JP2002177959A - 脱イオン槽及びこれを用いた脱イオン水製造装置 - Google Patents
脱イオン槽及びこれを用いた脱イオン水製造装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、スケールの析出を防止で
き、消費電力を低く抑えるとともに脱イオン性能を維持
することができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を
防止できる脱イオン槽及びこれを用いた脱イオン水製造
装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の脱イオン槽は、荷電物質を通過
可能な隔壁で構成された内水路と、内水路を取り囲んで
設けられた外水路と、外水路に配設された1組以上の陽
電極及び陰電極を備えたことを特徴とする。
き、消費電力を低く抑えるとともに脱イオン性能を維持
することができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を
防止できる脱イオン槽及びこれを用いた脱イオン水製造
装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の脱イオン槽は、荷電物質を通過
可能な隔壁で構成された内水路と、内水路を取り囲んで
設けられた外水路と、外水路に配設された1組以上の陽
電極及び陰電極を備えたことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スケールの析出を
防止でき、電気分解に伴う劣化を防止できる脱イオン槽
及びこの脱イオン槽を用いた脱イオン水製造装置に関す
る。
防止でき、電気分解に伴う劣化を防止できる脱イオン槽
及びこの脱イオン槽を用いた脱イオン水製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、脱イオン水を製造する方法とし
て、イオン交換樹脂やイオン交換膜を用いるイオン交換
法や、電気的に荷電物質等を分離除去する方法等が知ら
れている。まず、イオン交換法では、陽イオン置換性能
を有するカチオン交換樹脂やカチオン交換膜と、陰イオ
ン置換性能を有するアニオン交換樹脂やアニオン交換膜
を用いることにより脱イオン水を得ることができるが、
イオン交換容量に達すると薬剤等によりイオン交換性能
を回復させるために再生を行う必要がある。また、イオ
ン交換法では連続的に脱イオン水を得るためには複数の
脱イオン水ユニットを用意しておく必要もあった。
て、イオン交換樹脂やイオン交換膜を用いるイオン交換
法や、電気的に荷電物質等を分離除去する方法等が知ら
れている。まず、イオン交換法では、陽イオン置換性能
を有するカチオン交換樹脂やカチオン交換膜と、陰イオ
ン置換性能を有するアニオン交換樹脂やアニオン交換膜
を用いることにより脱イオン水を得ることができるが、
イオン交換容量に達すると薬剤等によりイオン交換性能
を回復させるために再生を行う必要がある。また、イオ
ン交換法では連続的に脱イオン水を得るためには複数の
脱イオン水ユニットを用意しておく必要もあった。
【0003】一方、水に含まれる荷電物質等を分離除去
する電気式脱イオン装置は、薬剤による再生が不要であ
る。しかし、高度な脱イオン水を得るためには、前述の
イオン交換樹脂やイオン交換膜による脱イオン処理と電
気式脱イオン処理を組み合せることが必要であった。
する電気式脱イオン装置は、薬剤による再生が不要であ
る。しかし、高度な脱イオン水を得るためには、前述の
イオン交換樹脂やイオン交換膜による脱イオン処理と電
気式脱イオン処理を組み合せることが必要であった。
【0004】このような電気式脱イオン水製造装置とし
ては、例えば、カチオン交換膜やアニオン交換膜等の荷
電物質を透過させうる膜で仕切られた隙間に、イオン交
換体を充填して脱塩室とし、イオン交換体に被処理水を
透過させると共に、前記脱塩室を介して直流電流を作用
させ、脱塩室外部を流れる濃縮水中に脱塩室内の被処理
中のイオンを電気的に排除して、脱イオン水を製造する
方法が知られている。こうして水中の荷電物質であるイ
オン成分が濃縮された濃縮水は、装置外部に排出される
が、電気式脱イオン水製造装置では、水の回収率(利用
可能な脱イオン水の量)を高めるために濃縮水を再利用
するものもある。濃縮水を循環利用し、再利用するこれ
らの方法によれば、濃縮水中の導電性物質の濃度を高
め、電気伝導率をあげることにより電流量が多くなり、
イオンの除去効率も向上するので、印加電圧を抑えるこ
とができ、消費電力の軽減等の効果がある。
ては、例えば、カチオン交換膜やアニオン交換膜等の荷
電物質を透過させうる膜で仕切られた隙間に、イオン交
換体を充填して脱塩室とし、イオン交換体に被処理水を
透過させると共に、前記脱塩室を介して直流電流を作用
させ、脱塩室外部を流れる濃縮水中に脱塩室内の被処理
中のイオンを電気的に排除して、脱イオン水を製造する
方法が知られている。こうして水中の荷電物質であるイ
オン成分が濃縮された濃縮水は、装置外部に排出される
が、電気式脱イオン水製造装置では、水の回収率(利用
可能な脱イオン水の量)を高めるために濃縮水を再利用
するものもある。濃縮水を循環利用し、再利用するこれ
らの方法によれば、濃縮水中の導電性物質の濃度を高
め、電気伝導率をあげることにより電流量が多くなり、
イオンの除去効率も向上するので、印加電圧を抑えるこ
とができ、消費電力の軽減等の効果がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電気式
脱イオン水製造装置は、濃縮水を再利用することにより
回収率が上がるものではあったが、被処理水に含まれる
溶解度の低い硬度成分であるCaやMg等が濃縮水中に
濃縮され、溶解度を超えた成分は濃縮室内や電極部にス
ケールとして析出し、析出部の電気抵抗を上昇させ、そ
れにより電流が流れにくくなるという問題があった。
脱イオン水製造装置は、濃縮水を再利用することにより
回収率が上がるものではあったが、被処理水に含まれる
溶解度の低い硬度成分であるCaやMg等が濃縮水中に
濃縮され、溶解度を超えた成分は濃縮室内や電極部にス
ケールとして析出し、析出部の電気抵抗を上昇させ、そ
れにより電流が流れにくくなるという問題があった。
【0006】さらに、電気抵抗が上昇するため、必要な
電流を流すために印加電圧を高くしなければならず、こ
のことにより消費電力が上昇するばかりでなく、必要な
電流値を下回った場合、必要な水質が得られなくなると
いう問題もあった。
電流を流すために印加電圧を高くしなければならず、こ
のことにより消費電力が上昇するばかりでなく、必要な
電流値を下回った場合、必要な水質が得られなくなると
いう問題もあった。
【0007】さらに、印加電圧を高くすることにより、
装置で消費される電力が電極近傍では、被処理水中に含
まれる塩素が電気分解により、次亜塩素酸ソーダの発生
に消費されてしまうという課題もあった。
装置で消費される電力が電極近傍では、被処理水中に含
まれる塩素が電気分解により、次亜塩素酸ソーダの発生
に消費されてしまうという課題もあった。
【0008】さらにこの時、発生した次亜塩素酸ソーダ
によりイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等で構成さ
れている脱イオン槽の劣化が促進されるという問題もあ
った。
によりイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等で構成さ
れている脱イオン槽の劣化が促進されるという問題もあ
った。
【0009】そこで本発明の目的は、スケールの析出を
防止でき、消費電力を低く抑えるとともに脱イオン性能
を維持することができ、電気分解に伴う塩素に起因する
劣化を防止できる脱イオン槽を提供することを目的とす
る。
防止でき、消費電力を低く抑えるとともに脱イオン性能
を維持することができ、電気分解に伴う塩素に起因する
劣化を防止できる脱イオン槽を提供することを目的とす
る。
【0010】また本発明は、スケールの析出を防止で
き、消費電力を抑えるとともに脱イオン性能を維持する
ことができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を防止
し、メンテナンスが容易な脱イオン水製造装置を提供す
ることを目的とする。
き、消費電力を抑えるとともに脱イオン性能を維持する
ことができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を防止
し、メンテナンスが容易な脱イオン水製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで以上説明した問題
を解決するために本発明の脱イオン槽は、荷電物質を通
過可能な隔壁で構成された内水路と、内水路を取り囲ん
で設けられた外水路と、外水路に配設された1組以上の
陽電極及び陰電極を備えたことを特徴とする。
を解決するために本発明の脱イオン槽は、荷電物質を通
過可能な隔壁で構成された内水路と、内水路を取り囲ん
で設けられた外水路と、外水路に配設された1組以上の
陽電極及び陰電極を備えたことを特徴とする。
【0012】これにより、スケールの析出を防止でき、
消費電力を低く抑えるとともに脱イオン性能を維持する
ことができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を防止
できる。
消費電力を低く抑えるとともに脱イオン性能を維持する
ことができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を防止
できる。
【0013】また、本発明の脱イオン水製造装置は、前
記の脱イオン槽を備え、陽電極及び陰電極に電圧を印加
する電源部と、電源部を制御する制御部を備えたことを
特徴とする。
記の脱イオン槽を備え、陽電極及び陰電極に電圧を印加
する電源部と、電源部を制御する制御部を備えたことを
特徴とする。
【0014】これにより、スケールの析出を防止でき、
消費電力を抑えるとともに脱イオン性能を維持すること
ができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を防止し、
メンテナンスが容易となる。
消費電力を抑えるとともに脱イオン性能を維持すること
ができ、電気分解に伴う塩素に起因する劣化を防止し、
メンテナンスが容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1に記載された発明は、荷
電物質を通過可能な隔壁で構成された内水路と、内水路
を取り囲んで設けられた外水路と、外水路に配設された
1組以上の陽電極及び陰電極を備えたことを特徴とする
脱イオン槽であるから、陽電極及び陰電極各々において
発生した、高濃度の濃縮水は容易に混合,拡散すること
ができ、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出したり、析
出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れにく
くなるということが防止でき、荷電物質等の分離除去効
率の低下を防ぐことができる。
電物質を通過可能な隔壁で構成された内水路と、内水路
を取り囲んで設けられた外水路と、外水路に配設された
1組以上の陽電極及び陰電極を備えたことを特徴とする
脱イオン槽であるから、陽電極及び陰電極各々において
発生した、高濃度の濃縮水は容易に混合,拡散すること
ができ、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出したり、析
出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れにく
くなるということが防止でき、荷電物質等の分離除去効
率の低下を防ぐことができる。
【0016】請求項2に記載された発明は、隔壁が陽イ
オン交換膜及び陰イオン交換膜から構成されたことを特
徴とする請求項1記載の脱イオン槽であるから、隔壁で
構成された内水路より、外水路への荷電物質の移動が容
易になり、荷電物質等の分離除去効率を大幅に向上させ
ることができる。
オン交換膜及び陰イオン交換膜から構成されたことを特
徴とする請求項1記載の脱イオン槽であるから、隔壁で
構成された内水路より、外水路への荷電物質の移動が容
易になり、荷電物質等の分離除去効率を大幅に向上させ
ることができる。
【0017】請求項3に記載された発明は、外部水路と
内側水路の間に複数の拡散体が配設されたことを特徴と
する請求項1または2に記載の脱イオン槽であるから、
外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生した、高
濃度の濃縮水は容易に混合,拡散することができるばか
りでなく、水路中に配置された複数の拡散体により水路
中に流速の差が発生し、混合,拡散される効率が向上す
ることにより、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発
生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出した
り、析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流
れにくくなるということが防止でき、荷電物質等の分離
除去効率の低下を防ぐことができる。
内側水路の間に複数の拡散体が配設されたことを特徴と
する請求項1または2に記載の脱イオン槽であるから、
外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生した、高
濃度の濃縮水は容易に混合,拡散することができるばか
りでなく、水路中に配置された複数の拡散体により水路
中に流速の差が発生し、混合,拡散される効率が向上す
ることにより、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発
生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出した
り、析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流
れにくくなるということが防止でき、荷電物質等の分離
除去効率の低下を防ぐことができる。
【0018】請求項4に記載された発明は、前記拡散体
が通水方向に対し傾斜した平板であることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の脱イオン槽であるか
ら、外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生し
た、高濃度の濃縮水を効率的に混合,拡散することがで
きるばかりでなく、水路中に配置された複数の拡散体が
通水方向に対し傾斜した平面であることより、水路中の
濃縮水は傾斜配置された複数の平板により導かれ、通水
方向に平行な移動成分に加え、垂直な移動成分が発生す
ることにより旋回し、陽電極及び陰電極各々において発
生した高濃度の酸性物質やアルカリ性物質は異なった極
の電極部に移動するので、各々の電極で発生した酸性物
質とアルカリ性物質を速やかに混合して混合・中和さ
せ、濃縮水のpHの変化を抑え、スケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出し、析出部
の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れにくくな
るということを防止でき、荷電物質等の分離除去効率の
低下を防ぐことができる。また、電極部で発生した次亜
塩素酸ソーダにより脱イオン槽の劣化、とくにイオン交
換樹脂やイオン交換膜や電極等の劣化が進むのを、次亜
塩素酸ソーダを中和させることにより抑えることができ
る。
が通水方向に対し傾斜した平板であることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の脱イオン槽であるか
ら、外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生し
た、高濃度の濃縮水を効率的に混合,拡散することがで
きるばかりでなく、水路中に配置された複数の拡散体が
通水方向に対し傾斜した平面であることより、水路中の
濃縮水は傾斜配置された複数の平板により導かれ、通水
方向に平行な移動成分に加え、垂直な移動成分が発生す
ることにより旋回し、陽電極及び陰電極各々において発
生した高濃度の酸性物質やアルカリ性物質は異なった極
の電極部に移動するので、各々の電極で発生した酸性物
質とアルカリ性物質を速やかに混合して混合・中和さ
せ、濃縮水のpHの変化を抑え、スケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出し、析出部
の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れにくくな
るということを防止でき、荷電物質等の分離除去効率の
低下を防ぐことができる。また、電極部で発生した次亜
塩素酸ソーダにより脱イオン槽の劣化、とくにイオン交
換樹脂やイオン交換膜や電極等の劣化が進むのを、次亜
塩素酸ソーダを中和させることにより抑えることができ
る。
【0019】請求項5に記載された発明は、拡散体がス
パイラル状の平板であることを特徴とする請求項2記載
の脱イオン槽であるから、外水路中の陽電極及び陰電極
各々において発生した、高濃度の濃縮水を効率的に混合
することができるばかりでなく、水路中に配置された平
面がスパイラル状であることより、水路中の濃縮水はス
パイラル状の平板により導かれ、陽電極及び陰電極各々
において発生した高濃度の酸性物質やアルカリ性物質は
異なった極の電極部に平板に沿って移動するので、各々
の電極で発生した酸性物質とアルカリ性物質を、効率よ
く速やかに電極間を移動させることにより混合・中和さ
せ、濃縮水のpHの変化を抑え、スケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出し、析出部
の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れにくくな
るということを防止でき、荷電物質等の分離除去効率の
低下を防ぐことができる。また、電極部で発生した次亜
塩素酸ソーダにより脱イオン槽の劣化、とくにイオン交
換樹脂やイオン交換膜や電極等の劣化が進むのを、次亜
塩素酸ソーダを中和させることにより抑えることができ
る。
パイラル状の平板であることを特徴とする請求項2記載
の脱イオン槽であるから、外水路中の陽電極及び陰電極
各々において発生した、高濃度の濃縮水を効率的に混合
することができるばかりでなく、水路中に配置された平
面がスパイラル状であることより、水路中の濃縮水はス
パイラル状の平板により導かれ、陽電極及び陰電極各々
において発生した高濃度の酸性物質やアルカリ性物質は
異なった極の電極部に平板に沿って移動するので、各々
