JP2002155368A - 基板支持用のペデスタル及び製膜装置ならびに製膜方法 - Google Patents

基板支持用のペデスタル及び製膜装置ならびに製膜方法

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JP2002155368A
JP2002155368A JP2000351009A JP2000351009A JP2002155368A JP 2002155368 A JP2002155368 A JP 2002155368A JP 2000351009 A JP2000351009 A JP 2000351009A JP 2000351009 A JP2000351009 A JP 2000351009A JP 2002155368 A JP2002155368 A JP 2002155368A
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film forming
pedestal
film
claw
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JP2000351009A
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English (en)
Inventor
Hiromi Yamauchi
裕巳 山内
Norikazu Nogawa
典和 野川
Ryuichi Ushio
隆一 牛尾
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製膜装置の製膜室において基板を支持するた
めのペデスタルであって、基板を落下させることなく確
実に支持でき、しかも、基板の表面に被る部位の面積を
一層低減でき、基板全面に亙ってより均一に製膜可能な
基板支持用のペデスタルを提供する。 【解決手段】 基板支持用のペデスタル(1A)は、基
板の外周の少なくとも周囲の一部を包囲可能な開口(1
60)が設けられたペデスタル本体(16)と、開口
(160)の内周側に向けてペデスタル本体(16)に
付設された複数の爪部材(190)とを備えている。各
爪部材(190)は、ペデスタル本体(16)側から伸
長された腕部と、略V字状の開口を有する爪部とから構
成され、腕部には、その長さ方向に沿ってリブが設けら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板支持用のペデ
スタル及び製膜装置ならびに製膜方法に関し、詳しく
は、プラズマCVD(プラズマ促進化学蒸着)製膜室な
どで基板を支持するための基板支持用のペデスタル及び
当該ペデスタルを備えた製膜装置ならびに当該製膜装置
による製膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ディスクや磁気ディスク等の
情報記録媒体の製造においては、スパッタ処理や蒸着処
理を複数組み合わせることにより、基板の表面にNiP
層を形成し、所要の平滑化処理、テキスチャリング処理
などを施した後、金属下地層、情報記録層(磁性層な
ど)、保護層、潤滑層などを順次製膜する。斯かる製膜
は、例えば、環状に配置された枚葉方式の複数の製膜室
と、これら製膜室の下方に配置された昇降可能な環状の
回転基台(カルーセル)と、各製膜室に対応して回転基
台に立設された基板支持用の複数のペデスタルとを備
え、回転基台の回転および昇降と共に、各製膜室に基板
を順次に装填し且つ各製膜室にて所要の処理を行う製膜
装置によって行なわれる。
【0003】上記の製膜室は、スパッタ製膜室および/
またはプラズマCVD(プラズマ促進化学蒸着)製膜室
として構成される。プラズマCVD製膜室(以下pCV
D製膜室という)としては、製膜室内で真空条件下に加
熱されたフィラメント状のカソードとアノードとの間の
放電により製膜原料ガスをプラズマ状態とし、そして、
マイナス電位により上記のプラズマを基板表面に加速衝
突させて製膜する熱フィラメント−プラズマCVD(F
−pCVD)製膜室などが知られている。カソード及び
アノードは、共に金属で構成されるが、特にフィラメン
ト状のカソードには、通常、タングステンやタンタル等
の金属が使用される。本装置によれば、製膜原料ガスの
種類に応じ、炭素(C)膜、ケイ素(Si)膜、窒素
(N)化膜などの製膜が可能である。
【0004】炭素が主成分である膜を製膜する場合、p
CVD製膜室による製膜方法は、炭素含有モノマー(液
