JP2002156492A - 原子力発電システム - Google Patents

原子力発電システム

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JP2002156492A
JP2002156492A JP2000352098A JP2000352098A JP2002156492A JP 2002156492 A JP2002156492 A JP 2002156492A JP 2000352098 A JP2000352098 A JP 2000352098A JP 2000352098 A JP2000352098 A JP 2000352098A JP 2002156492 A JP2002156492 A JP 2002156492A
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Kazuaki Kito
和明 木藤
Tadashi Fujii
正 藤井
Masaya Otsuka
雅哉 大塚
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素化された構成でより高い熱効率を達成す
ること。 【解決手段】 SCR10の1次系12に中間熱交換器
20、22が設置され、1次系12の冷却材に超臨界圧
水が用いられ、1次系12は中間熱交換器20、22を
介して2次系36に接続され、2次系36にはタービン
36が挿入されて、2次系36の冷却材に超臨界圧水が
用いられている。SCR10を冷却して熱回収された冷
却材は高温となって中間熱交換器20、22に送給さ
れ、2次系36の冷却材と熱交換され、中間熱交換器2
0、22において高温高圧の擬臨界温度以上の流体が生
成され、高温高圧の擬臨界温度以上の流体によってター
ビン46が駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電システ
ムに係り、特に、原子炉に接続された1次系とタービン
に接続された2次系とを熱交換器を介して接続し、原子
炉の熱エネルギーを間接的にタービンに伝達して発電を
行うに好適な間接サイクル型原子力発電システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】発電システムの冷却材や産業用の熱輸送
流体として、従来から広く水が多く採用されている。水
は沸騰するときに沸騰遷移を起こし、熱伝達率が急激に
減少することがある。そのため、原子力発電システムで
は、機器の安全性を確保するために、沸騰遷移を起こさ
ない領域でのみ運転するように設計されている。この結
果、原子力発電システムでは、主に飽和蒸気を用いて発
電している。
【0003】現在、国内で運転している代表的な原子力
発電システムに採用されている原子炉としては、沸騰水
型軽水炉(以下、BWRと略す。)と加圧水型軽水炉
(以下、PWRと略す。)の2種類がある。BWRは原
子炉の炉心内で水を沸騰させて蒸気を生成し、生成した
蒸気を直接タービンに送る直接サイクル型の発電システ
ムに用いられている。一方、PWRは、原子炉の熱を回
収する1次系とタービンに接続された2次系とを蒸気発
生器を介して接続し、1次系を循環する水を原子炉の炉
心内で沸点以下に抑えた状態で加熱し、加熱された高温
の水を蒸気発生器に送り、この蒸気発生器において圧力
の低い2次系の水を沸騰させて蒸気を生成し、この生成
された蒸気をタービンに送る間接サイクル型の発電シス
テムに用いられている。
【0004】上記原子力発電システムのうちBWRを用
いた直接サイクル型発電システムは、蒸気発生器などの
機器が不要であるため、炉心側のシステム構成が単純で
あり、しかも、熱交換時のエネルギー損失が全く無いと
いうメリットがある。しかし、炉心内の水や炉心から発
生する蒸気には放射性物質が含まれているため、タービ
ン建屋においても放射線を遮蔽する構造としたり、ター
ビン系機器のメンテナンス時には作業員の被爆を低減す
る配慮が必要である。一方、PWRを用いた間接サイク
ル型の発電システムは直接サイクル型発電システムより
もシステム構成は複雑となるが、1次系と2次系とが分
離されているため、タービン系の放射化を低減すること
ができる。
【0005】ところで、間接サイクル型や直接サイクル
型の発電システムなど、一般的に蒸気を用いた発電シス
テムは、熱効率は蒸気温度が高い程向上する。しかし、
これらの発電システムでは、飽和蒸気を用いているた
め、蒸気温度を高めるにも水の沸点により制約され、熱
効率は34〜35%程度である。
【0006】そこで、熱効率を向上させるために、原子