の電極で発生した酸性物質とアルカリ性物質を、効率よ
く速やかに電極間を移動させることにより混合・中和さ
せ、濃縮水のpHの変化を抑え、スケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出し、析出部
の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れにくくな
るということを防止でき、荷電物質等の分離除去効率の
低下を防ぐことができる。また、電極部で発生した次亜
塩素酸ソーダにより脱イオン槽の劣化、とくにイオン交
換樹脂やイオン交換膜や電極等の劣化が進むのを、次亜
塩素酸ソーダを中和させることにより抑えることができ
る。
【0020】請求項6に記載された発明は、拡散体を流
れの方向に沿って千鳥配列に配列したことを特徴とする
脱イオン槽であるから、外水路中の陽電極及び陰電極各
々において発生した、高濃度の濃縮水は容易に混合,拡
散することができるばかりでなく、水路中に千鳥型に複
数の拡散体を配置することにより水路中に流速の差が発
生し、混合,拡散される効率が向上し、濃縮水の過剰な
濃縮によるスケールの発生を防ぎ、濃縮室内や電極部に
スケールとして析出し、析出部の電気抵抗を上昇させ、
それにより電流が流れにくくなるということを防止で
き、荷電物質等の分離除去効率の低下を防ぐことができ
る。
れの方向に沿って千鳥配列に配列したことを特徴とする
脱イオン槽であるから、外水路中の陽電極及び陰電極各
々において発生した、高濃度の濃縮水は容易に混合,拡
散することができるばかりでなく、水路中に千鳥型に複
数の拡散体を配置することにより水路中に流速の差が発
生し、混合,拡散される効率が向上し、濃縮水の過剰な
濃縮によるスケールの発生を防ぎ、濃縮室内や電極部に
スケールとして析出し、析出部の電気抵抗を上昇させ、
それにより電流が流れにくくなるということを防止で
き、荷電物質等の分離除去効率の低下を防ぐことができ
る。
【0021】請求項7に記載された発明は、請求項1〜
5のいずれかに記載された脱イオン槽を備え、陽電極及
び陰電極に電圧を印加する電源部と、電源部を制御する
制御部を備えたことを特徴とする脱イオン水製造装置で
あるから、被処理水に含まれる溶解度の低い硬度成分で
あるCaやMg等の濃縮水中での濃縮による、濃縮室内
や電極部へのスケール析出を抑え、安定した水質が得ら
れることができる。さらに、電極近傍で被処理水中に含
まれる塩素が電気分解されることにより発生する、次亜
塩素酸ソーダによるイオン交換樹脂やイオン交換膜や電
極等で構成されている脱イオン槽の劣化を大幅に低減す
ることができ、装置のメンテナンスが容易で、安定運
転、長寿命化を実現することができ、コストを大幅な低
減を実現することができる。
5のいずれかに記載された脱イオン槽を備え、陽電極及
び陰電極に電圧を印加する電源部と、電源部を制御する
制御部を備えたことを特徴とする脱イオン水製造装置で
あるから、被処理水に含まれる溶解度の低い硬度成分で
あるCaやMg等の濃縮水中での濃縮による、濃縮室内
や電極部へのスケール析出を抑え、安定した水質が得ら
れることができる。さらに、電極近傍で被処理水中に含
まれる塩素が電気分解されることにより発生する、次亜
塩素酸ソーダによるイオン交換樹脂やイオン交換膜や電
極等で構成されている脱イオン槽の劣化を大幅に低減す
ることができ、装置のメンテナンスが容易で、安定運
転、長寿命化を実現することができ、コストを大幅な低
減を実現することができる。
【0022】以下、本発明の実施の形態における脱イオ
ン槽、及び脱イオン水製造装置について図面を用いて説
明する。
ン槽、及び脱イオン水製造装置について図面を用いて説
明する。
【0023】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
おける脱イオン槽について説明する。図1は本発明の実
施の形態1における脱イオン槽の構造図である。
おける脱イオン槽について説明する。図1は本発明の実
施の形態1における脱イオン槽の構造図である。
【0024】図1において、1は荷電物質を通過可能な
隔壁、2は外部導水管、3はイオン交換体、4は陽電
極、5は陰電極である。隔壁1から構成された内水路
は、外水路を構成する外部導水管2に取り囲まれてお
り、内部を被処理水が通水される。6は通水方向を示
す。陽電極4と陰電極5は、外水路に1組以上配設され
ている。なお、外水路に1組以上配設されるとは、外水
路全体にわたって陽電極4と陰電極5が設けられる場合
と、外水路の一部に陽電極4と陰電極5が設けられる場
合の両方を意味するものである。また、陽電極4と陰電
極5は外部導水管2上に設けられてもよいし、外水路内
に設けられるのでもよい。
隔壁、2は外部導水管、3はイオン交換体、4は陽電
極、5は陰電極である。隔壁1から構成された内水路
は、外水路を構成する外部導水管2に取り囲まれてお
り、内部を被処理水が通水される。6は通水方向を示
す。陽電極4と陰電極5は、外水路に1組以上配設され
ている。なお、外水路に1組以上配設されるとは、外水
路全体にわたって陽電極4と陰電極5が設けられる場合
と、外水路の一部に陽電極4と陰電極5が設けられる場
合の両方を意味するものである。また、陽電極4と陰電
極5は外部導水管2上に設けられてもよいし、外水路内
に設けられるのでもよい。
【0025】内側水路に充填されるイオン交換体として
は、イオン交換容量が大きいことが望ましく、イオン交
換樹脂やイオン交換繊維、陽イオン交換膜および陰イオ
ン交換膜を積層して用いるほか、陽イオン交換樹脂およ
び陰イオン交換樹脂や、陽イオン交換膜および陰イオン
交換膜、陰イオン交換繊維および陽イオン交換繊維を混
合し、荷電性物質の輸率を高めた材料を用いることが望
ましい。
は、イオン交換容量が大きいことが望ましく、イオン交
換樹脂やイオン交換繊維、陽イオン交換膜および陰イオ
ン交換膜を積層して用いるほか、陽イオン交換樹脂およ
び陰イオン交換樹脂や、陽イオン交換膜および陰イオン
交換膜、陰イオン交換繊維および陽イオン交換繊維を混
合し、荷電性物質の輸率を高めた材料を用いることが望
ましい。
【0026】また、外水路中に配置する陽電極4と陰電
極5としては、金や白金などのイオン化傾向が貴な金属
が用いられるが、これら金属を鍍金、または圧着や蒸
着、スパッタリング等により、電気導電性の高い基材を
コーティングし用いるのでも電極材料費を低減させるた
めには有用である。
極5としては、金や白金などのイオン化傾向が貴な金属
が用いられるが、これら金属を鍍金、または圧着や蒸
着、スパッタリング等により、電気導電性の高い基材を
コーティングし用いるのでも電極材料費を低減させるた
めには有用である。
【0027】荷電物質を通過可能な隔壁としては、多孔
質の中性膜としてメンブレン膜や不織布、メッシュ材等
が用いられる。
質の中性膜としてメンブレン膜や不織布、メッシュ材等
が用いられる。
【0028】この脱イオン槽に通水し、電極に電圧を印
加することにより、脱イオン水を内側水路より取り出す
ことができる。この時、通水は内側水路と濃縮水が発生
する外側水路の比を20対1に設定するのがよい。本実
施の形態1の脱イオン槽は、相当時間経過後も電圧の上
昇が、従来に比べ抑えられ、荷電物質等の分離除去効率
低下が著しく防止される。
加することにより、脱イオン水を内側水路より取り出す
ことができる。この時、通水は内側水路と濃縮水が発生
する外側水路の比を20対1に設定するのがよい。本実
施の形態1の脱イオン槽は、相当時間経過後も電圧の上
昇が、従来に比べ抑えられ、荷電物質等の分離除去効率
低下が著しく防止される。
【0029】実施の形態1の脱イオン槽は、陽電極4及
び陰電極5で発生した高濃度の濃縮水が容易に混合,拡
散し、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出したり、析
出部の電気抵抗を上昇させ、電流が流れにくくなるとい
うことがない。これにより荷電物質等の分離除去効率の
低下が防止される。
び陰電極5で発生した高濃度の濃縮水が容易に混合,拡
散し、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発生を防
ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出したり、析
出部の電気抵抗を上昇させ、電流が流れにくくなるとい
うことがない。これにより荷電物質等の分離除去効率の
低下が防止される。
【0030】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
おける脱イオン槽について説明する。図2は本発明の実
施の形態2における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態2における脱イオン槽と、実施の形態1の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態1に譲って個々では省略する。
おける脱イオン槽について説明する。図2は本発明の実
施の形態2における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態2における脱イオン槽と、実施の形態1の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態1に譲って個々では省略する。
【0031】図2において、1は隔壁、2は外部導水
