JP2002171121A - 偏波選択性電波反射鏡 - Google Patents

偏波選択性電波反射鏡

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JP2002171121A
JP2002171121A JP2000363486A JP2000363486A JP2002171121A JP 2002171121 A JP2002171121 A JP 2002171121A JP 2000363486 A JP2000363486 A JP 2000363486A JP 2000363486 A JP2000363486 A JP 2000363486A JP 2002171121 A JP2002171121 A JP 2002171121A
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reflector
radio wave
radar
selective radio
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Makoto Satake
誠 佐竹
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Communications Research Laboratory
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    • G01S13/00Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
    • G01S13/88Radar or analogous systems specially adapted for specific applications
    • G01S13/89Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S13/90Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging using synthetic aperture techniques, e.g. synthetic aperture radar [SAR] techniques
    • G01S13/904SAR modes
    • G01S13/9076Polarimetric features in SAR

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平/垂直(直線)偏波を用いる偏波レーダ
の較正のために、特定の偏波角度の電波のみを選択的に
反射することができ、かつ、そのレーダ断面積を高精度
で決定できるもので、しかも低コストの偏波選択性電波
反射鏡を提供することを目的とする。 【解決手段】 偏波選択性電波反射鏡で、平面状に並べ
られた平行な複数の直線状の導電体と、該導電体のそれ
ぞれの両端を支持する絶縁体とからなる電磁波の反射板
を複数含む構成と、その複数の反射板は、お互いに直交
する構成と、その複数の反射板に含まれる直線状の導電
体は、お互いに平行である構成とを有することを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偏波レーダ較正
用に使うことのできる偏波選択性電波反射鏡に関してお
り、特に、製造コストが低く、さらに、反射波の強度を
高精度で計算できるワイヤグリッド型の偏波選択性電波
反射鏡に関するものである。さらに具体的には、水平ま
たは垂直の直線偏波を用いるポーラリメトリックレーダ
の較正に用いるレーダ反射鏡であり、水平または垂直の
直線偏波のみを選択的に反射させる偏波選択性電波反射
鏡に関している。
【0002】
【従来の技術】従来、リモートセンシングに用いられる
レーダでは、使用する電波の偏波は水平または垂直の単
一偏波であった。近年、マイクロ波部品の改善、電子デ
バイス技術の進展、及びデータを収集し処理する計算機
の高性能化により、水平および垂直の双方の電波を使用
して、測定対象のより詳細な情報を得るポーラリメトリ
ックレーダが注目されている。
【0003】レーダの測定対象に関するデータを定量的
に扱うためには、受信感度や信号識別性能など、その絶
対量の基準を与える「較正」が必要となる。従来の単偏
波レーダにおいては、利用されるデータは水平あるいは
垂直偏波の入射電力に対する反射電力の強度(電力)の
みであったので、入射電力に対する反射電力の量(散乱
断面積)を正確に求めることができ、広い角度範囲にわ
たり大きな反射を示す、3面型コーナリフレクタ(CR)が
用いられてきた。
【0004】ところが、水平及び垂直偏波を送信及び受
信に用いるポーラリメトリックレーダにおいては、送受
信の偏波の組合せに応じてHH/HV/VH/VV(H
VはH偏波送信−V偏波受信の意)チャンネルの偏波デ
ータが得られるので、その異なる偏波チャンネル間の較
正が必要となる。
【0005】偏波チャンネル間の較正の重要な要素の一
つが偏波間の「漏れ込み」であり、これは例えばターゲ
ットがV偏波を反射している時にその一部がレーダにお
けるH偏波の受信成分として現れてしまうもの(受信系
におけるV偏波からH偏波への漏れ込み)である。この
漏れ込みを精度よくる決定するために、HあるいはV偏
波のみを選択的に反射する較正用ターゲットが必要とな
る。
【0006】このような偏波選択性のある較正ターゲッ
トとしては、能動型レーダ反射器を用いる方法が知られ
ており、これは例えば、文献1(A.Freeman Y. Chen, a
nd C.L. Werner, "Polarimetric SAR calibration expe
rimentusing active radar calibrators," IEEE Trans.
