JP2002181496A - 防刃・防弾機能を有する座布団 - Google Patents

防刃・防弾機能を有する座布団

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 防犯を目的とした常時着用の負担を必要とせ
ず、緊急の場合に防刃・防弾機能を発揮できる盾とな
る、常時手元で使用され常備状態が維持できる防犯用座
布団に関する。 【解決手段】 通常座布団構成用に使用されるクッショ
ン材層2と、20g/d以上の引張り強度を有する高強
力繊維1によって構成された織物を積層した織物積層体
層の組合せからなる構造物を単層〜3層積層し、且つ該
積層構造物をクッション材3で包み込み、更に座布団構
成用外皮で被覆させた防刃・防弾機能を有する座布団F
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防犯を目的とした常
時着用の負担を必要とせず、緊急の場合に防刃・防弾機
能を発揮できる盾となる、常時手元で使用し常備してい
る防犯用座布団に関するものである。
【0002】
【従来の技術】刃物及び銃弾による犯罪防御のために高
強力繊維、例えばポリパラフェニーレンテレフタルアミ
ドに代表されるアラミド繊維や、高分子量ポリエチレン
繊維、又はポリパラフェニーレンベンゾビスオキサゾー
ル繊維など用いて構成させた高密度織物よりなる、防弾
チョッキ等が開発され金属板に比べても耐弾性能が優れ
た着用性が良い防弾チョッキとして用いられている。そ
してかかる防弾チョッキ構成材として、特公平5−58
449号公報や、特公表3−502431号公報及び特
開平8−188654号公報、特公表2000−514
543号公報に見られるように該高強力繊維をマトリッ
クス樹脂中に同一方向に沿って実質的に平行に配列した
構造(UD構造)のシート状物質を防弾チョッキ構成材
として用いた防弾チョッキ等が開発され、高くその性能
が評価されている。しかしながら、上記防御材は、凶悪
犯逮捕や騒乱鎮圧並びに重要人物・重要物件護送等の、
被弾や凶刃を受ける可能性の高い特殊な状態・条件を前
提とした任務につく場合に限り着用される物であり、日
常の通常勤務や生活環境下で使用されるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近来、我が国における
治安の悪化は、凶悪犯逮捕や騒乱鎮圧並びに重要人物・
重要物件護送等の危険任務従事に係らず、金を扱う金融
機関、スーパーマーケット、コンビニエンスストアー、パ
チンコ景品交換所などの従業員及び現金輸送車ドライバ
ー等は、被弾や凶刃を受ける機会が少なくなくなり、さ
りとて前記のように、防護具(防刃・防弾チョッキ)を
着用して日常勤務につくことはできず、いざという場合
に、身を護る誰しもが身近に常用する普遍的な常用品で
防護能が高く、とっさに身を護り緊急通報機会が持てる
防護具の必要性と開発が強く望まれる治安環境状態とな
って来た。
【0004】そこで、誰しもが何らの負担なく常時使用
し身近に置く常用品で、防刃・防弾能を持つ部材を仕込
むことができる日常常用品がないかと種々検討・調査探
索した結果、座布団であれば、これら全ての必要条件が
満足できることに着目し、座布団のクッション在中に防
刃・防弾能を有する部材を仕込むことを着想し、本発明
に至ったのである。なお念のため付言すると、同じくア
ラミド繊維を使用した布団・座布団・パッド・毛布類
は、特開平1−110393号公報、特開平2−269
75号公報、特開平3−261412号公報、特開平3
−94168号公報などに見受けられるが、これらは何
れもアラミド繊維の防炎性を活用した、防炎布団・防炎
座布団・防炎毛布などに関する物であり、防刃・防弾を
目的とした本発明とは発明の思想・目的・効果・構成何
れの面においても一切関係のないものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項に記載
した構成の座布団を構成させ、これを防護材として用い
ることにより、課題を解決すことに成功したのである。
即ち、 1.木綿ワタ又は座布団構成用に使用されるクッション
材層と、20g/d以上の引張り強度を有する高強力繊
維によって構成された織物複数枚を積層した織物積層体
層との組合せからなる構造物を単層乃至3層積層し、且
つ該積層物の最上下層に木綿綿又は座布団構成用に使用