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向である。そして、8は隔膜1に設けられた陽イ
オン交換膜、9は隔膜1に設けられ、陽イオン交換膜8
とは別の位置に設けられた陰イオン交換膜である。
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向である。そして、8は隔膜1に設けられた陽イ
オン交換膜、9は隔膜1に設けられ、陽イオン交換膜8
とは別の位置に設けられた陰イオン交換膜である。
【0032】実施の形態2の脱イオン槽は、陽イオン交
換膜8と陰イオン交換膜9が内水路を構成する隔膜1に
配設されていることが特徴である。陽イオン交換膜8は
陰電極5の近傍に、陰イオン交換膜9は陽電極4の近傍
にそれぞれ相対向して設けられる。
換膜8と陰イオン交換膜9が内水路を構成する隔膜1に
配設されていることが特徴である。陽イオン交換膜8は
陰電極5の近傍に、陰イオン交換膜9は陽電極4の近傍
にそれぞれ相対向して設けられる。
【0033】陽イオン交換膜8と陰イオン交換膜9によ
り、隔壁1で構成された内水路から外水路への荷電物質
の移動が容易になり、荷電物質等の分離除去効率を大幅
に向上させることができる。
り、隔壁1で構成された内水路から外水路への荷電物質
の移動が容易になり、荷電物質等の分離除去効率を大幅
に向上させることができる。
【0034】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
おける脱イオン槽について説明する。図3は本発明の実
施の形態3における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態3における脱イオン槽と、実施の形態1の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態1に譲ってここでは省略する。
おける脱イオン槽について説明する。図3は本発明の実
施の形態3における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態3における脱イオン槽と、実施の形態1の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態1に譲ってここでは省略する。
【0035】図3において、1は隔壁、2は外部導水
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向である。そして、7は、外部導水管2に取り付
けられ、隔壁1と外部導水管2の間の外水路内に配設さ
れた拡散体である。拡散体7は複数設けられ、外水路内
の陽電極4及び陰電極5で生成される高濃度の濃縮水を
容易に混合,拡散するためのものである。拡散体7は突
起物であれば足り、V字型、円筒形や円錐形、三角形や
多角柱でもよい。また配置も均等に配置することもでき
るし、疎密に配置することもできる。
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向である。そして、7は、外部導水管2に取り付
けられ、隔壁1と外部導水管2の間の外水路内に配設さ
れた拡散体である。拡散体7は複数設けられ、外水路内
の陽電極4及び陰電極5で生成される高濃度の濃縮水を
容易に混合,拡散するためのものである。拡散体7は突
起物であれば足り、V字型、円筒形や円錐形、三角形や
多角柱でもよい。また配置も均等に配置することもでき
るし、疎密に配置することもできる。
【0036】そして、複数の拡散体7が存在することで
水路中に流速の差が発生し、混合,拡散される効率が向
上し、スケールの発生を防ぎ、析出部の電気抵抗を上昇
させ、電流が流れにくくなるということを防止し、荷電
物質等の分離除去効率を低下させない。
水路中に流速の差が発生し、混合,拡散される効率が向
上し、スケールの発生を防ぎ、析出部の電気抵抗を上昇
させ、電流が流れにくくなるということを防止し、荷電
物質等の分離除去効率を低下させない。
【0037】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
おける脱イオン槽について説明する。図4は本発明の実
施の形態4における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態4における脱イオン槽と、実施の形態3の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態3に譲ってここでは省略する。
おける脱イオン槽について説明する。図4は本発明の実
施の形態4における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態4における脱イオン槽と、実施の形態3の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態3に譲ってここでは省略する。
【0038】図4において、1は隔壁、2は外部導水
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、7は拡散体である。本実施の形態4の脱イオ
ン槽の特徴は、拡散体7が平板であり、通水方向に対し
傾斜して設けられていることである。
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、7は拡散体である。本実施の形態4の脱イオ
ン槽の特徴は、拡散体7が平板であり、通水方向に対し
傾斜して設けられていることである。
【0039】これにより、実施の形態3と同様に、高濃
度の濃縮水を効率的に混合,拡散することができ、複数
の拡散体7が通水方向に対し傾斜した平面であることよ
り、水路中の濃縮水は傾斜配置された複数の平板により
導かれ、通水方向に平行な移動成分に加えて垂直な移動
成分が発生して旋回することにより、陽電極4及び陰電
極5各々において発生した高濃度の酸性物質やアルカリ
性物質は異なった極の電極に移動するので、各々の電極
で発生した酸性物質とアルカリ性物質を速やかに混合し
て混合・中和し、濃縮水のpHの変化を抑え、スケール
の発生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出
し、析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流
れにくくなるということを防止でき、荷電物質等の分離
除去効率の低下を防ぐことができる。また、陽電極4及
び陰電極5で発生した次亜塩素酸ソーダにより脱イオン
槽の劣化、とくにイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極
等の劣化が進むのを、次亜塩素酸ソーダを中和させるこ
とにより抑えることができる。
度の濃縮水を効率的に混合,拡散することができ、複数
の拡散体7が通水方向に対し傾斜した平面であることよ
り、水路中の濃縮水は傾斜配置された複数の平板により
導かれ、通水方向に平行な移動成分に加えて垂直な移動
成分が発生して旋回することにより、陽電極4及び陰電
極5各々において発生した高濃度の酸性物質やアルカリ
性物質は異なった極の電極に移動するので、各々の電極
で発生した酸性物質とアルカリ性物質を速やかに混合し
て混合・中和し、濃縮水のpHの変化を抑え、スケール
の発生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出
し、析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流
れにくくなるということを防止でき、荷電物質等の分離
除去効率の低下を防ぐことができる。また、陽電極4及
び陰電極5で発生した次亜塩素酸ソーダにより脱イオン
槽の劣化、とくにイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極
等の劣化が進むのを、次亜塩素酸ソーダを中和させるこ
とにより抑えることができる。
【0040】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
おける脱イオン槽について説明する。図5は本発明の実
施の形態5における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態5における脱イオン槽と、実施の形態3の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態3に譲ってここでは省略する。
おける脱イオン槽について説明する。図5は本発明の実
施の形態5における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態5における脱イオン槽と、実施の形態3の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態3に譲ってここでは省略する。
【0041】図5において、1は隔壁、2は外部導水
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、7は拡散体である。
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、7は拡散体である。
【0042】本実施の形態5の脱イオン槽の特徴は、拡
散体7が平板であるがスパイラル状で、通水方向に対し
円筒状の外水路内を、円周の半分の長さで配設されてい
る点である。
散体7が平板であるがスパイラル状で、通水方向に対し
円筒状の外水路内を、円周の半分の長さで配設されてい
る点である。
