JP2002126503A - 有機ハロゲン化合物の分解装置 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の分解装置

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JP2002126503A
JP2002126503A JP2000321663A JP2000321663A JP2002126503A JP 2002126503 A JP2002126503 A JP 2002126503A JP 2000321663 A JP2000321663 A JP 2000321663A JP 2000321663 A JP2000321663 A JP 2000321663A JP 2002126503 A JP2002126503 A JP 2002126503A
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Japan
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reaction tube
tube
flange
organic halogen
decomposing
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JP2000321663A
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English (en)
Inventor
Masahiro Bessho
正博 別所
Norihisa Horaguchi
典久 洞口
Satoru Matsuo
松尾  識
Yuji Okada
有二 岡田
Soichiro Matsumoto
創一郎 松本
Kazuhiro Suzuki
一弘 鈴木
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吹込管の腐食を防止することができる有機ハ
ロゲン化合物の分解装置を提供すること。 【解決手段】 有機ハロゲン化合物を含むガスにマイク
ロ波を照射することによって熱ブラズマを生成し、該熱
プラズマ中で有機ハロゲン化合物を分解する装置であっ
て、内部で有機ハロゲン化合物を水蒸気と反応させて前
記熱プラズマにより分解する反応管15と、アルカリ液
を収容する排ガス処理タンクと、前記反応管15の下端
部に連結され、前記排ガス処理タンク内のアルカリ液中
に開口する吹込管45と備え、前記反応管15と吹込管
45とは、断熱ガスケット(第1の断熱手段)48を挟
んで連結され、前記吹込管45は、樹脂材料により形成
されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフロン等の有機ハロ
ゲン化合物を分解する有機ハロゲン化合物の分解装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子内にフッ素、塩素、臭素等を含んだ
クロロフルオロカーボン(いわゆるフロン)、トリクロ
ロメタン等の有機ハロゲン化合物は、冷媒、溶剤、消火
剤等の幅広い用途に大量に使用されており、産業分野に
おける重要度は極めて高い。しかし、これら化合物は揮
発性が高く、未処理のまま大気、土壌、水等の環境に放
出されると、発ガン性物質の生成、オゾン層の破壊等、
環境に悪影響を及ぼすことがあるため、環境保全の見地
から無害化処理を行う必要がある。
【0003】従来から有機ハロゲン化合物の処理方法と
して報告されているものは、主として高温での熱分解反
応を利用したものがあり、この処理方法は更に焼却法と
プラズマ法とに大別される。焼却法は、有機ハロゲン化
合物を樹脂等の通常の廃棄物と一緒に焼却するものであ
るのに対し、プラズマ法は、プラズマ中で有機ハロゲン
化合物を水蒸気と反応させ、二酸化炭素、塩化水素、フ
ッ化水素に分解するものである。
【0004】さらに、後者のプラズマ法に係る有機ハロ
ゲン化合物分解装置の運転制御方法については、マイク
ロ波を利用してプラズマを発生させるものが近年開発さ
れている。この分解方法に用いられる分解装置は、アル
カリ液を収容する排ガス処理タンクと、開口した下端部
をアルカリ液に浸漬した状態で配設される反応管と、該
反応管の上方において垂直方向に延在する円筒導波管
と、該円筒導波管の内部に配されその下端を貫通して反
応管に連通する放電管と、水平方向に延在しその一端部
近傍において円筒導波管に連接される方形導波管と、該
方形導波管の他端に装着されるマイクロ波発振器等を具
備してなる。
【0005】この分解装置では、放電管にフロンガスお
よび水蒸気が供給される一方で、マイクロ波発振器から
発振されたマイクロ波が方形導波管を介して円筒導波管
に伝送される。そして、円筒導波管の内部に形成された
マイクロ波電界で放電を起こし、反応管内でフロンガス
を熱プラズマにより分解する。他方、この分解反応によ
り酸性ガス(フッ化水素及び塩化水素)が生成される。
このガスは、吹込管によりアルカリ液中に導かれて中和
されるとともに、炭酸ガス等を含む残りのガスは排気ダ
クトから排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、生成された
酸性ガスは、水に溶解すると強酸性液となる。このた
め、吹込管が金属製であると液腐食を起こしやすいとい
う問題があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて成されたもので
あり、吹込管の腐食を防止することができる有機ハロゲ
ン化合物の分解装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、有機ハロゲン化合物を含むガスにマイクロ波のエネ
ルギーを投入することによって熱ブラズマを生成し、該
熱プラズマ中で有機ハロゲン化合物を分解する装置であ
って、内部で有機ハロゲン化合物を水蒸気と反応させて
前記熱プラズマにより分解する反応管と、アルカリ液を
