部導電体膜とが対向してなるキャパシタを備
えた半導体装置を製造するに際して、付記1〜5,11
〜15のいずれか1項に記載の評価方法により強誘電特
性を判定された強誘電体膜を前記容量絶縁膜として用い
ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0260】(付記27) 前記強誘電体膜の強誘電特
性を判定した後、適時条件を修正することを特徴とする
付記26に記載の半導体装置の製造方法。
【0261】(付記28) 前記強誘電体膜の強誘電特
性を判定した後、適時強誘電特性を回復させる処理を施
すことを特徴とする付記26に記載の半導体装置の製造
方法。
【0262】(付記29) 前記強誘電体膜に立体構造
が存するときには、平坦な領域を作製しておき、その領
域を検査し、強誘電体膜の強誘電特性を判定することを
特徴とする付記1〜5,11〜15のいずれか1項に記
載の評価方法。
【0263】
【発明の効果】本発明によれば、X線回折を使用して強
誘電体膜のピークの半値幅やピーク位置を検出し、その
結果に基づいて強誘電体膜の強誘電性の有無または自発
分極の強さを判定することにより、従来方法では必須と
考えられていた電界を印加するための電極が無くても強
誘電体膜の強誘電性を評価することができる。
【0264】また、本発明によれば、実際の素子製造工
程で製造途中の素子についても、強誘電性の評価が可能
である。更に、実際の素子製造工程の素子について強誘
電性の良否を調べ、不良と判定した時には、条件を修正
しロットを流したり、判定に使用した素子と同一ロット
の素子に対し酸素雰囲気中でアニールするなどの処理を
施して、強誘電特性を回復させることが可能となる。こ
れにより、製造歩留まりの向上が図れるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による強誘電体膜の評価方法を
ステップ順に示すフローチャートである。
【図2】図1に引き続き、第1の実施形態による強誘電
体膜の評価方法をステップ順に示すフローチャートであ
る。
【図3】図2に引き続き、第1の実施形態による強誘電
体膜の評価方法をステップ順に示すフローチャートであ
る。
【図4】第2の実施形態による強誘電体膜の評価方法を
ステップ順に示すフローチャートである。
【図5】図4に引き続き、第2の実施形態による強誘電
体膜の評価方法をステップ順に示すフローチャートであ
る。
【図6】図5に引き続き、第2の実施形態による強誘電
体膜の評価方法をステップ順に示すフローチャートであ
る。
【図7】第3の実施形態による強誘電体膜の評価方法を
ステップ順に示すフローチャートである。
【図8】図6に引き続き、第3の実施形態による強誘電
体膜の評価方法をステップ順に示すフローチャートであ
る。
【図9】図8に引き続き、第3の実施形態による強誘電
体膜の評価方法をステップ順に示すフローチャートであ
る。
【図10】第3の実施形態によるパーソナルユーザ端末
装置の内部構成を示す模式図である。
【図11】実施例1,2において使用した試料の断面図
である。
【図12】PZT(200)/(020)/(002)
回折ピークの半値幅の温度変化を示す特性図である。
【図13】PZT(200)/(020)/(002)
回折ピークから求めた分極値の温度変化を示す特性図で
ある。
【図14】PZT(111)回折ピークの半値幅の温度
変化を示す特性図である。
【図15】実施例3において使用した試料の断面図であ
る。
【図16】分極値とPZT(100)/(010)/
(001)回折ピークの半値幅の相関図である。
【図17】実施例4において使用した試料の断面図であ
る。
【図18】PLCSZT(100)回折ピーク位置とバ
ックグラウンド位置でχスキャンを行った特性図であ
る。
【図19】図18のPLCSZT(100)回折ピーク
位置でのχスキャンからバックグラウンド位置でのχス
キャンを引いた特性図である。
【図20】χを変えながら2θ/ωスキャンを行い得ら
れたPLCSZT(100)回折ピークまわりのマップ
図である。
【図21】実施例5において使用した試料の断面図であ
る。
【図22】PZT(100)回折ピーク位置でのχスキ
ャンからバックグラウンド位置でのχスキャンを引いた
特性図である。
【図23】χ=0°((100)配向結晶)、χ=20
°(無配向結晶)、χ=55((111)配向結晶)で
PZT(100)回折ピーク近傍の2θ/ωスキャンを
行った特性図である。
【符号の説明】
10 Si基板 11 SiO2膜 12 Ti膜 13 下部Pt電極 14,16,18 PZT膜 15 IrO2膜 17 PLCSZT膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/66 C04B 35/00 J Fターム(参考) 2G001 AA01 BA18 CA01 DA01 FA06 FA17 GA17 HA12 JA08 JA11 JA14 KA08 KA20 LA11 MA05 RA03 4G030 AA16 AA17 AA40 BA09 CA01 CA04 CA08 4G031 AA11 AA12 AA32 BA09 CA01 CA04 CA08 4M106 AB20 BA20 CA70 CB17 DH25 DJ11 DJ20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体膜の強誘電特性を判定する検査
    装置であって、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
    毎に回折ピークに着目して、 回折ピークが分裂している場合には、各回折ピーク位置
    を基に分極値を算出し、 回折ピークが分裂していない場合には、所定の回折線の
    半値幅を見積もり、前記半値幅に基いて回折ピーク分離
    を行なって分極値を算出することを特徴とする強誘電体
    膜の評価装置。
  2. 【請求項2】 強誘電体膜の強誘電特性を判定する評価
    装置であって、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
    毎に回折ピークに着目し、第1の回折ピークの半値幅を
    指標として、 前記第1の回折ピークの半値幅が温度変化しない場合に
    は、当該半値幅を利用し、常に温度変化する第2の回折
    ピークを分離して分極値を算出し、 前記第1の回折ピークの半値幅が温度変化する場合に
    は、高温領域における前記第2の回折ピークの半値幅を
    利用し、前記第2の回折ピークを分離して分極値を算出
    することを特徴とする強誘電体膜の評価装置。