されるクッション材層が配置されるように構成させ、更
に該構造物を座布団構成用外皮で被覆させた防刃・防弾
機能を有する座布団に適用したものである。
【0006】2.請求項1に規定した高強力繊維にて構
成される織物の目付けが100〜400g/mであ
り、該織物を積層した積層枚数6〜15層の織物積層体
であり、該織物積層体を構成する織物の層間がキイルテ
ィング又はスポット接合されたものである防刃・防弾機
能を有する座布団。 3.高強力繊維によって構成される織物積層体層が、織
物構成組織の構成繊維配列方向を45°ずらすように積
層されたものである請求項1又は請求項2に記載した構
造を有する防刃・防弾機能を有する座布団。 4.高強力繊維がアラミド繊維である請求項1乃至請求
項3に記載した構造を有する防刃・防弾機能を有する座
布団。により課題を解消し目的を達成することに成功し
たのである。
【0007】以下に本発明の構成内容と、それに基づく
効果に付き更に詳細に説明すると、 (1)本発明における防刃・防弾用の防護材である座布
団は、銀行等金融機関始め各所企業の事務所やスーパー
マーケット・コンビニエンスストアーなどの従業員及び
タクシー乗務員などが、危難に遭遇する可能性のある職
場で日常絶えず身近に普遍的に常用出来る、従来の座布
団と何ら差異のない座布団であり、且つ外見的にも何ら
差異なく更に、着用の負担や着用による活動性などへの
負担のないものであり、緊急の場合に速やかに防護材
(盾)として活用でき、緊急通報など行うに充分なゆと
りを与え、防護に充分な効果を付与できるものである。
【0008】(2)本発明の防刃・防弾座布団における
基本構成は請求項1に規定するように既に防弾チョッキ
構成材として防弾能・防刃能が実証されている20g/
d以上の引張り強度を有する高強力繊維で構成された織
物複数枚を積層した織物積層体層と、被弾時の衝撃吸収
にも有効な座布団構成用に使用されるクッション材層と
の組合せからなる構造体を単層乃至3層積層し、且つ該
構造体積層物の最上下層に木綿ワタ又は座布団構成用に
使用されるクッション材層が配置され、更に該構造物を
座布団構成用外皮で被覆させた物であるから、防刃・防
弾性能が極めて高く且つ、防弾チョッキのように着用し
身体に密着させる物ではないため、防弾チョッキにおい
ては高強力繊維織物積層体層からなる防刃・防弾層によ
って弾丸及び刃物の貫通は防御できるが、被弾部の変形
・変位まで完全に防御できないために生じる、局部的変
形衝撃の完全防御までは困難であるという問題点も、身
体に密着して使用しないこと及びクッション層が存在す
ることにより解消できる利点もあるのである。
【0009】(3)請求項2に規定する構成要件は、請
求項1に規定した防刃・防弾座布団が性能を発揮するに
望ましい典型的構成要件を規定する物であり、機能を最
大限に発揮せしめる一般的必要条件として、a.高強力
繊維にて構成される織物の目付けが100〜400g/
であり、該織物複数枚を積層した織物積層体層の積
層枚数6〜15層の織物積層体であるb.被弾部にかか
る応力を分散させ、効果的にエネルギーを吸収・分散さ
せるために、高強力繊維にて構成させた織物複数枚を積
層した織物積層体層の織物層間が接合・固定されていな
い状態とし、且つキルティング又は接合点間隔50mm
以上の間隔でスポット接合されたものとなすこと、が有
効である。
【0010】(4)更に、請求項3に規定する構成要件
は、請求項1〜2に規定した防刃・防弾座布団が、更に
効果的に性能を発揮するに望ましい典型的構成要件を規
定するものであり、機能を最大限に発揮せしめる一般的
必要条件として、請求項1〜2に規定した高強力繊維に
よって構成される織物複数枚を積層した織物積層体層
が、該織物を構成する構成繊維の配列方向を45°ずら
して積層されたものである。かかる積層状態に構成織物
を逐次45°ずらして積層すると、如何なる入刃角で凶
刃を受けても切断し入刃するために要する織物構成繊維
の切断本数が最大となり防刃性能が最大となるからであ
る。即ち、単純に同一配列方向の織物を積層すれば、入
刃角により切断本数が倍増する場合と半減する場合が出
現し防刃能を最大限に発揮できない。防弾能においても
同様の効果が見受けられる。 (5)請求項1〜3に規定した防刃・防弾性能を有する
座布団を構成する高強力繊維に関する規定は、普遍的で
使用しやすい代表例としてアラミド繊維である。
【0011】次いで本発明において使用される高強力繊
