JP2002135111A - 超伝導回路及び超伝導回路システム - Google Patents

超伝導回路及び超伝導回路システム

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JP2002135111A
JP2002135111A JP28279597A JP28279597A JP2002135111A JP 2002135111 A JP2002135111 A JP 2002135111A JP 28279597 A JP28279597 A JP 28279597A JP 28279597 A JP28279597 A JP 28279597A JP 2002135111 A JP2002135111 A JP 2002135111A
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pulse
level
magnetic flux
flux quantum
circuit
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Yoichi Okabe
洋一 岡部
Daiki Odaka
大樹 小高
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SENTAN KAGAKU GIJUTSU INCUBATI
Todai TLO Ltd
Original Assignee
SENTAN KAGAKU GIJUTSU INCUBATI
Center for Advanced Science and Technology Incubation Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K3/00Circuits for generating electric pulses; Monostable, bistable or multistable circuits
    • H03K3/02Generators characterised by the type of circuit or by the means used for producing pulses
    • H03K3/38Generators characterised by the type of circuit or by the means used for producing pulses by the use, as active elements, of superconductive devices

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  • Logic Circuits (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体回路と同様のレベル論理方式を実現
し、ジョセフソン接合の高速性を活かした高速回路を得
ること。 【解決手段】 DC/SFQコンバータ1は、直流電流
を電圧パルス(SFQパルス)に変換するもので、レベ
ル信号の立上がり時にセットパルスSを出力し、立下が
り時にはリセットパルスRを出力する。各パルスS,R
は、保持した磁束量子を消滅可能なように磁束の向きが
逆に設定されている。論理回路2には、各パルスS,R
が交互に入力される。論理回路2は、セットパルスSが
入力されると捕獲した磁束量子を保持して高レベル状態
を維持する。論理回路2に捕獲された磁束量子は、リセ
ットパルスRに係る磁束量子によって打ち消される。こ
のように、論理回路2内では、レベル信号に基づいて論
理判定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、演算処理装置等の
各種信号処理に用いて好適な超伝導回路及び超伝導回路
システムに関し、特に、単一の磁束量子により論理判定
を行う超伝導回路及び超伝導回路システムに関する。
【0002】
【従来の技術】超伝導テクノロジは、今世紀半ばのジョ
セフソン接合の発見により新たな応用の時代を迎えるこ
とになったが、極低温環境を必要とし、さらに、半導体
工学が飛躍的に進歩したため、一般への普及、応用が遅
れている。
