JP2002169787A - 複数のプロセッサ部を含む半導体装置 - Google Patents

複数のプロセッサ部を含む半導体装置

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JP2002169787A
JP2002169787A JP2000366049A JP2000366049A JP2002169787A JP 2002169787 A JP2002169787 A JP 2002169787A JP 2000366049 A JP2000366049 A JP 2000366049A JP 2000366049 A JP2000366049 A JP 2000366049A JP 2002169787 A JP2002169787 A JP 2002169787A
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Katsumi Murai
克己 村井
Jun Horikawa
じゅん 堀川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冗長度を有し、高い歩留まりでコストの安い
並列マルチプロセッサの半導体装置を提供する。 【構成】本発明の半導体装置は、半導体基板上に並列配
置された複数のプロセッサ部と、少なくとも1個の前記
プロセッサ部と前記プロセッサ部の第1の側に隣接する
他の前記プロセッサ部とを接続する第1のデータ通信経
路と、前記プロセッサ部と、前記プロセッサ部の第2の
側に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続する第2の
データ通信経路とを有する半導体装置であって、前記プ
ロセッサ部は、前記プロセッサ部の無効化制御回路と、
前記無効化制御回路の作動による故障の前記プロセッサ
部の無効化時には、前記第1のデータ通信経路から入力
されたデータを前記第2のデータ通信経路へ出力するバ
イパス回路とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、並列動作を行う複
数のプロセッサ部を含む半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年半導体プロセスの微細化に伴い、並
列動作を行う複数のプロセッサ部を1チップ上に集積し
た半導体装置(LSI(大規模集積回路。Large Scale
Integrated Circuit)に属する。)を実現出来るように
なってきた。種々の要因により、製造された半導体装置
が欠陥を有する場合がある。製造時に、これらの欠陥の
あるチップ(半導体装置)は不良品として選別される。
しかし、巨大な内部回路を有する半導体装置において1
箇所でも欠陥があれば当該半導体装置を使用出来ないと
すれば、当該半導体装置の歩留まりは大幅に低下する。
そこで、大規模集積回路においては、わずかな欠陥があ
った場合には当該欠陥部分を除いて当該半導体装置の残
りの部分を使用出来るようにする、救済手段を設計的に
盛り込むことがある。
【0003】例えば、メモリのLSI(半導体装置)に
おいては、一般に冗長行及び列のセル(完成した半導体
装置においては通常使用されない行及び列のセル)を設
けることが行われる。メモリが欠陥セルを含む場合に
は、当該欠陥セルを含む行及び列にはLSIの内部結線
をせず、代わりに冗長行及び列に内部結線をする。この
ように内部配線を行って欠陥を救済したメモリは、良品
のメモリと同様に欠陥がない正規のメモリエリアを有
し、機能的にも同一である。メモリのセルのレイアウト
は規則的であり且つ小さな回路の多数の繰り返しである
故に、同一形状の冗長セルを行や列単位で設けることに
より非常に高い確率で欠陥のあるメモリを救済すること
が出来る。これによりメモリの製造歩留まりの大幅な向
上が実現出来る。
【0004】1個のマイクロプロセッサは1個のメモリ
のセルに比べてはるかに占有面積が大きく、複数のマイ
クロプロセッサを1個のチップに集積した半導体装置
は、商用的にはほとんど例がなかった。しかし実験レベ
ルでは、それぞれが非常に小容量のメモリのみを有する
多数の微小な単機能プロセッサを1個のチップに集積し
(オンチップマルチプロセッサと言う。)、全体として
冗長構成を有する(完成した半導体装置においては通常
使用されないマイクロプロセッサを設ける。)半導体装
置が作られている(以下、従来例1のオンチップマルチ
プロセッサの半導体装置と言う。)。
【0005】従来例1のオンチップマルチプロセッサの
半導体装置は、チップ上に欠陥を有するプロセッサが含
まれていても、当該欠陥プロセッサに代えて冗長プロセ
ッサを使用することにより、半導体装置としては良品と
して使用できる。これにより、半導体装置の歩留まり向
上とコストダウンが可能になる。
【0006】しかし、従来例1のオンチップマルチプロ
セッサの半導体装置はチップ内の複数のプロセッサ間で
非常に限られた通信しか出来ない構成を有していた故
に、下記のような問題点を有していた。従来例1のオン
チップマルチプロセッサの半導体装置は、既存のシング
ルプロセッサシステムのソフトウエアを使用できず(ソ
フトウエアの継承性がなく)、専用の特殊なソフトウエ
アの開発が必要であった。又、従来例1のオンチップマ
ルチプロセッサの半導体装置は、汎用性がなく、特殊な
演算のみにしか使用できなかった。そのため、このよう
な従来例1のオンチップマルチプロセッサの半導体装置
は、ほとんど実用化に至らなかった。
【0007】多数の(例えば数十個の)汎用性が高い通
常のマイクロプロセッサの半導体装置(各半導体装置は
1個の欠陥のないマイクロプロセッサを有する。)と、
当該多数のマイクロプロセッサの半導体装置の間で共有
するメモリと、更新監視部(バススヌープ)と、を1個
のプリント基板に実装したマルチプロセッサシステム
が、実用化されている(以下、従来例2のマルチプロセ
ッサシステムと言う。)。
【0008】更新監視部(バススヌープ)は、各マイク
ロプロセッサが共有メモリにアクセスする状態を監視し
て共有メモリの整合性を保持する。各マイクロプロセッ
サの半導体装置ごとにローカルメモリ(キャッシュ)が
設けられている。各マイクロプロセッサは、必要に応じ
て共有メモリにアクセスし、通常はローカルメモリを使
用して情報処理を実行する。従来例2のマルチプロセッ
サシステムは、上記の構成を具備することにより、高性
能の並列処理が可能である。
【0009】従来例2のマルチプロセッサシステムにお
いて使用される通常のマイクロプロセッサは単体でもチ
ップ面積が大きい故に、冗長構成の従来例2のマルチプ
ロセッサシステムを1個の半導体装置に集積すること
は、現在の半導体の微細加工技術では困難である。もし
1個の半導体装置に集積することが出来たとしても、コ
ストが極めて高くなり実用的ではない。従来例2のマル
チプロセッサシステムにおいて、各マイクロプロセッサ
がローカルメモリを使用して情報を処理し、又は各マイ
クロプロセッサが共有メモリを使用して情報を処理する
が、このような構成は、基本的に従来の単体のマイクロ
プロセッサのシステムの構成と変わりがない。
【0010】従来例3のマルチプロセッサシステムは、
複数のマイクロプロセッサが相互にメモリを介さずに直
接通信する構成を有する。従来例3のマルチプロセッサ
システムは、単体のマイクロプロセッサのシステムでは
実現できない特有のメリットを有する。従来例3のマル
チプロセッサシステムは、システム全体の基幹のバスラ
インと、隣接するマイクロプロセッサ間を接続するバス
ラインとを有する故に、各プロセッサに接続される線の
数が非常に多くなる。
【0011】それぞれ1個のマイクロプロセッサを有す
る半導体装置を多数個使用して構成された従来例3のマ
ルチプロセッサシステムは、各半導体装置のポート数に
制限がある故に(半導体装置がそのパッケージの構造に
基づいて端子数が制限される場合が多い。)、ポート拡
張用の半導体装置を多数個使用する。又、多数の半導体
装置の端子間を接続する線(バスライン等)がプリント
基板上で占める面積は、一般に非常に大きくなる。従来
例3のマルチプロセッサシステム全体を1個の半導体装
置に集積できれば、ポート拡張用の半導体装置及び多数
の半導体装置の端子間を接続する線が不要になり、バス
ラインの高速化の可能になる故に、システムの小型化、
コストダウン及び高性能化等の効果が得られる。
【0012】従来例3のマルチプロセッサシステムの例
として、一般的なマイクロプロセッサの内部に設けられ
たVLIW構造(Very-Long Instruction Word IBM
社の登録商標)、又はスーパースカラー・プロセッサ
(superscalar processor)等の並列処理アーキテクチ
ャがある。これらの並列処理アーキテクチャ(従来例3
のマルチプロセッサシステム)で公知のものは、冗長構
造を有していない。
【0013】マイクロプロセッサ内部で並列に情報を処
理する各プロセッサ要素(PE(Processor Elemen
t)、プロセッサ部)は、それぞれ多くの非均一な処理
ユニットと不均一なバスで結合されている故に、それぞ
れの処理ユニットについて冗長構成を設けることは困難
である。例えば、Load/Storeユニット、整数演算ユニッ
ト、浮動小数点演算ユニットを組み合わせて、これら処
理ユニットを並列に駆動する構成を有する一般的なスー
パースカラー形式あるいはVLIW形式のマイクロプロ
セッサは、冗長構成を設けようとするとチップ面積の非
常な増大を招く故に、予備の処理ユニットを持っていな
い。
【0014】これらのプロセッサにおいては、各々の非
均一な処理ユニットは外部メモリ等と非常に複雑な構造
のバスで接続されている故に、欠陥箇所の修正を行える
ような冗長構成を設けることは困難である。もし冗長構
成を有する1チップのプロセッサを実現したとしても、
そのようなプロセッサは、単一のプロセッサを1チップ
に設けた従来構造の半導体装置を製造し、そこから良品
を選別して複数個の半導体装置を組み合わせて構築した
従来構造のマルチプロセッサシステムに較べて、メリッ
トは乏しい。
【0015】またプロセッサと並んで非常に大きな構成
要素であり大領域を占有するメモリは、通常プロセッサ
チップ外に配置しなければならない。1チップに複数個
のプロセッサを設け、各メモリに対するインターフェー
スをプロセッサ毎に各々設けて高いバンド巾のマルチプ
ロセッサシステムを構築しようとすれば、半導体装置に
非常に多量の端子を設けなければならないが、それほど
多くの端を設けることは実質的に不可能であった。即
ち、メモリを外に出した場合は(プロセッサの半導体装
置と、メモリの半導体装置とを別個独立の半導体装置に
する。)、半導体装置の端子の数の制約を受ける。半導
体装置に非常に多数のピンを設けるのであれば1チップ
上に多並列プロセッサを集積するメリットがない故に、
良品の個別の半導体装置(1個のプロセッサを1個のチ
ップに搭載している。)を選別して接続すれば良い。
【0016】従来例4のマルチプロセッサシステムは、
チップ内での近傍プロセッサ要素へのメモリを介さない
直接通信を行って、並列処理を実行する。従来例4のマ
ルチプロセッサシステムは、多並列微小均一マルチプロ
セッサを1チップ上に設け、これらのプロセッサを相互
に内部接続することにより、転送バンド巾の増大(出力
段と入力段との間の接続距離が短く、浮遊容量が微小で
ある故に高速通信が可能になる。)及び外部接続端子数
の減少を実現できる。従来例4のマルチプロセッサの半
導体装置は、1チップ上に冗長度を持って(予備の微小
プロセッサを有する。)多数の同一構成の微小プロセッ
サを有する。欠陥プロセッサが発見されれば、当該欠陥
プロセッサを除外し、予備のプロセッサに配線を行うこ
とにより、欠陥プロセッサを代替救済して良品の半導体
装置を完成させる。従来例4のマルチプロセッサの半導
体装置の具体例としては、大きなメモリを必要とせず且
つ繰り返し演算に最適化された並列処理又はシストリッ
クアレイ的な隣接ユニット通信等の特殊用途の特定のア
ルゴリズム専用の半導体装置等がある。
【0017】津田氏(日本電信電話株式会社)の特開平
9−22400「高並列プロセッサの冗長構成方法及び
冗長構成を有する高並列プロセッサ」には、(A)ジャ
ンクション型、(B)直結型、(C)バス結合型と言う
3つの従来例の並列プロセッサが記載されている。
【0018】図12は、特開平9−22400に記載さ
れている従来例の構成図を示す。ただし、各要素には、
新たな符号を付与している。図12の説明をする。引用
文献においては各方式の並列マルチプロセッサをアレー
と呼んでいる。図12において、1202は通常用いら
れるプロセッサ要素(PE)である基本PE、1203
は故障したPE (欠陥PE)、1204は予備(冗
長)PE、1225は基本リンク、1227は予備リン
ク、1226は予備リンクスイッチ(半導体装置の外部
のスイッチ)である。各PE1202(又は1203、
1204)の両端から引き出された予備リンク1227
は、それぞれ2個の外部接続端子(I/Oポート)に接
続されている。予備リンクスイッチ1226の両端は、
2個の当該外部接続端子(I/Oポート)に接続されて
いる。また(C)のバス結合型並列プロセッサは、バス
1228とバス1229とを有する。
【0019】図12(A)のジャンクション型並列プロ
セッサは、基本リンク1225によって直列接続された
基本PE1202(欠陥PE1203を含む。)と予備
PE1204とを有する。基本PE1202及び予備P
E1204のそれぞれの両端は、バイパス用の予備リン
ク1227及び予備リンクスイッチ1226で接続され
ている。基本PE1202に故障がない場合は、全ての
基本PE1202の予備リンクスイッチ1226を開い
て、当該バイパス用予備リンク1227を遮断し、予備
PE1204の予備リンクスイッチ1226を閉じて、
当該バイパス用予備リンク1227を導通させる(予備
PE1204をバイパスさせる)。
【0020】基本PE1202の中に故障したPE12
03が含まれる場合は、正常な基本PE1202の予備
リンクスイッチ1226を開いて、当該バイパス用予備
リンク1227を遮断し、欠陥PE103の予備リンク
スイッチ1226を閉じて、当該バイパス用予備リンク
1227を導通させ(欠陥PE1203をバイパスさ
せ)、予備PE1204の予備リンクスイッチ1226
を開いて、当該バイパス用予備リンク1227を遮断す
る(予備PE1204を動作させる)。以上の設定によ
り、チップ上の基本PE1202又は予備PE1204
の中に1個の欠陥PEが含まれていても、当該チップで
正常な半導体装置を作ることが出来る。上記の設定は、
半導体装置の外部に設けられた外付けスイッチ1226
によって制御される。
【0021】図12(B)に示す直結型並列プロセッサ
は、図12(A)のジャンクション型並列プロセッサを
改良したものである。予備リンク1227は、それぞれ
1個のPEを間に挟む2個のPEを直結する。図12
(B)に示す直結型並列プロセッサは外部接続端子(I
/Oポート)を有するが(予備リンク1227の経路上
に各2個の外部接続端子を有する。)、外付けスイッチ
1226を有していない。基本PE1202に故障がな
い場合は、全ての基本PE1202を挟む予備リンク1
227の2個の外部接続端子(I/Oポート)の間の接
続をカットして当該バイパス用予備リンク1227を遮
断し、予備PE1204を挟む予備リンク1227の2
個の外部接続端子(I/Oポート)の間を接続して当該
バイパス用予備リンク1227を導通させる(予備PE
1204をバイパスさせる)。
【0022】基本PE1202の中に故障したPE12
03が含まれる場合は、正常な基本PE1202を挟む
