JP2002165446A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP2002165446A
JP2002165446A JP2000354717A JP2000354717A JP2002165446A JP 2002165446 A JP2002165446 A JP 2002165446A JP 2000354717 A JP2000354717 A JP 2000354717A JP 2000354717 A JP2000354717 A JP 2000354717A JP 2002165446 A JP2002165446 A JP 2002165446A
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choke coil
load
circuit
secondary winding
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JP2000354717A
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Hiroto Terashi
裕人 寺師
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TDK Lambda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスの標準化を図りつつ、出力電圧が低
くなっても同一の出力電力を取り出す。 【解決手段】 チョークコイルD1〜D4とダイオード
D1〜D4で構成される4組の回路ユニットからなる4
逓倍電流整流回路を整流回路として組み込む。これによ
り、トランスTの二次巻線Nsから発生する電流Ioの
4倍の電流4Ioを負荷RLに供給する。n逓倍電流整
流回路を組み込めば、同一のトランスTで、負荷RLの
両端間の出力電圧VoをトランスTの両端間の電圧の1
/nにできる。しかもこの場合は、出力電圧Voがいく
ら低くても、出力電圧Voと出力電流nIoとの積であ
る出力電力Poは一定となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスの二次巻
線に誘起した電圧を整流回路によって整流し、負荷に供
給する電源装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図9は、この種の電源
装置の一例である降圧(Buck)型のフォワード式コ
ンバータであり、Eは直流電源、Tはトランスで、トラ
ンスTの一次巻線Npとスイッチング素子Q1との直列
回路が直流電源Eの両端間に接続される。また、トラン
スTの二次巻線Nsには整流ダイオードD1,フライホ
ィールダイオードD2からなる整流回路と、チョークコ
イルL1および平滑コンデンサCoからなる平滑回路が
それぞれ接続される。そして、直流出力電圧Voが発生
する平滑コンデンサCoの両端間には負荷RLが接続さ
れる。
【0003】上記構成において、スイッチング素子Q1
がオンすると、トランスTの二次巻線Nsのドット側端
子に正極性の電圧が誘起され、ダイオードD1はオンす
るとともに、ダイオードD2はオフし、二次巻線Nsか
らチョークコイルL1を経て平滑コンデンサCoおよび
負荷RLに電流が流れる。一方、スイッチング素子Q1
がオフすると、二次巻線Nsの非ドット側端子に正極性
の電圧が誘起され、ダイオードD1はオフするととも
に、ダイオードD2はオンし、チョークコイルL1のエ
ネルギーが出力側の平滑コンデンサCoや負荷RLに送
り出される。
【0004】上記回路構成において、トランスTの一次
巻線Npと二次巻線Nsとの巻線比をn:1とし、トラン
ジスタQ1のデューティーをDとすると、出力電圧Vo
は次の数式にて表わせる。
【0005】
【数1】
【0006】ここで理解しやすいように、前記トランジ
スタQ1のデューティーDが0.5であるとすると、上の
数1は次のように表わせる。
【0007】
【数2】
【0008】また、出力電力Poは、トランスTの二次
側を流れるパルス電流の波高値(正負)をIoとしたと
きに、次の数式にて表わせる。
【0009】
【数3】
【0010】一方、図10に示すような降圧型のセンタ
ータップ式コンバータも知られている。この図10の回
路は、トランスTの一次巻線Npの両端にスイッチング
素子Q1,Q2の一端を接続し、スイッチング素子Q
1,Q2の他端どうしを接続して、この接続点と前記一
次巻線Npのセンタータップ間に直流電源Eを接続す
る。また、トランスTの二次巻線Ns1,Ns2の一端に整
流ダイオードD1,D2のアノードをそれぞれ接続し、
整流ダイオードD1,D2のカソードどうしを接続し
て、この接続点と二次巻線Ns1,Ns2のセンタータップ
間にチョークコイルL1と平滑コンデンサCoを接続す
る。負荷RLはフォワード式コンバータと同様に、平滑
コンデンサCoの両端間に接続される。そして、スイッ
チング素子Q1,Q2は交互にオン・オフするようにな
っている。
【0011】この場合は、スイッチング素子Q1がオン
すると、二次巻線Ns1,Ns2のドット側端子に正極性の
電圧が誘起され、ダイオードD1はオンするとともに、
ダイオードD2はオフし、二次巻線Ns1からチョークコ
イルL1を経て平滑コンデンサCoおよび負荷RLに電
流が流れる。また、スイッチング素子Q2がオンする
と、二次巻線Ns1,Ns2の非ドット側端子に正極性の電
