JP2002140208A - 性能シミュレーション装置および性能シミュレーション方法および性能シミュレーションプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

性能シミュレーション装置および性能シミュレーション方法および性能シミュレーションプログラムを記録した記録媒体

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JP2002140208A
JP2002140208A JP2000332261A JP2000332261A JP2002140208A JP 2002140208 A JP2002140208 A JP 2002140208A JP 2000332261 A JP2000332261 A JP 2000332261A JP 2000332261 A JP2000332261 A JP 2000332261A JP 2002140208 A JP2002140208 A JP 2002140208A
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Satoshi Tajima
嶋 聡 田
Shingo Igarashi
真 悟 五十嵐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアルタイムOSが組み込まれたシステムの
性能シミュレーションを容易に行うことを可能にする。 【解決手段】 リアルタイムOSモデル3と、少なくと
も一つのタスクから構成されるアプリケーションモデル
4と、を有するソフトウェアシミュレーションモデル2
を用いてリアルタイムOSが組み込まれるシステムの性
能シミュレーションを行う性能シミュレーション装置に
おいて、リアルタイムOSモデルは複数の機能を有し、
各機能は機能を特定するための少なくとも一つの機能選
択項目を有し、機能選択項目の少なくとも一部を選択す
ることによりリアルタイムOSモデルの機能を特定する
機能選択手段6を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電や事務機器な
どで幅広く利用されている、リアルタイムOSが組み込
まれるシステムの性能シミュレーションを行う性能シミ
ュレーション装置および性能シミュレーション方法なら
びに性能シミュレーションプログラムを記録した記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】家電や事務機器などで幅広く利用されて
いるシステムは、一般にハードウェアとソフトウェアと
から構成される組み込みシステムである。このシステム
の設計はハードウェア設計とソフトウェア設計の要求仕
様を満たす必要がある。従来、設計の正確さやアーキテ
クチャ設計の最適化などのシミュレーションによる検証
・見積りは熟練したシステム設計者の勘と経験によって
行われてきた。しかし現在は、計算機の高性能化にとも
ない、システムが大規模かつ複雑になり、システム設計
の上流工程における検証や性能見積りは容易ではなくな
っている。
【0003】また、近年では大規模かつ複雑なリアルタ
イム処理を必要とするシステム制御のために、マルチタ
スキングをサポートするリアルタイムOS(Operating S
ystem)が組み込まれたシステムが普及し、多くの組み込
みシステムで使用されている。現在ではすでに多くのリ
アルタイムOSが市場に出ており、それらを使用して開
発されたアプリケーションも多数稼動している。このよ
うに、組み込みシステムにおいてリアルタイムOSは重
要な位置を占めるが、システム設計の上流工程において
は、システムの仕様が詳細に決定されていないことが多
く、どのリアルタイムOSを使用するのか、どういった
スケジューリング方式やキューイング方式を利用するの
かといった特定のリアルタイムOSが決まっていない段
階での性能シミュレーションによる検証や見積りも容易
ではなかった。さらに、リアルタイムOSの種類も多様
化しており、性能シミュレーションのためのリアルタイ
ムOSモデルの作成にも多くの時間を必要とし、システ
ムの仕様の変更に伴うシミュレーションモデルの変更も
容易ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の組
み込みシステムの設計においては、システム設計の上流
工程におけるリアルタイムOSを含めた性能シミュレー
ションのためのシミュレーションモデルの作成は容易で
はなく、また、システムの仕様の変更に伴うシミュレー
ションモデルの変更・修正も容易ではなかった。さら
に、特定のリアルタイムOSやその機能が決定されてい
ない段階での性能シミュレーションも容易ではなかっ
た。
【0005】本発明は、上記事情を考慮されてなされた
ものであって、リアルタイムOSが組み込まれるシステ
ムの性能シミュレーションを容易に行うことのできる性
能シミュレーション装置および性能シミュレーション方
法ならびに性能シミュレーションプログラムを記録した
記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による性能シミュ
レーション装置は、リアルタイムOSモデルと、少なく
とも一つのタスクから構成されるアプリケーションモデ
ルと、を有するソフトウェアシミュレーションモデルを
用いてリアルタイムOSが組み込まれるシステムの性能
シミュレーションを行う性能シミュレーション装置にお
いて、前記リアルタイムOSモデルは複数の機能を有
し、各機能は機能を特定するための少なくとも一つの機
能選択項目を有し、前記機能選択項目の少なくとも一部
を選択することにより前記リアルタイムOSモデルの機
能を特定する機能選択手段を備えたことを特徴とする。
【0007】なお、前記機能選択手段によって選択され
た機能選択項目により特定された前記機能は、少なくと
も一つのコンポーネントを有していることが好ましい。
【0008】なお、前記リアルタイムOSモデルは、前
記タスクを前記コンポーネント間で受け渡しすることが
好ましい。
【0009】また、本発明による性能シミュレーション
装置は、複数のリアルタイムOSモデルと、少なくとも
一つのタスクから構成されるアプリケーションモデル
と、を有するソフトウェアシミュレーションモデルを用
いてリアルタイムOSが組み込まれるシステムの性能シ
ミュレーションを行う性能シミュレーション装置におい