予備リンク1227の2個の外部接続端子(I/Oポー
ト)の間の接続をカットして当該バイパス用予備リンク
1227を遮断し、欠陥PE1203を挟む予備リンク
1227の2個の外部接続端子(I/Oポート)の間を
接続して当該バイパス用予備リンク1227を導通させ
(欠陥PE1203をバイパスさせ)、予備PE120
4を挟む予備リンク1227の2個の外部接続端子(I
/Oポート)の間の接続をカットして当該バイパス用予
備リンク1227を遮断する(予備PE1204を動作
させる)。
【0023】以上の設定により、チップ上の基本PE1
202又は予備PE1204の中に1個の欠陥PEが含
まれていても、当該チップで正常な半導体装置を作るこ
とが出来る。図12(B)に示す直結型並列プロセッサ
は、外付けスイッチ1226が不要であること、及び基
本リンク1225の欠陥も予備リンクでバイパスするこ
とにより回復出来ること(図12(A)のジャンクショ
ン型並列プロセッサにおいては、基本リンク1225の
欠陥を回復することは出来ない。)という2点のメリッ
トを有する。
【0024】図12(C)のバス結合型並列プロセッサ
においては、予備PE1204は、全ての基本PE12
02と、2つのバス1228及び1229で並列接続さ
れている。各基本PE1202から引き出された2つの
バス1228及び1229上には、それぞれ外部接続端
子(I/Oポート)が設けられている。基本PE120
2に故障がない場合は、全ての基本PE1202から引
き出された2つのバス1228及び1229上の外部接
続端子(I/Oポート)の接続をカットして、当該バイ
パス用予備リンク1227を遮断する。予備PE120
4は使用されない。
【0025】基本PE1202の中に故障したPE12
03が含まれる場合は、正常な基本PE1202から引
き出された2つのバス1228及び1229上の外部接
続端子(I/Oポート)の接続をカットして当該2つの
バス1228及び1229を遮断し、欠陥PE1203
から引き出された外部接続端子(I/Oポート)を2つ
のバス1228及び1229に接続して当該欠陥PE1
204から予備PE1204に至る2つのバス1228
及び1229を導通させる。欠陥PE1203に代え
て、予備PE1204を動作させる。
【0026】図12に図示する3つの従来例において
は、各半導体装置は故障したPEを予備のPEで置き換
えるための外部接続端子を有し、チップ内においては各
PEは限られた経路の通信しか行わない。一般的に図1
2に図示するような並列マルチプロセッサはシストリッ
クアレイのような限定されたアーキテクチャを有してお
り、隣接PE間の通信チャンネルしか持っていない。ノ
イマン型アーキテクチャを有する汎用マイクロプロセッ
サはチューリングマシンであり、どのようなアルゴリズ
ムも実行可能である。しかし、チューリングマシンは、
基本的にはメモリ(又はテープ等)へのアクセスを動作
の基本とする、単一コントローラを有する順序機械であ
る。
【0027】メモリ及びノイマン型アーキテクチャを有
する多並列マルチプロセッサが汎用性を確保するために
は、全てのプロセッサ間にわたる通信チャンネルと、各
々のPEとそれらがアクセスする記憶領域との間の通信
チャンネルとを設ける必要があり、メモリのアクセスに
対して一貫性を保証しなければならない。単純に計算す
れば、プロセッサ数をNとすると、全てのプロセッサ間
を相互に接続するにはN×(N−1)個の通信チャンネ
ルが必要であり、実現は困難である。
【0028】接続の自由度が高い通信チャンネルと低コ
ストの配線領域とは相反する課題である。低コストで高
バンド幅の通信用配線を実現するために、一般には隣接
PE間の通信チャンネルのみを設けている。過去の多く
の1チップ多並列マルチプロセッサではシストリックア
レイのように隣接通信チャンネルを重視したアーキテク
チャを有する。図12(B)の直結型並列プロセッサ及
び(C)のバス型並列プロセッサにおいては、予備リン
クに大きな配線領域を割く故に半導体装置のコストが高
くなり、予備リンクでの配線遅延が問題になる。そのた
め、実際的には図12(A)の直結型並列プロセッサし
か実用的ではない。
【0029】二次元的に均質なシストリックアレイ等の
アーキテクチャにおいては、各PEはレジスタ等の小容
量のメモリのみしか有していない故に、チューリングマ
シンのような万能性や柔軟性を持つアルゴリズムを実行
できない。一般のマイクロプロセッサが原理的に全ての
アルゴリズムに対応できるためにはメモリが重要な働き
(チューリングマシンのテープに相当する働き)をして
いる。単にデータを一方的に流すシストリックアレイ等
の構造の並列マルチプロセッサにおいては、プロセッサ
内部に非常に小さい容量のメモリ(チューリングマシン
では短いテープ)しか有さない故に、実行可能なアルゴ
リズムは限定されている。
【0030】並列処理を行う並列マルチプロセッサにお
いては、演算対象とするプログラムがどの程度並列性を
含んでいるかによってアルゴリズムを変更しなければな
らない。しかし、データ間に依存性があるような処理
(1個のPEによる逐次処理しかできず、並列処理が出
来ない処理(プログラム))は一般的には数多く存在す
る。従来例の冗長構成の並列マルチプロセッサは、チュ
ーリングマシンで実行可能な処理の一部分(順次繰り返
し演算処理可能なプログラム)を複数のプロセッサに並
列展開して実行しており、実使用上はこのような処理を
多く含むアプリケーションの専用マシンであった。即
ち、従来例の冗長構成の並列マルチプロセッサでは、効
率良く実行できるプログラムと、効率良く実行できない
プログラムとがある。
【0031】PEのメモリ容量を増大させたとしても、
任意のPEが同一のメモリ内容にアクセス出来るような
通信チャンネルの実現は困難である。従って、メモリと
ネットワーク経路の構成の汎用性に限界がある。従っ
て、並列マルチプロセッサのアーキテクチャに適合する
アプリケーションを実行すれば、並列演算によって当該
アプリケーションの実行処理速度は速くなるが、並列マ
ルチプロセッサのアーキテクチャに適合しないアプリケ
ーションを実行すれば(多くのアプリケーションが適合
しない。)、アプリケーションの実行処理速度は速くな
らない。
【0032】冗長構成を有し欠陥プロセッサを救済可能
な従来の並列マルチプロセッサは、あらゆるアルゴリズ
ムに適用可能であって大容量メモリ使用を前提とした一
般的な汎用プロセッサの代わりに使用することは出来な
かった。一般的な汎用プロセッサとして使用可能な並列
マルチプロセッサを実現する上では、単に個々のPEの
救済のみならず、各PE間の通信経路及び共有メモリ構
造を考慮した冗長構成が必要である。マルチプロセッサ
システムの相互通信網が不均一であり、マルチプロセッ
サシステムのメモリ管理方式が均一でない故に、汎用プ
ロセッサとして使用可能な並列マルチプロセッサの実現
は困難であった。
【0033】例えば各プロセッサに小容量のメモリのみ
を搭載し、バンド幅や経路の限られた通信路を設けた、
メッセージパッシング等の通信方式による並列マルチプ
ロセッサは、アーキテクチャの柔軟性に欠ける故、汎用
アプリケーションをそのまま実行出来ない。従って、こ
のような並列マルチプロセッサを作っても、専用のソフ
トウエアを開発しなければならなかった。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】近年半導体技術の進歩
により、過去には困難であった1チップに複数の汎用プ
ロセッサを集積することが、技術的には次第に可能とな
りつつある。CMOSプロセッサと汎用プロセッサに不
可欠な大容量メモリ(DRAM)とを同一のチップに搭
載することはそれぞれのプロセスの相違により困難であ
ったが、メモリ混載プロセッサのプロセスの進歩により
可能になってきた。このような半導体技術の進歩より、
1チップ化された多並列のメモリ混載マルチプロセッサ
も将来的に実用化されると考えられる。
【0035】しかし冗長性を有する汎用並列プロセッサ
を構成しようとすれば、第1に欠陥プロセッサがあれば
配線コストを下げるために最小限の代替通信路で、大面
積である汎用プロセッサの非均質でかつ複雑な通信デー
タの流れを通さなければならない。第2に汎用マルチプ
ロセッサでは必要不可欠な大容量のメモリに対する各プ
ロセッサの高速アクセスと、共有データに複数のプロセ
ッサが互いに衝突することなくアクセス出来ることを保
証しなければならない。このような条件を満足すること
によって、汎用プロセッサの利点である容易なプログラ
ミング性、広範囲のアプリケーションの高速実行、及び
対象となるプログラムの並列性の効率的な抽出等を全て
実現できる。
【0036】この条件を満たしつつ、欠陥を有する不良
プロセッサを冗長プロセッサによって低コスト(小面
積)で置き換え、製造収率(歩留まり)を大幅に上げる
ことができれば1チップマルチプロセッサを実現する価
値がある。またメモリを1チップ上に混載するのであれ
ば、メモリを複数領域に分割して、行又は列単位で特定
された欠陥メモリセルを予備メモリセルで救済すること
により、高い歩留まりの半導体装置を実現出来る。
【0037】本発明は従来のこのような問題点を解決す
るもので、冗長度を有し、高い歩留まりでコストの安い
並列マルチプロセッサの半導体装置を提供することを目
的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の手段に
より上記の課題を解決する。本発明の請求項1に記載の
発明は、半導体基板上に並列配置された複数のプロセッ
サ部と、少なくとも1個の前記プロセッサ部と、前記プ
ロセッサ部の第1の側に隣接する他の前記プロセッサ部
とを接続する第1のデータ通信経路と、前記プロセッサ
部と、前記プロセッサ部の第2の側に隣接する他の前記
プロセッサ部とを接続する第2のデータ通信経路と、を
有する半導体装置であって、前記プロセッサ部は、前記
プロセッサ部の無効化制御回路と、前記無効化制御回路
の作動による故障の前記プロセッサ部の無効化時には、
前記第1のデータ通信経路から入力されたデータを前記
第2のデータ通信経路へ出力するバイパス回路と、前記
第2のデータ通信経路から入力されたデータを前記第1
のデータ通信経路へ出力するバイパス回路と、を有する
ことを特徴とする半導体装置である。
【0039】本発明の請求項7に記載の発明は、半導体
基板上に並列配置された複数のプロセッサ部と、少なく
とも1個の前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第1
の側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続
し、前記プロセッサ部の第1の側の1番目に隣接する他
の前記プロセッサ部が出力するデータを伝送する第1の
データ通信経路と、前記プロセッサ部と前記プロセッサ
部の第1の側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部
とを接続し、前記プロセッサ部の第1の側の2番目に隣
接する他の前記プロセッサ部が出力するデータを伝送す
る第2のデータ通信経路と、前記プロセッサ部と前記プ
ロセッサ部の第2の側の1番目に隣接する他の前記プロ
セッサ部とを接続し、前記プロセッサ部が出力するデー
タを前記プロセッサ部の第2の側の1番目に隣接する他
の前記プロセッサ部に伝送する第3のデータ通信経路
と、前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第2の側の
1番目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前
記プロセッサ部の第1の側の1番目に隣接する他の前記
プロセッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部の第
2の側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝送
する第4のデータ通信経路と、前記プロセッサ部と前記
プロセッサ部の第2の側の1番目に隣接する他の前記プ
ロセッサ部とを接続し、前記プロセッサ部の第2の側の
1番目に隣接する他の前記プロセッサ部が出力するデー
タを前記プロセッサ部に伝送する第5のデータ通信経路
と、前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第2の側の
1番目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前
記プロセッサ部の第2の側の2番目に隣接する他の前記
プロセッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部に伝
送する第6のデータ通信経路と、前記プロセッサ部と前
記プロセッサ部の第1の側の1番目に隣接する他の前記
プロセッサ部とを接続し、前記プロセッサ部が出力する
データを前記プロセッサ部の第1の側の1番目に隣接す
る他の前記プロセッサ部に伝送する第7のデータ通信経
路と、前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第1の側
の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、
前記プロセッサ部の第2の側の1番目に隣接する他の前
記プロセッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部の
第1の側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝
送する第8のデータ通信経路と、を有する半導体装置で
あって、前記プロセッサ部は、前記プロセッサ部の無効
化制御回路と、バイパス回路と、を有し、前記無効化制
御回路を作動させなければ、前記第1のデータ通信経路
を通じて伝送されたデータを、前記プロセッサ部で処理
し又は前記第4のデータ通信経路を更に通じて前記プロ
セッサ部の第2の側の1番目に隣接する他の前記プロセ
ッサ部に伝送し、前記第2のデータ通信経路を通じて伝
送されたデータを前記プロセッサ部で処理し、前記プロ
セッサ部が出力したデータを前記第3のデータ通信経路
を通じて前記プロセッサ部の第2の側の1番目に隣接す
る他の前記プロセッサ部に伝送し、前記第5のデータ通
信経路を通じて伝送されたデータを、前記プロセッサ部
で処理し又は前記第8のデータ通信経路を更に通じて前
記プロセッサ部の第1の側の1番目に隣接する他の前記
プロセッサ部に伝送し、前記第6のデータ通信経路を通
じて伝送されたデータを前記プロセッサ部で処理し、前
記プロセッサ部が出力したデータを前記第7のデータ通
信経路を通じて前記プロセッサ部の第1の側の1番目に
隣接する他の前記プロセッサ部に伝送し、前記無効化制
御回路の作動による故障の前記プロセッサ部の無効化時
には、前記バイパス回路により、前記第1のデータ通信
経路から入力されたデータを前記第3のデータ通信経路
へ出力し、前記第2のデータ通信経路から入力されたデ
ータを前記第4のデータ通信経路へ出力し、前記第5の
データ通信経路から入力されたデータを前記第7のデー
タ通信経路へ出力し、前記第6のデータ通信経路から入
力されたデータを前記第8のデータ通信経路へ出力す
る、ことを特徴とする半導体装置である。
【0040】本発明の半導体装置においては、半導体チ
ェッカーによって特定のプロセッサ部が故障である(欠
陥である)ことを発見した場合は、当該故障(欠陥)の
プロセッサ部への入力データ通信経路と、当該故障のプ
ロセッサ部からの出力データ通信経路とを接続すること
によって、当該故障のプロセッサ部をバイパスさせ、且
つ当該故障のプロセッサ部の左右のプロセッサ部を接続
