JP2002129011A - 酸化チタン含有ポリアミドおよびその製造方法 - Google Patents

酸化チタン含有ポリアミドおよびその製造方法

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JP2002129011A
JP2002129011A JP2000327797A JP2000327797A JP2002129011A JP 2002129011 A JP2002129011 A JP 2002129011A JP 2000327797 A JP2000327797 A JP 2000327797A JP 2000327797 A JP2000327797 A JP 2000327797A JP 2002129011 A JP2002129011 A JP 2002129011A
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polyamide
titanium oxide
melt
diameter
melt viscosity
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Tatsuya Kato
達也 加藤
Hideo Hori
秀夫 堀
Hiroyoshi Megata
宏芳 目片
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分散性に優れ、成形時の濾過圧上昇が低い酸
化チタン含有ポリアミドを提供する。 【解決手段】 酸化チタンを含有するポリアミドであっ
て、該ポリアミド0.1gをガラス板上に溶融圧延した
後、顕微鏡で観察される直径1μm以上の酸化チタンの
全粒子数に対し、直径5μm以上の粒子割合を2%以下
とする。更に、ポリアミドの溶融粘度が350Pa・S
以下になるように加熱溶融し、酸化チタンを連続的に混
練する製造方法とこのポリアミドを用いた繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタン含有ポ
リアミドおよびその製造方法に関するものである。さら
に詳細には酸化チタンの分散性が良好であり、成形時の
濾圧上昇が抑制されたとりわけ紡糸用に好適な酸化チタ
ン含有ポリアミドおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドはポリエステルとともに衣料
用、産業用等の繊維用途あるいは樹脂成形品用途として
幅広く使用されている。ポリアミドを衣料用繊維として
使用する場合、艶消し剤として酸化チタンを添加するこ
とが一般に行われている。
【0003】酸化チタンの添加方法としては、重合の初
期段階に酸化チタン水スラリーを原料系に添加する方
法、または予め酸化チタンを混合または分散させた原料
を重合する方法が広く知られている。
【0004】しかしながら、酸化チタンはポリアミドの
重合時に凝集を起こしやすく、酸化チタンの粗大粒子を
生じ、後加工工程すなわち紡糸時に糸切れや、紡糸機内
での濾過圧力上昇のトラブルをしばしば引き起こすこと
があった。
【0005】酸化チタンの凝集や粗大粒子の発生を防止
するため、混練機能を有する押出機に熱可塑性ポリマー
と無機顔料を連続的に供給する際、シロキサン系有機物
を無機顔料と同時に添加する方法(特開平1−1213
29号公報)が提案されている。
【0006】しかしこれらの従来技術では繊維用原料と
した場合、粗大粒子の点では未だ満足のいくものではな
く、シロキサン系有機物を添加することで表面特性の変
化が現れ、高品質な繊維が得られないという欠点があっ
た。
【0007】また、特開平4−259528号公報には
ポリマー溶融液を連続的に変性する方法が教示されてい
る。しかしながら、この方法では、良好な分散を一定に
保てず、濾圧上昇による紡糸操業性が安定しないという
問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は粗大粒子が少
なく、ろ過圧力上昇の小さい繊維用原料に好適な酸化チ
タン含有ポリアミドを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(1)酸化チタンを含有するポリアミドであって、
該ポリアミド0.1gをガラス板上に溶融圧延した後、
顕微鏡で観察される直径1μm以上の酸化チタンの全粒
子数に対し、直径5μm以上の粒子割合が2%以下であ
るポリアミド、(2)ポリアミドがナイロン6である上
記(1)記載のポリアミド、(3)上記(1)〜(2)
に記載のポリアミドからなる繊維、(4)酸化チタンを
ポリアミドに溶融混練するポリアミドの製造方法であっ
て、ポリアミドの溶融粘度が350Pa・s以下になる
ように加熱溶融し、酸化チタンを連続的に混練すること
を特徴とするポリアミドの製造方法、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】この課題を達成するため、本発明
者らは溶融圧延後のポリマー中の粗大粒子数に着眼し、
特定の範囲に制御し、用いることにより、濾過圧力上昇
の小さい繊維用原料に好適なポリアミドが得られること
を見出し、本発明に到った。
【0011】以下、本発明について説明する。本発明で
用いるポリアミドとは、溶融成形可能な主鎖中炭化水素
基をアミド結合で連結してなる高分子量体(樹脂)を言
い、その種類には特に制限はないが、例えばナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、あるいはそれらを
主体とする共重合ポリアミドが挙げられる。特にナイロ
ン6、ナイロン66が熱劣化が小さいため好適に用いら
れる。ここで、主体とするとは当該構造単位を50モル
%以上含有することを言う。
【0012】本発明のポリアミドは、必要に応じ本発明
の目的を阻害しない範囲内で、公知の耐光剤、粘度安定
剤、制電剤、可塑剤、耐熱安定剤、顔料、他の重合体
(例えばポリエチレン、ポリエステル等およびこれらの
変性物等)を重合時もしくは重合後のポリマーに含有し
ていても差し支えはない。
【0013】本発明のポリアミドは酸化チタンを含有す
る。用いる酸化チタンの種類には特に制限はない。酸化
チタン粒子は乾式粉砕による処理を行っておくことが好
ましい。この処理により、混練時の剪断力による粉砕と
の相乗効果により、粗大粒子をより効率的に低減するこ
とができる。
【0014】酸化チタンの含有率は任意に設定すること
ができるが、全体の60重量%以下が好ましく、さらに
好ましくは40重量%以下である。酸化チタンの含有率
が60重量%を超えると、紡糸した際に糸の強度が低く
なるため、糸切れが多くなり、紡糸操業性に影響が出る
おそれがある。
【0015】本発明のポリアミドは、該ポリアミド0.
