JP2002168854A - 液体中溶解ガス量の測定装置およびその測定方法 - Google Patents

液体中溶解ガス量の測定装置およびその測定方法

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JP2002168854A
JP2002168854A JP2000369414A JP2000369414A JP2002168854A JP 2002168854 A JP2002168854 A JP 2002168854A JP 2000369414 A JP2000369414 A JP 2000369414A JP 2000369414 A JP2000369414 A JP 2000369414A JP 2002168854 A JP2002168854 A JP 2002168854A
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vacuum
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vacuum vessel
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JP2000369414A
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Inventor
Yoshihiro Makino
芳弘 牧野
Sadao Nanba
貞雄 難波
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用する真空容器の形状の如何を問はずに、
その内容積値の校正が可能な液体中溶解ガス量の測定装
置およびその測定方法を提供すること。 【解決手段】 一定量の被測定液体Sについてガス溶解
平衡を行なうための真空容器2は、既知量のガスを上記
真空容器2に供給するガス室5を備えている。一定量の
被測定液体Sと上記既知量のガスとの間でガス溶解平衡
状態とし、その状態での真空容器2内の気相の真空度、
ガスの上記既知量などから真空容器2の内容積を正しく
校正することができる。またかく校正された内容積を有
する真空容器2を用いて、溶解ガス量が未知の被測定液
体Sについてガス溶解平衡法により溶解ガス量を測定す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスやOFケ
ーブルなどの油入りの電気機器に用いられる電気絶縁油
(以下、絶縁油)などの液体中に溶解したガス量を測定
する装置およびその測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記電気機器に使用される絶縁油は、そ
の絶縁油自体および電気機器内のその他の各種電気絶縁
材料の酸化劣化を抑制あるいは防止するために、絶縁油
を脱気処理した後に電気機器に封入される。この脱気処
理の程度の良否の判定は、従来から絶縁油中に残存溶解
しているガス(新油の場合は主として空気)量を測定し
て行なわれて来ている。一般に、絶縁油中の溶解ガスを
測定する方法は、油中から抽出したガスを分析し、検出
された成分の総濃度から、溶解量を計算する方法と、油
中から抽出したガスをビューレットで計量する方法とが
ある。前者のガス分析による測定方法の例としては、例
えば特開平6−331515号公報、特開平7−181
1750号公報などに開示された技術がある。一方、後
者の測定方法の例は、電気協同研究、第54巻、第5号
(その1)、「油入変圧器の保守管理」の第23頁〜第
25頁に開示されており、そこでは残存溶解ガスの抽出
方法としテプラポンプによる抽出法やトリチェリ抽出法
などが開示されている。
【0003】従来の上記方法においては、いずれの場合
も絶縁油中に残存溶解しているガスを抽出する真空容器
の正確な容積が既知であることが残存溶解量の計算上で
必須となる。ところで上記真空容器は、通常、真空ポン
プ、被測定液体を収容した液体収容器、真空度測定装
置、温度測定装置、あるいはその他とバルブを介して管
路などで接続されていてそれら種々の管路の一部を内容
積の一部として含む複雑な構造を有しているために、そ
の正確な容積が測定し難い問題がある。このために真空
容器に明示された容積値は、比較的大きな誤差がしばし
ばあって、かかる真空容器を用いて測定された残存溶解
ガス量の測定値がいま一つ信頼性に欠ける問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点に鑑みて、使用する真空容器の形状の如
