JP2002129332A - 基体処理方法及び基体処理装置 - Google Patents

基体処理方法及び基体処理装置

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JP2002129332A
JP2002129332A JP2000323991A JP2000323991A JP2002129332A JP 2002129332 A JP2002129332 A JP 2002129332A JP 2000323991 A JP2000323991 A JP 2000323991A JP 2000323991 A JP2000323991 A JP 2000323991A JP 2002129332 A JP2002129332 A JP 2002129332A
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processing
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Yoshio Seki
好雄 瀬木
Hiroyuki Katagiri
宏之 片桐
Hideaki Matsuoka
秀彰 松岡
Kazuhiko Takada
和彦 高田
Mitsuharu Hitsuishi
光治 櫃石
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】堆積膜形成中に不純物の混入を抑制することが
可能となり、電気特性に優れ、高品位の画像を与えるこ
とのできる基体処理方法及び基体処理装置を提供する。 【解決手段】複数の真空処理容器内に設置された基体を
処理する基体処理方法において、前記真空処理容器の壁
面に開閉可能なゲー卜弁を設け、該ゲート弁の該真空処
理容器と反対側に密閉された空間を形成し、該空間内を
減圧にして基体の処理をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、堆積膜形成方法及
び装置に関し、特に、光(ここでは広義の光で、紫外
線、可視光線、赤外線、X線、γ線等を示す。)の様な
電磁波に感受性のある光受容部材を連続して安定に形成
するのに適した堆積膜形成方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像装置、あるいは像形成分野にお
ける電子写真用光受容部材や原稿読みとり装置における
光導電層を形成する材料として、高感度でSN比[光電
流(Ip)/(Id)]が高く、照射する電磁波のスペ
クトル特性にマッチングした吸収スペクトル特性を有す
ること、光応答性が速く、所望の暗抵抗値を有するこ
と、使用時において人体に無公害であること、さらには
固体撮像装置においては、残像を所定時間内に容易に処
理することができる等の特性が要求される。特に事務機
としてオフィスで使用される電子写真用光受容部材の場
合には、上記の使用時における無公害性は重要な点であ
る。
【0003】この様な観点に立脚して注目されている材
料に、水素やハロゲン原子等の一価の元素でダングリン
グボンドが修飾されたアモルファスシリコン(以後、
「a−Si」と表記する)があり、例えば特開昭54−
86341号公報には電子写真用光受容部材への応用が
記載されている。従来、円筒状基体上にa−Siからな
る光受容部材を形成する形成方法として、スパッタリン
グ法、熱により原料ガスを分解する方法(熱CVD
法)、光により原料ガスを分解する方法(光CVD
法)、プラズマにより原料ガスを分解する方法(プラズ
マCVD法)等、多数知られている。なかでもプラズマ
CVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波、マ
イクロ波グロー放電等によって分解し、円筒状基体上に
堆積膜を形成する方法は電子写真用光受容部材の形成方
法等、現在実用化が非常に進んでいる。
【0004】図2は基体処理装置である高周波プラズマ
CVD(以下「RF−PCVD」と表記する)法による
電子写真感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図
である。この装置は大別すると、堆積装置(210
0)、原料ガスの供給装置(2200)、真空処理容器
(2111)内を減圧にするための排気装置(図示せ
ず)から構成されている。堆積装置(2100)中の真
空処理容器(2111)内には、支持体ホルダー(21
13−a,2113−b)に設置された基体としての導
電性円筒状支持体(2112)、支持体加熱用ヒーター
(2114)、原料ガス導入管(2115)が設置さ
れ、更に高周波マッチングボックス(2116)が接続
されている。原料ガス供給装置(2200)は、SiH
4、H2、CH4、NO、B26、GeH4等の原料ガスの
ボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜2
236,2241〜2246,2251〜2256)お
よびマスフローコントローラー(2211〜2216)
から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(226
0)を介して真空処理容器(2111)内のガス導入管
(2115)に接続されている。
【0005】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。まず、真空処理容器
(2111)内に円筒状支持体(2112)を設置し、
排気装置(例えば真空ポンプ)により真空処理容器(2
111)内を排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター
(2114)をONし、円筒状支持体(2112)の温
度を250℃〜500℃の所定の温度に制御する。堆積
膜形成用の原料ガスを真空処理容器(2111)に流入
させるには、ガスボンベのバルブ(2231〜223
6)、真空処理容器のリークバルブ(2118)が閉じ
られていることを確認し、また、流入バルブ(2241
〜2246)、流出バルブ(2251〜2256)、補
助バルブ(2260)が開かれていることを確認して、
まずメインバルブ(2119)を開いて真空処理容器
(2111)およびガス配管内(2117)を排気す
る。次に真空計(2120)の読みが約6.7×10-4
Paになった時点で補助バルブ(2260)、流出バル
ブ(2251〜2256)を閉じる。
【0006】その後、ガスボンベ(2221〜222
6)より各ガスをバルブ(2231〜2236)を開い
て導入し、圧力調整器(2261〜2266)により各
ガス圧を(例えば2Kg/cm2)調整する。次に、流
入バルブ(2241〜2246)を徐々に開けて、各ガ