Geosci. Remote Sensing, vol.28, pp. 224-240, Mar.
1990.)に記載されている。これは、送受信に偏波選択
性のあるホーンアンテナを用いて、その軸方向の回りに
回転することにより送信及び受信の偏波を選択するもの
である。しかし、この方法では、送受信アンテナの間に
増幅器を用いる必要があるが、その利得が周囲温度等に
より変化し、それが誤差要因となる、という欠点があ
る。さらに、上記の能動型レーダ反射器には、製造コス
ト及び運用のコストが高い、という欠点もある。
【0007】これに対して、受動型の反射器であるCR
は上記のような能動型レーダ反射器の欠点がない。しか
し、電力の較正に一般に用いられる3面CRではH、V
偏波双方を同じ偏波として反射するので、偏波を用いた
較正に用いることができない。
【0008】しかし、CRに偏波選択性を持たせる方法
も提案されており、これは、文献2(M.Fujita and T.
Masuda, "A metal strip grating dihedral for polari
metriccalibration," Radio Science, vol. 30、 pp. 4
23 -428, Mar-Apr. 1995.)に記載されている。これ
は、その反射板をすだれ状の金属反射板で構成し、その
すだれの方向の偏波のみを選択的に反射する、というも
のである。
【0009】上記の文献2では、較正対象のレーダの波
長が5.6cmと比較的大きいため、スタイロフォームに3mm
の銅テープを3mmの間隙をおいて貼り付ける方法を取っ
ている。その場合、文献2にあるように、すだれ方向と
同方向の偏波を効率よく反射し(反射係数0.997)、直
交方向の反射を十分に抑圧する(-25dB以下)するため
には、反射体の幅及び間隙を波長の1/20程度とする必要
があった。従って、この方式を10GHz(波長3cm)程度のレ
ーダに適用するためには、1.5mm幅の金属テープを1.5mm
の間隙ですだれ状に配列する必要があり、低コストの加
工では、実現が難しかった。
【0010】コスト的な問題が無ければ、微細な構造の
反射体を構成する方法として、フォトリソグラフィーを
用いて加工する方法があるが、この方式の難点として
は、エッチング処理にはパターンの作成、化学処理など
に専用の設備が必要となり、少数の加工品をつくる場合
には、高コストにならざるを得なかったことである。
【0011】さらに、文献1、2記載された方法に共通
する問題として、金属片を組合せて何らかの支持材上に
反射パターンを構成することになり、その支持材による
反射を無視できないことである。一般に、この影響は使
用周波数が高くなるほど大きくなる傾向に有る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、従来の偏
波選択性のある較正ターゲットである能動型レーダ反射
器は、周囲温度等により等価的な反射特性が変化して誤
差要因となり、製造コスト及び運用のコストが高いとい
う欠点があった。また、他の偏波選択性のある較正ター
ゲットである偏波選択性を持ったCRでは、10GHz
を超える高周波で充分な性能を実現しようとすると、製
造コストが高くなり、反射特性も悪化する傾向にあっ
た。
【0013】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
水平/垂直(直線)偏波を用いる偏波レーダの較正のた
めに、特定の偏波角度の電波のみを選択的に反射するこ
とができ、かつ、そのレーダ断面積を高精度で決定でき
るもので、しかも低コストの偏波選択性電波反射鏡を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第一の発明は、偏波選択性電波反射鏡に関してお
り、平面状に並べられた平行な複数の直線状の導電体
と、該導電体のそれぞれの両端を支持する絶縁体とから
なる電磁波の反射板を複数含む構成と、その複数の反射
板は、お互いに直交する構成と、その複数の反射板に含