て、前記リアルタイムOSモデルはそれぞれ複数の機能
を有し、これらの機能のうち前記複数のリアルタイムO
Sモデルに共通な機能を選択し、選択された共通な機能
からなる共通リアルタイムOSモデルを形成する共通リ
アルタイムOSモデル形成手段を備えたことを特徴とす
る。
【0010】なお、前記共通リアルタイムOSモデル
は、少なくとも一部機能が選択可能に構成されているこ
とが好ましい。
【0011】なお、ハードウェアシミュレーションモデ
ルを更に有し、ハードウェアとソフトウェアの協調シミ
ュレーションを行うように構成しても良い。
【0012】なお、前記タスクは状態遷移図で記述され
ており、前記アプリケーションモデルは、サービスコー
ル単位で前記タスクの状態遷移を行うように構成しても
良い。
【0013】なお、前記コンポーネントは、機能選択項
目の指定により、処理方式ないしはキューのサイズない
しはセマフォの数の少なくとも一つを設定可能とするよ
うに構成しても良い。
【0014】なお、機能選択可能なリアルタイムOSモ
デルは、リアルタイムOSの機能を、スケジューリング
機能、キューイング機能、資源管理機能、ディスパッチ
機能、サービスコール機能のいずれかの機能を持つコン
ポーネントの組み合わせで表現するように構成しても良
い。
【0015】なお、機能選択可能なリアルタイムOSモ
デルは、機能選択項目の指定により、キューイングアル
ゴリズムを設定可能とするように構成しても良い。
【0016】なお、機能選択可能なリアルタイムOSモ
デルは、機能選択項目の指定により設定可能なリアルタ
イムOSのタイムスライス時間値と、タスクのCPU占
有時間値との比較により、ラウンドロビン機能をシミュ
レーションするように構成しても良い。
【0017】なお、機能選択可能なリアルタイムOSモ
デルは、リアルタイムOSモデル内部にタスクのデータ
を保存することにより、リアルタイムOSの機能による
タスクのデータ変更をシミュレーションするように構成
しても良い。
【0018】なお、機能選択可能なリアルタイムOSモ
デルは、機能選択項目の指定により、バイナリセマフ
ォ、計数セマフォ、排他制御セマフォを選択可能なセマ
フォモデルを具備するように構成しても良い。
【0019】なお、前記シミュレーション装置は、機能
選択項目の指定により、複数のリアルタイムOSを切り
替えてシミュレーションするように構成しても良い。
【0020】また、本発明による性能シミュレーション
方法は、少なくとも一つの機能選択項目を有する複数の
機能を備えたリアルタイムOSモデルの前記機能を読み
込むステップと、前記機能選択項目の少なくとも一部を
選択するステップと、前記選択結果に基づいて前記機能
からコンポーネントモデルを特定するステップと、この
特定されたコンポーネントモデルとアプリケーションモ
デルを組み合わせてソフトウェアシミュレーションモデ
ルを構成するステップと、前記ソフトウェアシミュレー
ションモデルを実行するステップと、を備えたことを特
徴とする。
【0021】また、本発明による性能シミュレーション
プログラムを記録した記録媒体は、少なくとも一つの機
能選択項目を有する複数の機能を備えたリアルタイムO
Sモデルの機能を読み込む手順と、前記機能選択項目の
少なくとも一部を選択する手順と、前記選択結果に基づ
いて前記機能からコンポーネントモデルを特定する手順
と、この特定されたコンポーネントモデルとアプリケー
ションモデルを組み合わせてソフトウェアシミュレーシ
ョンモデルを構成する手順と、前記ソフトウェアシミュ
レーションモデルを実行する手順と、を備えたことを特
徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、図面を参照
して以下に説明する。
【0023】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態を、図1乃至図10を参照して説明する。この第1の
実施形態は、リアルタイムOSが組み込まれるシステム
の性能シミュレーションを行う性能シミュレーション装
置であって、その構成を図1に示す。この性能シミュレ
ーション装置1は、リアルタイムOSモデル3およびア
プリケーションモデル4を有するソフトウェアシミュレ
ーションモデル2と、機能選択手段6と、シミュレーシ
ョン実行手段8と、を備えている。
【0024】リアルタイムOSモデル3は、複数の機能
を有している。例えば図2に示すように、スケジューリ
ング機能、キューイング機能、セマフォ機能、ディスパ
ッチ機能、およびサービスコール機能を備えている。ま
た、図2に示すように、各機能は、機能を特定するため
の少なくとも一つの機能選択項目を有している。
【0025】スケージュリング機能の機能選択項目とし
ては、図2に示すように、スケージュリング方式、割り
込みネスト、およびプリエンプション等がある。スケー
ジュリング方式はCPUに割り当てるタスクを選択する
方式で、優先度順やFIFO(First In First Out)方式
がある。割り込みネストは外部からの割り込みに対する
処理方法の一つで、CPUが割り込み禁止状態にあると
きにその割り込みネスト方法を決める項目である。プリ
エンプションは実行中のタスクの優先度よりも高い優先
度を持つタスクが実行可能状態にある場合に、スケージ
ュリングを実行するか否かを決定する項目である。
【0026】キューイング機能の機能選択項目として
は、図2に示すように、キューイング方式、キューサイ
ズ、ローテーション方式、タイムアウト処理、およびサ
スペンド処理等がある。キューイング方式はタスクをキ
ューに繋ぐ方式で、優先度順やFIFO方式がある。キ
ューサイズはキューに入れることができるタスクの数の
上限値である。ローテーション方式はキューに繋がって
いるタスクの順番を変更する方式である。タイムアウト
処理はキューに繋がっているタスクに対して、一定時間
経過するとタスクをキューから取り出す処理に関する項
目である。サスペンド処理はキューに繋がっているタス
クに対して、強制的に待ち状態にする処理に関する項目
である。
【0027】セマフォ機能の機能選択項目としては、図
2に示すように、タスク削除保護、優先度継承方式、セ
マフォ優先度値、セマフォ数初期値、キューサイズ、お
よびポーリング等がある。タスク削減保護はセマフォを
獲得したタスクに対して、そのタスクの削除を禁止する
項目である。優先度継承方式はセマフォを獲得したタス
