JP2002136596A - 麻酔装置 - Google Patents

麻酔装置

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JP2002136596A
JP2002136596A JP2000331529A JP2000331529A JP2002136596A JP 2002136596 A JP2002136596 A JP 2002136596A JP 2000331529 A JP2000331529 A JP 2000331529A JP 2000331529 A JP2000331529 A JP 2000331529A JP 2002136596 A JP2002136596 A JP 2002136596A
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豊城 釘宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある時点で患者の体内にどれだけの麻酔剤が
蓄積しているか、あるいは供給する麻酔剤の濃度をどの
ように変化させると、何分後には体内の蓄積量がどう変
化するかを推定する。 【解決手段】 ミキシングチャンバ−26、28にそれ
ぞれ設けた麻酔ガスセンサ−43a、43b及び流量セ
ンサ−37の検出値から、演算部14にて、麻酔剤出納
バランスを演算し、こうして得られた麻酔ガス出納バラ
ンスの演算値を、患者シミュレータ53にて積算して患
者における麻酔剤の体内蓄積量を算出するとともに、そ
れら麻酔剤の体内蓄積量が、患者の身体の複数に分かれ
たコンパートメントにどのように分布しているかを算出
し、それを表示部15で表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人または動物に対
して吸入麻酔をかけるための麻酔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在手術が安全に行われるようになった
のは、麻酔技術の進歩に負うところが大きい。しかし、
ほぼ完成されたように思われがちな麻酔装置は、いまだ
大きな問題を抱えている。
【0003】現在、わが国の麻酔方法は、半閉鎖麻酔
(高流量麻酔)が主流であって、麻酔ガス供給手段であ
る麻酔器本体から麻酔循環回路に供給される毎分5〜8
リットルの新鮮麻酔ガスは、そのほとんどが患者に摂取
されることなく、麻酔循環回路の外部に捨てられてい
た。近年は、この捨てられた麻酔ガスを手術室から排除
するのを目的とした吸引システムが普及しているので、
手術室において手術スタッフが麻酔ガスを吸ってしまう
という危険性はなくなったが、吸引された余剰麻酔ガス
は大気中に排出されるので、麻酔ガスとして含まれてい
る笑気ガスや、フロン系の麻酔ガス(ハロタン、イソフ
ルラン等)がオゾン層を破壊したり、地球温暖化の原因
になるという新しい問題が指摘されている。
【0004】この問題を緩和する有力な方法として、麻
酔器本体から供給される新鮮ガスの流量を、毎分2リッ
トル以下に下げる、いわゆる低流量麻酔が紹介されてい
る。しかしながら、従来の麻酔装置において、この低流
量麻酔を採用しようとしても、新鮮ガスの成分と麻酔循
環回路内の成分とに差が生じ、患者に適切な換気条件と
麻酔深度の維持を図るための操作が、半閉鎖麻酔を行う
場合に比べて非常に煩雑となり、実際には採用できにく
いという事情があった。
【0005】そこで、本発明者等は、低流量麻酔を実現
するには、患者の代謝を直接モニタすることが必須であ
ると判断し、麻酔循環回路中の呼気流路及び吸気流路に
それぞれ設けたミキシングチャンバ−に、酸素センサ
−、炭酸ガスセンサ−、麻酔ガスセンサ−をそれぞれ設
けるとともに、前記呼気流路と吸気流路を患者に接続す
る呼吸回路中に流量センサ−を設け、酸素センサ−、炭
酸ガスセンサ−及び流量センサ−の検出値から、麻酔中
の患者の各呼吸ごとの酸素摂取量、炭酸ガス排出量を演
算するとともに、麻酔ガスセンサ−及び流量センサ−の
検出値から、麻酔剤出納バランスを演算し、それらの演
算値を基に、前記麻酔器本体から前記麻酔循環回路に供
給する新鮮ガスの量、成分比及び人工呼吸器の換気量を
決定して患者に麻酔を施すことが重要であることを発見
し、特願平11−280687号として特許出願した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特許出願した発明
では、酸素、炭酸ガスおよび麻酔ガスが患者の体内に摂
取される量、あるいは排出される量を把握できるため、
患者の状態を的確に判断することができ、低流量麻酔を
従来よりも安全かつ容易に施行できるようになった。し
かし、以下の点において問題があり、改良の余地が残さ
れている。すなわち、上記特許出願した発明では、代謝
