JP2002158274A - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JP2002158274A
JP2002158274A JP2001240425A JP2001240425A JP2002158274A JP 2002158274 A JP2002158274 A JP 2002158274A JP 2001240425 A JP2001240425 A JP 2001240425A JP 2001240425 A JP2001240425 A JP 2001240425A JP 2002158274 A JP2002158274 A JP 2002158274A
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slider
stage
positioning device
axis
axis direction
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JP2001240425A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nakamura
中村  剛
Nobuhito Saji
伸仁 佐治
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライダを高速駆動可能であり、かつ高精度
で省スペース化が達成された寿命の長い位置決め装置を
提供する。 【解決手段】 ベース11に対し第1のスライダ12を
第1の駆動装置14によりX軸方向に位置決めする第1
の位置決め装置10と、ベース11に対し第2のスライ
ダ13を第2の駆動装置34によりY軸方向に位置決め
する第2の位置決め装置と20を備え、第1の駆動装置
14及び第2の駆動装置34をベース11に設け、第1
のスライダ12及び第2のスライダ13をZ軸方向に重
なって配置し、ステージ30を第1のスライダ12及び
第2のスライダ13の両者に係合させた位置決め装置で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体ウェハ、液
晶パネル等の平板状基板にパターンを形成するための半
導体露光装置、組立・検査装置、精密工作機械等に用い
られる位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、半導体露光装置、組立・
検査装置、精密工作機械等に用いられる位置決め装置と
しては、下軸(例えばX軸)上を移動するスライダ(テ
ーブル)上に、下軸のスライダ(テーブル)をベースと
した上軸(例えばY軸)を構成したものがある。この種
の位置決め装置は、下軸上を移動するスライダを駆動さ
せる駆動装置に、上軸上を移動するスライダや、これを
駆動させる駆動装置等も含めた重量がかかる構成となっ
ている。したがって、スライダを十分に高速に動かすこ
とが困難であった。また、真空用途の場合、少なくとも
上側の駆動装置は、真空中に置かれるので、真空対応の
特殊な構成が必要である。
【0003】さらにまた、前記位置決め装置の下側の駆
動装置や下軸にかかる負荷を低減させ、スライダを高速
で動かす目的で、例えば、X軸スライダとY軸スライダ
を同一平面上に配置し、一方のスライダ(例えば、X軸
スライダ)上に、これと直交する方向(この場合、Y軸
方向)にスライド可能にステージを載置し、このステー
ジと他方のスライダ(この場合、Y軸スライダ)とを、
互いのX軸方向の相対移動は許容し、互いのY軸方向の
相対移動は拘束するように接続した位置決め装置が提案
されている。この構成を備えた位置決め装置は、一方の
スライダの駆動装置が、他方のスライダを駆動させる駆
動装置等も含めた重量を受け止める必要がなく、前記の
例では、一方の駆動装置やスライダにかかっていた負荷
を低減させることができる。
【0004】この位置決め装置では、通常、前記下軸上
を移動するスライダ上に、前記上軸上を移動するスライ
ダを案内するガイドレールが設けられている。この構成
の場合、主にバイメタル現象の発生を避けるため、通
常、スライダと、当該スライダ上に設けられたガイドレ
ールの材質を同一にすることが望まれており、例えば、
ガイドレールの加工性や剛性等の理由から、鉄系の材質
で、スライダ及びガイドレールを構成することが一般的
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記2
番目の位置決め装置は、平面的に2個のスライダを配置
した構成をとるため、装置が大型化し、省スペース化を
達成することが困難となる。
【0006】また、軽量化を主な目的として、上軸を移
動するスライダをアルミニウムで構成し、加工性や剛性
を主な目的として、このスライダ上に設けられるガイド
レールを鉄系材料で構成すると、周辺温度の変化に伴っ
て両部材の熱膨張係数の違いからガイドレールとスライ
ダとの間にバイメタル現象(曲げ変形)が生じる。この
現象が生じると、上軸の真直度、ピッチング精度を悪化
させる原因となる他、下軸がボールねじ駆動の場合は、
軸心の偏心の原因にもなるため、高精度な位置決めを行
うことが困難となる虞れがある。この量は、前記周辺温
度の変化量や、ガイドレールとスライダの剛性バラン
ス、軸方向の長さ等から大きく異なるが、数十μmから
百μm、もしくはそれ以上に及ぶ場合もある。特に、ス
ライダの軽量化のために薄肉化が進み、さらにストロー
クが大型化すればする程その量が大きくなる。
【0007】また、前記アルミニウムの代わりにセラミ