【0003】半導体工学に依存するコンピュータシステ
ムでは、半導体素子の高集積化を繰り返すことにより、
高速化を達成してきた。しかし、高集積化に伴い熱雑音
等が増大するため、数ギガヘルツ程度が高速化の限界で
あると言われている。複数のCPU(演算処理ユニッ
ト)を連携させて処理速度を高める並列コンピュータシ
ステムも種々提案されているが、並列度の向上にも自ず
と限界がある。従って、情報量が増大するマルチメディ
ア時代において、処理速度の飛躍的な向上を達成するに
は、高速デバイスを採用する以外に方法はない。
【0004】ところで、ジョセフソン接合を利用したジ
ョセフソンデバイスは、現在最も高速なデバイスの一つ
として知られている。ジョセフソンデバイスのスイッチ
ング速度は1ピコ秒程度であるため、例えば、1テラヘ
ルツ程度のクロックで作動する高速なコンピュータシス
テムを実現できる可能性がある。
【0005】そのような高速システムを構成する一つの
回路方式として、ジョセフソンデバイスを用いた単一磁
束量子(Single Flux Quantum)論理回路がある。かか
る論理回路は、超伝導ループ中では磁束が磁束量子Φ0
(=2.07×10-15[Wb])を単位として量子化されている
ことに着目し、単一の磁束量子を論理回路に用いるもの
である。この磁束量子回路としては、幾つかの方式が提
案されているが、その中でもRSFQ(Rapid Single F
lux Quantum )回路は、現在最も研究が進んだものであ
る(例えば、K.K.Likharev and V.K.Semenov"IEEE,Tran
s.Appl.Superconductivity vol.1,p.3(1991)"、P.I.Bun
yk et al."Appl.Phys.Lett.vol.66,No.5,p.646(1995)"
参照)。
【0006】図7及び図8に基づいて、ジョセフソン接
合等を簡単に説明する。図7は、ジョセフソン接合の概
略を示している。仮想線の円内に示すように、ジョセフ
ソン接合(JJ)に加える入力電流Iが臨界電流Ic以
下の場合は、超伝導状態が保持されるため、電圧が発生
しない。入力電流Iが臨界電流Icを上回ると、超伝導
状態が崩れて、動作点がPX1に遷移する。この状態
を、「接合がブレークした」または、「スイッチした」
という。スイッチング時間は、1ピコ秒程度である。ま
た、接合がブレークすると、ジョセフソン接合を介して
磁束量子が移動し、その際に電圧パルスが発生する。
【0007】次に、図8は、パルスの伝送について示す
説明図である。図8の上側に示すように、ジョセフソン
接合を有するループには、最初、臨界電流Ic以下の電
流Iが入力されている。この状態で図中の左側から磁束
量子が移動してくると、磁束量子に伴う循環電流Ici
rがジョセフソン接合を流れる。従って、ジョセフソン
接合を流れる電流値の合計は、I+Icirとなる。こ
の電流値(I+Icir)が臨界電流Icを上回ると、
図8の下側に示すように、接合がブレークし、磁束量子
がジョセフソン接合を通して図中右側に移動する。磁束
量子が右側に移動すると、ジョセフソン接合を流れる循
環電流Icirの向きが入力電流Iの向きと逆になる。
従って、電流の合計は、I−Icirとなって臨界電流
Icを下回り、ジョセフソン接合が超伝導状態に復帰す
るため、これ以上の磁束量子の移動は阻止され、元の電
圧値0の状態に戻る。また、磁束量子が移動することに
より、磁束量子に伴う電圧パルスが伝送されたように見
える。この電圧パルスをSFQパルスと呼ぶ。上述した
ように、ジョセフソン接合を有する超伝導ループを直列
に接続することにより、単一の磁束量子を各ループに順
々に伝播させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したR
SFQ回路は、磁束量子の移動に伴う電圧パルスの移動
によって2値論理を構成する「パルス論理」方式である
ため、電圧レベルの高低に基づいて論理構成を行う従来
の半導体回路とは全く異なった回路構成となり、半導体
回路との整合性を取りにくい。例えば、否定論理につい
て考えると、従来のレベル論理方式では、入力信号が無
い状態では常に1を出力し、信号が入力されるとその瞬
間に0を出力する。