クに対して、優先度を一時的に変更する方式に関する項
目である。セマフォ優先度値はセマフォの優先度の値で
あり、優先度を持つセマフォを獲得したタスクの優先度
がセマフォの優先度よりも低い場合、一時的にタスクの
優先度がセマフォの優先度に変更される。セマフォ数初
期値はセマフォ数の初期値である。キューサイズはセマ
フォの持つキューに入れることのできるタスクの数の上
限値である。ポーリングはセマフォを獲得できなかった
タスクに対する処理法の一つである。
【0028】ディスパッチ機能の機能選択項目として
は、図2に示すように、ラウンドロビン、およびタイム
スライス時間等がある。ラウンドロビンはCPU割り当
てに関して、ラウンドロビン方式に関する項目である。
タイムスライス時間はラウンドロビン方式に関する項目
で、ラウンドロビンを行うための時間間隔である。
【0029】サービスコール機能の機能選択項目として
は、図2に示すように、遅延処理、および割り込み禁止
時間等がある。遅延処理はサービスコールを行う場合の
遅延処理に関する項目で、割り込み禁止処理などの方式
に関する項目である。割り込み禁止時間は割り込み禁止
処理に関して、その割り込み禁止時間である。
【0030】再び図1に戻り、アプリケーションモデル
4は、少なくとも一つのタスクから構成される。機能選
択手段6は、外部から入力された情報(機能選択項目を
含む情報)に基づいて機能選択項目の少なくとも一部を
選択することにより、図3に示すように、例えば、スケ
ージュリング機能3a、キューイング機能3b、セマフ
ォ機能3c、ディスパッチ機能3d、およびサービスコ
ール機能3eを有しているリアルタイムOSモデル3の
機能を特定する。なお、機能選択項目は、全項目を選択
可能としても良いし、一部の項目は予め特定していても
良い。
【0031】機能選択手段6によって特定された機能と
アプリケーションモデル4とに基づいて、シミュレーシ
ョン実行手段8によって、性能シミュレーションが実行
される。
【0032】次に、機能選択可能なリアルタイムOSモ
デル3の構成に関して説明する。図3は機能選択可能な
リアルタイムOSモデル3を機能毎にコンポーネント化
したときの構成を示す図である。
【0033】まず、上記各機能の説明をする。スケジュ
ーリング機能3aは、タスクのスケジューリングを行う
機能である。入力としてスケジューリング実行イベント
を受け取ると、スケジューリング機能3aの機能選択項
目からスケジューリング方式を決定し、次に実行するべ
きタスクをキューイング機能3bのなかから選択するイ
ベントを出力する。例えば、機能選択手段6によりスケ
ジューリング方式が優先度順スケジューリングに設定さ
れていれば、優先度順スケジューリングのイベントを出
力する。また、機能選択項目からプリエンプト機能の有
無を判定することにより、タスクのプリエンプションを
行うイベントを出力することなども可能である。
【0034】キューイング機能3bは、実行状態でない
タスクをキューイングする機能である。入力として構造
体で表されるタスクを受け取ると、キューイング機能3
bの機能選択項目からキューイング方式を判定し、タス
クのキューイングを行う。例えば、機能選択手段6によ
りキューイング方式が優先度順に設定されていれば、タ
スクの優先度を判定し、優先度順にキューイングを行
う。タスクの構造体については後で詳しく説明する。さ
らに、プリエンプトされたタスクのキューイング位置を
決定する変数と組み合わせることにより、プリエンプト
されたタスクと、そうでないタスクとを異なる位置にキ
ューイングすることなども可能である。さらに、機能選
択手段6によりキューのサイズを設定することにより、
キューイング可能なタスク数を設定することも可能であ
る。
【0035】さらに、キューイング機能3bはタスクの
状態毎にコンポーネント化することも可能である。これ
を図4を参照して説明する。キューイング機能は、実行
可能状態タスクのキューや、イベント待ち状態タスクの
キューや、強制待ち状態のキューなどにコンポーネント
化される。これらのキューイング機能3bは入力として
タスクを受け取ると、そのタスクをキューイングし、ま
た、様々な入力イベントによりキューイングしていたタ
スクの出力を行う。例えば、実行可能状態タスクのキュ
ーは、入力としてスケジューリング機能3aからタスク
を選択するイベントを受け取ると、受け取ったイベント
の内容を判定し、適切なタスクをキューから選択し、出
力する。また、イベント待ち状態タスクのキューは、入
力として待ち状態解除のイベントを受け取ると、受け取
ったイベントの内容を判定し、適切なタスクをキューか
ら選択し、出力する。
【0036】セマフォ機能3cは、タスクの同期・通信
を行う機能である。入力として構造体で表されるタスク
を受け取ると、セマフォ機能3cのセマフォ数に基づい
てセマフォの有無を判定し、キューイング方式に基づい
てキューイングを行ったり、セマフォの操作を行う。列
えば、機能選択手段6によりキューイング方式が優先度
順に設定されているとき、セマフォの取得を行うタスク
を入力として受け取ると、セマフォ数が正であればその
数を一つ減らして、そのタスクを出力する。また、セマ
フォ数が0であれば、そのタスクのキューイングを優先
度順で行う。
【0037】さらに、セマフォ機能3cは機能選択手段
6によって、バイナリセマフォ、計数セマフォ、排他制
御セマフォの機能を選択することが可能である。例え
ば、機能選択手段6によってセマフォ数の初期値を1に
設定すればバイナリセマフォとなり、初期値を2以上の
値に設定すれば計数セマフォの機能となる。また、タス
クの削除保護を設定することにより、セマフォを取得し
たタスクの削除保護機能を設定できる。また、優先度継
承方式の設定により、排他制御セマフォの優先度継承機
能を設定することが可能である。
【0038】さらに、セマフォ機能3cはセマフォの機
能毎にコンポーネント化することも可能である。これを
図5を参照して説明する。セマフォ機能3cは、初期値
を1に固定した場合のバイナリセマフォ、初期値を2以
上に固定した場合の計数セマフォ、および排他制御セマ
フォ等にコンポーネント化される。
【0039】ディスパッチ機能3dは、タスクのCPU
割り当てを行う機能である。例えば、入力として構造体
で表されるタスクを受け取ると、タスクのCPU占有時
間値を判定し、その時間の間だけタスクをCPUに割り
当てる。その後、CPUの占有を終了してタスクを出力