ックを用いた場合は、鉄系材料との熱膨張係数の差は縮
まるが、バイメタル現象を無くすものではなかった。
【0008】本発明は、このような従来の位置決め装置
を改良することを課題とするものであり、下側の駆動装
置や下軸にかかる負荷を低減させ、スライダを高速で動
かすことが可能であり、かつ高精度で省スペース化が達
成された寿命の長い位置決め装置を提供することを目的
とする。
【0009】また、スライダと該スライダ上に設けられ
るガイドレールとの間にバイメタル現象が発生すること
を防止することができる位置決め装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、固定部と、前記固定部に対し第1のスライ
ダを第1の駆動装置により第1の方向に位置決めする第
1の位置決め装置と、前記固定部に対し第2のスライダ
を第2の駆動装置により前記第1の方向と直交する第2
の方向に位置決めする第2の位置決め装置と、を備え、
前記第1の方向及び第2の方向にステージを位置決めす
る位置決め装置であって、前記第1の駆動装置及び第2
の駆動装置は、前記固定部に設けられ、前記第1のスラ
イダ及び第2のスライダは、前記第1の方向及び第2の
方向と交差する第3の方向に重なって配置され、前記ス
テージは、前記第1のスライダ及び第2のスライダの両
者に係合してなる位置決め装置を提供するものである。
【0011】この構成を備えた位置決め装置は、二つの
駆動装置が固定部に設けられているため、一方の駆動装
置に他方の駆動装置等の負荷がかかることを軽減するこ
とができる。また、ステージが第1のスライダ及び第2
のスライダの両者に係合してなるため、ステージの負荷
が、一つの部品に集中することを防止することができ
る。さらに、前記第1のスライダ及び第2のスライダ
は、前記第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方
向に重なって配置されているため、これらのスライダの
配置面積を必要最低限に抑えることができる。
【0012】前記第1のスライダ上には、前記第2の方
向に沿って延びた第1のステージ案内を設け、前記第2
のスライダ上には、前記第1の方向に沿って延びた第2
のステージ案内を設けることができる。
【0013】前記第1の駆動装置及び第2の駆動装置
は、前記固定部に固定された回転モータを備えることが
できる。この構成にすることで、本発明に係る位置決め
装置を、例えば、真空用途としてさらに効果的に使用す
ることができる。また、磁場の変動も抑制することがで
きる。
【0014】前記第1のステージ案内または第2のステ
ージ案内のいずれか一方は、テンション部材を介して、
案内すべきステージと連結することができる。この構成
により、上方に位置するステージと両スライダとの運動
精度の違いに起因するステージとスライダとの間の負荷
の変動を抑制することができる。すなわち、いずれか一
方のスライダを、上下方向に変動可能なテンション部材
で結合することで、ステージが第1の方向に移動する際
の、ステージと第1のスライダ及び、ステージが第2の
方向に移動する際の、ステージと第2のスライダが、そ
れぞれ上下方向に重なるように配置した場合に、上下方
向の真直度が相互に干渉し合うことを、テンション部材
の変形によって吸収することにより防止することができ
る。このように、負荷の変動が抑制されることにより、
位置決め精度も向上することができる。
【0015】また、前記第1のスライダまたは第2のス
ライダのうち、テンション部材を介さずにステージに連
結されているスライダの、前記第1の方向及び第2の方
向を含む面外の曲げ剛性を、テンション部材を介してス
テージに連結されているスライダの曲げ剛性より大きく
することができる。これは、以下の理由による。
【0016】本発明のような構成の位置決め装置の場
合、ステージの移動すべき方向に対する真直度誤差は、
水平方向よりも垂直方向が大きくなりやすい。これは、
自重による撓み等が加わるためである。したがって、真
直度誤差を小さくするためには、このような撓みを小さ
くすることが特に有効であり、そのためには、部材の垂
直方向の曲げ剛性(第1の方向と第2の方向を含む平面
の面外の曲げ剛性)を高めるのがよい。
【0017】ところで、ステージを第1のスライダと第
2のスライダのうち、一方と直結し、他方とはテンショ
ン部材を介して連結した場合、ステージが第1の方向、
あるいは第2の方向に移動する場合の真直度誤差は、直
結されている方のスライダの真直度誤差の影響を受ける
ことになる。これは、他方のスライダの真直度誤差がテ
ンション部材により吸収さえるためである。したがっ
て、ステージと直結する方のスライダの曲げ剛性を高
め、真直度誤差を小さくすることにより、ステージの真
直度がより高くなるわけである。
【0018】前記テンション部材としては、例えば、板
バネ等が挙げられる。板バネは、水平方向に剛性がある
ため、水平方向の真直度、ヨーイング精度を低下するこ
となく、前述した作用を得ることができる。
【0019】また、本発明は、前記第2のスライダに、
前記ステージを案内する第2のガイドレールを設け、前
記第2のスライダを、前記第2のガイドレールの熱膨張
係数と同一の熱膨張係数となるよう調整した複合材料か
ら構成することができる。
【0020】この構成により、第2のスライダと該第2
のスライダ上に設けられる第2のガイドレールとの間に
バイメタル現象が発生することを防止することができ、
温度変化があっても高精度を維持可能で、かつ可動部を
軽量、コンパクト化した位置決め装置を提供することが
できる。
【0021】またさらに、前記第1のスライダに、前記