【0009】一方、パルス論理方式では、単一磁束量子
の移動に伴う電圧パルス(SFQパルス)の移動に基づ
くため、ある時刻において電圧パルスが到着しない場
合、実際に電圧パルスが存在しないために到着しないの
か、または、電圧パルスの到着が遅れているだけなのか
を区別することができない。従って、パルス論理方式で
は、クロック信号を用いて時間を設定し、この所定時間
内に入力が無かった場合は、次の周期で出力するような
構成を採用せざるを得ない。このため、パルス論理方式
では、組合せ論理回路においてさえも、クロック信号を
必要とする上に、否定論理等では必ず出力が1クロック
遅れるという欠点を有している。
【0010】そこで、電圧パルスの有無ではなく、磁束
量子そのものの「磁束レベル」の高低により論理判定を
行う磁束レベル論理方式も提案されている(例えば、小
高大樹、岡部 洋一「信学技報 TECHNICAL REPORT OF
IEICE SCE96-8(1996-04)参照)。かかる磁束レベル論理
方式によれば、半導体回路と同様の概念で論理構成する
ことができ、整合性も取りやすい。しかし、この磁束レ
ベル論理方式では、単なる伝送線ですら信号レベルが減
衰してしまうため、中規模以上の回路を構成するのが難
しいという欠点がある。
【0011】本発明は、上記のような種々の課題に鑑み
なされたものであり、その目的は、レベル論理方式に従
って作動できるようにした超伝導回路及び超伝導回路シ
ステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明に係る超伝導回路システムでは、論理回
路における論理判定は磁束レベルに基づいて行い、論理
回路間の信号伝送はパルス状態で行うようにしている。
【0013】即ち、請求項1に係る発明では、ジョセフ
ソン接合を有する複数の論理回路を備えた超伝導回路シ
ステムにおいて、前記各論理回路は磁束量子に基づくレ
ベル信号に従って作動し、前記各論理回路間の信号伝送
は前記レベル信号の微分情報により行われることを特徴
としている。
【0014】ここで、「磁束量子に基づくレベル信号」
とは、具体的には磁束レベル(磁束量子による電流レベ
ルとしても把握できる)を意味する。各論理回路では、
磁束量子に基づくレベル信号に従って作動するため、R
SFQ回路のようにクロック信号を用いる必要が無く、
また、従来の半導体回路との整合性も高まる。一方、各
論理回路間の信号伝送は、レベル信号の微分情報、具体
的には、SFQパルスによって行われるため、信号の減
衰を防止することができる。
【0015】請求項2に係る発明では、前記微分情報
は、前記レベル信号の立上がりパルス及び立下がりパル
スからなり、前記各論理回路には、前記立上がりパルス
及び立下がりパルスがそれぞれ入力されるようになって
いる。
【0016】レベル信号の立上がりに基づいて立上がり
パルスが得られ、レベル信号の立下がりに基づいて立下
がりパルスが得られる。
【0017】請求項3に係る発明では、前記立上がりパ
ルスは、前記レベル信号が低レベルから高レベルに移行
する際に磁束量子パルスとして生成され、前記立下がり
パルスは、前記レベル信号が高レベルから低レベルに移
行する際に磁束量子パルスとして生成され、前記立ち上
がりパルスに係る磁束の向きと前記立下がりパルスに係
る磁束の向きとは逆方向に設定されている。
【0018】立上がりパルス及び立下がりパルスを磁束
量子パルスとしてそれぞれ生成することにより、磁束量
子パルスの伝播によって各論理回路間の信号伝送を行う
ことができる。また、各磁束量子パルスの磁束の向きを
逆方向に設定することにより、一方の磁束量子と他方の
磁束量子とを結合させて消滅させることができる。
【0019】ここで、各パルスの磁束の向きが逆方向に
設定されているとは、保持した磁束量子を消滅させる際
に用いる立下がりパルスの磁束の向きが逆になるように
設定されていることを意味する。
【0020】請求項4に係る発明では、ジョセフソン接
合を有する複数の論理回路を備えた超伝導回路システム
において、レベル信号が低レベルから高レベルに移行す
る際に磁束量子を発生させることにより立上がりパルス
を生成する第1の変換手段と、前記レベル信号が高レベ
ルから低レベルに移行する際に前記磁束量子とは逆方向
