JP2002156373A - 溶液の性状診断装置 - Google Patents

溶液の性状診断装置

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JP2002156373A
JP2002156373A JP2000355161A JP2000355161A JP2002156373A JP 2002156373 A JP2002156373 A JP 2002156373A JP 2000355161 A JP2000355161 A JP 2000355161A JP 2000355161 A JP2000355161 A JP 2000355161A JP 2002156373 A JP2002156373 A JP 2002156373A
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Koichi Sugasawa
剛一 菅沢
Takashi Saeki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液の成分の劣化や腐敗劣化の進行度合いが
定量的に判定できかつコンパクトな溶液の性状診断装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 参照電極と作用電極との対からなる、被
測定溶液の自然電位を検出するための自然電位測定電極
と、この自然電位測定電極に接続され両電極間の電位差
を測定する自然電位表示計と、被測定溶液のpHを検出
するための測定プローブとしてのpH電極と、このpH
電極により被測定溶液のpHを測定するpH表示計と、
被測定溶液の温度を検出するための測定プローブとして
の温度計と、この温度計により被測定溶液の温度を測定
する温度表示計と、を有し、前記自然電位表示計、pH
表示計、及び温度表示計は可搬性を有する制御ボックス
に内蔵されていることを特徴とする溶液の性状診断装置
を提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性クーラント
等の溶液の性状診断装置に関し、特に、溶液の自然電
位、pH、及び温度を同時に測定でき、かつ診断装置本
体をコンパクトに一体化した溶液の性状診断装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】切削加工や研削加工に利用される水溶性
クーラントには、潤滑作用、溶着防止作用、冷却作用、
切り屑除去作用、防錆作用といった多種多様な機能が要
求されるため、各種の有機化合物が均一混合され、これ
ら各成分のバランスが取られることにより溶液の性状と
しては安定化したものとなっている。しかし、水溶性ク
ーラントは高速切削や高速研削などの非常に過酷な条件
下で使用されることが多く、しかも水ベースの油剤であ
るため、劣化や腐敗が起こりやすいという問題点を有し
ている。このような水溶性クーラントの液性状の管理と
して、従来は、溶液の外観、臭気、pH、濃度、他油混
入量、錆止め性、生菌数など多岐にわたる項目を調査
し、判定を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の項目を調査するには、各種の試験設備と多くの時間が
必要であるばかりでなく、試験結果から水溶性クーラン
トの性状変化を正しく判定するには多くの知識と熟練が
必要である。したがって、製造現場において前記項目を
測定しクーラントの性状変化を判定することは非常に困
難であった。具体的に言うと、外観、臭気検査において
は、官能に頼る割合が高いため個人差が出やすく、また
pH、濃度検査においては、製造現場で容易に行うこと
が可能ではあるが、これらだけではクーラントの腐敗劣
化を正しく判断できず、例えば、pH検査においては、
pH調整用の成分が充分に存在し、pHが所定の値に維
持されていても、その他の成分が不足する場合があった
り、さらに濃度検査においては、使用中の水溶性クーラ
ントの本来の成分が不足しているにもかかわらず、他油
の混入や有機成分の分解による副生成物により、見かけ
上、濃度が維持された状態である場合がある。さらにま
た、他油混入量、錆止め性、生菌数を測定する検査にお
いては、溶液をサンプリングしたのち試験室での作業が
必要であるとともに、前処理を含め一週間もの試験時間
を要し、その結果、対策に遅れが生じる場合がある。