圧が誘起され、ダイオードD1はオフするとともに、ダ
イオードD2はオンし、二次巻線Ns2からチョークコイ
ルL1を経て平滑コンデンサCoおよび負荷RLに電流
が流れる。さらに、スイッチング素子Q1,Q2がどち
らもオフする期間中は、ダイオードD1,D2を通し
て、チョークコイルL1に蓄えられたエネルギーが出力
側の平滑コンデンサCoや負荷RLに送り出される。
【0012】上記回路構成において、トランスTの一次
巻線Npと二次巻線Ns1,Ns2との巻線比をn:1:1
とし、トランジスタQ1,Q2のデューティーDが0.5
であるとすると、出力電圧Voは次の数式にて表わせ
る。
【0013】
【数4】
【0014】また、出力電力Poは次の数式にて表わせ
る。
【0015】
【数5】
【0016】ところで、負荷であるコンピュータ機器の
電源電圧の低下に伴ない、大電流でしかも低電圧(例え
ば1.5Vや1V)の出力を取り出せる電源装置の要求が
近年高まっている。こうした低電圧電源の設計に関し、
従来のスイッチング電源装置では、トランスTの二次巻
線Ns1,Ns2のターン数を少なくして巻数比nを大きく
すればよいが、トランスTの結合係数が悪くなるのと、
トランスTの標準化の妨げになる(出力電圧Voが違っ
ても同じトランスTを使いたい)ことから、実際にはス
イッチング素子Q1,Q2への駆動信号のパルス導通幅
を制御するパルス幅制御(PWM)方式において、パル
スのオン時間すなわちデューティーDを狭めて所望の出
力電圧Voを得るようにしている。しかしこの場合は、
通常の電源装置の出力電圧(例えば5Vなど)と同一の
出力電流しか負荷RLに供給できないために、低電圧ほ
ど出力電力が低下する上に、トランスTの銅損が増える
という懸念を有していた。
【0017】また、従来のスイッチング電源装置では、
チョークコイルL1を通して出力電流が負荷RLに供給
されるため、負荷RLと並列に平滑コンデンサCoを接
続しないと、チョークコイルL1にエネルギーが蓄積・
放出されるのに伴なって発生する電流リップルを効果的
に抑制できない。
【0018】そこで本発明は上記問題点に鑑み、トラン
スの標準化を図りつつ、出力電圧が低くなっても同一の
出力電力を取り出すことができ、しかも平滑コンデンサ
を設けなくても出力電流のリップル分を激減することが
できるスイッチング電源装置を提供することをその目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のスイッ
チング電源装置は、前記目的を達成するために、トラン
スの二次巻線に誘起された電圧を整流回路を通して負荷
に供給する電源装置において、前記整流回路はチョーク
コイルとダイオードからなるn組の回路ユニットからな
り、前記二次巻線に正負の電圧が発生するのに伴なっ
て、一方の前記回路ユニット群を構成するチョークコイ
ルと、他方の前記回路ユニット群を構成するチョークコ
イルが交互に充放電を繰り返し、このチョークコイルの
放電電流を利用して、前記二次巻線から発生する電流の
n倍の電流を前記負荷に供給するn逓倍電流整流回路で
あることを特徴とする。
【0020】この場合、整流回路としてチョークコイル
D1〜DnとダイオードD1〜Dnで構成されるn組の
回路ユニットからなるn逓倍電流整流回路を組み込ん
で、トランスの二次巻線から発生する電流のn倍の電流
を負荷に供給すれば、同一のトランスで、負荷の両端間
の出力電圧をトランスの両端間の電圧の1/nにするこ
とができる。しかもこの場合は、逓倍数が高くなって出
力電圧がいくら低くなっても、出力電圧と出力電流との
積である出力電力は一定となり、従来例のような出力電
力の低下およびそれに伴なうトランスの銅損の増加を回
避できる。
【0021】また請求項2の発明の電源装置は、前記n
逓倍電流整流回路が、前記二次巻線の一端と前記負荷の
両端との間に接続した第1の回路と、前記二次巻線の他
端と前記負荷の両端との間に接続した第2の回路が、同
一の回路構成を有することを特徴とする。
【0022】このようにすると、第1および第2の回路
で対称な位置にあるチョークコイルを流れる電流が、そ
れぞれ交流的に逆相になって負荷を流れるため、負荷を
流れる出力電流はリップル分が相殺される。したがっ
て、出力電力を低下させることなく出力電圧の低電圧化
が達成できるだけでなく、平滑コンデンサを設けなくて
も出力電流のリップル分を激減できる。
【0023】また請求項3の発明の電源装置は、前記ト
ランスが圧電トランスであることを特徴とする。
【0024】トランスの二次巻線から見込んだn逓倍電
流整流回路のインピーダンスは、逓倍数の二乗で増加す
る。したがって、n逓倍電流整流回路をインピーダンス
変換回路としても利用できる。圧電トランスは高インピ
ーダンス負荷と相性がよいので、圧電トランスからn逓
倍電流整流回路を通して負荷に効率よく電力を供給でき
る。
【0025】
【発明の実施形態】以下、添付図面に基づき、本発明に
おけるスイッチング電源装置の各実施例を説明する。
【0026】図1〜図4は、本発明の第1実施例を示す
もので、Tは一次側と二次側とを絶縁するトランス、Q
1はスイッチング素子で、スイッチング素子Q1をスイ
ッチングすることにより、トランスTの一次巻線Npに
直流電源Eからの入力電圧Vinが断続的に印加されるの
は前述した通りである。また、トランスTの二次巻線N
sはセンタタップなどのない単巻線で構成される。
【0027】本実施例では、トランスTの二次巻線Ns
に誘起した電圧を整流する整流回路として、負荷RLに
