JP2002139718A - 磁気光学体及びその製造方法 - Google Patents

磁気光学体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002139718A
JP2002139718A JP2000335933A JP2000335933A JP2002139718A JP 2002139718 A JP2002139718 A JP 2002139718A JP 2000335933 A JP2000335933 A JP 2000335933A JP 2000335933 A JP2000335933 A JP 2000335933A JP 2002139718 A JP2002139718 A JP 2002139718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magneto
optical
film
dielectric
iron garnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000335933A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Takayama
昭夫 高山
Mitsuteru Inoue
光輝 井上
Atsushi Kitamura
厚 北村
Shigeyuki Adachi
重之 足立
Hideki Kato
英樹 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minebea Co Ltd
Original Assignee
Minebea Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minebea Co Ltd filed Critical Minebea Co Ltd
Priority to JP2000335933A priority Critical patent/JP2002139718A/ja
Publication of JP2002139718A publication Critical patent/JP2002139718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気光学効果の向上を図ることができる磁気
光学体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 (SiO2/Ta2O5n 層210 の上に、BiYIG
薄膜207が成膜される。基板203 を介して(SiO2/Ta
2O5n 層210 が冷却された状態で赤外線導入加熱装置2
20からの赤外線によりBiYIG 薄膜207の結晶加熱処理が
施される。(SiO2/Ta2O5n 層210 が冷却されているこ
とにより、(SiO2/Ta2O5n 層210 のTa2O5 とSiO2
相互拡散が防止される。このため、(SiO2/Ta2O5n
210 の周期構造が乱されることがなくなると共に、前記
熱処理によりBiYIG 薄膜207 が結晶化され、良好な磁性
を有し、かつ優れた磁気光学特性を有する磁気光学体
(1次元フォトニック結晶)が作製されることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信に
設ける光アイソレータ、光磁気記録媒体等に用いられる
磁気光学体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ファイバ通信システムでは半
導体レーザ等の光源からの出射光を無損失で伝送路に伝
送する一方、前記伝送路からの反射光を遮断して前記光
源側に戻さないようにするため、光アイソレータを用い
ている。この光アイソレータは、例えば、一対の偏光子
と、この一対の偏光子の間に介装されるファラデー回転
子と、から構成され、ファラデー回転子はファラデー効
果(磁気光学効果)を有し、入射光の偏光面を45度回
転させる、即ちファラデー回転角が45度に設定される
ようにしている。また、近時、前記光アイソレータに加
えて、光磁気記録媒体(光磁気ディスク)及び光スイッ
チング等のような上述した磁気光学効果を利用した光デ
バイス(以下、磁気光学体という)が多用されるように
なってきている。そして、磁気光学体では良好な特性を
確保する等のためにより大きな磁気光学効果を有するこ
とが望まれている。例えば、光磁気記録媒体では、より
大きなCNR(Carrier-to-noise ratio)を得るため
に、また、光アイソレータでは、光波が材料中を伝搬す
ることによる光学的損失を補填する等のために、より大
きな磁気光学効果を有することが望まれている。また、
磁気光学体について、軽量化、コンパクト化、低廉化及
び取扱の容易化等を図るために膜状に形成すること(膜
状に形成した磁気光学体を、以下、適宜、磁気光学膜と
いう。)が望まれている。
【0003】上記要望に対して、イットリウム鉄ガーネ
ット(YIG)やビスマス置換希土類鉄ガーネット(BiYI
G)のような比較的大きな固有の磁気光学効果を有する
材料を液相エピタキシャル成長にて厚膜化して得た単結
晶厚膜がある。しかしながら、この単結晶厚膜は、液相
エピタキシャル成長にて形成することから、例えば光ア
イソレータとして用いる場合、光アイソレータとして機
能するのに必要となる45度(°)のファラデー回転角
を確保するために、膜厚が厚くなり、ひいては外形寸法
が大きくなり上記要望に適切には応える得るものになっ
ていなかった。また、膜厚が厚いことから、光吸収損失
が大きく(透過率が悪く)なってしまうという問題点が
あった。また、液相エピタキシャル成長では多くのパラ