【0004】本発明は、前述のような従来技術の問題点
を解決するためになされたものであり、溶液の成分の劣
化や腐敗劣化の進行度合いが定量的に判定できかつコン
パクトな溶液の性状診断装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、溶液の成分の劣化や腐敗劣化の進行
度合いを定量的に判定する手段として、溶液の自然電
位、pH、及び温度を測定することとした。すなわち、
請求項1にかかる発明では、参照電極と作用電極との対
からなる、被測定溶液の自然電位を検出するための自然
電位測定電極と、この自然電位測定電極に接続され両電
極間の電位差を測定する自然電位表示計と、被測定溶液
のpHを検出するための測定プローブとしてのpH電極
と、このpH電極により被測定溶液のpHを測定するp
H表示計と、被測定溶液の温度を検出するための測定プ
ローブとしての温度計と、この温度計により被測定溶液
の温度を測定する温度表示計と、を有し、前記自然電位
表示計、pH表示計、及び温度表示計は可搬性を有する
制御ボックスに内蔵されていることを特徴とする溶液の
性状診断装置を提供した。
【0006】請求項1にかかる溶液の性状診断装置で
は、溶液の劣化や腐敗に起因する液性状の変化に伴う金
属腐食傾向を検出する電気化学的腐食検出手段(自然電
位測定電極、pH電極、及び温度計)と、この検出手段
の信号を受けて測定し測定結果を表示する表示手段(自
然電位表示計、pH表示計、及び温度表示計)からなる
ものである。表示手段としては、液晶パネルやブラウン
管を用いたモニタに映し出すようにしたものが適してい
るが、アナログ型の電位差計、pH計、温度計のメータ
部分をそのまま見られるようにしたものであってもよ
い。また、請求項1にかかる溶液の性状診断装置では、
溶液の物理吸着や化学吸着に伴う成分の減少や分解ある
いは微生物の代謝作用による溶液を構成する成分の腐敗
劣化による液組成の変化を、電気化学的な変化による金
属の腐食に伴う自然電位の変化とpHの変化とで捉える
と共に、劣化や腐敗の原因となる溶液の使用環境や測定
時の温度影響を評価するために、液温を測定することに
よって捉えるものである。
【0007】なお、溶液の自然電位を測定するための参
照電極と作用電極としては種々の組合せが可能である。
例えば、参照電極としては飽和カロメル電極(SCE)
があり、これと対にして銅、アルミニウム、鋼、白金、
ステンレス、チタン、その他の金属を作用電極として用
いることができる。また、参照電極として白金を用い、
これと対をなす作用電極として銅、アルミニウム、鋼、
ステンレス、チタン、その他の金属を用いることもでき
る。
【0008】以下、請求項1にかかる発明の作用につい
て説明する。被測定溶液としての水溶性クーラントの劣
化や腐敗が進行すると、非鉄金属防食成分や防錆成分が
分解減少したり、腐食性成分が副生し、自然電位および
pHの値がバージン稀釈液の値より低くなる。これらの
現象は、水溶性クーラントの成分が加工物や研削屑や研
磨粉などへの吸着することにり有効成分が減少したり、
金属の触媒作用で有効成分が分解することによって起こ
る場合と、バクテリアの増殖による水溶性クーラント成
分の分解資化活動と代謝産物の生成によって起こる場合
とがある。クーラントの劣化や腐敗は、リン酸イオンな
どのバクテリアの増殖を促進し腐敗を進行させる成分
や、塩素イオン、硫酸イオン、アンモニウムイオンなど
の金属腐食を促進する成分の増加につながり、放置する
と益々劣化や腐敗が加速され、加工不良や全更液といっ
た大きなトラブルにつながる。したがって、請求項1に
かかる溶液の性状診断装置により水溶性クーラントの自
然電位およびpHの値を測定するようにすれば、液性状
の変化の度合いを判定することができ、水溶性クーラン
トの劣化や腐敗に起因する前述の不具合の発生を事前に
防止することができる。
【0009】非鉄金属防食成分としては窒素化合物、硫
黄・窒素化合物、その他がある。これらの中で、窒素化
合物としてはベンゾトリアゾール、アミダゾリンなど、
硫黄・窒素化合物としてはチオジアゾールポリスルフィ
ド、アルキルジチオベンゾイミダゾールなど、その他と
してはジアルキルリン酸亜鉛などがある。また防錆成分
としては有機系と無機系がある。有機系のなかではアル
カノールアミン(トリエタノールアミン、ジエタノール
