JP2002180065A - 冶金用コークス強度の推定方法 - Google Patents

冶金用コークス強度の推定方法

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JP2002180065A JP2001124549A JP2001124549A JP2002180065A JP 2002180065 A JP2002180065 A JP 2002180065A JP 2001124549 A JP2001124549 A JP 2001124549A JP 2001124549 A JP2001124549 A JP 2001124549A JP 2002180065 A JP2002180065 A JP 2002180065A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コークスの破壊速度定数や気孔構造等からコ
ークス強度を高い精度で簡便に推定する方法を提供す
る。 【解決手段】 配合炭を乾留して製造されるコークスの
強度を推定する方法において、コークスが磨耗や衝撃を
受けたときに発生する発生粉についての、下記粉砕速度
式中の表面破壊速度定数kに基づいて、コークス強度の
推定を行う冶金用コークス強度の推定方法。 Tl=M/A=e−kt M:篩目xmmの篩上重量 A:初期重量 k:破壊速度定数 t:ドラム回転数 Tl:タンブラー強度指数

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数銘柄の原料石
炭を配合して得られる配合炭を乾留してコークスを製造
する際に、その配合炭組成下での製品コークス強度を推
定する方法であって、石炭の配合設計を容易ならしめる
ための技術である。
【0002】
【従来の技術】高炉などに用いられる冶金用コークスと
しては、高炉の安定操業の観点から、強度、粒度、気孔
率などの品質特性が安定したものが求められている。な
かでもコークス強度は特に重要である。一般に、高炉用
コークスは、通常、10〜20銘柄の原料石炭を配合し
て得られる配合炭を乾留することによって製造されてい
るが、その原料炭は、産出国、炭鉱、炭層などにより性
質が異なる。そのため、品質の安定したコークスを製造
するには、配合炭の違いによるコークス特性を推定する
こと、特に強度を推定することにより、石炭の配合管理
を行うことが不可欠である。
【0003】このような背景の下で、従来、特開昭5
7−144443号公報では、コークスの気孔率と気孔
壁強度を表わすマイクロストレングス値を用いるコーク
ス強度推定法が提案されている。また、特開平4−1
32792号公報では、気孔壁磨耗指数と気孔率を用い
たコークス強度推定法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上掲の各従来技術に
は、それぞれに特長があるものの、解決課題もある。例
えば、特開昭57−144443号公報に開示された方
法は、気孔率と気孔壁強度を用いてコークス強度を推定
している。しかし、コークスの気孔径は常に一定ではな
く、広い気孔径分布を有しているため、このような気孔
径分布を考慮することが必要になる。また、特開平4−
132792号公報に開示の方法ついても同様に、気孔
径分布の影響が考慮されていない。つまり、これらの方
法は、コークス強度を正確に推定することができない方
法と言える。
【0005】そこで、本発明の目的は、従来技術が抱え
ている上述した課題の克服を目指し、とくに、コークス
の破壊速度定数や気孔構造等からコークス強度を高い精
度で簡便に推定する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的を
達成するため、コークスの粉化特性や気孔構造、原料炭
の種類とそれらの配合について鋭意研究を重ねた結果、
コークスが磨耗あるいは衝撃を受けた際に発生する発生
粉の破壊速度定数やコークスの気孔構造さらには原料炭
の性状との間には密接な関係があることを見い出し、本
発明を開発するに至った。
【0007】即ち、本発明は、配合炭を乾留することに
より製造されるコークスの強度を推定する方法におい
て、上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生する
発生粉についての、下記粉砕速度式(1)中の表面破壊
速度定数kに基づいて、コークス強度の推定を行うこと
を特徴とするコークス強度の推定方法である。