モニタ−より得られるデ−タ−が、あくまでもその時点
での摂取量あるいは排出量を示すのみであり、酸素や炭
酸ガスと異なり、体内に蓄積することになる麻酔剤につ
いては、その時点で患者の体内にどれだけの麻酔剤が蓄
積しているか、あるいは供給する麻酔剤の濃度をどのよ
うに変化させると、何分後には体内の蓄積量がどう変化
するかということは、全く判断できないという問題が残
っていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ある時点で患者の体内にどれだけの麻酔剤が蓄積し
ているか、あるいは供給する麻酔剤の濃度をどのように
変化させると、何分後には体内の蓄積量がどう変化する
かが容易に推定できる麻酔装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、以下の点を特徴としている。すなわち、
請求項1にかかる麻酔装置は、少なくとも笑気ガスと酸
素ガスと揮発性麻酔剤を混合して供給する麻酔器本体
と、該麻酔器本体から供給される、前記笑気ガスと酸素
ガスと揮発性麻酔剤を含んだ新鮮ガスを、患者の呼気か
ら炭酸ガスを吸収除去した後の循環気に混入し、該循環
気と前記新鮮ガスとを混合して吸気として患者に送る麻
酔循環回路とを備え、該麻酔循環回路から麻酔ガスを含
んだ吸気を患者に送って該患者に麻酔を施す麻酔装置に
おいて、前記麻酔循環回路中の呼気流路及び吸気流路中
にそれぞれミキシングチャンバ−を設け、それら各ミキ
シングチャンバ−に、酸素センサ−、炭酸ガスセンサ
−、麻酔ガスセンサ−を設け、前記呼気流路と吸気流路
を患者に接続する呼吸回路中に流量センサ−を設け、前
記酸素センサ−、炭酸ガスセンサ−、麻酔ガスセンサ−
及び流量センサにそれぞれ電気的に接続され、酸素セン
サ、炭酸ガスセンサ及び流量センサの検出値から、麻酔
中の患者の各呼吸毎の酸素摂取量、炭酸ガス排出量を演
算するとともに、麻酔ガスセンサ及び流量センサの検出
値から麻酔ガス出納バランスを演算する演算部を設け、
前記麻酔循環回路に、麻酔ガス分析装置に接続されるガ
スサンプリングコネクタを設け、前記麻酔ガス分析装置
と前記演算部にそれぞれ電気的に接続され、前記演算部
で演算された麻酔ガス出納バランスの演算値を積算して
前記患者における麻酔剤の体内蓄積量を算出する患者シ
ミュレータを設けたことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の麻酔装置は、請求項1記載
の麻酔装置において、前記患者シミュレータは、前記患
者における麻酔剤の体内蓄積量を算出するとともに、そ
れら麻酔剤の体内蓄積量が、患者の身体の複数に分かれ
たコンパートメントにどのように分布しているかを算出
する構成とされていることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の麻酔装置は、請求項2記載
の麻酔装置において、前記患者シミュレータに接続さ
れ、該患者シミュレータで算出された、麻酔剤が患者の
身体の複数に分かれたコンパートメントにどのように分
布して蓄積されているかを表示する表示部を設けたこと
を特徴としている。
【0011】請求項4記載の麻酔装置は、請求項2また
は3記載の麻酔装置において、前記患者シミュレータに
は、該患者シミュレータで算出された値と実測された値
との差を基に、麻酔剤が前記患者の身体の複数に分かれ
たコンパートメントにどのように分布して蓄積されてい
るかを算出する算出式を修正する修正プログラムが組み
込まれていることを特徴としている。
【0012】本発明によれば、患者シミュレータによっ
て、演算部で演算された麻酔ガス出納バランスの演算値
を積算して患者における麻酔剤の体内蓄積量を算出し得
るから、ある時点で患者の体内にどれだけの麻酔剤が蓄
積しているかを容易に知ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態を
示す麻酔装置全体の構成図である。この図に示すよう
に、麻酔装置1は、少なくとも笑気ガスと酸素ガスと揮
発性麻酔剤を混合して供給する麻酔器本体2と、該麻酔
器本体2から供給される、笑気ガスと酸素ガスと揮発性
麻酔剤を含んだ新鮮ガスを、患者Aの呼気から炭酸ガス
を吸収除去した後の循環気に混入し、該混入気と前記新
鮮ガスとを混合したものを吸気として患者Aに送る麻酔
循環回路3に大きく分けられる。
【0014】麻酔器本体2は、酸素ガス、笑気ガスおよ
び空気を供給するガス供給部10と、ガス供給部10か
ら供給されるガスの流量を制御・測定する流量計11
と、前記ガス中に揮発性麻酔剤を気化した状態で供給す
る気化器12とを備える。なお、気化器12は、必ずし
も麻酔器本体2に備える必要はなく、麻酔循環回路3内
に備えてもよい。
【0015】前記ガス供給部10は外部から供給される
酸素ガス、笑気ガス、空気の圧力調整を行うとともに、
