JP2002166262A - 有機ハロゲン化合物を含有する土壌及び灰の処理方法 - Google Patents
有機ハロゲン化合物を含有する土壌及び灰の処理方法Info
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Abstract
シン類やその前駆体となる芳香族有機ハロゲン化合物
や、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等の脂肪族有
機ハロゲン化合物を効率的に分解処理する方法を提供す
るものである。 【解決手段】 有機ハロゲン化合物を含有する土壌又は
灰と有機ハロゲン化合物分解触媒とを混合し、加熱処理
するにあたり、前記有機ハロゲン化合物分解触媒とし
て、リン含有量が0.02重量%以下であって、硫黄含
有量が0.3重量%以下であって、ナトリウム含有量が
0.3重量%以下である平均粒径が0.01〜2.0μ
mの鉄化合物粒子粉末とアミン化合物との複合触媒であ
り、該複合触媒の見掛け密度(ρa)が0.8g/ml
以下であって、且つ、モノクロロベンゼンに対して特定
の分解活性を有する複合触媒を用いる処理方法である。
Description
まれるダイオキシン類やその前駆体となる芳香族有機ハ
ロゲン化合物や、トリクロロエチレン、ジクロロメタン
等の脂肪族有機ハロゲン化合物を効率的に分解処理する
方法を提供するものである。
却炉から発生する排ガスや飛灰、主灰中には、微量では
あるが人体に対して極めて強い毒性を持つ芳香族ハロゲ
ン化合物であるダイオキシン類が含まれている。ダイオ
キシン類は、ジベンゾ−p−ジオキシン、ジベンゾフラ
ンなどの水素を塩素で置換した化合物の総称である。
エチレンなどの脂肪族有機ハロゲン化合物は、金属の脱
脂用途、ドライクリーニング用途などに幅広く用いられ
ている。
ある上に発癌性物質であるために、大気中への排出、あ
るいは地下水、土壌などの汚染による環境問題は深刻に
なっている。特に、ごみ焼却炉から排出される灰や汚染
された土壌は有機ハロゲン化合物の含有量が高いため、
有機ハロゲン化合物の分解・無害化が必要とされてい
る。しかし、これら有機ハロゲン化合物の除去方法につ
いては、様々な提案がなされているが、経済的で、効率
的な分解、無害化技術は未だ十分に確立されていない。
ン化合物の分解、無害化についての技術としては、様々
な報告がされている。例えば、酸化鉄等の触媒の存在下
200〜550℃で加熱することにより少なくとも炭素
原子5個以上を有するポリハロゲン化芳香族化合物を分
解する方法(特公平6−38863号公報)、酸化鉄を
含む触媒の存在下で300〜700℃の温度で熱処理し
て排ガスからハロゲン化芳香族化合物等を除去又は減少
させる方法(特開平2−280816号公報)、焼却炉
の排ガスの煙道などにアミン化合物を担持した活性炭を
含むダイオキシン類の放出防止材を注入する方法(特開
平11−9960号公報)、処理灰類と脱塩素剤とを混
合して加熱処理する方法(特開平11−19616)、
酸化鉄等及び/又は二酸化チタンをベースとする固体触
媒を用いて酸素存在下で有機ハロゲン化合物を分解させ
る方法(特開平11−188235号公報、特開平11
−188236号公報)、固体状廃棄物に亜リン酸類及
び/又は次亜リン酸類とアルミニウム化合物及び/又は
チタン化合物とを添加して加熱処理する方法(特開平1
1−290824号公報)等が知られている。
媒及び該鉄化合物触媒を焼却炉の燃焼室に噴霧添加し
て、ダイオキシン発生を抑制する方法(特開平11−2
67507号公報)が知られている。
含まれる有機ハロゲン化合物を分解・無害化する処理方
法は現在最も要求されているところであるが、前出各公
報記載の方法は未だ十分なものとは言い難いものであ
る。
法は、焼却炉で発生したフライアッシュ、または、固体
中のポリハロゲン化化合物を非通り抜け系、閉鎖系の装
置で、酸素欠乏雰囲気、または、不活性ガス雰囲気にお
いてフライアッシュや金属、酸化鉄を含む金属酸化物、
炭酸塩、ケイ酸塩等を触媒として用いて、分解するもの