する。本発明の半導体装置は、従来の冗長度を有する並
列マルチプロセッサ部の半導体装置のように予備のデー
タ通信路を持たない故にチップの使用面積効率が高く、
且つ簡単な内部回路で故障時の結線切換を実行している
のでバイパス用の外部端子(外部端子の増加は、半導体
装置のコストを上昇させる。)が不要である。本発明
は、冗長度を有し、高い歩留まりでコストの安い並列マ
ルチプロセッサの半導体装置を実現出来るという作用を
有する。
【0041】「プロセッサ部」とは、データの任意の処
理を実行する装置をいう。データの処理とは、例えば加
算、減算、乗算、除算、データシフト、データローテー
ション、ビットセット、ビットリセット、データ比較、
ビットチェック、メモリからのデータロード、メモリへ
のデータストア、外部又は他のプロセッサ部からのデー
タ入力、外部又は他のプロセッサ部へのデータ出力等で
ある。実施例においては、プロセッサ要素(PE)と呼
ぶ。例えば「第1の側」が左で「第2の側」が右であ
り、又は例えば「第1の側」が右上で「第2の側」が右
下である。請求項の記載において、第1のデータ通信経
路と第7のデータ通信経路とは別個のデータ通信経路で
あっても良く、双方向通信が可能な1個のデータ通信経
路であっても良い。同様に請求項の記載において、第3
のデータ通信経路と第5のデータ通信経路とは別個のデ
ータ通信経路であっても良く、双方向通信が可能な1個
のデータ通信経路であっても良い。
【0042】本発明の請求項2に記載の発明は、半導体
基板上に並列配置された複数のプロセッサ部と、少なく
とも1個の前記プロセッサ部と、前記プロセッサ部の第
1の側に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続する第
1のデータ通信経路と、前記プロセッサ部と、前記プロ
セッサ部の第2の側に隣接する他の前記プロセッサ部と
を接続する第2のデータ通信経路と、を有する半導体装
置であって、前記プロセッサ部は、前記プロセッサ部の
無効化制御回路と、前記第1のデータ通信経路から入力
されたデータを入力する第1の入力端子及び前記第2の
データ通信経路へ出力するデータを入力する第2の入力
端子を有し、前記無効化制御回路を作動させなければ、
前記第1の入力端子又は前記第2の入力端子に入力され
た入力信号を選択的に出力し、前記無効化制御回路の作
動による故障の前記プロセッサ部の無効化時には、前記
第1の入力端子に入力された入力信号を前記第2の入力
端子に出力する第1のスイッチ部と、前記第2のデータ
通信経路から入力されたデータを入力する第3の入力端
子及び前記第1のデータ通信経路へ出力するデータを入
力する第4の入力端子を有し、前記無効化制御回路を作
動させなければ、前記第3の入力端子又は前記第4の入
力端子に入力された入力信号を選択的に出力し、前記無
効化制御回路の作動による故障の前記プロセッサ部の無
効化時には、前記第3の入力端子に入力された入力信号
を前記第4の入力端子に出力する第2のスイッチ部と、
前記無効化制御回路を作動させなければ、前記第2のデ
ータ通信経路へデータを出力し又は前記第1のデータ通
信経路に出力し、前記無効化制御回路の作動による故障
の前記プロセッサ部の無効化時には、無出力状態になる
出力部と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載
の半導体装置である。
【0043】本発明の半導体装置においては、半導体チ
ェッカーによって特定のプロセッサ部が故障であること
を発見した場合は、当該故障のプロセッサ部の出力部を
無出力状態にし、且つスイッチ部の第1の入力端子と第
2の入力端子とを接続する。これにより、当該故障のプ
ロセッサ部へデータを入力するデータ通信経路と、当該
故障のプロセッサ部からデータを出力するデータ通信経
路とを接続することによって、当該故障のプロセッサ部
をバイパスさせ、且つ当該故障のプロセッサ部の左右の
プロセッサ部を接続する。本発明は、冗長度を有し、高
い歩留まりでコストの安い並列マルチプロセッサの半導
体装置を実現出来るという作用を有する。「無出力状
態」とは、他のデータと競合する信号を出力しない状態
を意味する。典型的には、ハイインピーダンス状態にな
る。
【0044】本発明の請求項3に記載の発明は、複数の
プロセッサ部と、複数のメモリと、前記プロセッサ部と
前記メモリとを選択的に接続し、又は前記プロセッサ部
と他の前記プロセッサ部とを選択的に接続するクロスバ
ー配線路と、少なくとも1個の使用しない前記プロセッ
サ部又は前記メモリを記憶する欠陥情報記憶部と、前記
欠陥情報記憶部に記憶された前記プロセッサ部又は前記
メモリ以外の前記プロセッサ部又は前記メモリのみを相
互に接続するように前記クロスバー配線路を制御する割
付管理部と、を有することを特徴とする半導体装置であ
る。
【0045】本発明の並列マルチプロセッサは、クロス
バー配線路を制御することによって、1個のプロセッサ
部が任意のメモリセルにアクセス出来るようにし、複数
のプロセッサ部が同一のメモリにアクセスするときにデ
ータ衝突が起きることを防止し、且つ欠陥プロセッサ部
に接続しないで代わりに予備プロセッサ部に接続するこ
とにより、欠陥プロセッサ部を有するチップを使用して
良品の半導体装置を作ることが出来る。本発明は、汎用
性が高く、冗長度を有し、高い歩留まりでコストの安い
並列マルチプロセッサの半導体装置を実現出来るという
作用を有する。
【0046】「クロスバー配線路」とは、割付管理部の
制御信号に従って、複数の線の中から任意に選択された
線と、当該複数の線又は他の複数の線の中から任意に選
択された線とを接続する装置を意味する。
【0047】本発明の請求項4に記載の発明は、前記プ
ロセッサ部が、前記無効化制御回路を作動させなけれ
ば、前記第1のデータ通信経路から入力されたデータあ
るいは前記第2のデータ通信経路から入力されたデータ
をラッチし、前記無効化制御回路の作動による故障の前
記プロセッサ部の無効化時には、前記第1のデータ通信
経路から入力されたデータあるいは前記第2のデータ通
信経路から入力されたデータをトランスペアレントに通
して出力するラッチ部を更に有することを特徴とする請
求項1又は請求項2に記載の半導体装置である。
【0048】本発明は、通常の動作時にはタイミングエ
ラーの発生を防止して、故障のプロセッサ部があれば、
当該故障のプロセッサ部をトランスペアレントにバイパ
スさせ且つ当該故障のプロセッサ部の左右のプロセッサ
部を接続する。本発明は、冗長度を有し、信頼性の高い
並列マルチプロセッサの半導体装置を実現出来るという
作用を有する。「トランスペアレントに通し」とは、ク
ロック信号によりラッチすることなく入力信号をそのま
ま通して出力することを意味する。
【0049】本発明の請求項5に記載の発明は、前記プ
ロセッサ部が、前記無効化制御回路を作動させなけれ
ば、前記第1のデータ通信経路から入力されたデータあ
るいは前記第2のデータ通信経路から入力されたデータ
をラッチし、前記無効化制御回路の作動による故障の前
記プロセッサ部の無効化時には、前記第1のデータ通信
経路から入力されたデータをトランスペアレントに通し
て出力するデータ先入れ先出し型の多段ラッチ部をそれ
ぞれのデータ通信経路に対応して更に有することを特徴
とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置であ
る。
【0050】本発明の請求項6に記載の発明は、前記プ
ロセッサ部が先入れ先出し型の多段ラッチ部を更に有
し、前記先入れ先出し型の多段ラッチ部が、前記無効化
制御回路を作動させなければ、前記第1のデータ通信経
路から入力されたデータあるいは前記第2のデータ通信
経路から入力されたデータをラッチし、前記無効化制御
回路の作動による故障の前記プロセッサ部の無効化時に
は、前記先入れ先出し型の多段ラッチ部の途中からそれ
ぞれのデータ通信経路にデータを出力することを特徴と
する請求項1又は請求項2に記載の半導体装置である。
【0051】請求項5及び請求項6に記載の本発明は、
通常の動作時にはタイミングエラーの発生を防止し且つ
それぞれのプロセッサ部のデータ処理の進捗の相違、出
力側のタイミングと入力側のタイミングのずれ等を吸収
し、故障のプロセッサ部があれば、当該故障のプロセッ
サ部をバイパスさせ且つ当該故障のプロセッサ部の左右
のプロセッサ部を接続する。本発明は、冗長度を有し、
信頼性の高い並列マルチプロセッサの半導体装置を実現
出来るという作用を有する。
【0052】本発明の請求項8に記載の発明は、複数の
プロセッサ部と、複数のメモリと、少なくとも1個の前
記プロセッサ部と任意の前記メモリとを選択的に接続
し、又は少なくとも1個の前記プロセッサ部と任意の他
の前記プロセッサ部とを選択的に接続することが出来る
第1のクロスバー配線路と、少なくとも1個の前記プロ
セッサ部と限定された範囲内の任意の前記メモリとを選
択的に接続し、又は少なくとも1個の前記プロセッサ部
と限定された範囲内の任意の他の前記プロセッサ部とを
選択的に接続することが出来る第2のクロスバー配線路
と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0053】本発明の請求項9に記載の発明は、少なく
とも1個の使用しない前記プロセッサ部又は前記メモリ
を記憶する欠陥情報記憶部と、前記欠陥情報記憶部に記
憶された前記プロセッサ部又は前記メモリ以外の前記プ
ロセッサ部又は前記メモリのみを相互に接続するように
前記第1のクロスバー配線路又は前記第2のクロスバー
配線路を制御する割付管理部と、を有することを特徴と
する請求項8に記載の半導体装置である。
【0054】クロスバー配線路は、組合せの数が増える
と回路規模が膨大になる。本発明の並列マルチプロセッ
サは、自由度の高い回路規模の大きなクロスバー配線路
と、限定的な回路規模の小さなクロスバー配線路とを有
する。クロスバー配線路を制御することによって、複数
のプロセッサ部が同一のメモリにアクセスするときにデ
ータ衝突が発生することを防止し、且つ欠陥プロセッサ
部に接続しないで代わりに予備プロセッサ部に接続する
ことにより、欠陥プロセッサ部を有するチップを使用し
て良品の半導体装置を作ることが出来る。本発明は、安
いコストと実用性とをバランス良く両立させた、冗長度
を有する並列マルチプロセッサの半導体装置を実現出来
るという作用を有する。
【0055】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1から請求項9のいずれかの請求項に記載された半導
体装置と同一の構成を有する2個のマルチプロセッサ部
と、前記2個のマルチプロセッサ部の同一の端子が互い
に点対称に配置された入出力用パッド又はピンと、を有
することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか
の請求項に記載の半導体装置である。
【0056】本発明は、パッケージ後の半導体装置の種
類を2種類から1種類に統一して低価格の半導体装置を
実現出来るという作用を有する。「マルチプロセッサ
部」とは、並列マルチプロセッサを意味する。
【0057】本発明の請求項11に記載の発明は、少な
くとも2個のOS実行用プロセッサ部を含む複数のプロ
セッサ部と、複数のメモリと、少なくとも1個の前記プ
ロセッサ部と任意の前記メモリ又は限定された範囲内の
任意の前記メモリとを選択的に接続し、且つ少なくとも
1個の前記プロセッサ部と限定された範囲内の任意の他
の前記プロセッサ部とを選択的に接続することが出来る
クロスバー配線路と、少なくとも1個の使用しない前記
プロセッサ部又は前記メモリを記憶する欠陥情報記憶部
と、OSを実行するプロセッサ部を指定し、且つ前記欠
陥情報記憶部に記憶された前記プロセッサ部又は前記メ
モリ以外の前記プロセッサ部又は前記メモリのみを相互
に接続するように前記クロスバー配線路を制御する割付
管理部と、を有することを特徴とする半導体装置であ
る。
【0058】本発明によれば、OS実行用プロセッサ部
が故障していても、他のOS実行用プロセッサ部を使用
してOSをブートできる。本発明は、冗長度を有し、高
い歩留まりでコストの安い並列マルチプロセッサの半導
体装置を実現出来るという作用を有する。「OS」と
は、オペレーティング・システムを意味する。
【0059】本発明の請求項12に記載の発明は、前記
プロセッサ部がアドレスレジスタを有し、前記割付管理
部が、前記アドレスレジスタにアドレスを書き込み、且
つ書き込んだアドレスに従ってデータを出力し又は入力
することを特徴とする請求項3、請求項8、請求項9又
は請求項11に記載の半導体装置である。
【0060】本発明は、故障のプロセッサ部がどこに位
置していても、ユーザが故障のプロセッサ部を意識する
ことなく、正常なプロセッサ部を連続するアドレス空間
に再配置して使用することが出来る並列マルチプロセッ
サの半導体装置を実現出来るという作用を有する。
【0061】本発明の半導体装置を、故障のプロセッサ
部があれば予備のプロセッサ部を使用し、故障のプロセ
ッサ部がなければ予備のプロセッサ部を使用することな
く、単一の種類の製品として完成させても良く、又は動
作するプロセッサ部の数に応じた多種類の製品として完
成させても良い。
【0062】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施をするための最
良の形態を具体的に示した実施例について図面とともに
記載する。 《実施例1》図1は、本発明の実施例1の冗長度を有す
る並列マルチプロセッサの半導体装置の構成を図示す
る。以下本発明の実施例1を図1を参照しながら説明す
る。図1において、半導体基板1は、複数のプロセッサ
要素(PE)2及び102(PE102は欠陥プロセッ
サ)、PE2と同数のメモリ8、メモリ108、シーケ
ンサ10、及び入出力用パッド12(配線の記載を省略
している。)を有する。
【0063】半導体基板1は、予備のPE2及び予備の
PE2に対応するメモリ8を含む。予備のPE2及びそ
れに対応するメモリ8は、通常のPE2及びそれに対応
するメモリ8と同一の構成を有する。各PE2と、それ
ぞれに対応付けられた各メモリ8とは、アドレスバス及
び制御バス7とデータバス9とで接続されている。1個
のシーケンサ10は、チップ内の全PE2を制御バス1
1を介して制御している。
【0064】各PE2は、SIMD(Single Instructi
on/Multiple Data)形式の制御を採用している。各PE
2は、2個のスイッチ回路3、演算機能ユニット4、ヒ
ューズ5、レジスタ6を有する。欠陥PE102も同様
の回路を有するが、説明上の便宜の目的で、2個のスイ
ッチ回路の符号を103、ヒューズの符号を105とす
る。
【0065】[レジスタの説明]レジスタ6は、演算機
能ユニット4の出力信号等を入力する。レジスタ6は2
個の出力端子を有する(それぞれの出力端子はバス構成
を有し、1個の出力端子は実際には例えば8ビット(8
個)の出力端子を含む。)。1個の出力端子(図1のレ
ジスタ6の右側の出力端子)から出力されたデータは、
スイッチ回路3の1個の入力端子に入力されるととも
に、ローカルデータバスを経由して左に隣接するPE2
に送付される。他の1個の出力端子(図1のレジスタ6
の左側の出力端子)から出力されたデータは、スイッチ
回路3の他の1個の入力端子に入力されるとともに、ロ
ーカルデータバスを経由して右に隣接するPE2に送付
される。
【0066】[スイッチ回路の説明]プロセッサ無効化
制御回路がLow論理を出力している場合(PE2が正
常である場合)には、1個のスイッチ回路3(図1の左
側のスイッチ回路3)は、当該PE2(スイッチ回路3
が属するPE)のレジスタ6の出力端子から出力される