する。また、タスクをCPUに割り当てているときに、
入力としてプリエンプションのイベントを受け取ると、
タスクのCPU占有時間を修正し、そのタスクを出力す
る。また、機能選択手段6によるディスパッチ機能3d
のプリエンプト機能の設定により、プリエンプションの
イベントを無視することも可能である。
【0040】さらに、ディスパッチ機能3dは機能選択
手段6により、ラウンドロビン機能の設定をすることが
できる。例えば、入力としてタスクを受け取ると、タス
クのCPU占有時間値とラウンドロビン機能のタイムス
ライス値とを比較し、タイムスライス値がタスクのCP
U占有時間より小さい場合、タスクのCPU占有時間を
修正して、タスクをCPUに割り当てる。タスクがCP
Uの占有を終了すると、そのタスクを実行可能状態タス
クとして出力し、キューイング機能3bに受け渡す。こ
のように、機能選択手段6によってラウンドロビン機能
を行うことが可能である。
【0041】サービスコール機能3eは、タスクのサー
ビスコールにおいて、リアルタイムOSによるタスク管
理機能や、タスクの付属同期機能や、タスクの同期・通
信機能や、時間管理機能などの処理を行う機能である。
例えば、構造体で表されるタスクのサービスコールがタ
スク削除であるとき、そのタスクを入力として受け取る
と、キューイング機能3bから該当するタスクを探し
て、そのタスクをキューから削除するためのイベントを
出力する。また、タスクのサービスコールがセマフォの
操作を行うものであれば、そのタスクをセマフォ機能3
cへ出力する。サービスコールの処理が終了すると、タ
スクのスケジューリングを行うためのイベントを出力す
る。
【0042】次に、上記機能の組み合わせによるリアル
タイムOSモデルの構成方法について説明する。
【0043】上記各機能のシミュレーションを行うコン
ポーネントモデルを、あらかじめもしくは新たに作成
し、それらのコンポーネントモデルを上記リアルタイム
OSモデル3に登録する。これらのコンポーネントモデ
ルの機能選択は、上記リアルタイムOSモデル3の機能
を選択する機能選択手段6を用いて各コンポーネントの
機能を設定することにより行い、さらに、コンポーネン
ト使用の有無を決定することも可能である。
【0044】次に、上記コンポーネントモデルの組み合
わせにより、構成されたリアルタイムOSモデルで取り
扱われるタスクの構成について図6を参照して説明す
る。
【0045】図6は構造体で表されるタスク10の構成
を示す図である。タスク10はタスクのID番号10
a、タスクの優先度10b、タスクのCPU占有時間1
0c、およびタスクのサービスコール名10dを備えて
いる。これらのタスクデータは、アプリケーションモデ
ル4であらかじめ設定されるデータであり、これらのデ
ータをもとにリアルタイムOSモデル3がタスクのスケ
ジューリングや、キューイングなどの管理を行う。ま
た、別のデータを図6で表されるタスクの構造体に追加
することにより、様々なリアルタイムOSの機能を利用
することが可能となる。例えば、リアルタイムOSによ
るタスクの削除保護機能を利用する場合、タスクデータ
に削除保護データを追加し、リアルタイムOSモデル3
がこのデータを判定することによりタスクの削除保護を
行うことが可能となる。このように、タスクを構造体で
表すことにより、様々なリアルタイムOSの機能を容易
に利用することが可能であり、また、アプリケーション
モデル4の作成や修正なども容易に行うことが可能とな
っている。
【0046】次に、上記コンポーネントモデルの組み合
わせによるリアルタイムOSモデル3の動作について図
7および図8を参照して説明する。
【0047】図7は、上記各機能を持つコンポーネント
の組み合わせによるリアルタイムOSモデル3の構成を
示す図であり、図8はリアルタイムOSモデルのタスク
の処理を示すフローチャートである。図7において、コ
ンポーネント21は、スケジューリング機能3aを持
ち、機能選択手段6による機能選択項目の設定により
「優先度方式のスケジューリング」と「プリエンプショ
ン有り」が設定されているコンポーネントである。コン
ポーネント22は、キューイング機能3bを持ち、機能
選択手段6の機能選択項目の設定により優先度順キュー
イングが設定されている実行可能状態タスクのキューを
表すコンポーネントである。コンポーネント23は、キ
ューイング機能3bを持つイベント待ち状態タスクのキ
ューを表すコンポーネントである。コンポーネント24
は、セマフォ機能3cを持ち、機能選択手段6の機能選
択項目の設定によりバイナリセマフォが設定されている
コンポーネントである。コンポーネント25は、ディス
パッチ機能3dを持つコンポーネントである。コンポー
ネント26はサービスコール機能3eを持つコンポーネ
ントである。
【0048】上記コンポーネントの組み合わせによるリ
アルタイムOSモデル3は、図6に示される構造体を持
つタスクを受け取ると、図8のステップF1に示すよう
に、そのタスクをコンポーネント22に出力し、キュー
イングを行う。ステップF2でスケジューリングイベン
トが発生すると、コンポーネント21によりタスク選択
のイベントが出力される。ステップF3において、コン
ポーネント22はそのイベントを受け取り、優先度の最
も高いタスクをコンポーネント25へ出力する。ステッ
プF4において、コンポーネント25はタスクを受け取
ると、そのタスクのCPU占有時間だけCPUを割り当
てる。また、コンポーネント25は、タスクによるCP
U占有が終了すると、そのタスクをコンポーネント26
へ出力する。ステップF5において、コンポーネント2
6はタスクを受け取ると、そのタスクのサービスコール
を判定し、その処理を行う。例えば、セマフォ取得のサ
ービスコールであれば、タスクをコンポーネント24へ
出力する。ステップF6において、コンポーネント24
はタスクを受け取ると、セマフォフラグの操作を行う。
例えば、セマフォ数が0であれば、タスクのキューイン
グを行う。ステップF7において、コンポーネント26
は上記ステップF5での処理が終了すると、スケジュー
リングイベントを発生させる。ステップF7の処理後、
ステップF2に戻る。
【0049】また、上記ステップF4を実行中に、より
優先度の高いタスクをコンポーネント22が受け取った
場合について説明する。この時ステップF10におい
て、コンポーネント21により、プリエンプションイベ
ントが出力される。ステップF11において、コンポー