何を問はずにその内容積値の校正が可能な、しかして残
存溶解ガス量を高信頼性をもって測定できる液体中溶解
ガス量の測定装置およびその測定方法を提供することを
課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の液体中溶解ガス
量の測定装置は、(1)被測定液体を収容した液体収容
器とバルブを介して接続された真空容器、上記真空容器
内を真空にする真空ポンプ、上記真空容器中の気相の温
度を測定する温度測定装置、上記真空容器中の気相の真
空度を測定する真空度測定装置、上記真空容器にバルブ
を介して接続されて既知量のガスを上記真空容器に供給
するガス室を備えたものである。(2)上記(1)にお
いて、ガス室は、複数備えたものである。(3)上記
(1)または(2)において、真空容器は、この真空容
器に供給された被測定液体とこの被測定液体に溶解して
いたガスとの間での新たなガス溶解平衡を促進するため
の液体攪拌装置を備えたものである。
【0006】本発明の液体中溶解ガス量の測定方法は、
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項記載の測定装
置を用い、上記真空容器内を一定の真空度に保持する第
一工程、上記真空容器内に一定量の上記被測定液体を供
給する第二工程、上記真空容器内において新たなガス溶
解平衡状態に至らす第三工程、および上記新たなガス溶
解平衡状態における上記真空容器内の気相の真空度を測
定する第四工程を含む液体中溶解ガス量の測定の前また
は後に、上記真空容器内に一定量の試験用液体を供給す
る第五工程、上記真空ポンプを駆動して上記真空容器内
を高真空に保持して上記試験用液体中の溶解ガスを除去
する第六工程、上記真空容器内を高真空に保持した状態
で上記真空容器と上記真空ポンプとの連通を遮断すると
共に上記真空容器と上記ガス室との間の上記バルブを開
いて上記既知量のガスを上記真空容器に供給する第七工
程、上記真空容器内において上記試験用液体と上記既知
量のガスとの間でガス溶解平衡状態に至らす第八工程、
および上記ガス溶解平衡状態における上記真空容器内の
気相の真空度を測定する第九工程を含むものである。
(5)上記(4)において、試験用液体は、被測定液体
である。
【0007】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
液体中溶解ガス量の測定装置についての実施の形態1の
配管・ブロック図である。図1における実施の形態1の
主要部を説明すると、1は被測定液体を収容した液体収
容器、11は被測定液体Sの供給源容器、2は真空容
器、21は液体攪拌装置、3は真空ポンプ、31はトラ
ップ、4は測定制御装置、41は真空度測定装置、42
は温度測定装置、5は上記真空容器2に既知量のガスを
供給するガス室、6は三方バルブ群、7は二方バルブ
群、8はストップバルブ群、9は配管群である。
【0008】三方バルブ群6は、三方バルブ61〜三方
バルブ63の3バルブからなり、二方バルブ7群は、二
方バルブ71〜二方バルブ76の6バルブからなり、ス
トップバルブ8群は、ストップバルブ81〜ストップバ
ルブ82の2バルブからなる。また配管群9は、配管9
1〜配管95の5配管からなる。
【0009】ガス室5は、第一ガス室51と第二ガス室
52の2室からなる。図1において配管95の右側から
左側にかけて、二方バルブ74、第一ガス室51、二方
バルブ75、第二ガス室52、および二方バルブ76が
上記配管95により繋がれている。この配管95は、そ
の右端は配管93に接続されており、その左端は大気中
に開口している。第一ガス室51と第二ガス室52は、
配管95に属する部分の容積を含めて、その容積が事前
に正確に測定されており、よってそれぞれの室内におけ
るガスの圧力と温度を正確に知ることにより各室内のガ
ス量(モル数)が既知となり、それらを後記するように
真空容器2に供給することができる。
【0010】液体収容器1は、真空容器2に一定量の被
測定液体Sを供給するための目盛り付きの容器であっ
て、その上部は三方バルブ61、ストップバルブ81、
トラップ31、および三方バルブ63を順次繋ぐ配管9
4を介して真空ポンプ3に接続されている。液体収容器
1の下部は、真空容器2と供給源容器11とに接続され
ており、真空容器2には三方バルブ62およびストップ
バルブ82を順次繋ぐ配管92を介して、一方、供給源
容器11には上記三方バルブ62および二方バルブ71