メータが使用されており、45度のファラデー回転角が
得られる膜厚を成長させるためには、その製造技術が十
分なものになっていないというのが実情であった。
【0004】また、磁気光学効果の向上のために磁気光
学膜の光学的なエンハンスメント効果(不連続磁性体の
光学的エンハンスメント効果)を利用するように構成し
た磁気光学膜がある。ここで、不連続磁性体の光学的エ
ンハンスメント効果について、図16及び図17に基づ
き、不連続磁性体として磁性体と誘電体とを交互に積層
した磁気光学多層膜を例に挙げて、以下に説明する〔第
19回日本応用磁気学会学術講演概要集,p.41, (199
5)〕。図16は不連続磁性体の光学的エンハンスメント
効果を用いた磁気光学多層膜(磁気光学体)の構造を示
す。図16中、2は光アイソレータに用いられる磁気光
学多層膜であり、磁性体層21と誘電体層22とを交互
に積層して構成されている。全ての磁性体層21,21
…及び誘電体層22,22…は夫々一定の層厚を有し、
積層方向に規則性を有した層厚で積層されており、図1
6の磁気光学多層膜(磁気光学体)は規則周期構造とな
っている。磁気光学多層膜2に入射した光は積層方向に
伝搬し、偏光面を45度回転させて(全回転角θ)出射
するようになっている。
【0005】磁気光学多層膜2の構造を表すためのパラ
メータとして以下のものを用いる。 N:磁気光学多層膜の全膜厚(D)の分割数 bN:Nビットの二進数で、‘1’を磁性体層、‘0’
を誘電体層とする。 NM:磁性体層の層数 dM:磁性体層の層厚(1ビット当たり) dG:誘電体層の層厚(1ビット当たり) PM:磁気光学多層膜の全体に占める磁性体の充填率
(全膜厚に対する全磁性体の膜厚率) 即ち、[(磁性体層の全膜厚)/(磁気光学多層膜の全
膜厚)]は、(NM・dM/D)で表される。以上のパ
ラメータを用いて、磁性体層厚dM,誘電体層厚dG
は、 dM=D×PM/NM dG=D×(1−PM)/(N−NM) で表される。図16に示した磁気光学多層膜2のbNは
10101010であり、上述したように規則周期構造を有して
いると言える。このような規則周期構造の磁気光学多層
膜の磁気光学効果を理論解析した結果を図17に基づい
て説明する。
【0006】図17は、前記規則周期構造の磁気光学多
層膜の磁性体充填率に対する磁気光学効果を示すグラフ
であり、横軸は磁性体充填率PMを示し、縦軸は単位磁
性体膜厚当たりの回転角(ファラデー回転角θF )及び
全回転角θを示している。グラフ中、実線はファラデー
回転角θF (度/μm )=(θ/NM×dM)を示し、
破線は全回転角θ(度)を示している。なお、解析は光
波の基礎方程式としてMaxwell 方程式を用い、磁性体に
はビスマス置換イットリウム鉄ガーネット(BiYIG )を
用い、誘電体には酸化シリコン(SiO2)を用いて、全膜
厚Dが5μm 、分割数Nが100、bNは100 ビットで
101010...101010 である場合を計算した。磁性体充填率
PMは磁性体層厚dM及び誘電体層厚dGを異ならせて
求めた。また、入射光の波長は1.15μm とした。
【0007】図17から、ファラデー回転角θF は磁性
体充填率PMの増加に従って振動しながら少しずつ減少
していることが判る。即ち、磁性体充填率PMの増大に
伴ってファラデー回転角θF は複数のピークを有してお
り、これらのピークのうち、ファラデー回転角θF の最
大値は、磁性体充填率PM=0.03の場合でのファラデー
回転角θF =0.29(度/μm )である。BiYIG の固有の
ファラデー回転角θFは0.20(度/μm )であるので、
図16の磁気光学多層膜(磁気光学体)は規則周期構造
を有することによりBiYIG の固有値に比して略1.5 倍の
光学的エンハンスメント効果が得られたことになる。
【0008】以上の如く、光学的なエンハンスメント効
果を利用することにより、光吸収損失が少なく、大きな
磁気光学効果を有する磁気光学体を形成することができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た規則周期構造の磁気光学多層膜(磁気光学体)を例え
ば光アイソレータに用いる場合には、全回転角を45度
とするためには全膜厚を1mm程度に形成する必要があ
り、現実的ではないという問題があった。BiYIG は成膜
直後はその結晶構造がアモルファスであり、Hcを大きく
とると(ひいては良好な磁気光学特性を得る)上で、60
0 ℃以上で結晶性をよくするアニール処理が必要であ
る。しかしながら、アニール処理が誘電体多層膜等の他
の構成要素に悪影響を及ぼすという問題があった。本発
明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁気光学
効果の向上を図ることができる磁気光学体及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
異なる光学特性を有する複数種類の誘電体素材がその厚
さに規則性をもって交互に積層された2つの誘電体多層
膜と、該2つの誘電体多層膜の間に設けられ、前記規則
性から外れた厚さの磁性体膜と、を備えたことを特徴と
する。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
構成において、前記磁性体膜は結晶質の希土類鉄ガーネ
ットであることを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、異なる光学特性を
有する複数種類の誘電体素材がその厚さに規則性をもっ
て交互に積層された2つの誘電体多層膜と、該2つの誘
電体多層膜の間に設ける希土類鉄ガーネットの磁性体膜
とを有する磁気光学体において、赤外線ビームを間欠的
に照射するパルス加熱により、前記誘電体多層膜の周期