【数1】 なお、上記粉砕速度式では、篩目xmmは10mmを上限に、
必要に応じて設定すれば良い。
【0008】本発明はまた、配合炭を乾留することによ
り製造されるコークスの強度を推定する方法において、
上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生する発生
粉についての、下記粉砕速度式中の粒度区分毎の破壊速
度定数k、および下記コークス気孔構造式(2)中の
気孔径区分の気孔率Porに基づいて、コークス強度TI
を推定する方法である。
【数2】
【0009】本発明はまた、配合炭を乾留することによ
り製造されるコークスの強度を推定する方法において、
上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生する発生
粉についての、下記粉砕速度式中の粒度区分毎の破壊速
度定数k、およびかつ下記(3)式中の気孔径区分の
気孔率Porと代表気孔径Dとの関係とに基づいて、コ
ークス気孔強度TIを推定する方法である。
【数3】
【0010】本発明はまたさらに、配合炭を乾留するこ
とにより製造されるコークスの強度を推定する方法にお
いて、上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生す
る発生粉についての、下記粉砕速度式中の粒度区分毎の
破壊速度定数k、およびかつ下記式中の気孔径区分の
気孔率Porと代表気孔径Dとの関係とに基づいて、コ
ークス気孔強度TIを推定するに当たり、前記発生粉の
粒度と気孔径とを、それぞれ区分することなく連続関数
で表わした粒度分布と気孔径分布とを用いて、下記
(4)式に基づいて、コークス強度TI6を推定する方法
である。
【数4】
【0011】さらに、本発明では、上記気孔率(Po
r)を、下記(5)式に基づく石炭性状との関係にお
いて求める方法が好ましい。
【数5】
【0012】
【発明の実施の形態】コークスの粉化性を表わす指数と
しては一般に、タンブラー強度指数TI(6/400) が用いら
れるが、この指数は400 回転後の6mm以上の塊コーク
スの重量分率を表わしたものである。その他、コークス
の耐粉化性を表わす指標として、ドラム強度指数DI(15/
150)も用いられる。これらの指数は、コークスが外部か
ら磨耗あるいは衝撃を受けた際に発生する発生粉の量、
即ち耐粉化性を表わす指数 (強度指数) である。例え
ば、図1は、50〜75mmの塊コークスをタンブラー強度
試験機に装填し、400 回転後のコークスの粒度分布の測
定結果を示したものである。この図からわかるように、
塊コークスの粒度分布は1〜10mmを境とした2成分性
を示すことがわかる。そして、それは粗粒側が体積破壊
によるものであり、微粒側は表面破壊によるものである
と考えられている。そして、タンブラー強度指数TI(6/4
00)は、その表面破壊を表わす指数と見なすことができ
る。従って、タンブラー強度指数TI(60/400)を推定する
ためには、コークスの表面破壊の程度を計測することが
有効である。
【0013】なお、かかるコークス表面破壊について
は、Litster ら(Transactions ISIJ,Vol.26,1986, p704
-709 ) の報告例がある。その説明によると、マイカム
ドラム試験機を用いて、品質の異なる種々のコークスの
表面破壊速度の評価実験を行ったところ、コークスの表
面破壊は、下記(6) 式に示すように、一次の粉砕速度
式で表わすことができるとのことである。また、有馬ら
(鉄と鋼,Vol.78, No.7,1992, p1101-1108) は、コー
クスの粉化挙動を、体積破壊と表面破壊を考慮した粉砕
速度式を用いて検討している。しかし、これらの報告
は、コークス強度を推定する方法ではなく、さらには破
壊速度定数と気孔径分布や石炭性状との関係に基づいて
コークス強度を推定する方法を言及したものではなく、
石炭配合設計を実施する上で実用性がないのが現状であ
る。
【数6】
【0014】ところで、粉砕の分野において、粉砕挙動
の解析には、下記の粉砕速度式(7)が一般に用いられ
る。この(7) 式中の選択関数S(x,t) は破壊確率、破
砕関数B(y,x) は被破砕粒子の粒度分布を表わすが、選
択関数と破砕関数が粒径xに依存しないとすると、これ
らは定数となるから、前記粉砕挙動の解析は、実質的に
上記(6) 式、即ち(1)式によって計算することがで
きる。
【数7】
【0015】この点に関し、コークスのような不均質な
多孔質材料についての表面破壊は、コークスの粒径だけ