そのときの圧力を表示するものである。なお、酸素ガス
の供給が不十分なときには、笑気ガスの供給を自動的に
停止できるようになっている。前記流量計11は、従来
から用いられているロータメータ式流量計を用いても良
いが、精度の良い計測が可能である点から、マスフロー
メータによる電子流量計を用いるのが好ましい。また、
その中でも低流量麻酔に対応できるよう、毎分2リット
ル以下の流量範囲で高精度に計測できるものが、より好
ましい。
【0016】前記気化器12は、揮発性麻酔剤である、
ハロタン、エンフルラン、イソフルラン、セボフルラ
ン、及び近年注目されているデスフルラン等を、所定の
濃度となるように微量注入ポンプにて気化室に送り、こ
こで気化した揮発性麻酔剤を、前記ガス供給部10から
送られてくる麻酔ガスと混合させるものである。なお、
麻酔器本体2には、ここでは、圧力センサ−13、演算
部14、及び表示部15を備えるが、これらについて
は、後で詳しく説明する。
【0017】麻酔循環回路3は、前記麻酔器本体2から
供給される、揮発性麻酔剤を含んだ新鮮ガス(麻酔ガ
ス)を患者Aの呼気から炭酸ガスを吸収除去した後の循
環気に混入し、該混入気と前記新鮮ガスとを混合したも
のを吸気として患者Aに送るものである。麻酔循環回路
3は、患者Aへ供給する吸気が流れ込む吸気流路21
と、患者Aからの呼気が流れ込む呼気流路22と、それ
ら吸気流路21及び呼気流路22と患者Aを接続する呼
吸回路23からなる。呼吸回路23は、同軸状の二重管
構造のものを使用しても良い。
【0018】前記吸気流路21には、吸気弁25及びミ
キシングチャンバ−26が患者Aに遠い方から患者Aに
近付く方へ順に設けられ、吸気流路21の患者Aと接続
される側の反対側の端部は、前記麻酔器本体2から麻酔
ガスを供給される流路2aと合流するとともに前記呼気
流路22の端部に接続される。
【0019】ミキシングチャンバ−26は、従来みられ
たような流路中のガスを全てチャンバ−内に混入させて
ガスの濃度を平均化するものではなく、特公平2−16
148号公報に開示されているように、流路内を流れる
呼吸気の総流量とたえず一定の比率で変化する少量の分
流をバイパス流路を介してチャンバ−内に混入させて、
濃度を平均化させるものである。これにより、ガス濃度
を平均化する機能を失うことなく、小型化が図れ、ひい
ては装置全体のコンパクト化を無理なく図れるものであ
る。なお、後述する呼気側のミキシングチャンバ−28
も同様な構造のものを用いている。
【0020】吸気弁25は、炭酸ガス吸収キャニスタ−
32からミキシングチャンバ−26側へのガスの流れは
許容するもののその逆の流れは規制するものである。前
記呼気流路22には、ミキシングチャンバ−28、呼気
弁29、リリーフ弁30、バッグ31及び炭酸ガス吸収
キャニスタ−32が、及び麻酔剤吸収キャニスタ−33
が患者Aから離れる方向へ順に設けられていて、炭酸ガ
ス吸収キャニスタ−32には麻酔剤吸収キャニスタ−3
3が並設されており、必要なときに切り換えられるよう
になっている。
【0021】呼気弁29は、ミキシングチャンバ−28
からバッグ31側へのガスの流れは許容するもののその
逆の流れは規制するものである。リリーフ弁30は、呼
気流路22の圧力が所定圧以上になるときに、流路22
内の圧力を開放しそれ以上圧力が上がるのを規制するも
のである。バッグ31は患者Aへ吸気を送り込むための
圧縮可能な袋状のものであり、患者Aへ送る吸気の供給
量に応じて種々の大きさのものが用意されていて適宜交
換可能となっている。
【0022】炭酸ガス吸収キャニスタ−32は、患者A
の呼気から炭酸ガスを吸収除去するものであり、内部に
は、ソーダライムなどの炭酸ガス吸収剤が充填されてい
る。なお、低流量麻酔の場合には、炭酸ガス吸収量が多
くなるので、容量の大きなものが利用される。麻酔剤吸
収キャニスタ−33は、患者Aの呼気から過剰な麻酔剤
を吸収除去するものであり、これにより、万一、麻酔が
深くなり過ぎた場合にも、急激にその濃度を下げられる
ものである。
【0023】また、バッグ31の呼気流路22との接続
部分には3方弁35が設けられ、この3方弁35によっ
て、呼気流路22をバッグ31と人工呼吸器36の何れ
かに切換接続できるようになっている。人工呼吸器36
は、容量を制御対象とした容量リミット式と、圧力を制
御対象とした圧力リミット式の何れも選択できるように
なっている。また、人工呼吸器36には、余剰ガスを排
出するための排出口(図示せず)が設けられている。
【0024】呼吸回路23には、流量センサ−37が設
けられている。流量センサ−37は、呼気流路22及び
吸気流路21の流速を測定するものであり、その検出値
を積分することにより換気量が決定される。なお、流量
センサ−37は、呼気流路22あるいは吸気流路21の
それぞれに設けることもできるが、双方向の流量を測定