性を乱すことなく前記希土類鉄ガーネットの磁性体膜を
結晶質化することを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、磁性体及び誘電体
がその厚さに規則性をもって交互に積層された2つの規
則積層部を備え、前記誘電体は異なる光学特性を有する
複数種類の誘電体素材がその厚さに規則性をもって交互
に積層した周期構造を有した誘電体多層膜からなり、前
記2つの規則積層部の間に希土類鉄ガーネットの磁性体
膜を設ける磁気光学体において、赤外線ビームを間欠的
に照射するパルス加熱により、前記誘電体の周期構造を
乱すことなく前記希土類鉄ガーネットの磁性体膜を結晶
質化することを特徴とする。請求項5記載の発明は、請
求項3または4に記載の構成において、希土類鉄ガーネ
ットの磁性体膜上に赤外線集光板を設け、該赤外線集光
板を介して前記希土類鉄ガーネットの磁性体膜を加熱す
ることを特徴とする。
【0014】請求項6の発明は、請求項3または4に記
載の構成において、赤外線ビームに代えてレーザ光を用
いることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項6に記載の
構成において、レーザ光は、誘電体多層膜には吸収され
ずかつ前記希土類鉄ガーネットの磁性体膜に吸収される
波長のレーザ光であることを特徴とする。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項3から請求
項7までのいずれかに記載の構成において、前記希土類
鉄ガーネットの磁性体膜の加熱時に誘電体多層膜を冷却
することを特徴とする。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項8記載の構
成において、誘電体多層膜の冷却は、誘電体多層膜を載
置する基板を介して行うことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本願発明者は、後述するように、
異なる光学特性を有する2種類の誘電体薄膜がその厚さ
に規則性をもって交互に積層された誘電体多層膜と、該
2つの誘電体多層膜の間に設けた磁性体薄膜とを有する
磁気光学体において、強い光の局在化により大きなファ
ラデー回転角が得られることを示す各種データ(図4参
照)を得た。本願発明は、この特性を有する磁気光学体
を用いたものである。
【0019】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。本発明の第1実施の形態に係る磁気光学
体の構成は、図1に大略示されるが、この説明に先だっ
て、磁気光学体を構成する磁性体薄膜及び誘電体多層膜
について図2ないし図5に基づいて説明する。
【0020】ここで、磁気光学体を構成する磁性体薄膜
を光学膜とし、光が図2に示す多層光学薄膜207にθ0
入射したと考える。また、各層に入射する角度をθj
考える。そのとき、透過率Tおよび反射率Rを求めるマ
トリクス法は次のように表せられる〔式(1)〜式(1
0)〕。ここで、膜面が半無限面であると仮定できれ
ば、低屈折層(L層)からなる多層膜の振幅反射係数r
あるいは透過係数tはそれぞれ式(1)及び式(2)に
示すようになる。
【0021】 r=(ηmm−Hm)/(ηmm+Hm) … … (1) t=2ηm/(ηmm+Hm) … … (2) 但し、Emは電場ベクトル、Hmは磁場ベクトルである。
【0022】そして、電場ベクトルEm及び磁場ベクト
ルHmについて、式(3)で示すように設定する。
【数1】
【0023】式(3)で、Mはマトリックス積であり、
M=MLL-1・・・Mj・・・M21 とする。したがって、
この薄膜系のj番目のマトリクスMj は、式(4)で表
せる。
【数2】
【0024】式(4)で、δj は、 δj=(2π/λ)(njdjcosθj) … … (5) とする。
【0025】また、上式(5)で、njdjcosθj は屈折
角θj でのj番目の層での実効光学膜厚を示す。また、
その他の式でのηは式(6)に示すように媒質、基板お
よび各層の実効屈折率を表すものとする。
【数3】
【0026】前記式(6)では入射面に対して平行
(p)あるいは垂直(s)な入射光にそれぞれ対応す
る。また、角度θは入射媒質での入射角θo と次式
(7)で示されるスネルの法則で対応付けられたものに
なっている。 nmsinθ0=njsinθj … … (7)
【0027】さらに、光透過率T及び光反射率Rは、式
(8)及び式(9)のように表せる。
【0028】T=〔ηs/ηm〕|t|2 … … (8) R=|r|2 … … (9)
【0029】ここで、光が斜め入射している薄膜の位相
厚さδjは、次式(10)で与えられている。 δj=(2π/λ)(njdjcosθj) … … (10) 式(10)から、光学膜厚 njdjcosθj は入射角の変化
に伴い見かけの光学膜厚が変化すると解釈できる。
【0030】磁性体薄膜が理想的なファブリペロー共振
器であるとすると、磁性体薄膜の実効屈折率n*は式
(11)〜式(14) で示される。
【0031】すなわち、磁性体薄膜が高屈折率の場合、
磁性体薄膜の実効屈折率は、式(11)に示すようにな
る。 n*=nH〔〔m-(m-1)(nL/ nH)〕/〔(m-1)-(m-1)(nL/ nH) +(nH /nL)〕〕1/2 … … (11)
【0032】この場合、1次のフィルタに対しては、磁
性体薄膜の実効屈折率は、式(12)に示すようにな
る。 n*=(nHnL1/2 … … (12) となる。
【0033】また、磁性体薄膜が低屈折率の場合、磁性
体薄膜の実効屈折率は、式(13)に示すようになる。 n*=nL〔〔m-(m-1)(nL/ nH)〕/〔m-m(nL/ nH) +(nL /nH)〕〕1/2 … … (13)