流れる出力電流をトランスTの二次巻線Nsから発生す
る電流の4倍にする4逓倍電流整流回路1が設けられ
る。なお、Coは負荷RLと並列に接続する平滑コンデ
ンサである。
【0028】前記4逓倍電流整流回路1は、4個のチョ
ークコイルL1〜L4と、4個のダイオードD1〜D4
とにより構成される。具体的には、抵抗RLを流れる出
力電流のリップル分を相殺するために、二次巻線Nsの
一端(ドット側端子)と負荷RLの両端間にある第1の
回路11と、二次巻線Nsの他端(非ドット側端子)と負
荷RLの両端間にある第2の回路12は同一対称形で、い
わゆるダブルエンドで構成される。そして第1の回路11
は、二次巻線Nsの一端にチョークコイルL1の一端と
ダイオードD1のカソードを接続し、ダイオードD1の
アノードにダイオードD2のアノードとチョークコイル
L2の一端を接続し、チョークコイルL1,L2の他端
間に負荷RLを接続して構成される。また第2の回路12
は、二次巻線Nsの他端にチョークコイルL4の一端と
ダイオードD3のカソードを接続し、ダイオードD3の
アノードにダイオードD4のアノードとチョークコイル
L3の一端を接続し、チョークコイルL3,L4の他端
間に負荷RLを接続して構成される。なお、13,14は入
力端子であるが、これは理解を容易にするために便宜上
設けられたものに過ぎない。
【0029】次に、上記構成についてその作用を図2〜
図4に基づき説明する。なお、図4において、最上段は
入力端子13を流れる電流の波形であり、以下、チョーク
コイルL1の両端間電圧および電流、チョークコイルL
4の両端間電圧および電流、チョークコイルL3の両端
間電圧および電流、チョークコイルL2の両端間電圧お
よび電流、ダイオードD2,D3の電流、ダイオードD
1,D4の電流、入力端子電圧13,14間の電圧の各波形
が示されている。
【0030】スイッチング素子Q1をスイッチングし
て、トランスTの一次巻線Npに入力電圧Vinを断続的
に印加すると、トランスTの二次巻線Nsにはスイッチ
ング周期の半サイクル毎に正負の電圧が発生する。図2
は二次巻線Nsに発生する電圧が正の半サイクルのと
き、図3はこの電圧が負の半サイクルのときの各動作を
示しており、ここでは二次巻線Nsを電流源21の記号で
便宜上表わしている。
【0031】先ず、図2に示す正の半サイクルのとき、
トランスTの二次巻線Nsはドット側端子に正極性の電
圧4Voが発生する。このとき、ダイオードD1,D4
はオフする一方で、ダイオードD2,D3はオンし、電
流源21→チョークコイルL1→負荷RL→チョークコイ
ルL3→ダイオードD3→電流源21からなる第1の閉回
路に電流Ioが流れる。また、チョークコイルL2,L
4の放電によって、チョークコイルL2→ダイオードD
2→負荷RL→チョークコイルL2からなる第2の閉回
路に電流2Ioが流れると共に、チョークコイルL4→
負荷RL→チョークコイルL3→ダイオードD3→チョ
ークコイルL4からなる第3の閉回路に電流Ioが流れ
る。したがって、負荷RLには第1〜第3の閉回路を流
れる各電流の合計が流れ、二次巻線Nsに発生する電流
の4倍の電流4Ioが負荷RLに流れる。また、第1の
閉回路を流れる電流Ioにより、チョークコイルL1は
充電されると共に、第1および第3の閉回路を流れる合
計の電流2Ioにより、チョークコイルL3は充電され
る。
【0032】次に、図3に示す負の半サイクルのとき、
トランスTの二次巻線Nsは非ドット側端子に正極性の
電圧4Voが発生する。このとき、4逓倍電流整流回路
1は、二次巻線Nsが正の半サイクルの場合と逆の動作
を行なう。すなわち、ダイオードD2,D3はオフする
一方で、ダイオードD1,D4はオンし、電流源21→チ
ョークコイルL4→負荷RL→チョークコイルL2→ダ
イオードD1→電流源21からなる第4の閉回路に電流I
oが流れる。また、チョークコイルL1,L3の放電に
よって、チョークコイルL3→ダイオードD4→負荷R
L→チョークコイルL3からなる第5の閉回路に電流2
Ioが流れると共に、チョークコイルL1→負荷RL→
チョークコイルL2→ダイオードD1→チョークコイル
L1からなる第6の閉回路に電流Ioが流れる。したが
って、負荷RLには前記第1〜第3の閉回路と対称の第
4〜第6の閉回路を流れる各電流の合計が流れ、二次巻
線Nsに発生する電流の4倍の電流4Ioが負荷RLに
流れる。また、第4の閉回路を流れる電流Ioにより、
チョークコイルL4は充電されると共に、第4および第
6の閉回路を流れる合計の電流2Ioにより、チョーク
コイルL2は充電される。
【0033】この4逓倍電流整流回路1では、負荷RL
の電流が4倍になるので、負荷RLの両端間に発生する
出力電圧は、トランスTの二次巻線Nsに発生する電圧
の1/4すなわちVoとなる。しかも、トランスTの二
次巻線Nsに対して負荷RLの両端間の出力電圧が1/
4に低下しても、出力電流が4倍になっているので、出
力電力の低下は起こらない。したがって、スイッチング
素子Q1のパルス導通幅を狭めたり、トランスT1の巻
数比nを変えなくても、ダイオードD1〜D4とチョー
クコイルL1〜L4を付加するだけで大電流低電圧の出
力を取り出すことができる。
【0034】また上記一連の動作において、負荷RLに
はチョークコイルL1〜L4を通して電流が流れるが、
図4からも明らかなように、チョークコイルL1,L4
を流れる電流と、チョークコイルL2,L3を流れる電
流はそれぞれ交流的に逆相であるため、負荷RLを流れ