維に付いてのべると、20g/d以上の引張り強力を有
する繊維なれば何れでも良いのであるが、その代表的例
をあげるとポリパラフェニーレンテレフタルアミドに代
表されるアラミド繊維や高分子量ポリエチレン繊維、炭
素繊維又はポリパラフェニーレンベンゾビスオキサゾー
ル繊維(PBO)、ポリパラフェニレンベンゾビスチア
ゾール繊維(PBT)など市販の所謂高強力繊維なれば
何れでも適用可能である。またかかる繊維はマルチフィ
ラメントヤーンを用い織物を製織して用いても、紡績糸
として織物を製織して用いても何れでも良い。織物組織
構成としては特に限定するものではないが、平織り、綾
織りなど比較的単純な組織構成で織り密度が高いものが
望ましい。
【0012】更に、織物組織構造としては被弾・入刃時
の応力集中を避け、応力の分散を計るために防弾効果が
高いといわれている多重織物の使用は必ずしも求めるも
のではなく、高強力繊維にて構成された織物複数枚を積
層した織物積層体層の織物層間が接合・固定されて居な
い状態とし、且つ密着性付与のためにキルティング又は
接合点間隔50mm以上の間隔でスポット接合した状態
で用いることが望ましい。なお、特に限定するものでは
ないが、該織物積層体の密着性付与のために行うキルテ
ィングは、被弾時の高度の衝撃にも耐え得るようになす
ために織物を構成する繊維と同じ高強力糸を用いて行う
ことがより望ましい。
【0013】なお、特に選別・限定するわけではない
が、同一目付けの防刃・防弾座布団を構成させれば、本
発明の防刃・防弾性座布団は、その防刃・防弾性能面よ
り該座布団を構成するクッション材層と、高強力繊維に
よって構成された織物複数枚を積層した織物積層体層の
組合せからなる構造物の積層数を、単層とするよりも複
数層とすることがより防刃・防弾性能が高くできるので
推奨できる。また、特に必要条件として規定はしない
が、本発明で規定されるクッション材層と、高強力繊維
にて構成された織物複数枚を積層しキルティング又はス
ポット接合で密着性を付与した織物積層体層との組合せ
からなる構造物の複数層の積層体全体を、粗い目のキル
ティングを施し一体化しておくことも防刃・防弾性能を
高めるために好ましい。
【0014】本発明における防刃・防弾機能を有する座
布団の具体的な製造方法並びに構成状態をのべると次の
とおりである。即ち、その構成状態を図2に示すよう
に、防刃・防弾機能を有する座布団Fは、20g/d以
上の引張り強度を有する高強力繊維(フィラメントヤー
ンでも紡績糸でもよい)を用いて製織した、目付け10
0〜400g/mの織物1を(特に織物構成組織を限
定するものではないが、平織り又は綾織り織物が好適)
6〜15枚積層し、織物層間に密着性を付与するために
キルティングを施すか又は各織物面上に接合点間隔50
mm以上となるようにホットメルト接着剤を点状に施
し、接合点間隔50mm以上のスポット接合を行い、織
物複数枚が緩やかに積層一体化された織物積層体Aを作
製する。なおこの際、織物積層体Aを構成する織物の積
層状態は、該織物を構成する繊維の配列方向を揃えて積
層しても45°づつずらして積層してもよいが、より高
い防刃・防弾性能を得るためには45°づつずらして積
層することが望ましい。
【0015】次いで、該織物積層体Aと厚み5〜20m
mの綿ワタ又は合繊スフワタ、その他発泡体からなるク
ッション材など座布団用クッション材として使用される
クッション材2とを積層した構造体Bを構成させ、構造
体Bを更に単層乃至3層積層し、これを更に座布団構成
用クッション材3にて包み込み、更に座布団構成用外皮
4(織物或いは皮革類など)で被覆し、本発明の防刃・
防弾座布団を構成させる。なお、構造体B又は構造体B
をクッション材で包み込んだ構造物に、更に粗い間隔の
キルティングを施すことも、防刃・防弾効果を改善する
上で好ましい結果を与える。更に、図3に示すように、
緊急時に身体の防護に使用しやすくするために、座布団
Fの裏面には把手5を設けることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に実施例によって、より具体
的に本発明の防刃・防弾能を有する座布団の構成状態
と、その効果に関し説明を行う。 [実施例1]テイジン株式会社製のポリパラフェニーレ
ンテレフタルアミド繊維、即ち、Kevlar129(引張り強
度26.5g/d、引張り弾性率760g/d)のステ
ープルファイバーによって構成された番手20/2の紡