できる流量センサを使用すれば、この実施の形態のよう
に、一つの流量センサーで測定が可能となる。また、呼
吸回路23には前記圧力センサ−13が接続され、呼気
及び吸気の圧力も測定できるようになっている。これに
より、正確に換気量を決定するときの圧力補正が可能と
なる。
【0025】また、前記吸気側及び呼気側ミキシングチ
ャンバ−26、28には、酸素センサ−41a、41
b、炭酸ガスセンサ−42a、42b、麻酔ガスセンサ
−43a、43bがそれぞれ設けられている。これら各
センサ−は、前記麻酔器本体2に設けられた演算部14
に電気的に接続されている。演算部14では、これらセ
ンサ−からの検出値並びに流量センサ−37からの検出
値を基に、麻酔中の患者Aの各呼吸毎の酸素摂取量、炭
酸ガス排出量を演算するとともに、麻酔ガスセンサ−4
3a、43bの検出値及び流量センサ−37からの検出
値を基に、麻酔ガス出納バランスを演算する。そして、
それらの演算値は、演算部14に接続されている表示部
15によって表示されるようになっている。なお、酸素
センサ−41a、41b、炭酸ガスセンサ−42a、4
2b、麻酔ガスセンサ−43a、43bは、必ずしもミ
キシングチャンバー26、28内に設ける必要はなく、
例えば、他の箇所に置き、ミキシングチャンバー26、
28よりガスを連続的にサンプリングして測定すること
もできる。
【0026】酸素センサ−41a、41bには、ガルパ
ニ法や、ポヲロブラフィ法等があるが、レスポンスが速
いという観点から、パラマグネティック方式のものを用
いるのが好ましい。炭酸ガスセンサ−42a、42bに
は、小型であるという観点から、赤外線吸収式のものよ
りも高分子複合膜式のものを用いるのが好ましい。
【0027】ここで、上記麻酔装置を用いた麻酔方法に
ついて説明すると、麻酔器本体2のガス供給部10に
は、外部から酸素ガス、笑気ガス及び空気が供給され、
ここで圧力が調整される。麻酔ガスは流量計11でその
流量が測定され、予め設定された値になっているか否か
判定される。流量計で測定された所定流量の麻酔ガス
は、気化器12にて揮発性麻酔剤を混入され、流路2a
を通して麻酔循環回路3に供給される。麻酔循環回路3
では、バック31あるいは人工呼吸器36によって一定
流量の循環気が所定圧で患者A側に供給される。
【0028】具体的には、バック31あるいは人工呼吸
器36から供給される循環気は、炭酸ガスキャニスター
32にてそこに含まれる炭酸ガスが吸収除去され、ま
た、同時に、必要に応じ麻酔剤吸収キャニスター33に
よって過剰な麻酔剤が吸収除去される。その後、循環気
には前記麻酔器本体2から供給される揮発性麻酔剤を含
む麻酔ガスが混入され、吸気流路21を通じて吸気弁2
5及びミキシングチャンバー26を通じて、呼吸回路2
3に至り、そこから吸気の形で患者Aに供給される。ま
た、患者Aから吐き出される呼気は、呼吸回路23から
呼気流路22に至り、ミキシングチャンバー28、呼気
弁29を経て再びバック31あるいは人工呼吸器36へ
戻される。以上が一連の循環気の流れであって、これが
繰り返し連続的に流れる。
【0029】上記の麻酔装置の呼気あるいは吸気の流れ
の中で、吸気流路21及び呼気流路22中に介装された
それぞれミキシングチャンバー26、28に設けた酸素
センサ41a、41b及び炭酸ガスセンサ42a、42
bの検出値、並びに、呼吸回路23に設けた流量センサ
37の検出値を基に、演算部14にて麻酔中の患者Aの
各呼吸毎の酸素摂取量、炭酸ガス排出量が演算される。
例えば、酸素摂取量を求めるには、吸気側の酸素センサ
41aの検出値と呼気側の酸素センサ41bの検出値と
の差(濃度差)を求め、それに流量センサ37の検出値
から得られる換気量を乗じることによって、容易に求め
ることができる。なお、換気量は圧力センサ13からの
検出値に基づいて圧力補正がなされる。炭酸ガス排出量
についても同様な手法によって求めることができる。
【0030】そして、このようにして求めた患者Aの代
謝の状態を示す指標である、各呼吸毎の酸素摂取量、炭
酸ガス排出量は、表示部15にて逐一表示される。ま
た、患者Aの代謝の状態を表す諸特性の一つとして呼吸
商RQがある。これは、炭酸ガス排出量と酸素摂取量と
の比を言うが、この呼吸商RQは、細胞内で燃焼される
ものの種類(代謝される基質)によって変化する。例え
ば、グルコースの呼吸商は1.0であり、脂質の呼吸商
は約0.7であり、蛋白質の呼吸商は約0.8である。
この呼吸商も演算部14にて演算し、表示部15によっ
て表示する。呼吸商の変化によっても換気需要量が変化
することが知られており、この点で、呼吸商を表示する
のは意味があるからである。また、呼気流路及び吸気流
路中のミキシングチャンバー26、28に設けた麻酔ガ
スセンサ43a、43bの検出値の差に、流量センサ3
7の検出値から得られる換気量を乗じることによって、