の磁束量子を発生させることにより立下がりパルスを生
成する第2の変換手段と、前記立上がりパルスが入力さ
れた場合には磁束量子を保持して高レベルを維持し、こ
の状態で前記立下がりパルスが入力された場合は前記保
持した磁束量子を消滅させて低レベルに移行することに
より、磁束量子に基づくレベル信号に従って作動する論
理回路と、を備えたことを特徴としている。
【0021】第1の変換手段及び第2の変換手段によ
り、レベル信号の各遷移情報は、磁束量子によるパルス
状態に変換される。従って、レベル信号で送信する場合
と異なり、伝送途中での信号の減衰を防止することがで
きる。また、論理回路においては、立上がりパルスが入
力されると、捕獲した磁束量子を保持して高レベルを維
持する一方、この状態で立下がりパルスが入力される
と、立上がりパルスに係る磁束量子が立下がりパルスに
係る磁束量子により打ち消されて消滅し、低レベルに移
行するため、いわゆるレベル論理方式で論理演算を行う
ことができる。
【0022】請求項5に係る発明では、磁束量子に基づ
くレベル信号に従って作動する超伝導回路において、前
記レベル信号が低レベルから高レベルに移行する際に磁
束量子として生成される立上がりパルスと、前記レベル
信号が高レベルから低レベルに移行する際に前記磁束量
子とは逆方向の磁束量子として生成される立下がりパル
スとが入力され、前記立上がりパルスが入力された場合
には磁束量子を保持して高レベルを維持し、この状態で
前記立下がりパルスが入力された場合は前記保持した磁
束量子を消滅させて低レベルに移行することにより、磁
束量子に基づくレベル信号に従って作動することを特徴
としている。
【0023】これにより、パルス状態の情報をレベル信
号に変換して論理演算を実行することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図8に基づき本発明
の実施の形態について詳述する。まず、図1は、本実施
の形態による超伝導回路システムの全体構成を模式的に
示す説明図である。
【0025】1.全体構成 本実施の形態による超伝導回路システムは、変換手段と
してのDC/SFQコンバータ1と論理回路2とを備え
ている。DC/SFQコンバータ1は、直流電流を電圧
パルス(SFQパルス)に変換するためのものであり、
後述のように、電流レベルが低レベルから高レベルに移
行する際に電圧パルスを生成する立上がり用の回路と、
電流レベルが高レベルから低レベルに移行する際に電圧
パルスを生成する立下がり用の回路とから構成されてい
る。立上がり用の回路はセットパルスSを出力し、立下
がり用の回路はリセットパルスRを出力する。ここで、
セットパルスSとリセットパルスRとは、磁束の向きが
逆になるように設定されている。磁束の向きが逆に設定
されているとは、保持した磁束量子を消滅させる際に用
いるリセットパルスRの磁束の向きが逆であることを意
味する。
【0026】論理回路2には、DC/SFQコンバータ
1からセットパルスSとリセットパルスRが交互に入力
される。後述のように、論理回路2は、セットパルスS
が入力されると捕獲した磁束量子を保持して高レベル状
態を維持する。また、セットパルスSによって論理回路
2に捕獲された磁束量子は、リセットパルスRに係る磁
束量子によって打ち消される。即ち、磁束量子(セット
パルスS)と反磁束量子(リセットパルスR)とが結合
して両者とも消滅するため、レベル信号は低レベルとな
る。このように、論理回路2内では、レベル信号に基づ
いて論理判定されるようになっている。
【0027】そして、論理回路2の出力(レベル信号で
ある)は、出力側に接続されたDC/SFQコンバータ
1に入力され、このDC/SFQコンバータ1によって
セットパルスS及びリセットパルスRに変換される。つ
まり、論理回路2間の信号伝送は、二個一組の信号線に
より「2線式」で行われる。
【0028】2.具体的回路構成 図2には、2入力1出力の論理回路を例に挙げた具体的
回路構成の一例が示されている。
【0029】図2の中央部に示す2入力1出力形の論理
回路20の左右には、DC/SFQコンバータ11,1
2が配置されている。左側のDC/SFQコンバータ1
1と右側のDC/SFQコンバータ12とは同一構造で
ある。左側のDC/SFQコンバータ11は、第1の入