体)を使用することが出来るため、取扱いが容易である
等の利点を有する。従って、この製膜方法は、特に情報
記録媒体(磁気記録媒体や光記録媒体など)の保護層の
形成手段として注目され、また、この製膜方法で得られ
た上記の膜から成る保護層は、スパッタ膜に比し、薄膜
領域で高い耐久性を有する。
【0005】また、上記の様な製膜装置において、製膜
室に挿入される上記ペデスタルは、製膜室内において盤
面が略垂直に直立する状態に基板を支持する支持具であ
り、先端がV字状に開口した3つの爪部材に基板の下端
側の外周縁が載せられることにより、製膜中に基板を落
下させることなく支持する構造になされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、情報記録媒
体の製膜においては、より大きな信号記録領域を確保す
ると共に、信号の記録再生時における電気特性を均一化
するため、基板全面に亙ってより均一に製膜することが
重要である。斯かる観点からすると、上記ペデスタルの
爪部材は、先端のV字状の開口の深さをより浅く設定
し、基板の表面に被る面積をより低減するのが好ましい
が、爪部材先端の開口の深さを浅くした場合は、基板の
落下の問題を惹起する。従って、上記ペデスタルにおい
ては、一層改良された基板支持構造が望まれる。
【0007】本発明は、上記の実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、製膜装置の製膜室において基板を
支持するためのペデスタルであって、基板を落下させる
ことなく確実に支持でき、しかも、基板の表面に被る部
位の面積を一層低減でき、基板全面に亙ってより均一に
製膜可能な基板支持用のペデスタル及び当該ペデスタル
を備えた製膜装置ならびに当該製膜装置による製膜方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、製膜装置の製膜室内で基板を略垂直に支持す
るためのペデスタルであって、基板の外周の少なくとも
周囲の一部を包囲可能な開口が上端に設けられた板状の
ペデスタル本体と、前記開口の内周側に向けて前記ペデ
スタル本体に付設され且つ基板の外周縁を支持する複数
の爪部材とを備え、かつ、前記各爪部材は、前記ペデス
タル本体側から伸長された腕部と、当該腕部の先端に設
けられ且つ略V字状の開口を有する爪部とから構成さ
れ、前記各爪部材の腕部には、その長さ方向に沿ってリ
ブが設けられていることを特徴とする基板支持用のペデ
スタルに存する。
【0009】上記の基板支持用のペデスタルにおいて
は、各爪部材の腕部に設けられた特定のリブにより、腕
部の長さ方向の剛性を高め得るため、各爪部材の厚さを
一層薄く設計できる。そして、本発明の好ましい態様に
おいて、各爪部材は、腕部と爪部とが一体に形成され、
かつ、その厚さが0.2〜0.4mmである。また、各
爪部材の爪部の剛性を高めるため、各爪部材の爪部は、
幅が2.0〜5.0mmであり且つ腕部先端からの突出
長さが3.5〜7mmであるのが好ましい。
【0010】本発明の第2の要旨は、上記の何れかの態
様の基板支持用のペデスタルを備えて成る製膜装置に存
する。
【0011】そして、本発明の第3の要旨は、上記の製
膜装置を使用することを特徴とする製膜方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は、本発明に係る製膜装置の一
例の全体構成を示す平面図、図2は、本発明の製膜装置
に搭載された一例としてのF−pCVD製膜室を示す縦
断面図、図3は、本発明に係る基板支持用のペデスタル
の一例の外観を示す斜視図である。また、図4は、本発
明に係る基板支持用のペデスタルのペデスタル本体に付
設される爪部材の形態の一例を示す図であり、分図
(a)は平面図、分図(b)は斜視図である。なお、図
2に示すF−pCVD製膜室は、基板の両面に同時に製
膜可能な製膜室であり、左右対称の構成を備えている
が、便宜上、右側の構成の一部は図示を省略している。
また、以下の実施形態においては、基板支持用のペデス
タルを「ペデスタル」と略記する。
【0013】本発明のペデスタルを説明するにあたり、
先ず、当該ペデスタルを備えた本発明の製膜装置の一例
を説明する。本発明の製膜装置としては、原料ガスをプ
ラズマ状態として基板表面に加速衝突させることにより
製膜する各種の独立した蒸着装置やスパッタ装置などが
挙げられるが、例えば、処理目的の異なる枚葉方式の製
膜室を多数配列して成る図1に示す様な装置を例示する
ことが出来る。
【0014】図1に示す製膜装置は、環状に配置された