麻酔ガス出納バランスを求めることができる。この麻酔
ガスの出納バランス値は前記演算部14で演算され、各
呼吸毎に表示部15にて表示される。
【0031】一方、前記呼吸回路23には、できるだけ
患者Aと近い位置にガスサンプリングコネクタ51が設
けられている。ガスサンプリングコネクタ51は、麻酔
ガス分析装置52に接続され、麻酔ガス分析装置52に
内蔵された吸引ポンプにより、呼吸回路23中のガスは
絶えずサンプリングされている。麻酔ガス分析装置52
は、笑気ガスおよび揮発性麻酔剤であるハロタン、エン
フルラン、イソフルラン、およびセボフルラン等の濃度
を測定するものであり、通常は赤外線吸収原理を応用し
たものが使用される。測定を終わったサンプリングガス
は、麻酔循環回路の適当なところ、例えば、呼気流路2
2のミキシングチャンバ−28と呼気弁29との間に戻
される。
【0032】麻酔ガス分析装置52により連続的に測定
されている麻酔ガス濃度デ−タは演算部14に送られ、
患者シミュレ−タ53において、麻酔剤の体内分布状態
が計算され、さらに脳内麻酔剤濃度(麻酔深度)の予測を
行う。つまり、患者シミュレータ53は、患者Aにおけ
る麻酔剤の体内蓄積量を算出するとともに、それら麻酔
剤の体内蓄積量が、患者Aの身体の複数に分かれたコン
パートメントにどのように分布しているかを算出し得る
ようになっている。また、患者シミュレータ53には前
記表示部15が電気的に接続され、この表示部15によ
って患者シミュレータ53で算出された、麻酔剤が患者
の身体の複数に分かれたコンパートメントにどのように
分布して蓄積されているかを表示し得るようになってい
る。
【0033】さらに、患者シミュレータ53には、該患
者シミュレータ53で算出された値と実測された値との
差を基に、麻酔剤が前記患者の身体の複数に分かれたコ
ンパートメントにどのように分布して蓄積されているか
を算出する算出式を修正する修正プログラムが組み込ま
れている。
【0034】ここで、患者シミュレ−タ53の機能を詳
細に説明する。患者シミュレ−タ53は、身体をコンパ
−トメントモデルとして考えることによって、構築され
る。分かりやすくするために、図2のように、身体を一
つのコンパ−トメントと考えてみる。
【0035】肺胞換気量をVAとし、肺において気相と
身体のコンパ−トメントは完全な分圧平衡に達するもの
とする。すなわち、任意の時刻tにおいて、肺胞のガス
分圧PA(t)は身体のガス分圧Pb(t)と等しいの
で、次の式が成り立つ。 PA(t)=Pb(t)
【0036】また、任意の時刻tにおいて、ガス相の濃
度FA(t)と身体の相の濃度Fb(t)との間には、 FA(t)/Fb(t)=λ という関係が成立する。λは、その物質の溶解度を示す
指標の一つであり、分配係数といわれる。
【0037】容積Vの身体の相の濃度Fb(t)は、吸
気濃度をFIとすると、次のような微分方程式であらわ
される。 V{dFb(t)/dt}={FI−FA(t)}VA これを解くと、次のような解が得られる。 FA(t)/FI=1−exp [−t・VA/(λ・V)]
【0038】以上は、患者シミュレ−タ−の原理を判り
やすく説明するためのものであり、実際には、身体は、
少なくとも次のように、4つのコンパ−トメントに分け
て考える必要がある。 主臓器コンパ−トメント 骨・腱コンパ−トメント 筋肉コンパ−トメント 脂肪コンパ−トメント
【0039】図3において、吸入麻酔剤は、麻酔器本体
2から麻酔循環回路3に入り、換気によって肺55に移
動し、ここで摂取されて動脈血に入り、血液によって4
つのコンパ−トメントに分配される。
【0040】主臓器コンパ−トメント56は、脳、心
臓、肝臓、腎臓等の実質臓器であり、容積は小さいが、
血流が多く、まず初めに麻酔剤が蓄積する部分である。
骨・腱コンパ−トメント57は、容積も血流も小さく、
あまり重要ではない。筋肉コンパ−トメント58は、容
積が大きいが血流はあまり豊かでないので、麻酔剤の蓄
積はかなり遅い。脂肪コンパ−トメント59は、容積が
大きいが血流は乏しく、溶解度λは高いので麻酔剤の蓄
積は極めて遅い。
【0041】4つのコンパ−トメントモデルにおいて、
次のように定義する。 総血液量(心拍出量):Q 主臓器コンパ−トメントへ流れる血流量:Qvrg 骨・腱コンパ−トメントへ流れる血流量:Qvpg 筋肉コンパ−トメントへ流れる血流量:Qmg 脂肪コンパ−トメントへ流れる血流量:Qfg 主臓器コンパ−トメント容積:Vvrg 骨・腱コンパ−トメント容積:Vvpg 筋肉コンパ−トメント容積:Vmg 脂肪コンパ−トメント容積:Vfg 血液分配係数:λblood 主臓器コンパ−トメント分配係数:λvrg 骨・腱コンパ−トメント分配係数:λvpg 筋肉コンパ−トメント分配係数:λmg 脂肪コンパ−トメント分配係数:λfg
【0042】図3において、肺の部分のコンパ−トメン