ネント25は、プリエンプションイベントを受け取る
と、CPUを割り当てているタスクのCPU占有時間を
修正し、そのタスクをコンポーネント22へ出力する。
ステップF12において、コンポーネント22が、プリ
エンプションされたタスクをキューイングする。その
後、ステップF7に進み、コンポーネント21により、
タスク選択のイベントが出力される。その後、ステップ
F2に戻る。
【0050】このように、リアルタイムOSモデル3を
機能毎にコンポーネント化し、各コンポーネントの組み
合わせと機能選択のための機能選択項目の設定を行うこ
とにより、様々なリアルタイムOSモデルを容易に構成
することが可能となる。また、機能選択項目の設定によ
り様々なリアルタイムOSの機能を選択することができ
るので、リアルタイムOSモデルの作成、変更をするこ
となく容易にシステムの性能シミュレーションを行うこ
とが可能である。例えば、機能選択項目の設定により3
つの異なるリアルタイムOSモデルを選択可能なよう
に、上述のようにしてリアルタイムOSモデルを作成し
ておき、それぞれのリアルタイムOSモデルでシステム
の性能シミュレーションを行い、どのリアルタイムOS
をシステムに組み込むか検討することが可能である。
【0051】次に、前記コンポーネントの組み合わせで
構成されるリアルタイムOSモデル3を利用するための
アプリケーションモデル4の記述について説明する。
【0052】アプリケーションモデル4は、リアルタイ
ムOSモデル3を利用する複数のタスクにより構成され
ている。また、それぞれのタスクはサービスコール毎の
一つ以上の状態で記述され、リアルタイムOSモデル3
の内部でCPU占有時間を消費し、リアルタイムOSモ
デル3のサービスコールを利用する毎に、状態遷移を行
う。
【0053】図9は、サービスコール単位での複数の状
態を持つタスクを示すフローチャートである。ステップ
F21は初期状態であり、CPU占有時間T1とサービ
スコールS1を持つ状態ST1を示し、ステップF22
はCPU占有時間T2とサービスコールS2を持つ状態
ST2を示し、ステップF23はCPU占有時間T3と
サービスコールS3を持つ状態ST3を示す。
【0054】次に、動作を説明する。タスクが状態ST
1にあるとき、タスクのCPU占有時間とサービスコー
ルとをT1およびS1に設定し、そのタスクデータをリ
アルタイムOSモデル3に出力する。リアルタイムOS
モデル3は、このタスクデータを受け取り、図8に示し
た上記リアルタイムOSモデル3の動作処理を行う(ス
テップF21参照)。リアルタイムOSモデル3での状
態ST1のタスクのサービスコール処理が終了すると、
タスクの状態は状態ST1から状態ST2に遷移する。
タスクが状態ST2になると、タスクのCPU占有時間
とサービスコールとをT2およびS2に設定し、上記リ
アルタイムOSモデル3の動作処理を行う(ステップF
22参照)。このようにサービスコール処理が終了する
毎に、タスクの状態は現在の状態STi(i=1,・・
・)から次の状態STi+1に遷移し、上記リアルタイ
ムOSモデル3の動作処理を行う。また、各状態STi
(i=1・・・)において、リアルタイムOSモデル3
でのサービスコール処理が終了する前に、リアルタイム
OSモデル内部でタスクが削除されると、次の状態ST
i+1に遷移せずに終了状態へと遷移する。なお、図9
に示すようにタスクの遷移可能な状態は、複数存在し、
サービスコール単位で状態遷移する構成となっている。
【0055】このように、アプリケーションモデルを状
態遷移で記述することにより、上記機能選択可能なリア
ルタイムOSモデル3を用いたシミュレーションにおい
て、様々なリアルタイムOSモデルの機能を容易に利用
することが可能であり、また、タスクを状態遷移図で記
述するのでアプリケーションモデルの作成も容易にな
る。
【0056】次に、上記コンポーネントの組み合わせ
で、共通リアルタイムOSモデルを構成する方法につい
て説明する。
【0057】複数のリアルタイムOSモデルを、上記コ
ンポーネントの組み合わせと各コンポーネントの機能選
択項目の設定により構成し、それぞれのリアルタイムO
Sモデルの機能を比較する。その比較により、共通する
機能を汎用機能とし、それ以外の機能を特化機能とす
る。次に、上記汎用機能を組み合わせることにより、共
通リアルタイムOSモデルを構成する。これを図10を
参照して説明する。例えば、ある市販のリアルタイムO
Sモデル3Aと、別の市販のリアルタイムOSモデル3
Bを構成し、リアルタイムOSモデル3Aは、優先度順
によるキューイング機能と、タスクのプリエンプション
機能と、バイナリセマフォ機能と、タスクの削除保護機
能を有し、リアルタイムOSモデル3Bは、優先度順も
しくはFIFOのどちらかが選択可能なキューイング機
能と、タスクのプリエンプション機能と、ラウンドロビ
ン機能と、バイナリセマフォ機能と、排他制御セマフォ
機能とを有している場合を考えてみる。リアルタイムO
Sモデル3AとリアルタイムOSモデル3Bに共通する
機能は、優先度順によるキューイング機能と、タスクの
プリエンプション機能と、バイナリセマフォ機能であ
り、これを汎用機能としてリアルタイムOSモデルを構
成することにより、共通リアルタイムOSモデル30と
なる。
【0058】このように、複数のリアルタイムOSモデ
ルを構成し、それらのモデルを比較することによって、
リアルタイムOSモデルの汎用的な機能を選択し、共通
リアルタイムOSモデルを容易に構成することができ、
さらにシミュレーションを行うことが可能である。例え
ば、リアルタイムOSモデルが組み込まれるシステムの
設計の上流工程において、リアルタイムOSの仕様が決
定していない場合でも、上記共通リアルタイムOSモデ
ルを用いてシミュレーションを行うことにより、上流工
程でのシステム性能の見積りが可能となっている。
【0059】以上説明したように、本実施形態の性能シ
ミュレーション装置によれば、リアルタイムOSの機能
をコンポーネント化し、そのコンポーネントの組み合わ
せによって構成されるリアルタイムOSモデルを用いる
ことにより、様々なリアルタイムOSが組み込まれたシ
ステムの性能シミュレーションを容易に行うことができ
る。
【0060】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を、図1および図11を参照して説明する。こ