であるが、処理する雰囲気を閉鎖系、または、不活性ガ
ス雰囲気に特定していることから、装置の大型化、高気
密化、高額化と設備維持コストが高く工業的に満足でき
るものとは言い難い。
法は、焼却灰、飛灰などとアルカリ物質からなる脱塩剤
とを混合した後、加熱処理するものであるが、被処理物
を加熱して発生した塩素系ガスとアルカリ物質とを接触
させる必要があることから、塩素系ガスを発生させるた
めに被処理物を高温で加熱する必要があり、有機ハロゲ
ン化合物を直接、分解・無害化するものではなく、ダイ
オキシン類の無害化については十分とは言い難いもので
ある。
は、ダイオキシン類を含む排ガス中にアミン担持活性炭
を注入し、活性炭の吸着作用によりダイオキシン類を活
性炭に吸着し、アミン化合物と反応してダイオキシン類
を分解するものであって、ダイオキシン類の吸着機能は
高いが分解機能は十分でなく、さらに活性炭によるダイ
オキシン類の生成も十分に抑制することができない。ま
た、活性炭は高温域では発火する危険性を持ち併せてお
り、安全面でも懸念が残る。
特開平11−188236号公報に記載の方法は、酸化
鉄等及び/又は二酸化チタンをベースとする固体触媒を
用いて、ガス中の有機ハロゲン化合物を酸素存在下で分
解させる方法であって、ガス中の有機ハロゲン化合物を
対象としており、固体中に含有している有機ハロゲン化
合物を分解するためには、十分とは言い難いものであ
る。
方法は、亜リン酸類及び次亜リン酸類を含有する処理剤
を用いるものであるが、後出比較例に示す通り、ダイオ
キシン類の分解率が悪く、ダイオキシン類を十分に分解
できるとは言い難いものである。
報に記載している触媒を用いて、土壌又は灰中に含有す
るダイオキシン類の含有量を低減することはできるが、
後出参考例に示す通り、未だ十分とは言い難いものであ
る。
るダイオキシン類、その前駆体となる芳香族有機ハロゲ
ン化合物や、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等の
脂肪族有機ハロゲン化合物の分解において、ガス雰囲気
を限定せず、簡便な装置で効率的に処理する方法を提供
することを技術的課題とする。
通りの本発明により達成できる。
を含有する土壌又は灰と有機ハロゲン化合物分解触媒と
を混合し、加熱処理するにあたり、前記有機ハロゲン化
合物分解触媒として、リン含有量が0.02重量%以下
であって、硫黄含有量が0.3重量%以下であって、ナ
トリウム含有量が0.3重量%以下である平均粒径が
0.01〜2.0μmの鉄化合物粒子粉末とアミン化合
物との複合触媒であり、該複合触媒の見掛け密度(ρ
a)が0.8g/ml以下であって、且つ、前記鉄化合
物粒子粉末を空気中にて300℃で、60分間熱処理し
て得られた酸化鉄粉末と上記アミン化合物との複合物5
0mgをパルス式触媒反応装置を用いて不活性ガス雰囲
気中にて5.0×10−7molのモノクロロベンゼン
と300℃の温度においてSV=150000h−1の
条件で瞬時に接触させた場合に、上記モノクロロベンゼ
ンの50%以上を分解できる活性を有する複合触媒を用
いることを特徴とする有機ハロゲン化合物を含有する土
壌及び灰の処理方法である。
行うことを特徴とする前記有機ハロゲン化合物を含有す
る土壌及び灰の処理方法である。
りである。
分解触媒について述べる。
媒は、鉄化合物粒子粉末とアミン化合物の複合触媒であ
る。
径は、0.01〜2.0μm、好ましくは、0.02〜
2.0μm、より好ましくは0.02〜1.0μmであ
る。
を超える場合には、得られた分解触媒と有機ハロゲン化
合物との接触効率が低下して充分な有機ハロゲン化合物
分解活性を発現しない。0.01μm以下の鉄化合物粒
子粉末は、工業的に量産が困難であること及び粒子間で
の凝集力が大きくなり凝集体の粉砕に大きなエネルギー
を必要とすることから実施が困難である。
比表面積値は、通常、0.2〜200m2/g、好まし
くは1.0〜200m2/g、より好ましくは2.0〜
150m2/gである。
タイト、アカゲナイト、レピドクロサイト等の含水酸化
鉄粒子粉末、ヘマタイト、マグヘマイト、マグネタイト