スをマスフローコントローラー(2211〜2216)
内に導入する。以上のようにして成膜の準備が完了した
後、円筒状支持体(2112)上に例えば電荷注入阻止
層、光導電層、表面層等の各層の形成を行う。
【0007】円筒状支持体(2112)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(2251〜2256)のう
ちの必要なものおよび補助バルブ(2260)を徐々に
開き、ガスボンベ(2221〜2226)から所定のガ
スをガス導入管(2115)を介して真空処理容器(2
111)内に導入する。次にマスフローコントローラー
(2211〜2216)によって各原料ガスが所定の流
量になるように調整する。その際、真空処理容器(21
11)内の圧力が133Pa以下の所定の圧力になるよ
うに真空計(2120)を見ながらメインバルブ(21
19)の開口を調整する。
【0008】内圧が安定したところで、RF電源(図示
せず)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボッ
クス(2116)を通じて真空処理容器(2111)内
にRF電力を導入し、RFグロー放電を生起させる。こ
の放電エネルギーによって真空処理容器内に導入された
原料ガスが分解され、円筒状支持体(2112)上に所
定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成されるところ
となる。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供
給を止め、流出バルブを閉じて真空処理容器へのガスの
流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操作を複数
回繰り返すことによって、多層構造の電子写真感光体が
形成される。
【0009】しかしながら、上記のプラズマCVD装置
においては、真空処理容器は堆積膜形成後の製品の取り
出しの都度毎回大気にさらされるため、大気中の湿気や
ガスを吸着し、そのために堆積膜の膜質を低下させた
り、不安定になったりするという欠点があった。これら
の欠点を除くため、特公昭63−12138号公報に
は、光電変換部材の改良形の製造装置が開示されてい
る。即ち、各種処理工程毎に専用の真空容器と、これら
の真空容器間で移動可能な搬送専用の真空容器を設け、
処理専用の真空容器と搬送専用の真空容器間で基体の出
し入れ及び移動を可能としたいわゆるロードロック型の
製造装置が開示されている。
【0010】また、特開平4−329883号公報に
は、搬送専用の真空容器を2個とする事で、搬送効率の
向上と、2個の搬送専用の真空容器を用途分けして使用
する事で堆積膜の膜質を向上させる技術が開示されてい
る。これら従来の技術により、光導電性材料をある程度
の品質で、大量生産する事が可能となった。
【0011】このようにして改良された従来の基体処理
装置の一例を図3に示す図3の装置について説明する
と、図3は基体処理装置である高周波プラズマCVD
(以下「RF−PCVD」と表記する)法による電子写
真感光体の製造装置の一例を示す装置の全体配置図であ
り、(3110)はクリーンルームなどの清浄な雰囲気
で、金属を母体とした補助基体に基体を装着(以下「基
体」と称する)し、その基体を真空にし、次工程の真空
処理容器に投入するための投入用真空処理容器である。
(3111)は基体を所定の温度に加熱、保持するため
の加熱用真空処理容器、(3112)は堆積膜を形成す
るための堆積膜形成用真空処理容器、(3113)は堆
積膜形成後の基体を冷却し、取り出すための冷却用真空
処理容器である。(3134−a)(3134−b)は
基体を各処理容器(3110)、(3111)、(31
12)、(3113)の各位置に移動するための真空搬
送容器1、2である。
【0012】(3114)、(3115)、(311
6)、(3117)は各処理容器を真空にするための排
気装置で排ガス処理装置に接続されており、(311
8)、(3119)、(3120)、(3121)は真
空搬送容器(3134−a)又は(3134−b)が各
真空処理容器(3110)、(3111)、(311
2)、(3113)に接続されたとき真空搬送容器ゲー
ト弁(3135−a)又は(3135−b)とゲート弁
(3122)、(3123)、(3124)、(312
5)の空間を真空にするための排気装置である。即ち、
例えば堆積膜形成用真空処理容器(3112)への基体
の出し入れは、真空搬送容器1(3134−a)のゲー
ト弁(3135−a)を加熱用真空処理容器(311
1)のゲート弁(3123)上に密着させ、真空搬送容
器1ゲート弁(3135−a)とゲート弁(3123)
の空間を排気装置(3119)により真空にする。
【0013】次いでゲート弁(3123)、(3135
−a)を開き、真空搬送容器1(3134−a)内に設
けられた上下移動機構(図示せず)により加熱用真空処
理容器(3111)内より加熱された基体を搬出し、同
様の操作で次に堆積膜形成用真空処理容器(3112)
内に基体を搬入する。移送時間は、通常3〜10分程で
ある。その後は、前述のように堆積膜形成用真空処理容
器(3112)内で、基体上に堆積膜を形成する。
【0014】そして最後に冷却用真空処理容器(311
3)へ真空搬送容器(3134−b)を使用し基体を搬
入し、該真空処理容器(3113)内で基体は冷却され
た後、該真空処理容器(3113)内を大気圧にし、基
体を取り出す。その後、堆積膜形成用真空処理容器(3
112)は、真空搬送容器(3134−b)によりダミ
ー置き台(図示せず)より該真空処理容器(3112)
内に設置されている基体加熱用ヒーター(図示せず)を
プラズマから保護する為のダミー基体を搬入し、該真空
処理容器内をフッ素系ガスにてプラズマクリーニングを
行い、該真空処理容器(3112)内に残っているポリ
シランを除去し清浄化する。
【0015】真空搬送容器(3134−a)(3134
−b)は、例えば、堆積膜形成前の清浄度を有する工程
に関わる投入用真空処理容器(3110)と加熱用真空
処理容器(3111)との移送及び、加熱用真空処理容
器(3111)と堆積膜形成用真空処理容器(311
2)との移送については、(3134−a)側を使用
し、堆積膜形成後の堆積膜形成用真空処理容器(311
1)と冷却用真空処理容器(3113)との移送のよう
にポリシランが存在する工程については真空搬送容器
(3134−b)を使用するというように、処理容器の
清浄度に応じて工程別に使い分けして使用する事が望ま
しい。これらの技術により、前述の問題点もある程度解
消され、堆積膜の膜質が向上してきた。また、特公平4
−82186号公報には、クリーン搬送方法についての