る出力電流4Ioはリップル分が相殺された波形とな
る。したがって、理論的には平滑コンデンサCoを不要
にできる。また、対をなすチョークコイルL1,L4お
よびチョークコイルL2,L3は、各々直流的には同一
であるため、共通するコアに互いに逆方向に巻線を施す
ことができる。したがって、チョークコイルL1〜L4
の小型化を達成できる。
【0035】次に、本発明の第2実施例〜第5実施例を
それぞれ説明する。これらの各実施例では、上記4逓倍
電流整流回路1をn逓倍電流整流回路にすることによ
り、出力電力を低下させることなく所望の低出力電圧を
取り出せることを教示している。
【0036】図5に示す第2実施例では、トランスTの
二次側に2逓倍電流整流回路2が設けられている。この
2逓倍電流整流回路2も、トランスTの二次巻線Nsの
各端と負荷RLの両端間に、同一対称形の第1の回路11
と第2の回路12を設けたダブルエンドで構成される。そ
して第1の回路11は、単巻線の二次巻線Nsの一端にチ
ョークコイルL1の一端とダイオードD1のカソードを
接続し、ダイオードD1のアノードとチョークコイルL
1の他端間に、負荷RLと平滑コンデンサCoの並列回
路を接続して構成される。また第2の回路12は、二次巻
線Nsの他端にチョークコイルL2の一端とダイオード
D2のカソードを接続し、ダイオードD2のアノードと
チョークコイルL2の他端間に、負荷RLと平滑コンデ
ンサCoの並列回路を接続して構成される。
【0037】そして、正の半サイクルのときには、二次
巻線Nsのドット側端子に正極性の電圧2Voが発生
し、ダイオードD1がオフし、ダイオードD2がオンす
る。そして、二次巻線Ns→チョークコイルL1→負荷
RL→ダイオードD2→二次巻線Nsからなる第1の閉
回路によって、二次巻線Nsからの電流Ioが流れ、チ
ョークコイルL2→負荷RL→ダイオードD2→チョー
クコイルL2からなる第2の閉回路によって、チョーク
コイルL2の放電による電流Ioが流れる。これによ
り、チョークコイルL1は充電されると共に、二次巻線
Nsからの電流に対し2倍の電流2Ioが負荷RLに流
れる。
【0038】一方、負の半サイクルになると、今度は二
次巻線Nsの非ドット側端子に正極性の電圧2Voが発
生し、ダイオードD1がオンし、ダイオードD2がオフ
する。そして、二次巻線Ns→チョークコイルL2→負
荷RL→ダイオードD1→二次巻線Nsからなる第3の
閉回路によって、二次巻線Nsからの電流Ioが流れ、
チョークコイルL1→負荷RL→ダイオードD1→チョ
ークコイルL1からなる第4の閉回路によって、チョー
クコイルL1の放電による電流Ioが流れる。これによ
り、チョークコイルL2は充電されると共に、二次巻線
Nsからの電流に対し2倍の電流2Ioが負荷RLに流
れる。
【0039】この2逓倍電流整流回路2では、負荷RL
の電流が2倍になり、負荷RLの両端間に発生する出力
電圧は、トランスTの二次巻線Nsに発生する電圧の1
/2すなわちVoとなる。したがって、第1実施例と同
様に出力電力の低下は起こらない。また、負荷RLには
チョークコイルL1,L2を通して電流が流れるが、こ
のチョークコイルL1,L2を流れる電流はそれぞれ交
流的に逆相であるため、負荷RLを流れる出力電流2I
oはリップル分が相殺された波形となる。したがって、
この場合も理論的には平滑コンデンサCoを不要にでき
る。
【0040】図6に示す第3実施例では、トランスTの
二次側に6逓倍電流整流回路3が設けられている。この
6逓倍電流整流回路3も、トランスTの二次巻線Nsの
各端と負荷RLの両端間に、同一対称形の第1の回路11
と第2の回路12を設けたダブルエンドで構成される。そ
して第1の回路11は、単巻線の二次巻線Nsの一端にチ
ョークコイルL1の一端とダイオードD1のカソードを
接続し、ダイオードD1のアノードにダイオードD2の
アノードとチョークコイルL2の一端を接続し、ダイオ
ードD2のカソードにダイオードD3のカソードとチョ
ークコイルL3の一端を接続し、チョークコイルL1,
L3の他端に負荷RLの一端を接続すると共に、チョー
クコイルL2の他端およびダイオードD3のアノードを
負荷RLの他端に接続して構成される。また、第2の回
路12は、二次巻線Nsの他端にチョークコイルL4の一
端とダイオードD4のカソードを接続し、ダイオードD
4のアノードにダイオードD5のアノードとチョークコ
イルL5の一端を接続し、ダイオードD5のカソードに
ダイオードD6のカソードとチョークコイルL6の一端
を接続し、チョークコイルL4、L6の他端に負荷RL
の一端を接続すると共に、チョークコイルL5の他端お
よびダイオードD6のアノードを負荷RLの他端に接続
して構成される。なお、Coは負荷RLに並列接続され
る平滑コンデンサである。
【0041】そして、正の半サイクルのときには、二次
巻線Nsのドット側端子に正極性の電圧6Voが発生
し、ダイオードD2,D4,D6がオンし、ダイオード
D1,D3,D5がオフする。そして、二次巻線Ns→
チョークコイルL1→負荷RL→チョークコイルL5→
ダイオードD4→二次巻線Nsからなる第1の閉回路に
よって、二次巻線Nsからの電流Ioが流れ、チョーク
コイルL4→負荷RL→チョークコイルL5→ダイオー
ドD4→チョークコイルL4からなる第2の閉回路によ
って、チョークコイルL4の放電による電流Ioが流
れ、チークコイルL6→負荷RL→ダイオードD6→チ
ョークコイルL6からなる第3の閉回路によって、チョ
ークコイルL6の放電による電流2Ioが流れ、チョー