アミン、モノエタノールアミン)、カルボン酸、カルボ
ン酸塩、石油スルホン酸塩、エステルアルコールなどが
ある。無機系のなかではリン酸塩、ホウ酸塩、モリブテ
ン酸塩、炭酸金属塩などがある。上記非鉄金属防食剤お
よび防錆剤の吸着分解、腐敗劣化などによる減少と、腐
食性の副生成物の増加による防食、防錆能力の低下を、
水溶性クーラントの自然電位を測定することにより知る
ことができる。
【0010】また、水溶性クーラントには上記成分の
他、基油および油性剤として鉱油(マシン油など)、合
成油(ポリオレフィン油、ジエステル類、)、油脂類
(植物系油脂、動物系油脂)、エステル類(植物系油脂
のエステルなど)、界面活性剤としてアニオン系(脂肪
酸石鹸、ナフテン酸石鹸などの脂肪酸誘導体)、非イオ
ン系(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステルなどのポリオキ
シエチレン系、ソルビタンモノ脂肪酸エステルなどの多
価アルコール系、脂肪酸ジエタノールアミドなどのアル
キロールアミド系)、極圧添加剤として(塩素化パラフ
ィン、塩素化脂肪酸、塩素化脂肪酸エステルなどの塩素
系極圧剤、硫化鉱油、硫化油脂、硫・塩化油脂、スルフ
ィド類などの硫黄系極圧剤、ホスフェート類、ホスファ
イト類などのりん系極圧剤、チオりん酸塩、モリブテン
化合物などの有機金属化合物)、カップリング剤(イソ
プロピルアルコール、多価アルコールなどのアルコール
類)、防腐剤(o −フェニルフェノール、テトラフェニ
ルフェノール、p−クロロ−m−キシレノールなどのフ
ェノール系、ヘキサハイドロトリアジンなどのホルムア
ルデヒド供与体)、その他(シリコンのエマルション、
高級アルコールなどの消泡剤、EDTA・Na塩などの
金属イオン封鎖剤)が含まれている。これらの成分の吸
着分解、腐敗劣化についても自然電位とpHを測定する
ことにより知ることができる。
【0011】請求項1にかかる溶液の性状診断装置によ
れば、上記のように多種多様な成分を含む水溶性クーラ
ントの性状変化をトータルで判定できる。また本発明の
診断装置は、液容量が百トン以上の集中タンクから5L
程度のサンプル容器まで広い範囲で水溶性クーラントを
現場で診断できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面及び表を参照して説明する。図1は、本発明の
一実施形態における、水溶性クーラントの診断装置の構
成図である。図1において、1は参照電極と作用電極と
の対からなる被測定溶液の自然電位を測定するための電
極としての自然電位測定電極、2は被測定溶液のpHを
検出するためのpH電極、3は被測定溶液の温度を検出
するための測温抵抗体(温度計)である。なお、pH電
極2と測温抵抗体3は、測定プローブとして一体化され
ている。そして、これらの測定プローブからの信号を受
け測定値をデジタル表示するための装置として、自然電
位測定電極1に接続された自然電位表示計4、pH電極
2に接続されたpH表示計5、測温抵抗体3に接続され
た温度表示計6があり、これら自然電位表示計4、pH
表示計5、及び温度表示計6は、可搬性を有する測定制
御ボックス7に内蔵されている。なお、可搬性を向上さ
せるために、測定制御ボックス7には可搬用持ち手8が
装備されている。
【0013】ここで、前述の各装置の機能等について詳
述する。自然電位測定電極1において、参照電極と作用
電極とは先端のホルダーキャップ9を取りはずことによ
り容易に脱着可能にされているので、メンテナンスが容
易である。自然電位測定電極1のうち参照電極は自然電
位を測定する際の基準電極として用いる。自然電位測定
電極1、pH電極2、及び測温抵抗体3の各測定プロー
ブは、持ち運びを容易にするため測定制御ボックス7と
は脱着可能にされており、製造現場への搬入測定が容易
なようにされている。
【0014】以上のような構成の診断装置を用いた被測
定溶液の診断方法は、大まかに言うと、自然電位測定電
極1、pH電極2、及び測温抵抗体3の各測定プローブ
を、図示しない水溶性クーラントタンクあるいはサンプ
ル液の入った容器へ浸漬し、測定を開始する。測定開始
後5〜10分で各測定値が安定し、自然電位、pH、及
び温度が制御ボックス7の前面のパネルに表示され、そ
の場で水溶性クーラントの性状の判定を行うことができ
る。
【0015】
【実施例】以下、上述の診断装置を用いた被測定溶液の