に依存しているのではなく、コークスの表面に多数存在
する構造欠陥である気孔などにも依存すると考えるべき
である。つまり、コークスの表面破壊は、粒径でなくむ
しろ気孔の方に強く依存する故に、上述したように(6)
式に基づいて判断すべきであり、特に式中の表面破壊
速度定数kを求めることが、表面破壊を評価する上で重
要であると考えられる。
【0016】一方で、表面破壊についての上記粉砕速度
式(6) 式中の表面破壊速度定数kは、上記の粉砕速度
式(7) 中の選択関数と破砕関数の積S(x,t) ×B(y,x)
に相当するものであって、構造欠陥である気孔径分布
の影響で変化するものと考えられる。
【0017】その理由は、一般に、コークスの表面に存
在するある気孔径の割合によって、その気孔 (気孔壁)
が外部から力を受ける確率が定まり、その気孔径が小さ
いほど気孔壁は薄くなると考えられる。そして、その気
孔壁の厚さによって破壊強度と破壊時の発生粉の粒径が
規定されることになるから、その結果として、気孔径分
布が前記破壊速度定数kを規定することになると考えら
れるからである。
【0018】そこで、コークスの気孔径分布と強度試験
時の発生粉の粒度分布の関係を調査した。その結果、こ
れらの間には密接な関係があることが確かめられ、本発
明を開発するに至った。以下に、これらの関係を明らか
にする実験を行ったので、その結果に基づいて本発明を
説明する。
【0019】この実験は、本発明の前提となる表面破壊
についての粉砕速度式(1) 式および(6)式について検
証するものである。強度試験については、同一のサンプ
ルを用いて通常法 (タンブラー強度試験) および100 回
転法で実施した。かかる通常法であるタンブラー強度試
験法(JIS K 2151)は、50〜75mmの塊コークス10kgを試
験機に装填して試験し、400 回転後の+6mmの塊コー
クスの重量分率をTI(6/400) として表わして、表面破壊
についての粉砕速度式(1)式および(6)式を検証し
た。また、100 回転法では、前記通常法と同様に、50〜
75mmの塊コークス10kgを試験機に装填し、100 回転毎
に+6mmの塊コークスの重量分率を測定し、粉および
塊コークスの全量を試験機に再度装填して、回転数が合
計400 回転になるまで繰り返し行う方法で試験をしたも
のである。この試験の結果を図2に示す。この図から明
らかなように、一次の表面破壊についての粉砕速度式
(1) 式がタンブラー強度指数や100 回転強度指数によく
適合することがわかった。
【0020】なお、上記(6) 式を解くと、TI=M/
=e−kt … (1) 式となる。従って、表面破壊
速度定数k を推定する時は、(1)式および(6)式のいず
れの式を用いてもよいことがわかる。
【0021】次に本発明では、コークスの表面破壊のメ
カニズムについて以下のような3つのケースを想定して
検討した。 (1) 主に石炭の流動性不足による石炭粒子間の融着
不足によって生じた石炭粒子間に形成された粗大気孔
(>500 μm程度) に起因する石炭粒子間の破壊。 (2) 石炭粒子内に溶融時に形成された中程度の気孔
(500 〜70μm程度) に起因する石炭粒子内の破壊。 (3) 石炭粒子内に存在するイナート成分に由来して
形成された微細気孔 (<70μm程度) に起因する石炭粒
子内の破壊。
【0022】このように考えられるコークスの表面破壊
を、図3に示すようにモデル化し、それぞれの破壊要因
が同一のものについては、同じ表面破壊速度定数kにな
ると仮定すると、図4に示すように、粉砕速度式は下記
(8) 式のように表わすことができる。
【数8】 A,B,C,D:粒度成分の重量 k:破壊速度定数 t:ドラム回転数
【0023】そこで、上記(8) 式を解くと、下記の
(9) 式〜(11) 式となり、そして各々の粒度成分A,
B,C,Dの重量分率から、さらに(12) 式〜(14)
式で示すように、各々の粒度区分の表面破壊速度定数k
が求められる。そして、これらの表面破壊速度定数kを
用いると、(15)式のようにタンブラー強度指数TI(6/4
00) を表わすことができるようになる。
【数9】
【0024】なお、上述した説明において、コークス強
度として、タンブラー強度指数を用いた例で述べたが、
これはタンブラー強度のみに限定されるものではない。
また、当然のことながら、ドラム強度指数、マイカム強
度指数などに対しても適用が可能である。例えば、一般
に用いられるドラム強度指数DI(15/150)への適用にあた
っては、150 回転後の+15mm指数を示すのが普通であ