【0034】この場合、1次のフィルタに対しては、式
(14)に示すようになる。 n*=nL/〔1-(nL/ nH)+(nL /nH21/2 … … (14)
【0035】なお、光結晶の特性は一般的な電子結晶の
電子状態と対比して説明される。光結晶では、電子結晶
のエネルギー準位にバンドギャップが存在するように、
ある方向に対し光が伝播できない波長域が現れる。この
特定波長域はフォトニックバンドギャップと呼ばれ、結
晶構造に依存し変化する。電子状態(a)と対比したフ
ォトニックバンドギャップ(b)を図3に示す。
【0036】また、結晶の周期的な構造の一部に乱れが
あることは、電子結晶の欠陥に相当し、フォトニックバ
ンドギャップ中の特定波長の光が透過するようになる。
1次元フォトニック結晶の定在波の分布の様子を図4に
示す。図4に示す1次元フォトニック結晶では、中心部
分に光が強く局在化しており、この局在化がユニークな
透光性と大きな磁気光学効果とをもたらすと言える
【0037】例えば、異なる光学特性を有する複数種類
の誘電体素材がその厚さに規則性をもって交互に積層さ
れた反射層としての2つの誘電体多層膜(例えばSiO2/T
a2O5の積層膜。この場合、例えばSiO2の屈折率NtはTa2O
5 の誘電率Dtよりも大きく、それぞれの厚さNs、Dsは、
Ns・Ds=Nt・Dt=λ/4を満たす。)と、該2つの誘電
体多層膜の間に設ける磁性体膜(例えばその膜厚がλま
たはλ/2とする)とを有する1次元磁性光結晶(磁気
光学体)においては、特定の波長の光を入射すると強い
光の局在化が生じ大きな磁気光学効果と高い透過率を示
し、特に前記磁性体膜としてファラデー回転角が大きい
希土類鉄ガーネットを用いることにより前記磁気光学効
果をより大きくできる。
【0038】ここで、図1に基づいて、本発明の第1実
施の形態に係る磁気光学体(マイクロキャビティ)200
について、以下に説明する。この磁気光学体200は、中
央部にビスマス置換希土類鉄ガーネット(BiYIG)〔磁
気光学薄膜207〕を用い、その両側にそれぞれ、反射層
〔2つの誘電体多層膜210,211〕として、(SiO2/Ta
2O5)の積層膜〔誘電体多層膜〕及び(Ta2O5/ SiO2)の
積層膜〔誘電体多層膜〕を設けて形成された(SiO2/Ta2
O5n/BiYIG/(Ta2O5/SiO2n構造の多層膜の一次元フ
ォトニック結晶とされている。
【0039】前記(SiO2/Ta2O5)の積層膜及び(Ta2O5/
SiO2)の積層膜のSiO2の屈折率Ntは、Ta2O5の屈折率Dt
よりも大きく、それぞれの厚さNs、Dsは、Ns・Ds=Nt・
Dt=λ/4を満たしている。また、BiYIG 薄膜は、Nm・
Dm=λまたはλ/2(Nm:BiYIG の薄膜の層数、Dm:Bi
YIG 薄膜の膜厚)としている。
【0040】上記構成の磁気光学体(1次元フォトニッ
ク結晶)200は、特定の波長の光を入射すると強い光の
局在化が生じ大きな磁気光学効果と高い透過率を示す。
なお、この磁気光学体200では、固有の光学特性を有す
る光学薄膜を所定の厚さに積層して、中心部に光が局在
化する干渉膜を形成しているため、より強い光の局在化
を示すためには(SiO2/Ta2O5n及び(Ta2O5/SiO2n
〔多層膜〕の層構造の乱れがないことが求められる。
【0041】次に、本発明の実施の形態に係る磁気光学
体(1次元磁性光結晶)及びその製造法を図5に基づい
て説明する。ガラス等の使用波長で透光性の良好な基板
の上に高屈折率を持つλ/4の厚みの薄膜を形成し(例
えばTa2O5薄膜)、次に低屈折率を持つλ/4の厚みの
薄膜を形成する(例えばSiO2薄膜)。この工程をn回繰
返し、次に希土類鉄ガーネット膜(BiYIG 薄膜)を形成
する。希土類鉄ガーネット膜はスパッタ直後にはアモル
ファス相で磁性を持たないため、高温熱処理してガーネ
ットを結晶化させる必要がある。このためアニール処理
を行う。さらに、低屈折率を持つλ/4の厚みの薄膜を
形成し(例えばSiO2薄膜)、次に高屈折率を持つλ/4
の厚みの薄膜を形成する(例えばTa2O5薄膜)。この工
程をn回繰返すことにより本発明の(Ta2O5/ SiO2n/B
iYIG/(SiO2/Ta2O5n構造の磁気光学体を形成する。
【0042】また、このとき、基板側から低屈折率を持
つλ/4の厚みの薄膜を形成し(たとえばSiO2薄膜)、
次に高屈折率を持つλ/4の厚みの薄膜(例えばTa2O5
薄膜)を形成する。また、(SiO2/Ta2O5n/BiYIG/(Ta
2O5/SiO2n構造の磁気光学体も同様である。ここで、T
a2O5、SiO2、BiYIG薄膜はスパッタ、あるいは真空蒸着
等により作製される。
【0043】しかし、前記希土類鉄ガーネットを用いた
1次元磁性光結晶の製造に関し、希土類鉄ガーネット膜
はスパッタ直後にはアモルファス相で磁性を持たないた
め、高温熱処理してガーネットを結晶化させる必要があ
る。一方、誘電体多層膜は、高温熱処理によりその周期
構造が乱れて(壊れて)しまう。このため、大きな磁気
光学効果を得るために、希土類鉄ガーネットを用いた上
記1次元磁性光結晶を製造することは、非常に面倒であ
るというのが実情であった。
【0044】なお、光結晶の特性は一般的な電子結晶の
電子状態と対比して説明される。光結晶では、電子結晶
のエネルギー準位にバンドギャップが存在するように、
ある方向に対し光が伝搬できない波長域が現れる。この
特定波長領域はフォトニックバンドギャップと呼ばれ、
結晶構造に依存し変化する。また、結晶の周期的な構造
の一部に乱れがあることは、電子結晶の欠陥に相当し、
フォトニックバンドギャップ中を特定波長の光が透過す
るようになる。
【0045】この第1実施の形態では、図1及び図7に