診断方法について、2つの実施例を挙げて説明する。な
お、2つの実施例とも、測定制御ボックス7は、その大
きさが430W ×150H ×350D mm(幅×高さ×
奥行き)で、その重量が約10kgである。自然電位測
定電極1は、その大きさがφ70×350L mm(直径
×長さ)で、その重量が1.2kg、pH電極2は、そ
の大きさがφ30×350L mmで、その重量が0.5
kg、測温抵抗体3は、その大きさがφ5×350
L で、その重量が約0.1kgとなっており、これら各
測定プローブのいずれも小形軽量化されており、製造現
場へ可搬し測定する作業が容易なものとなっている。ま
た、2つの実施例とも、水溶性クーラントは、JISW
2種相当の含油ソリュブルタイプのものであり、合成潤
滑油、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、
防腐剤、消泡剤、アルカノールアミン、非鉄金属防食剤
およびベースとなる水が含まれている。また、測定時間
は10分とし、測定間隔は1分毎とした。さらに、参照
電極としては飽和カロメル電極(SCE)を、作用電極
としては銅をそれぞれ使用した。
【0016】(実施例1)図1に示した、自然電位測定
電極1、pH電極2、及び測温抵抗体3の各測定プロー
ブを、表1に示す5つの水溶性クーラントのサンプル液
に浸漬し、自然電位、pH、及び温度を測定した。
【0017】
【表1】
【0018】なお、表1に示した5つの水溶性クーラン
トのサンプル液は、実際に工場で稼働中の同一の集中タ
ンクから採取したものである。各サンプル液は集中タン
クの定期清掃による更液時をスタートとし、約3ヶ月の
間に5回採取し、測定したものである。測定結果として
の各サンプル液のpHと温度について、表2に示した。
【0019】
【表2】
【0020】表2によれば、pHについては、その値が
いずれのサンプル液でも管理基準である8.80をクリ
アしているので問題はないと言える。また、温度につい
ては、特に管理基準は設定されていないが、自然電位の
測定値に影響を及ぼさない範囲の温度差であったので問
題はないと言える。
【0021】図2は、自然電位の測定結果を示したグラ
フで、横軸と縦軸はそれぞれ時間(min)と自然電位
(V)であり、各サンプル液について1分毎に自然電位
をプロットしてある。この図2から分かるように、いず
れのサンプル液においても、自然電位は5〜10分でほ
ぼ一定の値になった。したがって、測定時間は10分も
あれば十分であると言える。
【0022】図3は、測定開始10分後の各サンプル液
の自然電位の値をプロットしたグラフで、横軸と縦軸は
それぞれ日数(day)と自然電位(V)である。この
図3から分かるように、水溶性クーラントの自然電位
は、更液直後は−95mVであったものが使用時間の経
過と共に減少し(○→△→□→●→▲)、98日後には
−290mVに達した。自然電位が卑(−)な方向へ変
化することは作用電極の表面が腐食傾向にあることを示
し、さらに、この現象は水溶性クーラントの劣化を示唆
するものでもある。
【0023】また、これとは別にJIS H3100に
示される銅板耐食性試験をサンプル液1および5に対し
て実施した。その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表3によれば、更液直後のサンプル液1で
は銅板表面の変色は見られないが、更液後98日間使用
したサンプル液5では、サンプル液に浸漬した銅板表面
の変色と気液界面の腐食が見られ、液の劣化が観察され
た。この結果から、本実施形態における診断装置によ
り、非鉄金属防食成分の劣化減少および腐敗劣化による
金属腐食成分の増加に起因してクーラント液の性状が変
化することは、自然電位の減少として捉えることができ
ることがわかる。したがって、各油剤に対して自然電位
の管理限界値を設けることにより、水溶性クーラントの
性状管理を行うことができると言える。
【0026】(実施例2)本実施例では、上述の実施例
1と同一の集中タンクより採取したクーラント液を2ヶ
月間室温放置した後、本実施形態にかかる診断装置によ
り液の自然電位、pH、及び温度をそれぞれ測定した。
なお、比較例のため、バージン希釈液についても同様の
測定を行った。測定結果として、pHと温度について、
表4に示した。
【0027】
【表4】
【0028】表4によれば、2ヶ月間室温放置したクー