クコイルL2→ダイオードD2→チョークコイルL3→
負荷RL→チョークコイルL2からなる第4の閉回路に
よって、チョークコイルL2の放電による電流2Ioが
流れる。これにより、チョークコイルL1は第1の閉回
路を流れる電流Ioによって充電され、チョークコイル
L3は第3の閉回路を流れる電流2Ioによって充電さ
れ、チョークコイルL5は第1および第2の閉回路を流
れる電流2Ioによって充電されると共に、負荷RLに
は第1〜第4の閉回路を流れる電流を合計した6倍の電
流6Ioが流れる。
【0042】一方、負の半サイクルのときには、二次巻
線Nsの非ドット側端子に正極性の電圧6Voが発生
し、ダイオードD1,D3,D5がオンし、ダイオード
D2,D4,D6がオフする。そして、二次巻線Ns→
チョークコイルL4→負荷RL→チョークコイルL2→
ダイオードD1→二次巻線Nsからなる第5の閉回路に
よって、二次巻線Nsからの電流Ioが流れ、チョーク
コイルL1→負荷RL→チョークコイルL2→ダイオー
ドD1→チョークコイルL1からなる第6の閉回路によ
って、チョークコイルL1の放電による電流Ioが流
れ、チークコイルL3→負荷RL→ダイオードD3→チ
ョークコイルL3からなる第7の閉回路によって、チョ
ークコイルL3の放電による電流2Ioが流れ、チョー
クコイルL5→ダイオードD5→チョークコイルL6→
負荷RL→チョークコイルL5からなる第8の閉回路に
よって、チョークコイルL5の放電による電流2Ioが
流れる。これにより、チョークコイルL4は第5の閉回
路を流れる電流Ioによって充電され、チョークコイル
L6は第7の閉回路を流れる電流2Ioによって充電さ
れ、チョークコイルL2は第5および第6の閉回路を流
れる電流2Ioによって充電されると共に、負荷RLに
は第5〜第8の閉回路を流れる電流を合計した6倍の電
流3Ioが流れる。
【0043】この6逓倍電流整流回路3では、負荷RL
の電流が6倍になり、負荷RLの両端間に発生する出力
電圧は、トランスTの二次巻線Nsに発生する電圧の1
/6すなわちVoとなる。したがって、上記各実施例と
同様に出力電力の低下は起こらない。また、負荷RLに
はチョークコイルL1〜L6を通して電流が流れるが、
このチョークコイルL1〜L6を流れる電流はそれぞれ
交流的に逆相であるため、負荷RLを流れる出力電流6
Ioはリップル分が相殺された波形となる。したがっ
て、この場合も理論的には平滑コンデンサCoを不要に
できる。
【0044】図7に示す第4実施例では、トランスTの
二次側に8逓倍電流整流回路4が設けられている。この
8逓倍電流整流回路4も、トランスTの二次巻線Nsの
各端と負荷RLの両端間に、同一対称形の第1の回路11
と第2の回路12を設けたダブルエンドで構成される。そ
して第1の回路11は、単巻線の二次巻線Nsの一端にチ
ョークコイルL1の一端とダイオードD1のカソードを
接続し、ダイオードD1のアノードにダイオードD2の
アノードとチョークコイルL2の一端を接続し、ダイオ
ードD2のカソードにダイオードD3のカソードとチョ
ークコイルL3の一端を接続し、ダイオードD3のアノ
ードにチョークコイルL4の一端とダイオードD4のア
ノードを接続し、チョークコイルL1,L3の他端およ
びダイオードD4のカソードに負荷RLの一端を接続す
ると共に、チョークコイルL2,L4の他端を負荷RL
の他端に接続して構成される。また、第2の回路12は、
二次巻線Nsの他端にチョークコイルL5の他端とダイ
オードD5のカソードを接続し、ダイオードD5のアノ
ードにダイオードD6のアノードとチョークコイルL6
の一端を接続し、ダイオードD6のカソードにダイオー
ドD7のカソードとチョークコイルL7の一端を接続
し、ダイオードD7のアノードにチョークコイルL8の
一端とダイオードD8のアノードを接続し、チョークコ
イルL5,L7の他端およびダイオードD8のカソード
に負荷RLの一端を接続すると共に、チョークコイルL
6,L8の他端を負荷RLの他端に接続して構成され
る。
【0045】そして、正の半サイクルのときには、二次
巻線Nsのドット側端子に正極性の電圧8Voが発生
し、ダイオードD2,D4,D5,D7がオンし、ダイ
オードD1,D3,D6,D8がオフする。そして、二
次巻線Ns→チョークコイルL1→負荷RL→チョーク
コイルL6→ダイオードD5→二次巻線Nsからなる第
1の閉回路によって、二次巻線Nsからの電流Ioが流
れ、チョークコイルL5→負荷RL→チョークコイルL
6→ダイオードD5→チョークコイルL5からなる第2
の閉回路によって、チョークコイルL5の放電による電
流Ioが流れ、チョークコイルL7→負荷RL→チョー
クコイルL8→ダイオードD7→チョークコイルL7か
らなる第3の閉回路によって、チョークコイルL7の放
電による電流2Ioが流れ、チョークコイルL2→ダイ
オードD2→チョークコイルL3→負荷RL→チョーク
コイルL2からなる第4の閉回路によって、チョークコ
イルL2の放電による電流2Ioが流れ、チョークコイ
ルL4→ダイオードD4→負荷RL→チョークコイルL
4からなる第5の閉回路によって、チョークコイルL4
の放電による電流2Ioが流れる。これにより、チョー
クコイルL1は第1の閉回路を流れる電流Ioによって
充電され、チョークコイルL3は第4の閉回路を流れる
電流2Ioによって充電され、チョークコイルL6は第
1および第2の閉回路を流れる電流2Ioによって充電
され、チョークコイルL8は第3の閉回路を流れる電流
2Ioによって充電されると共に、負荷RLには第1〜
