JP2002136598A - 人工呼吸装置用呼気弁装置 - Google Patents

人工呼吸装置用呼気弁装置

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JP2002136598A
JP2002136598A JP2000335849A JP2000335849A JP2002136598A JP 2002136598 A JP2002136598 A JP 2002136598A JP 2000335849 A JP2000335849 A JP 2000335849A JP 2000335849 A JP2000335849 A JP 2000335849A JP 2002136598 A JP2002136598 A JP 2002136598A
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valve
electromagnet
axis
core
bellows
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JP2000335849A
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English (en)
Inventor
Kenji Ozaki
賢二 尾崎
Shinya Yonezawa
信也 米澤
Kazutoshi Soga
一利 曽我
Koichi Ishii
弘一 石井
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Kawasaki Safety Service Industries Co Ltd
Original Assignee
Kawasaki Safety Service Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠隔操作で、かつ応答性良く患者の呼気圧等
の空気の排出圧力を調整する。 【解決手段】 予め定める移動方向に往復変位可能な弁
体15に強磁性片21を埋設し、弁体15と対向して電
磁石30を設け、電磁石30に励磁電流を付与して強磁
性片21との間で磁気吸引力を発生し、磁気吸引力によ
って弁体15を弁座16に着座させる。弁座16に形成
されている弁孔18には、弁体15とは反対側から患者
の呼気が導かれる。磁気吸引力は直流電源装置36から
電磁石30に付与される励磁電流を制御することによっ
て遠隔操作で調整できるので、磁気吸引力を患者の呼気
終末陽圧(PEEP圧)に対応する磁気吸引力に設定す
れば、患者の呼気の圧力を呼気期間中PEEP圧に保つ
ことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工呼吸装置に好
適に適用することの可能な呼気弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工呼吸装置を装着した患者の呼気期間
に呼気の圧力(以後、呼気圧と呼ぶ)を大気圧よりも高
い圧力に調整する場合がある。この圧力は呼気終末陽圧
(以後、PEEP圧と称す)と呼ばれる。このように呼
気圧をPEEP圧に保つことは、人工呼吸管理中の肺胞
の虚脱の防止などに有用である。このPEEP圧は患者
毎に、または患者の状態によって異なる値に調整され
る。呼気圧をPEEP圧に保つためには、人工呼吸装置
の呼気管路に呼気圧がPEEP圧未満では大気への通路
を閉じ、PEEP圧以上では大気への通路を開く呼気弁
装置を設けることが必要である。
【0003】典型的な呼気弁装置の先行技術としては、
逆止弁に類似した構成が知られている。この第1先行技
術では、弁体がばね力によって弁座に押付けられ、ばね
力はばねの基端部に当接するボルトを伸縮することによ
ってPEEP圧に応じて手動で調整される。
【0004】第2の先行技術では、呼気弁装置は強磁性
片または永久磁石片を埋設した弁体と、先端に永久磁石
片を取付けたボルトとを含んで構成される。弁体はボル
トの永久磁石片と埋設した強磁性片との間の磁気吸引力
によって弁座に押付けられ、磁気吸引力はボルトを伸縮
することによってPEEP圧に応じて手動で調整され
る。
【0005】第3の先行技術では、弁体に代わって弾発
的に膨張および収縮の可能な袋体が設けられる。袋体は
送風機からの空気によって膨張して弁座を閉じる。送風
機からの空気の圧力は、圧力検出器で検出した空気圧が
PEEP圧になるように圧力制御弁を制御することによ
って調整される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記第1および第2の
先行技術には、ばね力および磁気吸引力の調整が手動に
よるボルトの伸縮によって行われるので、応答性が悪く
調整時間が長くかかるという問題がある。さらに、遠隔
操作ができないという問題がある。また、吸気期間の吸
気の圧力(以後、吸気圧と呼ぶ)がPEEP圧よりも高
い場合には、後述の図2に示すように吸気管路と呼気管
路とがつながっているので、吸気の一部が呼気弁装置を
介して大気に排出され、患者に吸気が充分に供給されな
いという問題がある。またこの問題を解消するために
は、呼気弁装置の上流側に開閉弁を新たに設ける必要が
ある。
【0007】前記第3の先行技術には、空気源の構成が
複雑であり、多くの構成要素を必要とするとともに装置
が大形化するという問題がある。また送風機を常時運転
し続けなければならないので、騒音が発生し、静粛であ
るべき環境が悪化するという問題がある。
【0008】本発明の目的は、簡単な構成で小形化を図
ることが可能であり、遠隔操作で、かつ応答性良く患者
の呼気圧等の空気の排出圧力を調整可能な人工呼吸装置
の呼気弁装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、弁箱と、弁箱
内に形成される弁室内で予め定める移動方向に延びる移
動軸線に沿って往復変位可能に設けられる少なくとも一
部分が強磁性材料から成る弁体と、弁孔が形成され、弁
体が着座および離間する弁座であって、弁孔には弁体と
は反対側から呼気が導かれる弁座と、弁体との間で磁気
吸引力を発生する電磁石と、電磁石に前記磁気吸引力に
対応した電力を調整可能に与える電磁力励磁手段とを含
むことを特徴とする人工呼吸装置用呼気弁装置である。
【0010】本発明に従えば、一部分が強磁性材料から
成る弁体を電磁石との間で発生する磁気吸引力によって
弁座に着座させることができる。磁気吸引力は、電磁力
励磁手段から与えられる電力によって調整可能であるの
で、磁気吸引力を呼気および吸気期間で個別に設定する
ことができる。したがって、呼気期間には磁気吸引力を
PEEP圧に設定して呼気圧をPEEP圧に保つことが
可能であり、吸気期間には吸気圧よりも高い圧力に設定
して吸気の排出を防止し、吸気を充分に患者に供給する
ことができる。また電磁石によって磁気吸引力が調整さ
れるので、応答性が良くかつ遠隔操作が可能である。ま
た構成が簡単であるので、小形化を図ることができる。
【0011】また本発明は、弁体は、弾発性を有するゴ
ムまたは合成樹脂から成る弁体本体と、弁体本体内で前
記移動軸線上に埋設される強磁性材料から成る強磁性片
とを含むことを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、後述の図3に示すように
弁体本体はゴムまたは合成樹脂から成るので、弁座を気
密に塞ぐことができる。また弁体本体内に強磁性材料か
ら成る強磁性片が埋設されるので、電磁石との間で磁気
吸引力を発生させることができる。
【0013】また本発明は、強磁性片は永久磁石片であ
って、電磁石はこの永久磁石片との間で磁気吸引力が発
生する極性となるように電磁力励磁手段によって励磁さ
れることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、後述の図5に示すように
強磁性片は永久磁石片であるので、永久磁石片と電磁石
との対向面の極性を相互に逆極性にして電磁石との間
で、強い磁気吸引力を発生させることができる。
【0015】また本発明は、弁箱には、めねじ部材が形
成されており、めねじ部材に螺合するおねじ部材であっ
て、弁体の移動軸線の延長線上に軸線を有し、前記電磁
石を固定し、移動軸線に沿って移動可能なおねじ部材を
さらに含むことを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、後述の図7に示すように
おねじ部材に電磁石が固定され、おねじ部材は弁箱に形
成されためねじ部材と螺合して弁体の移動軸線に沿って
移動可能であるので、電磁石と弁体との間隔を調整する
ことが可能となる。したがって、電磁石と弁体との間で
発生する磁気吸引力の大きさを広範囲にわたって調整す
ることができる。
【0017】また本発明は、電磁石は、弁箱内に設けら
れ、弁体の移動軸線の延長線上に軸線を有する強磁性材
料から成る棒状のコアと、コアを外囲して同軸に配置さ
れるコイルとを含むことを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、後述の図1に示すように
電磁石は弁箱内に設けられるので、構成を簡素化するこ
とが可能となり、小形化を図ることができる。
【0019】また本発明は、電磁石は、弁体の移動軸線
の延長線上に軸線を有し、一端部が弁箱内に延び、他端
部が弁箱外に突出して延びる強磁性材料から成る単一の
棒状のコアと、弁箱外に突出したコアを外囲して同軸に
配置されるコイルとを含むことを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、後述の図8に示すように
電磁石のコアが弁箱外に突出し、突出したコアを外囲し
てコイルが配置されるので、リード線の配線を容易に行
うことが可能となる。
【0021】また本発明は、電磁石は、弁箱内に設けら
れ、弁体の移動軸線の延長線上に軸線を有する強磁性材
料から成る棒状の第1コアと、弁箱外に突出して設けら
れ、第1コアの軸線の延長線上に軸線を有し、電気絶縁
体を介して第1コアと連結される第2コアと、第2コア
を外囲して同軸に配置されるコイルとを含むことを特徴
とする。
【0022】本発明に従えば、後述の図9に示すように
弁箱内に電磁石の第1コアが設けられ、弁箱外に突出し
て第2コアが設けられ、第1コアと第2コアとが電気絶
縁体を介して連結され、第2コアを外囲してコイルが配
置されるので、第2コアおよびコイルの取外しが容易で
あり、メンテナンス性を向上することができる。
【0023】また本発明は、電磁石は、弁箱内に設けら
れ、弁体の移動軸線の延長線上に軸線を有する強磁性材
料から成る棒状のコアと、コアの外周面から半径方向外
方に間隔をあけてコアと同軸に配置される強磁性材料か
ら成る円筒状の磁力発生部材と、コアの弁体から遠ざか
った端部と磁力発生部材の弁体から遠ざかった端部とを
連結する強磁性材料から成る連結部材と、コアの外周面
と磁力発生部材の内周面との間の空間に配置されるコイ
ルとを含むことを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、後述の図10に示すよう
にコイルがコアの外周面と磁力発生部材の内周面との間
の空間、すなわち強磁性材料によって囲まれた空間に配
置されるので、電磁石から発生する磁力の大きさを増大
することができる。
【0025】また本発明は、弁箱と、弁箱内に設けら
れ、膨張および収縮が可能な可撓性を有する材料から成
る袋体と、弁孔が形成され、袋体が膨張時に着座して塞
ぎ、収縮時に離間して解放する弁座であって、弁孔には
袋体とは反対側から呼気が導かれる弁座と、袋体に予め
定める圧力の空気を調整可能に供給する空気供給手段と
を含むことを特徴とする人工呼吸装置用呼気弁装置であ
る。
【0026】本発明に従えば、後述の図12に示すよう
に可撓性を有する材料から成る袋体を空気供給手段から
の空気によって膨張させて弁座に着座させることができ
る。空気の圧力は空気供給手段によって調整可能である
ので、呼気および吸気期間で個別に予め定める値に設定
することができる。したがって、呼気期間には空気圧を
PEEP圧に設定して呼気圧をPEEP圧に保つことが
可能であり、吸気期間には吸気圧よりも高い圧力に設定
して吸気の排出を防止し、吸気を充分に患者に供給する
ことが可能となる。
【0027】また本発明は、前記空気供給手段は、容積
が可変の密閉空間を有し、袋体に通路を介して接続され
る容積可変手段と、容積可変手段の容積を電磁力によっ
て変化させる電磁石手段と、電磁石手段に前記予め定め
る空気圧力に対応した電力を調整可能に与える電磁力励
磁手段とを含むことを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、電磁石手段の電磁力によ
って容積可変手段の容積を変化させることができるの
で、袋体に供給される空気の圧力を応答性良く、かつ遠
隔操作によって調整することができる。
【0029】また本発明は、前記容積可変手段は、予め
定める軸線方向に伸縮可能なベローズと、ベローズの軸
線方向一端部が固定され、空気通路を有する基体とを含
み、前記電磁石手段は、ベローズ内に設けられ、ベロー
ズの他端部で、かつベローズの軸線上に取付けられる強
磁性材料から成る強磁性片と、ベローズ内にベローズの
軸線と同軸に強磁性片と対向して設けられ、強磁性片と
磁気結合して磁気吸引力を発生する電磁石とを含むこと
を特徴とする。
【0030】本発明に従えば、後述の図13に示すよう
に強磁性片として永久磁石片が設けられ、ベローズを電
磁石と永久磁石片との間の磁気吸引力で伸縮させること
によって袋体に空気を供給することができるので、簡単
な構成で確実に袋体に供給される空気の圧力を調整する
ことが可能である。
【0031】また本発明は、前記空気供給手段は、予め
定める軸線方向に伸縮可能なほぼ筒状のベローズと、ベ
ローズの軸線方向一端部が固定され、空気通路を有する
基体と、ベローズの軸線方向他端部に固定される可動コ
イルと、可動コイルの移動領域内でベローズの軸線方向
に垂直な磁界を発生し、可動コイルに電磁力を発生する
磁界発生手段とを含むことを特徴とする。
【0032】本発明に従えば、後述の図14に示すよう
に磁界発生手段によって可動コイルに電磁力を発生して
可動コイルを駆動し、ベローズを伸縮させることができ
る。これによって、簡単な構成で確実にベローズを駆動
することができるので、袋体に供給される空気の圧力を
調整することができる。
【0033】また本発明は、前記の呼気弁装置と、患者
に吸気を吐出逆止弁を介して供給する空気ポンプと、患
者の口または鼻の少なくとも一方に装着される装着部材
と、空気ポンプの吐出逆止弁と装着部材とを接続し、患
者に空気ポンプからの吸気を導く吸気管路と、吸気管路
の途中位置から分岐し、先端部に呼気弁装置を設け、呼
気弁装置に患者の呼気を導く呼気管路と、吐出逆止弁の
上流側および下流側における空気の圧力の差を検出する
差圧検出手段と、吸気期間中は呼気弁装置の弁孔を閉じ
るように制御する制御手段とを含むことを特徴とする人
工呼吸気装置である。
【0034】本発明に従えば、後述の図2に示すように
吸気管路は空気ポンプと患者の装着部材とを接続し、呼
気管路は吸気管路の途中位置から分岐し、呼気管路の先
端部には呼気弁装置が設けられている。吸気期間中、制
御手段によって呼気弁装置の弁体解放圧力が吸気圧以上
になるように制御が行われるので、吸気圧が高くても吸
気の呼気弁装置からの排出が防止される。これによっ
て、患者に充分に吸気を供給することができる。また呼
気管路に吸気排出防止用の開閉弁を設ける必要がなくな