トモデル解析は、前述の身体を一つのコンパ−トメント
と見た場合と同じに考えればよい。この場合、容積Vは
総血流量Qと考えられるので、次のような解が得られ
る。 FA(t)/FI=1−exp [−t・VA/(λblood・
Q)]
【0043】次に、主臓器コンパ−トメントを考える
と、VAは、この場合Qvrgと見なせるので、次のような
式が導き出される。 Fblood(t)/FA(t)=1−exp [−t・Qvrg/
(λvrg・Vvrg)]
【0044】なお、血液中の濃度Fblood(t)と主臓
器コンパ−トメント中の濃度Fvrg(t)との間には、 Fblood(t)/Fvrg(t)=λveg という関係があるので、上記の二つの式により、主臓器
コンパ−トメント56中の濃度Fvrgを求めることがで
きるわけである。後述するように、麻酔の深度は脳内麻
酔剤濃度を指標とするが、脳は主臓器の代表的なものと
されるので、主臓器コンパ−トメント56の麻酔剤濃度
Fvrgが麻酔深度を表すものとする。一方、麻酔の維持
時においては、終末呼気中の麻酔剤濃度が、ほぼ脳内麻
酔剤濃度を示すことが医学的に確認されているので、患
者シミュレ−タ−により、終末呼気中の麻酔剤濃度が予
測できることになる。
【0045】骨・腱コンパ−トメント57、筋肉コンパ
−トメント58、脂肪コンパ−トメント59についても
同様の式が得られ、それぞれのコンパ−トメントの濃度
Fvpg、Fmg、Ffgを求めることができる。
【0046】前述したように本麻酔装置においては、代
謝モニタ−が内蔵されている。すなわち、麻酔循環回路
中3の吸気流路21及び呼気流路22にそれぞれ設けた
ミキシングチャンバ−26、28に、麻酔ガスセンサ−
43a、43bをそれぞれ設けるとともに、前記吸気流
路21と呼気流路22を患者に接続する呼吸回路21中
に流量センサ−37を設け、麻酔ガスセンサ−43a、
43b及び流量センサ−37の検出値から、麻酔剤出納
バランスを演算している。
【0047】麻酔剤が体内で分解される量は極めて微量
であるので無視することが可能であり、麻酔開始時より
この出納バランスデ−タを積分していけば、体内蓄積量
の総和が分かる。また、患者シミュレ−タ−により、4
つのコンパ−トメントに分配される比率が分かるので、
それぞれのコンパ−トメントごとの麻酔剤蓄積量を求め
ることができる。
【0048】総血流量Qが各コンパ−トメントに対して
どのように分配されるかは、次のように表される。 Q=Qvrg+Qvpg+Qmg+Qfg =(kver+kvpg+kmg+kfg)Q ここでkver、kvpg、kmg、kfgは血流の分配係数であ
り、生理学の教科書より平均的な数値は得られるが、患
者により異なるし、同じ患者であっても、そのときの状
況によって異なる。
【0049】Vvrg、Vvpg、Vmg、Vfgは各コンパ−ト
メントの容積であるが、正確な値を知るのは難しく、年
齢、性別、身長、体重、体脂肪率等のデ−タ−より推測
するしかない。
【0050】例えば、代表的な例として、次のような数
値が発表されている。
【表1】
【0051】λblood、λvrg、λvpg、λmg、λfgは、
例えば文献より次のように仮定することができる。
【表2】
【0052】以上のように、k、V、λを仮定してやれ
ば、患者シミュレ−タ−により、各コンパ−トメントに
おける麻酔剤蓄積量を、時々刻々に予測することが可能
となる。麻酔は、導入時、維持時、覚醒時に分けて考え
る。導入時は、麻酔剤の脳内濃度レベルを目標値まで上
昇させていく段階であり、導入を早めるために、通常は
目標濃度以上の吸気ガスを投与することが行われる。維
持時は、脳内の麻酔剤濃度を、目標値に維持する段階で
あり、麻酔剤の蓄積が遅い筋肉や脂肪組織には、麻酔剤
は溶け込みを続けている。覚醒時は、吸入麻酔剤の供給
をゼロにして換気を行い、脳内の麻酔剤濃度を下げると
ともに、身体の中から麻酔剤を洗い出す段階である。
【0053】導入時の操作を具体的に説明する。まず、
患者シミュレ−タ−には、麻酔を施行する患者に関する
次のような情報を初期入力する。 「年齢」、「性別」、「身長」、「体重」、「体脂肪
率」
【0054】これらの情報より、各コンパ−トメントの
容積、血流分配係数、及び心拍出量が予測される。使用
する麻酔剤の分配係数は、標準的な値を入力する。心拍
出量については、標準的な値か、あるいは別の手段によ
り実測値が得られれば、その値を入力する。換気により
麻酔剤の投与が開始されると、次の測定デ−タ−、つま
り「吸気麻酔剤濃度」、「呼気麻酔剤濃度」、「終末呼
気中麻酔剤濃度」、「一回換気量」、「呼吸回数」が演
算部を介して、患者シミュレ−タ−53に送られる
【0055】心拍出量のデ−タ−も必要であるが、現在
の技術では、麻酔中に非侵襲的に心拍出量を連続的に測
定することは難しいので、初期入力値をそのまま使用す
るものとする。