1gをガラス板上に溶融圧延した後、顕微鏡で観察され
る直径1μm以上の酸化チタンの全粒子数に対し、直径
5μm以上の粒子割合が2%以下であることが必要であ
り、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下
である。直径5μm以上の粒子割合が2%を超えると、
紡糸時のろ圧上昇が大きく、糸切れや紡糸機口金の交換
等のため操業性が悪化する。
【0016】次に本発明のポリアミドを製造する方法に
ついて、例を挙げて説明する。本発明のポリアミドは押
出機中でポリアミド樹脂と酸化チタンとを溶融混練する
ことで製造することができる。押出機は混練の強さ、酸
化チタンの供給のし易さから二軸押出機が好ましく使用
される。また酸化チタンはポリアミドの供給量に応じた
量を計量フィーダーで連続的に計量し、ポリアミド樹脂
の供給場所より下流に取り付けられたサイドフィーダー
へ供給され、溶融状態のポリアミド樹脂と混練される。
【0017】この際、該ポリアミド樹脂の溶融混練温度
での溶融粘度を350Pa・s以下とすることが重要で
ある。溶融粘度が350Pa・sを超えていると、酸化
チタン添加後混練を強化しても酸化チタンの分散が不十
分となり、粗大粒子が極端に多くなってしまう。下限と
しては特に制限はないが、50Pa・s以上とすること
が好ましい。50Pa・s未満になるとポリアミドの劣
化が激しくなり、ポリアミド本来の物性が保たれなくな
り、紡糸操業性に劣る場合がある。
【0018】ポリアミドの押出機への供給形態には特に
制限がなく、重合後の溶融ポリマーを直接供給する方
法、一旦チップ状にしたポリアミドを供給する方法があ
る。ただしポリアミドに対する酸化チタンの添加率を一
定にするため、ポリアミドの供給量を一定にするよう、
ギアポンプ、計量フィーダー等で供給量を制御すること
が好ましい。
【0019】本発明のポリアミドは種々の成形体、例え
ば、繊維、フィルム、シート、金型等での成形品など、
に好適に用いられ、成形に際しては公知の方法を採用す
ることができる。とりわけ、本発明のポリアミドは長時
間の操業に耐え、かつ、高品質な繊維が安定して得られ
ることから、繊維として好ましく用いられる。
【0020】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。が、本発明はかかる実施例により限定されるわけ
ではない。なお、実施例および比較例に記した測定は次
の方法に従って行った。 A.粗大粒子割合 酸化チタン含有ポリアミドのサンプル0.1gを290
℃に加熱した熱板上でスライドグラスにのせ、カバーグ
ラスをのせ、さらにスライドグラスをのせ、均一になる
よう圧延した。これを200倍の倍率とした光学顕微鏡
で圧延ポリマー部分の酸化チタン粒子を観察し、直径1
μm以上の粒子数(A)と直径5μm以上の粒子数
(B)を計数し、以下の式により粒子割合を求めた。 粒子割合(%)= (B)/(A) ×100 なお、ここで、直径は粒子の長径として定義される。 B.溶融粘度(Pa・s) 予め樹脂を80℃で15時間真空乾燥し、東洋精機社製
Melt Indexerを用いて、溶融温度を変え
て、剪断速度10sec-1で溶融粘度を測定し溶融粘度
と温度との関係を求めた。混練時の溶融粘度は、混練機
のサイドフィーダー直前のポリマー温度を測温し、前記
Melt Indexerで求めた温度−溶融粘度の結
果を最小二乗法にて内挿して補間し、当該温度での溶融
粘度とした。 C.ろ圧上昇速度(MPa/hr) 得られたポリマーを120℃で15時間真空乾燥した
後、このポリマーを265℃で溶融し、5μmフィルタ
ーで1.3g/cm2・minの速度で2時間ろ過を行った。こ
のときの単位時間あたりのろ過圧力の上昇速度をろ圧上
昇速度とした。
【0021】実施例1 ナイロン6チップ(アミランCM1001、東レ社製)
を二軸押出機TEX−30(日本製鋼所社製)のホッパ
ーから20kg/hrで供給し、サイドフィーダーから
6.7kg/hrの割合で酸化チタンを供給し、混練後
ペレタイズして酸化チタン濃度25%のチップを得た。
このとき酸化チタン供給直前のポリマー温度は250℃
であった。あらかじめ測定した溶融粘度とポリマー温度
の関係(図1)からこのときのポリマー溶融粘度は13
0Pa・sであった。このチップの粗大粒子割合は0.