第2のスライダを案内する第1のガイドレールを設け、
前記第1のスライダを、前記第1のガイドレールの熱膨
張係数とほぼ同一の熱膨張係数となるよう調整した複合
材料から構成することで、第1のスライダと該第1のス
ライダ上に設けられる第1のガイドレールとの間にも、
バイメタル現象が発生することを防止することができ、
より一層高精度で軽量、コンパクト化した位置決め装置
を提供することができる。
【0022】なお、本発明でいうほぼ同一の熱膨張係数
とは、例えば、ガイドレールが設けられたスライダの略
中央部分の変形量(真直度)が、約1μm程度を維持で
きるような値である。この変形量は、周辺温度の変化
や、スライダ及びガイドレールのサイズ(長さ、幅、厚
さ等)等によって決定される。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施形態に
係る位置決め装置について、図面を参照して説明する。 (実施の形態1)図1は、実施の形態1に係る位置決め
装置を示す平面図、図2は、図1に示す位置決め装置の
正面図、図3は、図1に示す位置決め装置の主要部分を
示す概略斜視図である。
【0024】図1〜図3に示すように、実施の形態1に
係る位置決め装置1は、ベース11と、ベース11上に
設けられて第1のスライダ12をX軸方向(第1の方
向)に位置決めする第1の位置決め装置10と、ベース
11上に設けられて第2のスライダ13をY軸方向(第
2の方向)に位置決めする第2の位置決め装置20と、
第1の位置決め装置10及び第2の位置決め装置20に
よって、X軸方向及びY軸方向に位置決めされるステー
ジ30と、を備えて構成されている。
【0025】第1の位置決め装置10は、ベース11に
対し第1のスライダ12をX軸方向に移動させる第1の
駆動装置14を備えている。第1の駆動装置14は、第
1のスライダ12の下面(裏面)に固定されたX軸ボー
ルネジナット15と、X軸ボールネジナット15に螺合
し、かつ回転することによってX軸ボールネジナット1
5をX軸方向に移動させるX軸ボールネジ軸16と、X
軸ボールネジ軸16を回転させるX軸モータ17と、を
主構成要素としている。
【0026】X軸モータ17は、ベース11に固定され
ていると共に、特に図示しないが、ベース11が載置さ
れる床や土台等にも固定されている。X軸ボールネジ軸
16とX軸モータ17との間には、X軸カップリング1
8が介在されている。X軸ボールネジ軸16のX軸カッ
プリング18近傍及び反対側には、X軸ボールネジ軸1
6を回転可能にベース11に支持するX軸ボールネジ軸
支持部19及び21が設けられている。この構成によ
り、第1の駆動装置14は、ベース11に固定される。
【0027】第1のスライダ12は、Y軸方向に長い略
長方形の面を有し、その略中央部には、開口部24が形
成されている。第1のスライダ12のY軸方向両端部下
面には、ベース11にX軸方向に沿って設けられたX軸
リニアガイドレール22A及び22Bに係合するX軸リ
ニアガイドベアリング23A及び23Bが各々2つずつ
設けられている。また、第1のスライダ12のX軸方向
両端部上面には、開口部24の縁に沿って、後に詳述す
るステージ30のリニアガイドベアリング31A及び3
1BをY軸方向に案内するリニアガイドレール25A及
び25Bが各々形成されている。
【0028】第2の位置決め装置20は、ベース11に
対し第2のスライダ13をY軸方向に移動させる第2の
駆動装置34を備えている。第2の駆動装置34は、第
2のスライダ13の下面(裏面)に固定されたY軸ボー
ルネジナット35と、Y軸ボールネジナット35に螺合
し、かつ回転することによってY軸ボールネジナット3
5をY軸方向に移動させるY軸ボールネジ軸36と、Y
軸ボールネジ軸36を回転させるY軸モータ37と、を
主構成要素としている。
【0029】Y軸モータ37は、ベース11に固定され
ていると共に、特に図示しないが、ベース11が載置さ
れる床や土台等にも固定されている。Y軸ボールネジ軸
36とY軸モータ37との間には、Y軸カップリング3
8が介在されている。Y軸ボールネジ軸36のY軸カッ
プリング38近傍及び反対側には、Y軸ボールネジ軸3
6を回転可能にベース11に支持するY軸ボールネジ軸
支持部39及び41が設けられている。この構成によ
り、第2の駆動装置34は、ベース11に固定される。
【0030】第2のスライダ13は、X軸方向に長い略
長方形の面を有し、その略中央部には、開口部44が形
成されている。第2のスライダ13のX軸方向両端部下
面には、ベース11にY軸方向に沿って設けられたY軸
リニアガイドレール42A及び42Bに係合するY軸リ
ニアガイドベアリング43A及び43Bが各々2つずつ
設けられている。また、第2のスライダ13のY軸方向
両端部上面には、開口部44の縁に沿って、後に詳述す
るステージ30のリニアガイドベアリング32A及び3
2BをX軸方向に案内するリニアガイドレール45A及
び45Bが各々形成されている。なお、第2のスライダ
13は、第1のスライダ12に対し、上方向、すなわち
Z軸方向(X軸方向とY軸方向に直交する方向)に、互
いに干渉することなく重なった状態で配置されている。
【0031】ステージ30は、略正方形の面を有し、そ
の略中央部に開口部54が開成されている。ステージ3
0のY軸方向両端部下面には、第2のスライダ13に設
けられたリニアガイドレール45A及び45Bと係合す
るリニアガイドベアリング32A及び32Bが各々2つ
ずつ設けられている。また、ステージ30のX軸方向両
端部下面には、第1のスライダ12に設けられたリニア