等の酸化鉄粒子粉末の1種又は2種以上からなる。好ま
しくは、ゲータイト、ヘマタイト、マグネタイトであ
り、より好ましくは、ゲータイト、ヘマタイトである。
状は、球状、立方体状、八面体状、六面体状、多面体状
等の粒状粒子及び針状、紡錘状、米粒状等の針状粒子の
いずれであってもよく、好ましくは、紡錘状又は針状で
ある。
含有量が0.02重量%以下、好ましくは0.01重量
%以下、より好ましくは0.005重量%以下である。
0.02重量%を超える場合には、このリンが触媒毒と
して働くため、得られる分解触媒の有機ハロゲン化合物
の分解活性が低下する。
含有量が0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下、より好ましくは0.07重量%以下である。0.3
重量%を超える場合には、この硫黄が触媒毒として働く
ため、得られる分解触媒の有機ハロゲン化合物の分解活
性が低下する。
リウム含有量が0.3重量%以下、好ましくは0.2重
量%以下、より好ましくは0.15重量%以下である。
0.3重量%を超える場合には、このナトリウムが触媒
毒として働くため、得られる分解触媒の有機ハロゲン化
合物の分解活性が低下する。
含有量、硫黄化合物含有量及びナトリウム含有量の合計
含有量が0.5重量%以下が好ましく、より好ましくは
0.3重量%以下、更により好ましくは0.2重量%以
下である。0.5重量%を超える場合には、得られる分
解触媒の有機ハロゲン化合物の分解活性が低下する。
中にて300℃、60分間熱処理して得られた酸化鉄粉
末50mgを、パルス式触媒反応装置を用いて、5.0
×10−7molのモノクロロベンゼンと、300℃の
温度の不活性ガス雰囲気中にて、SV=150000h
−1の条件で瞬時に接触させた場合に、該モノクロロベ
ンゼンの20%以上を分解できる活性を有する。
満の鉄化合物粒子粉末を用いて得られる分解触媒では、
本発明の目的とする効果が得られない。好ましくは25
%以上、より好ましくは30%以上である。
ントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアルキルア
ミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の
アルカノールアミン、アニリン等の環式アミンなどの1
種又は2種以上を用いることができる。
50℃以上のものが好ましい。アミン化合物の沸点が1
50℃未満であると、有機ハロゲン化合物との処理時に
揮発しやすく、得られる分解触媒は本発明の目的とする
効果が得られない。
媒の粒子形状、粒子径及びリン、硫黄及びナトリウム等
の不純物含有量は、用いる鉄化合物粒子粉末の粒子形
状、粒子径及び不純物含有量をほぼ保持している。
分解触媒の平均粒子径は、0.01〜2.0μm、好ま
しくは0.02〜2.0μm、より好ましくは0.02
〜1.0μmである。
分解触媒は、リン含有量が0.02重量%以下、好まし
くは0.01重量%以下、より好ましくは0.005重
量%以下である。0.02重量%を超える場合には、こ
のリンが触媒毒として働くため、得られる分解触媒の有
機ハロゲン化合物の分解活性が低下する。
媒は、硫黄含有量が0.3重量%以下、好ましくは0.
1重量%以下、より好ましくは0.07重量%以下であ
る。0.3重量%を超える場合には、この硫黄が触媒毒
として働くため、得られる分解触媒の有機ハロゲン化合
物の分解活性が低下する。
媒は、ナトリウム含有量が0.3重量%以下、好ましく
は0.2重量%以下、より好ましくは0.15重量%以
下である。0.3重量%を超える場合には、このナトリ
ウムが触媒毒として働くため、得られる分解触媒の有機
ハロゲン化合物の分解活性が低下する。
媒の見掛け密度(ρa)は0.8g/ml以下、好まし
くは0.6g/ml以下である。見掛け密度(ρa)が
0.8g/mlを越える場合には、凝集体の粉砕が十分
でないことを意味し、被処理物との密接な混合が困難と
なる。
媒のBET比表面積値は、0.2〜200m2/gが好
ましく、1.0〜200m2/g、より好ましくは2.