るが、篩目を6mmなどに適切に設定することで、本発
明への適用が可能である。
【0025】次に、本発明では、上述した表面破壊速度
定数kとコークスの気孔構造、即ち気孔径分布との関係
について検討した。図5(a) は気孔径分布の測定例、図
5(b) はタンブラー試験後の発生粉の粒度分布の測定例
を示す。このように、気孔径分布と発生粉の粒子径分布
は類似しており、良好な対応があることがわかる。コー
クスの気孔径のそれぞれの気孔径に応じて表面破壊速度
定数kが定まり、その結果として、発生粉の粒度分布が
規定されるとも考えられる。そこで、発生粉の粒度分布
を図5(b) に示すように、3つに区分して、各々の区分
の破壊速度定数kを求めて、対応する気孔径の区分の
気孔率Porとの関係を検討した。粒度区分毎の表面破
壊速度定数kと気孔径区分毎の気孔率 Porとの間
で、図6に示すような関係が得られれば、下記(16)式
のように表わすことができ、これを(15)式へ代入する
と、下記(17)式に示すようなコークス気孔径分布を考
慮した強度推定式が得られる。なお、この(17)式中
の粒度成分の粒度区分と対応する気孔径の区分は、実験
結果に基づいて適宜に設定すれば良い。このようにし
て、コークス強度TIを基質強度項,気孔径分布項およ
び気孔率項からなるコークス気孔構造から推定すること
ができるようになる。
【数10】 t :ドラム回転数 (=400) Por:粗大気孔(例えば>500μm) Por:中気孔(例えば70〜500μm) Por:微細気孔(例えば<70μm) a1〜3:基質強度を表わす定数 b1〜3:気孔の破壊の影響度を表わす定数 Por =Por+Por+Por
【数11】
【0026】ところで、図6に示すように、各気孔径区
分の気孔率Porと粒度区分毎の表面破壊速度定数k
との間に相関があると仮定すれば、各区分での傾きk
/Porは、各気孔径区分の気孔率の影響を除いた代表
気孔径Dの表面破壊速度定数であり、化学反応速度論
における反応速度定数に相当するものと考えられる。
【0027】ここで、代表気孔径Dの表面破壊速度定
数kは、(18)式のように、アレニウス型で表わす
ことができると仮定すると、図7に示すように、頻度因
数であるaは、代表気孔径Dが大きいほど外部からの
摩擦や落下衝撃を受けやすく、かつコークス表面に存在
するその気孔孔の面積に比例すると考えられ、(19)
式のように表わされると仮定する。
【0028】そして、活性化エネルギーに相当する気孔
壁の破壊エネルギーExは、着目する気孔を取り巻く気
孔壁が破壊する際の破壊エネルギーに相当し、気孔壁の
厚みに比例し、さらに気孔壁の厚みは気孔径に比例する
と考えられるため、(18)、(19)、(20)式で
表わされると仮定する。
【0029】そこで、(19)式,(20)式中に(1
8)式を代入してまとめると、表面破壊定数kは(2
1)式のように代表気孔径Dの関数として表わすこと
ができ、(22)式に基づき、k/PorとDの関係
を実験データから回帰分析などにより求めることができ
るようになる。
【0030】なお、以上の説明は、気孔径分布と発生粉
の粒度分布を3つの区分に分けて解析したが、(21)
式はある気孔径Dの気孔率Por(D)の破壊速度定数k
(D)は、(23)式のように一般化することも可能で
ある。
【数12】
【0031】即ち、各々の破壊速度定数k(D)は、
(15)式のように各区分の和になるため、(24)式
のように、気孔径分布を用いて一般化することができ
る。
【数13】
【0032】さらに、本発明では、上述したように、破
壊速度定数kとコークスの気孔構造との関係式、さらに
そのコークスの気孔構造、即ち気孔径分布と石炭性状
(平均反射率Ro,最大流動度MF,イナート成分量In,溶
融成分量TRなど)との関係についても検討した。その結
果、これらの関係は、下記(25)式に示すような関係
となり、それゆえに、この(25)式を計算することに
より、原料炭の性状からコークスの物理的性状である気
孔構造に基づいて、コークス強度TIを推定することが
できるようになる。
【数14】
【0033】以下、本発明の実施の形態をさらに詳しく
説明する。なお、以下の説明において、各種コークスの
気孔径分布とタンブラー強度試験後の発生粉 (<6m
m)の粒度分布についての測定の方法は、以下の方法に
従った。 (1) 気孔径分布:コークスを4〜7mmに粒度調整し、
水銀ポロシメーターを用いて測定した。ただし、水銀ポ
ロシメーターは 500μm以上の気孔を測定することがで
きないため、500 μm以上の気孔については、以下の水