【0043】これにより、実施の形態4と同様に、高濃
度の濃縮水を効率的に混合,拡散することができ、外水
路中に配置された平板がスパイラル状であることより、
水路中の濃縮水はスパイラル状の平板により導かれ、陽
電極4及び陰電極5において発生した高濃度の酸性物質
やアルカリ性物質は異なった極の電極部に平板に沿って
移動するので、各々の電極で発生した酸性物質とアルカ
リ性物質を、効率よく速やかに電極間を移動させること
により混合・中和させ、濃縮水のpHの変化を抑え、ス
ケールの発生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとし
て析出し、析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電
流が流れにくくなるということを防止でき、荷電物質等
の分離除去効率の低下を防ぐことができる。また、電極
部で発生した次亜塩素酸ソーダにより脱イオン槽の劣
化、とくにイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等の劣
化が進むのを、次亜塩素酸ソーダを中和させることによ
り抑えることができる。
度の濃縮水を効率的に混合,拡散することができ、外水
路中に配置された平板がスパイラル状であることより、
水路中の濃縮水はスパイラル状の平板により導かれ、陽
電極4及び陰電極5において発生した高濃度の酸性物質
やアルカリ性物質は異なった極の電極部に平板に沿って
移動するので、各々の電極で発生した酸性物質とアルカ
リ性物質を、効率よく速やかに電極間を移動させること
により混合・中和させ、濃縮水のpHの変化を抑え、ス
ケールの発生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとし
て析出し、析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電
流が流れにくくなるということを防止でき、荷電物質等
の分離除去効率の低下を防ぐことができる。また、電極
部で発生した次亜塩素酸ソーダにより脱イオン槽の劣
化、とくにイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等の劣
化が進むのを、次亜塩素酸ソーダを中和させることによ
り抑えることができる。
【0044】(実施の形態6)本発明の実施の形態6に
おける脱イオン槽について説明する。図6は本発明の実
施の形態6における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態6における脱イオン槽と、実施の形態3の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態1に譲ってここでは省略する。
おける脱イオン槽について説明する。図6は本発明の実
施の形態6における脱イオン槽の構造図である。なお、
実施の形態6における脱イオン槽と、実施の形態3の脱
イオン槽で用いた同一符号は、同一の部材を示すから詳
細な説明は実施の形態1に譲ってここでは省略する。
【0045】図6において、1は隔壁、2は外部導水
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、7は拡散体である。本実施の形態6の脱イオ
ン槽の特徴は、拡散体7が流れの方向に沿って千鳥配列
に配列されている点である。
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、7は拡散体である。本実施の形態6の脱イオ
ン槽の特徴は、拡散体7が流れの方向に沿って千鳥配列
に配列されている点である。
【0046】これにより、外水路中の陽電極4及び陰電
極5において発生した高濃度の濃縮水は容易に混合,拡
散することができ、水路中に千鳥配列に拡散体7を配置
したため水路中に流速の差が発生し、混合,拡散される
効率が向上し、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発
生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出し、
析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れに
くくなるということを防止でき、荷電物質等の分離除去
効率の低下を防ぐことができる。
極5において発生した高濃度の濃縮水は容易に混合,拡
散することができ、水路中に千鳥配列に拡散体7を配置
したため水路中に流速の差が発生し、混合,拡散される
効率が向上し、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発
生を防ぎ、濃縮室内や電極部にスケールとして析出し、
析出部の電気抵抗を上昇させ、それにより電流が流れに
くくなるということを防止でき、荷電物質等の分離除去
効率の低下を防ぐことができる。
【0047】(実施の形態7)実施の形態7の脱イオン
水製造装置の説明をする。本実施の形態7の脱イオン水
製造装置は、実施の形態1〜6で説明した脱イオン槽を
そのまま用い、外部に設けた電源部(図示しない)から
陽電極4及び陰電極5に、それぞれプラスの極性の電圧
と、マイナスの極性の電圧を印加するものである。本発
明の脱イオン槽を用いれば、濃縮水の過剰な濃縮による
スケールの発生を防ぎ、析出部の電気抵抗を上昇させ、
電流が流れにくくなるということがないから、電流値の
変動は少ないため制御の必要性は従来より少ないが、安
定した水質を保つため制御部(図示しない)を設けて所
定値に電流値を制御するのがよい。また、制御部によっ
て逆洗のため極性を交換するように構成するのもよい。
水製造装置の説明をする。本実施の形態7の脱イオン水
製造装置は、実施の形態1〜6で説明した脱イオン槽を
そのまま用い、外部に設けた電源部(図示しない)から
陽電極4及び陰電極5に、それぞれプラスの極性の電圧
と、マイナスの極性の電圧を印加するものである。本発
明の脱イオン槽を用いれば、濃縮水の過剰な濃縮による
スケールの発生を防ぎ、析出部の電気抵抗を上昇させ、
電流が流れにくくなるということがないから、電流値の
変動は少ないため制御の必要性は従来より少ないが、安
定した水質を保つため制御部(図示しない)を設けて所
定値に電流値を制御するのがよい。また、制御部によっ
て逆洗のため極性を交換するように構成するのもよい。
【0048】これにより、被処理水に含まれる溶解度の
低い硬度成分であるCaやMg等の濃縮水中での濃縮に
よる、濃縮室内や電極部へのスケール析出を抑え、安定
した水質を得ることができる。さらに、電極近傍で被処
理水中に含まれる塩素が電気分解されることにより発生
する、次亜塩素酸ソーダによるイオン交換樹脂やイオン
交換膜や電極等で構成されている脱イオン槽の劣化を大
幅に低減することができ、脱イオン水製造装置の安定運
転、長寿命化を実現することができ、コストを大幅な低
減を実現することができる。メンテナンスの頻度が減
り、きわめて扱い易い装置とすることができる。
低い硬度成分であるCaやMg等の濃縮水中での濃縮に
よる、濃縮室内や電極部へのスケール析出を抑え、安定
した水質を得ることができる。さらに、電極近傍で被処
理水中に含まれる塩素が電気分解されることにより発生
する、次亜塩素酸ソーダによるイオン交換樹脂やイオン
交換膜や電極等で構成されている脱イオン槽の劣化を大
幅に低減することができ、脱イオン水製造装置の安定運
転、長寿命化を実現することができ、コストを大幅な低
減を実現することができる。メンテナンスの頻度が減
り、きわめて扱い易い装置とすることができる。
【0049】
【実施例】(実施例1)実施の形態1の脱イオン槽にお
ける実施例1について説明する。図7は比較例としての
従来の技術における脱イオン槽の構造図、図8は従来の
技術と実施例1の定電流値制御による脱イオン時の印加
電圧と経過時間の関係図である。
ける実施例1について説明する。図7は比較例としての
従来の技術における脱イオン槽の構造図、図8は従来の
技術と実施例1の定電流値制御による脱イオン時の印加
電圧と経過時間の関係図である。
【0050】図7において、1は隔壁、2は外部導水
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、8は陽イオン交換膜、9は陰イオン交換膜で
ある。実施の形態2と同様であるから詳細は省略する。
従来の技術における脱イオン槽は、荷電物質を通過可能
な隔壁1で、3つ以上に分割した水路で構成され、最外
部の水路を構成する水路部に、1組以上の陽電極4及び
陰電極5を設けている。
管、3はイオン交換体、4は陽電極、5は陰電極、6は
通水方向、8は陽イオン交換膜、9は陰イオン交換膜で
ある。実施の形態2と同様であるから詳細は省略する。
従来の技術における脱イオン槽は、荷電物質を通過可能
な隔壁1で、3つ以上に分割した水路で構成され、最外
部の水路を構成する水路部に、1組以上の陽電極4及び
陰電極5を設けている。
【0051】そして、実施例1の脱イオン槽は、内水路
に充填されるイオン交換体3として、三菱化学製の陰イ
オン交換樹脂DIAION SA12Aと、陽イオン交
換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混合したもの
を使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ1.5mm
のチタン板に白金鍍金を施したものを用いた。また、荷