を順次繋ぐ配管91を介して、それぞれ接続されてい
る。
【0011】供給源容器11には被測定液体Sが満たさ
れており、配管91は二方バルブ71を経由してその先
端は供給源容器11の底の近くに達している。トラップ
31は、液体収容器1からオーバーフローした被測定液
体Sやその蒸気を捕獲してそれらが真空ポンプ3内に入
ることを防止する機能をなす。
【0012】真空容器2は、上蓋25、胴部22、およ
び底部23の3体がOリング24を用いてそれぞれ気密
に組み合わされた構造を有し、上蓋25には前記配管9
2の他に、配管93、および配管95の3配管が接続さ
れている。配管93は、二方バルブ72を有し、且つ前
記配管94から分枝して上蓋25に至っている。配管9
5は、配管93に分枝的に接続されて、この配管93を
介して真空容器2に接続されている。
【0013】真空容器2の上蓋25には、それを気密に
貫通して真空度センサー411と温度センサー421と
がそれぞれ設置されており、真空度センサー411は信
号線412により真空度測定装置41に、一方、温度セ
ンサー421は信号線422により温度測定装置42に
それぞれ接続されている。真空度センサー411からの
信号は、真空度測定装置41において真空容器2内の真
空度に変換され、温度センサー421からの信号は、温
度測定装置42により真空容器2内の温度に変換され、
それらの測定値は測定制御装置4に入力される。
【0014】測定制御装置4は、真空度センサー411
と温度センサー421に必要な測定を行なう指示信号を
出力すると共に、真空度測定装置41および温度測定装
置42からの入力信号を基に後記するような種々の計算
を行ってディスプレー(図示せず)に計算結果を表示さ
せる。
【0015】真空容器2の底部23の下には、二方バル
ブ73と液体攪拌装置21とが設けられている。液体攪
拌装置21は、真空容器2内に供給された被測定液体S
などの液体を必要に応じて攪拌する機能をなすものであ
って、例えばマグネチックスターラー、超音波攪拌機な
どが用いられる。
【0016】つぎに、前記実施の形態1の測定装置を用
いた被測定液体S中の溶解ガス量の測定方法について説
明する。この測定方法は、真空容器2の正確な内容積の
校正方法と、その方法により校正された正確なその内容
積を使用した被測定液体S中の溶解ガス量の測定方法の
二方法に大別されるが、本発明においては、どちらを先
に行なってもよい。そこで以下では溶解ガス量の測定方
法から説明する。
【0017】〔溶解ガス量の測定方法〕この測定方法
は、真空容器2内を一定の真空度に保持する第一工程、
真空容器2内に一定量の被測定液体Sを供給する第二工
程、真空容器2内において新たなガス溶解平衡状態に至
らす第三工程、および上記新たなガス溶解平衡状態にお
ける真空容器2内の気相の真空度を測定する第四工程か
らなる。
【0018】第一工程において、(1)各バルブを先ず
以下の通りに設定する。二方バルブ73を閉じ、二方バ
ルブ71を開き、二方バルブ72を閉じ、二方バルブ7
4を閉じ、三方バルブ61のリーク側を閉じ、三方バル
ブ62のリーク側を閉じて供給源容器11と液体収容器
1とを連通させ、三方バルブ63のリーク側を閉じ、ま
たストップバルブ81、82を閉じる。
【0019】(2)真空度測定装置41と温度測定装置
42との各スイッチをオンとして、真空ポンプ3を作動
させる。
【0020】(3)二方バルブ72を開いて真空容器2
内を排気し、この排気の後で二方バルブ72閉じても真
空容器2内が必要な真空度に少なくとも一定時間は実質
的に保持されるようにする。かかる一定時間保持される
真空度の程度は、被測定液体S中の溶解ガス量の多寡に
依存し、溶解ガス量が多い場合には比較的低真空度、例
えば0.1mmHg前後でよく、溶解ガス量が少ない場
合には比較的高真空度、例えば0.0001mmHg程
度あるいはそれ以上の高真空度とする。しかし一般的に
は、0.01〜0.001mmHg程度で十分である。
かかる一定真空度は、真空ポンプ3を適当時間作動させ
て真空容器2内を排気する作業、その後に二方バルブ7
2を閉じて真空容器2内の真空度の低下(内圧の上昇)
の程度を測定する作業を繰り返して、後者の作業におけ
る真空度の低下の程度が微小となった時点で達成され
る。なお真空容器2の内容積(Vo)は、200〜50
0ミリリットル程度が適当である。
【0021】(4)ストップバルブ81を少に開いて、
供給源容器11中の被測定液体Sの一部を液体収容器1
に導き、二方バルブ71およびストップバルブ81を閉
じ、三方バルブ62の二方バルブ71側を閉じる。なお