第5の閉回路を流れる電流を合計した8倍の電流8Io
が流れる。
【0046】一方、負の半サイクルのときには、二次巻
線Nsの非ドット側端子に正極性の電圧8Voが発生
し、二次巻線Nsの非ドット側端子に正極性の電圧8V
oが発生し、ダイオードD1,D3,D6,D8がオン
し、ダイオードD2,D4,D5,D7がオフする。そ
して、二次巻線Ns→チョークコイルL5→負荷RL→
チョークコイルL2→ダイオードD1→二次巻線Nsか
らなる第6の閉回路によって、二次巻線Nsからの電流
Ioが流れ、チョークコイルL1→負荷RL→チョーク
コイルL2→ダイオードD1→チョークコイルL1から
なる第7の閉回路によって、チョークコイルL1の放電
による電流Ioが流れ、チョークコイルL3→負荷RL
→チョークコイルL4→ダイオードD3→チョークコイ
ルL3からなる第8の閉回路によって、チョークコイル
L3の放電による電流2Ioが流れ、チョークコイルL
6→ダイオードD6→チョークコイルL7→負荷RL→
チョークコイルL6からなる第9の閉回路によって、チ
ョークコイルL6の放電による電流2Ioが流れ、チョ
ークコイルL8→ダイオードD8→負荷RL→チョーク
コイルL8からなる第10の閉回路によって、チョーク
コイルL8の放電による電流2Ioが流れる。これによ
り、チョークコイルL5は第5の閉回路を流れる電流I
oによって充電され、チョークコイルL7は第9の閉回
路を流れる電流2Ioによって充電され、チョークコイ
ルL6は第1および第2の閉回路を流れる電流2Ioに
よって充電され、チョークコイルL8は第3の閉回路を
流れる電流2Ioによって充電されると共に、負荷RL
には第1〜第5の閉回路を流れる電流を合計した8倍の
電流8Ioが流れる。
【0047】この8逓倍電流整流回路4では、負荷RL
の電流が8倍になり、負荷RLの両端間に発生する出力
電圧は、トランスTの二次巻線Nsに発生する電圧の1
/8すなわちVoとなる。したがって、上記各実施例と
同様に出力電力の低下は起こらない。また、負荷RLに
はチョークコイルL1〜L8を通して電流が流れるが、
このチョークコイルL1〜L8を流れる電流はそれぞれ
交流的に逆相であるため、負荷RLを流れる出力電流8
Ioはリップル分が相殺された波形となる。したがっ
て、この場合も理論的には平滑コンデンサCoを不要に
できる。
【0048】図8に示す第5実施例では、トランスTの
二次側に3逓倍電流整流回路5が設けられている。この
3逓倍電流整流回路5は、前記図6に示す6逓倍電流整
流回路3において、第2の回路12を省略して第1の回路
11だけを残した回路構成となっている。つまり、奇数の
逓倍電流整流回路を得るには、その2倍の逓倍電流整流
回路の第1の回路11または第2の回路12だけで構成すれ
ばよい。なお、本実施例におけるダイオードD1〜D3
は、図6に示す6逓倍電流整流回路3のそれと全て逆向
きに接続されているが、この場合は負荷RLの両端間に
発生する出力電圧Voが逆になるだけで、実質的な動作
は同じである。すなわち、他の実施例においても、ダイ
オードD1〜D8の向きを全て逆にしてもよい。
【0049】そして、正の半サイクルのときには、二次
巻線Nsのドット側端子に正極性の電圧3Voが発生
し、ダイオードD1,D3がオンし、ダイオードD2が
オフする。そして、二次巻線Ns→ダイオードD1→チ
ョークコイルL2→二次巻線Nsからなる第1の閉回路
によって、二次巻線Nsからの電流Ioが流れ、チョー
クコイルL1→ダイオードD1→チョークコイルL2→
負荷RL→チョークコイルL2からなる第2の閉回路に
よって、チョークコイルL2の放電による電流Ioが流
れ、チョークコイルL3→ダイオードD3→負荷RL→
チョークコイルL3からなる第3の閉回路によって、チ
ョークコイルL3の放電による電流2Ioが流れる。こ
れにより、チョークコイルL2は第1および第2の閉回
路によって二次巻線Nsからの電流Ioに対し2倍の電
流2Ioで充電されると共に、負荷RLには第2および
第3の閉回路を流れる電流を合計した3倍の電流3Io
が流れる。
【0050】一方、負の半サイクルになると、今度は二
次巻線Nsの非ドット側端子に正極性の電圧2Voが発
生し、ダイオードD2がオンする一方で、ダイオードD
1,D3がオフする。そして、二次巻線Ns→負荷RL
→チョークコイルL1→二次巻線Nsからなる第4の閉
回路によって、二次巻線Nsからの電流Ioが流れ、チ
ョークコイルL2→負荷RL→チョークコイルL3→ダ
イオードD2→チョークコイルL2からなる第5の閉回
路によって、チョークコイルL2の放電による電流Io
が流れる。これにより、第4の閉回路を流れる電流Io
によってチョークコイルL1は充電され、第5の閉回路
を流れる電流2IoによってチョークコイルL3は充電
されると共に、第4および第5の閉回路を流れる電流を
合計した3倍の電流3Ioが負荷RLに流れる。
【0051】この3逓倍電流整流回路5では、負荷RL
の電流が3倍になり、負荷RLの両端間に発生する出力
電圧は、トランスTの二次巻線Nsに発生する電圧の1
/3すなわちVoとなる。したがって、上記各実施例と
同様に出力電力の低下は起こらない。但し、奇数逓倍電
流整流回路は、負荷RLに対してダブルエンド構成では
なくなるので、チョークコイルのリップル分を相殺する
ことができず、平滑コンデンサCoを必要とする。
【0052】以上のように、トランスTの二次巻線Ns
に誘起された電圧を整流回路を通して負荷RLに供給す