示すように、水冷された基板ホルダ201 上にインジウム
シート202 をセットし、インジウムシート202 の上に基
板203 〔#7059(Coming製)〕を載置し、基板203 の上
に集光板としてのグラッシーカーボン204 をセットす
る。基板203 には、異なる光学特性を有するTa2O5
(誘電体素材)及びSiO2膜(誘電体素材)をその厚さに
規則性をもって交互に積層してなる(SiO2/Ta2O5n層2
10(2つの誘電体多層膜のうちの一方。n:積層数)が
積層される。Ta2O5膜(誘電体素材)及びSiO2膜(誘電
体素材)は可視光域で透明で、環境安定性が高い酸化物
で形成されている。基板203 としては、赤外線導入加熱
装置220 によるBiYIG 薄膜207 の結晶化熱処理の際には
溶けることがない一方、磁気光学体(1次元磁性光結
晶)200 を当該基板203 から分離し易いように、所定の
温度で溶けるか又は柔らかくなるような特性を有するも
のを用いるのが望ましい。
【0046】そして、この(SiO2/Ta2O5n 層210 の上
に、ビスマス置換イットリウム鉄ガーネット薄膜(BiYI
G 薄膜)207 〔希土類鉄ガーネット〕が成膜され、この
状態で後述するように赤外線導入加熱装置220 によりBi
YIG 薄膜207 の結晶化熱処理が施され、この後、結晶化
されたBiYIG 薄膜207 を含む(SiO2/Ta2O5n/BiYIGの
上に(Ta2O5/SiO2n 層211 (2つの誘電体多層膜のう
ちの他方)が成膜されて、図7に示す(SiO2/Ta2O5n
/BiYIG/(Ta2O5/SiO2n 構造の磁気光学体200 (1
次元磁性光結晶、1次元フォトニック結晶)が作製され
る。磁気光学体200 の作製はマルチターゲットRFマグ
ネトロンスパッタ装置(島津製作所製)により行った。
【0047】赤外線導入加熱装置220 は、図6に示すよ
うに、赤外線ビームを発生する赤外線発生部221 と、赤
外線ビームを集光させるグラッシーカーボン204 と、基
板ホルダ201 を冷却する冷却機構222 と、加熱中にグラ
ッシーカーボン204 の表面に接触して配置され、温度モ
ニターに用いられる熱電対223 と、を備えている。
【0048】そして、赤外線導入加熱装置220 によるBi
YIG 薄膜207 の結晶化熱処理の際には、基板ホルダ201
は冷却され、これにより基板203 を通して(SiO2 /Ta2
O5 n 層210 が冷却される。一方、前記熱処理時に、赤
外線により温度上昇したグラッシーカーボン204 により
BiYIG 薄膜207 のみが加熱され、結晶化される。この場
合、赤外線ビームは間欠的に照射する(パルス加熱す
る)ようにしている。
【0049】上述したように(SiO2/Ta2O5n 層210 が
冷却されていることにより、(SiO2/Ta2O5n 層210 の
Ta2O5 とSiO2 の相互拡散が防止される。このため、(S
iO2/Ta2O5n 層210 の周期構造が乱されることがなく
なると共に、前記熱処理によりBiYIG 薄膜207 が結晶化
され、良好な磁性を有し、かつ優れた磁気光学特性を有
する磁気光学体200(1次元フォトニック結晶)が作製
されることになる。この第1実施の形態では基板203 を
通して(SiO2/Ta2O5n 層210 を冷却する場合を例にし
たが、(SiO2/Ta2O5n 層210 を直接に冷却するように
構成してもよい。
【0050】赤外線導入加熱装置220 による熱処理中は
グラッシーカーボン204 表面に熱電対223 を接触させ温
度モニターを行った。図7に熱処理パターンを示す。ま
た、このような加熱方法で結晶化熱処理したときのX線
回折パターン及びファラデー回転角をそれぞれ図8及び
図9に示す。成膜直後はアモルファス構造であったBiYI
G 薄膜207 は、熱処理温度850 ℃で結晶化が進み、ま
た、ファラデー回転角も従来の電気炉で加熱し結晶化さ
せた場合と同等の値を示した。また、BiYIG 薄膜207 に
面荒れやクラックは全く見られなかった。
【0051】一方、同様な加熱方法により(SiO2/Ta
2O5n/(Ta2O5/SiO2n 構造の多層膜を加熱処理を行
い、その多層膜について加熱前、加熱後の透過率スペク
トルを調べた。その結果を図10及び図11に示す。こ
のときの設計波長は750 nmとし、各層の厚さは光学波長
λ/4とした。図10(a)は熱処理前の透過率スペク
トル、図10(b)は前記(a)のピーク波長スペクト
ル((a)の一部が拡大された透過率スペクトル)を示
す。図11(a)は熱処理後の透過率スペクトル、図1
1(b)は前記(a)のピーク波長スペクトル((a)
の一部が拡大された透過率スペクトル)を示す。
【0052】図10(加熱前)から、λ=650 〜900 nm
の波長域にフォトニックバンドギャップが現れ、また、
λ=765 nmのところに鋭いピークが現れていることがわ
かる。また、図11(加熱後)から、λ=650 〜900 nm
の波長域にフォトニックバンドギャップが現れ、また、
λ=765 nmのところに鋭いピークが現れていることがわ
かる。このように、図10及び図11を比べてわかるよ
うに加熱前、加熱後の透過率スペクトルの波形はほとん
ど変化はなかった。このことは、赤外線導入加熱装置22
0 を用いて赤外線ビームを照射することにより、BiYIG
薄膜207 の結晶化を行うことができる熱処理条件で、
(SiO2 /Ta2O5n /(Ta2O5 /SiO2n構造の多層膜
の周期構造がほとんど変化しないことを示す。
【0053】上述したように、(SiO2/Ta2O5n /BiYI
G を熱処理し、その上に(Ta2O5/SiO2n を成膜して作
製された上記(SiO2/Ta2O5n/BiYIG/(Ta2O5/SiO2