電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴアテックス社製
中性膜のSGT100T100−1を用いた。
に充填されるイオン交換体3として、三菱化学製の陰イ
オン交換樹脂DIAION SA12Aと、陽イオン交
換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混合したもの
を使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ1.5mm
のチタン板に白金鍍金を施したものを用いた。また、荷
電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴアテックス社製
中性膜のSGT100T100−1を用いた。
【0052】これに対し、比較例としての従来例におけ
る脱イオン槽は、水路を3層とし、内水路中に実施例1
と同様に、三菱化学製の陰イオン交換樹脂DIAION
SA12Aと、陽イオン交換樹脂DIAION SK1
Bを、等容量混合したものを充填し、陽電極4側の隔壁
1には陰イオン交換膜7を、陰電極5側には陽イオン交
換膜8を用いた。
る脱イオン槽は、水路を3層とし、内水路中に実施例1
と同様に、三菱化学製の陰イオン交換樹脂DIAION
SA12Aと、陽イオン交換樹脂DIAION SK1
Bを、等容量混合したものを充填し、陽電極4側の隔壁
1には陰イオン交換膜7を、陰電極5側には陽イオン交
換膜8を用いた。
【0053】このような構成の2つの脱イオン槽に通水
し、陽電極4及び陰電極5に電圧を印加することによ
り、脱イオン水を内水路より取り出す。このとき通水は
内水路と濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定
し、一定の脱イオン率を得るために、定電流制御により
電圧を印加し、通電経過時間との関係を測定した。
し、陽電極4及び陰電極5に電圧を印加することによ
り、脱イオン水を内水路より取り出す。このとき通水は
内水路と濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定
し、一定の脱イオン率を得るために、定電流制御により
電圧を印加し、通電経過時間との関係を測定した。
【0054】このときの脱イオン時の印加電圧と経過時
間の関係が図8である。図8の縦軸は、定電流制御時の
電極間印加電圧(V)、横軸は、通電経過時間(分)で
ある。また、10は従来の技術における電流測定値(白
抜き○各表示点)を、11は実施例1の脱イオン槽にお
ける電流測定値(黒塗り●各点表示)である。
間の関係が図8である。図8の縦軸は、定電流制御時の
電極間印加電圧(V)、横軸は、通電経過時間(分)で
ある。また、10は従来の技術における電流測定値(白
抜き○各表示点)を、11は実施例1の脱イオン槽にお
ける電流測定値(黒塗り●各点表示)である。
【0055】図8によれば、実施例1の脱イオン槽は、
60分経過後も電圧の上昇が、従来の脱イオン槽に比べ
40%以下に抑えられており、荷電物質等の分離除去効
率低下の防止に著しい向上が見られる。
60分経過後も電圧の上昇が、従来の脱イオン槽に比べ
40%以下に抑えられており、荷電物質等の分離除去効
率低下の防止に著しい向上が見られる。
【0056】(実施例2)実施の形態2の脱イオン槽に
おける実施例2について説明する。図9は実施例1,2
の脱イオン時の電極間印加電圧と電極間の電流測定値の
関係図である。比較例としての従来の技術の脱イオン槽
の説明は実施例1と同一であるから省略する。
おける実施例2について説明する。図9は実施例1,2
の脱イオン時の電極間印加電圧と電極間の電流測定値の
関係図である。比較例としての従来の技術の脱イオン槽
の説明は実施例1と同一であるから省略する。
【0057】実施例1と同様、実施例2の脱イオン槽
は、内水路に充填されるイオン交換体3として、三菱化
学製の陰イオン交換樹脂DIAION SA12Aと、
陽イオン交換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混
合したものを使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ
1.5mmのチタン板に白金鍍金を施したものを用い
た。また、荷電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴア
テックス社製中性膜のSGT100T100−1を用い
た。
は、内水路に充填されるイオン交換体3として、三菱化
学製の陰イオン交換樹脂DIAION SA12Aと、
陽イオン交換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混
合したものを使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ
1.5mmのチタン板に白金鍍金を施したものを用い
た。また、荷電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴア
テックス社製中性膜のSGT100T100−1を用い
た。
【0058】本実施例2では、イオン交換膜として、旭
化成社製の陽イオン交換膜K501Bと陰イオン交換膜
A501Bを用いた。
化成社製の陽イオン交換膜K501Bと陰イオン交換膜
A501Bを用いた。
【0059】このような2つの脱イオン槽に通水し、陽
電極4及び陰電極5に電圧を印加することにより、脱イ
オン水を内水路より取り出す。このとき通水は内水路と
濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定し、一定
の脱イオン率を得るために、陽電極4及び陰電極5間に
電圧を印加し、流れる電流値との関係を測定した。
電極4及び陰電極5に電圧を印加することにより、脱イ
オン水を内水路より取り出す。このとき通水は内水路と
濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定し、一定
の脱イオン率を得るために、陽電極4及び陰電極5間に
電圧を印加し、流れる電流値との関係を測定した。
【0060】図9において、縦軸は電極間に流れる電流
測定値(A)、横軸は電極間印加電圧(V)である。ま
た、12は実施例1における測定値(黒塗り●各点表
示)を、13は実施例2における測定値(白抜き〇各点
表示)である。
測定値(A)、横軸は電極間印加電圧(V)である。ま
た、12は実施例1における測定値(黒塗り●各点表
示)を、13は実施例2における測定値(白抜き〇各点
表示)である。
【0061】図9によれば、実施例2の脱イオン槽は、
通電時の電気抵抗が小さく、濃縮水としての外水路への
荷電物質の移動が容易であり、中性膜を用いた場合に比
べ20%以上、荷電物質等の分離除去効率の大幅な向上
がみられ、特に印加電圧が高いほどその傾向が顕著であ
る。
通電時の電気抵抗が小さく、濃縮水としての外水路への
荷電物質の移動が容易であり、中性膜を用いた場合に比
べ20%以上、荷電物質等の分離除去効率の大幅な向上
がみられ、特に印加電圧が高いほどその傾向が顕著であ
る。
【0062】(実施例3)実施の形態3の脱イオン槽に
おける実施例3について説明する。図10は実施例2,
3,6の定電流値制御による脱イオン時の印加電圧と経
過時間の関係図である。比較例としての従来の技術の脱
イオン槽の説明は実施例1と同一であるから省略する。
おける実施例3について説明する。図10は実施例2,
3,6の定電流値制御による脱イオン時の印加電圧と経
過時間の関係図である。比較例としての従来の技術の脱
イオン槽の説明は実施例1と同一であるから省略する。
【0063】実施例2と同様、実施例3の脱イオン槽
は、内水路に充填されるイオン交換体3として、三菱化
学製の陰イオン交換樹脂DIAION SA12Aと、
陽イオン交換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混
合したものを使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ
1.5mmのチタン板に白金鍍金を施したものを用い
た。また、荷電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴア
テックス社製中性膜のSGT100T100−1を用い
た。イオン交換膜として、旭化成社製の陽イオン交換膜
K501Bと陰イオン交換膜A501Bを用いた。
は、内水路に充填されるイオン交換体3として、三菱化
学製の陰イオン交換樹脂DIAION SA12Aと、
陽イオン交換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混
合したものを使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ
1.5mmのチタン板に白金鍍金を施したものを用い
た。また、荷電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴア
テックス社製中性膜のSGT100T100−1を用い
た。イオン交換膜として、旭化成社製の陽イオン交換膜
K501Bと陰イオン交換膜A501Bを用いた。
【0064】このような2つの脱イオン槽に通水し、陽
電極4及び陰電極5に電圧を印加することにより、脱イ
オン水を内水路より取り出す。このとき通水は内水路と
濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定し、一定
