JP2002166699A - 陶磁器等の施釉絵付け方法 - Google Patents

陶磁器等の施釉絵付け方法

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JP2002166699A
JP2002166699A JP2000368089A JP2000368089A JP2002166699A JP 2002166699 A JP2002166699 A JP 2002166699A JP 2000368089 A JP2000368089 A JP 2000368089A JP 2000368089 A JP2000368089 A JP 2000368089A JP 2002166699 A JP2002166699 A JP 2002166699A
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Toshihiko Kitaura
敏彦 北浦
Naohiro Matsuo
直浩 松尾
Takeshi Kubota
剛 久保田
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KUBOTA MINORU SEITOSHO KK
Kyushu Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】素焼物に施釉と転写絵付けとを施す行なう場
合、施釉と転写絵付けとを一回の焼成で行ない得る陶磁
器等の施釉絵付け方法を提供する。 【解決手段】素焼物1の表面に乳状泥漿釉薬組成物を塗
布して未焼成層2を形成しておき、台紙300に水湿潤
性糊層32を介して積層した転写絵付け用シート30を
水湿潤下で台紙より剥離して上記の未焼成層2に貼り付
け、而るのち、焼成して未焼成層2を焼成すると共に転
写絵付け用シート30を焼き付ける方法であり、上記の
乳状泥漿釉薬組成物に水分散性樹脂を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陶器、磁器等の素
焼物に施釉と転写絵付けを行なう施釉絵付け方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】陶磁器等の耐熱性固体の素地表面を絵付
けする場合、転写法を使用することがあり、図4の
(イ)はその絵付けに使用されている従来の転写用原紙
を示している。図4の(イ)において、300’は台紙
を示し、基紙31’の片面にデキストリン等の水湿潤性
糊32’を塗布してある。34’は水湿潤性糊層32’
上にスクリーン印刷等により形成した絵柄画像印刷層、
35’は絵柄画像印刷層34’上に設けたアクリル樹脂
等のオーバーコート層であり、絵柄画像印刷層34’と
オーバーコート層35’とで転写絵付け用シート30’
が構成されている。この転写用原紙を使用して絵付けを
行なうには、上記転写原紙に水を与え糊層32’を湿潤
させて基紙31’を剥離のうえ、図4の(ロ)に示すよ
うに、転写絵付け用シート30’をオーバーコート樹脂
層35’を支持体とし水湿潤糊層32’において素地
1’の表面に貼付け、而るのち、焼成してオーバーコー
ト樹脂層35’、絵柄画像印刷層34’中のビヒクル固
形分、糊層32’等を分解ガス化することにより図4の
(ハ)に示すように絵柄画像印刷層34’を素地1’の
表面に焼付けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】周知の通り、陶器や磁
器においては、素焼物を水不浸透性にするために施釉し
て素地表面に透明なガラス層を焼付けている。しかしな
がら、未焼成の釉薬塗布層上に、上記台紙から剥離した
転写絵付け用シートを貼り付けると、水湿潤状態の糊層
の水分で未焼成釉薬塗布層が湿潤されてペースト化さ
れ、転写絵付け用シートを所定の位置に位置決めするた
めに移動させると、その移動跡での未焼成釉薬塗布層が
拭い取られ、焼成してもその拭い取り個所が施釉不良個
所となってしまう。従って、素焼物表面の釉薬塗布層を