り、装置の構成を簡素化することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の第1形態
である人工呼吸装置用呼気弁装置3の構成を簡略化して
示す断面図である。この図1に示す人工呼吸装置用呼気
弁装置3(以後、呼気弁装置と略称する)は、人工呼吸
期間中、患者の呼気圧を大気圧よりも高いPEEP圧に
調整する。PEEP圧は患者毎または患者の状態によっ
て異なる予め定める値に設定される。
【0036】図2は、図1に示す呼気弁装置3を備える
人工呼吸装置1の全体の構成を示す系統図である。人工
呼吸装置1は、空気ポンプ4を備える。空気ポンプ4に
は外部の空気が入口5aから吸入され、出口5bから吐
出される。吐出された空気は吸気管路6を経て矢符7で
示されるように患者の口または鼻の少なくとも一方に装
着される呼吸マスクなどの装着部材8に導かれ、患者に
吸気として供給される。患者の呼気は矢符9で示される
ように吸気管路6の途中位置から分岐した呼気管路11
を経て呼気弁装置3に導かれ、呼気管路11の先端部に
設けられた呼気弁装置3から大気放散される。人工呼吸
装置1の構成についてはさらに後述する。
【0037】呼気弁装置3は、図1に示すように合成樹
脂から成る弁箱13を備える。弁箱13内には弁室14
が形成され、弁室14には弁体15と弁座16とが設け
られる。弁体15は、予め定める移動方向に延びる移動
軸線17を有し、弁室14内で移動軸線17に沿って往
復変位可能に設けられる。弁座16は弁体15が着座お
よび離間する台座であり、弁座16には弁孔18が形成
される。弁孔18は移動軸線17の延長線上に軸線を有
する。
【0038】図3は、図1に示す弁体15の構成を簡略
化して示す断面図であり、図4は図3の切断面線IV−
IVから見た断面図である。弁体15は弁体本体20を
備える。弁体本体20は、弾発性を有するゴムまたは合
成樹脂から成り、その移動軸線17に垂直な断面形状は
弁座16側に凸に湾曲した略半円形である。弁体本体2
0には、弁座16と反対側に移動軸線17に沿って延び
る案内棒22が固定される。案内棒22には、アルミニ
ウムから成る補強リング23が装着され、補強リング2
3の外周部は弁体本体20に形成されたリング状凹所に
嵌め込まれる。これによって弁体本体20は補強され、
半径方向の剛性が向上する。弁体本体20内には、移動
軸線17上に強磁性材料から成る強磁性片21、たとえ
ば鉄片が埋設される。本発明の他の実施の形態では、強
磁性片21として鉄粉を弁体本体内に分散して混合させ
てもよい。このように弁体15は、少なくとも一部分が
強磁性材料によって構成される。
【0039】再び図1を参照して、弁室14には円筒状
の案内部材24が移動軸線17と同軸に設けられ、案内
部材24は固定部材25を介して弁箱13に固定され
る。弁体15の案内棒22は、案内部材24の挿通孔に
挿通される。弁箱13には、呼気導入口27および呼気
排出口28が形成される。呼気導入口27は、移動軸線
17と垂直な方向の軸線を有し、弁座16に関して弁体
15の反対側に形成される。呼気排出口28は、移動軸
線17の延長線上に軸線を有し、弁座16に関して弁体
15側に形成される。弁箱13内には、弁孔18に関し
て弁室14とは反対側に入口空間29が形成される。こ
れによって、呼気導入口27は外部と入口空間29とを
連通し、弁孔18は入口空間29と弁室14とを連通
し、呼気排出口28は弁室14と外部とを連通する。し
たがって、弁孔18には、弁体15とは反対側から呼気
が導かれる。入口空間29には電磁石30が設けられ
る。電磁石30は、強磁性材料から成る棒状のコア31
と、コア31を外囲して同軸に配置されるコイル33と
を含む。コア31は移動軸線17の延長線上に軸線を有
し、基端部が弁箱13に固定され、先端部が強磁性片2
1と対向して間隔L1をあけて配置される。間隔L1
は、たとえば3mmである。コイル33はリード線34
を介して電磁力励磁手段である直流電源装置36に接続
される。直流電源装置36は、直流電源37と可変抵抗
器38と電流計39とを含む。直流電源37はコイル3
3に電力、すなわち励磁電流を付与する。励磁電流の大
きさは可変抵抗器38によって可変可能である。
【0040】コイル33に励磁電流を付与して電磁石3
0を励磁すると電磁石30と強磁性片21との間に磁気
吸引力が発生する。磁気吸引力が発生すると、弁体15
は案内部材24に案内されて移動軸線17に沿って移動
し、弁座14に着座して弁孔18を塞ぐ。磁気吸引力は
コイル33に付与される励磁電流を増大するにつれて大
きくなる。したがって励磁電流を制御することによって
磁気吸引力を調整することができる。
【0041】このように、本実施の形態では、電磁石3
0の励磁電流の調整によって磁気吸引力を調整すること
ができるので、患者の吸気期間と呼気期間とで磁気吸引
力を異なる値に設定することができる。すなわち、患者
の吸気期間においては、磁気吸引力は吸気圧が弁体15
に作用しても弁孔18が開かないような値に選ばれる。
これによって、吸気圧が高い場合でも吸気が吸気管路6
および呼気管路11を経て呼気弁装置3から大気中に排
出されないように磁気吸引力を設定することができるの
で、吸気のロスを低減することが可能となり、吸気を患
者に充分供給することができる。
【0042】患者の呼気期間においては、磁気吸引力は
PEEP圧未満の呼気が弁体15に作用しても弁孔18
が開かないように、かつPEEP圧以上の呼気が弁体1
5に作用するとき弁孔18が開くように設定される。こ
れによって、患者の呼気圧は呼気期間中PEEP圧に一
定に保たれる。また電磁石に付与される励磁電流によっ
て磁気吸引力が調整されるので、遠隔操作で、かつ患者
の呼気に同期して応答性良く呼気弁装置3を作動させる
ことができる。また構成が簡単であるので、呼気弁装置
3の小形化を図ることができる。また磁気吸引力によっ
て弁体15が弁座16に着座しているので正立状態で使
用できないときには傾けた状態でも、上下逆様の状態で
も使用することができる。
【0043】図5は、本発明の実施の第2形態である呼
気弁装置41の構成を簡略化して示す断面図である。本
実施の形態の呼気弁装置41は前記呼気弁装置3と類似
し、対応する部分には同一の参照符号を付す。注目すべ
きは、本実施の形態では弁体43内に永久磁石片44が
埋設されており、永久磁石片44と電磁石30のコア3
1との対向面の極性が相互に逆極性になるように設定さ
れている点である。すなわち、電磁石30は永久磁石片
44との間で磁気吸引力が発生する極性になるように励
磁されている。たとえば、前記対向面において永久磁石
片44の極性がN極になるように、かつ電磁石30のコ
ア31の極性がS極になるように励磁される。
【0044】これによって、本実施の形態の磁気吸引力
は励磁電流が同一の場合、実施の第1形態の磁気吸引力
よりも大きい磁気吸引力を得ることができる。したがっ
て、同一の磁気吸引力を得るために必要な励磁電流値を
小さくすることが可能となり、省電力を図ることができ
る。本実施の形態のその他の構成は、実施の第1形態の
構成と同一であり効果も同一である。本実施の形態で
は、さらに前記対向面の極性を同極性になるように設定
して電磁石30と永久磁石片44との間に磁気反発力を
発生させることも可能である。
【0045】図6は、図5に示すコイル33に付与され
る励磁電流と、電磁石30と永久磁石片44との間に発
生する磁気吸引力または磁気反発力との関係を示すグラ
フである。図6から、前記対向面の極性が逆極性になる
ようにコイル33に励磁電流を付与するときには、図6
の横軸のプラス領域に示すように励磁電流が大きくなる
につれてほぼ直線的に磁気吸引力が増加することが判
る。また前記対向面の極性が同極性になるようにコイル
33に励磁電流を付与するときには、図6の横軸のマイ