n 構造の磁気光学体200(1次元磁性光結晶、1次元フ
ォトニック結晶)について、透過波長スペクトル及びフ
ァラデー回転角を調べた。その結果を、図12及び図1
3に示す。図13に示されるように、この磁気光学体20
0 は大きなファラデー回転角を有することがわかった。
この実施の形態では、赤外線ビームは間欠的に照射する
(パルス加熱する)ようにしているので、BiYIG薄膜207
の結晶化をより精度高いものにできる。
【0054】また、グラッシーカーボン204 により赤外
線ビームを集光しており、熱処理を迅速に行うようにし
ている。なお、このグラッシーカーボン204 を設けず
に、熱処理を行うように構成してもよい。
【0055】前記第1実施の形態では、赤外線導入加熱
装置220 からの赤外線ビームを用いて、BiYIG薄膜207
の結晶化熱処理を行う場合を例にしたが、これに代え
て、図14に示すように、レーザー加熱装置230 を備
え、そのレーザー光を用いてBiYIG 薄膜207 の結晶化熱
処理を行うようにしてもよい(以下、第2実施の形態と
いう。)。
【0056】この第2実施の形態では、基板203 が(Si
O2/Ta2O5n /BiYIG の成膜された面を上にして基板ホ
ルダ201 上にセットされ、レーザー光源231 からのレー
ザー光を(SiO2/Ta2O5n /BiYIG に照射して、BiYIG
薄膜207 を結晶化する。この場合、レーザー光は、(Si
O2/Ta2O5n 層210 〔誘電体多層膜〕に吸収されず、Bi
YIG 薄膜207 (磁性体膜)に吸収される波長のものを用
いる。例えば、図15に示されるように、(SiO2/Ta
2O5n 層210 〔誘電体多層膜〕に吸収されない波長λa
以上の波長で、かつBiYIG 薄膜207 に吸収される波長
λb 以下の波長範囲(λa 〜λb )のレーザー光を用い
る。また、レーザー光は間欠的に照射する(パルス加熱
する)ようにしている。
【0057】この第2実施の形態では、上述したように
(SiO2 /Ta2O5n 層210 〔誘電体多層膜〕に吸収され
ず、BiYIG 薄膜207 (磁性体膜)に吸収される波長のレ
ーザー光を(SiO2/Ta2O5n /BiYIG に照射するので、
(SiO2/Ta2O5n 層210 〔誘電体多層膜〕はレーザー光
の照射によっても温度上昇が抑制され、(SiO2/Ta2O5
n 層210 のTa2O5 とSiO2 の相互拡散が防止される。一
方、レーザー光の照射によりBiYIG 薄膜207 のみが加熱
され、結晶化される。
【0058】この第2実施の形態では、上述したように
設定した範囲の波長のレーザー光を照射してBiYIG 薄膜
207 のみが加熱されるので、(SiO2/Ta2O5n 層210 の
Ta2O 5 と/SiO2 の相互拡散が防止されて(SiO2/Ta2O5
n 層210 の周期構造が乱されることがなくなると共に、
BiYIG薄膜207 が結晶化され、良好な磁性を有し、かつ
優れた磁気光学特性を有する磁気光学体200 (1次元フ
ォトニック結晶)が作製されることになる。また、レー
ザ光を間欠的に照射する(パルス加熱する)ようにする
ことにより、BiYIG 薄膜207 の結晶化をより精度高いも
のにすることができる。
【0059】この第2実施の形態では、第1実施の形態
で必要とされた冷却機構222 及び冷却処理が不要とな
り、その分、構成が簡易になると共に冷却操作がなくな
って生産性の向上を図ることができる。前記第1実施の
形態及び第2実施の形態で得られる磁気光学体200 (磁
気光学体)は上述したように大きなファラデー効果を有
しており、光磁気記録媒体(光磁気記録ディスク)、光
アイソレータなど種々の光デバイスに用いて良好な機能
を発揮することができる。
【0060】前記第1実施の形態及び第2実施の形態で
は、異なる光学特性を有する複数種類の誘電体素材がそ
の厚さに規則性をもって交互に積層された2つの誘電体
多層膜と、該2つの誘電体多層膜の間に設ける磁性体膜
とを有する磁気光学体200 (磁気光学体)を対象にし
て、その熱処理方法を例にしたが、本発明はこれに限ら
ず、磁性体及び誘電体がその厚さに規則性をもって交互
に積層された2つの規則積層部を備え、前記誘電体は異
なる光学特性を有する複数種類の誘電体素材がその厚さ
に規則性をもって交互に積層した周期構造を有した誘電
体多層膜からなり、前記2つの規則積層部の間に希土類
鉄ガーネットの磁性体膜を設けるようにして構成された
磁気光学体に、第1実施の形態及び第2実施の形態に示
される熱処理(ひいては製造方法)を適用してもよい。
この場合にも、誘電体の周期構造を乱すことなく前記希
土類鉄ガーネットの磁性体膜が結晶質化されることにな
る。
【0061】前記第1実施の形態及び第2実施の形態に
おいて、BiYIG 薄膜207 を用いた場合を例にしたが、本
発明はこれに限らず、他の希土類鉄ガーネット薄膜を用
いるようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、異なる光
学特性を有する複数種類の誘電体素材がその厚さに規則
性をもって交互に積層された2つの誘電体多層膜と、該
2つの誘電体多層膜の間に設けられ、前記規則性から外
れた厚さの磁性体膜と、を備えており、入射光の共鳴を
行うことが可能となり、これにより磁気光学効果の向上
を図ることができる。
【0063】請求項3記載の発明によれば、赤外線ビー
ムを間欠的に照射するパルス加熱により、誘電体多層膜
の周期性を乱すことなく希土類鉄ガーネットの磁性体膜
を結晶質化しており、誘電体多層膜の周期性が維持され
かつ希土類鉄ガーネットが確実に磁性化された磁気光学
体が、従来技術に比して比較的容易に得られると共に、
得られた磁気光学体について、その誘電体多層膜の周期