複数の製膜室(1)と、当該製膜室の下方に配置され且
つ昇降可能な環状の回転基台(61)と、各製膜室に対
応して当該回転基台に立設する基板支持用のペデスタル
(1A)と、供給チャンバー(51)及び操作アーム
(511)から成り且つペデスタル(1A)に基板
(4)を装填する基板供給機構と、排出チャンバー(5
2)及び操作アーム(521)から成り且つペデスタル
(1A)から基板(4)を取り外す基板排出機構とを備
えている。
【0015】上記の製膜装置は、回転基台(61)の回
転および昇降によって各製膜室(1)に基板(4)を挿
入・排出すると共に、基板供給機構により各ペデスタル
(1A)に未処理の基板(4)を装填し、基板排出機構
により各ペデスタル(1A)から処理済みの基板(4)
を取り外す機能を有する。図1中、符号(60)は、そ
の内部に回転基台(61)等が配置され且つ真空排気ユ
ニットを備えたトランスファーケース(メインチャンバ
ー)を示し、符号(63)は基板搬送用のベルトコンベ
ヤー、符号(64)はロードロックチャンバー、符号
(65)はバッファーチャンバー、符号(66)はアン
ロードロックチャンバーをそれぞれ示す。
【0016】上記の製膜装置において、製膜室(1)
は、前述の通り、例えば、スパッタ製膜室および/また
はpCVD製膜室として構成される。スパッタ製膜室に
おいては、高真空中、スパッタリングターゲット材の表
面にアルゴン等の不活性ガスイオン粒子を照射し、ター
ゲット材物質表面から叩き出される原子または数個の原
子から成るクラスターを基板表面に堆積させて薄膜を形
成する。pCVD製膜室においては、製膜原料ガスをプ
ラズマ状態として基板表面に加速衝突させることにより
製膜する。
【0017】具体的には、本発明の製膜装置において、
pCVD製膜室としての例えば1つの製膜室(1)は、
図2に示す様に、製膜室(1)内で真空条件下に加熱さ
れたフィラメント状のカソード(2)とアノード(3)
との間の放電により製膜原料ガスをプラズマ状態とし、
そして、マイナス電位により上記のプラズマを基板
(4)の表面に加速衝突させて製膜する円筒状の処理室
として構成される。
【0018】製膜室(1)は、導電体で形成された製膜
室壁(5)によって気密可能に構成される。製膜室
(1)は、その下側中央部に配置された接続管(6)を
介し、トランスファーケース(60)(図1参照)及び
製膜室用真空排気ユニット(図示せず)に接続されてお
り、接続管(6)の内部においては、上記ペデスタル
(1A)が進退可能になされている。
【0019】そして、上記の製膜室(1)は、回転基台
(61)が上昇した際、ペデスタル(1A)の下端部の
回転基台(61)上に付設されたシール材(62)(図
3参照)の作用により、接続管(6)の下端が封止さ
れ、トランスファーケース(60)から通気上分離され
る。なお、トランスファーケース用および製膜室用の各
真空排気ユニットは、それぞれ、製膜運転中、常時稼働
している。
【0020】カソード(2)は、図2に示す様に、製膜
室壁(5)の側部から製膜室(1)内に貫通した2個の
ソケット(7)の先端部に形成され、交流のカソード電
源(8)に接続されている。ソケット(7)は、製膜室
壁(5)に対し、電気絶縁性の気密体として構成されて
おり、また、ソケット(7)の表面は、付着した炭素膜
の剥離を防止するため、金属溶射などで表面を粗面化す
るのが好ましい。
【0021】アノード(3)は、特別にロート状の形状
を有し且つその内周面の中央部付近でカソード(2)を
包囲する位置に配置される。アノード(3)は、製膜室
壁(5)の内周面に対して電気絶縁性の固定手段(図示
せず)により固定されている。斯かる固定手段として
は、例えば、製膜室壁(5)の内周面およびアノード
(3)の外周面から突出する各取付片を絶縁材を介して
接続する手段などが挙げられる。そして、アノード
(3)は、ソケット(7)と同様に、製膜室壁(5)に
対して電気絶縁性の気密体として構成され且つ製膜室壁
(5)の側部に配置されたソケット(9)を介してアノ
ード電源(10)(アノード(3)側でプラス電位の電
流)に接続される。
【0022】カソード電源(8)の一端はアース(2
1)に接続され、また、製膜室壁(5)はアース(2
2)に接続される。そして、カソード電源(8)のアー
ス側と基板(4)との間には、基板(4)側でマイナス
電位となる直流のイオン加速用電源(23)が挿入され
る。通常、カソード電源(8)としては0〜20v(0
〜50A)、アノード電源(10)としては0〜200
v(0〜5000mA)、イオン加速用電源(23)と