銀浸漬法から求めた全気孔率と水銀ポロシメーターから
得られた気孔率の差を 500μm以上の気孔率として評価
した。 (2) 水銀浸漬法:約30mmの塊コークスを水銀中へ浸漬
した時の浮力から見掛密度ρaを求めて真密度を1.9 と
して全気孔率を求めた。 (全気孔率) = (1−ρa/1.9 ) ×100 (3) 粒度分析:6〜0.59mmの発生粉は篩 (0.59、0.8
4、2 、6 mm) で粒度分布を求めた。0.59mm以下の
粒度分析はレーザー回折式粒度分析計を用いて測定し
た。
【0034】さて、図8、図9は、各種コークスA、
B、Cの気孔径分布と発生粉 (表面破壊粉) の粒度分布
との測定結果を示すものである。これらの図に明らかな
ように、気孔径分布と表面破壊粉の粒度分布とは、いず
れも2つのピークが見られると共に、20μm程度の気孔
が多く、100 μm程度の気孔は少ないことがわかる。そ
して、>500 μmの粗大気孔が少ないコークス (C) の
表面破壊粉は、100 μm程度の微粉が多く、400 μm程
度の中程度の粉が少ない。また、0.59〜6 mm粗大粉の
少ないコークスもあれば、また、この逆の例も見られ
る。このように、コークスの気孔径分布と表面破壊粉粒
度の分布との関係には良好な対応があることが確かめら
れた。
【0035】次に、上述した実験結果に基き、コークス
気孔径の区分を粗大気孔として>500 μm、中気孔とし
て70〜500 μm、微細気孔として<70μmとして、発生
粉 (表面破壊粉) の粒度区分を 840μm〜6 mm、250
〜840 μm、<250 μmとして、以下に述べる解析を試
みた。まず、発生粉の上記粒度区分で、前記(12) 式
〜(14) 式を用いて表面破壊速度定数k1,k, k
算出した。そして、これらの各定数k1,k, kに対
応する上記気孔径区分毎の気孔率Porと表面破壊速度
定数kとの関係を求め、それを図10に示した。この
図10に示したように、この両者の間にはそれぞれに良
好な対応関係があることがわかった。すなわち、予め粒
度区分を適切に設定すると、各表面破壊速度定数kを設
定区分毎に求めることができる。また、この図10に示
す結果からは、前記(16)式に基いて表面破壊速度定数
とこれに対応する各気孔区分の気孔率 Porとの関
係を求めることができ、ひいては前記(17)式のタンブ
ラー強度TI6の推定式が得られる。このようにして、コ
ークス気孔径分布からタンブラー強度TI6の推定が可能
になる。
【0036】次に、石炭性状からの気孔径分布の推定に
ついては、(25)式に示すような各種の石炭性状のパラ
メータ (Ro, MF, In, TR) を選択して作成すれば良く、
例として(26)式があげられ、目的に応じて適宜作成す
ればよい。なお、これらの区分は、上記のものに限定さ
れるものではなく、目的に応じて適宜設定すれば良い。
【数15】
【0037】
【実施例】実施例1 代表的な石炭15種 (炭化度Ro:0.75〜1.65、最大粒度
度MF:0.8 〜4.3 ) の単味コークスを作成し、このコー
クスの気孔径分布を測定してタンブラー強度の推定を試
みた。その結果、タンブラー強度推定式(17)式を用い
て、各種コークスの上記気孔径分布 (実測値) から推定
したタンブラー強度の推定値と実測値との関係を図11
として示したが、この両者は良好な対応の関係があっ
た。
【0038】実施例2 代表的な石炭15種 (炭化度Ro:0.75〜1.65、最大粒度
度MF:0.8 〜4.3 ) の単味コークスのタンブラー強度の
推定を試みた。タンブラー強度推定式(17)式と各種コ
ークスの気孔径分布の推定式(25)式を用いて推定した
タンブラー強度推定値と実測値との関係を図12に示し
た。この図に示すように、タンブラー強度TI推定値と
実測値とは良好な対応があり、高精度なコークス強度測
定法が可能になることがわかった。
【0039】これらの結果を踏まえて、(22)式を用
いて(3)式への展開を試みた。即ち、図10から表面
破壊速度定数k,k,kの各々の傾きを求め、こ
れらと代表気孔径Dの関係を図13に示す。なお、代
表気孔径Dxは気孔径分布に見られた2つのピークの位
置から750μm、150μm、30μmを用いた。こ
れらの代表気孔径Dの係数は石炭粒子間の融着の程度
によって、気孔壁の厚みの発達の度合いを表わすので、
その係数を変化させて、気孔径Dと表面破壊速度定数k
の関係を検討した結果も、図13に合わせて示した。
この図から、気孔壁の厚みの発達の度合いを表わす係数
