JP2002154091A - 魚節類等の固形食物切削用刃物と固形食物切削用回転刃物 - Google Patents

魚節類等の固形食物切削用刃物と固形食物切削用回転刃物

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JP2002154091A
JP2002154091A JP2001322551A JP2001322551A JP2002154091A JP 2002154091 A JP2002154091 A JP 2002154091A JP 2001322551 A JP2001322551 A JP 2001322551A JP 2001322551 A JP2001322551 A JP 2001322551A JP 2002154091 A JP2002154091 A JP 2002154091A
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cutting
rotating body
blade
solid food
fish
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JP2001322551A
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English (en)
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Eiichiro Ueda
栄一郎 上田
Shigeru Okamoto
茂 岡本
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Ninben Co Ltd
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Ninben Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一厚、均一形状の切削片が得られにくかっ
た。切削時に魚節類が摩擦で加熱して、切削片の香味が
劣化し、品質が低下する。 【解決手段】 回転体の軸方向に細長とし、刃先にその
長手方向に所定間隔でニックを入れて刃先を断続した。
刃物に突条を形成し、突条を回転体の刃物取付け溝への
嵌入時に刃物取付け溝の内側に形成された凹溝へ嵌入可
能な細長に形成した。回転体の軸方向に沿って形成され
た刃物取付け溝内に刃物をセットし、刃物に形成された
止め穴に、回転体の軸方向両端面に貫通する止め穴から
止めピンを差込んで、刃物を回転体に固定した。刃物に
形成されたピン差込み溝と、刃物の刃物取付け溝内に形
成されたピン嵌入溝とに、回転体の軸方向両端面から止
めピンを差込んで刃物を回転体に固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鰹節、鯖節、畜肉、又は
畜肉と魚肉の混合物を鰹節状に成形した人造魚節といっ
た魚節類の固形飲食物を切削して削り節(切削片)を得
るのに使用される魚節類等の固形飲食物切削刃物と固形
飲食物切削用回転刃物に関するものであり、日本蕎麦
店、割烹料理店等において業務用として使用したり、一
般家庭で使用したりするのに適するものである。
【0002】
【従来の技術】魚節類等の固形飲食物を切削する装置と
しては古来よりカンナ刃式の削り器が伝統的であり一般
的でもある。近年はそれに代わるものとして各種方式、
構造の削り器の開発が試みられてきた。その主なものと
して図17に示すもの(実用新案出願公告第9310
号)、図18に示すもの(実公昭53−69482号)
があったが、いずれも実用化されるには至っていない。
また、業務用としては工業用の従来の円盤式の削り器を
単に小型化したようなもの(実公昭47−41392
号)しか見受けられない。
【0003】ちなみに、図17に示すものは中空状のド
ラムAの外周に刃物Bを取り付け、ドラムAを手動ある
いは動力により回転させると、差し込み部Cに差し込ま
れた鰹節Dが刃物Bにより切削されるようにしたもので
ある。
【0004】図18に示すものはドラムEの外周に斜め
に湾曲したヘリカル状の刃物Fを外側に突出させて設
け、ハンドルGを回転操作してドラムEを回転させる
と、ドラムEと受け板Hとの間に差し込まれる鰹節が刃
物Fにより切削されるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図17、18の魚節類
等の固形食物切削装置によって魚節類を切削するには次
のような課題があり、実用性に欠けるものであった。 .回転刃物が単なる円筒状であるため、それへの魚節
類の押し付けが強過ぎると切削しにくいだけでなく、回
転が止まるか、止まらないまでも両者の摩擦により魚節
類が加熱するため、蛋白質が凝固して固くなり、切削に
強い力を必要とし、その結果得られる削り節は厚くな
り、熱により香味も劣化する。刃も著しく摩耗して、得
られる削り節も次第に粉末状態になり、空転し、切削不
能に陥る。更に強い力で押し付ければ刃が食い込み過ぎ
て終には回転も停止してしまう。又、回転刃物への魚節
類の押し付けが弱過ぎると、削れないばかりか、回転刃
物が魚節類に接触しながらスリップするため、次第に摩
擦により魚節類が加熱し、前述の場合と同じ結果とな
る。結局、押し付ける力が強過ぎても弱過ぎてもうまく
いかず、容易に安定した切削状態を得ることは困難であ
る。 .図18の刃物Fの刃はヘリカル状であるため、次第
に切削される削り節は螺旋状に糸屑の様に丸まってしま
い、扁平状で、形状や厚さが一定の削り節を得ることは
できない。また、業務用として使用するには大量の魚節
類の切削を可能とするために装置を大型する必要があ
るが、図18の魚節類等の固形食物切削装置は大型
ると魚節類の投入口Hはその分だけ上方へ移動せざる得
ないため、魚節類の投入がしにくくなる。さらに、切削
された切削片は自重により自然に開口部IからケースJ
内に落下して同ケースに溜るが、切削片は非常に軽量で
あるため高速回転する刃物Fの影響により舞い上がって
しまい全ての切削片をケースに溜めるのは困難である。
【0006】本発明の目的は、継続的に一定の力で安定
した切削状態で、必要な時に必要な量だけ手軽に且つ安
全に、素早く、確実に魚節類を切削でき、得られる切削
片は6〜13/100mm程度に薄く、しかも、切削に
断続刃を使用すれば市販されている少量の小袋パック品
以上に色、艶、ボリュウムがあり、適度な幅で細長く
(例えば幅数mm、長さ10〜数10mm程度)、形状
が均一であり、市販品では見られない見映えがあり、削
りたての最良の香味、品質を有する削り節を得ることが
できる魚節類等の固形食物切削用刃物と固形食物切削用
回転刃物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の魚節
類等の固形食物切削用刃物は、図6のように、ドラム状
の回転体に取り付けられて、回転体の回転により、魚節
類等の固形食物に接触して固形食物を切削する刃物にお
いて、刃物3が回転体1の軸方向に細長であり、刃先1