しては0〜1500v(0〜200mA)の各電源が適
用される。なお、製膜運転中、カソード(2)は、常
時、通電加熱される。
【0023】製膜室(1)の内部には、好ましい態様と
して、円筒状の防着部材(遮蔽部材)(11)が配置さ
れている。防着部材(11)は、製膜室壁(5)の内周
面に対して電気絶縁性の固定手段(図示せず)により固
定されている。また、アノード(3)側の防着部材(1
1)の周端部には、内側に傾斜し且つアノード(3)の
最大内径(先端部内径)より小さい外径の整流部(1
2)が設けられており、アノード(3)の先端部と整流
部(12)との間にはガス流路(13)が形成されてい
る。
【0024】そして、ガス流路(13)の近傍の製膜室
(1)の上部には、必要に応じて不活性ガスにより適宜
の濃度に希釈された製膜原料ガスを供給するための製膜
原料ガス供給管(14)が挿入されている。更に、アノ
ード(3)側近傍の製膜室壁(5)の内部には、製膜室
壁(5)の異常加熱防止のため、冷却水供給管(20)
から供給された冷却水を循環させるための冷却水循環路
(19)が設けられる。
【0025】円盤状の基板(4)は、盤面が略垂直にな
る状態にペデスタル(1A)によって支持される。すな
わち、基板(4)は、カソード(2)及びアノード
(3)に対向する状態に保持される。そして、ペデスタ
ル(1A)により、製膜室(1)内に基板(4)が搬入
された場合、ペデスタル(1A)基部のシール材(6
2)が接続管(6)とトランスファーケース(60)の
接続部に嵌合することにより、製膜室(1)とトランス
ファーケース(60)とが実質的に遮断される。なお、
ペデスタル(1A)の詳細な構造は後述する。
【0026】基板(4)の両主要面に対向する位置に
は、膜厚補正板(17)が配置される。基板(4)が円
盤状の場合、その外周部と中心部は、薄膜が厚く形成さ
れる傾向があり、また、基板(4)の両面に同時に製膜
する際に左右のプラズマが互いに影響し合う領域とな
る。膜厚補正板(17)は、円盤状の基板(4)の少な
くとも外周部を覆う様なドーナツ形状を有し、基板
(4)の全体に亘り、形成される薄膜の厚さを均一にす
る機能を有する。
【0027】膜厚補正板(17)の外周部は、防着部材
(11)の端部に固定され、内周部(17a)は、外周
部に設けられた支持アーム(18)によって支持され
る。その結果、膜厚補正板(17)は、防着部材(1
1)と同様に、製膜室壁(5)の内周面に対して電気的
に絶縁された状態となる。すなわち、膜厚補正板(1
7)は、防着部材(11)と共に、電気的に独立した状
態(フロート電位)に維持されている。なお、膜厚補正
板(17)の内周部(17a)は省略してもよい。
【0028】次に、本発明のペデスタルについて説明す
る。図3に示す様に、本発明のペデスタル(1A)は、
製膜装置の製膜室(1)内で基板(4)を略垂直に支持
するためのペデスタルであり、基板(4)の外周の少な
くとも周囲の一部を包囲可能な開口(160)が上端に
設けられた板状のペデスタル本体(16)と、開口(1
60)の内周側に向けてペデスタル本体(160)に付
設され且つ基板(4)の外周縁を支持する複数の爪部材
(190)(好ましくは3つ以上)とを備えている。
【0029】ペデスタル(1A)は、通常、付着した製
膜物質の洗浄や保守管理のため、上下に分割可能な構造
を備えている。具体的には、ペデスタル(1A)は、上
記の回転基台(61)にシール材(62)を介して取り
付けられたペデスタルベース(15)と、当該ペデスタ
ルベースに着脱可能に装着されたペデスタル本体(1
6)とから成り、そして、上記の通り、支持した基板
(4)に対してバイアス電圧を印加可能になされてい
る。
【0030】ペデスタルベース(15)は、製膜室
(1)の中央部に基板を挿入するための扁平な板状の支
柱部材であり、昇降可能な上記の回転基台(61)の環
状部の上面に対し、ゴム製の上記シール材(62)を介
して立設される。ペデスタルベース(15)は、高い加
工精度および耐熱性を得るため、通常はステンレスによ
って作製される。ペデスタルベース(15)の一面(例
えば回転基台(61)の外周側に向けられた面)の上端
側には、ペデスタル本体(16)のネック部を装着する
ための嵌合溝が設けられる。
【0031】また、図3に示す様に、回転基台(61)
の内周側に向けられたペデスタルベース(15)の側面
には、回転基台(61)の上昇操作によってペデスタル
(1A)を製膜室(1)へ挿入した際、当該製膜室に予
め設けられたバイアス電源ユニット(図示省略)の接点