ナス領域に示すように励磁電流の絶対値が大きくなるに
つれて磁気吸引力が減少、すなわち磁気反発力が増加す
ることが判る。また励磁電流が零のときには、永久磁石
片44と電磁石30の強磁性材料であるコア31との間
の磁気吸引力によってP点で示すように磁気吸引力がわ
ずかに発生していることが判る。
【0046】これによって、コイル33に付与される励
磁電流を制御すれば、電磁石30と弁体43の永久磁石
片44との間の磁気吸引力または磁気反発力を調整する
ことができる。したがって、磁気吸引力を発生させて弁
体43を弁座16に着座させることも、磁気反発力を発
生させて弁体43を弁座16から離間させることも可能
となり、本実施の形態の呼気弁装置41を全開および全
閉が可能な開閉弁としても使用することができる。
【0047】図7は、本発明の実施の第3形態である呼
気弁装置46の構成を簡略化して示す断面図である。本
実施の形態の呼気弁装置46は実施の第1形態の呼気弁
装置3に類似し、対応する部分には同一の参照符号と付
す。注目すべきは、移動可能なおねじ部材47が設けら
れ、電磁石30がおねじ部材47に固定されている点で
ある。おねじ部材47は、弁体15の移動軸線17の延
長線上に軸線を有する合成樹脂から成る円板状部材であ
り、その外周面にはおねじが形成されている。おねじ部
材47は合成樹脂から成る弁箱49に形成されているめ
ねじ部材48に螺合して移動軸線17に沿って往復変位
可能である。おねじ部材47の弁体15を臨む内面には
電磁石30のコア31が固定される。これによって、お
ねじ部材47を回転すると弁体15の弁座16への着座
状態における弁体15の強磁性片21と電磁石30との
間の間隔L1を自在に調整することができるので、弁体
15の強磁性片21と電磁石30との間で発生する磁気
吸引力の大きさを広範囲にわたって調整することが可能
となる。本実施の形態のその他の構成は実施の第1形態
の構成と同一であり、効果も同一である。
【0048】図8は、本発明の実施の第4形態である呼
気弁装置50の構成を簡略化して示す断面図である。本
実施の形態の呼気弁装置50は実施の第1形態の呼気弁
装置3に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付
す。注目すべきは、電磁石51のコア53が弁箱外に突
出している点である。コア53は、単一本であり、移動
軸線17の軸線の延長線上に軸線を有し、一端部が入口
空間29内に延び、他端部が合成樹脂から成る弁箱54
を貫通して弁箱外に突出して延在する。コイル33は弁
箱外に突出したコア53を外囲して同軸に配置される。
このようにコイル33が弁箱外に配置されるので、リー
ド線34の配線を容易に行うことが可能となる。本実施
の形態のその他の構成は実施の第1形態の構成と同一で
あり、効果も同一である。
【0049】図9は、本発明の実施の第5形態である呼
気弁装置55の構成を簡略化して示す断面図である。本
実施の形態の呼気弁装置55は、実施の第4形態の呼気
弁装置50に類似し、対応する部分には同一の参照符号
を付す。注目すべきは、電磁石56のコアが単一でな
く、2本のコアによって構成されている点である。電磁
石56は、弁箱54の入口空間29内に設けられ、前記
移動軸線17の延長線上に軸線を有する第1コア57
と、弁箱外に突出して設けられ、第1コア57の軸線の
延長線上に軸線を有し、電気絶縁体58を介して第1コ
ア57と連結される第2コア59と、第2コア59を外
囲して同軸に配置されるコイル33とを含んで構成され
る。これによって第2コア59およびコイル33を容易
に取外すことができるので、メンテナンス性を向上する
ことができる。本実施の形態のその他の構成は実施の第
4形態の構成と同一であり、効果も同一である。
【0050】図10は、本発明の実施の第6形態である
呼気弁装置61の構成を簡略化して示す断面図であり、
図11は図10の切断面線XI−XIから見た断面図で
ある。本実施の形態の呼気弁装置61は、実施の第1形
態の呼気弁装置3に類似し、対応する部分には同一の参
照符号を付す。注目すべきは、コイル33が円筒状の強
磁性材料から成る磁力発生部材64によってさらに外囲
されている点である。電磁石63は、弁箱13の入口空
間29内に設けられ、前記移動軸線17の延長線上に軸
線を有する強磁性材料から成るコア31と、コア31の
外周面から半径方向外方に間隔をあけてコア31と同軸
に配置される円筒状の磁力発生部材64と、コア31の
弁体15から遠ざかった端部と磁力発生部材64の弁体
15から遠ざかった端部とを連結する強磁性材料から成
る連結部材65と、コア31の外周面と磁力発生部材6
4の内周面との間の空間に配置されるコイル33とを含
んで構成される。また連結部材65は、弁箱13に固定
される。これによって、コイル33は強磁性材料によっ
て囲まれた空間に配置されるので、電磁石63から発生
する磁力の大きさを増大することができる。本実施の形
態のその他の構成は、前記実施の第1形態の構成と同一
であり、効果の同一である。
【0051】図12は、本発明の実施の第7形態である
呼気弁装置67の構成を簡略化して示す断面図である。
呼気弁装置67は、弁箱68と空気供給手段69とを備
える。弁箱68内には弁室70が形成され、弁室70に
は袋体71と弁座73とが設けられる。袋体71は、空
気の出入りによって膨張および収縮が可能な可撓性を有
する材料から成り、予め定める空気供給方向に延びる軸
線74を有する。袋体71は、たとえば弾発性を有する
ゴムまたは合成樹脂から成る風船によって実現される。
袋体71は、弾発性を有するゴムまた合成樹脂から成る
ダイヤフラムによって実現されてもよい。袋体71は、
略円筒状の保持部材72に同軸に取付けられる。保持部
材72の一端部には直径の大きい取付部72aが形成さ
れ、取付部72aの外周面には環状溝が形成される。袋
体71は、空気の出入口である開口端部を有し、袋体7
1の開口端部は、前記取付部72aの環状溝に弾発的に
嵌まり込んで固定される。保持部材72の外周面には、
おねじが形成され、保持部材の軸線まわりには空気通路
72bが形成される。
【0052】弁座73は袋体71が接触および離間する
台座であり、弁座73には弁孔75が形成される。弁孔
75は袋体71の軸線74の延長線上に軸線を有する。
弁箱68には、呼気導入口76および呼気排出口77が
形成される。呼気導入口76は袋体71の軸線74の延
長線上に軸線を有し、呼気排出口77は袋体71の軸線
74の延長線に垂直な軸線を有する。呼気導入口76と
弁孔75とは直線状に連なり、相互に連通する。弁箱6
8の弁座73と対向する面には、円板状の取付部材78
が着脱可能に螺合しており、取付部材78の中心部には
前記保持部材72が着脱可能に同軸に螺合している。保
持部材72の他端部は、取付部材78から軸線方向外方
に突出しており、保持部材72はロックナット79によ
って取付部材78に固定される。保持部材72および取
付部材78の軸線は、袋体71の軸線74の延長線上に
存在する。保持部材72の他端部には接続チューブ80
を介して空気供給手段69が接続される。
【0053】空気供給手段69は、ほぼ直円筒状のベロ
ーズ83を備える。ベローズ83は、たとえばゴムまた
は合成樹脂などの弾発性を有する材料から成り、その軸
線83a方向(図12の左右方向)に伸縮可能である。
ベローズ83の軸線83aは、袋体71の軸線74に垂
直な平面に対して垂直である。ベローズ83は、容積が
可変の密閉空間を有し、密閉空間内には空気が充填され
る。ベローズ83は蛇腹状であり、その断面はジグザグ
に形成される。ベローズ83の軸線方向一端部、すなわ
ち弁箱68側の端部は、剛性の基体84に固定される。
基体84は固定位置に設けられ、基体84には空気通路
84aが形成される。ベローズ83の軸線方向他端部に
は、剛性の端板85が固定される。ベローズ83と基体