技術が開示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術により、堆積膜の膜質は向上され歩留の面で改善
されてきたが、総合的な特性向上を図る上でさらに改良
される余地が存在するのが実情である。さらに現在、電
子写真装置はさらに高画質、高速、高耐久性が望まれて
いる。その結果、電子写真用光受容部材においては、光
学的特性や電気的特性の更なる向上とともに、高帯電
能、高感度を維持しつつあらゆる環境下で耐久性を延ば
すことが求められている。
【0017】また、近年、電子写真装置の画像特性向上
のために電子写真装置内の光学露光系、現像装置、転写
装置等の改良がなされた結果、電子写真用光受容部材に
おいても、従来以上の画像特性の向上が求められるよう
になった。特に画像の解像力が向上した結果、俗に「ポ
チ」と呼ばれる、白点状または黒点状の画像欠陥の減
少、特に従来はあまり問題にされなかった微少な大きさ
の「ポチ」の減少が求められるようになってきた。
【0018】さらに、光受容部材を繰り返し使用する際
に生じる残像、いわゆる「ゴースト」現象や、画像上の
細線が滲んだ様に見える「画像流れ」は、従来の複写シ
ステムにあっては必ずしも痛切ではなく場合によっては
無視することもできたが、レーザー等の可干渉光光源を
使用する高速の複写システム、ファクシミリシステム、
プリンターシステム等の高速連続画像形成システム、特
にデジタル高速連続画像システム、さらには近年普及し
てきたフルカラー画像システムにおいては、視覚的に明
らかなものとなるため、重大な問題であり、解決の要求
されるところのものである。したがって、光受容部材そ
のものの特性改良が図られる一方で、上記のような問題
が解決されるように、層構成、各層の化学的組成および
作製法など総合的な観点からの改良を図ることが必要と
されている。
【0019】そこで、本発明は、上記課題を解決し、堆
積膜形成中に不純物の混入を抑制することが可能とな
り、電気特性に優れ、高品位の画像を与えることのでき
る基体処理方法及び基体処理装置を提供することを目的
とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、つぎの(1)〜(14)のように構成し
た基体処理方法及び基体処理装置を提供するものであ
る。 (1)複数の真空処理容器と該真空処理容器内に設置さ
れた基体を処理する基体処理方法において、前記真空処
理容器の壁面に設けられた開閉可能なゲー卜弁の該真空
処理容器と反対側に密閉された空間を形成し、該空間内
を減圧にすることを特徴とする基体処理方法。 (2)前記処理は、減圧気相成長法により基体の表面に
堆積膜を形成することである上記(1)に記載の基体処
理方法。 (3)前記密閉された空間は、前記ゲート弁の前記真空
処理容器と反対側の空間を蓋により密閉して形成するこ
とを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の基
体処理方法。 (4)前記真空搬送容器には、密閉された空間を形成す
る蓋を脱着するための機構が設けられていることを特徴
とした上記(3)に記載の基体処理方法。 (5)前記蓋の脱着は、前記基体を前記真空処理容器内
に搬入または搬出する真空搬送容器とは別の真空搬送容
器側で行われることを特徴とした上記(4)に記載の基
体処理方法。 (6)前記真空処理容器への基体の設置は、真空搬送容
器と前記真空処理容器とをゲート弁を介して接続して行
うことを特徴とした上記(1)〜(5)のいずれかに記
載の基体処理方法。 (7)前記真空搬送容器は、少なくとも2個以上を有す
ることを特徴とした上記(6)に記載の基体処理方法。 (8)複数の真空処理容器と、前記真空処理容器の壁面
に開閉可能なゲート弁を備え、前記真空処理容器内に設
置された基体を処理する基体処理装置において、前記ゲ
ート弁の該真空処理容器とは反対側の空間を密閉しうる
密閉部材を設け、前記基体の処理中は、真空排気手段に
よって該空間内を減圧可能に構成したことを特徴とする
基体処理装置。 (9)前記処理は、減圧気相成長法により基体の表面に
堆積膜を形成することである上記(8)に記載の基体処
理装置。 (10)前記密閉部材は、前記ゲート弁の前記真空処理
容器とは反対側に密閉された空間を形成する蓋によって
構成されていることを特徴とする上記(8)または上記
(9)に記載の基体処理装置。 (11)前記真空搬送容器には、前記密閉された空間を
形成する蓋を脱着するための機構が設けられていること
を特徴とする上記(10)に記載の基体処理装置。 (12)前記蓋の脱着は、前記基体を前記真空処理容器
内に搬入または搬出する真空搬送容器とは別の真空搬送
容器側で行われることを特徴とする上記(11)に記載
の基体処理方法。 (13)前記真空処理容器への基体の設置は、真空搬送
容器と前記真空処理容器とをゲート弁を介して接続して
行うことを特徴とする上記(8)〜(12)のいずれか
に記載の基体処理装置。 (14)前記真空搬送容器は、少なくとも2個以上を有
することを特徴とする上記(13)に記載の基体処理装
置。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来の基体処理方
法及び装置における前述の本発明の目的を達成すべく鋭
意研究を重ねたところ、堆積膜形成用真空処理容器内に
設置された基体の表面に堆積膜を形成する基体処理方法
において、該真空処理容器の壁面に開閉可能なゲート弁
を設け、該ゲート弁の該真空処理容器とは反対側の空間
を密閉しうる密閉部材を設け、堆積膜形成中は真空排気
手段により該空間内を減圧とする事が、電気特性の向上
及び画像欠陥の解消に大きく影響するという知見を得
た。
【0022】即ち、従来の装置形態においては、堆積膜
形成用真空処理容器内に設置された基体の表面に堆積膜
を形成した後、該真空処理容器内をフッ素系ガスにてプ
ラズマクリーニングを行い、真空処理容器内に残ってい
るポリシランを除去し清浄化しているが、該真空処理容
器の壁面に設けられた開閉可能なゲート弁の真空処理容
器側の真空シール面は、クリーニング工程で除去出来な
かったポリシランの残査や、堆積膜片等の堆積により、
真空シール性が低下してしまう事から、堆積膜形成中に
大気中の不純物を真空処理容器内に引き込んでしまい電
気特性及び画像特性の低下を引き起こしてしまう。これ
らに対しては、ゲート弁の清掃を頻繁に行い、真空シー
ル性を維持、又はゲート弁のダスト除去をする事で解消
できるが、装置を休止させる必要がある事から稼働率低
下となる。
【0023】本発明は、装置を停止させることなくこれ
らの課題を解決すべく鋭意研究した結果、装置構成的に
はポリシラン等の発生によるゲート弁の堆積膜形成用真
空処理容器側の真空シールからのリークを抑える事は限
界があることから、ゲート弁の真空処理容器側の真空シ