0にその長手方向に所定間隔でニック24を入れて刃先
10を断続したものである。
【0008】本発明の請求項2の魚節類等の固形食物切
削用刃物は、図12(a)〜(c)のように、刃物3に
突条31が形成され、突条31はそれを図10のように
回転体1の刃物取付け溝8への嵌入時に刃物取付け溝8
の内側に形成された凹溝37へ嵌入可能に細長に形成さ
れたものである。
【0009】本発明の請求項3の魚節類等の固形食物切
削用刃物は、図19(a)のように、ピンピン嵌入溝9
1が刃物3に形成され、ピン差込み溝91は回転体1の
刃物取付け溝8への刃物3の嵌入時に刃物取付け溝8の
ピン嵌入溝92と対向するように形成されたものであ
る。
【0010】本発明の請求項4の魚節類等の固形食物切
削用刃物は、図19(a)のように、ピン差込み溝91
が刃物3の両端面に開口して、その端面から止めピン9
0を差込み可能としたものである。
【0011】本発明の請求項5の魚節類等の固形食物切
削用刃物は、図19(a)(b)のように、ピン差込み
溝91及び刃物3に形成されたピン嵌入溝92に差込む
止めピン90が、長手方向一端から他端に向けて次第に
先細りであり、止めピン90が細い方から差込まれるよ
うにしてある。
【0012】本発明の請求項6の魚節類等の固形食物切
削用刃物は、図12(a)(b)のように、刃物3の長
手方向一端の表面に、縦方向裏側に向けて下り傾斜のテ
ーパ面3aが形成されたものである。
【0013】本発明の請求項7の魚節類等の固形食物切
削用刃物は、図12(e)のように、刃物3の裏面刃先
側にすくいRを設け、刃物3の表面刃先側に裏面側に傾
斜する角度の逃げ面(しのぎ)を設け、それより先の先
端部が逃げ面の角度よりも小さな角度で裏面刃先側に傾
斜させたものである。
【0014】本発明の請求項8の魚節類等の固形食物切
削用回転刃物は、図10のように、ドラム形状の回転体
1の軸方向に沿って形成された刃物取付け溝8内に刃物
3をセットし、刃物3に形成された止め穴に、回転体1
の軸方向両端面17に貫通する止め穴から止めピンを差
込んで、刃物3を回転体1に固定したものである。
【0015】本発明の請求項9の魚節類等の固形食物切
削用回転刃物は、図10のように、ドラム形状の回転体
1の軸方向に沿って形成された刃物取付け溝8内に刃物
3をセットし、図19(a)(b)のように、刃物3に
形成されたピン差込み溝91と、刃物3の刃物取付け溝
8内に形成されたピン嵌入溝92とに、回転体1の軸方
向両端面17から止めピン90を差込んで刃物3を回転
体1に固定したものである。
【0016】本発明の請求項10の魚節類等の固形食物
切削用回転刃物は、図10(a)のように、ドラム形状
の回転体1の軸方向に沿って形成された刃物取付け溝8
内に刃物3をセットし、図19のように刃物3に形成さ
れたピン差込み溝91と、刃物取付け溝8内に形成され
たピン嵌入溝92とに図20のように前記両端面17か
ら別々に止めピン90を差込んで刃物3を回転体1に固
定したものである。
【0017】本発明の請求項11の魚節類等の固形食物
切削用回転刃物は、図10(b)のように、刃物3に形
成されたピン差込み溝91と、刃物取付け溝8内に形成
されたピン嵌入溝92とが位置ズレして対向し、位置ズ
レした両溝91、92にのように止めピン90を差込ん
で、両溝9192を位置合わせして、回転体1への刃物
3の固定を緊密にしたものである。
【0018】本発明の請求項12の魚節類等の固形食物
切削用回転刃物は、図20のように、止めピン90が長
手方向一端から他端に向けて次第に先細りであり、その
止めピン90が細い方からピン差込み溝91に差込まれ
たものである。
【0019】本発明の請求項13の魚節類等の固形食物
切削用回転刃物は、図9のように、刃物取付け溝8が回
転体1に2本以上形成され、夫々の刃物取付け溝8に刃
物3が取り付けられたものである。
【0020】本発明の請求項14の魚節類等の固形食物
切削用回転刃物は、図10のように、刃物取付け溝8が
細長のスリットであり、刃物取付け溝8の両端が回転体
1の2つの軸線方向端面17に開口されたものである。
【0021】本発明の請求項15の魚節類等の固形食物
切削用回転刃物は、刃物3に前記請求項1乃至請求項7
のいずれかに記載の刃物を使用したものである。
【0022】
【発明の実施の形態1】本発明の魚節類等の固形食物切
削用刃物及び固形食物切削用回転刃物は、図1、図2に
示す魚節類等の固形食物切削装置に使用される。この固
形食物切削装置は、金属製フレーム73に本体ケース3
0を平行に2つ設け、夫々の本体ケース30の上に魚節
類等の固形食物5を収容可能な筒状の案内体6を設け、
案内体6内にその内部の固形食物5を本体ケース30内
の回転刃物81に押し付ける押し具7を押込み自在と
し、案内体6の周壁横面に固形食物5を投入可能な投入
口70を開口し、同投入口70にそれを開閉可能な蓋7
1を設けてなる。
【0023】前記の本体ケース30は金属製或は樹脂製
の箱であり、夫々の本体ケース30内に回転刃物81が
1個づつ配置されている。回転刃物81は図4(a)に
示すようにドラム状の回転体1の外周面2に、細長い刃
物(ブレード)3を図6に示すように同回転体1の軸線
と平行に2枚取り付けてなる。
【0024】回転刃物81は本体ケース30内に左下が
りの斜めに取り付けられている。この回転刃物81はド
ラム形状の回転体1に刃物3が取り付けられている。回
転体1はその中心部に軸方向に沿って回転軸33(図4
a)が取り付けられ、外周面2寄りにその軸方向に沿っ
て刃物取付け溝8が形成され、その刃物取付け溝8内に
刃物3が取り付けられている。また、回転体1にはその
軸方向両端面17に貫通する収容空間20が貫通され
て、固形食物5から切削された削り片がその収容空間2
0内に入り込むようにしてあり、更に、回転体1の上方
(図1のプーリー34の反対側)の端面17には、収容
空間20内に収容された削り片を他方の軸方向端面17
側に送る風を発生するためのファン72が設けられてな
る。
【0025】回転軸33は回転体1と一体成形すること
もできるが、図4に示すものは回転体1の中心部に貫通
された角形の軸穴32(図4a)に貫通固定されてい
る。この回転軸33はその軸方向一端に回転体1の軸穴
32に差し込み可能な太さの丸棒状に形成された差し込
み端部33aが形成され、その内側に角形の軸穴32に
差し込み可能であるがその内部で空転はしない太さの角
棒状の差し込み角棒部33bが形成され、その外側に前
記軸穴32よりも外形の大きな丸棒状の大径丸棒部33
cが形成され、更にその外側に大径丸棒部33cよりも
径の細い丸棒状に形成された取り付け端部33dが形成
されている。この回転軸33の差し込み端部33aから
差し込み角棒部33bまで回転体1の角穴32に挿入し
て、差し込み角棒部33bを角穴32に嵌合させて、回
転軸33に回転トルクが働いても回転軸33が軸穴32
内で空転しないようにしてある。また、回転体1の下端
面17が前記大径丸棒部33cの上端面に係止してそれ
以上は下方に移動しないようにもしてある(図6)。
【0026】前記ファン72は図5(a,b)に示す様