るスイッチング電源装置において、例えば第1実施例で
は、チョークコイルL1とダイオードD1,チョークコ
イルL3とダイオードD3からなる一方の回路ユニット
群と、チョークコイルL2ダイオードD2,チョークコ
イルL4とダイオードD4からなる他方の回路ユニット
群とからなる4組の回路ユニットで構成され、二次巻線
Nsに正負の電圧が発生するのに伴なって、一方の回路
ユニット群を構成するチョークコイルL1,L3と、他
方の回路ユニット群を構成するチョークコイルL2,L
4が交互に充放電を繰り返し、このチョークコイルL1
〜L4の放電電流を利用して、二次巻線Nsから発生す
る電流Ioの4倍の電流4Ioを負荷RLに供給する4
逓倍電流整流回路1を前記整流回路として設けている。
【0053】なお、上記各実施例には記載されていない
が、他のn逓倍電流整流回路をトランスTの二次側に組
み込むには、同様にチョークコイルD1〜Dnとダイオ
ードD1〜Dnからなるn組の回路ユニットを用意し、
二次巻線Nsに正負の電圧が発生するのに伴なって、一
方の回路ユニット群のチョークコイルと、他方の回路ユ
ニット群のチョークコイルを交互に充放電させ、かつこ
のときのチョークコイルの放電電流を負荷RLに流し
て、二次巻線Nsから発生する電流Ioのn倍の電流n
Ioが負荷RLに流れるように、上記n組の回路ユニッ
トを接続すればよい。
【0054】このように、整流回路としてチョークコイ
ルD1〜DnとダイオードD1〜Dnで構成されるn組
の回路ユニットからなるn逓倍電流整流回路を組み込ん
で、トランスTの二次巻線Nsから発生する電流Ioの
n倍の電流nIoを負荷RLに供給すれば、同一のトラ
ンスTで、負荷RLの両端間の出力電圧Voをトランス
Tの両端間の電圧の1/nにすることができる。しかも
この場合は、逓倍数が高くなって出力電圧Voがいくら
低くなっても、出力電圧Voと出力電流nIoとの積で
ある出力電力Poは一定となるため、従来例のような出
力電力の低下およびそれに伴なうトランスTの銅損の増
加を回避することができる。したがって、トランスTの
標準化を図りつつ、出力電圧が低くなっても同一の出力
電力を取り出すことができ、大電流低電圧の電源装置を
満足の行く特性を得ることが可能になる。
【0055】なお、本発明でいうn逓倍電流整流回路の
概念は、例えば、特開2000‐125560号公報な
どに開示される倍電流整流回路とは根本的に異なるもの
である。この従来公報には、ハーフブリッジ並列共振型
コンバータを構成するトランスの二次巻線の誘起電圧を
整流する整流回路として、いわゆる2倍電流整流回路が
組み込まれているが、これは従来のフルブリッジ型の整
流回路における整流ダイオードの損失低減を目的として
おり、出力電力Poを低下させることなく出力電圧Vo
を1/nに低電圧化するという着想で設けられたもので
はない。
【0056】本発明におけるn逓倍電流整流回路は、出
力電流をトランスTの二次巻線Nsから発生する電流の
偶数倍(2倍,4倍…)にするのではなく、逓倍(整数
倍:2倍,3倍,4倍…)にするもので、これにより二
次巻線Nsから発生する電圧の整数分の1に、出力電圧
Voをより細かく低下させることができる。
【0057】また、n逓倍電流整流回路を構成するチョ
ークコイルL1〜Lnは、それ自身の充放電によって負
荷RLに供給する電流の連続性を維持するためのもの
で、いわゆる従来例の図9や図10で示す平滑用チョー
クコイル(ローパスフィルタ)L1とは全くその機能が
異なる。
【0058】n逓倍電流整流回路では、ダイオードの順
方向電圧降下に起因する損失の低減を図ることができ
る。例えば図1に示す4逓倍電流整流回路1では、ダイ
オードD1,D3には出力電流4Ioに対し1/4の電
流Ioしか流れず、ダイオードD2,D4には出力電流
4Ioに対し1/2の電流Ioしか流れない。また他の
n逓倍電流整流回路も、各ダイオードD1〜Dnは出力
電流nIoよりも小さい電流(Ioまたは2Io)しか
流れない。これに対し図9や図10に示す従来の整流回
路のダイオードD1,D2は、出力電流Ioと同じ電流
が流れる。
【0059】n逓倍電流整流回路では複数のダイオード
(例えば図1ではD1,D3またはD2,D4)が同時
にオン,オフするが、ダイオードは順方向電流に対し順
方向電圧が指数的に増加する特性を有するので、各ダイ
オードD1〜Dnに流れる電流を分散させて小さくする
と、ダイオードD1〜Dn全体の損失は小さくなり、電
源装置の効率を上げることが可能になる。その効果は、
逓倍数を上げる程、出力電流に対する各ダイオードに流
れる電流の相対値が小さくなって顕著なものとなる。
【0060】また、特に上記第1〜第4実施例における
偶数逓倍電流整流回路1〜4では、二次巻線Nsの一端
と負荷RLの両端との間に接続した第1の回路11と、二
次巻線Nsの他端と負荷RLの両端との間に接続した第
2の回路12が、同一の回路構成を有している。このよう
にすると、第1および第2の回路11,12で対称な位置に
あるチョークコイル(例えば図1ではL1,L4とL
2,L3)を流れる電流が、それぞれ交流的に逆相にな
って負荷RLを流れるため、負荷RLを流れる出力電流
はリップル分が相殺される。したがって、偶数逓倍電流
整流回路1〜4を用いれば、出力電力を低下させること
なく出力電圧の低電圧化が達成できるだけでなく、平滑
コンデンサCoを設けなくても出力電流のリップル分を
激減することができる。
【0061】また、トランスTの二次巻線Nsは単巻線
で、しかもダブルエンドの構成となっており、センタタ