ガイドレール25A及び25Bと係合するリニアガイド
ベアリング31A及び31Bが各々、連結部材55A及
び55Bを介して設けられている。
【0032】このように、ステージ30は、第1のスラ
イダ12及び第2のスライダ13の両方に係合した構成
を備えている。
【0033】次に、実施の形態1に係る位置決め装置1
の具体的動作について説明する。
【0034】ステージ30のX軸方向の位置決めを行う
場合、X軸モータ17を駆動させてX軸ボールネジ軸1
6を回転させると、この回転に従ってX軸ボールネジナ
ット15がX軸ボールネジ軸16に沿って移動を開始す
る。この移動によってステージ30は、X軸方向(例え
ば、図1の右方向)に移動する。ステージ30が所定の
位置に到達したら、X軸モータ17の駆動を停止し、ス
テージ30をその位置に停止させる。また、ステージ3
0を図1に示す左方向に移動させたい場合は、X軸モー
タ17を駆動させ、X軸ボールネジ軸16を前記とは逆
の方向に回転させればよい。
【0035】一方、ステージ30をY軸方向に移動させ
る場合、Y軸モータ37を駆動させてY軸ボールネジ軸
36を回転させると、前記と同様にY軸ボールネジナッ
ト35がY軸ボールネジ軸36に沿って移動を開始す
る。この移動によってステージ30は、Y軸方向(例え
ば、図1の上方向)に移動する。ステージ30が所定の
位置に到達したら、Y軸モータ37の駆動を停止し、ス
テージ30をその位置に停止させる。また、ステージ3
0を図1に示す下方向に移動させたい場合は、Y軸モー
タ37を駆動させ、Y軸ボールネジ軸36を前記とは逆
の方向に回転させればよい。
【0036】ここで、実施の形態1に係る位置決め装置
1は、第1の駆動装置14及び第2の駆動装置34が、
ベース11に固定されているため、これら駆動装置14
及び34の重量や駆動させた際にかかる負荷が、下側に
位置する第1のスライダ12にかかることがない。ま
た、一方の駆動装置に他方の駆動装置の負荷がかかるこ
とを軽減することもできる。
【0037】また、ステージ30は、第1のスライダ1
2及び第2のスライダ13の両者に係合しているため、
ステージ30の負荷を、両スライダ12及び13で受け
ることができる結果、一つの部品に負荷が集中すること
がない。
【0038】なお、実施の形態1では、第1の駆動装置
14及び第2の駆動装置34に、モータ、ボールネジナ
ット、ボールネジ軸を使用した場合について説明した
が、これに限らず、例えば、モータとベルト及びプーリ
を組み合わせたもの等、あるいはモータとしてリニアモ
ータを使用したもの等、種々の部材を採用することがで
きる。また、電子ビームを使用する用途等、磁場変動を
抑制したい場合は、第1の駆動装置14及び第2の駆動
装置34に、ボールネジナットとボールネジ軸を使用す
る、あるいはベルト等を使用すること、すなわち、リニ
アモータではなく、モータ自体が移動しない回転式モー
タを使用することが望ましい。
【0039】そしてまた、実施の形態1では、ステージ
30の移動を案内する部材として、転がり案内軸受の一
種であるリニアガイドを使用した場合について説明した
が、これに限らず、例えば、クロスローラガイド等の転
がり案内軸受や、静圧軸受や滑り案内等、所望の部材を
使用することができる。
【0040】また、真空環境下においてステージ30を
使用する場合、実施の形態1に係る位置決め装置1は、
X軸モータ17及びY軸モータ34がベース11に固定
された構成を備えているため、真空内に回転を伝達する
磁性流体シール等を用いることで、X軸モータ17及び
Y軸モータ37を真空環境外に設置することもできる。
このため、真空環境下で好適に使用することが可能であ
る。
【0041】また、実施の形態1に係る位置決め装置1
は、第1のスライダ12と第2のスライダ13がZ軸方
向に重なった状態で配置されているため、設置面積を少
なくすることができる。したがって、位置決め装置1を
真空環境下で使用する場合、真空領域を少なく設定する
ことができるため、これを収容する真空チャンバのサイ
ズを小さくすることができ、真空ポンプ等の周辺機器も
小型化することができる。
【0042】さらに、第1の方向と第2の方向として、
互いに直交するX軸方向とY軸方向としたが、必ずしも
直交しなくてもよい。 (実施の形態2)次に、本発明の実施の形態2に係る位
置決め装置2について、図面を参照して説明する。
【0043】図4は、実施の形態2に係る位置決め装置
のステージ付近を示す要部平面図、図5は、図4に示す
位置決め装置の右側面図、図6は、図4に示すVI−VI線
に沿った断面図である。
【0044】なお、実施の形態2では、実施の形態1で
説明した位置決め装置1と同様の部材には、同一の符号
を付し、その詳細な説明は省略する。
【0045】実施の形態2に係る位置決め装置2の、実
施の形態1に係る位置決め装置1との異なる点は、テン
ション部材61A及び61Bを介して、ステージ30を
第1のスライダ12に取り付けた点である。なお、実施
の形態2では、テンション部材61A及び61Bとし
て、水平方向に剛性があり、水平方向の真直度、ヨーイ
ング精度を低下することが少ない、板バネを使用した。
【0046】すなわち、図4〜図6に示すように、実施
の形態2に係る位置決め装置2は、ステージ30のX軸
方向両端部下面に、支持部材62A及び62Bが設けら
れている。この支持部材62A及び62Bの下端には、
これら及び補強部材64A及び64Bに挟まれてテンシ
ョン部材61A及び61Bが各々ボルトにより固定され
て設けられている。また、このテンション部材61A及
び61Bは、支持部材63A及び63B、及び補強部材