0〜150m2/gである。
合物粒子粉末とアミン化合物との混合割合は、鉄化合物
粒子粉末に対してアミン化合物は0.01〜10重量部
が好ましく、より好ましくは0.05〜5.0重量部で
ある。0.01重量部以下の場合には、複合触媒中のア
ミン化合物の含有量が少ないことにより有機ハロゲン化
合物分解の促進効果が小さくなることがあり、10重量
部以上の場合には、分解触媒中の鉄化合物粒子粉末の割
合が減少することによって有機ハロゲン化合物の分解活
性を低下させる。
媒は、前記鉄化合物粒子粉末を空気中にて300℃、6
0分間熱処理して得られた酸化鉄粉末と前記アミン化合
物とを前記所定の割合で複合化した複合物50mgを、
パルス式触媒反応装置を用いて、5.0×10−7mo
lのモノクロロベンゼンと、300℃の温度の不活性ガ
ス雰囲気中にて、SV=150000h−1の条件で瞬
時に接触させた場合に、該モノクロロベンゼンの50%
以上を分解できる活性を有する。好ましくは55%以
上、更に好ましくは60%以上のモノクロロベンゼンを
分解する活性を有する。なお、鉄化合物粒子粉末とアミ
ン化合物との複合触媒である本発明における有機ハロゲ
ン化合物分解触媒を300℃、60分間熱処理して得ら
れた複合物50mgを、パルス式触媒反応装置を用い
て、5.0×10−7molのモノクロロベンゼンと、
300℃の温度の不活性ガス雰囲気中にて、SV=15
0000h−1の条件で瞬時に接触させた場合にも前記
と同様の触媒活性を有しており、モノクロロベンゼンの
50%以上を分解できる活性を有し、好ましくは55%
以上、更に好ましくは60%以上のモノクロロベンゼン
を分解する活性を有する。
媒の上記測定法による分解活性が50%未満の場合に
は、効果的に有機ハロゲン化合物を分解することができ
ない。
ン化合物の代表的なものであり、またダイオキシン類の
前駆体と言われており、モノクロロベンゼンを分解する
活性を有することは、ダイオキシンをはじめとする有機
ハロゲン化合物を分解する活性を有することの指標とな
る。尚、モノクロロベンゼンの分解率は下記数1で示し
た値である。
応後モノクロロベンゼン検出量/モノクロロベンゼン注
入量)]×100
分解触媒の製造法について述べる。
製造方法について述べる。
針状、紡錘状及び米粒状のゲータイト粒子粉末や粒状マ
グネタイト粒子粉末の製造法としては、例えば、第一鉄
塩と、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ又はアンモニアか
ら選ばれる1種又は2種以上とを用いて反応して得られ
る鉄の水酸化物や炭酸鉄等の第一鉄含有沈殿物を含む懸
濁液中に空気等の酸素含有ガスを通気することにより得
ることができる。
ヘマタイト粒子粉末は、例えば、前記ゲータイト粒子粉
末又は前記マグネタイト粒子粉末を空気中200〜80
0℃の温度範囲で加熱脱水、加熱処理を行って得ること
ができ、マグネタイト粉末は、例えば、前記ゲータイト
粒子粉末又は前記ヘマタイト粒子粉末を還元性雰囲気
下、300〜600℃で加熱還元して得られる。マグヘ
マイト粒子粉末は、例えば、前記マグネタイト粒子粉末
を空気中200〜600℃で加熱酸化して得ることがで
きる。
は、触媒毒となるリン、硫黄及びナトリウムの含有量が
所定量以下となるようにすることが必要である。具体的
には、第一鉄塩溶液としては、触媒毒となるリン、硫黄
等の含有量が少ないものが好ましい。また、通常、加熱
焼成時の焼結防止処理に用いられるヘキサメタリン酸ナ
トリウム等を使用せず、第一鉄原料等に由来する硫酸イ
オンやアルカリ等に由来するナトリウムイオンについて
は充分な水洗等の精製処理を行うことによりリン、硫黄
及びナトリウムの含有量の低減を図ることが好ましい。
ときの見掛け密度を低減するために、あらかじめ凝集を
解きほぐしておいてもよい。
処理は、鉄化合物粒子粉末とアミン化合物とをサンドミ
ル、ヘンシェルミキサー及びナウターミキサー等の混合
機、ファインミル、ピンミル等の粉砕機を用いて乾式混
合する。
の濡れ性を改善するために、水又はアルコール(例え
ば、エタノール、イソプロピルアルコール)等の溶媒を
存在させてもよい。溶媒を用いた場合は加熱又は減圧下
で溶媒を蒸発するのが望ましい。
圧5〜50kg/cmで15〜90分混合することが好
ましい。ヘンシェルミキサーを用いた場合には、10〜
100℃の温度範囲で、回転数500〜3000rpm
にて1〜30分混合することが好ましい。ナウターミキ