ール面からのリークはある程度は無視し、ゲート弁の真
空処理容器側の真空シールとは異なる位置で更に真空シ
ールを行うものである。即ち、ゲート弁の真空処理容器
とは反対側の空間を密閉しうる密閉部材を設け、堆積膜
形成中は真空排気手段により空間内を減圧とするもので
ある。なお、ここでの密閉部材としては、蓋状の部材に
限らず、前記ゲート弁の真空処理容器と反対側の空間を
外部と遮断可能に密閉し得る部材であれば、板状の部材
やその他の形状の部材等であってもよい。
【0024】つぎに、本発明の実施の形態の一例を、図
1(a)、(b)を用いて詳細に説明する。図1(a)
は基体処理装置である高周波プラズマCVD(以下「R
F−PCVD」と表記する)法による電子写真感光体の
製造装置の一例を示す装置の全体配置図であり、図1
(b)は真空処理容器ゲート弁と真空搬送容器1につい
ての模式的説明図である。図1(a)中、(1110)
は清浄な雰囲気で基体を金属を母体とした補助基体に装
着し、真空にするための投入用真空処理容器である。
【0025】同図において(1111)は基体を所定の
温度に加熱、保持するための加熱用真空処理容器、(1
112)は堆積膜を形成するための堆積膜形成用真空処
理容器、(1113)は堆積膜形成後の基体等を冷却
し、取り出すための冷却用真空処理容器であり、各真空
処理容器にはゲート弁(1122)、(1123)、
(1124)、(1125)が設けられ、真空処理容器
ゲート弁(1124)の真空処理容器とは反対側に蓋
(1136)が設けられている。(1134−a)(1
134−b)は補助基体を各真空処理容器(111
0)、(1111)ヽ(1112)、(1113)の各
位置に移動するための真空搬送容器1、2である。
【0026】(1114)、(1115)、(111
6)、(1117)は各真空処理容器を真空にするため
の排気装置で、(1118)、(1119)、(112
0)、(1121)は真空搬送容器(1134−a)又
は(1134−b)が各真空処理容器(1110)、
(1111)、(1112)、(1113)に接続され
たとき、真空搬送容器ゲート弁(1135−a)又は
(1135−b)とゲート弁(1122)、(112
3)、(1124)、(1125)の空間を真空にす
る、又は堆積膜形成中に蓋(1136)とゲ−ト弁(1
124)の真空処理容器側とは反対側の密閉された空間
を真空にするための排気装置である。
【0027】図1(b)中、(1112)は堆積膜形成
用真空処理容器、(1139)は上部絶縁碍子、(11
24)は真空処理容器ゲート弁、(1138)は真空処
理容器ゲート弁開閉機構部でゲート弁(1124)とは
Oリングにて真空シールされている。真空処理容器ゲー
ト弁(1124)上には蓋(1136)が設置されてい
る。(1134−a)は真空搬送容器1、(1135−
a)は真空搬送容器ゲート弁、(1137)は真空搬送
容器1ゲート弁開閉機構部でゲート弁(1135−a)
とはOリングにて真空シールされている。(1140)
は蓋を持ち上げる為の真空パッドであり、真空エジェク
タユニット(図示せず)に接続されている。
【0028】例えば、堆積膜形成用真空処理容器(11
12)への基体の搬入は、真空搬送容器2(1134−
b)を該真空処理容器(1112)上に移動させ、真空
パッド(1140)にて、蓋(1136)を持ち上げ
る。その後真空搬送容器1(1134−a)を該真空処
理容器(1112)上に移動させ、ゲートバルブ(11
35−a)とゲートバルブ(1124)の空間を排気装
置(1120)により真空にする。次いでゲートバルブ
(1124)、(1135−a)を開き、真空搬送容器
1(1134−a)内に設けられた上下移動機構(図示
せず)により加熱用真空処理容器(1111)内より加
熱された補助基体を搬出し、同様の操作で次に堆積膜形
成用真空処理容器(1112)内に補助基体を搬入す
る。搬入後、蓋(1136)は元の位置に戻される。移
送時間は、通常3〜10分程である。その後は、前述の
ように堆積膜形成用真空処理容器(1112)内で、基
体上に堆積膜を形成する。
【0029】堆積膜形成中は、真空処理容器ゲート弁
(1124)の真空処理容器とは反対側に設けられた蓋
(1136)との密閉された空間を、ゲート間排気バル
ブ(1128)を介して真空引きを行い減圧としてい
る。堆積膜形成後は、ゲート間排気バルブ(1128)
を閉め、N2ガスにて空間内をベントする。そして最後
に冷却用真空処理容器(1113)へ真空搬送容器(1
134−b)を使用し補助基体を搬入し、該真空処理容
器(1113)内で基体は冷却された後、該真空処理容
器(1113)内を大気圧にし、基体を取り出す。
【0030】その後、堆積膜形成用真空処理容器(11
12)は、真空搬送容器(1134−b)によりダミー
置き台(図示せず)より該真空処理容器(1112)内
に設置されている基体加熱用ヒーター(図示せず)をプ
ラズマから保護する為のダミー基体を搬入し、該真空処
理容器内をフッ素系ガスにてプラズマクリーニングを行
い、該真空処理容器(1112)内に残っているポリシ
ランを除去し清浄化するものである。この動作フローの
代表例を図4及び図5に示す。図4は堆積膜形成用真空
処理容器への基体投入、堆積膜形成工程のフローで、図
5は堆積膜形成後の取り出し工程フローである。
【0031】上記のように構成することにより、堆積膜
形成中は、仮に堆積膜形成用真空処理容器ゲート弁開閉
機構部の真空シール面のシール性が低下していても、蓋
により密閉され減圧とされている事で、大気を該真空処
理容器内へ引き込む事が無くなり、堆積膜中への不純物
の混入が無くなり、その結果、膜の構造的欠陥が低減さ
れ、キャリアの走行性の改善が可能となり、残留電位と
いった電子写真電気特性及び、画像流れやゴーストとい
った電子写真画像特性を向上することができた。また、
上記のように構成することにより、、俗に「黒ポチ」と
呼ばれる、黒点状の画像欠陥が減少し、さらに長期間の
使用による「ポチ」の増加を低減することができる。
「ポチ」は、基体表面又は堆積膜中に付着したチリ、ほ
こりあるいは金属片といったダスト、及び反応容器内に
堆積したポリシランあるいは膜片がきっかけとなって堆
積膜が異常成長した球状突起が主原因である。とくに球
状突起が欠落した場合は球状突起の大小にかかわらず、
必ず画像欠陥となる。本発明の製造方法により、大気引
き込みによる真空処理容器内のガス流の変化を抑えた事
で、堆積膜形成中に反応容器内に付着したポリシランあ
るいは膜片等の飛散を抑え、それらを核として堆積膜が
異常成長して起る画像欠陥の抑制にも効果があるもので
ある。本発明においては、堆積膜形成中は真空排気手段
により、堆積膜形成用真空処理容器ゲート弁の該真空処
理容器とは反対側に設けられた蓋との空間内に残留して
いる大気及び不純物の引き込みをより抑える目的で、前