焼成し、その後に、転写絵付け用シートを貼り付け再度
焼成して絵付けを行なう必要があり、二回の焼成が必要
になり作業能率上不利である。
【0004】また、本発明者等の検討結果によれば、未
焼成釉薬塗布層上に従来の転写絵付け用シートを貼り付
けて釉薬塗布層と転写絵付け用シートとを一挙に焼付け
ると、転写絵付け用シートの絵柄画像が複雑な場合、絵
流れ乃至は絵崩れのために満足な絵付けを行ない難い。
【0005】本発明の目的は、素焼物に施釉と転写絵付
けとを施す場合、施釉と転写絵付けとを一回の焼成で行
ない得る陶磁器等の施釉絵付け方法を提供することにあ
る。
【0006】本発明の更なる目的は、素焼物に施釉と転
写絵付けとを行なう場合、絵柄画像が複雑な絵柄であっ
ても、鮮明な転写絵付けを施釉と同時に一回の焼成で行
ない得る陶磁器等の施釉絵付け方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る陶磁器等の
施釉絵付け方法は、素焼物の表面に乳状泥漿釉薬組成物
を塗布して未焼成層を形成しておき、台紙に水湿潤性糊
層を介して積層した転写絵付け用シートを水湿潤下で台
紙より剥離して上記の未焼成層に貼り付け、而るのち、
焼成して未焼成層を焼成すると共に転写絵付け用シート
を焼き付ける方法であり、上記の乳状泥漿釉薬組成物に
水分散性樹脂を添加することを特徴とする構成であり、
水分散性樹脂と共に沈降分離防止剤として界面活性剤を
添加することができる。上記の転写絵付け用シートに
は、台紙の水湿潤性糊層に接する介在層と該介在層上の
絵柄画像印刷層と該印刷層上のオーバーコート層とから
なり、前記介在層を釉薬粉体と合成樹脂を含む組成物か
ら形成し、オーバーコート層を釉薬粉体含有樹脂により
形成した絵付け用シートを使用することが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1の(イ)乃至(ハ)
は、本発明に係る施釉絵付け方法の一実施例を示す図面
である。図1において、1は素焼物を示している。本発
明を実施するには、樹脂粒子を分散させた乳状泥漿釉薬
組成物を素焼物表面に塗布乾燥させて図1の(イ)に示
すように素焼物1の表面に樹脂含有未焼成層2を形成し
ておく。上記の樹脂分散乳状泥漿釉薬組成物は、釉薬粉
体と水分散性樹脂とを水に分散させてなるコロイド溶液
であり、沈降分離を防止してコロイド状態を安定に保持
させるために、通常、界面活性剤が添加される。上記に
おいて、樹脂分散乳状泥漿釉薬組成物を素焼物に塗布す
ると、塗布層中の水分が素焼物に吸収されて脱水され、
釉薬粉体間が樹脂粒子で充填されてなる樹脂含有未焼成
層が形成される。
【0009】このようにして、素焼物の表面に樹脂含有
釉薬未焼成層を形成したのちは、図1の(ロ)に示す、
台紙300の基紙31に水湿潤性糊層32を介し転写絵
付け用シート30を積層してなる転写絵付け原紙3を水
に浸し糊層32を湿潤させて転写絵付け用シート30を
剥離し、この転写絵付け用シート30を図1の(ハ)に
示すように樹脂含有釉薬未焼成層2上に載置し、更に所
定の位置に移動させて転写絵付け用シート30の位置決
めを行なう。
【0010】上記転写絵付け用シート30を素焼物表面
の樹脂含有釉薬未焼成層2に貼り付ける際、そのシート
30の水湿潤糊層32が含水状態にあるが、樹脂含有釉
薬未焼成層2の釉薬粉体間が樹脂粒子で充填されている
から、転写絵付け用シート糊層32の含水の樹脂含有釉
薬未焼成層2への浸透が阻止されて樹脂含有釉薬未焼成
層2の表面のみが水で濡らされる結果、樹脂含有釉薬未
焼成層2の固形状態がよく保持され、かつ樹脂含有釉薬
未焼成層2と転写絵付け用シート30の含水糊層32と
の界面が転写絵付け用シート30の移動に対して潤滑面
とされる。従って、上記転写絵付け用シート30の位置
決め移動を低摩擦抵抗で行なうことができ、樹脂含有釉
薬未焼成層2の固形状態の保持と相俟って、転写絵付け
用シート30の位置決め移動を未焼成層を拭い取ること
なくスムーズに行なうことができる。