績糸を用い、織り密度タテ59本/吋、ヨコ47本/吋
で、目付け300g/mの綾織り織物1を製織した。
得られた織物の代表的物性は表1に示す通りであった。
【表1】 (註)物性測定はJIS L 1096一般織物試験法
に従って測定した。なお、引張強さはA法(ストリップ
法)定速伸張形・資料幅2.5cm幅の測定値であり、
引裂き強さはA−1法(シングルタング法)、破裂強さ
はA法(ミューレン形法)による測定値である。
【0017】かくして得た織物1を織物の繊維配列方向
を合わせて10枚積層し、織物積層体Aを作製し、密着
性を付与するためにタテ・ヨコとも50mm間隔で該織
物を製織したアラミド繊維紡績糸と同一の20/2紡績
糸でキルティングを行った。次いで、該キルティングを
施した織物積層体A下面に、厚さ6mmの木綿ワタ層か
らなる衝撃吸収用クッション層2を積層し、A−2両層
が積層された構造体Bを作製した。また、前記の構造体
Bを構成した織物積層体Aにおいて、織物積層枚数のみ
を6枚に変更した織物積層体A’を用い、同一構成の構
造体B’を作製し、得られた構造体B(上側)と構造体
B’(下側)とを積層し、更にタテ・ヨコ方向とも15
0mm間隔のキルティングを施し緩やかに一体化し、こ
れを座布団構成に適した寸法(50〜60cm角)に裁
断し、厚さ10mmの木綿ワタ層3で包み込み、更に座
布団構成用外皮(生地)4で被覆し(全体厚み40m
m)、防刃・防弾用座布団を作製した。
【0018】作製した防刃・防弾用座布団の防刃性能を
評価するために、図1に示すように座布団を厚さ65m
mのラワン材上に置き、該座布団上3.7mの位置に鋼
鉄製総長265mm、刃渡り140mm、背の肉厚7m
m、重量190gの鋭利な出刃包丁をセットし、該防刃
・防弾座布団(被試験体)に向け落下させ、被試験体で
ある座布団への突き刺さり−貫通状態を観測し、防刃・
防弾座布団の防刃性能を評価した。作製した防刃・防弾
座布団の防刃性能観測結果は、被試験体座布団を構成す
る織物積層体Aの10枚目の織物を出刃包丁の刃先が僅
かに突き抜ける(0.1mm突出する)状態で、構造体
Bのクッション材層は実質的に無傷であり、下層の構造
体B’は全く無傷であり、充分な防刃能を有することを
示した。
【0019】[実施例2]実施例1にのべた防刃・防弾
座布団製作において、織物積層体Aの織物積層方法のみ
を変更して、織物を構成する繊維の配列方向が逐次45
°ずれるように積層した織物積層体A”を作製し、実施
例1の織物積層体Aに替えてこの織物積層体A”を用
い、他は実施例1と全く同様にして同一構成の防刃・防
弾座布団を作成し、実施例1と同様にその防刃性能を評
価した。評価結果は、実施例1の防刃・防弾座布団と同
様に優れた物であるが、該評価物は実施例1の品物とは
異なり、座布団を構成する織物積層体A”の織物積層方
法を、織物積層体A”構成織物の織物を構成する繊維の
配列方向が逐次各層で45°づつずれるように積層して
あるため、防刃・防弾座布団に対する刃物の貫通時の繊
維切断本数と切断抵抗が増すため貫通抵抗が増し、被試
験体座布団を構成する織物積層体A”の7枚目の織物を
出刃包丁の刃先が僅かに切断するに留まり8枚目以降は
無傷でより防刃性能が優れていることを示した。
【0020】[実施例3]引張り強度:40g/d、引
張り弾性率:2,000g/d、破断伸度:2.5%を
有する、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊
維(PBO)の、1,500d/1,000fのマルチ
フィラメントヤーンをタテ、ヨコとも9.0本/cmの
密度で打ち込んだ平織り組織の織物(300g/m
を製織し、この織物を用い実施例2のアラミド繊維織物
に置き換え、実施例2と同一の構成内容の防刃・防弾座
布団を作製した。この防刃・防弾座布団の防弾性能を評
価するため、9mm拳銃を用い被試験体である防刃・防
弾座布団を厚さ65mmのラワン材の上に、位置がずれ
ないように固定して、銃口からの距離5mで且つ、弾丸
が垂直にあたるように拳銃をセットして弾丸を発射し、
被弾物を解体し、弾丸貫通状態を目視観察して防弾性能
を評価した。
【0021】被弾物における被弾部の弾丸貫通方向切断
面、及び、被弾物を積層方向に剥離し該解体物の目視に
て行った防弾性能評価結果は、織物積層体A”層におけ
る織物の弾丸貫通による破断が上層ほど完全且つ明確に