に回転体1の軸方向端面17と同一形状及び大きさの金
属製の薄板82の2箇所に180度位置をずらして2つ
の羽根83を設けてなる。羽根83は薄板82の2箇所
に切込み84を入れて羽根片85を形成し、夫々の羽根
片85をその根元から外側に斜めに立ち上げ、先端部を
水平に折曲げて成形してある。羽根83は図5(c,
d)に示す様に120度ずつ位置をずらして3枚とする
こともでき、図示されてはいないが4枚以上とすること
もできる。図示したファン72は回転体1の上方の軸方
向端面17に取り付けられて、回転体1の回転に伴って
回転して羽根83により風を発生させ、その風により回
転体1の収容空間20内に収容された削り片が回転体1
の下方に送られるようにしてある。
【0027】前記の回転刃物81はモータ25により回
転駆動される。モータ25は図1、図3に示す様に2つ
の本体ケース30の中間位置外側に配置されており、1
つのモータ25の回転輪38と2つの回転体1の回転輪
34とに1本のベルト39をかけて、1つのモータ25
で2つの回転体1を同期回転させることができるように
してある。この場合、ベルト39を補助回転輪86にも
掛けてベルト39に張力を付与してある。
【0028】案内体6の周壁横面に形成された前記の投
入口70は、固形食物5を投入可能な大きさに形成され
ており、同投入口70は図4に示すように蓋71で開閉
可能としてある。図1、3の蓋71は図4(b)に示す
様に投入口70の内周壁の下方に固定された軸74に回
転可能なるように取付けることにより、同軸74を中心
として回動可能とし、蓋71を手前に倒すと投入口70
が開口し、投入口70側に起立させると投入口70が閉
じるようにしてある。図1、3の案内体6には止具87
が上下にスライド可能に設けられており、止具87を上
方にスライドさせると蓋71を起立させて投入口70を
閉じることができ、その状態で下方にスライドさせると
蓋71の上端部外側を押えて蓋71が不用意に開かない
様にすることができ、また、止具87を上方にスライド
させると蓋71を手前に倒して投入口70を開けること
ができるようにしてある。
【0029】蓋70は投入口を開閉口できるものであれ
ば他の構造でもよく、図4(c)に示す様に横にスライ
ド可能な方式としてもよく、図4(d)に示す様に円形
の投入口70を閉塞可能な寸法の円板状の蓋71をピン
88で回転可能に取り付け、摘み89を指で持って横に
回転すると、投入口70が開閉されるようにしたものも
でもよい。更には、図示されていないが、蓋71は上下
にスライド可能とし、上方又は下方にスライドさせたと
きに、投入口70が閉じたり開いたりするようにしたも
のでもよい。
【0030】前記の押し具7は図1、図3に示す様に案
内体6の真上に取付けられ、フレーム73の下部に設置
されたコンプレッサ75により作動するエアーシリンダ
76のロッドの下端に連設されており、ロッドの昇降に
伴って案内体6内を昇降し、降下時に案内体6内の固形
食物5を回転刃物81側に押すようにしてある。ロッド
は最上位まで上昇しても下端に連設されている押し具7
が案内体6内から抜け出ることがないようにその長さを
調節してある。押し具7の形状は図7(a)に示す様に
筒状の案内体6の内面形状に合わせて形成されており、
図1、3の案内体6は角筒であるため押し具7は角棒状
にしてある。押し具7のうち固形食物5に接触する押圧
面(下端面:図7a)12は、図1のように斜め下向き
に配置された回転体1の傾斜に沿って下り傾斜に形成さ
れている。この押圧面12は回転体1の外周面2及び刃
物3に接触することはないが、固形食物5の削り残しを
少しでも少なくするためにはそれらにできるだけ近接す
ることができるようにするのが望ましい。そのため図7
(b)に示すものは、3次元の曲面にカットして回転体
1の外周面2に上方から被嵌可能なるように上方に湾曲
凹陥させてある。尚、押し具7の昇降は油圧シリンダそ
の他の方法で行なうこともでき、もちろん手動で昇降さ
せるようにすることもできる。
【0031】図1に示される本体ケース30の下部に
は、刃物3で切削された切削片を外部に導出する先細り
の箱型の排出口78が連設されており、その下には排出
口78から排出された切削片を収容する引出式の切削片
収容箱26(収容能力30g程度)を設けてある。この
切削片収容箱26には取っ手26aが取り付けられてお
り、この取っ手26aをもって同切削片受け箱26を出
し入れですることができると共に、所定位置まで押込む
と回転体1の真下に位置するようにしてある。
【0032】金属製のフレーム73の下端の四隅にはキ
ャスタ79及びアジャスタボルト80を夫々設けること
により、アジャスタボルト80を締め上げてキャスタ7
9のみを床面に接地させるとキャスタ79の回転により
容易に移動が可能であり、逆にアジャスタボルト80を
下げてキャスタ79を床面から浮かせると不用意に移動
しないようにしてある。また、フレーム73の下端に設
置されたコンプレッサ75は止め具によりフレーム73
に固定してある。
【0033】
【発明の実施の形態2】本発明の魚節類等の固形食物切
削用刃物及び回転刃物は、図8に示す様な切削装置にも
使用可能である。この切削装置も、筒状の案内体6の周
壁横面に投入口70を設け、それを図示されていない蓋
で開閉可能としてある。この蓋は図4に示すような開閉
構造のものでもよい。
【0034】図8の切削装置の内部構造は図9に示すよ
うになっている。この切削装置は図8に示される本体ケ
ース30の内部に図9に示されるように回転体1を取付
けてある。この回転体1はドラム形状であり、その外周
面2に細長い刃物3を図13(a)に示すように回転体
1の軸と平行に2枚取り付けて回転刃物81としてあ
る。この場合、安定した状態で切削できることと、切削
された切削片(削り節)が回転体1の収容空間20を落
下して排出され易くするために、回転体1を水平から3
5度程度左下向きに傾斜させて取り付けてある。この場
合、水平から35度以上傾斜すれば回転刃物81と固形
食物5との接触面積が大きくなり過ぎて、切削に要する
力は弱くなり、切削効率が悪くなる。反対に水平から3
5度以下しか傾斜させなければ、切削された切削片は収
容空間20内を落下しにくくなるため排出もしにくくな
る。この回転体1は図9に示すように本体ケース30に
取り付けられているモータ25により回転駆動される。
刃物3は図13(b)に示すように回転体1の軸に対し
て傾斜させて取付けてもよく、図13(c)に示すよう
に湾曲したものでもよい。
【0035】刃物3は回転体1の軸方向の長さと同じ長
さ(85mm)で幅が16mm、厚さ5mm程度の細長
い板状のものであり、図12に示すようにその刃先10
に長手方向に所定間隔で且つ回転方向と平行に幅の細い
溝、切込み等の仕切り(ニック)24を入れて刃先(切
れ刃)10を所望幅に断続してなる。この断続幅はそれ
により切削されて得られる削り節の幅になるため、所望
とする削り節の幅、例えば5mm程度としてある。ま
た、仕切り24の幅は広過ぎるとその部分が魚節類等固
形食物5を切削できずに削り残しとなり、狭過ぎると切
削される削り節が分離されずに繋ってしまうため、0.