炉出口温度を上昇させた原子炉システムの一例として、
液体金属冷却高速増殖炉(以下、LMFBRと略す。)
が提案されている。LMFBRを用いた発電システムで
は、水の沸騰遷移の問題を解決するために、炉の熱を回
収するための1次系の冷却材としてナトリウムを用い、
この1次系とナトリウムのみを循環させる2次系とを熱
交換器を介して接続し、タービンを間にして流体の循環
路を形成する3次系と2次系とを熱交換器を介して接続
し、2次系の高温ナトリウム(500℃程度)と3次系
の水とを熱交換する際に、熱交換器(蒸発器)での熱交
換により飽和蒸気として一旦取り出し、さらに飽和蒸気
を過熱器を通して熱交換することで過熱蒸気を生成する
分離方式の間接サイクル型発電システムを採用してい
る。なお、水の沸点の制約をなくし、貫流型熱交換器を
用いて一気に水を過熱蒸気にする案も提案されている
が、実機適用には至っていない。
【0007】また、火力発電に匹敵する蒸気条件を達成
するために、複数の原子力発電システムまたは原子力発
電システムと火力発電システムなど他の熱源を組み合わ
せた原子力コンバインドサイクル発電システムも提案さ
れている。
【0008】例えば、日本原子力学会1999年秋の大
会予稿集第288頁などに記載されているように、第1
の炉心であるPWRで飽和蒸気を生成し、第2の炉心で
あるLMFBRを用いて蒸気を550℃まで過熱し、電
気出力と熱効率を向上させるようにしたものが提案され
ている。
【0009】LMFBRを用いた発電システムおよび原
子力コンバインドサイクルを利用した発電システムは、
現状のBWR/PWRプラントよりも高温の蒸気を発電
に使用しているため、熱効率は40%近くまで向上する
が、システムが複雑となり、設備コストが上昇する傾向
にある。
【0010】一方、火力発電プラントでは、超臨界圧ボ
イラを用いて熱効率を高めることが行われている。すな
わち、冷却材として超臨界圧水、臨界圧(約22.1M
Pa)を超えた水は沸騰現象がなくなり、沸騰遷移の制
約がなくなるため、蒸気条件を圧力30.0MPa、温
度500℃以上に高めることで、40%を超える熱効率
を達成している。
【0011】またガスタービンの排熱回収や燃焼器の冷
却材として超臨界圧水を利用し、同時に発電するように
したものとして、例えば、特開平6−200705号公
報や特開2000−38903号公報に記載されている
ものが提案されている。
【0012】同様の試みは、原子力発電システムで検討
されており、炉心を超臨界圧水で冷却する直接サイクル
型の超臨界圧軽水冷却炉(以下、SCRと略す。)が日
本原子力学会1997年秋の大会予稿集第388頁など
で提案されている。SCRを用いたシステムとして、炉
心出口冷却材温度を400℃〜580℃程度として、熱
効率を44%程度まで上昇させた設計例がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】原子力発電プラントを
構築するに際しては、タービン系の放射化低減のために
は間接サイクル型のシステムを採用することが望まし
い。
【0014】しかし、従来の間接サイクル型の発電シス
テムでは、PWRの用に飽和蒸気を用いて発電するか、
LMFBRのように蒸発器と過熱器とからなる複雑なシ
ステムを構成して亜臨界圧条件での過熱蒸気を生成して
発電することが余儀なくされる。このため、PWRのよ
うな飽和蒸気を用いたシステムでは大幅な熱効率の向上
は難しい。一方、LMFBRでは、発電用の蒸気発生シ
ステムの物量は他の原子力発電システムよりも増加する
傾向にあるとともに、大幅な熱効率の向上は難しい。
【0015】なお、熱効率を高めるために、SCRを用
いたシステムを構成することも考えられるが、SCRを
用いた直接サイクル型の発電システムでは、原子炉内で
沸騰現象がないため、蒸気よりも放射性物質を多く含む
水がタービン系に移行するため、放射化対策が必要とな
る。
【0016】本発明の課題は、簡素化された構成でより
高い熱効率を達成することができる間接サイクル型原子
力発電システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、間接サイクル型原子力発電システムにお
いて、1次系と2次系の流体のうち少なくとも2次系の
流体として臨界圧水を用いたものである。
【0018】具体的には、本発明は熱源を構成する原子
炉と、前記原子炉の炉心を間にして流体の循環路を形成
する1次系と、発電機を駆動する蒸気タービンと、前記
蒸気タービンを間にして流体の循環路を形成する2次系
と、前記1次系の流体と前記2次系の流体との間で熱エ