被測定液体Sの真空容器2への供給量は、真空容器2の
内容積の1/4〜1/6程度が適当であるので、供給源
容器11から液体収容器1に導入する被測定液体Sの導
入量は、それより多少多い量とする。
【0022】(5)真空容器2内の初期真空度(上記の
一定真空度)Po(mmHg)を読み取り、二方バルブ
72を閉じる。
【0023】第二工程において、(6)三方バルブ61
のリーク側を開き、ついでストップバルブ82を徐々に
開いて、液体収容器1中の被測定液体Sの一部(上記し
た量)を真空容器2内に供給する。ここで、真空容器2
に供給された被測定液体Sの量をVsミリリットルとす
る。
【0024】第三工程において、(7)攪拌装置21を
作動させて真空容器2内を新たなガス溶解平衡状態に至
らす。
【0025】第四工程において、上記新たなガス溶解平
衡状態における真空容器2内の気相の真空度Ps(mm
Hg)と温度をt(℃)を測定する。
【0026】つぎに上記したVo、Vs、Po、Ps、
およびtとから、被測定液体S中の溶解ガス量(被測定
液体Sの体積当たりの、760mmHg、0℃に換算し
た溶解ガス量(%))は、下記の式(1)〜(3)から
求められる。 溶解ガス量(%) =(Gg+Go)×100/Vs ・・・(1) Gg=〔(Ps−Po)・(Vo−Vs)/760〕× 〔273/(273+t)〕 ・・・(2) Go=〔α(Ps−Po)/760〕×Vs ・・・(3) ここに、Ggは真空容器2内の気相として存在するガス
量、Goは真空容器2内の被測定液体Sに残存溶解した
ままのガス量、αはブンゼン係数(溶解ガス量:体積)
である。
【0027】〔真空容器の内容積の校正方法〕この校正
方法は、上記真空容器内に一定量の試験用液体を供給す
る第五工程、上記真空ポンプを駆動して上記真空容器内
を高真空に保持して上記試験用液体中の溶解ガスを除去
する第六工程、上記真空容器内を高真空に保持した状態
で上記真空容器と上記真空ポンプとの連通を遮断すると
共に上記真空容器と上記ガス室との間の上記バルブを開
いて上記既知量のガスを上記真空容器に供給する第七工
程、上記真空容器内において上記試験用液体と上記既知
量のガスとの間でガス溶解平衡状態に至らす第八工程、
および上記ガス溶解平衡状態における上記真空容器内の
気相の真空度を測定する第九工程からなる。
【0028】第五工程において、(8)二方バルブ73
を閉じた状態において、先ず空の真空容器2内に一定量
の試験用液体を供給する。試験用液体としては、前記被
測定液体Sであってもよく、あるいは他の任意の液体で
あってもよい。但し、揮発性の液体は、室温における蒸
気圧が高くて後記する真空脱気が困難であるので、可及
的低揮発性の液体、就中、前記の被測定液体Sが好まし
い。試験用液体の供給量は前記の溶解ガス量の測定方法
において用いられた量(Vs)でよい。さらには前記溶
解ガス量の測定が終了した状態においては、真空容器2
内にはVsミリリットルの被測定液体Sが存在している
ので、その状態をもって第五工程の達成としてもよい。
そこで後記の計算においては、試験用液体の供給量はV
sミリリットルであったとする。
【0029】第六工程において、三方バルブ63と二方
バルブ72を開き、且つ少なくともストップバルブ82
と二方バルブ74を閉じた状態として真空ポンプ3を作
動させて真空容器2内を高真空に保持して試験用液体中
の溶解ガスを除去する。
【0030】第七工程において、二方バルブ75、76
を開いて第一ガス室51と第二ガス室52のそれぞれに
任意のガス、例えば窒素ガスを導入する。今、第一ガス
室51と第二ガス室52の各正確な内容積を、それぞれ
V1 ミリリットル、V2 ミリリットルとし、その時の温
度をT1 (°K)、ガスの圧力をP1 とすると、第一ガ
ス室51と第二ガス室52には、ボイル・シャールの法
則からそれぞれn1 モル(=P1 V1 /RT1 )、n2
モル(=P1 V2 /RT1 )のガスが収容されたことに
なる。この状態で二方バルブ75、76を一旦閉じてお
く。つぎに、真空容器2内を高真空(P01mmHg) に
保持した状態で二方バルブ72を閉じ、二方バルブ74
を開いて、第一ガス室51の上記既知量n1 モルのガス
を真空容器2に供給する。
【0031】第八工程において、真空容器2内で試験用
液体と上記n1 モルのガスとの間でガス溶解平衡状態に
至らしめ、第九工程において上記ガス溶解平衡状態にお
ける真空容器2内の気相の真空度(P02mmHg) を測
定する。
【0032】上記したn1 、Vs、P1 、V1 、P01、