3mm程度にすると削り残しができず、繋がることも少
ない。刃物3の裏面にはその長手方向に沿って細長の突
条31が設けられている。また、図12(a)〜(d)
に示す様に刃物3の長手方向一端の表面に縦方向裏側に
向けて下り傾斜になるテーパ面3aを形成し、且つ、図
12(b)、(c)に示す様に刃物3の長手方向下部の
表裏面の角(3c、3d)も斜めに落として、刃物3を
後記する刃物取付け溝8に差込むときにそのテーパ面3
a側から差込むと差込み易くなるようにしてある。図1
2(e)に示す逃げ面(しのぎ)の角度は30にして
あり、その先の角度は8にしてある。この角度の許容
レンジは38±5が望ましく、このレンジにより刃先
10の切れ味が決定される。刃物3の材質としてはJI
SSKH51(ハイスピードスチール鋼)が好ましい。
【0036】本体ケース30内の回転体11は長さ85
mm、直径90mmのドラム状であり、その外周面2の
うち中心軸線Y−Y(図9)を挟んで対向する2か所
(2枚刃)に刃物3を取り付ける刃物取付け溝8を形成
し、外周面2のうち刃物取付け溝8より回転方向先方に
外周面2の他の部分より外側に次第に突出する突出部9
(図10)を形成してある。突出部9の高さは1mm程
度としてある。従って、この回転体1は突出部9が僅か
に突出している偏平ドラム状(カム形状)となってい
て、固形食物5に上下動を与え、固形食物5をスイング
させることによって、食い込み易くしたり、離し易くし
たりして、メリハリを付けながら切削できるようにして
ある。突出部9は刃物取付け溝8より回転方向後方にも
設けて、次第に低くして元の高さに戻してある。回転体
11の直径は58mm〜200mmφの範囲が良く、直
径が大きくなるに従って、取付ける刃の枚数は増加可能
となり、家庭用としては1〜4枚が適当である。例え
ば、直径90mmφでは2枚刃が好ましく、直径が12
0mmでは3枚刃(回転体1に等間隔に刃物3を取付け
たもの)が好ましい。もちろん刃数が何枚であっても各
刃の先方には突出部9(図10)が形成されているもの
とする。
【0037】回転体1の2つの軸方向端面17の中心に
は、ねじ穴32(図9、10)が開けられており、夫々
のねじ穴32に回転軸33(図9、10)がねじ込まれ
て取り付けられている。もちろん回転体1の回転トルク
によっては前記ねじ込式による回転軸33の取り付けは
外れやすいので、望ましくはねじ込式ではなく一体成形
などによる固定式の取り付けがよい。回転軸33は本体
ケース30に固定された軸受けに35度の左下がり傾斜
で回転可能に支持されている。その軸受けには例えばロ
ーラーベアリングやボールベアリングが使用される。こ
の回転体1の回転軸33のうち上側の回転軸33は軸受
けを貫通し、更に本体ケース30を貫通して外に突き出
しており、この突出先端部に図9のように第1のプーリ
ー34が取り付けられている。回転軸33と第1のプー
リー34は互いが空転しないように連結されており、第
1のプーリー34がモータ25により回転駆動される
と、これに伴って回転体1も回転される。この第1のプ
ーリー34とモータ25側の第2のプーリー38は本体
ケース30に取り付けられているカバー36(図8)に
より容易に手が触れられないようにしてある。このカバ
ー36は透明でも、不透明でもよい。
【0038】前記の刃物取付け溝8は図9に示す様に、
回転体1の回転軸33に沿って形成されて、回転体1の
外周面2に細長いスリットのように開口されると共に、
その両端が回転体1の2つの軸線方向端面17に開口さ
れている。刃物取付け溝8の内側には図10に示すよう
に凹溝37が回転体1の長手方向に沿って形成してあ
る。刃物3はこの刃物取付け溝8に回転体1の軸線方向
端面17から軸線に沿って挿入されて刃物取付け溝8の
長手方向に横スライドしてセットされている。この場
合、刃物3の突条31(図12b、c)が前記凹溝37
に嵌入して、刃物3の刃先10が回転体1の外周面2か
ら外側に僅かに(6/100mm程度)突き出してセッ
トされて、刃物3が回転体1の外周面2から外に突き出
し過ぎたり、逆に内側に引っ込み過ぎたりせずに定位置
に納まる。このように刃物取付け溝8にセットした刃物
3は図10の様に、抜け落ちないようにビス等の止め具
19を回転体1の軸線方向両端面17でねじ孔にねじ込
んで固定してある。刃物3はこの方法によらず回転体1
に取外しできないように単にロー付けあるいはネジ止め
等で固定してもよく、また、始めから回転体1と一体で
あってもよい。
【0039】刃物3の取り付け方法は前記方法以外の方
法であってもよい。例えば、回転体1にその軸方向両端
面17に貫通する止め穴を形成し、前記刃物3にもその
軸方向に差し込み孔を貫通し、刃物取付け溝8にセット
された刃物3の差し込み孔に回転体1の止め穴の外側か
ら止めピン90を差し込んで刃物3を回転体1に固定す
るようにしてもよい。この場合、止めピン90を長手方
向一端から他端に向けて次第に先細りに形成して、止め
ピン90の細い方を下向きにして止め穴及び差し込み孔
に差し込むと、止めピン90の差し込みが次第にきつく
なって、止めピン90が止め穴及び差し込み孔から不用
意に抜けることがなく、刃物3が回転体1に固定される
ようにしてある。
【0040】また、図19に示す様に刃物3にその軸方
向にピン差込み溝91を形成し、刃物取付け溝8の内壁
にはそれにセットされた刃物3のピン差込み溝91と対
向する位置にピン嵌入溝92を回転体1の両端面17に
開口するように形成し、ピン差込み溝91とピン嵌入溝
92とに前記両端面17から別々に止めピン90を差込
んで刃物3を回転体1に固定されるようにしてもよい。
このときピン差込み溝91とピン嵌入溝92は刃物取付
け溝8にセットされた刃物3のピン差込み溝91と刃物
取付け溝8の内壁のピン嵌入溝92が図19(a)に示
す様に上下方向にずれるように形成しておき、ピン差込
み溝91とピン嵌入溝92とに止めピン90を差込むと
図19(c)示す様に同心円状になるようにしてある。
この様にすることにより止めピン90が差込まれると刃
物3は図19の矢印X及び矢印Y方向に共に押されて刃
物取付け溝8の内壁の側面及び底面の双方に押し付けら
れ、同刃物取付け溝8から不用意に抜けることがなくな
る。止めピン90は差込み易い一方で押込みに伴って差
し込みが次第にきつくなって不用意に抜けることがない
ようにするため、図19(b)に示す様に序々に先細り
になるテーパー状としてある。
【0041】回転体1のうち刃物3よりも回転方向先方
には、図10に示す様に刃物3により魚節類等固形食物
5から切削される切削片(削り節)が入り込む収容空間
20(入口2mm程度)が形成されている。その収容空
間20は前記した刃物取付け溝8に連通し、更に回転体