ネルギーの授受を行う1次・2次熱交換器とを備え、少
なくとも前記1次・2次熱交換器の2次系入口側の流体
として、超臨界圧水を用いてなる原子力発電システムを
構成したものである。
【0019】前記原子力発電システムを構成するに際し
ては、以下の要素を付加することができる。
【0020】(1)前記原子炉出口側の流体の温度は、
前記1次・2次熱交換器から排出される2次系の流体が
擬臨界温度以上となる温度に設定されてなる。
【0021】(2)前記原子炉は、炉心を超臨界圧水で
冷却する超臨界圧軽水冷却炉で構成され、前記超臨界圧
軽水冷却炉入口側の流体として超臨界圧水を用いてな
る。
【0022】また、本発明は、熱源に沸騰水型軽水路を
用いたものとして、熱源を構成する沸騰水型軽水炉と、
前記沸騰水型軽水炉の炉心を間にして流体の循環路を形
成する1次系と、発電機を駆動する蒸気タービンと、前
記蒸気タービンを間にして流体の循環路を形成する2次
系と、前記1次系の流体と過熱された飽和蒸気との間で
熱エナルギーの授受を行う蒸気過熱用熱交換器と、前記
蒸気過熱用熱交換器で熱交換された飽和蒸気を導入して
過熱し、過熱された飽和蒸気を前記蒸気過熱用熱交換器
に送る飽和蒸気過熱炉と、前記1次系の流体と前記2次
系の流体との間で熱エネルギーの授受を行う1次・2次
熱交換器とを備え、前記1次・2次熱交換器入口側の流
体として、超臨界圧水を用いてなる原子力発電システム
を構成したものである。
【0023】前記原子力発電システムを構成するに際し
ては、以下の要素を付加することができる。
【0024】(1)前記1次系の流体のうち前記1次・
2次熱交換器の1次系入口側の流体の温度は、前記1次
・2次熱交換器から排出される2次系の流体が擬臨界温
度以上となる温度に設定されてなる。
【0025】前記各原子力発電システムを構成するに際
しては、以下の要素を付加することができる。
【0026】(1)前記2次系には、前記2次系の蒸気
の一部を前記2次系外に抽気する抽気系が接続されてな
る。
【0027】(2)前記1次・2次熱交換器のうち少な
くとも1台には、前記2次系の流体を気水分離する気水
分離器と前記2次系の流体を乾燥する蒸気乾燥器のうち
少なくとも一方が設置されてなる。
【0028】(3)前記2次系の流体のうち前記1次・
2次熱交換器入口側の温度は、前記1次系の流体のうち
前記熱源入口側の流体の温度よりも、前記2次系の流体
を加熱する加熱器の加熱温度に相当するだけ低く設定さ
れてなる。
【0029】(4)前記1次系には、前記1次系の流体
の圧力を調整する圧力調整弁が設置されてなる。
【0030】(5)前記1次・2次熱交換器と前記熱源
は、前記1次系の流体が自然循環する位置関係を保って
設置されてなる。
【0031】前記した手段によれば、2次系に流す流体
として超臨界圧水を用いているため、1次系で熱源から
回収された熱エネルギーを1次・2次熱交換器によって
2次系の超臨界圧水に回収させる際、超臨界圧水は沸騰
現象がないため、超臨界圧水は、高温高圧の下で過熱蒸
気に変換され、高温高圧の下で蒸気タービンを駆動する
ことができ、より高い熱効率を達成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す
間接サイクル型原子力発電システムの全体構成図であ
る。図1において、間接サイクル型原子力発電システム
は、熱源を構成する原子炉としてSCR(超臨界圧軽水
冷却炉)10を備えており、このSCR10には、SC
R10の炉心を間にして、炉心から発生する熱エネルギ
ーを回収するための流体の循環路を形成する1次系12
が接続されている。1次系12は配管14、16、18
を備えており、配管14と配管18によって第1のルー
プが形成され、配管16、配管18によって第2のルー
プが形成されるようになっている。これら配管14、1
6、18およびSCR10を循環する流体としての冷却
材には超臨界圧水が用いられている。配管14、16の
管路途中には、1次・2次熱交換としての中間熱交換器
20、22が挿入されており、配管14、16の管路の
うちSCR出口側には圧力調整弁24、26が設置さ
れ、中間熱交換器20、22側には圧力調整弁28、3
0が設置されている。さらに配管18の管路途中には、
配管18内の冷却材の圧力を臨界圧(約22.1MP
a)を超える圧力(超臨界圧)まで高める給水ポンプ3
2が挿入され、配管18には蓄圧器34が接続されてい
る。
【0033】SCR10に超臨界圧水が導入された状態
でSCR10が運転されると、SCR10の炉心の出口
側における冷却材の温度は400℃〜580℃となる。