力信号(図中では、「入力1」と略記)をパルスに変換
して論理回路20の入力点In1に入力する。同様に、
右側のDC/SFQコンバータ12は、第2の入力信号
(図中では、「入力2」と略記)をパルスに変換して論
理回路20の入力点In2に入力する。また、論理回路
20の出力点Outは、他のDC/SFQコンバータ1
3に入力されている。出力側に設けられたDC/SFQ
コンバータ13は、前記各DC/SFQコンバータ1
1,12と同一の構造であるが、説明の便宜上、図中で
は構造の記載を省略している。
【0030】2−1 論理回路の構成 まず、論理回路20の構成を説明し、次に、DC/SF
Qコンバータの構成を説明する。
【0031】論理回路20は、インダクタンスL11
と、該インダクタンスL11に接続された合計6個のジ
ョセフソン接合(左右2個ずつのJ4,J8と、J11
及びJ12)から構成されている。なお、インダクタン
スL11は、DC/SFQコンバータ13の入力インダ
クタンスを兼ねている。ジョセフソン接合J11側のル
ープまたはジョセフソン接合J12側のループに、磁束
量子が進入すると(セットパルスSが入力されると)、
この磁束量子は捕獲される。そして、Outにおける磁
束レベルが設定されたしきい値を越えると、DC/SF
Qコンバータ13において、磁束レベルの立上がりを示
すセットパルスSを出力する。捕獲された磁束量子はリ
セットパルスRによって消滅させることができ、これに
より、元の低レベル状態に戻すことができる。また、そ
の際に、DC/SFQコンバータ13においては、レベ
ルの立下がりを示すリセットパルスRを出力する。
【0032】図3には、論理回路20に加える入力信号
を変化させたときの出力状態が示されている。図中の横
軸は時間(ピコ秒)を示し、縦軸は磁束量子で規格化し
た値を示している。V1(S)は、DC/SFQコンバ
ータ11からのセットパルスSを示し、V1(R)はリ
セットパルスRを示す。同様に、V2(S)は、DC/
SFQコンバータ12からのセットパルスSを示し、V
2(R)は、リセットパルスRを示す。
【0033】上述した通り、セットパルスSが入力され
ると、磁束量子が保持され、出力が上昇する。この出力
は、リセットパルスRが入力されるまで維持される。つ
まり、セットパルスSとリセットパルスRとの一対のパ
ルスによってレベル信号を表現することができる。例え
ば、図3中に示すV11の期間では、出力は約0.2と
なる。また、第1の入力信号と第2の入力信号とがとも
に入力された期間、即ち、V12とV21とが重なる期
間では、出力は約0.4を示す。従って、出力の波形か
ら明らかなように、しきい値Th(AND),Th(O
R)を適当に設定することにより、論理和、論理積を実
現することができる。
【0034】2−2 DC/SFQコンバータの構成 次に、DC/SFQコンバータの構成を説明する。各D
C/SFQコンバータ11〜13は、同一構造のため、
ここでは、DC/SFQコンバータ11を例に挙げて説
明する。
【0035】DC/SFQコンバータ11は、レベル信
号が低レベルから高レベルに移行する際に電圧パルスを
生成する立上がり用の回路(以下、「立上がり用回路」
という)と、レベルが高レベルから低レベルに移行する
際に電圧パルスを生成する立下がり用の回路(以下、
「立下がり用回路」)とから構成されている。立上がり
用回路は、図2中の上側に示すL1,J1,J2から構
成されている。立下がり用回路は、図2中の下側に示す
L1,J5,L2,J6,J7,L3から構成されてい
る。ここで、L1は、各回路で共通に使用される入力用
インダクタンスである。また、J3は、立上がり時のパ
ルスを伝送するための伝送回路を構成している。
【0036】図4には、立上がり用回路の動作が示され
ている。最初は、図4(A)に示すように、バイアス電
流のみが加えられており、L1,J1,J2には、それ
ぞれ電流IL1,IJ1,IJ2が流れている。
【0037】次に、図4(B)に示すように、入力電流
を加えると、J2を流れる電流IJ2の値が大きくな
る。元の電流に入力電流の一部が加わるためである。I
J2が臨界電流Icを上回ると、J2はブレークする。
【0038】図4(C)に示すように、J2がブレーク