ラント液のpHは、バージン希釈液のpHに比して著し
く低く、管理基準である8.80を大きく下回っている
ことが分かる。また、図4は、自然電位の測定結果を示
したグラフで、横軸と縦軸はそれぞれ時間(min)と
自然電位(V)であり、2ヶ月間室温放置したクーラン
ト液とバージン希釈液について1分毎に自然電位をプロ
ットしてある。図4から分かるように、2ヶ月間室温放
置したクーラント液の自然電位は−235mvまで低下
しており、液性状の劣化がかなり進んでいると言える。
また、表5は、液中の細菌数の測定結果を示したもので
あり、2ヶ月間室温放置したクーラント液とバージン希
釈液のそれぞれについて示している。
【0029】
【表5】
【0030】表5によれば、2ヶ月間室温放置したクー
ラント液の細菌数は管理基準である105 個/mlより
高くなっており、pH低下の原因となるバクテリアが増
殖していることが分かる。これらの測定結果から、本実
施形態にかかる診断装置を使用すれば、バクテリア増殖
に伴うpH低下やクーラントの劣化に伴う自然電位の減
少を検知することができると言える。
【0031】以上の実施例で示したように、本実施形態
にかかる診断装置を使用すれば、自然電位及びpHを測
定することにより、非常に簡便に水溶性クーラントの性
状変化を把握できると共に、水溶性クーラントの診断が
容易に実施できる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性クーラント等の
溶液の診断装置において、自然電位測定とpH測定を併
用したので、溶液の腐敗劣化の進行度合が定量化でき、
トラブル発生前に対策がとれると共に、溶液の原液の無
駄な追加もなくなり、著しく溶液原液の使用量を削減で
きるという効果がある。また、従来、外観、臭気、p
H、濃度、他油混入量、さび止め性、生菌数などの多項
目にわたる測定を、およそ一週間もの時間をかけて調べ
ていたが、本発明により、一時間以内に簡易に溶液の診
断ができ、測定時間の短縮とともに費用の低減を達成で
きるという効果がある。さらに、診断装置はコンパクト
な可搬タイプであるため、製造現場での測定が容易に可
能になり、溶液がクーラントである場合は、製造現場内
に点在する集中タンク内の水溶性クーラントの管理を容
易に達成できるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における、溶液の性状診断
装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例1における、自然電位の測定結
果を示したグラフである。
【図3】本発明の実施例1における、測定開始10分後
の各サンプルの自然電位の値をプロットしたグラフであ
る。
【図4】本発明の実施例2における、自然電位の測定結
果を示したグラフである。
【符号の説明】
1 自然電位測定電極 2 pH電極 3 測温抵抗体(温度計) 4 自然電位表示計 5 pH表示計 6 温度表示計 7 測定制御ボックス 8 可搬用持ち手 9 ホルダーキャップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】参照電極と作用電極との対からなる、被測
    定溶液の自然電位を検出するための自然電位測定電極
    と、 該自然電位測定電極に接続され両電極間の電位差を測定
    する自然電位表示計と、 被測定溶液のpHを検出するための測定プローブとして
    のpH電極と、 該pH電極により被測定溶液のpHを測定するpH表示
    計と、 被測定溶液の温度を検出するための測定プローブとして
    の温度計と、 該温度計により被測定溶液の温度を測定する温度表示計
    と、を有し、 前記自然電位表示計、前記pH表示計、及び前記温度表
    示計は可搬性を有する制御ボックスに内蔵されているこ
    とを特徴とする溶液の性状診断装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108107173A (zh) * 2017-12-28 2018-06-01 河北省地质学会 便携式手持水质检测预警仪

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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