まれる直線状の導電体は、お互いに平行である構成とを
有することを特徴としている。
【0015】また、第2の発明は、低コスト化を図るた
めに、上記した第一の発明に記載の発明の構成に加え
て、少なくとも2つの上記の直線状の導電体は、一連の
金属線を切断して作られたものであり、この直線状の導
電体は、絶縁体で作られた四辺形の枠に固定されている
ことを特徴としている。
【0016】また、第3の発明は、偏波選択性電波反射
鏡の裏側の物体からの影響を軽減するために、上記した
第一の発明に記載の発明の構成に加えて、電波到来方向
から見た裏面に電波吸収材を設けた事を特徴としてい
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。先ずその基本構成につい
て、図1〜図3を用いて説明する。
【0018】図1は、基本となる反射板を示す模式図で
ある。本発明の電波反射鏡では、この反射板をすだれ状
の金属製反射体により構成する。この金属製反射体とし
ては、針金(ワイヤ)を平行に並べたものを用いる。
【0019】例えば、10GHz(波長3cm)程度のレーダで
は、直径(図1のd=)1.5mm程度のワイヤで実現で
き、錆びにくく適当な硬度を持つ材料としてステンレス
を選ぶと、そのワイヤは規格品として入手可能である。
また、材料は、これに限定されるものでなく、さらに導
電率の高い金属を用いることができるのは、明らかであ
る。
【0020】そのワイヤを(図1のg=)1.5mmの間隙
で配置する方法として、電気的性質が空気に近いベーク
ライト(10GHzでの比誘電率が1に近い)材で図1のよ
うな枠を作成し、それに多数のワイヤを固定して反射板
とする。枠を構成する部材の電磁波の到来方向から見た
面積を極力小さくすることで、本来の電波反射体である
ワイヤでない部分からの反射をその面積に応じて小さく
することができることは明らかである。
【0021】図1に示した反射板を、図2に示す様にワ
イヤが水平方向になるように2枚組合せるとH偏波選択
の2面CR(HH偏波)となり、図3に示す様にワイヤ
が垂直方向になるように配置するとV偏波の2面CR
(VV偏波)を構成することができる。
【0022】また、図1に示した反射板の裏面に電波吸
収板を設けることにより、この偏波選択性電波反射鏡を
透過したり、回りこんだ電波による影響を軽減できるこ
とは、容易に理解できる。
【0023】次に、上述の基本構成に沿った偏波選択性
電波反射鏡の実施形態を、具体的に説明する。この偏波
選択性電波反射鏡は、X帯(9.55GHz、 波長3.14 cm)
の航空機搭載ポーラリメトリック映像レーダの偏波較正
のために製作した偏波選択性電波反射鏡である。
【0024】金属反射体としては、直径(図1のd)1.
6 mmのステンレス棒を用い、枠はベークライト材で幅約
1.5cmのものを使用した。さらに、当該レーダの観測
感度等を勘案し、反射鏡のサイズは一枚の反射板が20
cmの正方形(図1のa=b=20cm)とした。この
場合、9.55GHzにおけるレーダ断面積は、16.1 dBm2
ある。
【0025】作成したH偏波選択2面CR及びV偏波選
択2面CRを,それぞれ図4,図5に示す。これらの偏
波選択性電波反射鏡の性能を評価するため、図6に示す
様に、それらを一様で比較的反射の小さい地面である砂
地に配置し、上記のX帯(9.55GHz、 波長3.14 cm)の
航空機搭載ポーラリメトリック映像レーダで観測した。
図6は、この観測における較正用ターゲットの配置を示
す図で、本発明の偏波選択性電波反射鏡はHa、Hb
(水平偏波選択型)及びVa、Vb(垂直偏波選択型)
の符号で表されている。この配置は、図7(a)〜
(c)の丸印の配置に対応している。
【0026】その結果を図7(a)〜(c)に示す。こ
れらの図は、通信総合研究所のX帯映像レーダによる較
正用ターゲットの観測例を示す。図7(a)は、HH偏
波の場合であり、このHH偏波画像ではHa、Hbは輝
点となって現れている(反射がある)が、Va、Vbは
反射が見られない。この図から分かる様に、H選択2面