【0011】このようにして、素焼物1表面の樹脂含有
釉薬未焼成層2上の所定位置に転写絵付け用シート30
を位置決めして貼り付けたのちは、電気炉等の加熱炉に
搬入し、樹脂含有釉薬未焼成層2中の樹脂分、糊層32
及び転写絵付け用シート30の樹脂分(オーバーコート
樹脂層や転写絵付け用シートの絵柄画像印刷層のビヒク
ル固形分)を分解ガス化させ、樹脂含有釉薬未焼成層3
0中の釉薬粉体及び転写絵付け用シート30中のガラス
分を溶融させて未焼成層2を焼き付けると共に絵柄画像
を焼付け、これにて本発明による施釉絵付けを終了す
る。
【0012】このように、本発明によれば、素焼物に施
釉と絵付けとを一回の焼成で行なうことができ、転写絵
付け用シートを未焼成釉薬組成物層を拭い取ることなく
位置決めできるから、施釉不良の畏れなく所定の位置に
絵付けできる。
【0013】本発明において使用する樹脂分散乳状泥漿
釉薬組成物は、釉薬粉末と樹脂粒子を水に分散させたも
のであり、釉薬粉末には、SiO2、Al2O3、La
O、〔Na2O+K2O〕等の粉末を使用でき、樹脂には
水分散性樹脂、例えばスチレン−アクリル共重合物を使
用でき、沈降分離防止のために界面活性剤、例えば、非
イオン系界面活性剤としてポリエチレンオキシド付加物
を添加することができる。この樹脂分散乳状泥漿釉薬組
成物の塗工には、刷毛塗り、ローラコーティング、デイ
ップコーティング、スピンコーティング、メッシュコー
ティング等を使用できる。この樹脂分散乳状泥漿釉薬組
成物の固形分濃度は、塗工法に応じ適宜設定されるが、
通常30〜60重量%とされる。この樹脂分散乳状泥漿
釉薬組成物の樹脂量が多過になると施釉の厚みが不足
し、樹脂量が不足すると上記転写絵付け用シート位置決
め時の未焼成層の拭い取り防止を満足に行ない難いの
で、釉薬粉体/樹脂の重量割合は通常(8〜5)/(2
〜5)とされる。
【0014】図2は、請求項3の施釉絵付け法に使用す
る絵付け転写原紙の一例を示す断面図である。図2にお
いて、300は台紙を示し、基紙31の片面に水湿潤性
糊層32、例えばデキストリン乃至は澱粉、メチルセル
ロース、ポリビニルアルコール等の塗布層を設けてあ
り、基紙31と水湿潤性糊層32との間に必要に応じ中
間層、例えば基紙11に対する目詰め平坦化層を設ける
こともできる。33は台紙300の糊層32上に設けて
なる釉薬粉体と樹脂とを含む組成物の介在層であり、釉
薬粉体と樹脂と水とを混合した水性乳状泥漿物の塗布・
乾燥により形成してある。34は介在層33上に形成し
た絵柄画像印刷層であり、スクリーン印刷やオフセット
印刷等により形成することができる。35は絵柄画像印
刷層34上に設けたオーバーコート層であり、釉薬粉体
を添加した樹脂溶液の塗布・乾燥により形成してある。
【0015】30は上記介在層33と絵柄画像印刷層3
4とオーバーコート層35とから成る転写絵付け用シー
トを示している。
【0016】上記介在層33に使用する水性乳状泥漿物
中の樹脂には、水溶性アクリル樹脂や水溶性ポリエステ
ル樹脂等の水溶性樹脂、例えばスチレン−アクリル共重
合物の外、ポリエチレンオキシド付加物等の界面活性剤
の添加によりコロイド状に分散される水分散性樹脂を使
用できる。上記オーバーコート層35に使用する釉薬粉
体添加樹脂溶液には、通常のオーバーコート用樹脂溶
液、例えばアクリル樹脂溶液(溶剤溶液または水性溶
液)に釉薬粉体を添加したものを使用できる。これらの
水性乳状泥漿物または樹脂溶液に配合する釉薬粉体とし
ては、前記したSiO2、Al2O3、LaO、〔Na2O
+K2O〕等の粉末を使用できる。
【0017】上記介在層33及びオーバーコート層35
の塗工には、ローラコーティング、デイップコーティン
グ、スピンコーティング、刷毛塗り、メッシュコーティ
ング等を使用できる。
【0018】上記絵柄画像印刷層34の印刷に使用され
る液状インキにおいては、顔料、ガラスフリット、溶剤
と溶剤に溶解される樹脂とからなるビヒクル等が主成分
とされる。ガラスフリットは、絵柄画像を釉薬に定着さ
せるために用いられ、釉薬粉末にほぼ等しい融点のもの