の第2の実施形態は性能シミュレーション方法であっ
て、その構成を図11に示す。
【0061】この実施形態の性能シミュレーション方法
は、図1に示す性能シミュレーション装置を用いて行う
方法であって、以下の手順で行う。まず、図11のステ
ップF41に示すように、それぞれが特定されるための
少なくとも一つの機能選択項目を有する複数の機能を備
えたリアルタイムOSモデルの上記機能を、機能選択手
段6が読み込む。次に、図11のステップF42に示す
ように、上記機能選択項目の少なくとも一部を機能選択
手段6によって選択する。続いて、図11のステップF
43に示すように、上記選択結果に基づいてた各機能か
らコンポーネントモデルがリアルタイムOSモデル3に
おいて、特定される。その後、図11のステップF44
に示すように、この特定されたコンポーネントモデルと
アプリケーションモデルを組み合わせてソフトウェアシ
ミュレーションモデル2が構成される。そして、図11
のステップF45に示すように、このソフトウェアシミ
ュレーションモデル2がシミュレーション実行手段8に
よって実行される。
【0062】このように構成された本実施形態の性能シ
ミュレーション方法によれば、リアルタイムOSが組み
込まれるシステムの性能シミュレーションを容易に行う
ことができる。
【0063】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を、図12乃至図13を参照して説明する。こ
の第3の実施形態は、リアルタイムOSが組み込まれる
システムの性能シミュレーションを行う性能シミュレー
ション装置であって、その構成を図12に示す。この性
能シミュレーション装置1Aは、リアルタイムOSモデ
ル3およびアプリケーションモデル4を有するソフトウ
ェアシミュレーションモデル2と、機能選択手段6と、
シミュレーション実行手段8Aと、ハードウェアシミュ
レーションモデル40と、動作モデル42と、リソース
選択手段44と、出力結果表示手段46と、を備えてい
る。
【0064】すなわち、この実施形態の性能シミュレー
ション装置1Aは、図1に示す第1の実施形態の性能シ
ミュレーション装置1において、シミュレーション実行
手段8をシミュレーション実行手段8Aに置き換えると
ともに、ハードウェアシミュレーションモデル40と、
動作モデル42と、リソース選択手段44と、出力結果
表示手段46とを新たに備えた構成となっている。そし
て、この実施形態の性能シミュレーション装置1Aは、
機能選択可能なリアルタイムOSモデルを用いて、ハー
ドウェア/ソフトウェア協調シミュレーションを行うも
のである。
【0065】図12において、動作モデル42は、リア
ルタイムOSモデルが組み込まれたシステムの動作モデ
ルで、ソフトウェアとして処理を行う機能とハードウェ
アとして処理を行う機能とを含む。出力結果表示手段4
6は、シミュレーションの出力結果を表示する。
【0066】リソース選択手段44は、動作モデル42
の各機能の処理をソフトウェアやハードウェアなどのリ
ソースに分割する手段である。このリソース選択手段4
4により、ソフトウェアのリソースに分割された機能は
ソフトウェアシミュレーションモデル2でシミュレーシ
ョン実行手段8Aによってシミュレーションが実行さ
れ、ハードウェアのリソースに分割された機能はハード
ウェアシミュレーションモデル40でシミュレーション
実行手段8Aによってシミュレーションが実行される。
例えば、図13を参照して説明すると、動作モデル42
は機能f1と機能f2と機能f3とを含み、リソース選
択手段44により機能f1と機能f2はハードウェアの
リソースが選択され、機能f3はソフトウェアのリソー
スが選択されている場合、シミュレーション実行時には
機能f1と機能f2はハードウェアシミュレーションモ
デル40で処理が行われ、また、機能f3はソフトウェ
アシミュレーションモデル2で処理が行われる。さら
に、例えば、リソース選択手段44によって機能f1を
ソフトウェアのリソースを選択し、機能f2と機能f3
をハードウェアのリソースを選択することで、別の機能
分割についてのシミュレーションを行うことが可能であ
り、出力結果表示手段46によりそれぞれの機能分割に
ついてのシミュレーション結果の比較や検討を行うこと
が容易に可能となる。
【0067】次に、本実施形態の動作について説明す
る。まず、リソース選択手段44によって、動作モデル
42のハードウェア/ソフトウェア機能分割を行う。こ
れによりシミュレーション実行時には、動作モデル42
のハードウェアとして処理を行う機能は、ハードウェア
シミュレーションモデル40でシミュレーションされ、
ソフトウェアとして処理を行う機能は、ソフトウェアシ
ミュレーションモデル2でシミュレーションされる。
【0068】次に、リアルタイムOSモデルの機能選択
手段6によって、リアルタイムOSモデルの機能選択を
行う。このリアルタイムOSモデルは第1の実施形態で
説明した機能選択項目の設定により、複数のリアルタイ
ムOSモデルを構成することが可能であり、また、特定
のリアルタイムOSモデルが決まっていなければ、上述
の共通リアルタイムOSモデルの構成方法により、共通
リアルタイムOSモデルを構成することが可能である。
【0069】次に、シミュレーションにより出力結果表
示手段46にシミュレーション結果を表示し、その結果
を検討する。さらに、その結果をもとに、リソース選択
手段44によって、ハードウェア/ソフトウェア機能分
割の別の機能分割についてのシミュレーションを行った
り、リアルタイムOSモデルの機能選択手段6によっ
て、別のリアルタイムOSモデルによるシミュレーショ
ンを行うことも可能である。例えば、共有メモリヘの読
み書きの排他制御に関する機能を、バイナリセマフォを
持つリアルタイムOSを利用した場合と、計数セマフォ
を持つリアルタイムOSを利用した場合と、リアルタイ
ムOSを利用せずにハードウェア処理した場合のシステ
ムの性能を容易に比較および検討することができる。
【0070】このように、ハードウェア/ソフトウェア
協調シミュレーションにおいて、上記機能選択可能なリ
アルタイムOSモデルを利用することにより、機能分割
に関するシステムの性能シミュレーションを容易に行う
ことが可能である。
【0071】(第4の実施形態)次に、上記機能選択可
能なリアルタイムOSモデルにおいて、リアルタイムO
Sモデル内部にタスクのデータを保存する機能を付加し