84と端板85とは容積可変手段を構成する。
【0054】ベローズ83内には、電磁石86および強
磁性片89が設けられる。電磁石86は、強磁性材料か
ら成るコア87と、コア87を外囲して同軸に配置され
るコイル88とを含む。コア87は、ベローズ83の軸
線83aと同軸に基体84に固定される。強磁性片89
は、たとえば鉄片であり、ベローズ83の軸線83aと
同軸に端板85に固定される。強磁性片89とコア87
の先端部とは対向して間隔L2をあけて配置される。こ
の電磁石86と強磁性片89とは電磁石手段を構成す
る。コア87の先端部にはスペーサ87aが設けられ
る。スペーサ87aは、合成樹脂またはゴムなどの非磁
性体からなり、コア87と強磁性片89との密着を防止
する。これによって、コア87と強磁性片89とを容易
に離間させることが可能となる。このように電磁石手段
がベローズ83内に配置されるので、構成を簡素化する
ことが可能であり、省スペースを図ることができる。
【0055】コイル88はリード線90を介して電磁力
励磁手段である直流電源装置91に接続される。直流電
源装置91は直流電源92と可変抵抗器91aと電流計
91bとを含む。直流電源92は、コイル88に励磁電
流を付与する。励磁電流の大きさは可変抵抗器91aに
よって可変可能である。本発明の他の実施の形態では、
基体84と端板85との間にベローズ83の容積を増大
する方向にばね力を与えるコイルばねを設けてもよい。
【0056】直流電源装置91からコイル88に励磁電
流を付与してコイル88を励磁すると、電磁石86は強
磁性片89と磁気結合して磁気吸引力を発生する。発生
した磁気吸引力は強磁性片89をベローズ83の弾発力
に打ち勝ってコア87の先端部に近接させるので、ベロ
ーズ83の内容積が小さくなり、ベローズ83内の空気
の圧力が増加する。ベローズ83内の空気の圧力が増加
すると袋体71が膨張して弁孔75を気密に塞ぐ。ベロ
ーズ83内の空気の圧力は励磁電流によって調整可能で
あり、励磁電流の大きさを大きくすれば高くなり、励磁
電流の大きさを小さくすれば低くなる。袋体71は、呼
気導入口76から導入される呼気の圧力が袋体71の内
部空気の圧力よりも高ければ収縮して弁孔75を解放
し、呼気を呼気排出口77から外部に放散する。
【0057】このように、本実施の形態の呼気弁装置6
7は、空気供給手段69の電磁石86の励磁電流の調整
によって弁孔75を塞ぐ袋体71の内部空気圧を調整可
能であるので、患者の吸気期間と呼気期間とで袋体71
の内部空気圧を異なる値に設定することができる。すな
わち、患者の吸気期間においては前記内部空気圧は吸気
圧が袋体71に作用しても弁孔75が開かないような値
に選ばれる。これによって、吸気圧が高い場合でも吸気
が吸気管路6および呼気管路11を経て呼気弁装置67
から大気中に排出されないように袋体71の内部空気圧
を設定することができる。したがって、吸気のロスを低
減することが可能となり、吸気を患者に充分に供給する
ことができる。
【0058】患者の呼気期間においては、袋体71の内
部空気圧はPEEP圧未満の呼気が袋体71に作用して
も弁孔75が開かないように、かつPEEP圧以上の呼
気が袋体71に作用するとき弁孔75が開くように設定
されるので、患者の呼気圧をPEEP圧になるように容
易に調整することが可能となる。また電磁石63に付与
される励磁電流によって袋体71の内部空気圧が調整さ
れるので、遠隔操作で、かつ患者の呼吸に同期して、応
答性良く呼気弁装置67を作動させることができる。ま
た、空気源として送風機が用いられないので、騒音問題
を解消することができる。
【0059】図13は、本発明の実施の第8形態である
呼気弁装置93の構成を簡略化して示す断面図である。
本実施の形態の呼気弁装置93は前記図12に示す呼気
弁装置67と類似し、対応する部分には同一の参照符号
を付す。注目すべきは、本実施の形態の空気供給手段9
4には、端板85に永久磁石片95が設けられ、永久磁
石片95と電磁石86のコア87との対向面の極性が相
互に逆極性になるように設定されている点である。すな
わち、たとえば前記対向面において永久磁石片95の極
性がN極に、コア87の極性がS極になるように設定さ
れる。これによって、本実施の形態における磁気吸引力
は、励磁電流が同一の場合、実施の第7形態の磁気吸引
力よりも大きい磁気吸引力を得ることが可能となり、ベ
ローズ83の変位量を大きくすることができる。したが
って、同一のベローズ83の変位量を得るために必要な
励磁電流値を小さくすることが可能となり、省電力を図
ることができる。本実施の形態のその他の構成は、実施
の第7形態の構成と同一であり、効果も同一である。
【0060】本実施の形態では、さらに前記対向面の極
性を同極性になるように設定して実施の第2形態と同様
に電磁石86と永久磁石片95との間に磁気反発力を発
生させることも可能である。コイル88に付与される励
磁電流と、電磁石86と永久磁石片95との間に発生す
る磁気吸引力または磁気反発力との関係は前記図6と同
様である。これによって、コイル88に付与される励磁
電流を制御すれば、前述のように電磁石86と永久磁石
片95との間の磁気吸引力または磁気反発力を調整する
ことができるので、磁気吸引力が発生するときにはベロ
ーズ83の内容積を小さくして袋体71の内部空気圧を
高めることができ、磁気反発力が発生するときにはベロ
ーズ83の内容積を大きくして袋体71の内部空気圧を
低下させることができる。したがって、袋体71を膨張
させて弁孔75を塞ぐことも、袋体71を収縮させて弁
孔75を開くことも可能となり、本実施の形態の呼気弁
装置93を全開および全閉が可能な開閉弁としても使用
することができる。
【0061】図14は、本発明の実施の第9形態である
呼気弁装置97の構成を簡略化して示す断面図である。
本実施の形態の呼気弁装置97は前記図12に示す呼気
弁装置67と類似し、対応する部分には同一の参照符号
を付す。注目すべきは本実施の形態では、ベローズ83
の端板85は連結接続部材98を介してベローズ83の
軸線83aの延長線上に配置された駆動手段99に連結
される。駆動手段99は、ベローズ83の端板85に連
結接続部材98を介して固定されるコイル100と、こ
のコイル100にベローズ83の軸線83a方向の移動
範囲内で直流磁界を与える永久磁石部材101とを含
む。コイル100は、軸線83aの延長線上に軸線を有
する円筒体であり、リード線90を介して直流電源装置
91に接続される。
【0062】永久磁石部材101は、一方の磁極(たと
えばN)を有する円筒状の第1磁石部材103と、他方
の磁極(たとえばS)を有する棒状の第2磁石部材10
4と、第1および第2磁石部材103,104を連結す
る連結片105とを含む。第1磁石部材103は、第2
磁石部材104の半径方向外方に間隔をあけて同軸に配
置され、コイル100は、第1磁石部材103の内周面
と第2磁石部材104の外周面との間の空間に存在す
る。連結片105は、第1および第2磁石部材103,
104のベローズ83から遠ざかった端部に配置され、
両者を連結する。永久磁石部材101は、連結部材10
6を介して基体84に連結される。第1および第2磁石
部材103,104の軸線はコイル100の軸線と同軸
である。これによって、第1および第2磁石部材10
3,104の間の空間には、半径方向に均一な磁界が形
成される。本実施の形態のその他の構成は、実施の第7
形態の構成と同一であり、効果も同一である。
【0063】このように、コイル100が磁界内に存在
するので、コイル100に直流電源装置91から直流電
流が付与されると、コイル100には、コイル100の
軸線方向の電磁力が直流電流の方向に応じて発生する。
したがって、直流電流の方向を切換えることによってベ
ローズ83はコイル100の軸線方向に往復駆動され
る。ベローズ83が移動すると、ベローズ83の内容積