が接触するコンタクトブロック(151)が設けられ
る。すなわち、ペデスタル(1A)は、製膜室(1)に
挿入された際、コンタクトブロック(151)を介して
バイアス電源ユニットに電気的に接続される様になされ
ている。
【0032】ペデスタル本体(16)は、例えば、ペデ
スタルベース(15)よりも更に薄板状に形成される。
ペデスタル本体(16)は、通常、ペデスタルベース
(15)と同様にステンレスによって作製される。ペデ
スタル本体(16)の下端側は、ペデスタル本体(1
6)の上記の嵌合溝に装着可能な幾分幅の狭いネック部
として構成される。すなわち、ペデスタル本体(16)
のネック部は、ペデスタル本体(16)の嵌合溝に緩み
なく嵌合可能な形状を備えている。また、ペデスタル本
体(16)の上端側には、基板(4)の外周の一部、詳
しくは基板(4)の少なくとも周囲の一部(好ましくは
1/3周囲)を包囲する切欠き状の開口(160)が設
けられる。
【0033】上記の爪部材(190)は、基板(4)の
外周縁を直接支持し且つ当該基板を直立させるため、ペ
デスタル本体(16)に対して少なくとも3つ設けられ
ており、これらは、開口(160)の両開放端に相当す
るペデスタル本体(16)の上端部ならびに開口(16
0)の内周略中央部に対し、開口(160)の内周側に
突出する状態で且つ支持する基板(4)の略中心に向け
らて取り付けられる。すなわち、ペデスタル本体(1
6)は、3つの爪部材(190)の先端に基板(4)を
搭載可能に構成されている。
【0034】各爪部材(190)は、図4に示す様に、
耐熱性に優れたステンレス等の導電性材料によって細長
の略薄板状に形成される。具体的には、爪部材(19
0)は、ペデスタル本体(16)側から伸長された腕部
(191)と、当該腕部の先端に設けられ且つ略V字状
の開口(104)を有する爪部(192)とから構成さ
れる。
【0035】ところで、製膜室(1)において、基板
(4)は、その外周縁が爪部材(190)の爪部(19
2)の開口(104)に係合することにより、爪部材
(190)に搭載された状態で支持される。従って、爪
部材(190)においては、前述の通り、製膜むらを防
止する観点から、爪部(192)の開口(104)の先
端部による基板(4)の表面(盤面)側への被さり代を
出来る限り少なくするのが好ましい。
【0036】そこで、本発明のペデスタル(1A)にお
いて、爪部材(190)の腕部(191)には、その長
さ方向に沿ってリブ(193)が設けられている。これ
により、爪部材(190)の剛性を高めることが出来、
爪部(192)の厚さをより一層薄くでき、その結果、
基板(4)の表面への被さり代をより少なくし得る。上
記の各爪部材(190)は、打抜き成形などにより、通
常は腕部(191)と爪部(192)とが一体に形成さ
れる。リブ(193)は、通常、曲げ加工(プレス加
工)によって一体に形成される。
【0037】爪部材(190)の長さは全体で20〜2
5mm程度、幅は腕部(191)で5〜8mm程度であ
る。そして、爪部材(190)の厚さは、上記の通り、
必要な強度を維持し得る範囲で出来る限り薄く設計され
るのがよく、0.2〜0.4mm、好ましくは0.2〜
0.3mmに設定される。また、爪部材(190)の爪
部(192)は、剛性を高めるため、できるだけ幅広く
短めにするのがよく、幅が2.0〜5.0mm、腕部
(191)先端からの突出長さが3.5〜7.0mmと
するのが好ましい。
【0038】更に、爪部材(190)の爪部(192)
先端におけるV字状の開口(194)は、基板(4)が
落下しない範囲で基板(4)に対する被り代を小さくす
るのが好ましく、例えば、開き角度を100〜120
°、V字の谷底部までの深さを0.4〜1.0mm程度
に設定される。なお、爪部材(190)の腕部(19
1)には、通常、ペデスタル本体(16)に固定するた
めのねじ止め用の取付穴(196)、ならびに、ペデス
タル本体(16)に設けられた微小突起が嵌合する2つ
の位置決め穴(195)が形成される。
【0039】上記の様に構成された本発明の製膜装置
は、前述の様な情報記録媒体の製造における製膜工程
(製膜方法)に適用される。そして、本発明において
は、製膜原料ガスをプラズマ状態として基板表面に加速
衝突させることにより製膜するプラズマCVD製膜室を
備えている製膜装置を使用し、炭素含有モノマーを製膜
原料として炭素が主成分である膜を製膜する際に好適に
使用される。本発明の製膜方法で使用される基板として
は、厚さ0.5〜2mm、直径1〜3.5インチの各種