5%であり、ろ圧上昇速度は1.1MPa/hrであっ
た。 溶融粘度測定条件 測定温度:240℃、250℃、260℃ 滞留時間:5分 キャピラリー:2.1mmφ×8mm
【0022】実施例2 ナイロン6チップ(アミランCM1010、東レ社製)
を二軸押出機TEX−30(日本製鋼所社製)のホッパ
ーから20kg/hrで供給し、サイドフィーダーから
6.7kg/hrの割合で酸化チタンを供給し、混練後
ペレタイズして酸化チタン濃度25%のチップを得た。
このとき酸化チタン供給直前のポリマー温度は247℃
であった。この時の溶融粘度は、実施例1記載の条件で
あらかじめ測定した溶融粘度とポリマー温度の関係(図
1)から320Pa・sであった。このチップの粗大粒
子割合は1.4%であり、ろ圧上昇速度は2.0MPa
/hrであった。
【0023】実施例3 ナイロン6チップ(アミランCM1001、東レ社製)
を二軸押出機TEX−30(日本製鋼所社製)のホッパ
ーから20kg/hrで供給し、サイドフィーダーから
1.1kg/hrの割合で酸化チタンを供給し、混練後
ペレタイズして酸化チタン濃度5%のチップを得た。こ
のとき酸化チタン供給直前のポリマー温度は245℃で
あった。この時の溶融粘度は、実施例1記載の条件であ
らかじめ測定した溶融粘度とポリマー温度の関係(図
1)から150Pa・sであった。このチップの粗大粒
子割合は0.2%であり、ろ圧上昇速度は0.5MPa
/hrであった。
【0024】以上の実施例から、直径5μm以上の粗大
粒子割合を同1μm以上の粒子2%以下のポリアミドと
することで濾圧上昇速度が小さく、酸化チタンの分散性
の良いチップが得られることがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】比較例1 ナイロン6チップ(アミランCM1010、東レ社製)
を二軸押出機TEX−30(日本製鋼所社製)のホッパ
ーから20kg/hrで供給し、サイドフィーダーから
1.1kg/hrの割合で酸化チタンを供給し、混練後
ペレタイズして酸化チタン濃度5%のチップを得た。こ
のとき酸化チタン供給直前のポリマー温度は237℃で
あった。この時の溶融粘度は、実施例1記載の条件であ
らかじめ測定した溶融粘度とポリマー温度の関係(図
1)から390Pa・sであった。このチップの粗大粒
子割合は2.5%であり、ろ圧上昇速度は5.1MPa
/hrであった。
【0027】実施例、比較例から粗大粒子割合が濾圧上
昇速度に与える影響が大きいことがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明のポリアミドは、酸化チタンの分
散性が良好で、粗大粒子が少ないので、ろ過圧力上昇が
小さくフィルター寿命の延長が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いたポリアミド樹脂の溶融温度と
溶融粘度の関係を表したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 77:00 B29K 77:00 Fターム(参考) 4F070 AA54 AC15 AD04 AE01 AE04 FA03 FC05 4F201 AA29 AB17 AR17 BA01 BC01 BC13 BC15 BC19 BK02 BK13 BK26 BN18 BQ50 4J002 CL011 CL031 DE136 GK01 4L035 AA05 HH10 JJ05 KK01 KK05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンを含有するポリアミドであっ
    て、該ポリアミド0.1gをガラス板上に溶融圧延した
    後、顕微鏡で観察される直径1μm以上の酸化チタンの
    全粒子数に対し、直径5μm以上の粒子割合が2%以下
    であるポリアミド。
  2. 【請求項2】 ポリアミドがナイロン6である請求項1
    記載のポリアミド。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2に記載のポリアミドからな
    る繊維。
  4. 【請求項4】 酸化チタンをポリアミドに溶融混練する
    ポリアミドの製造方法であって、ポリアミドの溶融粘度
    が350Pa・s以下になるように加熱溶融し、酸化チ
    タンを連続的に混練することを特徴とするポリアミドの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005071697A1 (ja) * 2004-01-27 2005-08-04 Mitsubishi Materials Corporation 高誘電率誘電体及び該誘電体を使用したアンテナ
JP2009221620A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Toray Ind Inc スクリーン紗用モノフィラメント
JP2015045018A (ja) * 2014-10-28 2015-03-12 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形体

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