た性能シミュレーション装置を第4の実施形態として説
明する。この第4の実施形態の性能シミュレーション装
置は、図1に示す第1の実施形態の性能シミュレーショ
ン装置において、シミュレーションモデルを図14に示
すシミュレーションモデルに置き換えたものである。
【0072】この実施形態に係るシミュレーションモデ
ルは、図14に示すように、機能選択可能なリアルタイ
ムOSモデル3Aと、第1の実施形態で説明した状態遷
移で記述されたアプリケーションモデル4とを備えてい
る。リアルタイムOSモデル3Aは、リアルタイムOS
機能50と、タスクのデータを保存する機能52とを備
えている。
【0073】次に、図14に示すシミュレーションモデ
ルの動作について図15を参照して説明する。シミュレ
ーション実行時にアプリケーションモデル4からリアル
タイムOSモデル3Aにタスクデータの受け渡しが起こ
ると、リアルタイムOSモデル3Aは、タスクデータ保
存機能52を用いて、受け取ったタスクデータの判定を
行う(図15ステップF50参照)。受け取ったタスク
データが保存機能52に登録されていれば、そのタスク
のデータが保存されているデータと置き換えられる。受
け取ったタスクデータが保存機能52に登録されていな
ければ、新たにそのタスクデータが保存機能52に保存
される(図15のステップF52参照)。さらに、リア
ルタイムOSモデル3Aでのタスクの処理が終了すると
(図15のステップF54参照)、終了した時点でのタ
スクデータが保存機能52に保存される(図15のステ
ップF56参照)。
【0074】例えば、優先度2のデータを持つタスク
が、アプリケーションモデル4からリアルタイムOSモ
デル3Aに受け渡されると、保存機能52にそのタスク
の優先度2が保存される。このタスクは引き続きリアル
タイムOSモデル3Aによって処理が行われるが、リア
ルタイムOSモデル3Aによるタスクの優先度変更の処
理によって、そのタスクの優先度が3に変更されると、
そのタスクの処理終了時に保存機能52にそのタスクの
優先度3か保存される。
【0075】このように、リアルタイムOSモデル内部
にタスクのデータを保存する機能を付加することによっ
て、リアルタイムOSモデルによるタスクのデータ変更
処理を容易に行うことが可能であり、また、システムの
性能シミュレーションをより正確に行うことができる。
さらに、タスクのデータ変更処理をリアルタイムOSモ
デルで処理することにより、アプリケーションモデルで
のタスクデータの変更処理を行わなくていいので、アプ
リケーションモデルの作成は容易になる。
【0076】この実施形態も、リアルタイムOSが組み
込まれるシステムの性能シミュレーションを容易に行う
ことができる。
【0077】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態を図16および図17を参照して説明す
る。この実施の形態は、性能シミュレーションプログラ
ムを記録した記録媒体である。図16および図17は、
本実施の形態の性能シミュレーションプログラムを記録
した記録媒体が用いられるコンピュータシステム130
の一例を示す斜視図およびブロック図である。
【0078】図16において、コンピュータシステム1
30は、CPUを含むコンピュータ本体131と、例え
ばCRT等の表示装置132と、キーボードやマウス等
の入力装置133と、印刷を実行するプリンタ134
と、を備えている。
【0079】コンピュータ本体131は、図17に示す
ように、RAMより構成される内部メモリ135と、内
蔵または外付け可能なメモリユニット136と、を備え
ており、メモリユニット136としてはフレキシブルま
たはフロッピディスク(FD)ドライブ137,CD−
ROMドライブ138,ハードディスクドライブ(H
D)ユニット139が搭載されている。図16に示すよ
うに、これらのメモリユニット136に用いられる記録
媒体140としては、FDドライブ137のスロットに
挿入されて使用されるフレキシブルディスクまたはフロ
ッピディスク(FD)141と、CD−ROMドライブ
138に用いられるCD−ROM142等が用いられ
る。
【0080】図16および図17に示すように、一般的
なコンピュータシステムに用いられる記録媒体140と
しては、FD141やCD−ROM142が考えられ
る。
【0081】また、記録媒体としては、FD、CD−R
OM、MO(Magneto−Optical)ディス
ク、DVD(Digital Versatile D
isk)、その他の光学的記録ディスク、カードメモ
リ、磁気テープ等であっても良いことは云うまでもな
い。
【0082】本実施の形態の記録媒体140は、図11
に示すシミュレーション手順を示すステップF41〜F
45を少なくとも備えるように構成したものである。即
ち本実施の形態の記録媒体140は、それぞれが特定さ
れるための少なくとも一つの機能選択項目を有する複数
の機能を備えたリアルタイムOSモデルの機能を読み込
む手順と、前記機能選択項目を選択する手順と、前記選
択結果に基づいて前記機能からコンポーネントモデルを
特定する手順と、この特定されたコンポーネントモデル
とアプリケーションモデルを組み合わせてソフトウェア
シミュレーションモデルを構成する手順と、前記ソフト
ウェアシミュレーションモデルを実行する手順と、を少
なくとも備えている。
【0083】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、リア
ルタイムOSが組み込まれるシステムの性能シミュレー
ションを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の性能シミュレーショ
ン装置の構成を示すブロック図。
【図2】リアルタイムOSの機能と機能選択項目との関
係を示す表。
【図3】リアルタイムOSの機能の組み合わせによって
構成されたリアルタイムOSモデルを示す図。
【図4】タスクの状態によってコンポーネント化された
リアルタイムOSのキューイング機能の一例を示す図。
【図5】機能選択項目によってコンポーネント化された
リアルタイムOSのセマフォ機能の一例を示す図。
【図6】本発明の第1の実施形態に用いられるタスクの
構成を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係る、コンポーネント化し
たリアルタイムOSの機能の組み合わせの一例を示すブ
ロック図。