性が維持されて希土類鉄ガーネットが確実に磁性化され
ていることで、大きな磁気光学効果を発揮することがで
きる。請求項4記載の発明によれば、赤外線ビームを間
欠的に照射するパルス加熱により、前記誘電体の周期構
造を乱すことなく前記希土類鉄ガーネットの磁性体膜を
結晶質化しており、誘電体多層膜の周期性が維持されか
つ希土類鉄ガーネットが確実に磁性化された磁気光学体
が、従来技術に比して比較的容易に得られると共に、得
られた磁気光学体について、その誘電体多層膜の周期性
が維持されて希土類鉄ガーネットが確実に磁性化されて
いることで、大きな磁気光学効果を発揮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る磁気光学体(マ
イクロキャビティ、1次元フォトニック結晶)を模式的
に示す断面図である。
【図2】磁性体薄膜への入射の特性を示す図である。
【図3】光結晶のフォトニックバンドギャップを示すた
めの図である。
【図4】1次元フォトニック結晶の定在波の様子を示す
図である。
【図5】図1の磁気光学体の製造方法を示す図である。
【図6】本発明の第1実施の形態を説明するための赤外
線導入加熱装置を示す図である。
【図7】図6の赤外線導入加熱装置による熱処理パター
ンを示す図である。
【図8】結晶化熱処理された磁気光学体(1次元磁性光
結晶)のX線回折パターンを示す図である。
【図9】結晶化熱処理された1次元磁性光結晶のファラ
デー回転角を示す図である。
【図10】誘電体多層膜についての加熱前の透過率スペ
クトルを示す図である。
【図11】誘電体多層膜についての加熱後の透過率スペ
クトルを示す図である。
【図12】図1の磁気光学体(1次元磁性光結晶)の透
過波長スペクトルを示す図である。
【図13】図1の磁気光学体のファラデー回転角を示す
図である。
【図14】本発明の第2実施の形態を説明するためのレ
ーザ加熱装置を示す図である。
【図15】図14のレーザ加熱装置で用いるレーザー光
の特性を示す図である。
【図16】従来の磁気光学多層膜の一例を示す斜視図で
ある。
【図17】図16の磁気光学多層膜の磁気光学効果を示
すグラフである。
【符号の説明】
200 磁気光学体(1次元磁性光結晶) 207 BiYIG 薄膜(磁性体膜) 210 (SiO2 /Ta2O5n 層〔誘電体多層膜〕
フロントページの続き (72)発明者 北村 厚 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 (72)発明者 足立 重之 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 (72)発明者 加藤 英樹 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 Fターム(参考) 2H079 AA03 BA01 CA06 DA13 HA12 4G077 AA03 BC22 BC27 DA01 EF01 FE19 5D075 FF08 FH01 GG01 GG16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる光学特性を有する複数種類の誘電
    体素材がその厚さに規則性をもって交互に積層された2
    つの誘電体多層膜と、該2つの誘電体多層膜の間に設け
    られ、前記規則性から外れた厚さの磁性体膜と、を備え
    たことを特徴とする磁気光学体。
  2. 【請求項2】 前記磁性体膜は結晶質の希土類鉄ガーネ
    ットであることを特徴とする請求項1に記載の磁気光学
    体。
  3. 【請求項3】 異なる光学特性を有する複数種類の誘電
    体素材がその厚さに規則性をもって交互に積層された2
    つの誘電体多層膜と、該2つの誘電体多層膜の間に設け
    る希土類鉄ガーネットの磁性体膜とを有する磁気光学体
    において、赤外線ビームを間欠的に照射するパルス加熱
    により、前記誘電体多層膜の周期性を乱すことなく前記
    希土類鉄ガーネットの磁性体膜を結晶質化することを特
    徴とする磁気光学体の製造方法。
  4. 【請求項4】 磁性体及び誘電体がその厚さに規則性を
    もって交互に積層された2つの規則積層部を備え、前記
    誘電体は異なる光学特性を有する複数種類の誘電体素材
    がその厚さに規則性をもって交互に積層した周期構造を
    有した誘電体多層膜からなり、前記2つの規則積層部の
    間に希土類鉄ガーネットの磁性体膜を設ける磁気光学体
    において、赤外線ビームを間欠的に照射するパルス加熱
    により、前記誘電体の周期構造を乱すことなく前記希土
    類鉄ガーネットの磁性体膜を結晶質化することを特徴と
    する磁気光学体の製造方法。
  5. 【請求項5】 希土類鉄ガーネットの磁性体膜上に赤外
    線集光板を設け、該赤外線集光板を介して前記希土類鉄
    ガーネットの磁性体膜を加熱することを特徴とする請求
    項3または4に記載の磁気光学体の製造方法。
  6. 【請求項6】 赤外線ビームに代えてレーザ光を用いる
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の磁気光学体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 レーザ光は、誘電体多層膜には吸収され
    ずかつ前記希土類鉄ガーネットの磁性体膜に吸収される
    波長のレーザ光であることを特徴とする請求項6に記載
    の磁気光学体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記希土類鉄ガーネットの磁性体膜の加
    熱時に誘電体多層膜を冷却することを特徴とする請求項