1の2つの軸線方向端面17に開口されて、収容空間2
0内に入り込んだ切削片は一方に傾斜している回転体1
の下方(図9のプーリー34と反対側)の軸線方向端面
17から外に排出されるようにしてある。この場合、収
容空間20は削り節が排出され易いように下方開口部に
行くに従い広くなるようにテーパーが切ってある。尚、
回転体1が金属製の場合は収容空間20を大きくして回
転体1の軽量化を図ることが望ましい。
【0042】モータ25は図9に示す様に回転体1と同
じく35度程度の下り傾斜で回転体1と並列に本体ケー
ス30内に取り付けられている。モータ25の回転軸
(図9)は本体ケース30から外に突き出ており、この
突き出た先端に第2のプーリー38が取り付けられてい
る。この第2のプーリー38もモータ25の回転軸37
と空転することがないように連結されて、モータ25に
より確実に回転されるようにしてある。この第2のプー
リー38は回転体1に取り付けられた第1のプーリー3
4と並列に配置されており、両プーリー34、38には
タイミングベルト39がかけられている。このタイミン
グベルト39の裏面の凹凸は両プーリー34、38の外
周に形成されている歯に噛み合って、モータ25により
回転駆動される第2のプーリー38の回転が確実に第1
のプーリー34に伝達され、回転体1が確実に回転する
ようにしてある。第1のプーリー34と第2のプーリー
38は直径を少し異ならせて、モータ25の回転に対し
て回転体1が減速して回転されるようにしてある。もち
ろん適度な回転が得られればモーター25は回転体1の
回転軸とプーリーを介さずに直列に直結されてもよい。
【0043】前記モータ25はトルクを感知できるセン
サを内蔵しており、電力が供給されているにもかかわら
ず切削物等の負荷が高くなりモータ25が所定時間(5
秒)以上継続して回転しないときは、過負荷保護機能等
が効いてモータ25を停止することができるようにして
ある。
【0044】図8に示される本体ケース30の上面には
円筒状の案内体6が設けられている。この案内体6もそ
の内部の固形食物5(図11a)を回転刃物81側に送
り出すためのものであり、本体ケース30を貫通するよ
うに縦向きに取り付けて、図10に示す様にその回転体
側端部(下端部)11が回転体1の外周面2の直近に位
置するように配置されている。案内体6の長さ、直径等
は用途に合わせて任意に選択できるが、例えば回転体1
の直径が90mmのとき、案内体6の長さ300mm、
案内体6の直径70mm程度が適する。この案内体6の
内側には図11に示すガイド部材40が図8〜図10に
示す様に取り付けられている。このガイド部材40は図
11(b)に示すように外周面の一部41が案内体6の
内周面に接する円弧状に形成され、その反対側に平坦面
42が形成され、縦方向に間隔を設けて取付け孔が貫通
され、更に底面44が35度程度の角度で左下り傾斜に
形成されている。このガイド部材40を案内体6の内側
に取付けて同部材40の平坦面42をガイド面13とし
てある。ガイド面13の底面44の角度は回転体1の取
付け角度に合わせてある。この案内体6は図11(b)
に示すように回転体1の真上には配置されておらず、真
上よりも少し横に偏心させた位置に配置して、案内体6
内の魚節類等固形食物5が回転体1の真上より少しでも
安定した状態で切削するために、切削回転方向寄りに偏
った部分(ダウンカット側:回転刃物の中心線より切削
方向先方)で削られるようにしてある。案内体6の回転
体側端部11は図10に示されている如く、回転体1の
外周面2及び刃物3に接触することはないが、できるだ
けそれらに近接することができる3次元の湾曲凹陥面4
5(図14(c))に形成されている。また、図14
(a)、(b)に示す様に案内体6に第2のスイッチ2
9(図9)を取付けるためのスイッチ取付け孔46と、
ガイド部材40を図9のように取付けるための部材取付
け孔47が開口されている(図14)。スイッチ取付け
孔46に取付けられた第2のスイッチ29は案内体6内
に押し具7が差し込まれていることを感知するものであ
り、このスイッチ29はモータ25を制御する制御部に
配線されている。同スイッチ29には近接スイッチ又は
リミットスイッチを使用するのが適する。
【0045】押し具7は案内体6に抜き差し可能として
あり、案内体6内の固形食物5を回転体1の外周面2の
刃物3に押し付けるためのものであり、適度の重さ(3
kg位が最適)を有するものである。この押し具7は図
8、図9、図15に示す様に案内体6の内部に差し込ま
れる棒状部48と、案内体6より外径の大きな蓋体49
とからなり、蓋体49には引き上げに便利なように摘み
50(図8、図9)が取り付けられている。案内体6内
に差し込まれる棒状部48の外形は案内体6の内面形状
に合わせて形成されており、図15に示すように円柱材
の外周面の一部を切除して案内体6のガイド面13と同
様に平面状にした方向規制面51が形成されている。こ
の押し具7はその方向規制面51を図8の様に、案内体
6の内周面のガイド面13と向きを合わせて差し込むこ
とにより案内体6内に差し込むことができる。この場
合、押し具7は案内体6内で上下動は可能であるが、回
転はしない。押し具7の材質は金属、プラスチック、木
製等のどの様なものでもよいが適度の重さ(3kg位)
を有するものであれば押圧力が省力化できる。
【0046】押し具7の棒状部48のうち固形食物5に
接触する押圧面12(図15)は、斜め下向きに配置さ
れた回転体1の傾斜に沿って、斜めに、且つ図10に示
す案内体6のガイド面13側に向けて下り傾斜に形成さ
れており、しかも、同押圧面12は回転体1の外周面2
及び刃物3に接触することはないが、それらにできるだ
け近接することができる3次元の曲面にカットして、回
転体1の外周面2に被嵌可能なるように上方に湾曲凹陥
させてある。押し具7の棒状部48の上に取り付けられ
た蓋体49は棒状部48の押し込みを規制する役割、即
ち、ストッパー23の機能を有しており、蓋体49が案
内体6の上面に突き当たるところまで押し込むと棒状部
48がそれ以上は下がらないようになり、その位置で棒
状部48の下端が回転体1の直近まで接近できるように
してある。図示した押し具7は手で押す様にしてある
が、油圧シリンダ、バネ、テコ等で押すこともできる。
【0047】案内体6は図16に示すように上下に2分
して、上方の案内体6を下方の案内体6に被せたり、取
外したりできるようにしてもよい。このようにすれば案
内体6が長くとも、不使用時には上方の案内体6を外し
て収納できるので場所をとらず便利である。また切削す
る固形食物5が短いときは上方の案内体6を取り外すと
下方の案内体6への固形食物5の出し入れが容易にな
る。図16に示す案内体6は上方の案内体6の下端に取