の基板、例えば、金属、ガラス、セラミック、樹脂など
から成る基板が挙げられる。
【0040】pCVD製膜室としての図1及び図2示す
製膜室(1)による連続的な製膜方法は、次の通り、主
として、製膜室(1)への基板(4)の搬入、製膜、基
板(4)の搬出から成る操作を順次に繰り返して行われ
る。
【0041】先ず、回転基台(61)の駆動によりペデ
スタル(1A)を上昇させて基板(4)を製膜室(1)
内に搬入する。次いで、製膜原料ガス供給管(14)か
ら製膜原料ガスを供給する。これにより、製膜原料ガス
はガス流路(13)を通して製膜室(1)に流れ込む。
以上の操作はガス安定化と呼ばれる。なお、この際の製
膜室(1)内の圧力は、前述の製膜室用真空排気ユニッ
トの能力によって決定される。
【0042】次いで、アノード(3)及び基板(4)に
対し、夫々アノード電源(10)及びイオン加速用電源
(23)から所定のバイアス電位を印加する。これによ
り、常に高温に加熱されたカソード(2)からアノード
(3)に向かって多量の熱電子が放出され、両電極の間
でグロー放電が開始される。そして、放電によって生じ
た熱電子は、製膜原料ガスをイオン化してプラズマ状態
にする。プラズマ状態の製膜原料イオンは、基板(4)
のマイナス電位によって加速され、基板(4)に衝突し
て付着し、炭素が主成分である膜が製膜される。なお、
例えばトルエンを使用した場合、プラズマ領域において
は次の(I)の反応が起こり、基板(4)の表面では次
の(II)の反応が起こっていると考えられる。
【0043】
【化1】 C78 + e- → C78 + + 2e- ・・・(I) C78 + + e- → C72 + 3H2↑ ・・・(II)
【0044】次いで、製膜原料ガスの供給を停止して製
膜を終了する。その後、前述の製膜室用真空排気ユニッ
トにて製膜室(1)内に残留する原料ガスが排気されて
製膜室(1)内の圧力が原料ガスの供給前のレベルに復
帰するのを待った後、回転基台(61)の操作によって
ペデスタル(1A)を降下させることにより、製膜室
(1)から前述のトランスファーケース(60)に基板
(4)を搬出する。
【0045】本発明においては、前記の製膜原料ガスと
して炭素含有モノマーガスを使用する。炭素含有モノマ
ーの具体例としては、メタン、エタン、プロパン、エチ
レン、アセチレン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素、
アルコール類、窒素含有炭化水素、フッ素含有炭化水素
などが挙げられる。特に、ベンゼン、トルエン又はピロ
ールが好適に使用される。また、必要に応じ、炭素含有
モノマーの濃度調節および膜質調節のために使用される
不活性ガスとしては、Ar、He、H2、N2、O2等
が挙げられる。
【0046】本発明のペデスタル(1A)は、上記の様
に、ペデスタル本体(16)に設けられた3つの爪部材
(190)の爪部(192)の開口(104)によって
基板(4)を搭載した状態に支持する。その際、各爪部
材(190)の腕部(191)に長さ方向に沿って設け
られたリブ(193)は、各爪部材(190)の剛性を
維持し、爪部材(190)の撓みを規制する。従って、
ペデスタル本体(1A)においては、基板(4)を落下
させることなく確実に保持できる。
【0047】しかも、本発明のペデスタル(1A)は、
上記リブ(193)によって爪部材(190)の剛性を
維持できるため、爪部(192)をより一層薄く形成で
きる。そして、爪部(192)が一層薄く形成されたペ
デスタル(1A)によれば、支持した基板(4)の外周
部において、爪部(192)の開口(104)の先端部
が基板(4)の表面側へ被る面積をより一層低減できる
ため、基板(4)の全面に亙ってより均一に製膜でき、
例えば情報記録媒体を製造した場合、信号の記録再生時
における電気特性を一層均一化できる。
【0048】そして、上記の様なペデスタル(1A)を
備えて成る本発明の製膜装置は、基板(4)の全面に亙
ってより均一に製膜できるため、電気特性が一層均一化
されたより高品位の情報記録媒体などを製造できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明に係る基板支
持用のペデスタルによれば、各爪部材の腕部に長さ方向
に沿って設けられたリブが剛性を維持し、爪部材の撓み
を規制するため、基板を落下させることなく確実に保持
できる。しかも、上記リブによって爪部材の剛性を維持
できるため、爪部をより一層薄く形成でき、その結果、
支持した基板の外周部において、爪部の開口の先端部が