データと、左の隣接PE2からローカルデータバスを経
由して当該PE2(スイッチ回路3が属するPE)に送
付されるデータとの中のいずれかのデータを選択して、
演算機能ユニット4に送付する(いずれか1個の入力端
子と出力端子とが導通する。)。
【0067】同様に、プロセッサ無効化制御回路がLo
w論理を出力している場合(PE2が正常である場合)
には、他の1個のスイッチ回路3(図1の右側のスイッ
チ回路3)は、当該PE2(スイッチ回路3が属するP
E)のレジスタ6の出力端子から出力されるデータと、
右の隣接PE2からローカルデータバスを経由して当該
PE2(スイッチ回路3が属するPE)に送付されるデ
ータとの中のいずれかのデータを選択して、演算機能ユ
ニット4に送付する。各PE2は隣接する左右のPE2
とローカルデータバスで接続されている。
【0068】[演算機能ユニットの説明]演算機能ユニ
ット4は、左の隣接PE2からローカルデータバスを経
由して送付されたデータ、当該PE2(演算機能ユニッ
ト4が属するPE)に含まれるレジスタ6の出力データ
(メモリ8から読み出したデータも含む。)、又は右の
隣接PE2からローカルデータバスを経由して送付され
たデータを選択して入力し、論理演算を実行する。演算
機能ユニット4の論理演算の結果は、レジスタ6を経由
して、メモリ8に書き込まれ、演算機能ユニット4に再
び入力され、ローカルバスを経由して右のPE2に送付
され、又はローカルバスを経由して左のPE2に送付さ
れる。
【0069】[シーケンサの説明]シーケンサ10は、
メモリ108に記憶したSIMD制御のプログラムを、
アドレス及びメモリ制御バス107とデータバス109
とを通じて入力し、入力したプログラムを実行する。
【0070】[故障時の説明]図1に基づいて実施例1
の並列マルチプロセッサの動作を説明する。並列マルチ
プロセッサチップを製造後、LSIテスタによって各P
E2が正常か欠陥かを調べる。検査の結果、PE102
が内部配線の断線等故に動作不良であることが分かった
とする。この時LSIテスターにより故障が発見された
欠陥PE102に含まれるヒューズ105を切断する。
抵抗を通じて電源ラインに接続されたプロセッサ無効化
制御回路(Highアクティブ)は、通常ヒューズ5
(又は105)によって接地されてLow論理を出力す
るが、ヒューズ105が切断されることによってHig
h論理になる。プロセッサ無効化制御回路は、スイッチ
回路103及びレジスタ6を制御する。
【0071】プロセッサ無効化制御回路がHigh論理
を出力すると、欠陥PE102のレジスタ6の2組の出
力端子は全てハイインピーダンス状態(無出力状態)に
なり、欠陥PE102のスイッチ回路103は、2個の
入力端子を共に出力端子と導通させる(それぞれのスイ
ッチ回路103の2個の入力端子と1個の出力端子が全
て相互に導通した状態になる。)。
【0072】1個のスイッチ回路103(図1の左側の
スイッチ回路103)は、PE102のレジスタ6の1
個の出力端子(ハイインピーダンス状態である。PE1
02から右の隣接PE2にデータを送付するローカルデ
ータバスにも接続されている。)と、左の隣接PE2か
らPE102にデータを送付するローカルデータバス
と、演算機能ユニット4とを相互に接続する。その結
果、左の隣接PE2からPE102にデータを送付する
ローカルデータバスと、PE102から右の隣接PE2
にデータを送付するローカルデータバスとが接続される
故に、左の隣接PE2から右のPE2に、欠陥PE10
2を素通りして(バイパスして)、データが送付され
る。
【0073】同様に、他の1個のスイッチ回路103
(図1の右側のスイッチ回路103)は、PE102の
レジスタ6の1個の出力端子(ハイインピーダンス状態
である。PE102から左の隣接PE2にデータを送付
するローカルデータバスにも接続されている。)と、右
の隣接PE2からPE102にデータを送付するローカ
ルデータバスと、演算機能ユニット4とを相互に接続す
る。その結果、右の隣接PE2からPE102にデータ
を送付するローカルデータバスと、PE102から左の
隣接PE2にデータを送付するローカルデータバスとが
接続される故に、右の隣接PE2から左のPE2に、欠
陥PE102を素通りして(バイパスして)、データが
送付される。
【0074】演算機能ユニット4が実行命令(プログラ
ム)を実行した結果である出力信号は出力されない(P
E102のレジスタ6の2個の出力端子はハイインピー
ダンス状態である。)。上記の様にして、欠陥PE10
2は使用されず、且つ欠陥PE102の左右の2個のP
E2は、当該欠陥PE102を素通りして(バイパスし
て)相互にデータを送付することが出来る。
【0075】例えば、欠陥PE102がなければ、図1
で左から2番目のPE2は、左から1番目、3番目のP
E2とデータを通信する。もし左から3番目のPE10
2が欠陥であれば、上記の様に欠陥PE102がデータ
をバイパスすることにより、図1で左から2番目のPE
2は、左から1番目、3番目のPE2とデータを通信す
る。
【0076】予備PE2のヒューズ5を導通状態にし
て、予備PE2を動作させる。又、他の正常なPE2の
ヒューズ5を導通状態にして、正常なPE2を動作させ
る。上記の構成によって、チップ上に1個の欠陥PE1
02を含んでいても、予備PE2を使用することによ
り、当該チップを使用する半導体装置は正常に動作す
る。欠陥PE102の存在により、欠陥PE102以降
の各PE2の順番が1つずつずれるが、シーケンサ10
が順番変更を考慮して、各PE2を制御する。
【0077】チップが欠陥PE102を含まない場合に
は、予備PE2のヒューズ5を遮断し、予備PEを使用
しない。他の全てのPE2のヒューズ5を導通状態にし
て、これらの正常なPE2を動作させる。当該チップを
使用する半導体装置は正常に動作する。
【0078】シーケンサ10は、メモリ108に蓄えら
れたプログラムによって制御される。シーケンサ10か
らの制御信号は、各PE2の入力バッファを経由して、
各プロセッサに送付される(図示していない。)。当該
入力バッファには、プロセッサ無効化制御回路の出力信
号がAND論理(PE無効化時は制御信号が無効にな
る。)で入力されている(図示していない。)。それ故
に、ヒューズ5を遮断した欠陥PE102においては、
内部の各機能ブロックへの制御信号は無効化され、欠陥
PE102がメモリ8にデータを書き込むこともない。
【0079】《実施例2》図2及び図3は、本発明の実
施例2の冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体
装置の構成を図示する。以下本発明の実施例2を図2及
び図3を参照しながら説明する。図2において、半導体
基板は、複数のプロセッサ要素(PE)2及び202
(PE202は欠陥プロセッサ)、PE2と同数のメモ
リ8、及び入出力用パッド12(図示していない。)を
有する。半導体基板1は、予備のPE及び予備のPEに
対応するメモリ8を含む。予備のPE2及びそれに対応
するメモリ8は、通常のPE2及びそれに対応するメモ
リ8と同一の構成を有する。各PE2と、それぞれに対
応付けられた各メモリ8とは、アドレスバス及び制御バ
ス(READ/WRITE制御等)7とデータバス9と
で接続されている。
【0080】各PE2は、図1と異なり、SIMD形式
の制御ではなく通常のマルチプロセッサ構成となってい
る。各PE2は、2個のスイッチ回路3、演算機能ユニ
ット4、ヒューズ5、レジスタ6、ロード/ストア・ユ
ニット13、メモリ・インターフェース14、セレクタ
15、及びシーケンサ10を有する。欠陥PE202も
同様の回路を有するが、説明上の便宜の目的で、2個の
スイッチ回路の符号を203、ヒューズの符号を205
とする。図2において2個のスイッチ回路3(又は20
3)及びヒューズ5(又は205)は、ブロックで表示
しており、その詳細を図3に示す。図3において、スイ
ッチ回路及びヒューズのブロックの接続線の符号(22
1〜228)は、図2のスイッチ回路及びヒューズのブ
ロックの接続線の符号と同一の符号を付している。従っ
て、図2及び図3を参照することにより各記接続線の両
側の接続先を理解できる。
【0081】[レジスタの説明]図2において、レジス
タ6は演算機能ユニット4の出力信号等を入力する。レ
ジスタ6は2個の出力信号を出力し、当該2個の出力信
号はセレクタ15に入力される。セレクタ15は、2個
の出力端子を有する(それぞれの出力端子はバス構成を
有し、1個の出力端子は実際には例えば8ビット(8
個)の出力端子を含む。)。1個の出力端子(図2のセ
レクタ15の右側の出力端子)から出力されたデータ
は、スイッチ回路3の1個の入力端子に入力されるとと
もに、ローカルデータバスを経由して左のPE2に送付
される。他の1個の出力端子(図2のセレクタ15の左
側の出力端子)から出力されたデータは、スイッチ回路
3の他の1個の入力端子に入力されるとともに、ローカ
ルデータバスを経由して右のPE2に送付される。
【0082】[スイッチ回路の説明]図3において、プ
ロセッサ無効化制御回路5がLow論理を出力している
場合(PE2が正常である場合)には、1個のスイッチ
回路3(図3の左側のスイッチ回路3)は、当該PE2
(スイッチ回路3が属するPE)のセレクタ15の出力
端子から出力されるデータと、左の隣接PE2からロー
カルデータバスを経由して当該PE2(スイッチ回路3
が属するPE)に送付されるデータとの中のいずれかの
データを選択して、演算機能ユニット4に送付する(い
ずれか1個の入力端子のみと出力端子とが導通す
る。)。
【0083】同様に、プロセッサ無効化制御回路5がL
ow論理を出力している場合(PE2が正常である場
合)には、他の1個のスイッチ回路3(図3の右側のス
イッチ回路3)は、当該PE2(スイッチ回路3が属す
るPE)のセレクタ15の出力端子から出力されるデー
タと、右の隣接PE2からローカルデータバスを経由し
て当該PE2(スイッチ回路3が属するPE)に送付さ
れるデータとの中のいずれかのデータを選択して、演算
機能ユニット4に送付する。各PE2は隣接する左右の
PE2とローカルデータバスで直列に接続されている。
【0084】[演算機能ユニットの説明]演算機能ユニ
ット4は、左の隣接PE2からローカルデータバスを経
由して送付されたデータ、当該PE2(演算機能ユニッ
ト4が属するPE)に含まれるレジスタ6の出力データ
(メモリ8から読み出したデータも含む。)、又は右の
隣接PE2からローカルデータバスを経由して送付され
たデータを選択して入力し、論理演算を実行する。演算
機能ユニット4の論理演算の結果は、レジスタ6を経由
して、メモリ8に書き込まれ、演算機能ユニット4に再
び入力され、ローカルバスを経由して右のPE2に送付
され、又はローカルバスを経由して左の隣接PE2に送
付される。
【0085】[シーケンサの説明]図1とは異なり各P
E2(又は202)がそれぞれ別個のシーケンサ210
を有し、各プロセッサ内の全機能要素を制御している。
実施例2においては、シーケンサ210は相互に独立し
ている。各プロセッサの実行命令(プログラム)は各プ
ロセッサに対応するメモリ8に記憶されている。シーケ
ンサ210は、アドレスバス及び制御バス7、データバ
ス9、並びにメモリ・インターフェース14を通じてメ
モリ8に記憶されたプログラムを読み込み、読み込んだ
プログラムに従って各々のプロセッサ要素内の機能を制
御する。
【0086】[メモリ・インターフェースの説明]メモ
リ・インターフェース14は、アドレスバス及び制御バ
ス7並びにデータバス9を通じてメモリ8にデータを書
き込み、メモリ8から実行命令(プログラム)及びデー
タを読み出す。
【0087】[ロード/ストア・ユニットの説明]ロー
ド/ストア・ユニット13は、アドレスバス及び制御バ
ス7、データバス9、並びにメモリ・インターフェース
14を通じて、メモリ8からデータのロード又はメモリ
へのデータのストアを実行する。ロード/ストア・ユニ
ット13は、メモリ8からロードしたデータをレジスタ
6に伝送し、レジスタ6から送付されたデータをメモリ
8にストアする。ロード/ストア・ユニット13がメモ
リ8から読み出したデータの一部は高速化のためレジス
タに書き込まず、直接セレクタ15に入力する(Immedi
ate線)。ロード/ストア・ユニット13は、セレクタ
15にトライステート制御信号を送付する。
【0088】[故障時の説明]図2及び図3に基づいて
実施例2の並列マルチプロセッサの動作を説明する。並
列マルチプロセッサチップを製造後、LSIテスタによ
って各PE2が正常か欠陥かを調べる。検査の結果、P
E202が内部配線の断線故に動作不良であることが分
かったとする。この時LSIテスターにより故障が発見
された欠陥PE202に含まれるヒューズ205を切断
する。抵抗を通じて電源ラインに接続されたプロセッサ
無効化制御回路(Highアクティブ)は、通常ヒュー
ズ5(又は205)によって接地されてLow論理を出
力するが、ヒューズ205が切断されることによってH
igh論理になる。プロセッサ無効化制御回路は、スイ
ッチ回路203及びセレクタ15を制御する。
【0089】プロセッサ無効化制御回路がHigh論理
を出力すると、欠陥PE102のセレクタ15の2組の
出力端子は全てハイインピーダンス状態(無出力状態)
になる(配線を図示していない。)。スイッチ回路3は
伝送ゲートで構成されており、シーケンサ210が出力
するスイッチ回路3の切り替え制御信号と、プロセッサ
無効化制御回路の出力信号とのOR論理(論理和)信号
が、スイッチ回路3の制御端子に入力されている。プロ
セッサ無効化制御回路がHigh論理を出力する場合
は、スイッチ回路3の2個の入力端子は両方とも出力端
子と導通する。通常はシーケンサ210が出力するスイ
ッチ回路3の切り替え制御信号によって、スイッチ回路
3は、2個の入力端子を互いに排他的に出力端子に接続
するように切り替え制御されているが、プロセッサ無効
化制御回路がHigh論理を出力する場合(欠陥PE2
02)は、スイッチ回路203の2個の入力端子が共に
出力端子に接続される。
【0090】1個のスイッチ回路203(図3の左側の
スイッチ回路203)は、当該PE202(スイッチ回
路203が属するPE)のセレクタ15の1個の出力端
子(ハイインピーダンス状態である。PE202から右
の隣接PE2にデータを送付するローカルデータバスに
も接続されている。)と、左の隣接PE2からPE20
2にデータを送付するローカルデータバスと、演算機能
ユニット4とを相互に接続する。その結果、左の隣接P
E2からPE202にデータを送付するローカルデータ
バスと、PE202から右の隣接PE2にデータを送付
するローカルデータバスとが接続される故に、左の隣接
PE2から右のPE2に、欠陥PE202を素通りして
(バイパスして)、データが送付される。
【0091】同様に、他の1個のスイッチ回路203
(図3の右側のスイッチ回路203)は、PE202の
レジスタ6の1個の出力端子(ハイインピーダンス状態
である。PE202から左の隣接PE2にデータを送付
するローカルデータバスにも接続されている。)と、右
の隣接PE2からPE202にデータを送付するローカ
ルデータバスと、演算機能ユニット4とを相互に接続す
る。その結果、右の隣接PE2からPE202にデータ
を送付するローカルデータバスと、PE202から左の
隣接PE2にデータを送付するローカルデータバスとが
接続される故に、右の隣接PE2から左のPE2に、欠
陥PE202を素通りして(バイパスして)、データが
送付される。
【0092】演算機能ユニット4が実行命令(プログラ
ム)を実行した結果である出力信号は出力されない(レ
ジスタ6の出力端子はハイインピーダンス状態であ