の減少によって、表面破壊速度定数がピークとなる気孔
径が気孔径の大きい側へシフトする。流動性が不足した
配合炭あるいは石炭から得られたコークスは、石炭粒子
間の融着が不足するため、大きな気孔径が増加するとと
もに発生粉の粗粒化が生じることは実験で容易に確認で
きることからも、(2)、(3)、(4)式はコークス
の粉化挙動を的確に表現できていることが明らかであ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
配合炭組成に基づいて精度の高いコークス強度の推定が
可能となり、そのために劣質原料炭の利用増加が図れる
ようになる。その結果、高炉用コークス製造コストの大
幅な削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強度試験後の塊コークスの粒度分布を示すグラ
フである。
【図2】タンブラー強度試験と100 回転法との関係を示
すグラフである。
【図3】コークスの表面破壊のモデルを説明するための
模式図である。
【図4】粉砕速度式を説明するための模式図である。
【図5】気孔径と体積破壊の関係(a) 、粒子径と総破壊
の関係(b) を示すグラフである。
【図6】各気孔区分毎の気孔率と破壊速度定数との関係
を説明する模式図である。
【図7】気孔径に与える落下衝撃等の影響を説明する模
式図である。
【図8】気孔径分布についての説明図である。
【図9】発生粉 (表面破壊粉) の粒度分布についての説
明図である。
【図10】気孔率と表面破壊速度定数との関係を示す模
式図である。
【図11】気孔径分布から計算したタンブラー強度の推
定値とタンブラー強度の実測値との関係を示すグラフで
ある。
【図12】気孔径分布から計算したタンブラー強度の推
定値とタンブラー強度実測値との関係を示すグラフであ
る。
【図13】気孔径と破壊速度定数の関係を示すグラフで
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配合炭を乾留することにより製造される
    コークスの強度を推定する方法において、 上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生する発生
    粉についての、下記粉砕速度式中の表面破壊速度定数k
    に基づいて、コークス強度の推定を行うことを特徴とす
    る冶金用コークス強度の推定方法。 記
  2. 【請求項2】 配合炭を乾留することにより製造される
    コークス強度を推定する方法において、 上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生する発生
    粉についての、下記粉砕速度式中の粒度区分毎の破壊速
    度定数k、および下記コークス気孔構造式中の気孔径
    区分の気孔率Porに基づいて、コークス強度TIを推
    定することを特徴とする冶金用コークスの強度推定方
    法。 記
  3. 【請求項3】 配合炭を乾留することにより製造される
    コークスの強度を推定する方法において、 上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生する発生
    粉について、下記粉砕速度式中の粒度区分毎の破壊速度
    定数k、および下記式中の気孔径区分の気孔率Por
    と代表気孔径Dとの関係とに基づいて、コークス気孔
    強度TIを推定することを特徴とするコークス強度の推
    定方法。記
  4. 【請求項4】 配合炭を乾留することにより製造される
    コークスの強度を推定する方法において、 上記コークスが磨耗や衝撃を受けたときに発生する発生
    粉についての、下記粉砕速度式中の粒度区分毎の破壊速
    度定数k、および下記式中の気孔径区分の気孔率Por
    と代表気孔径Dとの関係とに基づいて、コークス気
    孔強度TIを推定するに当たり、前記発生粉の粒度と気
    孔径とを、それぞれ区分することなく連続関数で表わし
    た粒度分布と気孔径分布とを用いて、下記式に基づい
    て、コークス強度TI6を推定することを特徴とするコー
    クス強度の推定方法。 記
  5. 【請求項5】 上記気孔率(Por)を、下記式に基づ
    く石炭性状との関係において求めることを特徴とする請
    求項2,3または4に記載のコークス強度の推定方法。 記
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