SCR10の炉心を冷却してその熱エネルギーを回収し
た冷却材が配管14、16を介して中間熱交換器20、
22に送られると、各中間熱交換器20、22において
1次系12を循環する冷却材と2次系36を循環する冷
却材(流体)との間で熱エネルギーの授受が行われるよ
うになっている。
【0034】すなわち、2次系36は、配管38、4
0、42、44を備えており、蒸気タービン46を間に
して流体(冷却材)の循環路を形成するようになってい
る。この場合、配管38と配管40によって第1のルー
プが形成され、配管38と配管42によって第2のルー
プが形成されるようになっている。そして配管38の管
路の途中には、復水器58、復水ポンプ(図示省略)、
低圧給水加熱器48、給水ポンプ50、4段構成の加圧
給水加熱器52、圧力調整弁54が挿入されている。一
方配管40、42の管路途中には中間熱交換器20、2
2がそれぞれ挿入されている。なお、中間熱交換器20
内には気水分離気56が設置されている。
【0035】上記構成による2次系36においては、タ
ービン46から出力される蒸気の圧力は大気圧の1/1
0程度であり、この蒸気は復水器58で水に変換された
後復水ポンプで大気圧まで圧力が高められる。この水は
冷却材として低圧給水加熱器48で加熱された後、例え
ば、2段構成の給水ポンプ50によって、臨界圧(約2
2.1MPa)を超えた超臨界圧水に変換され、この超
臨界圧水は高圧給水加熱器52によって加熱されるよう
になっている。すなわち、2次系36の流体としての冷
却材には超臨界圧水が用いられており、高圧給水加熱器
52から各中間熱交換器20、22には超臨界圧水が導
入されるようになっている。そして、各中間熱交換器2
0、22において1次系の超臨界圧水と2次系の超臨界
圧水との間で熱エネルギーの授受が行われ、各中間熱交
換器20、22からは高温、例えば400℃以上(擬臨
界温度以上)、高圧の流体が出力されるようになってい
る。この擬臨界温度以上の流体は圧力調整弁54を介し
て蒸気タービン46に送られ、蒸気タービン46は高温
高圧の流体にしたがって回転駆動される。この蒸気ター
ビン46が回転駆動されると、蒸気タービン46に接続
された発電機(図示省略)による発電が行われるように
なっている。
【0036】次に、2次系の冷却材に超臨界圧水を用い
た場合と亜臨界圧水を用いた場合の2次系の冷却材の圧
力、温度、熱効率の関係を図2に従って説明する。図2
は、給水温度を一定としたときの2次系の冷却材の圧
力、温度、熱効率の関係を示す特性図(計算例)であ
る。図2において、実線は亜臨界圧での飽和蒸気の結果
であり、破線は過熱蒸気の結果を示す。
【0037】2次系の冷却材に亜臨界圧水を用い、飽和
蒸気で発電した場合、蒸発潜熱などの影響により熱効率
は15MPa程度で頭打ちとなり、1次系の性能をいか
に向上させても、熱効率はあまり向上しないことにな
る。
【0038】一方、1次系の冷却材に亜臨界圧水を用い
ても、蒸気条件を飽和蒸気以上の過熱蒸気とすれば、熱
効率は向上する。しかし、過熱蒸気を生成するために、
冷却材を蒸発器で沸騰させ、蒸気のみを過熱器に通すに
は複雑なシステムを採用する必要がある。
【0039】これに対して、本発明のように、2次系に
超臨界圧水を用いた間接サイクル型発電システムを採用
すれば、直接サイクル型のSCRに比べ、タービン系機
器の放射化対策が不要になるとともに、沸騰遷移がない
ため、中間熱交換器20、22のみで擬臨界温度以上の
流体の生成が可能となり、LMFBRなどの分離型蒸気
発生システムと比べ、システムを大幅に簡素化すること
ができる。
【0040】このように、本実施形態において、1次系
12、2次系36の冷却材として超臨界圧水を用いた間
接サイクル型発電システムを採用しているため、1次系
12と2次系36とも沸騰遷移がなく、2次系36の冷
却材を高温高圧、例えば、400℃以上、25MPaに
することができるので、高温高圧の下でタービン46を
駆動して発電することができ、簡素化された構成でより
高い熱効率を達成することができる。
【0041】なお、冷却材の圧力が高いため、中間熱交
換器20、22の伝熱管や2次系36の配管38、4
0、42の肉厚を軽水炉よりも厚くする必要があるが、
熱効率は軽水炉を用いたシステムよりも大幅に向上する
ので、経済性の向上を図ることができる。
【0042】また2次系36の冷却材は、1次系12の
冷却材の温度よりも低い任意の温度で取り出すことが可
能であり、2次系36の冷却材の出口温度はなるべく高
い方が熱効率は向上する。ただし、この場合、中間熱交
換器20、22を大型化する必要があるが、2次系36