記空間内の圧力を減圧にすることが効果的であり、その
圧力は133Pa以下が望ましい。また、堆積膜形成中の
該真空処理容器内の圧力とほぼ同等又は低くする事が、
より望ましい。
【0032】また、加熱のみ行われる加熱用真空処理容
器についても、ポリシラン等の発生は無いが、ゲート弁
の該真空処理容器と反対側は大気中にさらされているた
め、大気中のダストが付着している事から、加熱上りの
基体を加熱用真空処理容器から真空搬送容器を用いて取
り出す際、ダストが基体表面に付着してしまい、それら
を核とした球状突起となり画像欠陥を引き起こしてしま
う事から、本発明の上記した構成を加熱用真空処理容器
についても適用しても良い。
【0033】本発明に係る真空搬送容器は、例えば、堆
積膜形成前の清浄度を有する工程に関わる投入用真空処
理容器と加熱用真空処理容器との移送及び、加熱用真空
処理容器と堆積膜形成用真空処理容器との移送と、堆積
膜形成後の堆積膜形成用真空処理容器と冷却用真空処理
容器との移送のようにポリシランが存在し、清浄度の悪
い工程とを処理容器の清浄度に応じて工程別に使い分け
して使用する事が望ましく、蓋を真空パッドにて吸着し
移送させるのは、使用する真空搬送容器とは別の真空搬
送容器側にて行うものである。
【0034】本発明において使用される基体としての支
持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。
導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、I
n、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金
属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げら
れる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂の
フィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶
縁性支持体の少なくとも光受容層を形成する側の表面を
導電処理した支持体も用いることができる。
【0035】本発明に於いて使用される支持体の形状は
平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベル
ト状であることができ、その厚さは、所望通りの電子写
真用光受容部材を形成し得るように適宜決定するが、電
子写真用光受容部材としての可撓性が要求される場合に
は、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能
な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体は
製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は
10μm以上とされる。特にレーザー光などの可干渉性
光を用いて像記録を行う場合には、可視画像において現
われる、いわゆる干渉縞模様による画像不良をより効果
的に解消するために、支持体の表面に凹凸を設けてもよ
い。支持体の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−1
68156号公報、同60−178457号公報、同6
0−225854号公報等に記載された公知の方法によ
り作成される。
【0036】また、レーザー光などの可干渉光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
る別の方法として、支持体の表面に複数の球状痕跡窪み
による凹凸形状を設けてもよい。即ち、支持体の表面が
電子写真用光受容部材に要求される解像力よりも微少な
凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球状痕跡窪みによ
るものである。支持体の表面に設けられる複数の球状痕
跡窪みによる凹凸は、特開昭61−231561号公報
に記載された公知の方法により作成される。
【0037】本発明の装置を用いて、グロー放電法によ
って堆積膜を形成するには、基本的にはシリコン原子
(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原
子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及び
ハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガス
を、反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容
器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に
設置されてある所定の支持体上にa−Si:H,Xから
なる層を形成すればよい。
【0038】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH4、Si26、Si3
8、Si410等のガス状態の、またはガス化し得る水素
化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げ
られ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良
さ等の点でSiH4、Si26が好ましいものとして挙
げられる。
【0039】そして、形成される堆積膜中に水素原子を
構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御をいっそう
容易になるようにはかり、本発明の目的を達成する膜特
性を得るために、これらのガスに更にH2および/また
はHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望
量混合して層形成することが必要である。また、各ガス
は単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差
し支えないものである。
【0040】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲ
ンガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合
物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のま
たはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構
成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原