る。)。上記の様にして、欠陥PE202は使用され
ず、且つ欠陥PEの左右の2個のPE2は、当該欠陥P
E202を素通りして(バイパスして)相互にデータを
送付することが出来る。
【0093】予備PE2のヒューズ5を導通状態にし
て、予備PE2を動作させる。又、他の正常なPE2の
ヒューズ5を導通状態にして、正常なPE2を動作させ
る。上記の構成によって、チップ上に1個の欠陥PE2
02を含んでいても、予備PE2を使用することによ
り、当該チップを使用する半導体装置は正常に動作す
る。欠陥PE2の存在により、欠陥PE以降の各PE2
の絶対番地を1つずつ変更する必要があるが、各PE2
の絶対番地の変更は、ソフトウエアにより行う。
【0094】チップが欠陥PE202を含まない場合に
は、予備PE2のヒューズ5を遮断し、予備PEを使用
しない。他の全てのPE2のヒューズ5を導通状態にし
て、これらの正常なPE2を動作させる。当該チップを
使用する半導体装置は正常に動作する。
【0095】実施例2の各PE2は、通常のマルチプロ
セッサ構成であったが、他の実施例においては、図1の
実施例と同様に各PEはSIMD型のマイクロプロセッ
サである。
【0096】《実施例3》図4は、本発明の実施例3の
冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装置の構
成を図示する。以下本発明の実施例3を図4を参照しな
がら説明する。図4において、半導体基板は、複数のプ
ロセッサ要素(PE)2及び302(PE302は欠陥
プロセッサ)、PE2と同数のメモリ8、入出力用パッ
ド12、制御用メモリ16、及びクロスバー回路網17
を有する。半導体基板1は、予備のPE及び予備のPE
に対応するメモリ8を含む。予備のPE2及びそれに対
応するメモリ8は、通常のPE2及びそれに対応するメ
モリ8と同一の構成を有する。
【0097】各PE2とクロスバー回路網17とは、ア
ドレスバス及び制御バス(READ/WRITE制御
等)307とデータバス309とで接続されている。ク
ロスバー回路網17と各メモリ8とは、アドレスバス及
び制御バス(READ/WRITE制御等)7とデータ
バス9とで接続されている。クロスバー回路網17は、
任意のPE2(アドレスバス及び制御バス307とデー
タバス309)と、任意のメモリ8(アドレスバス及び
制御バス7とデータバス9)とを接続する。
【0098】[動作の説明]図4をもとにして動作を説
明する。各メモリ8は、固有の上位メモリアドレス(各
メモリの容量以上のアドレスであって、複数のメモリ8
を相互に識別するためのアドレス)を割り付けられてい
るが、各PEに固定的に割り付けられて使用される訳で
はなく、制御用メモリ16に記憶されるデータに基づい
てハードウェア的に(クロスバー回路網17によって任
意に接続を変更して)再マッピングされる。
【0099】また各PE2自体及び各PE2の内部のレ
ジスタ等も固有の下位アドレス及び固有の上位アドレス
(複数のPE2を相互に識別するためのアドレス)を有
するが、同様に制御用メモリ16に記憶されるデータに
基づいて再マッピングされる。制御用メモリ16は、故
障のPE(欠陥PE)302のアドレスを記憶し、欠陥
PE302以外の正常なPE2及び予備のPE2の各ア
ドレスバス及び制御バス307並びにデータバス309
と、各メモリ8のアドレスバス及び制御バス7並びにデ
ータバス9とを矛盾なく再配置して接続する。
【0100】再マッピングは、具体的には下記の方法に
よる。各PEは、上位アドレス比較器(排他ゲートであ
って、アドレス信号が、そのPEを指定しているか否か
を判断する。)と、その一方の入力端子に接続されたレ
ジスタを有する。再割付後の各PEの上位アドレス(制
御用メモリ16の出力信号であって、欠陥PE302以
外の正常なPE2及び予備のPE2を連続するアドレス
空間に再配置したアドレス)を当該レジスタにロードす
る。
【0101】各PE固有の上位アドレス比較器(排他ゲ
ート)の一方の入力端子にアドレス信号の上位アドレス
を入力することによって、上位アドレス比較器は、再配
置したアドレスと一致するアドレス信号を入力すると、
当該アドレス信号がそのPEを指定すると認識する。こ
のようにして、欠陥PEを除外して、正常なPE2及び
予備PE2を連続するアドレス空間に再割り付けするこ
とが出来る。アドレスバス及び制御バス307上を、再
割付後の各PEのアドレスが伝送される。
【0102】チップが欠陥PE302を含まない場合
は、予備PEを除外して、正常なPE2を連続するアド
レス空間に割り付ける。予備PEに最後尾のアドレスを
割り振っている場合は、デフォルトの(既定の)アドレ
ス割り付けにより、各PE2は連続するアドレス空間に
割り付けられている。上記の様にして、当該チップを含
む半導体装置は正常に動作する。クロスバー回路網17
は、欠陥PE302の除外又は故障メモリの除外のため
の再マッピングをすることのみを目的とするものではな
い。クロスバー回路網17は、複数のPE2が同一のメ
モリ8を同時に使用する場合の制御、1個のPE2が任
意のメモリ8にアクセスさせる制御等のメモリ管理に有
効である。
【0103】一般にソフトウェア(特にOS)では論理
アドレスを使用し、論理アドレスと物理アドレスの変換
テーブルを有する。変換テーブル上では、欠陥PE又は
欠陥メモリには論理アドレスを割り付けない。これを利
用して、ソフトウエアでアドレスの再配置を行うことも
出来る。OSの初期化時に、制御用メモリ16は欠陥P
E又は欠陥メモリのアドレス情報をOSに送付する。O
Sは、欠陥PE又は欠陥メモリの物理的アドレスを除外
して、物理的アドレスと論理アドレスとの変換テーブル
を生成する。このようにして、アドレスの再配置が実行
される。
【0104】《実施例4》図5は、本発明の実施例4の
冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装置の構
成を図示する。以下本発明の実施例4を図5を参照しな
がら説明する。実施例4の並列マルチプロセッサは、実
施例1の並列マルチプロセッサと類似する構成を有する
が、実施例4の各PE2は、SIMD形式の制御ではな
く通常のマルチプロセッサ構成となっている。各PE2
のプログラムは、各PE2に対応するメモリ8からそれ
ぞれ別個に読み込まれる。又、実施例4の各PE2は、
左右のPE2からデータを入力するローカルバスの入力
部にラッチ回路18を有する。それ以外の部分について
は、実施例4の並列マルチプロセッサは、実施例1の並
列マルチプロセッサと同一である。
【0105】図5において、半導体基板1は、複数のプ
ロセッサ要素(PE)2及び402(PE402は欠陥
プロセッサ)、PE2と同数のメモリ8、及び入出力用
パッド12(配線は記載を省略している。)を有する。
半導体基板1は、予備のPE2及び予備のPE2に対応
するメモリ8を含む。予備のPE2及びそれに対応する
メモリ8は、通常のPE2及びそれに対応するメモリ8
と同一の構成を有する。各PE2と、それぞれに対応付
けられた各メモリ8とは、アドレスバス及び制御バス7
とデータバス9とで接続されている。
【0106】各PE2は、2個のスイッチ回路3、演算
機能ユニット4、ヒューズ5、レジスタ6、ラッチ回路
18を有する。欠陥PE402も同様の回路を有する
が、説明上の便宜の目的で、スイッチ回路の符号を40
3、ヒューズの符号を405、ラッチ回路を418とす
る。
【0107】各PE2間でローカルバスを通じてデータ
通信を行う時に、データの入力タイミングが予測したタ
イミングとずれる場合がある。ラッチ回路18は、隣接
するPE間のデータ通信のタイミング誤差を吸収する。
ラッチ回路18はトランスペアレントラッチである。即
ち、ラッチ回路18はDタイプのフリップフロップ等の
エッジトリガー型の構成ではなく、制御信号(クロッ
ク)がHigh論理であれば入力データをそのまま透過
して出力し(トランスペアレントに出力し)、Low論
理に遷移した時点のデータを保持する構成を有する。従
って、制御信号(クロック)がHigh論理のまま保持
されると、ラッチ回路18はラッチ動作を行わない。
【0108】[動作の説明]並列マルチプロセッサチッ
プを製造後、LSIテスタによって各PE2が正常か欠
陥かを調べる。検査の結果、PE402が内部配線の断
線等故に動作不良であることが分かったとする。この時
LSIテスターにより故障が発見された欠陥PE402
に含まれるヒューズ405を切断する。抵抗を通じて電
源ラインに接続されたプロセッサ無効化制御回路(Hi
ghアクティブ)は、通常ヒューズ5(又は405)に
よって接地されてLow論理を出力するが、ヒューズ4
05が切断されることによってHigh論理になる。プ
ロセッサ無効化制御回路は、実施例1と同様にスイッチ
回路403及びレジスタ6を制御する他、ラッチ回路4
18を制御する。
【0109】プロセッサ無効化制御回路のスイッチ回路
403及びレジスタ6に対する制御は、実施例1と同様
である故に、説明を省略する。ラッチ回路18(又は4
18)のクロック入力端子には、通常のクロック信号と
プロセッサ無効化制御回路の出力信号とのOR論理(論
理和)信号が入力されている。プロセッサ無効化制御回
路がHigh論理を出力する場合は、ラッチ回路418
のクロック入力端子の入力信号はHigh論理に保持さ
れる故に、ローカルバスを通じて隣接PEから欠陥PE
402に伝送されたデータはトランスペアレントに入力
される。
【0110】実施例1において説明した様に、欠陥PE
402のヒューズ405を切断することによって、右側
の隣接PE2から欠陥PE402に伝送されたデータ
は、そのまま欠陥PE402の左側の隣接PE2に伝送
される。左側の隣接PE2から欠陥PE402に伝送さ
れたデータは、そのまま欠陥PE402の右側の隣接P
E2に伝送される。欠陥PE402の左右のPE2間の
データ通信時に、欠陥PE402のラッチ回路418が
データをラッチすると、ローカルバス上で余分なラッチ
が発生する故に、欠陥PE402の左右のPE2のラッ
チ回路18がラッチミスする可能性がある。実施例4に
おいては、欠陥PE402のラッチ回路418がトラン
スペアレント動作をすることによって、欠陥PE402
の左右のPE2間のデータ通信のラッチミスを防ぐこと
が出来る。
【0111】故障のない正常なPE2及び予備のPE2
についてはヒューズ5は導通状態にして(プロセッサ無
効化制御回路がLow論理を出力する。)、正常なPE
2及び予備のPE2を動作させる。プロセッサ無効化制
御回路がLow論理を出力する場合は、ラッチ回路18
は、クロック信号をクロック入力端子に入力し、隣接P
E2との通信時に各クロックサイクル毎にデータをラッ
チしてタイミングエラーを吸収する。
【0112】上記の構成によって、チップ上に1個の欠
陥PE402を含んでいても、予備PE2を使用するこ
とにより、当該チップを使用する半導体装置は正常に動
作する。欠陥PE402の存在により、欠陥PE以降の
各PE2の絶対番地を1つずつ変更する必要があるが、
各PE2の絶対番地の変更は、ソフトウエアにより行
う。
【0113】チップが欠陥PE402を含まない場合に
は、予備PE2のヒューズ5を遮断し、予備PEを使用
しない。他の全てのPE2のヒューズ5を導通状態にし
て、これらの正常なPE2を動作させる。当該チップを
使用する半導体装置は正常に動作する。
【0114】《実施例5》図6は、本発明の実施例5の
冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装置の構
成を図示する。以下本発明の実施例5を図6を参照しな
がら説明する。実施例5の並列マルチプロセッサは、実
施例4の並列マルチプロセッサと類似する構成を有す
る。実施例4の各PE2はラッチ回路18を有していた
が、実施例5の各PEは、左右のPE2からデータを入
力するローカルバスの入力部に8段の多段ラッチ回路
(8段のレジスタ)19を有する。それ以外の部分につ
いては、実施例5の並列マルチプロセッサは、実施例4
の並列マルチプロセッサと同一である。
【0115】図6において、半導体基板1は、複数のプ
ロセッサ要素(PE)2及び502(PE502は欠陥
プロセッサ)、PE2と同数のメモリ8、及び入出力用
パッド12(配線は記載を省略している。)を有する。
半導体基板1は、予備のPE2及び予備のPE2に対応
するメモリ8を含む。予備のPE2及びそれに対応する
メモリ8は、通常のPE2及びそれに対応するメモリ8
と同一の構成を有する。各PE2と、それぞれに対応付
けられた各メモリ8とは、アドレスバス及び制御バス7
とデータバス9とで接続されている。
【0116】各PE2は、2個のスイッチ回路3、演算
機能ユニット4、ヒューズ5、レジスタ6、8段の多段
ラッチ回路19を有する。欠陥PE502も同様の回路
を有するが、説明上の便宜の目的で、スイッチ回路の符
号を503、ヒューズの符号を505、8段の多段ラッ
チ回路を519とする。
【0117】各PE2間でローカルバスを通じてデータ
通信を行う時に、データの入力タイミングが予測したタ
イミングとずれる場合がある。ラッチ回路19は、隣接
するPE間のデータ通信のタイミング誤差を吸収する。
8段の多段ラッチ回路19はトランスペアレント型であ
る。レーシングが起こらないように2相クロック信号
を、多段ラッチ回路19の各ステージに、一段置きに
(隣接するステージのクロック信号のタイミングが重な
らないように)与える。8段の多段ラッチ回路19は、
8段の先入れ先出しレジスタ回路(FIFOFirst In F
irst Out)を構成している。
【0118】実施例4と同様に、多段ラッチ回路19
は、制御信号(クロック)がHigh論理であれば入力
データをそのまま透過して出力し(トランスペアレント
に出力し)、Low論理に遷移した時点のデータを保持
する構成を有する。従って、制御信号(クロック)がH
igh論理のまま保持されると、多段ラッチ回路19は
ラッチ動作を行わない。
【0119】[動作の説明]並列マルチプロセッサチッ
プを製造後、LSIテスタによって各PE2が正常か欠
陥かを調べる。検査の結果、PE502が内部配線の断
線故に動作不良であることが分かったとする。この時L
SIテスターにより故障が発見された欠陥PE502に
含まれるヒューズ505を切断する。抵抗を通じて電源
ラインに接続されたプロセッサ無効化制御回路(Hig
hアクティブ)は、通常ヒューズ5(又は505)によ
って接地されてLow論理を出力するが、ヒューズ50
5が切断されることによってHigh論理になる。プロ
セッサ無効化制御回路は、実施例1と同様にスイッチ回
路503及びレジスタ6を制御する他、多段ラッチ回路
519を制御する。
【0120】プロセッサ無効化制御回路のスイッチ回路
503及びレジスタ6に対する制御は、実施例4と同様
である故に、説明を省略する。多段ラッチ回路19(又
は519)のクロック入力端子には、通常のクロック信
号とプロセッサ無効化制御回路の出力信号とのOR論理
(論理和)信号が入力されている。プロセッサ無効化制
御回路がHigh論理を出力する場合は、多段ラッチ回
路519のクロック入力端子の入力信号はHigh論理
に保持される故に、ローカルバスを通じて隣接PEから
欠陥PE502に伝送されたデータはトランスペアレン
トに入力されてそのまま出力される。
【0121】一般的にラッチ回路やバスでは遅延が発生
する。クロック信号の周波数が高い場合には、1クロッ
クのタイミング内でデータを多段ラッチ回路の入力端子
から出力端子までトランスペアレントに伝送することは
困難である。多段ラッチ回路19は、ラッチの一部をパ
イプライン制御する(多段ラッチの途中でデータを取り
出せる様にする。)。実施例5においては4段目のラッ
チでデータを取り出し、多段ラッチ回路19の出力端子