の冷却材の出口温度を設定するに際しては、中間熱交換
器20、22の設備コストとの兼ね合いで決めればよい
ことになる。
【0043】本実施形態において、配管38から分岐し
た配管44は、2次系36の過熱蒸気の一部を2次系3
6外に抽気する抽気系として設けられており、配管44
に抽気された蒸気には放射性物質が含まれていないた
め、抽気された高温高圧の蒸気を発電以外の産業に利用
することができる。
【0044】また、間接サイクル型発電システムでは、
直接サイクル型発電システムでは必要としない中間熱交
換器20、22、または蒸発器が必要になるとともに、
原子炉起動時と通常運転時の1次系冷却材の密度変化に
伴う圧力変動を調整するための蓄圧器34などが必要が
なり、一般的に原子炉側の設備コストが増加するという
問題点がある。このため、本実施形態では、この問題点
を解決するために以下のようなシステム構成が採用され
ている。
【0045】すなわち、1次系冷却材の密度変化に伴う
圧力変動を調整するために1次系12に蓄圧器34のみ
を用いた場合、蓄圧器34を用いて1次系12の圧力を
調整することは可能であるが、炉心出口温度は高温で、
密度が低いため、蓄圧器34が大型化する。このため、
本実施形態においては、密度と圧力との関係を考慮し、
1次系12に蓄圧器34とともに圧力調整弁24、2
6、28、30を設けることとしている。圧力調整弁2
4、26、28、30を設けることのメリットを図3に
従って説明する。
【0046】図3に、PWRとSCRについての冷却材
密度と炉心圧力との関係を示す。図3は、横軸に定常状
態の炉心出力冷却材密度に対する密度比、縦軸に定常状
態の炉心圧力に対する圧力比を示している。
【0047】図3により、PWRでは、炉心出口の冷却
材密度が1%変化すると、炉心圧力は約13%変化する
ことが分かる。このためPWRにおいて圧力調整弁を用
いて圧力調整をする場合、冷却材を圧縮または膨張させ
て密度を変化させることで圧力調節するためには、密度
変化に対する圧力変化が大きすぎると制御が困難にな
る。これに対して、SCRを用いた場合には、冷却材の
密度が1%変化するときの炉心の圧力変化は0.8%と
小さく、圧力調整弁24〜30による圧力調整が可能に
なる。
【0048】この場合、1次系の圧力調整弁24〜30
は、中間熱交換器20、22の入口側、SCR10出口
側近傍のいずれかまたは両方に設置すればよい。また圧
力調整弁24、26をSCR10の出口側近傍に設置す
れば、圧力調整に関わる蒸気体積を減少させることがで
き、広い圧力範囲の調整が可能になる。
【0049】このような圧力調整機構を採用すれば、蓄
圧器34は、運転停止時の圧力調整に必要な容量のみを
確保すればよいことになり、蓄圧器34の容量を削減で
きる。また蓄圧器34は、SCR10の炉心の入口側で
も出口側でもいずれに設置してもよい。また運転停止時
の炉心圧力低下を許容するシステムとして設計すれば、
蓄圧器34を削除することも可能である。
【0050】また中間熱交換器20、22を設置する際
しては、SCR10との位置関係を考慮して設置するこ
とが望ましい。すなわち、中間熱交換器20、22をS
CR10の炉心よりも高い位置に設置し、給水ポンプ3
2の故障時や停電時などにおいても、1次系のループ内
で冷却材が自然循環するように設計することで、高圧の
補助系などを削減することができる。
【0051】また、PWRの蒸気発生器のように、亜臨
界圧水を用いた間接サイクル型発電システムでは、通常
運転時においても、2次系の飽和蒸気を乾燥させるため
の気水分離器や蒸気乾燥器が必要となる。これに対し
て、本実施形態のように、2次系に超臨界圧水を用いる
ことで、相変化がないため、通常運転時には気水分離器
は不要となる。ただし、直接サイクル型SCRにおい
て、起動時にタービン系に湿分を持ちこまないために、
気水分離器を設け、主蒸気系の一部から分離して気水分
離器を設置する構成が採用されていることを考慮する
と、本実施形態のように、SCRを用いた間接サイクル
型の発電システムでも、気水分離器56を設けること
で、起動時に気水分離器56によって湿分を取り除くこ
とができる。この場合、気水分離器56とともに2次系
の冷却材を乾燥させる蒸気乾燥器を設けることもでき
る。
【0052】また本実施形態においては、2次系36の
冷却材の温度のうち中間熱交換器20、22の入口側の
温度を下げることで、高圧給水加熱器52の段数を削減
することができる。例えば、高圧給水加熱器52を4段
で構成し、1段当たり20〜30℃冷却材を昇温した場
合、2次系の流体のうち中間熱交換器20、22の入口
側の温度を1次系12の冷却材の温度のうち炉心入口側