子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げるこ
とができる。本発明に於て好適に使用し得るハロゲン化
合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、
ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7
のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原
子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換され
たシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF
4、Si26等の弗化珪素が好ましいものとして挙げる
ことができる。堆積膜中に含有される水素原子または/
及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体の
温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させる
ために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、
放電電力等を制御すればよい。
【0041】本発明に係る堆積膜には、必要に応じて伝
導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導
性を制御する原子は、堆積膜中に万偏なく均一に分布し
た状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不
均一な分布状態で含有している部分があってもよい。前
記伝導性を制御する原子としては、半導体分野におけ
る、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性
を与える周期律表第IIIb族に属する原子(以後「第III
b族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周
期律表第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と
略記する)を用いることができる。
【0042】第IIIb族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。堆積膜に含有される伝導性を制御する原子の含
有量としては、好ましくは1×10-2〜1×104原子
ppm、より好ましくは5×10-2〜5×l03原子p
pm、最適には1×10-1〜1×103原子ppmとさ
れるのが望ましい。
【0043】伝導性を制御する原子、たとえば、第III
b族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するに
は、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あ
るいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応
容器中に、堆積膜を形成するための他のガスとともに導
入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あ
るいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものと
しては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成
条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ま
しい。
【0044】そのような第IIIb族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B
26、B410、B59、B511、B610、B612
614等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等の
ハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3
GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TlCl3
も挙げることができる。
【0045】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3
PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が
挙げられる。この他、AsH 3、AsF3、AsCl3
AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、S
bCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3
等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして
挙げることができる。また、これらの伝導性を制御する
原子導入用の原料物質を必要に応じてH2および/また
はHeにより希釈して使用してもよい。
【0046】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する堆積膜を形成するには、Si供給用のガスと希釈ガ
スとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに
支持体温度を適宜設定することが必要である。希釈ガス
として使用するH2および/またはHeの流量は、層設
計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給
用ガスに対しH2および/またはHeを、通常の場合1
〜20倍、好ましくは2〜15倍、最適には3〜10倍
の範囲に制御することが望ましい。
【0047】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×1
-2〜1330Pa、好ましくは6.7×10-2〜67
0Pa、最適には1×10-1〜133Paとするのが好
ましい。放電電力もまた同様に層設計にしたがって適宜
最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量に対
する放電電力を、通常の場合0.1〜7倍、好ましくは
0.5〜6倍、最適には0.7〜5倍の範囲に設定する
ことが望ましい。さらに、支持体の温度は、層設計にし
たがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合20