から出力する。これにより、多段ラッチ回路19内部で
の信号の伝送遅延を無視できる程度に小さくする。パイ
プラインの位置(途中でのデータの取り出し口)は、遅
延がバランスするように設ける。FIFOは、データ処
理系の処理時間の変動を吸収するために設けられている
故に、パイプラインを追加しても性能への影響はほとん
どない。
【0122】実施例1において説明した様に、欠陥PE
502のヒューズ505を切断することによって、右側
の隣接PE2から欠陥PE502に伝送されたデータ
は、そのまま欠陥PE502の左側の隣接PE2に伝送
される。左側の隣接PE2から欠陥PE502に伝送さ
れたデータは、そのまま欠陥PE502の右側の隣接P
E2に伝送される。実施例5においては、欠陥PE50
2の多段ラッチ回路519がトランスペアレント動作を
することによって、欠陥PE502の左右のPE2間の
データ通信のラッチミスを防ぐことが出来る。
【0123】正常なPE2及び予備のPE2については
ヒューズ5は導通状態にして(プロセッサ無効化制御回
路がLow論理を出力する。)、正常なPE2及び予備
のPE2を動作させる。プロセッサ無効化制御回路がL
ow論理を出力する場合は、多段ラッチ回路19は、ク
ロック信号をクロック入力端子に入力し、隣接PE2と
の通信時に各クロックサイクル毎にデータをラッチして
タイミングエラー及びデータ処理系の処理時間の変動を
吸収する。
【0124】上記の構成によって、チップ上に1個の欠
陥PE502を含んでいても、予備PE2を使用するこ
とにより、当該チップを使用する半導体装置は正常に動
作する。欠陥PE502の存在により、欠陥PE以降の
各PE2の絶対番地を1つずつ変更する必要があるが、
各PE2の絶対番地の変更は、ソフトウエアにより行
う。
【0125】チップが欠陥PE502を含まない場合に
は、予備PE2のヒューズ5を遮断し、予備PE2を使
用しない。他の全てのPE2のヒューズ5を導通状態に
して、これらの正常なPE2を動作させる。当該チップ
を使用する半導体装置は正常に動作する。
【0126】《実施例6》図7は、本発明の実施例6の
冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装置の構
成を図示する。以下本発明の実施例6を図7を参照しな
がら説明する。図7において、半導体基板1は、複数の
プロセッサ要素(PE)2及び602(PE602は欠
陥プロセッサ)、PE2と同数のメモリ8、及び入出力
用パッド12(配線は記載を省略している。)を有す
る。半導体基板1は、予備のPE2及び予備のPE2に
対応するメモリ8を含む。予備のPE2及びそれに対応
するメモリ8は、通常のPE2及びそれに対応するメモ
リ8と同一の構成を有する。
【0127】各PE2と、それぞれに対応付けられた各
メモリ8とは、アドレスバス及び制御バス7とデータバ
ス9とで接続されている。実施例6の並列マルチプロセ
ッサは、実施例1〜5の並列マルチプロセッサと異な
り、各PE2は左右それぞれの2個の隣接するPE2
(左右それぞれの1個目の隣接するPE2及び2個目の
隣接するPE2)との間でデータの送信及び受信をす
る。
【0128】各PE2は、2個のスイッチ回路3、演算
機能ユニット4、ヒューズ5、レジスタ6、4個のラッ
チ回路18A、18B、18C、18D、2個のスイッ
チ回路20、2個のスイッチ回路21を有する。欠陥P
E602も同様の回路を有するが、説明上の便宜の目的
で、スイッチ回路を603(スイッチ回路3と同一)、
ヒューズの符号を605、ラッチ回路を618A、61
8B、618C、618D、スイッチ回路を621(ス
イッチ回路21と同一)とする。
【0129】スイッチ回路603、演算機能ユニット
4、ヒューズ5、レジスタ6の機能・動作は、実施例1
の同符号の同一のユニットと同一である。2個のスイッ
チ回路20は、演算の必要に応じて1個目の隣接PE2
から伝送されたデータと2個目の隣接PE2から送付さ
れたデータとの中のいずれか一方のデータを選択してス
イッチ回路3(又は603)に伝送する。スイッチ回路
3(又は603)、演算機能ユニット4、レジスタ6の
構成、機能、動作は実施例1と同様なので、説明を省略
する。一方のスイッチ回路21は、通常は、左の隣接P
E2から伝送されたデータを入力しトランスペアレント
に出力して右の隣接PE2に伝送する。他方のスイッチ
回路21は、通常は、右の隣接PE2から伝送されたデ
ータを入力しトランスペアレントに出力して左の隣接P
E2に伝送する。
【0130】4個のラッチ回路18A、18B、18
C、18Dは、実施例4のラッチ回路18と同一の構成
を有するトランスペアレントラッチである。通常の動作
時には、隣接するPE2間のデータ通信のタイミング誤
差を吸収し、欠陥PE602においては、入力したデー
タをトランスペアレントに出力する。2個のラッチ回路
18A、18Bは、左の隣接PE2と当該PE(ラッチ
回路18A、18Bが属するPE)とを接続する2個の
ローカルバスに接続されている。1個目のラッチ回路1
8Aは左の隣接PE2自身が出力したデータを入力し、
2個目のラッチ回路18Bは、左の隣接PE2のスイッ
チ回路21の出力データ(左の2個目の隣接PE2が出
力したデータである。)を入力する。ラッチ回路18A
に接続されたローカルデータバスは、請求項7の記載の
第5のデータ通信経路に相当し、ラッチ回路18Bに接
続されたローカルデータバスは、請求項7の記載の第6
のデータ通信経路に相当する。
【0131】同様に、2個のラッチ回路18C、18D
は、右の隣接PE2と当該PE(ラッチ回路18C、1
8Dが属するPE)とを接続する2個のローカルバスに
接続されている。3個目のラッチ回路18Cは右の隣接
PE自身が出力したデータを入力し、4個目のラッチ回
路18Dは右の隣接PEのスイッチ回路21の出力デー
タ(右の2個目の隣接PEが出力したデータである。)
をそれぞれ入力する。ラッチ回路18Cに接続されたロ
ーカルデータバスは、請求項7の記載の第1のデータ通
信経路に相当し、ラッチ回路18Dに接続されたローカ
ルデータバスは、請求項7の記載の第2のデータ通信経
路に相当する。4個のラッチ回路18A、18B、18
C、18Dは、基本的に、実施例4のラッチ回路18と
同様の機能を有する。
【0132】[動作の説明]並列マルチプロセッサチッ
プを製造後、LSIテスタによって各PE2が正常か欠
陥かを調べる。検査の結果、PE602が内部配線の断
線故に動作不良であることが分かったとする。この時L
SIテスターにより故障が発見された欠陥PE602に
含まれるヒューズ605を切断する。抵抗を通じて電源
ラインに接続されたプロセッサ無効化制御回路(Hig
hアクティブ)は、通常ヒューズ5(又は605)によ
って接地されてLow論理を出力するが、ヒューズ60
5が切断されることによってHigh論理になる。プロ
セッサ無効化制御回路は、実施例4と同様にスイッチ回
路603、レジスタ6及びラッチ回路618A、618
B、618C、618Dを制御する他、スイッチ回路2
1(又は621)を制御する。
【0133】プロセッサ無効化制御回路のスイッチ回路
603、レジスタ6及びラッチ回路618A、618
B、618C、618Dに対する制御は、実施例4(ス
イッチ回路403、レジスタ6及びラッチ回路418)
と同様である故に、説明を省略する。プロセッサ無効化
制御回路がLow論理を出力する場合は、上述の様に、
スイッチ回路21の一方は、右の隣接PE2から伝送さ
れたデータを入力しトランスペアレントに出力して、ロ
ーカルデータバス(請求項7の記載の第4のデータ通信
経路に相当する。)を通じて左の隣接PE2に伝送す
る。。同様に、他のスイッチ回路21は、左の隣接PE
2から伝送されたデータを入力しトランスペアレントに
出力して、ローカルデータバス(請求項7の記載の第8
のデータ通信経路に相当する。)を通じて右の隣接PE
2に伝送する。レジスタ6が出力したデータは、ローカ
ルデータバス(請求項7の記載の第3のデータ通信経路
に相当する。)を通じて左の隣接PE2に伝送され、又
はローカルデータバス(請求項7の記載の第7のデータ
通信経路に相当する。)を通じて右の隣接PE2に伝送
される。
【0134】プロセッサ無効化制御回路がHigh論理
を出力する場合は、欠陥PE602のスイッチ回路62
1の一方は、ラッチ回路618Bの入力データ(欠陥P
E602の左の隣接PE2のスイッチ回路21の出力デ
ータ(左の2個目の隣接PE2が出力したデータであ
る。)を入力して、トランスペアレントに出力する。同
様に、スイッチ回路621の他方は、ラッチ回路618
Dの入力データ(欠陥PE602の右の隣接PE2のス
イッチ回路21の出力データ(右の2個目の隣接PE2
が出力したデータである。)を入力して、トランスペア
レントに出力する。
【0135】欠陥PE602のヒューズ605を切断す
ることによって、欠陥PE602の右側の隣接PE2か
ら欠陥PE602に伝送されたデータ(ラッチ回路61
8Cの入力データ)は、スイッチ回路603を経由して
そのまま欠陥PE602の左側の隣接PE2に伝送され
る。欠陥PE602の左側の隣接PE2から欠陥PE6
02に伝送されたデータ(ラッチ回路618Aの入力デ
ータ)は、他のスイッチ回路603を経由してそのまま
欠陥PE602の右側の隣接PE2に伝送される。
【0136】同様に、欠陥PE602のヒューズ605
を切断することによって、欠陥PE602の右側の2番
目の隣接PE2から欠陥PE602に伝送されたデータ
(ラッチ回路618Dの入力データ)は、スイッチ回路
621を経由してそのまま欠陥PE602の左側の隣接
PE2に伝送される。欠陥PE602の左側の2番目の
隣接PE2から欠陥PE602に伝送されたデータ(ラ
ッチ回路618Bの入力データ)は、他のスイッチ回路
621を経由してそのまま欠陥PE602の右側の隣接
PE2に伝送される。上記の様にして、欠陥PE602
の左右各2個の隣接PE2は、欠陥PE602をバイパ
スしてデータを伝送する。
【0137】例えば、欠陥PE602がなければ、図7
で左から3番目のPE2は、左から1番目、2番目、4
番目、5番目のPE2とデータを通信する。もし左から
4番目のPE602が欠陥であれば、上記の様に欠陥P
E602がデータをバイパスすることにより、図7で左
から3番目のPE2は、左から1番目、2番目、5番
目、6番目のPE2とデータを通信する。
【0138】故障のない正常なPE2及び予備のPE2
についてはヒューズ5は導通状態にして(プロセッサ無
効化制御回路がLow論理を出力する。)、正常なPE
2及び予備のPE2を動作させる。上記の構成によっ
て、チップ上に1個の欠陥PE602を含んでいても、
予備PE2を使用することにより、当該チップを使用す
る半導体装置は正常に動作する。欠陥PE602の存在
により、欠陥PE602以降の各PE2の絶対番地を1
つずつ変更する必要があるが、各PE2の絶対番地の変
更は、ソフトウエアにより行う。
【0139】チップが欠陥PE602を含まない場合に
は、予備PE2のヒューズ5を遮断し、予備PE2を使
用しない。他の全てのPE2のヒューズ5を導通状態に
して、これらの正常なPE2を動作させる。当該チップ
を使用する半導体装置は正常に動作する。ラッチ回路1
8を多段ラッチ回路(FIFO)、又はパイプライン構
成を有する多段ラッチ回路に置き換えることも出来る。
【0140】《実施例7》図8は、本発明の実施例7の
冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装置の構
成を図示する。以下本発明の実施例7を図8を参照しな
がら説明する。図8において、半導体基板1は、複数の
プロセッサ要素(PE)2及び702(PE702は欠
陥プロセッサ)、複数のメモリ8、及び入出力用パッド
12(配線は記載を省略している。)、クロスバー配線
路17、クロスバー配線路22、複数のメモリ23を有
する。半導体基板1は、予備のPE2及び予備のPE2
に対応するメモリ8を含む。予備のPE2及びそれに対
応するメモリ8は、通常のPE2及びそれに対応するメ
モリ8と同一の構成を有する。
【0141】各PE2とクロスバー配線路17とは、ア
ドレスバス及び制御バス737とデータバス739とで
接続されている。クロスバー配線路17と各メモリ8と
は、アドレスバス及び制御バス7とデータバス9とで接
続されている。各PE2とクロスバー配線路22とは、
アドレスバス及び制御バス717とデータバス719と
で接続されている。クロスバー配線路22と各メモリ2
3とは、アドレスバス及び制御バス727とデータバス
729とで接続されている。
【0142】各PE2は通信用のレジスタを内部に持っ
ている。各PE2毎に固有の上位アドレスが割り付けら
れており、当該上位アドレスによって、各PE2の識別
がされる。メモリ8は、独立な63個のセルに分かれて
いる。クロスバー配線路17はフルクロスバーであっ
て、任意のPE2と、メモリ8の任意のセル(63個の
セルの中の任意のセル)とを接続出来る。メモリ23
は、メモリ8と同様の構成を有するが、セルの数は7個
である。実施例7のクロスバー配線路17の配線路は長
く且つ各配線路の負荷も大きい故に、クロスバー配線路
22でデータを伝送した時のデータ遅延量は2クロック
である。
【0143】クロスバー配線路22は、接続が限定され
ていてフルクロスバーではない。クロスバー配線路22
は、任意のPE2と、そのPEの直近のメモリ23のセ
ル(図8において、そのPE2の真上に配置されたメモ
リセル)又は当該直近のメモリセルの左右各2個の隣接
のメモリセル(メモリ23)の計5個のメモリセルの中
から選択した1個のメモリセルとを接続する。例えば左
から3番目のPE2は、図8の7個のメモリセルのう
ち、左から1番目、2番目、3番目、4番目、5番目の
メモリセルのいずれかにアクセスできる。
【0144】同様に、クロスバー配線路22は、任意の
PE2と、そのPE2の左右各2個の隣接のPE2(計
4個のPE)の中から選択した1個のPE2とを接続す
る。例えば左から3番目のPE2と、図8の7個のPE
2のうち、左から1番目、2番目、4番目、5番目のP
E2のいずれかとを接続する。クロスバー配線路22に
よって接続された2個のPE2は、相互にデータを送付
することが出来る。実施例7のクロスバー配線路22の
配線路は短く且つ各配線路の負荷も小さい故に、クロス
バー配線路22でデータを伝送した時のデータ遅延量は
1クロックである。
【0145】一般的に2個のPE2間の通信又はPE2
からメモリ8へのアクセスは、最初の設定が完了する
と、各PE2の通信又はメモリアクセスが特定のPE2
間での通信又は特定のメモリセルへのアクセスにほとん
ど限られる(局所性が存在する)場合が多い。フルクロ
スバーのクロスバー配線路は空間的に全く制約がない故
に使いやすいが、回路規模が巨大である故にコストアッ
プ、配線の遅延の増大、及び消費電力の増大等の問題を
有する。実施例7の並列マルチプロセッサの半導体装置
は、アクセスのフレキシビリティが必要な部分に付いて
はフルクロスバーのクロスバー配線路17で接続を行
い、通信等が局所的で、配線の遅延等が問題になる部分
に付いては部分的なクロスバーであるクロスバー配線路
22で接続を行う。2系統のクロスバー配線路を適切に
使い分けることにより、高い性能と、少ない消費電力等
とを実現する。
【0146】[動作の説明]並列マルチプロセッサチッ
プを製造後、LSIテスタによって各PE2が正常か欠
陥かを調べる。検査の結果、PE702が内部配線の断
線故に動作不良であることが分かったとする。この時L
SIテスターにより故障が発見された欠陥PE702に
含まれるヒューズ705を切断する。後述するように、
ヒューズ705はなくても良い。抵抗を通じて電源ライ