が変化するので、袋体71の内部圧力を変化させること
ができる。このようにして、本実施の形態においても実
施の第7および第8形態と同様に袋体71の内部圧力を
調整可能である。
【0064】以上述べたように、図7に示す実施の第3
形態ではおねじ部材47に電磁石30が固定されている
けれども、実施の第4〜第6形態の電磁石51,56,
63を実施の第3形態のおねじ部材47に固定するよう
に構成してもよい。またベローズ83を駆動する駆動手
段の構成は、図14に示す実施の第9形態の駆動手段9
9に限定されるものではなく、他の構成、たとえば電磁
アクチュエータであってもよい。またベローズに代わっ
てダイヤフラムを用いてもよい。また、図7〜図10に
示す実施の第3〜第6形態の強磁性片21に代って永久
磁石片を設けるように構成してもよい。
【0065】図15は、図2に示す空気ポンプ4の構成
を簡略化して示す断面図である。空気ポンプ4は、ほぼ
直円筒状のベローズ111を備える。ベローズ111
は、軸線112方向(図15の左右方向)に伸縮可能で
ある。ベローズ111は、たとえばゴムまたは合成樹脂
などの材料から成り、可撓性を有する。ベローズ111
は、蛇腹状であり、その断面はジグザグに形成される。
ベローズ111の軸線方向一端部には、剛性の端板11
3が固定される。ベローズ111の軸線方向他端部は、
固定位置に設けられる基体114の基部114aに固定
される。基体114は、基部114aと連結部材114
bとを含んで構成される。外部からの空気の入口5aと
ベローズ111の内部空間115との間には、給気逆止
弁116が介在される。この給気逆止弁116は、弁座
117に着座し、また離間する弁体118と、弁体11
8を弁座117に向けてばね力を与えるばね119とを
含む。基体114の基部114aにはまた、吐出逆止弁
121が設けられる。この吐出逆止弁121は、基部1
14aに形成された弁座122とその弁座122に着座
することができる弁体123と、弁体123を弁座12
2に向けてばね力を与えるばね124とを含む。
【0066】ベローズ111を伸縮駆動するために、駆
動手段126が設けられる。この駆動手段126は、ベ
ローズ111の前記一端部の端板113に取付部材12
7を介して固定されるコイル128と、このコイル12
8に、ベローズ111の軸線112方向の移動範囲内で
直流磁界を与える磁界発生手段である永久磁石部材12
9とを含む。コイル128は、軸線112と同一軸線を
有する環状体であり、この実施の形態では、たとえば直
円筒状に形成される。永久磁石部材129は、一方の磁
極(たとえばN)を有する磁石部材131と、他方の磁
極(たとえばS)を有するもう一つの磁石部材132
と、これらの磁石部材131,132の前記軸線112
方向の一端部で連結する強磁性材料から成る連結片13
3とを含む。
【0067】磁石部材131,132は、直円筒状であ
り、磁石部材131が磁石部材132の半径方向外方に
間隔をあけて同心円状に配置される。これらの磁石部材
131,132間の空間134には、半径方向に均一な
直流磁界が形成される。この磁界内に、コイル128が
存在する。したがって、コイル128に直流電流が供給
されることによって、コイル128には、軸線112の
方向の電磁力が、フレミング左手の法則に従って発生
し、こうしてベローズ111は、軸線112方向の前後
に往復駆動される。コイル128および磁石部材13
1,132は、軸線112を共通の軸線とする。
【0068】基体114の基部114aには、直円柱状
の案内部材135の基端部が固定される。この案内部材
135は、端板113を挿通し、軸線方向外方(図15
の右方)に突出する。端板113には、案内部材135
の外周面に低摩擦力で接触する軸受137が設けられ
る。軸受137は、アキシャルベアリングであり、端板
113を案内部材135に沿って軸線112の方向に案
内する。案内部材135は、前述の軸線112と同一軸
線を有する。これによってベローズ111は、軸線11
2に垂直な半径方向の芯ずれを生じることなく、ベロー
ズ111が円滑に伸縮変位することができるようにな
る。したがって、コイル128と磁石部材131,13
2との接触を防止することができる。端板113には、
帽状のカバー138が固定され、案内部材135の遊端
部139を均一に覆う。
【0069】基体114の基部114aには、端板11
3の位置、すなわちベローズ111の前記一端部の軸線
112に沿う位置を検出する位置検出器107が設けら
れる。この位置検出器107は、たとえば端板113に
固定された強磁性材料から成る可動片と基部114aに
連結部材114bを介して固定されるコイルとを含む差
動トランスなどによって実現されてもよく、そのほかの
構成によって実現されてもよい。
【0070】駆動手段126のコイル128には、図2
に示される制御手段108によって制御される励磁電力
が供給され、これによって、コイル128に電磁力が発
生し、ベローズ111の駆動力が得られる。この駆動力
は、設定回路109によって調整自在に設定することが
できる。コイル128に励磁電流が与えられることによ
って、ベローズ111は図15の縮小位置から、カバー
138の参照符138aで示される伸長位置まで変位す
ることができ、またその逆方向に変位することができ
る。
【0071】患者が肺の換気機能を行うとき、吸気は、
ベローズ111の内部空間115内の空気が吐出逆止弁
121を経て吸気管路6から矢符7で示されるように患
者の呼吸マスクなどの装着部材8に供給される。駆動手
段126のコイル128に与えられる電流を、制御手段
108によって適切に定めることによって、吸気の圧力
を適切に設定することができる。患者の呼気が呼気管路
11を経て呼気弁装置3から大気放散されるとき、駆動
手段126は、制御手段108によって制御され、ベロ
ーズ111が図15の右方に伸長される。これによって
外部の空気は、入口5aから給気逆止弁116を経てベ
ローズ111の内部空間115に吸入される。こうして
患者の吸気と呼気との各期間に一致するようにして、空
気ポンプ4から空気が間欠的に供給されることになる。
また呼気弁装置3の電磁石30のコイル33に与えられ
る励磁電流は、吸気圧および患者のPEEP圧に応じて
設定回路109によって設定される。
【0072】患者の状態、すなわち患者が吸気状態であ
るのか、あるいは呼気状態であるのかは、図2に示す差
圧検出器110によって検出される。差圧検出器110
は、吐出逆止弁121の上流側の圧力と、下流側の圧力
との差を検出する。さらに詳しく述べると、差圧検出器
110は、ベローズ111の内部空間115の圧力と、
吸気管路6内の圧力との圧力差を検出する。すなわち、
内部空間115の圧力が吸気管路6内の圧力よりも高い
ときには、吸気状態であることが検出され、吸気管路6
内の圧力が内部空間115の圧力よりも高いときには呼
気状態であることが検出される。制御手段108は、差
圧検出器110の出力に応答し、患者の吸気と呼気との
各期間に応じてベローズ111を駆動する駆動手段12
6を制御するとともに、呼気期間中、呼気弁装置3を弁
孔18が閉状態を保つように制御する。
【0073】図16は、図2に示す人工呼吸装置1の動
作を説明するための図である。図16(1)は患者の吸
気と呼気の肺の換気機能を示す図であり、図16(2)
は空気ポンプ4の給気逆止弁116の開閉動作を示す図
であり、図16(3)は空気ポンプ4の吐出逆止弁12
1の開閉動作を示す図であり、図16(4)は呼気弁装
置3の開閉動作を示す図である。吐出逆止弁121から
吸気管路6を経て吸気が患者に供給される時刻t1〜t
2では、吐出逆止弁121が開状態であり、給気逆止弁
116および呼気弁装置3は閉状態である。この吸気期
間中においては、呼気弁装置3の弁体15には予め定め