の脱イオン率を得るために、陽電極4及び陰電極5間に
電圧を印加し、流れる電流値との関係を測定した。
電極4及び陰電極5に電圧を印加することにより、脱イ
オン水を内水路より取り出す。このとき通水は内水路と
濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定し、一定
の脱イオン率を得るために、陽電極4及び陰電極5間に
電圧を印加し、流れる電流値との関係を測定した。
【0065】図10において、縦軸は定電流制御時の電
極間印加(V)、横軸は通電経過時間(分)である。ま
た、13は実施例2における測定値(白抜き〇各点表
示)を、14は実施例3における測定値(黒塗り●各点
表示)を、17は後述する実施例6における測定値(黒
塗り◆各点表示)である。
極間印加(V)、横軸は通電経過時間(分)である。ま
た、13は実施例2における測定値(白抜き〇各点表
示)を、14は実施例3における測定値(黒塗り●各点
表示)を、17は後述する実施例6における測定値(黒
塗り◆各点表示)である。
【0066】図10に示すように、実施例3の脱イオン
槽は、外水路内に拡散体7を配置することにより、60
分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない実施例2
の脱イオン槽に比べ30%以上抑えられており、荷電物
質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上が見られ
る。
槽は、外水路内に拡散体7を配置することにより、60
分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない実施例2
の脱イオン槽に比べ30%以上抑えられており、荷電物
質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上が見られ
る。
【0067】(実施例4)実施の形態4の脱イオン槽に
おける実施例4について説明する。図11は実施例2,
4,5の定電流値制御による脱イオン時の印加電圧と経
過時間の関係図である。比較例としての従来の技術の脱
イオン槽の説明は実施例1と同一であるから省略する。
おける実施例4について説明する。図11は実施例2,
4,5の定電流値制御による脱イオン時の印加電圧と経
過時間の関係図である。比較例としての従来の技術の脱
イオン槽の説明は実施例1と同一であるから省略する。
【0068】実施例3と同様、実施例4の脱イオン槽
は、内水路に充填されるイオン交換体3として、三菱化
学製の陰イオン交換樹脂DIAION SA12Aと、
陽イオン交換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混
合したものを使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ
1.5mmのチタン板に白金鍍金を施したものを用い
た。また、荷電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴア
テックス社製中性膜のSGT100T100−1を用い
た。イオン交換膜として、旭化成社製の陽イオン交換膜
K501Bと陰イオン交換膜A501Bを用いた。
は、内水路に充填されるイオン交換体3として、三菱化
学製の陰イオン交換樹脂DIAION SA12Aと、
陽イオン交換樹脂DIAION SK1Bを、等容量混
合したものを使用した。陽電極4及び陰電極5は、厚さ
1.5mmのチタン板に白金鍍金を施したものを用い
た。また、荷電物質を通過可能な隔壁1としては、ゴア
テックス社製中性膜のSGT100T100−1を用い
た。イオン交換膜として、旭化成社製の陽イオン交換膜
K501Bと陰イオン交換膜A501Bを用いた。
【0069】このような2つの脱イオン槽に通水し、陽
電極4及び陰電極5に電圧を印加することにより、脱イ
オン水を内水路より取り出す。このとき通水は内水路と
濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定し、一定
の脱イオン率を得るために、陽電極4及び陰電極5間に
電圧を印加し、流れる電流値との関係を測定した。
電極4及び陰電極5に電圧を印加することにより、脱イ
オン水を内水路より取り出す。このとき通水は内水路と
濃縮水が発生する外水路の比を20対1に設定し、一定
の脱イオン率を得るために、陽電極4及び陰電極5間に
電圧を印加し、流れる電流値との関係を測定した。
【0070】図11において、13は実施例2における
測定値(白抜き〇各点表示)、15は実施例4における
測定値(黒塗り●各点表示)、16は後述する実施例5
における測定値(黒塗り◆各点表示)である。
測定値(白抜き〇各点表示)、15は実施例4における
測定値(黒塗り●各点表示)、16は後述する実施例5
における測定値(黒塗り◆各点表示)である。
【0071】図11に示すように、実施例4の脱イオン
槽は、外水路内に拡散体7を配置することにより、60
分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない実施例2
の脱イオン槽に比べ60%以上抑えられており、荷電物
質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上が見られ
る。
槽は、外水路内に拡散体7を配置することにより、60
分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない実施例2
の脱イオン槽に比べ60%以上抑えられており、荷電物
質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上が見られ
る。
【0072】(実施例5)実施の形態5の脱イオン槽に
おける実施例5について説明する。実施例5の脱イオン
槽は、スパイラル状である点を除き実施例4の脱イオン
槽と基本的の同一であり、詳細な説明はは実施例4に譲
る。
おける実施例5について説明する。実施例5の脱イオン
槽は、スパイラル状である点を除き実施例4の脱イオン
槽と基本的の同一であり、詳細な説明はは実施例4に譲
る。
【0073】図11において、13は実施例2における
測定値(白抜き〇各点表示)、15は実施例4における
測定値(黒塗り●各点表示)、16は実施例5における
測定値(黒塗り◆各点表示)である。
測定値(白抜き〇各点表示)、15は実施例4における
測定値(黒塗り●各点表示)、16は実施例5における
測定値(黒塗り◆各点表示)である。
【0074】図11に示すように、実施例5の脱イオン
槽は、外水路内に拡散体7を配置することにより、60
分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない実施例2
の脱イオン槽に比べ80%近く抑えられており、荷電物
質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上が見られ
る。
槽は、外水路内に拡散体7を配置することにより、60
分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない実施例2
の脱イオン槽に比べ80%近く抑えられており、荷電物
質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上が見られ
る。
【0075】(実施例6)実施の形態6の脱イオン槽に
おける実施例6について説明する。実施例6の脱イオン
槽は、千鳥配列である点を除き、実施例3と同一であ
る。
おける実施例6について説明する。実施例6の脱イオン
槽は、千鳥配列である点を除き、実施例3と同一であ
る。
【0076】図10において、縦軸は定電流制御時の電
極間印加(V)、横軸は通電経過時間(分)である。ま
た、13は実施例2における測定値(白抜き〇各点表
示)を、14は実施例3における測定値(黒塗り●各点
表示)を、17は実施例6における測定値(黒塗り◆各
点表示)である。
極間印加(V)、横軸は通電経過時間(分)である。ま
た、13は実施例2における測定値(白抜き〇各点表
示)を、14は実施例3における測定値(黒塗り●各点
表示)を、17は実施例6における測定値(黒塗り◆各
点表示)である。
【0077】図10に示すように、実施例6の脱イオン
槽は、外側水路内に拡散体を千鳥型に配置することによ
り、60分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない
実施例2の脱イオン槽に比べ45%以上抑えられてお
り、荷電物質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上
が見られ、特に印加電圧が高いほどその傾向が顕著であ
る。
槽は、外側水路内に拡散体を千鳥型に配置することによ
り、60分経過後も電圧の上昇が、拡散体を配置しない
実施例2の脱イオン槽に比べ45%以上抑えられてお
り、荷電物質等の分離除去効率低下の防止に著しい向上
が見られ、特に印加電圧が高いほどその傾向が顕著であ
る。
【0078】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の請求
項1に記載の発明によれば、陽電極及び陰電極各々にお
いて発生した、高濃度の濃縮水は容易に混合,拡散する
ことができるので、濃縮水の過剰な濃縮によるスケール
の発生を防ぎ、脱イオン槽における荷電物質等の分離除
去効率の低下防止を実現することができる。