0〜350℃とするのが望ましい。
【0048】本発明を適用するに際して、堆積膜を形成
するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲とし
て前記した範囲が挙げられるが、これらの条件は通常は
独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を
有する電子写真用感光体を形成すべく相互的且つ有機的
関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。また、
本発明を適用することにより製造される電子写真感光体
は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービ
ームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンタ
ー、液晶プリンター、レーザー製版機などの電子写真応
用分野にも広く用いることができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。 [実施例1]図1(a)に示すRF−PCVD法による
電子写真用光受容部材の製造装置を用い、基体には、珪
素原子の含有量が100ppmのアルミニウムよりなる
直径108mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒状
基体を鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、
表1に示す条件で基体上に、アモルファスシリコン堆積
膜の形成を行い、図6に示す層構成の阻止型電子写真感
光体を作製した。図6に於て、(601)、(60
2)、(603)及び(604)は、それぞれアルミニ
ウム基体、電荷注入阻止層、光導電層及び表面層を示し
ている。
【0050】本実施例では、光導電層1、2を以下の条
件で作製した。この時、堆積膜形成用真空処理容器外壁
に設けられたゲート弁の真空処理容器とは反対側の空間
を密閉する蓋を設けて排気装置により減圧とした。尚、
この時の空間内の真空度は6.7pa以下であった。そ
れ以外の構成は、図2と同様の構成とした。
【0051】(比較例1)堆積膜形成用真空処理容器外
壁に設けられたゲート弁の真空処理容器とは反対側の空
間は大気状態としたこと以外は実施例1と同様の方法に
て作製した。
【0052】
【表1】 作製した電子写真感光体を電子写真装置(キヤノン製N
P6150をテスト用に改造)にセットして、残留電
位、画像流れ、ゴーストならびに黒ポチを以下の方法で
評価した。
【0053】『残留電位』電子写真感光体の表面に、4
00vの暗部表面電位を帯電させた後、直ちに一定光量
0.5Lux.secを照射した。光像は、キセノンラ
ンプ光源を用い、フィルターを用いて550nm以下の
波長域を除いた光を照射した。この時、表面電位計によ
り、電子写真感光体の明部表面電位を測定した。そし
て、得られた明部表面電位の平均をもって、残留電位と
した。そして、比較例1で得られた残留電位を100と
した時の相対値であらわす。
【0054】『画像流れ』白地に全面文字よりなるキヤ
ノン製テストチャート(部品番号:FY9−9058)
を原稿台に置き、通常の露光量の2倍の露光量で光を照
射し、コピーをとる。こうして得られた画像を観察し、
画像上の細線が途切れずにつながっているかを、以下の
4段階で評価した。尚、画像上でむらのある場合は、全
画像域で最も悪い部位で評価した。 ◎は「良好」 ○は「一部途切れあり」 △は「途切れが多いが文字として判読でき、実用上問題
無し」 ×は「途切れが多く、文字として判読し難く、実用上問
題有り」 『ゴースト』キヤノン製ゴーストテストチャート(部品
番号:FY9−9040)に反射濃度1.1、φ5mm
の黒丸を貼り付けたものを原稿台の画像先端部に置き、
その上にキヤノン製中間調チャート(部品番号:FY9
−9042)を重ねて置いた際のコピー画像において、
中間コピー上に認められるゴーストチャートのφ5mm
の反射濃度と中間調部分の反射濃度の差を測定した。 ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題無し」 ×は「実用上問題有り」 『黒ポチ』キヤノン製中間調チャート(FY9−904
2)を原稿台に置きコピーしたときに得られたコピー画
像の同一面積内にある直径0.2mm以下の黒ポチにつ
いて、評価した。 ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題無し」 ×は「実用上問題有り」
【0055】
【表2】 このようにして得られた結果を表2に示す。表2により
明らかなように、堆積膜形成用真空処理容器外壁に設け
られたゲート弁の真空処理容器とは反対側の空間を密閉
する蓋を設けて排気装置により減圧とした事で、残留電
位が低減し、画像流れ、ゴースト、黒ぽちといった画像
欠陥の良好な電子写真用感光体を得ることができるよう
になった。
【0056】[実施例2]実施例1と同様の電子写真用
光受容部材の製造装置を用い、基体には、珪素原子の含
有量が100ppmのアルミニウムよりなる直径108
mm、長さ358mm、肉厚5mmの円筒状基体を鏡面
加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表3に示す
条件で基体上に、アモルファスシリコン堆積膜の形成を
行い、図6に示す層構成の阻止型電子写真感光体を作製
した。図6に於て、(601)、(602)、(60
5)、(606)及び(604)は、それぞれアルミニ
ウム基体、電荷注入阻止層、光導電層1、光導電層2及
び表面層を示している。
【0057】
【表3】 作製した電子写真用感光体を実施例1と同様な手段で同
様の評価を行ったところ、実施例1と同様非常に良好な
結果であった。
【0058】[実施例3]放電電力印加手段をVHF−
PCVD法にした事以外は実施例1と同様の装置で、直
径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダ
ー(支持体)上に表4に示す条件で電荷注入阻止層、光
導電層、表面層からなる光受容部材を作製した。作製し
た電子写真用感光体を実施例1と同様な手段で同様の評
価を行ったところ、実施例1と同様非常に良好な結果で
あった。
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、真空処理容器の壁面に開閉可能なゲー卜弁を設け、
該ゲート弁の該真空処理容器と反対側に密閉された空間
を形成し、該空間内を減圧して堆積膜を形成するように
構成することで、堆積膜形成中に不純物の混入を抑制す