が使用される。顔料としては、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、セレン、チタン、モリブデン、クロム、マンガ
ン等の酸化物、金やロジウム等の貴金属コロイド、セレ
ンガドミウム等の無機顔料を用いることができる。この
印刷インキには、介在層33中の水溶性樹脂のためにに
じまされることがないように油性インキを使用すること
が好ましく、その溶剤には、例えば沸点300℃〜40
0℃の石油系溶剤を、樹脂には、例えばアクリル樹脂、
セルロ−ズ系樹脂、ブチラ−ル樹脂、アルキッド樹脂、
エポキシ樹脂、ビニ−ル系樹脂等を使用できる。
【0019】上記絵柄画像の形成は、液状インキを使用
してのスクリ−ン印刷、グラビア印刷等により行なうこ
とが適切であるが、粉末インキを使用してのスクリ−ン
電気印刷、トナ−を使用しての電子写真等により行うこ
とも可能である。粉末インキには、顔料とガラスフリッ
トと樹脂との混合物の粉末を使用できる。この粉末イン
キ中の樹脂は、印刷絵柄画像を100℃前後の加熱温度
で上記介在層に定着させるために使用され、軟化点65
℃〜80℃、流動開始温度85℃〜130℃の、例え
ば、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリエチレン
系、ポリアミド系、エポキシ系、テルペン系樹脂等を使
用できる。また、トナ−には、汎用のトナ−に顔料及び
ガラスフリットを含有させたものを用いることができ、
電荷調節のために必要に応じ、含金アゾ系顔料や染料、
有機硼酸塩類、第4級アンモニウム塩類等を添加でき
る。
【0020】上記絵柄画像には、絵、模様の外、文字、
記号等も含まれる。絵付け対象としては、陶磁器、タイ
ル、石製品等の耐熱性製品を挙げることができる。
【0021】上記転写絵付け原紙を使用して請求項3記
載の発明により施釉絵付けを行なうには、図3の(イ)
に示すように、素焼物1の表面に前記と同様に樹脂分散
乳状泥漿釉薬組成物を塗布して樹脂含有釉薬未焼成層2
を形成しておき、而るのち、図2の転写絵付け原紙を水
で濡らし水湿潤性糊層を湿潤させて基紙を剥離し、図2
の(ロ)に示すように、転写用紙本体30を水湿潤性糊
層32において素焼物1表面の樹脂含有釉薬未焼成層2
に貼り付ける。この場合、水で濡らして基紙を剥離し転
写絵付け用シート30とした際、介在層33が湿潤され
るが、オーバーコート層35が耐水性を呈し有効な支持
体として機能するから、介在層33及び絵柄画像印刷層
34を安定に保持でき、転写用紙本体30の樹脂含有釉
薬未焼成層2への貼り付けをスムーズに行なうことがで
きる。このようにして、転写絵付け用シート30を樹脂
含有釉薬未焼成層2に貼り付けたのちは、電気炉等の加
熱炉で釉薬の焼成温度である約1300℃に加熱し、糊
層32を分解ガス化させ、樹脂含有釉薬未焼成層2、介
在層33、絵柄画像印刷層34、オーバーコート層35
を溶融させ、また図3の(ハ)に示すように、各層2、
33、34、35中の樹脂や油脂を分解ガス化させせて
焼成し、しかる後、加熱炉から取り出して徐冷し、これ
にて本発明に係る施釉絵付け方法を終了する。
【0022】上記の焼成時に、樹脂含有釉薬未焼成層
2、介在層33、絵柄画像印刷層34、オーバーコート
層35が溶融されて各層中の釉薬粉体が粉末固相から液
相に変化され、また各層2、33、34、35中の樹脂
や油脂が分解ガス化されて放出されるから、各層にいわ
ゆる”ちぢみ”が発生し、また、相溶性の如何により、
絵柄画像印刷層34中の顔料が介在層33やオーバーコ
ート層35に移行拡散しようとする。而るに、絵柄画像
印刷層34と介在層33との”ちぢみ”の差及び絵柄画
像印刷層34とオーバーコート層35との”ちぢみ”の
差が大きかったり、絵柄画像印刷層34中の顔料の介在
層33やオーバーコート層35への移行拡散性が高いと
きは、絵柄画像の絵流れ乃至は絵崩れが発生するに至
る。
【0023】しかしながら、請求項3に係る施釉絵付け
方法によれば、後述の実施例からも確認できるように、