る高圧の吸気圧が弁体15に作用しても弁孔18が開か
ないような磁気吸引力が付与される。すなわち、呼気弁
装置3の電磁石30に、このような磁気吸引力に対応す
る高励磁電流が付与される。予め定める高圧の吸気圧
は、過去の実績に基づいて最大級の圧力に設定される。
これによって、呼気期間中、呼気弁装置3の弁体解放圧
力が吸気圧以上に保たれるので、吸気の呼気弁装置3か
らの排出が防止される。すなわち、前述のように吸気管
路6に接続されている呼気管路11を経て呼気弁装置3
に導かれ、呼気弁装置3から大気中に排出される吸気の
流れが遮断される。したがって、患者に吸気を充分に供
給することができる。また呼気弁装置3の上流側に吸気
排出防止用の開閉弁を設ける必要がなくなり、装置の構
成を簡素化することが可能となる。
【0074】患者の呼気の時刻t2〜t3の期間では、
給気逆止弁116および呼気弁装置3が開状態であり、
吐出逆止弁121が閉状態である。この呼気期間中にお
いては、呼気弁装置3の弁体15には、PEEP圧未満
の呼気圧が弁体15に作用しても弁孔18が開かないよ
うな、かつPEEP圧以上の呼気圧が弁体15に作用す
ると弁孔18が開くような磁気吸引力が付与される。す
なわち、呼気弁装置3の電磁石30にこのような磁気吸
引力に対応する励磁電流が付与される。これによって、
呼気期間中、患者の呼気圧をPEEP圧に一定に保つこ
とができる。
【0075】人工呼吸装置1に設けられる呼気弁装置
は、実施の第1形態の呼気弁装置3に限定されるもので
はなく、実施の第2〜第9形態の呼気弁装置41,4
6,50,55,61,67,93,97のいずれであ
ってもよい。
【0076】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の本発明によ
れば、一部分が強磁性材料から成る弁体を電磁石との間
で発生する磁気吸引力によって弁座に着座させることが
できる。磁気吸引力は、電磁力励磁手段から与えられる
電力によって調整可能であるので、磁気吸引力を呼気お
よび吸気期間で個別に設定することができる。したがっ
て、呼気期間には磁気吸引力をPEEP圧に設定して呼
気圧をPEEP圧に保つことが可能であり、吸気期間に
は吸気圧よりも高い圧力に設定して吸気の排出を防止
し、吸気を充分に患者に供給することができる。また電
磁石によって磁気吸引力が調整されるので、応答性が良
くかつ遠隔操作が可能である。また構成が簡単であるの
で、小形化を図ることができる。
【0077】また請求項2記載の本発明によれば、弁体
本体はゴムまたは合成樹脂から成るので、弁座を気密に
塞ぐことができる。また弁体本体内に強磁性材料から成
る強磁性片が埋設されるので、電磁石との間で磁気吸引
力を発生させることができる。
【0078】また請求項3記載の本発明によれば、強磁
性片は永久磁石片であるので、永久磁石片と電磁石との
対向面の極性を相互に逆極性にして電磁石との間で、強
い磁気吸引力を発生させることができる。
【0079】また請求項4記載の本発明によれば、おね
じ部材に電磁石が固定され、おねじ部材は弁箱に形成さ
れためねじ部材と螺合して弁体の移動軸線に沿って移動
可能であるので、電磁石と弁体との間隔を調整すること
が可能となる。したがって、電磁石と弁体との間で発生
する磁気吸引力の大きさを広範囲にわたって調整するこ
とができる。
【0080】また請求項5記載の本発明によれば、電磁
石は弁箱内に設けられるので、構成を簡素化することが
可能となり、小形化を図ることができる。
【0081】また請求項6記載の本発明によれば、電磁
石のコアが弁箱外に突出し、突出したコアを外囲してコ
イルが配置されるので、リード線の配線を容易に行うこ
とが可能となる。
【0082】また請求項7記載の本発明によれば、弁箱
内に電磁石の第1コアが設けられ、弁箱外に突出して第
2コアが設けられ、第1コアと第2コアとが電気絶縁体
を介して連結され、第2コアを外囲してコイルが配置さ
れるので、第2コアおよびコイルの取外しが容易であ
り、メンテナンス性を向上することができる。
【0083】また請求項8記載の本発明によれば、コイ
ルがコアの外周面と磁力発生部材の内周面との間の空
間、すなわち強磁性材料によって囲まれた空間に配置さ
れるので、電磁石から発生する磁力の大きさを増大する
ことができる。
【0084】また請求項9記載の本発明によれば、可撓
性を有する材料から成る袋体を空気供給手段からの空気
によって膨張させて弁座に着座させることができる。空
気の圧力は空気供給手段によって調整可能であるので、
呼気および吸気期間で個別に予め定める値に設定するこ
とができる。したがって、呼気期間には空気圧をPEE
P圧に設定して呼気圧をPEEP圧に保つことが可能で
あり、吸気期間には吸気圧よりも高い圧力に設定して吸
気の排出を防止し、吸気を充分に患者に供給することが
可能となる。
【0085】また請求項10記載の本発明によれば、電
磁石手段の電磁力によって容積可変手段の容積を変化さ
せることができるので、袋体に供給される空気の圧力を
応答性良く、かつ遠隔操作によって調整することができ
る。
【0086】また請求項11記載の本発明によれば、強
磁性片として永久磁石片が設けられ、ベローズを電磁石
と永久磁石片との間の磁気吸引力で伸縮させることによ
って袋体に空気を供給することができるので、簡単な構
成で確実に袋体に供給される空気の圧力を調整すること
が可能である。
【0087】また請求項12記載の本発明によれば、磁
界発生手段によって可動コイルに電磁力を発生して可動
コイルを駆動し、ベローズを伸縮させることができる。
これによって、簡単な構成で確実にベローズを駆動する
ことができるので、袋体に供給される空気の圧力を調整
することができる。
【0088】また請求項13記載の本発明によれば、吸
気管路は空気ポンプと患者の装着部材とを接続し、呼気
管路は吸気管路の途中位置から分岐し、呼気管路の先端
部には呼気弁装置が設けられている。吸気期間中、制御
手段によって呼気弁装置の弁体解放圧力が吸気圧以上に
なるように制御が行われるので、吸気圧が高くても吸気
の呼気弁装置からの排出が防止される。これによって、
患者に充分に吸気を供給することができる。また呼気管
路に吸気排出防止用の開閉弁を設ける必要がなくなり、
装置の構成を簡素化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態である人工呼吸装置用
呼気弁装置3の構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1に示す呼気弁装置3を備える人工呼吸装置
1の全体の構成を示す系統図である。
【図3】図1に示す弁体15の構成を簡略化して示す断
面図である。
【図4】図3の切断面線IV−IVから見た断面図であ
る。
【図5】本発明の実施の第2形態である呼気弁装置41
の構成を簡略化して示す断面図である。
【図6】図5に示すコイル33に付与される励磁電流
と、電磁石30と永久磁石片44との間に発生する磁気
吸引力または磁気反発力との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の第3形態である呼気弁装置46
の構成を簡略化して示す断面図である。
【図8】本発明の実施の第4形態である呼気弁装置50
の構成を簡略化して示す断面図である。
【図9】本発明の実施の第5形態である呼気弁装置55
の構成を簡略化して示す断面図である。
【図10】本発明の実施の第6形態である呼気弁装置6
1の構成を簡略化して示す断面図である。
【図11】図10の切断面線XI−XIから見た断面図
である。
【図12】本発明の実施の第7形態である呼気弁装置6
7の構成を簡略化して示す断面図である。
【図13】本発明の実施の第8形態である呼気弁装置9
3の構成を簡略化して示す断面図である。
【図14】本発明の実施の第9形態である呼気弁装置9