64A及び64Bに挟まれてボルトにより固定され、支
持部材63A及び63Bによって下から支持されてい
る。支持部材63A及び63Bの下面には、リニアガイ
ドベアリング31A及び31Bが各々設けられている。
【0047】この構成により、ステージ30は、第1の
スライダ12に対して、テンション部材61A及び61
Bを介して連結されることになる。したがって、ステー
ジ30と、第2のスライダ13からの負荷の変動をテン
ション部材61A及び61Bによって吸収することがで
きる。したがって、ステージ30と各スライダ12及び
13との垂直方向真直度誤差の違いに起因するステージ
30と各スライダ12及び13との間の前記負荷の変動
を抑制することができ、位置決め精度を向上することが
できる。
【0048】さらに詳しく述べると、第1の駆動装置を
駆動し、ステージ30及び第1のスライダ12がX軸方
向に移動する場合は、ステージ30は、リニアガイドレ
ール45A及び45Bに、第1のスライダ12は、X軸
リニアガイドレール22A及び22Bに、それぞれ案内
されることになる。ここで、ステージ30及び第1のス
ライダ12の移動方向がいずれも正確にX軸方向に一致
していれば問題はないが、実際にはそれぞれ真直度誤差
等を含むため、両者の移動方向は完全には一致しない。
特に、本発明の位置決め装置の構成の場合、垂直方向の
真直度の誤差の割合が高くなる。すなわち、X軸方向に
移動する際の両者の垂直方向の振れの違いが比較的大き
くなる。テンション部材を介さずに両者を連結した場
合、このような上下方向の真直度が相互に干渉し合い、
両者間に余分な力が作用し、また、そのような両者間に
かかる無駄な力が変動することにより、X軸方向の位置
決め精度低下にも影響する可能性もある。
【0049】そこで、ステージ30と第1のスライダ1
2とをテンション部材61A及び61Bを介して連結す
ることにより、ステージ30と第1のスライダ12の前
記のような真直度誤差の差(特に垂直方向)をテンショ
ン部材61A及び61Bにより吸収するようにした。こ
れにより、両者間にかかる余分な力は抑制され、両者が
X軸方向に移動する際、そのような負荷が変動すること
による位置決め精度低下も防止される。
【0050】第2の駆動装置34を駆動し、ステージ3
0及び第2のスライダ13がY軸方向に移動する場合、
ステージ30は、リニアガイドレール25A及び25B
に、第2のスライダ13は、Y軸リニアガイドレール4
2A及び42Bに、それぞれ案内されることになる。こ
こで、ステージ30は、第1のスライダ12とテンショ
ン部材61A及び61Bを介して連結されてなるため、
前述した場合と同様、ステージ30と第2のスライダ1
3の真直度誤差の差は、テンション部材61A及び61
Bにより吸収され、両者間にかかる余分な力が抑制さ
れ、両者がY軸方向に移動する際、そのような負荷が変
動することによる位置決め精度低下も防止される。
【0051】また、好ましくは、テンション部材61A
及び61Bを介してステージ30に連結されていない第
2のスライダ13の、X軸方向及びY軸方向を含む面外
の曲げ剛性を、第1のスライダ12の曲げ剛性より大き
くすることが好ましい。
【0052】ステージ30がX軸方向に移動する場合
は、ステージ30がテンション部材61A及び61Bを
介さずに連結されている第2のスラーだ13上のリニア
ガイドレール45A及び45Bの真直度によりステージ
30の移動の真直度は、決まることになる。したがっ
て、ステージ30のX軸方向移動の真直度をよくするた
めには、リニアガイドレール45A及び45Bの真直度
を高くするのが好ましい。そして、そのためには、リニ
アガイドレール45A及び45Bの土台である第2のス
ライダ13の垂直方向曲げ剛性を高くし、その垂直方向
の撓みを抑えることが有効である。したがって、この場
合、第1のスライダ12と第2のスライダ13のうち、
テンション部材61A及び61Bを介さずにステージ3
0と連結されている第2のスライダ13の方の垂直方向
曲げ剛性を高くするのが、ステージ30のX軸方向移動
時の真直度向上に効果的である。
【0053】ステージ30がY軸方向に移動する際は、
その真直度はY軸リニアガイドレール42A及び42B
の真直度の影響が大きくなる。Y軸リニアガイドレール
42A及び42Bは、ベース11に直接固定されている
ので、真直度は高くしやすい。また、これらに直接案内
される第2のスライダ13は、垂直方向曲げ剛性を高く
してあるので、Y軸方向移動時の歪み等も生じ難い。し
たがって、その上に支持されているステージ30のY軸
方向移動の真直度も高くすることができる。
【0054】この第2のスライダ13の曲げ剛性を第1
のスライダ12の曲げ剛性より大きくする方法として
は、例えば、第2のスライダ13の厚さを、第1のスラ
イダ12の厚さより厚くすることや、厚さの増加による
重量増加を抑えるため、第2のスライダ13にリブ等の
強化部材を設ける、あるいは第2のスライダ13を剛性
/密度のより大きな素材で構成する等、種々の方法を採
用可能である。
【0055】テンション部材61A、61Bの働きによ
り、ステージ30の移動の真直度に対する第1のスライ
ダ12の撓みの影響は小さいので、第1のスライダ12
は第2のスライダ13と比べると薄く、すなわち、軽く
することができる。このことは、可動部全体としての軽
量化、ステージ30の移動の真直度向上との両立という
観点から好ましい。
【0056】なお、実施の形態2では、テンション部材
61A及び61Bを介して、ステージ30を第1のスラ
イダ12に連結した場合について説明したが、これに限
らず、第2のスライダ13にテンション部材61A及び