付けてある枠状固定具61を下方の案内体6の上端に被
せると上下の案内体6を連結することができるようにし
てある。案内体6はもちろん円筒状とは限らず、三角
状、四角状など多角状の筒でも構わない。
【0048】図8に示される本体ケース30には刃物3
で切削される切削片を受ける引出式の切削片収容箱26
と、それを出し入れ可能な箱収容部27が設けられ、こ
の箱収容部27内の奥まで切削片収容箱26を押込むと
ON、引き出すとOFFとなる第1のスイッチ28(図
9)が設けられている。この第1のスイッチ28と、押
し具7を押し込むとONとなる第2のスイッチ29(図
9)はモータを制御する制御部に配線されて、両スイッ
チ28、29がONのときにのみモーター25が駆動し
て回転体1が回転するようにしてある。
【0049】前記の切削片収容箱26は本体ケース30
の奥まで挿入すると回転体1の真下に配置されるように
なっている。この切削片収容箱26には本体ケース30
内に収容したときに同本体ケース30の外側に突出する
取っ手が取り付けられており、この取っ手をもって切削
片受け箱26を本体ケース30に差し込んだり、本体ケ
ース30から引き出したりすることができるようになっ
ている。この切削片収容箱26の奥板26a(図8、図
9)には図示されていない金属片(例えばナット)が取
り付けられており、切削片収容箱26が本体ケース30
の箱収容部27内の奥まで差し込まれて所定位置にセッ
トされると、前記金属片が本体ケース30内に固定され
た第1のスイッチ(近接スイッチ)28(図9)と近接
して、切削片収容箱26が所定位置にセットされたこと
を感知できるようにしてある。この感知は他の方法で行
うこともできる。例えば、第1のスイッチ28としてリ
ミットスイッチを使用し、切削片収容箱26を本体ケー
ス30内に押込むと、その切削片収容箱26によりリミ
ットスイッチが叩かれて(押されて)、切削片収容箱2
6が所定位置にセットされたことを感知できるようにす
ることもできる。
【0050】図8に示すように、本体ケース30の正面
右側には、引き出し式の固形食物収容箱55が取り付け
られている。この固形食物収容箱55には取っ手が取り
付けられており、この取っ手をもって本体ケース30に
差し込んだり、本体ケースから引き出したりすることが
できるようになっている。この固形食物収容箱55には
固形食物5の削り残しとか他のものを入れて収容するこ
とができる。
【0051】本体ケース30内にはモーター25を駆動
し且つ制御する制御部が設けられている。この制御部は
外部からのAC100Vを本体ケース30の右横に設け
た電源ケース内の電源回路により所望のDC電圧に変換
し、そのDC電源を本体ケース30の正面パネルに設け
た電源スイッチ(照光式押ボタンスイッチ)57及び回
転体1の正逆回転を切替えるための切替スイッチ58を
介し、更に、図示されていないリレー回路を介してモー
ター25(図9)に供給できるようにしてある。電源ス
イッチ57はONにすると電源回路からのDC電流を切
替スイッチ58まで供給できるようにし、OFFすると
切替スイッチ58へのDC電流を停止する。また切替ス
イッチ58はこれを正転位置にセットするとモーター2
5へ予め定めた向きで電流が流れ、逆転位置にセットす
るとモータへの電流の向きが前記と逆転してモーター2
5を逆回転させるものである。
【0052】図示されていないリレー回路はモーター2
5に内蔵されたセンサと案内体6に設けられた第2のス
イッチ29とに配線されており、第2のスイッチ29が
押し具7の差し込みを感知し、しかもモーター25に内
蔵のセンサがトルクの異常を検出しないときに切替スイ
ッチ58からモーター25に供給される電流を流すが、
案内体6の第2のスイッチ29が押し具7の差し込みを
感知しないか、モーター25のセンサがトルクの異常を
5秒以上継続して感知したか、近接センサが切削片収容
箱26の差込み(セット)を感知しないか、の3つのう
ちのどれか一つでも存在すると、切替スイッチ58から
モーター25への電流供給が停止してモーター25の回
転が停止し、回転体1に身体の一部や異物が接近しただ
けではモーター25が回転せず、安全が確保されるよう
にしてある。図示したものは回転体1をモーター25に
より回転するようにしてあるが、場合によっては人力で
回転するようにしてもよい。切削回転方向はどちらでも
よいが、好ましくは切削片の飛散を防ぎ、切削片を真下
に落すためには正面時計方向がよい。この実施例ではガ
イド面13側(正面左側)に回転するようになってい
る。
【0053】
【使用例】図1〜図3の固形食物切削装置の使用例を以
下に説明する。 (1)エアーシリンダのロッドを上昇させて押し具7を
案内体6内の上部まで引き上げた状態で、案内体6の周
壁横面に設けられた蓋71を開いて投入口70を開き、
その投入口70から案内体6内に、例えば太さ50m
m、長さ140mm、水分15%前後の魚節灯の固形食
物5を投入する。魚節は長い一本のままでもよく、2等
分、3等分、4等分といった様に任意の長さに切断した
節でも良く、或は成形時から通常の魚節の長さの1/
2、1/3、1/4にして成形したものでも良く、更に
はそれ以外の形状、例えば四角或は丸形状といったもの
もでよい。勿論、ほかの食品材(氷、豆、チョコレート
等)でもよい。 (2)切替スイッチ58を通常は正転位置(この場合は
時計方向)にセットしてから正面パネルに設けられた電
源スイッチ57をONしてモーター25を回転させる。
このとき(回転体の直径70mmのとき)回転数は13
0rpm、周速2860cm/分程度である。 (3)エアーシリンダのロッドを縮小させて引上げてあ
る押し具7を下ろすと、回転する回転刃物81の刃物3
で固形食物5が切削される。切削された切削片はファン
72から送られる風により回転体1の収容空間20を通
過し、さらに本体ケース30の下方から排出口78を通
過してその下に配設されている切削片収容箱26内に落
下し、溜る。 (4)この場合、回転体1の長さ、直径、回転体1に取
付けられている刃物3の本数にもよるが、回転体1の長
さ85mm、直径70mm、刃物3が2枚の場合の切削
量は8〜10g/分となる。回転速度が同じ場合、直径
90mmの場合はその約1.3倍の切削量となる。いず
れも刃先10の断続幅5mmならば、得られる削り片は
厚さ7〜13/100mm、長さ1〜3cm、幅5mm
の細長片となる。 (5)切削中に継続して5秒以上負荷がかかり過ぎる
と、加熱を防止するために、モーター25のトルクによ
り感知し自動停止する。その場合、切替スイッチ58を
逆回転に切替えてモーター25を逆回転させて負荷を解
除する。この操作を自動で行うようにしてもよい。 (6)押し具7をそれ以上は押し込めない位置まで押し