7の構成を簡略化して示す断面図である。
【図15】図2に示す空気ポンプ4の構成を簡略化して
示す断面図である。
【図16】図2に示す人工呼吸装置1の動作を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 人工呼吸装置 3,41,46,50,55,61,67,93,97
呼気弁装置 4 空気ポンプ 6 吸気管路 8 装着部材 11 呼気管路 13 弁箱 15,43 弁体 16,73 弁座 18,75 弁孔 21,89 強磁性片 27,76 呼気導入口 28,77 呼気排出口 30,51,56,63,86 電磁石 36,91 直流電源装置 44,101 永久磁石片 83,111 ベローズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽我 一利 兵庫県神戸市西区高塚台3丁目2番地16 川重防災工業株式会社神戸本社・本社工場 内 (72)発明者 石井 弘一 兵庫県神戸市西区高塚台3丁目2番地16 川重防災工業株式会社神戸本社・本社工場 内 Fターム(参考) 3H106 DA03 DA26 DB02 DB12 DB23 DB32 DC02 DD02 EE48 FB11 GA15 HH10 KK01 KK04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁箱と、 弁箱内に形成される弁室内で予め定める移動方向に延び
    る移動軸線に沿って往復変位可能に設けられる少なくと
    も一部分が強磁性材料から成る弁体と、 弁孔が形成され、弁体が着座および離間する弁座であっ
    て、弁孔には弁体とは反対側から呼気が導かれる弁座
    と、 弁体との間で磁気吸引力を発生する電磁石と、 電磁石に前記磁気吸引力に対応した電力を調整可能に与
    える電磁力励磁手段とを含むことを特徴とする人工呼吸
    装置用呼気弁装置。
  2. 【請求項2】 弁体は、 弾発性を有するゴムまたは合成樹脂から成る弁体本体
    と、 弁体本体内で前記移動軸線上に埋設される強磁性材料か
    ら成る強磁性片とを含むことを特徴とする請求項1記載
    の人工呼吸装置用呼気弁装置。
  3. 【請求項3】 強磁性片は永久磁石片であって、電磁石
    はこの永久磁石片との間で磁気吸引力が発生する極性と
    なるように電磁力励磁手段によって励磁されることを特
    徴とする請求項2記載の人工呼吸装置用呼気弁装置。
  4. 【請求項4】 弁箱には、めねじ部材が形成されてお
    り、 めねじ部材に螺合するおねじ部材であって、弁体の移動
    軸線の延長線上に軸線を有し、前記電磁石を固定し、移
    動軸線に沿って移動可能なおねじ部材をさらに含むこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の人工呼吸
    装置用呼気弁装置。
  5. 【請求項5】 電磁石は、 弁箱内に設けられ、弁体の移動軸線の延長線上に軸線を
    有する強磁性材料から成る棒状のコアと、 コアを外囲して同軸に配置されるコイルとを含むことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の人工呼吸装
    置用呼気弁装置。
  6. 【請求項6】 電磁石は、 弁体の移動軸線の延長線上に軸線を有し、一端部が弁箱
    内に延び、他端部が弁箱外に突出して延びる強磁性材料
    から成る単一の棒状のコアと、 弁箱外に突出したコアを外囲して同軸に配置されるコイ
    ルとを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の人工呼吸装置用呼気弁装置。
  7. 【請求項7】 電磁石は、 弁箱内に設けられ、弁体の移動軸線の延長線上に軸線を
    有する強磁性材料から成る棒状の第1コアと、 弁箱外に突出して設けられ、第1コアの軸線の延長線上
    に軸線を有し、電気絶縁体を介して第1コアと連結され
    る第2コアと、 第2コアを外囲して同軸に配置されるコイルとを含むこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の人工呼
    吸装置用呼気弁装置。
  8. 【請求項8】 電磁石は、 弁箱内に設けられ、弁体の移動軸線の延長線上に軸線を
    有する強磁性材料から成る棒状のコアと、 コアの外周面から半径方向外方に間隔をあけてコアと同
    軸に配置される強磁性材料から成る円筒状の磁力発生部
    材と、 コアの弁体から遠ざかった端部と磁力発生部材の弁体か
    ら遠ざかった端部とを連結する強磁性材料から成る連結
    部材と、 コアの外周面と磁力発生部材の内周面との間の空間に配
    置されるコイルとを含むことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の人工呼吸装置用呼気弁装置。
  9. 【請求項9】 弁箱と、 弁箱内に設けられ、膨張および収縮が可能な可撓性を有
    する材料から成る袋体と、 弁孔が形成され、袋体が膨張時に着座して塞ぎ、収縮時
    に離間して解放する弁座であって、弁孔には袋体とは反
    対側から呼気が導かれる弁座と、 袋体に予め定める圧力の空気を調整可能に供給する空気
    供給手段とを含むことを特徴とする人工呼吸装置用呼気
    弁装置。
  10. 【請求項10】 前記空気供給手段は、 容積が可変の密閉空間を有し、袋体に通路を介して接続
    される容積可変手段と、 容積可変手段の容積を電磁力によって変化させる電磁石
    手段と、 電磁石手段に前記予め定める空気圧力に対応した電力を
    調整可能に与える電磁力励磁手段とを含むことを特徴と
    する請求項9記載の人工呼吸装置用呼気弁装置。
  11. 【請求項11】 前記容積可変手段は、 予め定める軸線方向に伸縮可能なベローズと、 ベローズの軸線方向一端部が固定され、空気通路を有す
    る基体とを含み、 前記電磁石手段は、 ベローズ内に設けられ、ベローズの他端部で、かつベロ
    ーズの軸線上に取付けられる強磁性材料から成る強磁性
    片と、 ベローズ内にベローズの軸線と同軸に強磁性片と対向し
    て設けられ、強磁性片と磁気結合して磁気吸引力を発生
    する電磁石とを含むことを特徴とする請求項10記載の
    人工呼吸装置用呼気弁装置。
  12. 【請求項12】 前記空気供給手段は、 予め定める軸線方向に伸縮可能なほぼ筒状のベローズ
    と、 ベローズの軸線方向一端部が固定され、空気通路を有す
    る基体と、 ベローズの軸線方向他端部に固定される可動コイルと、 可動コイルの移動領域内でベローズの軸線方向に垂直な
    磁界を発生し、可動コイルに電磁力を発生する磁界発生
    手段とを含むことを特徴とする請求項9記載の人工呼吸
    装置用呼気弁装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のうちのいずれか1つ
    の呼気弁装置と、 患者に吸気を吐出逆止弁を介して供給する空気ポンプ
    と、 患者の口または鼻の少なくとも一方に装着される装着部
    材と、 空気ポンプの吐出逆止弁と装着部材とを接続し、患者に
    空気ポンプからの吸気を導く吸気管路と、 吸気管路の途中位置から分岐し、先端部に呼気弁装置を
    設け、呼気弁装置に患者の呼気を導く呼気管路と、 吐出逆止弁の上流側および下流側における空気の圧力の
    差を検出する差圧検出手段と、 吸気期間中は呼気弁装置の弁孔を閉じるように制御する
    制御手段とを含むことを特徴とする人工呼吸気装置。
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