  3. 【請求項3】 強誘電体膜の強誘電特性を判定する評価
    装置であって、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶を異
    なる結晶群に分類し、その各々の結晶群について結晶構
    造毎の回折ピークに着目して、結晶の量と歪の大きさを
    測定することを特徴とする強誘電体膜の評価方法。
  4. 【請求項4】 強誘電体膜の強誘電特性を判定する評価
    装置であって、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶を異
    なる結晶群に分類し、その各々の結晶群について結晶構
    造毎の回折ピークに着目して、 回折ピークが分裂している場合には、各回折ピーク位置
    を基に分極値を算出し、 回折ピークが分裂していない場合には、所定の回折線の
    半値幅を見積もり、前記半値幅に基いて回折ピーク分離
    を行なって分極値を算出して、各々の前記結晶群におけ
    る結晶の量と歪の大きさを測定することを特徴とする強
    誘電体膜の評価装置。
  5. 【請求項5】 強誘電体膜の強誘電特性を判定するに際
    して、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
    毎に回折ピークに着目して、 強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘
    電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
    るいはh=k=lを除く(hkl)回折線及び(hh
    h)回折線の半値幅を検出し、 強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘
    電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
    るいはh=k=lを除く(hkl)回折線及び(hh
    h)回折線の半値幅を検出し、 強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前記強
    誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線あるいは
    h,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線を除
    く(hkl)回折線及び(h00)回折線の半値幅を検
    出し、 検出した前記各半値幅に基いて前記強誘電体膜の強誘電
    特性を判定することを特徴とする強誘電体膜の評価方
    法。
  6. 【請求項6】 強誘電体膜の強誘電特性を判定するに際
    して、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
    毎に回折ピークに着目して、 強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘
    電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
    るいはh=k=lを除く(hkl)回折線の半値幅のみ
    を検出し、 強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘
    電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
    るいはh=k=lを除く(hkl)回折線の半値幅のみ
    を検出し、 強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前記強
    誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線あるいは
    h,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線を除
    く(hkl)回折線の半値幅のみを検出し、 検出した前記各半値幅に基いて前記強誘電体膜の強誘電
    特性を判定することを特徴とする強誘電体膜の評価方
    法。
  7. 【請求項7】 強誘電体膜の強誘電特性を判定するに際
    して、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
    毎に回折ピークに着目して、 強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合、 前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)
    回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線を測
    定し、回折ピークが分離しているときには、その各々の
    回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を求め、そ
    の格子定数から分極値を算出し、回折ピークが分離して
    いないときには、強誘電体膜の(hhh)回折線の半値
    幅から分極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を
    見積もり、その半値幅を基に前記強誘電体膜の(h0
    0)/(0k0)/(00l)回折線あるいはh=k=
    lを除く(hkl)回折線の回折ピーク分離を行い、そ
    の各々の回折ピーク位置を基にa軸とc軸の格子定数を
    求め、その格子定数から分極値を算出し、 強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合、 前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)
    回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線を測
    定し、回折ピークが分離しているときには、その各々の
    回折ピーク位置を基にa軸、b軸及びc軸の格子定数を
    求め、その格子定数から分極値を算出し、回折ピークが
    分離していないときには、前記強誘電体膜の(hhh)
    回折線の半値幅から分極値の情報が含まれていない回折
    線の半値幅を見積もり、その半値幅を基に前記強誘電体
    膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あるい
    はh=k=lを除く(hkl)回折線の回折ピーク分離
    を行い、その各々の回折ピーク位置を基にa軸、b軸及
    びc軸の格子定数を求め、その格子定数から分極値を算
    出し、 強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合、 前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線ある
    いはh,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線
    を除く(hkl)回折線を測定し、回折ピークが分離し
    ているときには、その各々の回折ピーク位置を基にa軸
    とα角の格子定数を求め、その格子定数から分極値を算
    出し、回折ピークが分離していないときには、前記強誘
    電体膜の(h00)回折線の半値幅から分極値の情報が
    含まれていない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅
    を基に前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折
    線あるいはh,k,lのうち、いずれか2つが0である
    回折線を除く(hkl)回折線の回折ピーク分離を行
    い、その各々の回折ピーク位置を基にa軸とα角の格子
    定数を求め、その格子定数から分極値を算出することを
    特徴とする強誘電体膜の評価方法。
  8. 【請求項8】 強誘電体膜の強誘電特性を判定するに際
    して、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶構造
    毎に回折ピークに着目して、 強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合、 前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)
    回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線につ
    いて、ピークが分離しているときには、その各々のピー
    ク位置からa軸とc軸の格子定数を算出してこの格子定
    数から分極値を算出し、ピークが分離していないときに
    は、温度上昇により半値幅が変化しなくなる程度の高温
    における当該半値幅から分極値の情報が含まれていない
    回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基にピーク分
    離を行い、その各々のピーク位置からa軸とc軸の格子
    定数を算出してこの格子定数から分極値を算出し、 強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合、 前記強誘電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)
    回折線あるいはh=k=lを除く(hkl)回折線につ
    いて、ピークが分離しているときには、その各々のピー
    ク位置からa軸、b軸及びc軸の格子定数を算出してこ
    の格子定数から分極値を算出し、ピークが分離していな
    いときには、温度上昇により半値幅が変化しなくなる程
    度の高温における当該半値幅から分極値の情報が含まれ
    ていない回折線の半値幅を見積もり、その半値幅を基に
    ピーク分離を行い、その各々のピーク位置からa軸、b
    軸及びc軸の格子定数を算出してこの格子定数から分極
    値を算出し、 強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合、 前記強誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線ある
    いはh,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線
    を除く(hkl)回折線について、ピークが分離してい
    るときには、その各々のピーク位置からa軸とα角の格
    子定数を算出してこの格子定数から分極値を算出し、ピ
    ークが分離していないときには、温度上昇により半値幅
    が変化しなくなる程度の高温における当該半値幅から分
    極値の情報が含まれていない回折線の半値幅を見積も
    り、その半値幅を基にピーク分離を行い、その各々のピ
    ーク位置からa軸とα角の格子定数を算出してこの格子
    定数から分極値を算出することを特徴とする強誘電体膜
    の評価方法。
  9. 【請求項9】 強誘電体膜の強誘電特性を判定するに際
    して、 X線回折により、前記強誘電体膜の強誘電体の結晶を異
    なる結晶群に分類し、その各々の結晶群について結晶構
    造毎に回折ピークに着目して、 強誘電体の前記結晶構造が正方晶の場合には、前記強誘
    電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
    るいはh=k=lを除く(hkl)回折線を検出し、 強誘電体の前記結晶構造が斜方晶の場合には、前記強誘
    電体膜の(h00)/(0k0)/(00l)回折線あ
    るいはh=k=lを除く(hkl)回折線を検出し、 強誘電体の前記結晶構造が菱面体晶の場合には、前記強
    誘電体膜の(hhh)/(−hhh)回折線あるいは
    h,k,lのうち、いずれか2つが0である回折線を除
    く(hkl)回折線を検出し、 強誘電体の前記結晶構造が立方晶の場合には、前記強誘
    電体膜の(hkl)回折線を検出し、 各々の前記結晶群における結晶の量と歪の大きさを測定
    することを特徴とする強誘電体膜の評価方法。
  10. 【請求項10】 X線回折により、前記強誘電体膜の強
    誘電体の結晶構造毎に回折ピークに着目して、強誘電体
    膜の強誘電特性を判定するためのプログラムを記憶した
    コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、 前記プログラムは、請求項5〜9のいずれか1項に記載
    の強誘電体膜の評価方法の手順を実行するものであるこ
    とを特徴とする記憶媒体。
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