温度より20℃以上低くすることで、高圧給水加熱器5
2を1段以上削減することができる。この場合、段数の
削減に伴って高圧給水加熱器52が設置されている蒸気
タービン46の建屋のスペースを低減することができ
る。
【0053】次に、本発明の他の実施形態を図4にした
がって説明する。
【0054】本実施形態は、熱源を構成する原子炉とし
て、SCR10の代わりにBWR(沸騰水型軽水炉)6
0を用い、1次系12の配管14、16から圧力調整弁
28、30を削除するとともに、配管14、16中に蒸
気過熱用熱交換器62を設け、この熱交換器62と核過
熱炉64とを、過熱用ループを構成する配管66を介し
て接続するようにしたものであり、他の構成は図1のも
のと同様である。
【0055】すなわち、本実施形態においては、1次系
12には、原子炉コンバインドサイクルを構成するシス
テムの1要素としてBWR60と核過熱炉64が設けら
れており、1次系12を流れる流体としての冷却材はB
WR60で飽和蒸気として生成されるようになってい
る。この飽和蒸気は熱交換器62において、核過熱炉6
4で熱回収された流体と熱交換され、高温、例えば40
0℃以上に過熱された飽和蒸気が中間熱交換器20、2
2に送れるようになっている。高温高圧の飽和蒸気が中
間熱交換器20、22において2次系38の超臨界圧水
と熱交換されると、中間熱交換器20、22において、
例えば400℃以上に過熱された擬臨界温度以上の流体
が生成され、高温高圧、例えば、400℃以上、25M
Paの擬臨界温度以上の流体によってタービン46が駆
動され、タービン46の駆動によって発電が行われるこ
とになる。
【0056】このように、本実施形態においては、高温
高圧の過熱蒸気を用いてタービン46を駆動しているた
め、簡素化された構成でより高い熱効率を達成すること
ができる。
【0057】本実施形態において、核過熱炉64は、飽
和蒸気過熱炉として用いられており、核過熱炉64の代
わりに、SCR、LMFBRなどの原子炉や火力発電プ
ラントを用いることもできる。
【0058】また、前記各実施形態においては、湿分分
離過熱器などの再熱器の系統は省略しているが、前記各
実施形態において、熱効率向上のために再熱系統を設け
ることもできる。この場合、通常、原子力発電プラント
では、主蒸気やタービンの途中からの抽気により再熱し
ているが、1次系の冷却材の温度が高い間接サイクル型
の発電システムでは1次系の冷却材によって再熱するこ
とも可能である。また図4に示す実施形態の場合、熱交
換器62を再熱系統に設置し、熱交換器62を再熱器と
して用いることもできる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2次系に流す流体として超臨界圧水を用いているため、
高温高圧の下で蒸気タービンを駆動することができ、簡
素化された構成でより高い熱効率を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す間接サイクル型原子
力発電システムの全体構成図である。
【図2】2次系の冷却材の圧力、温度、熱効率の関係を
示す特性図である。
【図3】密度比と圧力比との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す間接サイクル型原
子力発電システムの全体構成図である。
【符号の説明】 10 SCR(超臨界圧軽水冷却炉) 12 1次系 14、16、18 配管 20、22 中間熱交換器 24、26、28、30 圧力調整弁 32 給水ポンプ 34 蓄圧器 36 2次系 38、40、42、44 配管 46 タービン 48 低圧給水加熱器 50 給水ポンプ 52 高圧給水加熱器 56 気水分離器 58 復水器 60 BWR(沸騰水型軽水炉) 62 蒸気過熱用熱交換器 64 核過熱炉

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源を構成する原子炉と、前記原子炉の
    炉心を間にして流体の循環路を形成する1次系と、発電
    機を駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンを間に
    して流体の循環路を形成する2次系と、前記1次系の流
    体と前記2次系の流体との間で熱エネルギーの授受を行
    う1次・2次熱交換器とを備え、少なくとも前記1次・
    2次熱交換器の2次系入口側の流体として、超臨界圧水
    を用いてなる原子力発電システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の原子力発電システムに