ンに接続されたプロセッサ無効化制御回路(Highア
クティブ)は、通常ヒューズ5(又は705)によって
接地されてLow論理を出力するが、ヒューズ705が
切断されることによってHigh論理になる。プロセッ
サ無効化制御回路は、そのPE702の動作を停止させ
る。
【0147】メモリ8の特定のセル及びメモリ23の特
定のセルに欠陥PE702のアドレスを記憶することに
より、クロスバー配線路17、23は、欠陥PEへの接
続を行わない。例えば通常各PE2が左右の隣接するP
E2と相互に通信するが、左から4番目のプロセッサP
E702が故障であったとする。通常、クロスバー配線
路23が、左から3番目のPE2と2番目のPE2とを
接続し、又は左から3番目のPE2と4番目のPE2と
を接続することにより、左から3番目のPE2は左右の
PE2と相互に通信する。左から4番目のPE702が
故障であることを記憶するクロスバー配線路17、23
は、左から4番目のPE702に接続を行わない。クロ
スバー配線路23は、左から3番目のPE2と2番目の
PE2とを接続し、又は左から3番目のPE2と5番目
のPE2とを接続することにより、左から3番目のPE
2は欠陥PE702を除いた左右のPE2と相互に通信
する。
【0148】メモリ8が欠陥セルを有する場合は、クロ
スバー配線路17は当該欠陥セルへの接続を行わない。
メモリ8は63個のメモリセルの中の幾つかのメモリセ
ルを予備セルとしており(通常は使用しない冗長セ
ル)、欠陥メモリセルがあれば欠陥セルに代えて予備セ
ルを使用する。メモリ23も予備のメモリセル(冗長セ
ル)を持っており、欠陥メモリセルがあれば欠陥セルに
代えて予備セルを使用する。上記の設定は、全てソフト
ウエアによって管理可能である。
【0149】実施例7の並列マルチプロセッサの半導体
装置は、欠陥PE702に対する特別な救済用ハードウ
ェアを有していない(ヒューズ705がない場合であ
る。クロスバー配線路17、22が欠陥PE702にメ
モリ8又は他のPE2を接続しないことにより、PE7
02の動作は実際上停止する。)。実施例7の並列マル
チプロセッサの半導体装置においては、クロスバー配線
路17、22を別個に設け、メモリ8と23とを別個の
バスを経由して各PE2に接続した。これに代えて、ク
ロスバー配線路17にクロスバー配線路22を含めても
良い。この場合は、メモリ23はメモリ8に含まれ、各
PE2のアドレスバス及び制御バスは737に、データ
バスは739に統一される。例えば、クロスバー配線路
17は、各PE2とメモリ8のメモリセルと間の接続に
関してはフルクロスバーであるが(任意のPE2と任意
のメモリセルとを接続する。)、PE2とPE2との接
続に関しては限定的なクロスバーである(例えば、1個
のPE2と、そのPE2の左右2個ずつのPE2(合計
4個のPE)の中から選択されたPE2とを接続す
る。)。
【0150】クロスバー配線路17、22は欠陥PE7
02又は欠陥メモリセルの救済(予備PE2又は予備メ
モリセルでの代替)のみならず、複数のPE2が同一メ
モリセルにアクセスする場合に2個のPE2から送出さ
れるデータが衝突しないように制御等して、メモリ管理
機能を果たしている。
【0151】故障のない正常なPE2及び予備のPE2
についてはヒューズ5は導通状態にして(プロセッサ無
効化制御回路がLow論理を出力する。)、正常なPE
2及び予備のPE2を動作させる(ヒューズ5がある場
合)。クロスバー配線路17、22は、正常なPE2及
び予備のPE2、メモリ8を相互に接続する。上記の構
成によって、チップ上に1個の欠陥PE702を含んで
いても、予備PE2を使用することにより、当該チップ
を使用する半導体装置は正常に動作する。欠陥PE70
2の存在により、欠陥PE以降の各PE2の絶対番地を
1つずつ変更する必要があるが、各PE2の絶対番地の
変更は、ソフトウエアにより行う。
【0152】チップが欠陥PE702を含まない場合に
は、予備PE2のヒューズ5を遮断し、予備PE2を使
用しない(ヒューズ5がある場合)。他の全てのPE2
のヒューズ5を導通状態にして、これらの正常なPE2
を動作させる。クロスバー配線路17、22は、予備の
PE2を除いて、正常なPE2、メモリ8を相互に接続
する。当該チップを使用する半導体装置は正常に動作す
る。実施例7の半導体装置においては、欠陥セルの設定
は全てソフトウエアによって実行される。従って、全て
のPE2が正常であれば、ユーザが予備のPE2及びメ
モリも含めた全てのPE2及びメモリ8を使用出来るよ
うにすることも出来る(予備PE2を使用してもハード
ウエア上の障害はない。)。
【0153】《実施例8》図9は、本発明の実施例8の
冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装置の構
成を図示する。以下本発明の実施例8を図9を参照しな
がら説明する。実施例8の並列マルチプロセッサは、実
施例7の並列マルチプロセッサと類似の構成を有する。
実施例8の並列マルチプロセッサは、クロスバー配線路
17に接続された制御用メモリ826と、クロスバー配
線路22に接続された制御用メモリ816とを有する。
この点で、実施例8の並列マルチプロセッサは実施例7
の並列マルチプロセッサと異なる。他の点については、
実施例8の並列マルチプロセッサは実施例7の並列マル
チプロセッサと同一である。
【0154】メモリ8の上位アドレス(各メモリ8の容
量以上のアドレス)はソフトウエア的に割り付けること
が出来る。メモリ8の上位アドレスの割り付けは、制御
用メモリ826に記憶されている。クロスバー配線路1
7は、制御用メモリ826に記憶された情報に従って、
各PE2と各メモリ8とを接続する。同様に、メモリ2
3の上位アドレス(各メモリ23の容量以上のアドレ
ス)はソフトウエア的に割り付けることが出来る。メモ
リ23の上位アドレスの割り付けは、制御用メモリ81
6に記憶されている。クロスバー配線路22は、制御用
メモリ816に記憶された情報に従って、各PE2と各
メモリ23とを接続する。
【0155】各PE2自体及び各PE2の内部のレジス
タ等の上位アドレス(各PE2を識別する上位アドレ
ス)も、ソフトウエア的に割り付けることが出来る。各
PE2自体及び各PE2の内部のレジスタ等の上位アド
レスの割り付けは、制御用メモリ816及び826に記
憶されている。欠陥PE802があれば、制御用メモリ
816及び826は欠陥PE802のアドレスを記憶
し、他の正常なPE2及び予備PE2を連続するアドレ
ス空間に再割付する(半導体装置の外部から入力される
アドレスを、欠陥PE802を除いた物理的アドレスに
変換する。)。
【0156】例えば、各PE2は、上位アドレス比較器
(排他ゲートであって、アドレス信号が、そのPE2を
指定しているか否かを判断する。)と、その一方の入力
端子に接続されたレジスタを有する。再割付後の各PE
2の上位アドレス(制御用メモリ816、826の出力
信号であって、欠陥PE802以外の正常なPE2及び
予備のPE2を連続するアドレス空間に再配置したアド
レス)を当該レジスタにロードする。
【0157】各PE2固有の上位アドレス比較器(排他
ゲート)の一方の入力端子にアドレス信号の上位アドレ
スを入力することによって、上位アドレス比較器は、再
配置したアドレスと一致するアドレス信号を入力する
と、当該アドレス信号がそのPE2を指定すると認識す
る。このようにして、欠陥PE802を除外して、正常
なPE2及び予備PE2を連続するアドレス空間に再割
り付けすることが出来る。アドレスバス及び制御バス
で、再割付後の各PE2のアドレスが伝送される。
【0158】《実施例9》図10は、本発明の実施例9
の冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装置の
構成を図示する。以下本発明の実施例9を図10を参照
しながら説明する。実施例9の並列マルチプロセッサ
は、実施例1の並列マルチプロセッサを2系列有する。
2系列の並列マルチプロセッサの入出力パッド12の配
置はチップの中心について点対称になっている。即ち、
一方の並列マルチプロセッサの1個の入出力パッドの点
対称の位置に、他方の並列マルチプロセッサの同一の入
出力パッドが配置されている。図10のチップを有する
半導体装置は、5個のPE(パワー)で構成された系列
と、4個のPE(パワー)で構成された系列とを有する
半導体として販売され、使用されるとする。
【0159】チップ上で1個のPEが故障であるとする
と、当該故障のPEが上側の系列に存在する確率と、下
側に存在する確率はそれぞれ50%である。上側に5個
のPE(パワー)で構成された系列を有し、下側に4個
のPE(パワー)で構成された系列を有する半導体と、
下側に5個のPE(パワー)で構成された系列を有し、
上側に4個のPE(パワー)で構成された系列を有する
半導体と、2品種の半導体装置を製造するとすれば、販
売効率も悪く、コストアップになり、ユーザに無用の混
乱を与えかねない。
【0160】実施例9の半導体装置においては、入出力
パッド12が点対称に配置されている故に、1個のPE
が故障であれば、当該チップを最終的にパッケージする
時に必要に応じてチップを180度回転させて実装する
ことにより、1品種の半導体装置を製造することが出来
る。図10に示す様に下側の系列に含まれるPE902
が故障であれば、下側の系統の正常PEは4個、上側の
系統の正常PEは5個である。このチップをそのまま実
装して半導体装置として完成させる。完成した半導体装
置は、4個の正常PEで構成された下側の系統と、5個
の正常PEで構成された上側の系統とを有する。上側の
系列に含まれるPEが故障であれば、チップを180度
回転させて実装して半導体装置として完成させる。完成
した半導体装置は、上記の半導体装置と同様に、4個の
正常PEで構成された下側の系統と、5個の正常PEで
構成された上側の系統とを有する。
【0161】《実施例10》図11は、本発明の実施例
10の冗長度を有する並列マルチプロセッサの半導体装
置の構成を図示する。以下本発明の実施例10を図11
を参照しながら説明する。図11において、半導体基板
1は、複数のプロセッサ要素(PE)2(欠陥PE10
02及びOS実行用PE1012を含む。)、複数のメ
モリ8、入出力用パッド12(配線は記載を省略してい
る。)、2個のクロスバー配線路17、2個の制御用メ
モリ16、及びROM24を有する。半導体基板1は、
予備のPE2及び予備のPE2に対応するメモリ8を含
む。予備のPE2及びそれに対応するメモリ8は、通常
のPE2及びそれに対応するメモリ8と同一の構成を有
する。
【0162】各PE2とクロスバー配線路17とは、ア
ドレスバス及び制御バス1007とデータバス1009
とで接続されている。クロスバー配線路17と各メモリ
8とは、アドレスバス及び制御バス7とデータバス9と
で接続されている。上側のクロスバー配線路17と下側
のクロスバー配線路17とは相互にバスラインで接続さ
れている。
【0163】ROM24は、ブート用のプログラム及び
チップのスケジューリング資源割付等のプログラムを格
納している。上側の系列の右端のPE1012と下側の
系列の右端のPE1012とは、ROM24と接続され
ており、通常のPEとして使用することも出来るし、O
S実行用PEとして使用することも出来る。チップ検査
時に上側の系列のPE1012に起動用OSを実行させ
るのか、下側の系列のPE1012に起動用OSを実行
させるのかを決定し、この決定情報を制御用メモリ16
に格納する。クロスバー配線路17は、制御用メモリ1
6に格納された上記決定情報に従って、起動時にROM
24に格納された起動用OSを、起動用OS実行用PE
1012に伝送する。起動用OS実行用PE1012
は、OSを実行する。同様に、起動用OS実行用PE1
012によって、ROM24に格納されたチップのスケ
ジューリング資源割付等のプログラムが実行される。
【0164】実施例10の半導体装置は、2個のOS実
行用PE1012の中から任意の1個を選択し、選択さ
れたPE1012にOSを実行させることが出来る。従
って、1個のOS実行用PE1012が欠陥PEであっ
ても、当該チップを使用して良品の半導体装置を作るこ
とが出来る。実施例1と同様に、他のPEの中に欠陥P
E1002が含まれており、又はメモリ8の中に欠陥メ
モリが含まれていても、クロスバー配線路17を制御し
て、欠陥PE1002を除く正常なPE2を使用するこ
とにより、当該チップを組み込んだ良品の半導体装置を
作ることが出来る。
【0165】
【発明の効果】本発明によれば、冗長度を有し、高い歩
留まりでコストの安い並列マルチプロセッサの半導体装
置を実現出来るという有利な効果が得られる。本発明に
よれば、冗長度を有し、信頼性の高い並列マルチプロセ
ッサの半導体装置を実現出来るという有利な効果が得ら
れる。
【0166】本発明によれば、安いコストと実用性とを
バランス良く両立させた、冗長度を有する並列マルチプ
ロセッサの半導体装置を実現出来るという有利な効果が
得られる。本発明によれば、パッケージ後の半導体装置
の種類を2種類から1種類に統一して低価格の半導体装
置を実現出来るという有利な効果が得られる。
【0167】本発明によれば、故障のプロセッサ部がど
こに位置していても、ユーザが故障のプロセッサ部を意
識することなく、正常なプロセッサ部を連続するアドレ
ス空間に再配置して使用することが出来る並列マルチプ
ロセッサの半導体装置を実現出来るという有利な効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図2】本発明の実施例2の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図3】本発明の実施例2の並列マルチプロセッサの半
導体装置の無効化制御回路とスイッチ回路の構成図
【図4】本発明の実施例3の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図5】本発明の実施例4の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図6】本発明の実施例5の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図7】本発明の実施例6の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図8】本発明の実施例7の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図9】本発明の実施例8の並列マルチプロセッサの半
導体装置のブロック図
【図10】本発明の実施例9の並列マルチプロセッサの
半導体装置のブロック図
【図11】本発明の実施例10の並列マルチプロセッサ
の半導体装置のブロック図
【図12】従来例の並列マルチプロセッサのブロック図
【符号の説明】
1 半導体基板(チップダイ) 2、102、202、302、402、502、60
2、702、802、902、1002、1012
プロセッサ要素 3、103、203、403、503、603 ス
イッチ回路 4 演算機能ユニット 5、105、205、405、505、605 ヒ
ューズ 6 レジスタ 7、107、307、717、727、737、90
7、1007アドレスおよび制御信号バス 8、108、23、908 メモリ 9、109、309、719、729、739、90