することにより、J2の左右に向きの異なる磁束が発生
する。J2の右側に位置する磁束は、点線矢印に示すよ
うに、図中右側に向けて移動する。J2の左側に位置す
る磁束は、移動することができないため、ループ中に捕
獲されたままである。
【0039】次に、図4(D)に示すように、入力電流
を停止させると、循環電流Icirとバイアス電流とに
よって、J1を流れる電流IJ1が増大する。これによ
り、電流IJ1が臨界電流Icを上回るため、図4
(E)に示すように、捕獲されていた磁束は、ジョセフ
ソン接合J1を通ってループ外部に移動し、回路は初期
状態に復帰する。
【0040】つまり、入力電流が高レベルになると、図
4(C)に示すように1個の磁束が次段に向けて送り出
され、入力が低レベルになると、図4(E)に示すよう
に回路は初期状態に戻る。従って、入力電流が低レベル
から高レベルに変化する際に、単一の磁束を生成するこ
とができ、この生成された磁束の移動に伴って電圧パル
スも伝送路上を移動する。
【0041】次に、図5には、本発明に際して新規に開
発された立下がり用回路の動作が示されている。
【0042】図5(A)は、入力電流が加えられる前の
初期状態である。この状態で、回路の左端から入力電流
を加えると、J5を右向きに流れる電流は増加してい
く。その値が臨界値を超えると、J5はブレークして、
紙面手前向きの磁束量子がL1、L2、J5で作られる
ループ内に入り込む。(図5(B))そして、磁束量子
に伴う循環電流が反時計周りに流れ始める。しかしなが
ら、ジョセフソン接合は非線型インダクタンスの性質を
有しているために、適当なパラメーターを選ぶと、ブレ
ークに際して、J5を流れる電流の変化量が、L2を流
れる変化量よりも大きくなるように設定することができ
る。そのような場合は、J6を流れる左向きの電流はさ
らに増加することになり、その結果、J6の臨界値をこ
えると、J6もブレークして、L2、J6、J7、L3
で構成されるループ中にも磁束量子が入り込む(図5
(C))。
【0043】この状態から加えていた入力を取り去る
と、J5を流れている電流はさらに左向きに流れるよう
になるが、この際に、電流の値が臨界値を超えると、J
5はブレークして、左側のループに捕獲されていた磁束
量子はループの外に逃げ出す(図5(D))。その結
果、J5を流れる電流は右向きに変わるが、その変化量
の一部はJ6を通ってJ7に流れ込む。そしてJ7に流
れ込む電流の値が、やはり臨界値を超えると、J7がブ
レークして、右側のループに捕獲されていた磁束量子は
J7を通じて逃げ出す(図5(E))。従って、この回
路を用いることで、信号レベルが高レベルから低レベル
に変化する際に、SFQパルスを送り出すことが可能に
なる。
【0044】2−3 NOT回路の構成 図2及び図3と共に、AND回路及びOR回路の実現方
法を示したが、次に、図6に基づいて、NOT回路の実
現方法を述べる。
【0045】NOT回路は、図6(A)に示すように、
入力信号の伝送路と出力信号の伝送路とを交換すること
により実現できる。タイムチャートは、図6(B)に示
す通りである。
【0046】全体回路の作用については、各部分回路の
構造と共に述べたが、本実施の形態によれば、DC/S
FQコンバータ11によりレベル信号(電流)の高低は
パルス信号に変換され、このパルス信号は論理回路20
に入力される。そして、論理回路20は、パルス信号に
基づいてレベル論理を実行する。
【0047】このように構成される本実施の形態によれ
ば、論理回路ではレベル論理方式で論理演算を行い、各
論理回路間の信号伝送はパルス状態で行われるため、ジ
ョセフソン接合の高速性を十分に活かした回路システム
を構築できる。また、論理回路では、半導体回路と同様
にレベル論理を行うため、半導体回路で蓄積された各種
の技術を導入することも可能である。
【0048】なお、当業者であれば、前記実施の形態に
限らず、本発明から逸脱しない範囲で種々の追加や変更
等を行うことが可能である。例えば、論理回路は、図示
の例に限らず、他の構成を採用することもできる。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る超伝導
回路及び超伝導回路システムによれば、論理演算にはレ
ベル論理方式を用い、信号伝送はパルス状態で行うた