【図8】本発明の実施形態に係る、リアルタイムOSモ
デルのタスクの処理を示すフロチャート。
【図9】状態遷移で記述されるアプリケーションモデル
の処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施形態に係る、共通リアルタイム
OSモデルを構成する手順を示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態の性能シミュレーシ
ョン方法の構成を示すフローチャート。
【図12】本発明の第3の実施形態の性能シミュレーシ
ョン装置の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第3実施形態の性能シミュレーショ
ン装置におけるリソース選択の手順の一具体例を説明す
るブロック図。
【図14】本発明の第4の実施形態の性能シミュレーシ
ョン装置に係る、タスクデータを保存する機能を持つリ
アルタイムOSモデルの構成を示すブロック図。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る、リアルタイ
ムOSモデルのタスクデータを保存する動作を示すフロ
ーチャート。
【図16】本発明による性能シミュレーションプログラ
ムを記録した記録媒体が用いられるコンピュータシステ
ムの一例を示す斜視図。
【図17】本発明による性能シミュレーションプログラ
ムを記録した記録媒体が用いられるコンピュータシステ
ムの一例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 性能シミュレーション装置 2 ソフトウェアシミュレーションモデル 3 リアルタイムOSモデル 3a スケジューリング機能 3b キューイング機能 3c セマフォ機能 3d ディスパチ機能 3e サービスコール機能 4 アプリケーションモデル 6 機能選択手段 8 シミュレーション実行手段 10 タスク 40 ハードウェアシミュレーションモデル 42 動作モデル 44 リソース選択手段 46 出力結果表示手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リアルタイムOSモデルと、少なくとも一
    つのタスクから構成されるアプリケーションモデルと、
    を有するソフトウェアシミュレーションモデルを用いて
    リアルタイムOSが組み込まれるシステムの性能シミュ
    レーションを行う性能シミュレーション装置において、 前記リアルタイムOSモデルは複数の機能を有し、各機
    能は機能を特定するための少なくとも一つの機能選択項
    目を有し、 前記機能選択項目の少なくとも一部を選択することによ
    り前記リアルタイムOSモデルの機能を特定する機能選
    択手段を備えたことを特徴とする性能シミュレーション
    装置。
  2. 【請求項2】前記機能選択手段によって選択された機能
    選択項目により特定された前記機能は、少なくとも一つ
    のコンポーネントを有していることを特徴とする請求項
    1記載の性能シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】前記リアルタイムOSモデルは、前記タス
    クを前記コンポーネント間で受け渡しすることを特徴と
    する請求項2記載の性能シミュレーション装置。
  4. 【請求項4】複数のリアルタイムOSモデルと、少なく
    とも一つのタスクから構成されるアプリケーションモデ
    ルと、を有するソフトウェアシミュレーションモデルを
    用いてリアルタイムOSが組み込まれるシステムの性能
    シミュレーションを行う性能シミュレーション装置にお
    いて、 前記リアルタイムOSモデルはそれぞれ複数の機能を有
    し、これらの機能のうち、前記複数のリアルタイムOS
    モデルに共通な機能を選択し、選択された共通な機能か
    らなる共通リアルタイムOSモデルを形成する共通リア
    ルタイムOSモデル形成手段を備えたことを特徴とする
    性能シミュレーション装置。
  5. 【請求項5】前記共通リアルタイムOSモデルは、少な
    くとも一部機能が選択可能に構成されていることを特徴
    とする請求項4記載の性能シミュレーション装置。
  6. 【請求項6】ハードウェアシミュレーションモデルを更
    に有し、ハードウェアとソフトウェアの協調シミュレー
    ションを行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の性能シミュレーション装置。
  7. 【請求項7】前記タスクは状態遷移図で記述されてお
    り、前記アプリケーションモデルは、サービスコール単
    位で前記タスクの状態遷移を行うことを特徴とする請求
    項3記載の性能シミュレーション装置。
  8. 【請求項8】少なくとも一つの機能選択項目を有する複
    数の機能を備えたリアルタイムOSモデルの前記機能を
    読み込むステップと、前記機能選択項目の少なくとも一
    部を選択するステップと、前記選択結果に基づいて前記
    機能からコンポーネントモデルを特定するステップと、
    この特定されたコンポーネントモデルとアプリケーショ
    ンモデルを組み合わせてソフトウェアシミュレーション
    モデルを構成するステップと、前記ソフトウェアシミュ
    レーションモデルを実行するステップと、を備えたこと
    を特徴とする性能シミュレーション方法。
  9. 【請求項9】少なくとも一つの機能選択項目を有する複
    数の機能を備えたリアルタイムOSモデルの機能を読み
    込む手順と、前記機能選択項目の少なくとも一部を選択
    する手順と、前記選択結果に基づいて前記機能からコン
    ポーネントモデルを特定する手順と、この特定されたコ
    ンポーネントモデルとアプリケーションモデルを組み合
    わせてソフトウェアシミュレーションモデルを構成する
    手順と、前記ソフトウェアシミュレーションモデルを実
    行する手順と、を備えたことを特徴とするコンピュータ
    によって性能シミュレーションを行うための性能シミュ
    レーションプログラムを記録した記録媒体。
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