ップがない分だけ各トランスT1の作成が容易になる。
しかも、センタタップを設けた場合に起こる銅損の悪化
が防止でき、ここでも電源装置の効率向上を図ることが
できる。
【0062】ところで、トランスTの二次巻線Nsを流
れる電流は、2逓倍電流整流回路2の場合に出力電流の
1/2となり、4逓倍電流整流回路1の場合に1/4と
なり、n逓倍電流整流回路の場合に1/nとなる。この
場合、トランスTの二次巻線Nsから見込んだn逓倍電
流整流回路のインピーダンスは、逓倍数の二乗(n
で増加する。したがって、本発明におけるn逓倍電流整
流回路をインピーダンス変換回路としても利用できる。
特にトランスTが圧電素子を利用した圧電トランスで構
成される場合、この圧電トランスは高インピーダンス負
荷と相性がよいので、圧電トランスからn逓倍電流整流
回路を通して負荷RLに効率よく電力を供給できる。ま
た、n逓倍電流整流回路のインピーダンス値は逓倍数を
変えることにより簡単に変更できる。
【0063】また、近年のスイッチング周波数の高周波
化に伴ない、n逓倍電流整流回路を構成するチョークコ
イルL1〜Lnも小型化が可能である。特に逓倍数が大
きいほど(例えば20〜100倍)、各チョークコイルL1
〜Lnを流れる電流は、出力電流に対して小さくなるの
で、チョークコイルL1〜Lnを小型化すなわち薄型チ
ップ状にすることが容易になる。したがって、逓倍数を
上げてチョークコイルL1〜Lnの集積化を図れば、n
逓倍電流整流回路により小型で低出力大電流の電源装置
を構築することが可能になる。
【0064】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可
能である。トランスTの一次側の回路については、実施
例中のものに限定されない
【発明の効果】本発明の請求項1の電源装置によれば、
出力電圧が低くなっても同一の出力電力を取り出すこと
ができ、大電流低電圧の電源装置を満足の行く特性を得
ることが可能になる。
【0065】本発明の請求項2の電源装置によれば、平
滑コンデンサを設けなくても出力電流のリップル分を激
減できる。
【0066】本発明の請求項3の電源装置によれば、圧
電トランスから負荷に効率よく電力を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す4逓倍電流整流回路を
組み込んだ電源装置の回路図である。
【図2】同上トランスの二次巻線に発生する電圧が正の
半サイクルのときの動作を示す説明図である。
【図3】同上トランスの二次巻線に発生する電圧が負の
半サイクルのときの動作を示す説明図である。
【図4】同上各部の波形図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す2逓倍電流整流回路
を組み込んだ電源装置の回路図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す6逓倍電流整流回路
を組み込んだ電源装置の回路図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す8逓倍電流整流回路
を組み込んだ電源装置の回路図である。
【図8】本発明の第5実施例を示す3逓倍電流整流回路
を組み込んだ電源装置の回路図である。
【図9】従来例を示す電源装置の回路図である。
【図10】別の従来例を示す電源装置の回路図である。
【符号の説明】
D1〜Dn ダイオード L1〜Ln チョークコイル T トランス Ns 二次巻線 RL 負荷 1 4逓倍電流整流回路(n逓倍電流整流回路) 2 2逓倍電流整流回路(n逓倍電流整流回路) 3 6逓倍電流整流回路(n逓倍電流整流回路) 4 8逓倍電流整流回路(n逓倍電流整流回路) 5 3逓倍電流整流回路(n逓倍電流整流回路) 11 第1の回路 12 第2の回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの二次巻線に誘起された電圧を
    整流回路を通して負荷に供給する電源装置において、前
    記整流回路はチョークコイルとダイオードからなるn組
    の回路ユニットからなり、前記二次巻線に正負の電圧が
    発生するのに伴なって、一方の前記回路ユニット群を構
    成するチョークコイルと、他方の前記回路ユニット群を
    構成するチョークコイルが交互に充放電を繰り返し、こ
    のチョークコイルの放電電流を利用して、前記二次巻線
    から発生する電流のn倍の電流を前記負荷に供給するn
    逓倍電流整流回路であることを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 前記n逓倍電流整流回路は、前記二次巻
    線の一端と前記負荷の両端との間に接続した第1の回路
    と、前記二次巻線の他端と前記負荷の両端との間に接続
    した第2の回路が、同一の回路構成を有することを特徴
    とする請求項1記載の電源装置。
  3. 【請求項3】 前記トランスが圧電トランスであること
    を特徴とする請求項1記載の電源装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JPWO2015056491A1 (ja) * 2013-10-17 2017-03-09 日産自動車株式会社 電力変換装置及び電力変換方法

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