たら、電源スイッチ57をOFFにする。 (7)本体ケース30内の切削片収容箱26を引き出す
と、先に切削された切削片を取り出すことができる。こ
の切削片収容箱26には図8に示すように上下方向に目
盛り99を表示しておいて、およその切削量を判別でき
るようしてもよい。 (8)回転刃物81が回転して固形食物5が切削される
とき、回転体1の突出部9が固形食物5に当って固形食
物5を押し上げ、突出部9が固形食物5の下を通過する
と固形食物5が自重により落下する。この固形食物5の
押上げ、落下は回転体1の回転により繰返され、固形食
物5が上下にスイングされて食い込まれたり、離たれた
りして切削にメリハリができる。このため回転体1と固
形食物5との接触がスリップして固形食物5の一定箇所
が回転体1に接触したままとなり、切削が進まないとい
ったことがない。 (9)切削により刃物3の切れが悪くなったり、摩耗し
たりしたときは刃物3を新しい刃物3と交換する。安全
性の面からも刃の交換は極力少ない方が望ましく、長期
間(3年以上)摩耗しにくい材質(JIS SKH−5
1:ハイスピードスチール綱)を使用する方が好まし
い。
【0054】前記した魚節類等の固形食物切削装置は次
のような効果がある。 (1)魚節類等の固形食物5を収容でき、収容された固
形食物5を回転刃物81側に案内する案内体6が設けら
れているため、案内体6内に固形食物5を収容するだけ
で固形食物5が確実に回転体1の刃物3に接触し、固形
食物5が確実に切削され、また、切削も手軽になる。 (2)案内体6の周壁横面に固形食物5を投入する投入
口70が開口されているので、装置の大型化により案内
体6が長くなっても案内体6内に固形食物5を容易に収
容できる。
【0055】投入口70にそれを開閉可能な蓋71が設
けられているため、案内体6内に投入された固形食物5
が外に飛出したりすることがない。
【0056】回転体1のうち刃物3より回転方向先方
に、刃物3により固形食物5から切削される削り片が入
り込む収容空間20が形成され、同収容空間20は回転
体1の軸方向両端面のうち少なくとも片方に開口されて
いるので、刃物3により切削された切削片が収容空間2
0内に入り、開口部から容易に排出され、切削された切
削片が行き場がなくなって折れたり、詰まったりするこ
とがない。さらに回転体1の軸線方向の2つの端面17
のうち少なくとも片方に刃物3により切削された切削片
を所定方向に吹き飛ばすためのファン72が取付けられ
ているので、収容空間20内に入った切削片は無秩序に
飛び散ることなく一定箇所に集められるという効果を有
する。
【0057】案内体6内に収容された固形食物5を回転
刃物81側に押し付ける押し具7が設けられているた
め、案内体6内に固形食物5を収容し、押し具7を下げ
るだけで固形食物5が回転体1の刃物3に接触し、押し
具7がない場合に比べて、固形食物5がより確実に切削
され、また、切削も手軽になる。
【0058】回転体1の外周面2のうち形成された刃物
3より切削回転方向直前に、外周面2の他の部分より外
側に突出する突出部9が形成されてなるので、固形食物
5は回転体1の刃物3で切削される前に必ず突出部9で
押されて刃物3から離れ、その後に新たに刃物3に接触
する(上下に周期的にスイングする)ので、メリハリが
効いて切削物に食い込み易く又、離れ易くなり、固形食
物5が刃物3に接触したままスリップして切削されなく
なることが少なく、刃物3により確実に且つ安定して切
削される。また、前記の様にスリップして固形食物5が
加熱することもなく、加熱による品質劣化も刃の摩擦に
よる粉末発生も抑制される。さらに刃を斜めに設けた場
合は固形食物5の微振動が少なく、切削片のクラック
(亀裂)も入りにくい。
【0059】
【発明の効果】本発明の魚節類等の固形食物切削用刃物
及び回転刃物は、固形食物5を確実に切削することがで
き、また、切削も手軽になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転刃物を使用した魚節類等の固形食
物切削装置の例を示す側面図。
【図2】本発明の回転刃物を使用した魚節類等の固形食
物切削装置の例を示す正面図。
【図3】本発明の回転刃物を使用した魚節類等の固形食
物切削装置の例を示す背面図。
【図4】(a)は本発明の回転刃物を使用した魚節類等
の固形食物切削装置における回転体と案内体を示す説明
図、(b)は投入口及びそこに取付けられた蓋を示す部
分拡大図、(c)、(d)は投入口及びそこに取付けら
れた蓋の異なる例を示す部分拡大図。
【図5】(a)は本発明の回転刃物のファンを示す平面
図、(b)は(a)の正面図、(c)は回転刃物のファ
ンの異なる例を示す平面図、(d)は(c)の正面図。
【図6】本発明の魚節類等の固形食物切削用回転刃物の
一例を示す説明図。
【図7】(a)は図1に示す魚節類等の固形食物切削装
置における押し具の斜視図、(b)は同押し具の異なる
例の斜視図。
【図8】本発明の回転刃物を使用した魚節類等の固形食
物切削装置の第2の実施形態を示す斜視図。
【図9】図8に示す魚節類等の固形食物切削装置におけ
る回転刃物とモータの部分の説明図。
【図10】図8の回転刃物と案内体と押し具の位置関係
を示す縦断側面図。
【図11】(a)は図8に示す魚節類等の固形食物切削
装置における回転刃物と案内体の位置関係を示す縦断側
面、(b)はその横断側面。
【図12】本発明の刃物を示すものであり、(a)は平
面図、(b)は正面図、(c)は側面図。(d)は他の
実施例における側面図、(e)は刃先の詳細図。
【図13】本発明の回転刃物を示すものであり、
(a)、(b)、(c)は刃物と回転体との取付関係を
示す異なる説明図。
【図14】図8に示す魚節類等の固形食物切削装置にお
ける案内体であり、(a)は平面図、(b)正面図、
(c)は案内体の下部の側面図。
【図15】図8に示す魚節類等の固形食物切削装置にお
ける押し具であり、(a)は正面図、(b)は下端部の
縦断面図、(c)は平面図。
【図16】本発明の回転刃物を使用した魚節類等の固形
食物切削装置の他の例を示す断面図。
【図17】従来の魚節類切削装置の一例を示す縦断面
図。
【図18】従来の魚節類切削装置の他例を示す斜視図。
【図19】(a)、(b)、(c)は止めピンによる回
転体1への刃物3の取り付け構造の一例を示す説明図。
【図20】止めピンによる回転体への刃物の取り付け構
造の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 回転体 2 周面 3 刃物 5 固形食物 6 案内体 7 押し具 9 突出部 17 軸線方向端面 20 収容空間 70 投入口 71 蓋 72 ファン 90 止めピン 91 ピン差込み溝 92 ピン嵌入溝