9、1009データバス 10、210 シーケンサ 11 制御バス 12 入出力用パッド 16、816、826 メモリ 17、22 クロスバー配線路 18 ラッチ回路 20 スイッチ回路 21、621 スイッチ回路 24 ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B013 DD01 DD04 EE10 5B045 JJ22 JJ26 JJ27 JJ28 JJ38 JJ46 KK08 5B062 AA08 CC04 DD10 JJ10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に並列配置された複数のプ
    ロセッサ部と、 少なくとも1個の前記プロセッサ部と、前記プロセッサ
    部の第1の側に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続
    する第1のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と、前記プロセッサ部の第2の側に隣
    接する他の前記プロセッサ部とを接続する第2のデータ
    通信経路と、 を有する半導体装置であって、 前記プロセッサ部は、 前記プロセッサ部の無効化制御回路と、 前記無効化制御回路の作動による故障の前記プロセッサ
    部の無効化時には、前記第1のデータ通信経路から入力
    されたデータを前記第2のデータ通信経路へ出力するバ
    イパス回路と、前記第2のデータ通信経路から入力され
    たデータを前記第1のデータ通信経路へ出力するバイパ
    ス回路と、 を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に並列配置された複数のプ
    ロセッサ部と、 少なくとも1個の前記プロセッサ部と、前記プロセッサ
    部の第1の側に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続
    する第1のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と、前記プロセッサ部の第2の側に隣
    接する他の前記プロセッサ部とを接続する第2のデータ
    通信経路と、 を有する半導体装置であって、 前記プロセッサ部は、 前記プロセッサ部の無効化制御回路と、 前記第1のデータ通信経路から入力されたデータを入力
    する第1の入力端子及び前記第2のデータ通信経路へ出
    力するデータを入力する第2の入力端子を有し、前記無
    効化制御回路を作動させなければ、前記第1の入力端子
    又は前記第2の入力端子に入力された入力信号を選択的
    に出力し、前記無効化制御回路の作動による故障の前記
    プロセッサ部の無効化時には、前記第1の入力端子に入
    力された入力信号を前記第2の入力端子に出力する第1
    のスイッチ部と、 前記第2のデータ通信経路から入力されたデータを入力
    する第3の入力端子及び前記第1のデータ通信経路へ出
    力するデータを入力する第4の入力端子を有し、前記無
    効化制御回路を作動させなければ、前記第3の入力端子
    又は前記第4の入力端子に入力された入力信号を選択的
    に出力し、前記無効化制御回路の作動による故障の前記
    プロセッサ部の無効化時には、前記第3の入力端子に入
    力された入力信号を前記第4の入力端子に出力する第2
    のスイッチ部と、 前記無効化制御回路を作動させなければ、前記第2のデ
    ータ通信経路へデータを出力し又は前記第1のデータ通
    信経路に出力し、前記無効化制御回路の作動による故障
    の前記プロセッサ部の無効化時には、無出力状態になる
    出力部と、 を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 複数のプロセッサ部と、 複数のメモリと、 前記プロセッサ部と前記メモリとを選択的に接続し、又
    は前記プロセッサ部と他の前記プロセッサ部とを選択的
    に接続するクロスバー配線路と、 少なくとも1個の使用しない前記プロセッサ部又は前記
    メモリを記憶する欠陥情報記憶部と、 前記欠陥情報記憶部に記憶された前記プロセッサ部又は
    前記メモリ以外の前記プロセッサ部又は前記メモリのみ
    を相互に接続するように前記クロスバー配線路を制御す
    る割付管理部と、 を有することを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記プロセッサ部が、前記無効化制御回
    路を作動させなければ、前記第1のデータ通信経路から
    入力されたデータあるいは前記第2のデータ通信経路か
    ら入力されたデータをラッチし、前記無効化制御回路の
    作動による故障の前記プロセッサ部の無効化時には、前
    記第1のデータ通信経路から入力されたデータあるいは
    前記第2のデータ通信経路から入力されたデータをトラ
    ンスペアレントに通して出力するラッチ部を更に有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体
    装置。
  5. 【請求項5】 前記プロセッサ部が、前記無効化制御回
    路を作動させなければ、前記第1のデータ通信経路から
    入力されたデータあるいは前記第2のデータ通信経路か
    ら入力されたデータをラッチし、前記無効化制御回路の
    作動による故障の前記プロセッサ部の無効化時には、前
    記第1のデータ通信経路から入力されたデータをトラン
    スペアレントに通して出力するデータ先入れ先出し型の
    多段ラッチ部をそれぞれのデータ通信経路に対応して更
    に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記プロセッサ部が先入れ先出し型の多
    段ラッチ部を更に有し、前記先入れ先出し型の多段ラッ
    チ部が、前記無効化制御回路を作動させなければ、前記
    第1のデータ通信経路から入力されたデータあるいは前
    記第2のデータ通信経路から入力されたデータをラッチ
    し、前記無効化制御回路の作動による故障の前記プロセ
    ッサ部の無効化時には、前記先入れ先出し型の多段ラッ
    チ部の途中からそれぞれのデータ通信経路にデータを出
    力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    半導体装置。
  7. 【請求項7】 半導体基板上に並列配置された複数のプ
    ロセッサ部と、 少なくとも1個の前記プロセッサ部と前記プロセッサ部
    の第1の側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部と
    を接続し、前記プロセッサ部の第1の側の1番目に隣接
    する他の前記プロセッサ部が出力するデータを伝送する
    第1のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第1の側の1番
    目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前記プ
    ロセッサ部の第1の側の2番目に隣接する他の前記プロ
    セッサ部が出力するデータを伝送する第2のデータ通信
    経路と、 前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第2の側の1番
    目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前記プ
    ロセッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部の第2
    の側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝送す
    る第3のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第2の側の1番
    目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前記プ
    ロセッサ部の第1の側の1番目に隣接する他の前記プロ
    セッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部の第2の
    側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝送する
    第4のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第2の側の1番
    目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前記プ
    ロセッサ部の第2の側の1番目に隣接する他の前記プロ
    セッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部に伝送す
    る第5のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第2の側の1番
    目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前記プ
    ロセッサ部の第2の側の2番目に隣接する他の前記プロ
    セッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部に伝送す
    る第6のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第1の側の1番
    目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前記プ
    ロセッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部の第1
    の側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝送す
    る第7のデータ通信経路と、 前記プロセッサ部と前記プロセッサ部の第1の側の1番
    目に隣接する他の前記プロセッサ部とを接続し、前記プ
    ロセッサ部の第2の側の1番目に隣接する他の前記プロ
    セッサ部が出力するデータを前記プロセッサ部の第1の
    側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝送する
    第8のデータ通信経路と、 を有する半導体装置であって、 前記プロセッサ部は、 前記プロセッサ部の無効化制御回路と、 バイパス回路と、 を有し、 前記無効化制御回路を作動させなければ、前記第1のデ
    ータ通信経路を通じて伝送されたデータを、前記プロセ
    ッサ部で処理し又は前記第4のデータ通信経路を更に通
    じて前記プロセッサ部の第2の側の1番目に隣接する他
    の前記プロセッサ部に伝送し、前記第2のデータ通信経
    路を通じて伝送されたデータを前記プロセッサ部で処理
    し、前記プロセッサ部が出力したデータを前記第3のデ
    ータ通信経路を通じて前記プロセッサ部の第2の側の1
    番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝送し、前記第
    5のデータ通信経路を通じて伝送されたデータを、前記
    プロセッサ部で処理し又は前記第8のデータ通信経路を
    更に通じて前記プロセッサ部の第1の側の1番目に隣接
    する他の前記プロセッサ部に伝送し、前記第6のデータ
    通信経路を通じて伝送されたデータを前記プロセッサ部
    で処理し、前記プロセッサ部が出力したデータを前記第
    7のデータ通信経路を通じて前記プロセッサ部の第1の
    側の1番目に隣接する他の前記プロセッサ部に伝送し、 前記無効化制御回路の作動による故障の前記プロセッサ
    部の無効化時には、前記バイパス回路により、前記第1
    のデータ通信経路から入力されたデータを前記第3のデ
    ータ通信経路へ出力し、前記第2のデータ通信経路から
    入力されたデータを前記第4のデータ通信経路へ出力
    し、前記第5のデータ通信経路から入力されたデータを
    前記第7のデータ通信経路へ出力し、前記第6のデータ
    通信経路から入力されたデータを前記第8のデータ通信
    経路へ出力する、 ことを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 複数のプロセッサ部と、 複数のメモリと、 少なくとも1個の前記プロセッサ部と任意の前記メモリ
    とを選択的に接続し、又は少なくとも1個の前記プロセ
    ッサ部と任意の他の前記プロセッサ部とを選択的に接続
    することが出来る第1のクロスバー配線路と、 少なくとも1個の前記プロセッサ部と限定された範囲内
    の任意の前記メモリとを選択的に接続し、又は少なくと
    も1個の前記プロセッサ部と限定された範囲内の任意の
    他の前記プロセッサ部とを選択的に接続することが出来
    る第2のクロスバー配線路と、 を有することを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 少なくとも1個の使用しない前記プロセ
    ッサ部又は前記メモリを記憶する欠陥情報記憶部と、 前記欠陥情報記憶部に記憶された前記プロセッサ部又は
    前記メモリ以外の前記プロセッサ部又は前記メモリのみ
    を相互に接続するように前記第1のクロスバー配線路又
    は前記第2のクロスバー配線路を制御する割付管理部
    と、 を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれかの請
    求項に記載された半導体装置と同一の構成を有する2個
    のマルチプロセッサ部と、 前記2個のマルチプロセッサ部の同一の端子が互いに点
    対称に配置された入出力用パッド又はピンと、 を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいず
    れかの請求項に記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも2個のOS実行用プロセッ
    サ部を含む複数のプロセッサ部と、 複数のメモリと、 少なくとも1個の前記プロセッサ部と任意の前記メモリ
    又は限定された範囲内の任意の前記メモリとを選択的に
    接続し、且つ少なくとも1個の前記プロセッサ部と限定
    された範囲内の任意の他の前記プロセッサ部とを選択的
    に接続することが出来るクロスバー配線路と、 少なくとも1個の使用しない前記プロセッサ部又は前記
    メモリを記憶する欠陥情報記憶部と、 OSを実行するプロセッサ部を指定し、且つ前記欠陥情
    報記憶部に記憶された前記プロセッサ部又は前記メモリ
    以外の前記プロセッサ部又は前記メモリのみを相互に接
    続するように前記クロスバー配線路を制御する割付管理
    部と、 を有することを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記プロセッサ部がアドレスレジスタ
    を有し、 前記割付管理部が、前記アドレスレジスタにアドレスを
    書き込み、且つ書き込んだアドレスに従ってデータを出
    力し又は入力することを特徴とする請求項3、請求項
    8、請求項9又は請求項11に記載の半導体装置。
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