CRはHHチャンネル画像においてのみ輝点となって現
れていて、反射が大きいことが分かる。一方、以下に述
べる様に、他のチャンネル画像では認識されない。この
様に、HVにおいてもこれが認識できないことから、こ
のレーダの漏れ込みが極めて小さいことが分かる。
【0027】また、図7(b)は、HV偏波の場合であ
る。本発明の偏波選択性電波反射鏡は,水平偏波選択型
/垂直偏波選択型いずれの場合においても,入射偏波と
同じ偏波のみを反射するものである(交差偏波を発生さ
せない)から,このHV偏波画像ではHa、Hb、V
a、Vbのいずれも現れない。また、図には示していな
いが、送信/受信偏波を入れ替えたVH偏波画像におい
ても、これと同じ画像データが得られている。
【0028】また、図7(c)は、VV偏波の場合を示
す。このようにVV偏波画像では、Va、Vbは輝点と
なって現れている(反射がある)が,Ha、Hbは反射
が見られない。
【0029】以上のように、本発明の偏波選択性電波反
射鏡が正しく偏波選択性を持つことが実験的に示されて
おり、充分な効果のあることがわかった。
【0030】この観測データの定量的な解析により、直
交偏波抑圧比については,H偏波選択CRで-40dB(1/10
000),V偏波選択CRで-22dB (1/160)となっているこ
とが分かった。この様に、実用上充分な抑圧比が得られ
ることが明らかになった。
【0031】
【発明の効果】この発明は上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏することができる。
【0032】請求項1に記載の発明では、水平/垂直
(直線)偏波を用いる偏波レーダの較正のために、特定
の偏波角度の電波のみを選択的に反射することができる
低コスト偏波選択性電波反射鏡が可能になった。
【0033】また、請求項2に記載の発明では、特に、
少数の偏波選択性電波反射鏡を製造する場合に、低コス
ト化が図れるようになった。
【0034】さらに、請求項3に記載の発明では、偏波
選択性電波反射鏡の裏側の物体からの影響を軽減するこ
とができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射板の基本構成を示す図である。
【図2】H(水平)偏波選択型ワイヤグリッド2面レー
ダ反射鏡の構成を示す図である。
【図3】V(垂直)偏波選択型ワイヤグリッド2面レー
ダ反射鏡の構成を示す図である。
【図4】作製したH(水平)偏波選択型ワイヤグリッド
偏波選択性電波反射鏡を示す図である。
【図5】作製したV(垂直)偏波選択型ワイヤグリッド
偏波選択性電波反射鏡を示す図である。
【図6】性能評価実験における較正用ターゲットの配置
を示す図である.
【図7】通信総合研究所のX帯映像レーダによる較正用
ターゲットの観測例を示す図で、(a)は、HH偏波の
場合を示す図で、(b)は、HV偏波の場合を示す図
で、(c)は、VV偏波の場合を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状に並べられた平行な複数の直線状
    の導電体と、該導電体のそれぞれの両端を支持する絶縁
    体とからなる電磁波の反射板を2枚含む構成と、その2
    枚の反射板は、お互いに直交する構成と、その2枚の反
    射板に含まれる直線状の導電体は、お互いに平行である
    構成とを有することを特徴とする偏波選択性電波反射
    鏡。
  2. 【請求項2】 少なくとも2つの上記の直線状の導電体
    は、一連の金属線を切断して作られたものであり、この
    直線状の導電体は、絶縁体で作られた四辺形の枠に固定
    されていることを特徴とする請求項1に記載の偏波選択
    性電波反射鏡。
  3. 【請求項3】 電波到来方向から見た裏面に電波吸収材
    を設けた事を特徴とする請求項1に記載の偏波選択性電
    波反射鏡。
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