61Bを介して連結してもよいことは勿論である。この
場合、前記曲げ剛性は、第1のスライダ12の方が、第
2のスライダ13より大きくすることが望ましい。
【0057】また、実施の形態2では、テンション部材
61A及び61Bとして板バネを使用した場合について
説明したが、これに限らず、テンション部材としては、
例えば、図7及び図8に示す構造のものを使用すること
もできる。
【0058】図7は、本発明の他の実施の形態に係る位
置決め装置のステージ付近を示す要部右側面図、図8
は、図7に示すVIII−VIII線に沿った一部を示す拡大断
面図である。
【0059】図7及び図8に示す位置決め装置のテンシ
ョン部材は、ステージ30のX軸方向両端部下面に設け
られた連結部材55A及び55Bを中空に構成し、それ
ぞれの中空部分の略中央部に、4本のワイヤ81によっ
て棒82を各々支持して配置し、棒82の下端をリニア
ガイドベアリング31A及び31Bにそれぞれ固定した
構造を有している。
【0060】これら4本のワイヤ81は、予圧ボルト8
3によって適度な予圧が加えられており、これによって
ステージ30と、第2のスライダ13からの負荷の変動
を吸収するテンション部材としての役割を果たすことが
できる。したがって、ステージ30と各スライダ12及
び13との垂直方向真直度誤差の違いに起因するステー
ジ30と各スライダ12及び13との間の前記負荷の変
動を抑制することができ、位置決め精度を向上すること
ができる。
【0061】この構成のテンション部材は、板バネを使
用した場合と同様に、部材間の摩擦を伴わずに、変動を
吸収することができ、真空用途として特に好ましい。
【0062】また、他の構造のテンション部材として
は、図9に示すように、4本のワイヤ81の変わりに4
つの球91によって棒92を支持し、棒92の下端をリ
ニアガイドベアリング31A及び31Bにそれぞれ固定
した構造とすることもできる。
【0063】これら4つの球91は、球収納ケース93
に収納され、この球収納ケース93は、連結部材55A
及び55Bの下面に各々取り付けられている。これらの
球91は、特に図示しないが、外部から(例えば、予圧
ボルト等によって)適度な予圧がかけられており、これ
によってステージ30と、第2のスライダ13からの負
荷の変動を吸収するテンション部材としての役割を果た
すことができる。したがって、ステージ30と各スライ
ダ12及び13との垂直方向真直度誤差の違いに起因す
るステージ30と各スライダ12及び13との間の前記
負荷の変動を抑制することができ、位置決め精度を向上
することができる。また、ステージ30の移動方向に対
し、特に良好な剛性を得ることができる。
【0064】そしてまた、他の構造のテンション部材と
しては、図10に示すように、リニアガイドベアリング
31A及び31B上に、上面が円形の皿状に凹んでいる
台座98が固定されている。そして、台座98の凹んだ
部分は、内周面が円弧状に形成され、底部は水平面とな
っていて、その台座98の凹んだ部分には、4つの球9
6が、三角錐状に積み上げられて配置されている。一
方、連結部材55A及び55Bの下端には、弾性部材と
しての板バネ97が取り付けられていて、その板バネ9
7の中央部には、三角錐の頂上に位置する球96に係合
する穴が開口されている。
【0065】この構成のテンション部材は、三角錐の底
辺に配置された3つの球96が、頂上に位置する球96
と台座98との間で微小な遊星運動を行い、これによっ
て、駆動系の外乱を吸収し、ステージ30のピッチン
グ、ヨーイング、ローリングを低減する。また、板バネ
97は、連結部材55A及び55Bの水平方向剛性を維
持すると共に、垂直方向の剛性を低くすることによって
駆動系の振れ回りを吸収する。したがって、この構成を
備えたテンション部材は、駆動系の回転誤差を吸収する
と共に、各々の球96の接触点における微小滑りによる
振動減衰効果や熱流遮断効果、さらには、表面積の増加
による放熱効果等の機能を得ることができる。また、球
96の交換により、この部分の静的及び動的な特性を変
化させることができる。
【0066】なお、前記第2の実施の形態のように、テ
ンション部材を使用しない第1の実施の形態の構成の場
合であっても、両スライダ12及び13の一方の曲げ剛
性を他方に比べて大きくすることにより、ステージ30
の移動の垂直方向真直度を向上させることができるの
で、そのようにしてもよい。 (実施の形態3)次に、本発明の実施の形態3にかかる
位置決め装置3について説明する。
【0067】実施の形態3にかかる位置決め装置3は、
前述した実施の形態1にかかる位置決め装置1の第1の
スライダ12を、第1のスライダ12上に形成されたリ
ニアガイドレール25A及び25Bの熱膨張係数と、ほ
ぼ同一の熱膨張係数となるよう調整した複合材料から構
成し、第2のスライダ13を、第2のスライダ13上に
形成されたリニアガイドレール45A及び45Bの熱膨
張係数と、ほぼ同一の熱膨張係数となるよう調整した複
合材料から構成した構造を備えている。
【0068】なお、実施の形態3では、リニアガイドレ
ール25A及び25Bと、リニアガイドレール45A及
び45Bをステンレス(SUS440)で構成し、第1
のスライダ12及び第2のスライダ13を、金属基複合
材(MMC PSI−55、セランクス株式会社製)で
構成した。これは、非加圧金属浸透法による金属がAl
−Si系、45体積%、セラミックス(SiC)、55
体積%のものである。
【0069】なお、ステンレス(SUS440)と、使
用した金属基複合材(MMC PSI−55、セランク