ることが可能となり、電気特性に優れた堆積膜、とりわ
け高品位の画像を与える電子写真感光体を安価に安定し
て製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明における基体処理装置全体の配
置図であり、(b)は真空反応容器ゲート弁と真空搬送
容器1についての模式的説明図である。
【図2】本発明における基体処理装置一例を示す模式的
説明図である。
【図3】従来の基体処理装置全体の配置説明図である。
【図4】本発明における電子写真用感光体を形成するた
めの動作を示すフロー図であり、堆積膜形成工程のフロ
ー図である。
【図5】本発明における電子写真用感光体を形成するた
めの動作を示すフロー図であり、堆積膜形成後の取り出
し工程のフロー図である。
【図6】本発明における電子写真感光体の層構成の模式
的説明図である。
【符号の説明】
1110、3110:真空処理容器(投入用) 1111、3111:真空処理容器(加熱用) 1112、3112:真空処理容器(堆積膜形成用) 1113、3113:真空処理容器(冷却用) 1114〜1117、3114〜3117:真空容器排
気装置 1118〜1121、3118〜3121:排気装置 1122〜1125、3122〜3125:真空容器ゲ
ート弁 1126〜1129、3126〜3129:排気バルブ 1130〜1133、3130〜3133:真空容器排
気バルブ 1134−a,b、3134−a,b:真空搬送容器 1135−a,b、3135−a,b:真空搬送容器ゲ
ート弁 1136:蓋 1137、1138:真空搬送容器ゲート弁開閉機構部 1139:上絶縁碍子 1140:真空パッド 2100:堆積装置 2111:反応処理容器 2112:円筒状支持体 2113−a,b:支持体(基体)ホルダー 2114:支持体(基体)加熱ヒーター 2115:原料ガス導入管 2116:マッチングボックス 2117:ガス配管 2118:リークバルブ 2119:メインバルブ 2120:真空計 2121:真空処理容器下壁(ベースプレート) 2122:絶縁碍子 2123:上蓋 2124:ガス分岐管 2200:原料ガス供給装置 2211〜2216:マスフローコントローラー 2221〜2226:原料ガスボンベ 2231〜2236:原料ガスボンベバルブ 2241〜2246:ガス流入バルブ 2251〜2256:ガス流出バルブ 2260:補助バルブ 2261〜2266:圧力調整器 601:基体(支持体) 602:電荷注入阻止層 603:光導電層 604:表面層 605:光導電層2(電荷発生層) 606:光導電層1(電荷輸送層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 秀彰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高田 和彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 櫃石 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 DA23 EA24 EA30 4K030 GA12 HA01 KA11 LA17

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の真空処理容器と該真空処理容器内に
    設置された基体を処理する基体処理方法において、 前記真空処理容器の壁面に設けられた開閉可能なゲー卜
    弁の該真空処理容器と反対側に密閉された空間を形成
    し、該空間内を減圧にすることを特徴とする基体処理方
    法。
  2. 【請求項2】前記処理は、減圧気相成長法により基体の
    表面に堆積膜を形成することである請求項1に記載の基
    体処理方法。
  3. 【請求項3】前記密閉された空間は、前記ゲート弁の前
    記真空処理容器と反対側の空間を蓋により密閉して形成
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    基体処理方法。
  4. 【請求項4】前記真空搬送容器には、密閉された空間を
    形成する蓋を脱着するための機構が設けられていること
    を特徴とする請求項3に記載の基体処理方法。
  5. 【請求項5】前記蓋の脱着は、前記基体を前記真空処理
    容器内に搬入または搬出する真空搬送容器とは別の真空
    搬送容器側で行われることを特徴とする請求項4に記載
    の基体処理方法。
  6. 【請求項6】前記真空処理容器への基体の設置は、真空
    搬送容器と前記真空処理容器とをゲート弁を介して接続
    して行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の基体処理方法。
  7. 【請求項7】前記真空搬送容器は、少なくとも2個以上
    を有することを特徴とする請求項6に記載の基体処理方
    法。
  8. 【請求項8】複数の真空処理容器と、前記真空処理容器
    の壁面に開閉可能なゲート弁を備え、前記真空処理容器
    内に設置された基体を処理する基体処理装置において、
    前記ゲート弁の該真空処理容器とは反対側の空間を密閉
    しうる密閉部材を設け、前記基体の処理中は、真空排気
    手段によって該空間内を減圧可能に構成したことを特徴
    とする基体処理装置。
  9. 【請求項9】前記処理は、減圧気相成長法により基体の
    表面に堆積膜を形成することである請求項8に記載の基
    体処理装置。
  10. 【請求項10】前記密閉部材は、前記ゲート弁の前記真
    空処理容器とは反対側に密閉された空間を形成する蓋に
    よって構成されていることを特徴とする請求項8または
    請求項9に記載の基体処理装置。
  11. 【請求項11】前記真空搬送容器には、前記密閉された
    空間を形成する蓋を脱着するための機構が設けられてい
    ることを特徴とする請求項10に記載の基体処理装置。
  12. 【請求項12】前記蓋の脱着は、前記基体を前記真空処
    理容器内に搬入または搬出する真空搬送容器とは別の真
    空搬送容器側で行われることを特徴とする請求項11に
    記載の基体処理方法。
  13. 【請求項13】前記真空処理容器への基体の設置は、真
    空搬送容器と前記真空処理容器とをゲート弁を介して接
    続して行うことを特徴とする請求項8〜12のいずれか
    1項に記載の基体処理装置。
  14. 【請求項14】前記真空搬送容器は、少なくとも2個以
    上を有することを特徴とする請求項13に記載の基体処
    理装置。
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