P02、T1 の各値が確定すると、真空容器2の内容積V
oの正確な値は、下記の式(4)および式(5)から求
めることができる。但し上式(5)においては、P01
は、P02と比較して極く小さな値であるのでゼロとして
いる。 n1 =n1g +n1l ・・・(4) ここに、n1g は真空容器2の気相部と第一ガス室51
との合計容積中に存在するガスのモル数であり、n1l
は試験用液体Vsミリリットル中に溶解せるガスのモル
数である。上式(4)より、求める真空容器2の内容積
Voは、 Vo=V1 (P1 /P02−1)+Vs(1−α’RT1 ) ・・・(5) ここに、α’はブンゼン係数(溶解ガス量:モル)であ
る。
【0033】真空容器2の内容積Voの正確な値は、第
一ガス室51による校正のみでなく第一ガス室51と第
二ガス室52の両方で、さらには一層多くのガス室を設
けて複数回の校正を行い、ついで各校正毎の内容積Vo
の平均値を求めることにより一層正確なVo値を求める
ことができる。例えば第一ガス室51を用いたガス溶解
平衡状態における真空度(P02mmHg) の測定の後
に、二方バルブ75を開いてn2 モルのガスを真空容器
2内に供給して再度ガス溶解平衡状態としてその時の真
空度(P03mmHg) を測定する。その場合には、上式
(4)および上式(5)に対応する式として下記の式
(6)、(7)が成立する。 n1 +n2 =n2g+n2 l ・・・(6) ここに、n2 g は真空容器2の気相部、第一ガス室51
および第二ガス室52の合計容積中に存在するガスのモ
ル数であり、n2 l は試験用液体Vsミリリットル中に
溶解せるガスのモル数である。上式(6)より、求める
真空容器2の内容積Voは、 Vo=(V1 +V2 )(P1 /P03−1)+Vs(1−α’RT1 ) ・・・(7) よって真空容器2の内容積Voの一層正確な値は、上式
(5)と上式(7)のそれぞれから得られる各Vo値の
平均値から求められる。
【0034】実施の形態1においては、第一ガス室51
と第二ガス室52とは直列に接続されているが、本発明
においては両ガス室51、52は、あるいはさらに多く
のガス室は、真空容器2に個々にバルブを介して直結さ
れていてもよい。
【0035】本発明によれば、真空容器2の内容積Vo
の校正のみならず、被測定液体Sに溶解しているガスの
ブンゼン係数が不正確であっても、その値を正確に校正
することができる。その場合には、真空容器2の内容積
Voとブンゼン係数α’とが未知数として、例えば、上
式(4)と上式(6)式との連立一次方程式を解くこと
により正確な両値を知ることができる。
【0036】
【発明の効果】 本発明の液体中溶解ガス量の測定装
置は、以上説明した通り、(1)被測定液体を収容した
液体収容器とバルブを介して接続された真空容器、上記
真空容器内を真空にする真空ポンプ、上記真空容器中の
気相の温度を測定する温度測定装置、上記真空容器中の
気相の真空度を測定する真空度測定装置、上記真空容器
にバルブを介して接続されて既知量のガスを上記真空容
器に供給するガス室を備えたものである。前記した通
り、液体中溶解ガス量の正確な測定には、上記真空容器
の正確な内容積が判明していることが前提となるにも拘
らず、その内部は通常複雑な構造を有しているためにそ
の正確な内容積の把握が困難であったところ、本発明に
よれば、上記既知量のガスを上記真空容器に供給するガ
ス室を備えているので、この既知量のガスを用いたガス
溶解平衡を行なうことにより真空容器の内容積を正しく
校正することができ、且つ溶解したガス種についての分
析を行なうことなく、ガス溶解量を正確に測定すること
ができる。
【0037】また(2)上記(1)において、ガス室
は、複数備えたものであると、各ガス室を用いた複数回
の校正を行なって、それら校正値の平均値を採用するこ
とにより一層正確な校正を行なうことができる。またさ
らに少なくとも二つのガス室による校正を行なうと、真
空容器の内容積の校正と被測定液体に対する溶解ガスの
ブンゼン係数の校正も行なうことができる。
【0038】また(3)上記(1)または(2)におい
て、真空容器は、この真空容器に供給された被測定液体
とこの被測定液体に溶解していたガスとの間での新たな
ガス溶解平衡を促進するための液体攪拌装置を備えたも
のであると、被測定液体とガスとの間のガス溶解平衡を
短時間で達成させる効果がある。
【0039】本発明の液体中溶解ガス量の測定方法は、
以上説明した通り、(4)上記(1)〜(3)のいずれ
か一項記載の測定装置を用い、上記真空容器内を一定の