基板の表面側へ被る面積をより一層低減でき、基板の全
面に亙ってより均一に製膜できる。
【0050】そして、本発明の製膜装置および製膜方法
によれば、基板(4)の全面に亙ってより均一に製膜で
きるため、電気特性が一層均一化されたより高品位の情
報記録媒体などを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製膜装置の一例の全体構成を示す
平面図
【図2】本発明の製膜装置に搭載された一例としてのF
−pCVD製膜室を示す縦断面図
【図3】本発明に係る基板支持用のペデスタルの一例の
外観を示す斜視図
【図4】本発明に係る基板支持用のペデスタルのペデス
タル本体に付設される爪部材の形態の一例を示す平面図
および斜視図
【符号の説明】
1:製膜室 1A:ペデスタル 2:カソード 3:アノード 4:基板 5:製膜室壁 6:接続管 7:ソケット 8:カソード電源 9:ソケット 10:アノード電源 11:防着部材 12:整流部 13:ガス流路 14:製膜原料ガス供給管 15:ペデスタルベース 151:コンタクトブロック 16:ペデスタル本体 160:開口 17:膜厚補正板 17a:膜厚補正板の内周部 18:支持アーム 19:冷却水循環路 190:爪部材 191:腕部 192:爪部 193:リブ 194:開口 195:位置決め穴 196:取付穴 20:冷却水供給管 21:アース 22:アース 23:イオン加速用電源 51:供給チャンバー 52:排出チャンバー 511:操作アーム 521:操作アーム 60:トランスファーケース 61:回転基台 62:シール材 63:ベルトコンベヤー 64:ロードロックチャンバー 65:バッファーチャンバー 66:アンロードロックチャンバー
フロントページの続き (72)発明者 牛尾 隆一 シンガポール共和国 ジュロン パイオニ アロード 103 ミツビシケミカルインフ ォニクス・ピーティーイー・エルティーデ ィー内 Fターム(参考) 4K030 AA09 BA27 FA01 GA01 GA05 KA30 5F031 CA01 FA02 GA51 HA02 HA12 HA45 HA58 HA59 HA60 MA04 MA13 MA28 MA29 PA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製膜装置の製膜室内で基板を略垂直に支
    持するためのペデスタルであって、基板の外周の少なく
    とも周囲の一部を包囲可能な開口が上端に設けられた板
    状のペデスタル本体と、前記開口の内周側に向けて前記
    ペデスタル本体に付設され且つ基板の外周縁を支持する
    複数の爪部材とを備え、かつ、前記各爪部材は、前記ペ
    デスタル本体側から伸長された腕部と、当該腕部の先端
    に設けられ且つ略V字状の開口を有する爪部とから構成
    され、前記各爪部材の腕部には、その長さ方向に沿って
    リブが設けられていることを特徴とする基板支持用のペ
    デスタル。
  2. 【請求項2】 各爪部材は、腕部と爪部とが一体に形成
    され、かつ、その厚さが0.2〜0.4mmである請求
    項1に記載の基板支持用のペデスタル。
  3. 【請求項3】 各爪部材の爪部は、幅が2.0〜5.0
    mmであり且つ腕部先端からの突出長さが3.5〜7m
    mである請求項1又は2に記載の基板支持用のペデスタ
    ル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の基板支持
    用のペデスタルを備えて成る製膜装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の製膜装置を使用するこ
    とを特徴とする製膜方法。
  6. 【請求項6】 製膜原料ガスをプラズマ状態として基板
    表面に加速衝突させることにより製膜するプラズマCV
    D製膜室を備えている請求項4に記載の製膜装置を使用
    し、炭素含有モノマーを製膜原料として炭素が主成分で
    ある膜を製膜する請求項5に記載の製膜方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007213730A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Tdk Corp 基板保持装置及び磁気記録媒体の製造方法

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