    おいて、前記原子炉出口側の流体の温度は、前記1次・
    2次熱交換器から排出される2次系の流体が擬臨界温度
    以上となる温度に設定されてなることを特徴とする原子
    力発電システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の原子力発電シ
    ステムにおいて、前記原子炉は、炉心を超臨界圧水で冷
    却する超臨界圧軽水冷却炉で構成され、前記超臨界圧軽
    水冷却炉入口側の流体として超臨界圧水を用いてなるこ
    とを特徴とする原子力発電システム。
  4. 【請求項4】 熱源を構成する沸騰水型軽水炉と、前記
    沸騰水型軽水炉の炉心を間にして流体の循環路を形成す
    る1次系と、発電機を駆動する蒸気タービンと、前記蒸
    気タービンを間にして流体の循環路を形成する2次系
    と、前記1次系の流体と過熱された飽和蒸気との間で熱
    エナルギーの授受を行う蒸気過熱用熱交換器と、前記蒸
    気過熱用熱交換器で熱交換された飽和蒸気を導入して過
    熱し、過熱された飽和蒸気を前記蒸気過熱用熱交換器に
    送る飽和蒸気過熱炉と、前記1次系の流体と前記2次系
    の流体との間で熱エネルギーの授受を行う1次・2次熱
    交換器とを備え、前記1次・2次熱交換器入口側の流体
    として、超臨界圧水を用いてなる原子力発電システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の原子力発電システムに
    おいて、前記1次系の流体のうち前記1次・2次熱交換
    器の1次系入口側の流体の温度は、前記1次・2次熱交
    換器から排出される2次系の流体が擬臨界温度以上とな
    る温度に設定されてなることを特徴とする原子力発電シ
    ステム
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5のうちい
    ずれか1項に記載の原子力発電システムにおいて、前記
    2次系には、前記2次系の蒸気の一部を前記2次系外に
    抽気する抽気系が接続されてなることを特徴とする原子
    力発電システム。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6のう
    ちいずれか1項に記載の原子力発電システムにおいて、
    前記1次・2次熱交換器の少なくとも1台には、前記2
    次系の流体を気水分離する気水分離器と前記2次系の流
    体を乾燥する蒸気乾燥器のうち少なくとも一方が設置さ
    れてなることを特徴とする原子力発電システム。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    のうちいずれか1項に記載の原子力発電システムにおい
    て、前記2次系の流体のうち前記1次・2次熱交換器入
    口側の温度は、前記1次系の流体のうち前記熱源入口側
    の流体の温度よりも、前記2次系の流体を加熱する加熱
    器の加熱温度に相当するだけ低く設定されてなることを
    特徴とする原子力発電システム。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8のうちいずれか1項に記載の原子力発電システムに
    おいて、前記1次系には、前記1次系の流体の圧力を調
    整する圧力調整弁が設置されてなることを特徴とする原
    子力発電システム。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9のうちいずれか1項に記載の原子力発電シス
    テムにおいて、前記1次・2次熱交換器と前記熱源は、
    前記1次系の流体が自然循環する位置関係を保って設置
    されてなることを特徴とする原子力発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008078244A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Tokyo Electron Ltd 被温度制御体の温度制御方法及び装置並びに高低温処理システム
CN106098122A (zh) * 2016-05-31 2016-11-09 哈尔滨工程大学 一种基于超临界二氧化碳布雷顿循环的核能发电系统

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