サーを用いた場合には、自転回転数25〜200rp
m、公転回転数1〜5rpmで15〜60分混合するこ
とが好ましい。ファインミル、ピンミルを用いた場合に
は、鉄化合物粒子粉末にアミン化合物を添加しながら回
転数1000〜10,000rpmで粉砕混合すること
が好ましい。
媒は、上記複合化処理によって、鉄化合物粒子粉末の粒
子表面の一部にアミン化合物が担持された形態となるこ
とが好ましい。
含有する土壌及び灰の処理方法ついて述べる。
化合物を含有する土壌又は灰と有機ハロゲン化合物分解
触媒とを混合した後、加熱処理する。
灰と有機ハロゲン化合物分解触媒とを混合する。混合の
方法は、サンドミル、ヘンシェルミキサー、コンクリー
トミキサー及びナウターミキサー等を用いた一般的な乾
式混合や、前記装置または、一軸および二軸式のニーダ
ー型混合器を用い、必要に応じて水を添加する半乾式混
合法などがある。また、前記混合品を圧縮法等で成型
し、有機ハロゲン化合物分解触媒と灰や土壌等の被処理
物の接触を高めることも有効である。
被処理物100重量部に対して0.1〜100重量部が
好ましく、より好ましくは1.0〜50重量部、さら
に、好ましくは1.0〜30重量部である。0.1重量
部未満の場合には、本発明の目的とする効果が充分得ら
れない。100重量部を超える場合には、効果が飽和す
るので必要以上に添加する意味がない。
等の酸素含有気体雰囲気下、不活性ガス雰囲気、密閉容
器内等、特に限定されるものではないが、酸素含有気体
の流通下においては酸化分解をより高めることができる
ためより好ましい。
よいが、150〜600℃が好ましく、より好ましくは
200〜400℃である。150℃未満では有機ハロゲ
ン化合物分解触媒の分解活性が低く、また、600℃以
上に加熱した場合は、有機ハロゲン化合物の分解は可能
であるが、加熱に要するエネルギーに見合った有機ハロ
ゲン化合物の分解効果は得られない。
バッチ式のロータリーキルン、多段式炉やバッチ連続式
のプッシャー炉等を用いることができるが、連続式又は
バッチ式のロータリーキルン又は多段式炉が好ましい。
て、土壌又は灰中の有機ハロゲン化合物を処理前の20
%以下、好ましくは17%以下、より好ましくは10%
以下にすることができる。
下の通りである。
は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。
また、比表面積はBET法により測定し、見掛け密度
(ρa)はJIS K5101で定められた方法により
測定した値で示した。
るリン、ナトリウムの含有量は、誘導結合プラズマ原子
発光分光光度計 SPS‐4000(セイコー電子工業
(株)製)で測定した値で示した。
る硫黄の含有量は、炭素−硫黄分析計 EMIA−22
00型((株)堀場製作所製)によって測定した値で示
した。
を空気中にて、300℃で60分間熱処理して得られる
酸化鉄粒子粉末とアミン化合物との複合物50mgをパ
ルス式触媒反応装置を用いて不活性ガス雰囲気中にて
5.0×10−7molのモノクロロベンゼンと300
℃の温度においてSV=150000h−1の条件で瞬
時に接触させた場合に分解する該モノクロロベンゼン量
を測定して示した。
クター部とガスクロマトグラフィー質量分析計部からな
り、ガスクロマトグラフィー質量分析計部は、ガスクロ
マトグラフィー質量分析計 GC/MSQP−5050
((株)島津製作所製)である。
(R.J.Kobes,et alJ.Am.Che
m.Soc.,77,5860(1955))や、日本
化学会編「実験化学講座11 反応と速度」(丸善、東
京(1993))を参考にして行った。
として、紡錘状ゲータイト粒子粉末(平均粒径0.25
μm、リン含有量0.002重量%、硫黄含有量0.0
5重量%、ナトリウム含有量0.08重量%、BET比
表面積85m2/g)を用いた。前記ゲータイト粉末
は、所定の評価法による300℃におけるモノクロロベ
ンゼンの分解率は32%であった。
記ゲータイト粉末1.5kgとトリエタノールアミン7
5g(該ゲータイト粒子粉末に対して5.0wt%)を
一緒にヘンシェルミキサー(公称容量10リットル)中
で50℃にて乾式混合(1440rpm、5min)を
行い、5.0重量%のトリエタノールアミン(沸点36
0℃)を担持したゲータイト粒子粉末を得た。
粒子粉末は、平均粒径0.25μm、リン含有量0.0
02重量%、硫黄含有量0.05重量%、ナトリウム含
有量0.08重量%、BET比表面積78m2/g見掛