【0056】麻酔の深度は何によって判断したらよいか
というのは難しい問題であるが、現在最も一般的に認め
られている脳内麻酔剤濃度を指標とする。脳は主臓器の
代表的なものとされるので、主臓器コンパ−トメントの
麻酔剤濃度が麻酔深度を表すものとする。麻酔の維持時
においては、終末呼気中麻酔剤濃度は、ほぼ脳内麻酔剤
濃度を示すといわれている。
【0057】患者シミュレ−タ−により計算された終末
呼気中麻酔剤濃度と、実測された終末呼気中麻酔剤濃度
とは、必ずしも一致することはない。これは、主として
患者シミュレ−タ−に設定されている k、V、λの値
が、実際の患者の値と異なるために、差ができると考え
られる。そこで、患者シミュレ−タ−に、k、V、λの
値をどのように修正したら、予測値と実測値とが一致す
るかを判断させ、k、V、λの値を変化させてみて、そ
れにより新たに計算された予測値と実測値との差を再度
確認し、予測値と実測値とが次第に一致していくような
プログラムを持たせ、この同じ動作を何度も繰り返すこ
とにする。これにより、患者シミュレ−タ−は、いわゆ
る自動学習を行い、次第により信頼性の高い患者シミュ
レ−タ−に変化していく。すなわち、この患者シミュレ
−タ−は、初めは平均的な値を入力された教科書的シミ
ュレ−タ−であるが、シミュレ−ションを行っている間
に自動学習し、次第に、そのとき実際に麻酔をかけられ
ている患者のシミュレ−タ−に変化していくことにな
る。
【0058】上記の修正プログラムの一例を示す。終末
呼気中麻酔剤濃度の予測値と実測値が異なる場合、まず
初めには血流の分配係数kver、kvpg、kmg、kfgを変
更してみる。主臓器コンパ−トメントへ流れる血流の分
配係数kverを±10%以内の範囲で変更し、それを相
殺する方向でkverの変化量の1/2ずつ変更する。例
えば、kverを+6%変更したとすると、kvpgとkmgは
−3%ずつ変更することになる。kfgは、影響が少ない
ので変更しない。この変更を行ってから5分間経過を観
察し、終末呼気中麻酔剤濃度の予測値と実測値が依然と
して異なる場合は、筋肉コンパ−トメント容積Vmgを±
10%以内の範囲で変更し、VvrgとVvpgとVfgを1:
2:2の比率で、Vmgの変化量を相殺する方向に変更す
る。例えば、Vmgを+5%変更したとすると、Vvrgと
VvpgとVfgとはそれぞれ−1%、−2%、−2%変更
することになる。この変更を行ってから5分間経過を観
察し、終末呼気中麻酔剤濃度の予測値と実測値が依然と
して異なる場合は、再び血流の分配係数の変更に戻り、
以下同じ動作を繰り返す。
【0059】この自動学習が、麻酔の導入時に、あるい
は維持時の初期に完了することができれば、それ以後の
麻酔維持には、適正な濃度の麻酔剤を供給することがで
きる。従来は、主として過去の経験や勘により決定して
いたので、予想外に浅い麻酔であり、患者の意識が残っ
ていたり、あるいは必要以上に深い麻酔をかけていたり
したことがあったが、本発明の麻酔装置においては、よ
り適正な麻酔深度を維持することが可能であり、特に低
流量麻酔においては、その効果は大きい。
【0060】本発明による患者シミュレ−タ−の最大の
効果は、覚醒時に発揮される。手術が進み、手術終了時
が予測される段階になったとき、患者を適正に麻酔から
覚ましていくために必要な、新鮮ガス流量、分時換気
量、麻酔剤濃度等の設定値が、患者シミュレ−タ−によ
り示される。麻酔医は、このガイドラインに従って設定
値を変えていけばよいことになり、この操作を自動的に
行わせることも可能である。これは、飛行機の自動着陸
システムに類似しているということが言える。
【0061】以上の説明のように、本発明により、患者
の体内のどの部分にどれだけの麻酔剤が蓄積している
か、あるいは供給する麻酔剤の濃度をどのように変化さ
せると、何分後には体内の蓄積量がどう変化するかとい
うことを予測することができる。その結果を分かりやす
く知らせる方法として、表示部15によって図4のよう
な画面表示を行わせることが可能である。
【0062】即ち、身体の各コンパ−トメントを図示
し、麻酔剤の蓄積量を色の濃淡変化で表示する。図4に
おいては、肺60aと心臓60bのほかに、主臓器とし
て肝臓60cと脳60dを示し、さらに筋肉61、脂肪
62、骨63が図示されている。麻酔装置1を代表し
て、内蔵されている人工呼吸器のベロ−ズ64を表示
し、実際の人工呼吸器の動きに合わせて、ベロ−ズ64
は変化する。同様に、肺60aや心臓60b、および血
液の流れも、動画技術を用いて、動きとして表示される
ようにする。これはあくまでも1例を示しただけであ
り、他にもいろいろ方法が考えられる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、あ
る時点で患者の体内にどれだけの麻酔剤が蓄積している