ス株式会社製)、アルミニウム(アルミ合金A505
2)の特性を表1に示す。
【0070】
【表1】 表1から、PSI−55は、ヤング率及び線膨張係数
が、ステンレス(SUS440)とほぼ同一であること
が判る。しかも密度はアルミ合金とほぼ同等であるの
で、剛性/密度比がステンレスより高い。
【0071】次に、図1〜図3に示す構成の位置決め装
置の第1のスライダ13とリニアガイドレール25Aを
図11及び図12に示すようにモデル化した。すなわ
ち、第1のスライダ13をモデル化した部材100の形
状を、長さL=600mm、幅W=46mm、厚さD=
25mmからなる板状に構成し、リニアガイドレール2
5Aをモデル化した部材200の形状を、長さl=46
5mm、幅w=15mm、厚さd=12.5mmからな
るレール状に構成した。
【0072】なお、部材100と部材200との位置関
係は、図11及び図12に示すように、部材100の一
端から距離a=35mm離した位置に部材200の一端
を位置させ、部材100の他端から距離b=100mm
離した位置に部材200の他端を位置させ、部材100
の他の一端から距離c=16.5mm離した位置に部材
200の他の一端を位置させ、部材100の他の他端か
ら距離e=14.5mm離した位置に部材200の他端
を位置させた。また、部材100は、支柱300に載置
されている状態となっている。
【0073】このモデルにおいて、先ず、部材100を
前記金属基複合材PSI−55から構成し、部材200
をステンレス(SUS440)から構成し、温度変化1
℃に対する変形を有限要素法により解析したところ、殆
ど変形がみられなかった。このモデルにおいて、部材1
00を12.5mmと半分の厚さにしても、また、50
mmと2倍の厚さにしても変形は殆ど発生しなかった。
【0074】次に、このモデルにおいて、部材100を
アルミニウム(アルミ合金A5052)で構成し、同様
に解析したところ、温度変化1℃では、20μm程度の
変形が生じた。この結果を図13に示す。このモデルに
おいて、部材100を12.5mmと半分の厚さにする
と、変形は35mmと大きくなった。一方、部材100
を50mmと2倍の厚さにすると、変形は8.5μm程
度発生した。以上から真直度1μmを目標とする高精度
な位置決め装置では、無視できない大きさであることが
判る。なお、これらの解析結果については、実験による
実測値ともよく一致することを確認した。
【0075】以上から、第1のスライダ12は、リニア
ガイドレール25A及び25Bの熱膨張係数と同一の熱
膨張係数となるよう調整した複合材料から構成し、第2
のスライダ13は、リニアガイドレール45A及び45
Bの熱膨張係数と同一の熱膨張係数となるよう調整した
複合材料から構成することで、バイメタル現象の発生を
防止することができることが立証された。特に、PSI
−55の密度は、アルミ合金と同等で、ステンレスに比
べ大幅に小さく、第1及び第2のスライダ12及び13
の軽量化に寄与する。しかもPSI−55は、ヤング率
(剛性)がステンレスと同等であり、スライダの中央
に、軸が貫通するよう開口部(貫通部)がある場合、ア
ルミ合金の場合だとスライダの厚さを薄くすると、剛性
を十分に得ることが困難となるが、実施の形態3にかか
るスライダは、十分な剛性を得ることができるので、さ
らなる軽量化と剛性との両立が可能となる。
【0076】なお、実施の形態3は、実施の形態2で説
明した位置決め装置2にも適用することができる。この
場合は、第2のスライダ13は、搭載物の重量を支持す
るため、搭載物の重量に見合った剛性を有することが必
要であることに加え、第2のスライダ13は、リニアガ
イドレール45A及び45Bの熱膨張係数と同一の熱膨
張係数となるよう調整した複合材料からなることが特に
望ましい点は、上述と同様である。一方、第1のスライ
ダ12は、自重のみを支持すればよいため、必ずしもリ
ニアガイドレール25A及び25Bの熱膨張係数と同一
の熱膨張係数となるよう調整した複合材料から構成しな
くてもよい。すなわち、第1のスライダ12は、ステー
ジ30にテンション部材を介して結合されているため、
第1のスライダ12の変形がステージ30の移動の真直
度の悪化に及ぼす影響は小さくてすむので、軽量化、省
スペース化のために、その厚さを極力薄くすることが可
能である。但し、薄肉化による変形や温度変化によるバ
イメタル現象等による第1のスライダ12の真直度の悪
化は、第1の駆動装置14に対する負荷の増加につなが
るので、好ましくは第1のスライダ12についてもリニ
アガイドレール25A及び25Bの熱膨張係数と同一の
熱膨張係数となるよう調整した複合材料から構成するこ
とが望ましい。
【0077】なお、実施の形態3では、複合材料とし
て、金属基複合材(MMC PSI−55、セランクス
株式会社製)を使用した場合について説明したが、これ
に限らず、繊維強化セラミック(CMC)や、繊維強化
プラスチック(FRP)等の複合材を使用する等、リニ
アガイド素材と比べ、剛性/密度比が大きく、成分調整
により、熱膨張係数がほぼ同一の値にできるものであれ
ばよい。
【0078】また、本発明でいうほぼ同一の熱膨張係数
とは、例えば、ガイドレールが設けられたスライダの略
中央部分の変形量(真直度)が、約1μm程度を維持で
きるような値であるが、この変形量は、周辺温度の変化
や、スライダ及びガイドレールのサイズ(長さ、幅、厚
さ等)等によって決定される。例えば、図11の場合、
1℃の温度変化にて1μm以下の変形に抑制するために
は、スライダの熱膨張係数は、ガイドレールの熱膨張係
数の±10%程度、スライダの厚さを倍の50mmと