け密度が0.43g/ml、所定の評価法による300
℃におけるモノクロロベンゼンの分解率は88%であっ
た。
却施設の電気集じん器下の飛灰(ダイオキシン類濃度
6.9ng−TEQ/g)400gを被処理体として、
前記トリエタノールアミンを担持したゲータイト粒子粉
末4g(被処理体100重量部に対して1.0重量部)
を添加し、ヘンシェルミキサー(公称容量10リット
ル)で乾式混合(1440rpm、0.5min)し
た。次いで、得られた混合物を内容量11リットルのバ
ッチ式ロータリーキルンに移し、300℃、空気(3リ
ットル/分)流通下で60分間加熱処理を行った。
ン類の濃度測定は、厚生省告示第6号「灰中のダイオキ
シン類及びコプラナーPCBの測定方法」により実施し
た。その結果、ダイオキシン類濃度は0.32ng−T
EQ/gであり、処理前のダイオキシン類含有量に対し
て4.6%に相当する量まで減少していた。
又は灰の処理方法によって、土壌又は灰中の有機ハロゲ
ン化合物を効果的に、しかも、経済的に分解できるとい
う点である。
的に分解できる理由として本発明者は、有機ハロゲン化
合物分解触媒の触媒活性が高いこと及び有機ハロゲン化
合物分解触媒が土壌又は灰と十分に接触できることによ
るものと考えている。
活性については、鉄化合物自体の有機ハロゲン化合物の
分解能が優れていること、鉄化合物の表面に担持された
アミン化合物によって有機ハロゲン化合物の吸着反応が
促進されたこと及び鉄化合物とアミン化合物が接触して
いることによって、アミン化合物によって吸着された有
機ハロゲン化合物の分解反応が鉄化合物によって促進さ
れたものと考えている。また、アミン化合物は有機ハロ
ゲン化合物を吸着すると共に、有機ハロゲン化合物の脱
塩素反応も生じているものと考えている。
け密度が低いので、土壌又は灰の被処理物と容易に混合
することができ、緊密な接触状態を保つことができる。
解触媒の鉄化合物として鉄化合物1〜5を用意した。鉄
化合物の諸特性を表1に示す。なお、鉄化合物4は見掛
け密度ρaが0.98と大きい粉末である。
分解触媒として複合触媒1〜7を用意した。複合触媒9
については、鉄化合物の変わりに、それ自体には触媒活
性のないシリカゲルを用いた。複合触媒の諸特性を表2
に示す。複合触媒6については、ナウターミキサー(自
転30rpm、公転2rpm)を用いて鉄化合物4とア
ニリンとを5分間混合した。
類、複合触媒の種類、加熱処理の雰囲気、加熱温度及び
保持時間を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態
と同様にして灰中及び土壌中の有機ハロゲン化合物の分
解試験を行った。
果を表3に示す。なお、比較例2は触媒を用いることな
く加熱処理を行った。比較例5では、触媒として次亜リ
ン酸カルシウム(関東化学(株)製試薬、純度80%以
上)を用いて加熱処理を行った。また、表4に処理前の
灰の分析値及び表5に処理前の土壌の分析値を示す。
する土壌又は灰の処理方法は、ダイオキシン類やダイオ
キシン前駆体を効率よく分解することができるので、土
壌又は灰の処理方法として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 有機ハロゲン化合物を含有する土壌又は
灰と有機ハロゲン化合物分解触媒とを混合し、加熱処理
するにあたり、前記有機ハロゲン化合物分解触媒とし
て、リン含有量が0.02重量%以下であって、硫黄含
有量が0.3重量%以下であって、ナトリウム含有量が
0.3重量%以下である平均粒径が0.01〜2.0μ
mの鉄化合物粒子粉末とアミン化合物との複合触媒であ
り、該複合触媒の見掛け密度(ρa)が0.8g/ml
以下であって、且つ、前記鉄化合物粒子粉末を空気中に
て300℃で、60分間熱処理して得られた酸化鉄粉末
と上記アミン化合物との複合物50mgをパルス式触媒
反応装置を用いて不活性ガス雰囲気中にて5.0×10
−7molのモノクロロベンゼンと300℃の温度にお
いてSV=150000h−1の条件で瞬時に接触させ
た場合に、上記モノクロロベンゼンの50%以上を分解
できる活性を有する複合触媒を用いることを特徴とする
有機ハロゲン化合物を含有する土壌及び灰の処理方法。 - 【請求項2】 加熱処理を空気流通下で行うことを特徴
とする請求項1記載の有機ハロゲン化合物を含有する土
壌及び灰の処理方法。
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