め、信号減衰を招くことがなく、半導体回路と同様の方
式で、ジョセフソン接合の高速性を活かしたシステムを
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る超伝導回路システム
の全体を示す概念図である。
【図2】具体的な回路を示す回路構成図である。
【図3】論理回路の動作を示すタイムチャートである。
【図4】DC/SFQコンバータの立上がり用回路の動
作を示す説明図である。
【図5】DC/SFQコンバータの立下がり用回路の動
作を示す説明図である。
【図6】NOT回路の構成方法を示す説明図である。
【図7】ジョセフソン接合の動作を示す説明図である。
【図8】パルス伝送の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 DC/SFQコンバータ 2 論理回路 11 DC/SFQコンバータ 12 DC/SFQコンバータ 13 DC/SFQコンバータ 20 論理回路 S セットパルス R リセットパルス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M113 AA44 AC45 AD01 AD24 AD25 AD26 5J042 AA03 BA01 CA22 CA23 CA27 CA29 DA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジョセフソン接合を有する複数の論理回
    路を備えた超伝導回路システムにおいて、 前記各論理回路は磁束量子に基づくレベル信号に従って
    作動し、前記各論理回路間の信号伝送は前記レベル信号
    の微分情報により行われることを特徴とする超伝導回路
    システム。
  2. 【請求項2】 前記微分情報は、前記レベル信号の立上
    がりパルス及び立下がりパルスからなり、 前記各論理回路には、前記立上がりパルス及び立下がり
    パルスがそれぞれ入力される請求項1に記載の超伝導回
    路システム。
  3. 【請求項3】 前記立上がりパルスは、前記レベル信号
    が低レベルから高レベルに移行する際に磁束量子パルス
    として生成され、前記立下がりパルスは、前記レベル信
    号が高レベルから低レベルに移行する際に磁束量子パル
    スとして生成され、前記立ち上がりパルスに係る磁束の
    向きと前記立下がりパルスに係る磁束の向きとは逆方向
    に設定されている請求項2に記載の超伝導回路システ
    ム。
  4. 【請求項4】 ジョセフソン接合を有する複数の論理回
    路を備えた超伝導回路システムにおいて、 レベル信号が低レベルから高レベルに移行する際に磁束
    量子を発生させることにより立上がりパルスを生成する
    第1の変換手段と、 前記レベル信号が高レベルから低レベルに移行する際に
    前記磁束量子とは逆方向の磁束量子を発生させることに
    より立下がりパルスを生成する第2の変換手段と、 前記立上がりパルスが入力された場合には磁束量子を保
    持して高レベルを維持し、この状態で前記立下がりパル
    スが入力された場合は前記保持した磁束量子を消滅させ
    て低レベルに移行することにより、磁束量子に基づくレ
    ベル信号に従って作動する論理回路と、を備えたことを
    特徴とする超伝導回路システム。
  5. 【請求項5】 磁束量子に基づくレベル信号に従って作
    動する超伝導回路において、 前記レベル信号が低レベルから高レベルに移行する際に
    磁束量子として生成される立上がりパルスと、前記レベ
    ル信号が高レベルから低レベルに移行する際に前記磁束
    量子とは逆方向の磁束量子として生成される立下がりパ
    ルスとが入力され、 前記立上がりパルスが入力された場合には磁束量子を保
    持して高レベルを維持し、この状態で前記立下がりパル
    スが入力された場合は前記保持した磁束量子を消滅させ
    て低レベルに移行することにより、磁束量子に基づくレ
    ベル信号に従って作動することを特徴とする超伝導回
    路。
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