項1に記載の発明によれば、陽電極及び陰電極各々にお
いて発生した、高濃度の濃縮水は容易に混合,拡散する
ことができるので、濃縮水の過剰な濃縮によるスケール
の発生を防ぎ、脱イオン槽における荷電物質等の分離除
去効率の低下防止を実現することができる。
【0079】本発明の請求項2に記載の発明によれば、
隔壁で構成された内水路から外水路への荷電物質の移動
が容易になり、荷電物質等の分離除去効率の大幅な向上
を実現できる。
隔壁で構成された内水路から外水路への荷電物質の移動
が容易になり、荷電物質等の分離除去効率の大幅な向上
を実現できる。
【0080】本発明の請求項3に記載の発明によれば、
外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生した高濃
度の濃縮水は、水路中に配置された複数の拡散体により
水路中に流速の差が発生し、容易に混合,拡散すること
ができ、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発生を防
ぎ、脱イオン槽における荷電物質等の分離除去効率の低
下防止を実現できる。
外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生した高濃
度の濃縮水は、水路中に配置された複数の拡散体により
水路中に流速の差が発生し、容易に混合,拡散すること
ができ、濃縮水の過剰な濃縮によるスケールの発生を防
ぎ、脱イオン槽における荷電物質等の分離除去効率の低
下防止を実現できる。
【0081】本発明の請求項4および5に記載の発明に
よれば、拡散体が通水方向に対し傾斜した平板やスパイ
ラル状の平板で旋回流を起こし、外水路中の陽電極及び
陰電極各々において発生した、酸性物質とアルカリ性物
質を中和することにより、濃縮水のpHの変化を抑え、
スケールの発生を防ぎ、荷電物質等の分離除去効率の低
下防止を実現できる。
よれば、拡散体が通水方向に対し傾斜した平板やスパイ
ラル状の平板で旋回流を起こし、外水路中の陽電極及び
陰電極各々において発生した、酸性物質とアルカリ性物
質を中和することにより、濃縮水のpHの変化を抑え、
スケールの発生を防ぎ、荷電物質等の分離除去効率の低
下防止を実現できる。
【0082】また、電極近傍で発生した次亜塩素酸ソー
ダを中和させ、イオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等
の劣化をおさえることができる。
ダを中和させ、イオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等
の劣化をおさえることができる。
【0083】本発明の請求項6に記載の発明によれば、
外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生した、高
濃度の濃縮水に流速の差が発生し、混合,拡散される効
率が向上し、濃縮によるスケールの発生を防ぎ、荷電物
質等の分離除去効率の低下を防止させることができる。
外水路中の陽電極及び陰電極各々において発生した、高
濃度の濃縮水に流速の差が発生し、混合,拡散される効
率が向上し、濃縮によるスケールの発生を防ぎ、荷電物
質等の分離除去効率の低下を防止させることができる。
【0084】本発明の請求項7に記載の発明によれば、
被処理水に含まれる溶解度の低い硬度成分であるCaや
Mg等の濃縮水中での濃縮による、濃縮室内や電極部へ
のスケール析出を抑え、安定した水質を得ることができ
る。
被処理水に含まれる溶解度の低い硬度成分であるCaや
Mg等の濃縮水中での濃縮による、濃縮室内や電極部へ
のスケール析出を抑え、安定した水質を得ることができ
る。
【0085】さらに、電極近傍で被処理水中に含まれる
塩素が電気分解されることにより発生する、次亜塩素酸
ソーダによるイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等で
構成されている脱イオン槽の劣化を大幅に低減すること
ができ、メンテナンスがきわめて容易で、安定運転、長
寿命化の脱イオン水生像装置を実現することができ、コ
ストを大幅な低減を実現できる。
塩素が電気分解されることにより発生する、次亜塩素酸
ソーダによるイオン交換樹脂やイオン交換膜や電極等で
構成されている脱イオン槽の劣化を大幅に低減すること
ができ、メンテナンスがきわめて容易で、安定運転、長
寿命化の脱イオン水生像装置を実現することができ、コ
ストを大幅な低減を実現できる。
【図1】本発明の実施の形態1における脱イオン槽の構
造図
造図
【図2】本発明の実施の形態2における脱イオン槽の構
造図
造図
【図3】本発明の実施の形態3における脱イオン槽の構
造図
造図
【図4】本発明の実施の形態4における脱イオン槽の構
造図
造図
【図5】本発明の実施の形態5における脱イオン槽の構
造図
造図
【図6】本発明の実施の形態6における脱イオン槽の構
造図
造図
【図7】比較例としての従来の技術における脱イオン槽
の構造図
の構造図
【図8】従来の技術と実施例1の定電流値制御による脱
イオン時の印加電圧と経過時間の関係図
イオン時の印加電圧と経過時間の関係図
【図9】実施例1,2の脱イオン時の電極間印加電圧と
電極間の電流測定値の関係図
電極間の電流測定値の関係図
【図10】実施例2,3,6の定電流値制御による脱イ
オン時の印加電圧と経過時間の関係図
オン時の印加電圧と経過時間の関係図
【図11】実施例2,4,5の定電流値制御による脱イ
オン時の印加電圧と経過時間の関係図
オン時の印加電圧と経過時間の関係図
1 隔壁 2 外部導水管 3 イオン交換体 4 陽電極 5 陰電極 6 通水方向 7 拡散体 8 陽イオン交換膜 9 陰イオン交換膜 10 従来の技術における測定値(白抜き○各表示点) 11 実施例1における測定値(黒塗り●各点表示) 12 実施例1における測定値(黒塗り●各点表示) 13 実施例2における測定値(白抜き〇各点表示) 14 実施例3における測定値(黒塗り●各点表示) 15 実施例4における測定値(黒塗り●各点表示) 16 実施例5における測定値(黒塗り◆各点表示) 17 実施例6における測定値(黒塗り◆各点表示)
Claims (7)
- 【請求項1】荷電物質を通過可能な隔壁で構成された内
水路と、前記内水路を取り囲んで設けられた外水路と、
前記外水路に配設された1組以上の陽電極及び陰電極を
備えたことを特徴とする脱イオン槽。 - 【請求項2】前記隔壁が陽イオン交換膜及び陰イオン交
換膜から構成されたことを特徴とする請求項1記載の脱
イオン槽。 - 【請求項3】前記外部水路と前記内側水路の間に複数の
拡散体が配設されたことを特徴とする請求項1または2
に記載の脱イオン槽。 - 【請求項4】前記拡散体が通水方向に対し傾斜した平板
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の脱イオン槽。 - 【請求項5】前記拡散体がスパイラル状の平板であるこ
とを特徴とする請求項2記載の脱イオン槽。 - 【請求項6】前記拡散体を流れの方向に沿って千鳥配列
に配列したことを特徴とする脱イオン槽。 - 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載された脱イ
オン槽を備え、前記陽電極及び前記陰電極に電圧を印加
する電源部と、前記電源部を制御する制御部を備えたこ
とを特徴とする脱イオン水製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000376996A JP2002177959A (ja) | 2000-12-12 | 2000-12-12 | 脱イオン槽及びこれを用いた脱イオン水製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000376996A JP2002177959A (ja) | 2000-12-12 | 2000-12-12 | 脱イオン槽及びこれを用いた脱イオン水製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002177959A true JP2002177959A (ja) | 2002-06-25 |
Family
ID=18845776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000376996A Pending JP2002177959A (ja) | 2000-12-12 | 2000-12-12 | 脱イオン槽及びこれを用いた脱イオン水製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002177959A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101255262B1 (ko) | 2012-08-06 | 2013-04-15 | (주) 금양엔지니어링 | 초순수 제조용 전기 탈이온장치 |
-
2000
- 2000-12-12 JP JP2000376996A patent/JP2002177959A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101255262B1 (ko) | 2012-08-06 | 2013-04-15 | (주) 금양엔지니어링 | 초순수 제조용 전기 탈이온장치 |
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