絵流れや絵崩れをよく防止でき、絵柄画像の鮮明度を良
好に保持できる。その理由は、絵柄画像印刷層34の内
側に接触させた、釉薬粉体と樹脂とを含む組成物の介在
層33と当該絵柄画像印刷層34とのちぢみの差及び相
互拡散性が小さく、かつ絵柄画像印刷層34の外側に接
触させた、釉薬粉体と樹脂とを含む組成物のオーバーコ
ート層35と当該絵柄画像印刷層34とのちぢみの差及
び相互拡散性が小さいことに基づくものと推定される。
【0024】後述の比較例から明らかなように、上記介
在層33を省略して絵柄画像印刷層34を素焼物表面の
釉薬未焼成層に直接に接触させた場合、絵流れ乃至は絵
崩れが発生したが、これらは絵柄画像印刷層と釉薬未焼
成層との大きな”ちぢみ”の差及び絵柄画像印刷層とオ
ーバーコート層との大きな”ちぢみ”の差と絵柄画像印
刷層の顔料の釉薬層及びオーバーコート層への相当の移
行拡散に起因するものと推定される。
【0025】請求項3記載の発明によれば、焼成釉薬層
に絵柄画像を沈め込ませたイングレイズの絵付けを一回
の焼成で行なうことができ、その絵柄画像の鮮明性を保
証できる。
【0026】上記絵柄画像の印刷インキの固形分組成
は、通常、ガラスフリット0重量%〜50重量%、顔料
10重量%〜90重量%、ビヒクル固形分10重量%〜
50重量%とされる。また、介在層の組成は、上記した
絵流れ乃至は絵崩れを有効に防止できるように設定さ
れ、通常、釉薬粉体/樹脂の重量比が(10〜20)/
(3〜8)とされる。この組成の乳状泥漿物としては、
通常固形分濃度60〜75重量%のものが使用される。
上記の絵付け転写原紙において、オーバーコート層に使
用する組成物の釉薬粉体/樹脂の割合は、上記した絵流
れ乃至は絵崩れの抑制の外、支持体及び定着絵柄画像上
の釉焼厚みの点を勘案して設定され(樹脂の割合が少な
くなると支持体強度が不足するようになる。また、釉薬
粉体の割合が少なくなると定着絵柄画像上の釉焼厚みが
不足し、イングレイズに不利となる)、釉薬粉体/樹脂
の重量比が(10〜15)/(4〜6)とされる。この
組成の釉薬粉体添加樹脂溶液としては、通常固形分濃度
60〜75重量%の溶剤溶液または水溶液が使用され
る。
【0027】
【実施例】〔実施例〕樹脂分散乳状泥漿釉薬組成物とし
て、釉薬にスチレン−アクリル共重合物を添加した、固
形分濃度38重量%、釉薬(溶融開始温度ほぼ1100
℃)/ スチレン−アクリル共重合物 の固形
分重量割合7/3の混合物に非イオン界面活性剤ポリエ
チレンオキシド付加物を0.5重量%添加してなる水分
散液を調製した。また、介在層に使用する水性乳状泥漿
物として、釉薬にスチレン−アクリル共重合物を添加し
た、固形分濃度65重量%、釉薬(溶融開始温度ほぼ1
100℃)/スチレン−アクリル共重合物の固形分重量
割合15/5の水性液を調製し、オーバーコート層に使
用する釉薬粉体添加樹脂溶液として、固形分濃度70重
量%、釉薬粉体(溶融開始温度ほぼ1100℃)/アク
リル樹脂の重量割合が12/5の溶剤溶液を調製した。
印刷インキには、ガラスフリット/顔料/ビヒクル固形
分の重量割合が30/40/30の油性インキを使用し
た。台紙の澱粉糊層上に、前記乳状泥漿物を塗布乾燥し
て介在層を設け、この介在層に前記油性インキで菊絵柄
をスクリーン印刷し、この印刷層上に前記乳状泥漿物を
塗布乾燥してオーバーコート層を設けることにより絵付
け転写原紙を製作した。素焼きタイル上に前記の樹脂分
散乳状泥漿釉薬組成物を塗布しておき、前記絵付け転写
原紙を水で濡らし台紙を剥離し、転写絵付け用シートを
糊層面において前記の樹脂含有釉薬未焼成層に位置決め
移動させつつ貼り付けた。位置決め移動にもかかわら
ず、樹脂分散乳状泥漿釉薬塗布層の拭い取りは観られな
かった。ついで電気炉により、ほぼ1300℃で焼成し
た。焼成品(50箇)の外観を観察したところ、施釉に
部分的薄厚個所の発生はなく、菊絵柄が元の鮮明性のま
までイングレイズ焼成されていた。
【0028】〔比較例1〕実施例に対し樹脂分散乳状泥