か、あるいは供給する麻酔剤の濃度をどのように変化さ
せると、何分後には体内の蓄積量がどう変化するかが容
易に推定できる。特に、患者シミュレータに、該患者シ
ミュレータで算出された値と実測された値との差を基
に、麻酔剤が患者の身体の複数に分かれたコンパートメ
ントにどのように分布して蓄積されているかを算出する
算出式を修正する修正プログラムを組み込むものでは、
より高精度で、患者の体内の麻酔剤の蓄積状況を表示で
き、また、何分か後における麻酔剤の蓄積量の変化する
を推定することができ、この結果、低流量麻酔がより安
全に実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す麻酔装置の全体を
示す構成図である。
【図2】 患者シミュレータの内容と説明する図であ
る。
【図3】 患者シミュレータの内容と説明する図であ
る。
【図4】 表示部の例を示す図である。
【符号の説明】
1 麻酔装置 2 麻酔器本体 3 麻酔循環回路 10 ガス供給部 11 流量計 12 気化器 14 演算部 15 表示部 21 吸気流路 22 呼気流路 26 ミキシングチャンバ− 28 ミキシングチャンバ− 37 流量センサ− 41a、41b 酸素センサ− 42a、42b 炭酸ガスセンサ− 43a、43b 麻酔ガスセンサ− 51 ガスサンプリングコネクタ 52 麻酔ガス分析装置 53 患者シミュレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釘宮 豊城 東京都大田区北馬込1丁目26番23号 (72)発明者 井上 政昭 東京都文京区本郷3丁目23番13号 泉工医 科工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも笑気ガスと酸素ガスと揮発性
    麻酔剤を混合して供給する麻酔器本体と、 該麻酔器本体から供給される、前記笑気ガスと酸素ガス
    と揮発性麻酔剤を含んだ新鮮ガスを、患者の呼気から炭
    酸ガスを吸収除去した後の循環気に混入し、該循環気と
    前記新鮮ガスとを混合して吸気として患者に送る麻酔循
    環回路とを備え、該麻酔循環回路から麻酔ガスを含んだ
    吸気を患者に送って該患者に麻酔を施す麻酔装置におい
    て、 前記麻酔循環回路中の呼気流路及び吸気流路中にそれぞ
    れミキシングチャンバ−を設け、 それら各ミキシングチャンバ−に、酸素センサ−、炭酸
    ガスセンサ−、麻酔ガスセンサ−を設け、 前記呼気流路と吸気流路を患者に接続する呼吸回路中に
    流量センサ−を設け、 前記酸素センサ−、炭酸ガスセンサ−、麻酔ガスセンサ
    −及び流量センサにそれぞれ電気的に接続され、酸素セ
    ンサ、炭酸ガスセンサ及び流量センサの検出値から、麻
    酔中の患者の各呼吸毎の酸素摂取量、炭酸ガス排出量を
    演算するとともに、麻酔ガスセンサ及び流量センサの検
    出値から麻酔ガス出納バランスを演算する演算部を設
    け、 前記麻酔循環回路に、麻酔ガス分析装置に接続されるガ
    スサンプリングコネクタを設け、 前記麻酔ガス分析装置と前記演算部にそれぞれ電気的に
    接続され、前記演算部で演算された麻酔ガス出納バラン
    スの演算値を積算して前記患者における麻酔剤の体内蓄
    積量を算出する患者シミュレータを設けたことを特徴と
    する麻酔装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の麻酔装置において、 前記患者シミュレータは、前記患者における麻酔剤の体
    内蓄積量を算出するとともに、それら麻酔剤の体内蓄積
    量が、患者の身体の複数に分かれたコンパートメントに
    どのように分布しているかを算出する構成とされている
    ことを特徴とする麻酔装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の麻酔装置において、 前記患者シミュレータに接続され、該患者シミュレータ
    で算出された、麻酔剤が患者の身体の複数に分かれたコ
    ンパートメントにどのように分布して蓄積されているか
    を表示する表示部を設けたことを特徴とする麻酔装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の麻酔装置におい
    て、 前記患者シミュレータには、該患者シミュレータで算出
    された値と実測された値との差を基に、麻酔剤が前記患
    者の身体の複数に分かれたコンパートメントにどのよう
    に分布して蓄積されているかを算出する算出式を修正す
    る修正プログラムが組み込まれていることを特徴とする
    麻酔装置。
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