    3から請求項7までのいずれかに記載の磁気光学体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 誘電体多層膜の冷却は、誘電体多層膜を
    載置する基板を介して行うことを特徴とする請求項8に
    記載の磁気光学体の製造方法。
JP2000335933A 2000-11-02 2000-11-02 磁気光学体及びその製造方法 Pending JP2002139718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000335933A JP2002139718A (ja) 2000-11-02 2000-11-02 磁気光学体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000335933A JP2002139718A (ja) 2000-11-02 2000-11-02 磁気光学体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002139718A true JP2002139718A (ja) 2002-05-17

Family

ID=18811597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000335933A Pending JP2002139718A (ja) 2000-11-02 2000-11-02 磁気光学体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002139718A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108649304A (zh) * 2018-07-03 2018-10-12 南京林业大学 一种基于磁光介质的电磁波单向器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108649304A (zh) * 2018-07-03 2018-10-12 南京林业大学 一种基于磁光介质的电磁波单向器
CN108649304B (zh) * 2018-07-03 2024-05-10 南京林业大学 一种基于磁光介质的电磁波单向器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8059337B2 (en) Wave plate with birefringent regions and its manufacturing method
US7050231B2 (en) Faraday rotator with metal reflection film
JPH0990122A (ja) グリッド型偏光子の製造方法
JP3424095B2 (ja) 磁気光学体及びこの磁気光学体を用いた光アイソレータ
EP1102285A2 (en) Magneto-optical member
JP2002139718A (ja) 磁気光学体及びその製造方法
US6743465B2 (en) Magnetic optical member with a polymer substrate
Haga et al. One-dimensional single-and dual-cavity magnetophotonic crystal fabricated by bonding
Liao et al. Preparation of crystalline beta barium borate (β‐BaB2O4) thin films by opposed‐targets magnetron sputtering
US20020149831A1 (en) Faraday Rotator
US6804043B2 (en) Non-linear optical thin film, non-linear optical device using the same, and optical switch using the same
Dolgaev et al. Heteroepitaxial growth of oxides on sapphire induced by laser radiation in the solid–liquid interface
JP3564660B2 (ja) 磁気光学体及びこの磁気光学体を用いた光アイソレータ
JP2002311403A (ja) ファラデー回転子
JPH0517295A (ja) ドメイン反転処理が施されたニオブ酸リチウム単結晶薄膜
JP3245702B2 (ja) 磁気光学多層膜及び磁気光学体
Vasiliu et al. Thin films of advanced oxidic materials obtained by pulsed laser deposition
JPH04256904A (ja) 偏光素子
JP2002072159A (ja) 磁気光学体及びこの磁気光学体を用いた光アイソレータ
US5599605A (en) Magneto-optical recording medium and method for producing the same
JPS6295515A (ja) 光ゲ−ト
Liu et al. Excimer laser ablating preparation of Ba2NaNb5O15 optical waveguiding films on (001) KTiOP04 substrates
JP2002090524A (ja) ファラデー回転子
JP2004012997A (ja) 磁気光学体
JP2000047031A (ja) 偏光子