真空度に保持する第一工程、上記真空容器内に一定量の
上記被測定液体を供給する第二工程、上記真空容器内に
おいて新たなガス溶解平衡状態に至らす第三工程、およ
び上記新たなガス溶解平衡状態における上記真空容器内
の気相の真空度を測定する第四工程を含む液体中溶解ガ
ス量の測定の前または後に、上記真空容器内に一定量の
試験用液体を供給する第五工程、上記真空ポンプを駆動
して上記真空容器内を高真空に保持して上記試験用液体
中の溶解ガスを除去する第六工程、上記真空容器内を高
真空に保持した状態で上記真空容器と上記真空ポンプと
の連通を遮断すると共に上記真空容器と上記ガス室との
間の上記バルブを開いて上記既知量のガスを上記真空容
器に供給する第七工程、上記真空容器内において上記試
験用液体と上記既知量のガスとの間でガス溶解平衡状態
に至らす第八工程、および上記ガス溶解平衡状態におけ
る上記真空容器内の気相の真空度を測定する第九工程を
含むものである。上記試験用液体と上記既知量のガスと
の間でのガス溶解平衡状態における上記真空容器内の気
相の真空度、ガスの上記既知量などから上記真空容器の
内容積を正しく校正することができる。
【0040】また(5)上記(4)において、試験用液
体は、被測定液体であると、上記被測定液体の溶解ガス
量の測定と真空容器の内容積の校正の両方を行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液体中溶解ガス量の測定装置につい
ての実施の形態1の配管・ブロック図である。
【符号の説明】
1 液体収容器、11 被測定液体の供給源容器、2
真空容器、21 液体攪拌装置、3 真空ポンプ、31
トラップ、4 測定制御装置、41 真空度測定装
置、42 温度測定装置、5 ガス室、6 三方バルブ
群、7 二方バルブ群、8 ストップバルブ群、9 配
管群、S 被測定液体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定液体を収容した液体収容器とバル
    ブを介して接続された真空容器、上記真空容器内を真空
    にする真空ポンプ、上記真空容器中の気相の温度を測定
    する温度測定装置、上記真空容器中の気相の真空度を測
    定する真空度測定装置、上記真空容器にバルブを介して
    接続されて既知量のガスを上記真空容器に供給するガス
    室を備えたことを特徴とする液体中溶解ガス量の測定装
    置。
  2. 【請求項2】 ガス室は、複数備えたことを特徴とする
    請求項1記載の液体中溶解ガス量の測定装置。
  3. 【請求項3】 真空容器は、この真空容器に供給された
    被測定液体とこの被測定液体に溶解していたガスとの間
    での新たなガス溶解平衡を促進するための液体攪拌装置
    を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の液体中溶解ガス量の測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか一項記載
    の測定装置を用い、上記真空容器内を一定の真空度に保
    持する第一工程、上記真空容器内に一定量の上記被測定
    液体を供給する第二工程、上記真空容器内において新た
    なガス溶解平衡状態に至らす第三工程、および上記新た
    なガス溶解平衡状態における上記真空容器内の気相の真
    空度を測定する第四工程を含む液体中溶解ガス量の測定
    の前または後に、 上記真空容器内に一定量の試験用液体を供給する第五工
    程、上記真空ポンプを駆動して上記真空容器内を高真空
    に保持して上記試験用液体中の溶解ガスを除去する第六
    工程、上記真空容器内を高真空に保持した状態で上記真
    空容器と上記真空ポンプとの連通を遮断すると共に上記
    真空容器と上記ガス室との間の上記バルブを開いて上記
    既知量のガスを上記真空容器に供給する第七工程、上記
    真空容器内において上記試験用液体と上記既知量のガス
    との間でガス溶解平衡状態に至らす第八工程、および上
    記ガス溶解平衡状態における上記真空容器内の気相の真
    空度を測定する第九工程を含むことを特徴とする液体中
    溶解ガス量の測定方法。
  5. 【請求項5】 試験用液体は、被測定液体であることを
    特徴とする請求項4記載の液体中溶解ガス量の測定方
    法。
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