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラム状の回転体に取り付けられて、回転
    体の回転により、魚節類等の固形食物に接触して固形食
    物を切削する刃物において、刃物(3)が回転体(1)
    の軸方向に細長であり、刃先(10)にその長手方向に
    所定間隔でニック(24)を入れて刃先(10)を断続
    したことを特徴とする魚節類等の固形食物切削用刃物。
  2. 【請求項2】ドラム状の回転体に取り付けられて、回転
    体の回転により、魚節類等の固形食物に接触して固形食
    物を切削する刃物において、刃物(3)に突条(31)
    が形成され、その突条(31)は回転体(1)の刃物取
    付け溝(8)への嵌入時に刃物取付け溝(8)の内側に
    形成された凹溝(37)へ嵌入可能な細長であることを
    特徴とする魚節類等の固形食物切削用刃物。
  3. 【請求項3】ドラム状の回転体に取り付けられて、回転
    体の回転により、魚節類等の固形食物に接触して固形食
    物を切削する刃物において、ピン差込み溝(91)が刃
    物(3)に形成され、ピン差込み溝(91)は回転体
    (1)の刃物取付け溝(8)への刃物(3)の嵌入時
    に、刃物取付け溝(8)のピン嵌入溝(92)と対向す
    るように形成されたことを特徴とする魚節類等の固形食
    物切削用刃物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の魚節類等の固形食物切削用
    刃物において、ピン差込み溝(91)は刃物(3)の両
    端面に開口して、その端面から止めピン(90)を差込
    み可能であることを特徴とする魚節類等の固形食物切削
    用刃物。
  5. 【請求項5】請求項3記載の魚節類等の固形食物切削用
    刃物において、ピン差込み溝(91)は刃物(3)の両
    端面に開口して、その端面から、長手方向一端から他端
    に向けて次第に先細りである止めピン(90)を、その
    細い方から差込み可能であることを特徴とする魚節類等
    の固形食物切削用刃物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
    魚節類等の固形食物切削用刃物において、刃物(3)の
    長手方向一端の表面に、縦方向裏側に向けて下り傾斜の
    テーパ面(3a)が形成されたことを特徴とする魚節類
    等の固形食物切削用刃物。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    魚節類等の固形食物切削用刃物において、刃物(3)の
    裏面刃先側にすくいRを設け、刃物(3)の表面刃先側
    に裏面側に傾斜する角度の逃げ面(しのぎ)を設け、そ
    れより先の先端部が逃げ面の角度よりも小さな角度で逃
    げ面よりも刃先側に傾斜したことを特徴とする魚節類等
    の固形食物切削用刃物。
  8. 【請求項8】ドラム形状の回転体(1)の軸方向に沿っ
    て形成された刃物取付け溝(8)内に刃物(3)をセッ
    トし、刃物(3)に形成された止め穴に、回転体(1)
    の軸方向両端面(17)に貫通する止め穴から止めピン
    を差込んで、刃物(3)を回転体(1)に固定したこと
    を特徴とする魚節類等の固形食物切削用回転刃物。
  9. 【請求項9】ドラム形状の回転体(1)の軸方向に沿っ
    て形成された刃物取付け溝(8)内に刃物(3)をセッ
    トし、刃物(3)に形成されたピン差込み溝(91)
    と、刃物取付け溝(8)内に形成されたピン嵌入溝(9
    2)とに、回転体(1)の軸方向両端面(17)から止
    めピン(90)を差込んで刃物(3)を回転体(1)に
    固定したことを特徴とする魚節類等の固形食物切削用回
    転刃物。
  10. 【請求項10】ドラム形状の回転体(1)の軸方向に沿
    って形成された刃物取付け溝(8)内に刃物(3)をセ
    ットし、刃物(3)に形成されたピン差込み溝(91)
    と、刃物取付け溝(8)内に形成されたピン嵌入溝(9
    2)とに前記両端面(17)から別々に止めピン(9
    0)を差込んで刃物(3)を回転体(1)に固定したこ
    とを特徴とする魚節類等の固形食物切削用回転刃物。
  11. 【請求項11】請求項9又は請求項10記載の魚節類等
    の固形食物切削用刃物において、刃物(3)に形成され
    たピン差込み溝(91)と、刃物取付け溝(8)内に形
    成されたピン嵌入溝(92)とが位置ズレして対向し、
    位置ズレしたピン差込み溝(91)及びピン嵌入溝(9
    2)に止めピン(90)を差込んで、両溝(91)(9
    2)を位置合わせして、回転体(1)への刃物(3)の
    固定を緊密にしたことを特徴とする魚節類等の固形食物
    切削用回転刃物。
  12. 【請求項12】請求項8乃至請求項11のいずれかに記
    載の魚節類等の固形食物切削用回転刃物において、止め
    ピン(90)が長手方向一端から他端に向けて次第に先
    細りであり、その止めピン(90)が細い方からピン差
    込み溝(91)及びピン嵌入溝(92)に差込まれたこ
    とを特徴とする魚節類等の固形食物切削用回転刃物。
  13. 【請求項13】請求項8乃至請求項12のいずれかに記
    載の魚節類等の固形食物切削用回転刃物において、刃物
    取付け溝(8)が回転体(1)に2本以上形成され、夫
    々の刃物取付け溝(8)に刃物(3)が取り付けられた
    ことを特徴とする魚節類等の固形食物切削用回転刃物。
  14. 【請求項14】請求項8乃至請求項13のいずれかに記
    載の魚節類等の固形食物切削用回転刃物において、刃物
    取付け溝(8)が細長のスリットであり、刃物取付け溝
    (8)の両端が回転体(1)の2つの軸線方向端面(1
    7)に開口されたことを特徴とする魚節類等の固形食物
    切削用回転刃物。
  15. 【請求項15】請求項8乃至請求項14のいずれかに記
    載の魚節類等の固形食物切削用回転刃物において、刃物
    (3)が請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の刃物
    であることを特徴とする魚節類等の固形食物切削回転刃
    物。
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