見受けられ、第8枚層以降は破断状態が少なくなり、第
10枚層織物においては破断はしていないが弾丸による
組織変位がはっきりと見受けられ、弾丸貫通は織物積層
体A”層で食い止められるが、弾丸による変位は未だ防
止できていないことが観測できた。弾丸進入による構造
変位は構造体Bのクッション層で吸収されるためか、構
造体B’の上面に位置する織物積層体層A’の第3枚層
の織物までは、若干の組織変形変位をもたらすが、第4
枚層以降の織物層では殆んど変形変位が見受けられず、
被弾による衝撃がほぼ食い止められることが判った。当
然のことながら、該座布団背後のラワン板には何ら窪み
が見受けられなかった。
【0022】また、該防刃・防弾座布団に対する防刃性
能評価を実施例1と同様にして行ったところ、被試験体
座布団を構成する構造体Bに於ける織物積層体A”の6
枚目の織物を出刃包丁の刃先が僅かに切断するに留ま
り、7枚目以降は無傷で防刃性能が極めて優秀であるこ
とが判った。
【0023】[比較例]クッション材が木綿ワタのみよ
りなる、厚さ70mmの通常の座布団を作製し、同様に
防刃性能試験と防弾性能試験を実施したところ、防刃性
能試験においては刃先が該座布団を貫通しラワン材に9
mm深さまで突き刺さった。又、防弾性能試験において
は全く防弾能がなく弾丸はラワン材に深く食い込んだ。
【0024】
【発明の効果】本発明の防刃・防弾座布団を使用すれ
ば、日常身近で常用する座布団と何ら差異なく使用で
き、防弾チョッキなどを着用する際に体験する着用の煩
わしさ、着用による圧迫感・活動の疎外性を感じること
もなく、通常の服装・活動状態下で活動でき、緊急時に
は防護材(盾)として凶刃被害及び被弾被害から身を護
ることが可能な環境・状態を作り出すことができる。
又、このような防刃・防弾座布団は、いざという場合に
盾として身の前にかざして使用するため、防弾チョッキ
などで弾丸の貫通は避けられるが、被弾による防弾チョ
ッキの変形衝撃が避け難いなどという問題点も解消で
き、ユトリを持って危険を防止しながら救援通報なども
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】防刃能評価に用いた出刃包丁の概略図である。
【図2】防刃・防弾用座布団の構成状態を示す断面図で
ある。
【図3】防刃・防弾用座布団の裏面を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 高強力繊維よりなる防刃・防弾用織物 2 防刃・防弾座布団を構成するクッション材層 3 クッション材 4 外皮 F 防刃・防弾座布団 A,A’,A” 高強力繊維からなる織物の織物積層体
層 B,B’ A,A’又はA”と2を積層した構造物層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木綿ワタ又は座布団構成用に使用される
    クッション材層と、20g/d以上の引張り強度を有す
    る高強力繊維によって構成された織物複数枚を積層した
    織物積層体層との組合せからなる構造物を単層乃至3層
    積層し且つ該積層物の最上下層に木綿綿又は座布団構成
    用に使用されるクッション材層が配置され、更に該構造
    物を座布団構成用外皮で被覆した防刃・防弾機能を有す
    る座布団。
  2. 【請求項2】 前記高強力繊維によって構成される織物
    の目付けが100〜400g/mであり、該織物を6
    〜15層された織物積層体の層間がキルティング又はス
    ポット接合された物である請求項1に記載の防刃・防弾
    機能を有する座布団。
  3. 【請求項3】 前記織物積層体層が、織物構成組織にお
    ける構成繊維配列方向を45°ずらして積層された物で
    ある請求項1又は請求項2に記載の防刃・防弾機能を有
    する座布団。
  4. 【請求項4】 前記高強力繊維がアラミド繊維である請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防刃・防弾機能
    を有する座布団。
  5. 【請求項5】 前記座布団の裏面に把手を設けた請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載の防刃・防弾機能を有
    する座布団。
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