し、他は同じ条件とした場合は、スライダの熱膨張係数
は、ガイドレールの熱膨張係数の±30%程度等、がほ
ぼ同一の範囲として挙げられる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る位置
決め装置は、第1の駆動装置及び第2の駆動装置を固定
部に設け、前記第1のスライダ及び第2のスライダを、
これらが移動する両方向と直交する方向に重なるよう配
置し、前記第1のスライダ及び第2のスライダの両者に
ステージを係合させた構成を備えているため、一方の駆
動装置に他方の駆動装置等の負荷がかかることを軽減す
ることができると共に、ステージの負荷が、一つの部品
に集中することを防止することができる。また、第1の
スライダ及び第2のスライダの配置面積を必要最低限に
抑えることができる。この結果、高精度かつ高速駆動が
可能であり、省スペース化が達成された寿命の長い位置
決め装置を提供することができる。
【0080】さらにまた、少なくとも、前記第2のスラ
イダに、前記ステージを案内する第2のガイドレールを
設け、当該第2のスライダを、前記第2のガイドレール
の熱膨張係数と同一の熱膨張係数となるよう調整した複
合材料から構成すれば、少なくとも、第2のスライダと
該第2のスライダ上に設けられる第2のガイドレールと
の間にバイメタル現象が発生することを防止することが
でき、より高精度な位置決め装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置決め装置を示
す平面図である。
【図2】図1に示す位置決め装置の正面図である。
【図3】図1に示す位置決め装置の主要部分を示す概略
斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る位置決め装置のス
テージ付近を示す平面図である。
【図5】図4に示す位置決め装置の右側面図である。
【図6】図4に示すVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る位置決め装置の
ステージ付近を示す要部右側面図である。
【図8】図7に示すVIII−VIII線に沿った一部を示す拡
大断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る位置決め装置
の、図8に準じた拡大断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る位置決め装置
の、図8に準じた拡大断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3にかかるモデルを示す
平面図である。
【図12】本発明の実施の形態3にかかるモデルを示す
側面図である。
【図13】本発明の実施の形態3にかかるモデルに対す
る計算結果を示す側面図である。
【符号の説明】
1、2 位置決め装置 10 第1の位置決め装置 11 ベース 12 第1のスライダ 13 第2のスライダ 14 第1の駆動装置 20 第2の位置決め装置 30 ステージ 61A、61B テンション部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F078 CA02 CA03 CA08 CB09 CB12 CC01 CC03 CC14 3C048 BB03 BB12 BC02 CC04 DD06 EE01 5F031 CA02 HA02 HA57 KA06 LA07 LA08 LA12 LA13 NA01 PA11 PA30 5F046 CC03 CC18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部と、 前記固定部に対し第1のスライダを第1の駆動装置によ
    り第1の方向に位置決めする第1の位置決め装置と、 前記固定部に対し第2のスライダを第2の駆動装置によ
    り前記第1の方向と交差する第2の方向に位置決めする
    第2の位置決め装置と、 を備え、前記第1の方向及び第2の方向にステージを位
    置決めする位置決め装置であって、 前記第1の駆動装置及び第2の駆動装置は、前記固定部
    に設けられ、 前記第1のスライダ及び第2のスライダは、前記第1の
    方向及び第2の方向と直交する第3の方向に重なって配
    置され、 前記ステージは、前記第1のスライダ及び第2のスライ
    ダの両者に係合してなる位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記いずれかのスライダが前記ステージ
    とテンション部材を介して係合してなる請求項1記載の
    位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のスライダに、前記ステージを
    前記第1の方向に案内する第2のガイドレールを設け、 前記第2のスライダは、前記第2のガイドレールの熱膨
    張係数と同一の熱膨張係数となるよう調整した複合材料
    からなる請求項1または請求項2記載の位置決め装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のスライダに、前記第2のスラ
    イダを前記第2の方向に案内する第1のガイドレールを
    設け、前記第1のスライダは、前記第1のガイドレール
    の熱膨張係数とほぼ同一の熱膨張係数となるよう調整し
    た複合材料からなる請求項3記載の位置決め装置。
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