漿釉薬組成物の塗布に代え、樹脂を添加していない通常
の釉薬を素焼きタイル上に塗布した以外、実施例に同じ
とした。この未焼成釉薬塗布層面で転写絵付け用シート
を移動させると、塗布層が拭い取られた。従って、転写
絵付け用シートの位置決め移動を行なった場合は、施釉
不良が生じた。
【0029】〔比較例2〕比較例1に対し、介在層を省
略して絵柄画像印刷層を素焼タイル表面の通常の釉薬未
焼成層に直接に接触させ、他は実施例に同じとした。焼
成品(50箇)の絵柄画像を観察したところ、菊絵柄の
崩れが認められた。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る施釉絵付け方法によれば、
一回の焼成で施釉不良なく施釉と絵付けを行なうことが
できる。特に、請求項3の施釉絵付け方法によれば、菊
絵柄のような複雑な絵柄でも、一回の焼成で施釉不良な
く鮮明なイングレイズ焼成の絵付けを行なうことができ
る。また、本発明に係る絵付け方法によれば、一回の焼
成で鮮明なイングレイズ焼成の施釉絵付けを行なうこと
ができる他、同時に素焼物を釉焼できる。従って、本発
明によれば、素焼物の釉施絵付け作業の工数の減少、釉
施絵付け品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る施釉絵付け方法を示す図面であ
る。
【図2】請求項3記載の施釉絵付け方法において使用す
る転写絵付け原紙を示す図面である。
【図3】請求項3記載の従来の施釉絵付け方法を示す図
面である。
【図4】従来の転写絵付け方法を示す図面である。
【符号の説明】
1 素焼物 2 樹脂分散乳状泥漿釉薬組成物の未焼成層 3 転写絵付け原紙 31 基紙 32 水湿潤性糊層 300 台紙 30 転写絵付け用シート 33 介在層 34 絵柄画像印刷層 35 オーバーコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 直浩 佐賀県神埼郡三田川町大字吉田2307番地の 2 九州日東電工株式会社内 (72)発明者 久保田 剛 佐賀県西松浦郡西有田町曲川丙1050−1 有限会社久保田稔製陶所内 Fターム(参考) 3B005 EB01 EB09 FA03 FB11 FB61

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素焼物の表面に乳状泥漿釉薬組成物を塗布
    して未焼成層を形成しておき、台紙に水湿潤性糊層を介
    して積層した転写絵付け用シートを水湿潤下で台紙より
    剥離して上記の未焼成層に貼り付け、而るのち、焼成し
    て未焼成層を焼成すると共に転写絵付け用シートを焼き
    付ける方法であり、上記の乳状泥漿釉薬組成物に水分散
    性樹脂を添加することを特徴とする陶磁器等の施釉絵付
    け方法。
  2. 【請求項2】水分散性樹脂と共に界面活性剤を添加する
    請求項1記載の陶磁器等の施釉絵付け方法。
  3. 【請求項3】転写絵付け用シートとして、台紙の水湿潤
    性糊層に接する介在層と該介在層上の絵柄画像印刷層と
    該印刷層上のオーバーコート層とからなり、前記介在層
    を釉薬粉体と合成樹脂を含む組成物から形成し、オーバ
    ーコート層を釉薬粉体含有樹脂により形成した絵付け用
    シートを使用する請求項1または2記載の陶磁器等の施
    釉絵付け方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005314203A (ja) * 2004-04-01 2005-11-10 Narumi China Corp 耐衝撃性陶磁器
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CN114228377A (zh) * 2021-12-07 2022-03-25 深圳市七彩珐琅科技有限公司 一种金属制品珐琅工艺

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