収容する排ガス処理タンクと、前記反応管の下端部に連
結され、前記排ガス処理タンク内のアルカリ液中に開口
する吹込管と備え、前記反応管と吹込管とは、第1の断
熱手段を挟んで連結され、前記吹込管は、樹脂材料によ
り形成されていることを特徴とする。
【0009】この発明においては、腐食ガスが凝縮液と
なる部分には樹脂を使用することにより、腐食を防止す
ることができるとともに、重量を軽減することができ
る。また、金属の溶出が起きず廃棄物の安全性が高ま
る。樹脂としては、耐食性を有し、耐熱温度が少なくと
も100℃以上であることが望ましい。具体的な材料と
しては、PE(ポリエチレン),PP(ポリプロピレ
ン),PTFE(ポリテトラフルオロエチレン),PF
A(テトラフルオロエチレン−バーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体),PVDF(ポリフッ化ビニリ
デン),PVC(ポリ塩化ビニル),PVDC(ポリ塩
化ビニリデン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカ
ーボネート)等が挙げられる。特に、耐熱温度、耐食性
に優れているPTFE,PFAが望ましい。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の有機ハロゲン化合物の分解装置において、前記吹込管
は、前記反応管と連結されるグラファイト製の連結部を
備え、該連結部に、樹脂材料により形成された樹脂部が
連結されていることを特徴とする。
【0011】この発明においては、高温となる吹込管上
端部を、耐熱性、耐食性に優れているグラファイトによ
り構成することで、連結部の焼損を防ぐことができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の有機ハロゲン化合物の分解装置において、前
記反応管の下端には外周側に張り出すフランジが設けら
れ、前記吹込管の上端には外周側に張り出すフランジが
設けられ、前記反応管のフランジとの間で前記第1の断
熱手段および前記吹込管のフランジを挟み込む第1の固
定手段が設けられていることを特徴とする。
【0013】この発明においては、第1の固定手段によ
って、反応管と吹込管とが固定される。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の有機ハロゲン化合物の分解装置において、前記反応管
は、その周囲を取り囲んで設けられた冷却ジャケットを
備え、前記反応管の下端には外周側に張り出すフランジ
が設けられ、前記吹込管の上端には外周側に張り出すフ
ランジが設けられ、前記冷却ジャケットの下端は前記反
応管の下端より下に位置しているとともに、該下端には
内周側に張り出す前記第1の固定手段としてのフランジ
が設けられ、前記反応管のフランジと、前記第1の断熱
手段と、前記吹込管のフランジと、シールを行うための
ガスケットと、前記ジャケットのフランジとが、この順
で締結されていることを特徴とする。
【0015】この発明においては、冷却ジャケットの一
部をなす第1の固定手段により、反応管と吹込管とが固
定される。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の有機ハロゲン化合物の分解装置において、前記反応管
は、その周囲を取り囲んで設けられた冷却ジャケットを
備え、第2の固定手段及び前記第1の固定手段が前記冷
却ジャケットに設けられており、これら第2の固定手段
と第1の固定手段の間に、第2の断熱手段、前記反応管
のフランジ、前記第1の断熱手段、吹込管のフランジ、
および、シールを行うためのガスケットがこの順で挟み
込まれていることを特徴とする。
【0017】この発明においては、反応管と吹込管と
が、冷却ジャケットに設けられた第1と第2の固定手段
によって挟まれることにより固定される。すなわち反応
管と吹込管とは直接ボルトなどで締結されていないた
め、両者間の熱伝導が防止され、反応管を露点以下に冷
却させることがない。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項1から5
いずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解装置におい
て、前記反応管内には、多孔形状を有する邪魔板が設け
られていることを特徴とする。
【0019】反応管内においては、発生したプラズマに
よって中心部が特に高温となっている。樹脂は熱伝導率
が悪いため、プラズマの中心部に晒されると局所的に高
温となり、変形、穴あきなどを生ずる恐れがある。本発
明のように邪魔板を設置することで、邪魔板の通過によ
りガス温度の均一化が行われ、樹脂製の吹込管が局所的
に極めて高温にさらされることが防止される。邪魔板の
材質としては、インコネル、ハステロイ、ニッケルなど
の高温耐食性金属材料、または、Al23などの無機材
料が適している。特に、プラズマにより発生した熱に晒
されることを考慮すると、Al23などの無機材料が最
適である。また、邪魔板の形状としては、なるべく圧力
損失が小さく、かつ、混合が十分に行えるものが望まし
く、例えば、ハニカム状に成形したものや、球状や粒状
のものを充填した構造が挙げられる。さらに、化学プラ
ントで用いられる、ラシヒリングやポールリングなどの
充填物を利用することも有効である。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る有機ハロゲン
化合物の分解装置について、図1から図7を参照しなが
ら説明する。図1において、水平方向に延びる方形導波
管1は、その始端部に周波数2.45GHzのマイクロ
波を発振するマイクロ波発振器2を備えており、始端側
から終端側に向けてマイクロ波を伝送する。
【0021】方形導波管1には、図1に示すように、そ
の終端部側で反射して始端部側に戻ってきたマイクロ波
を吸収することにより反射波の発振側への影響を防止す
るアイソレータ3と、複数の波動調整部材4を各々出入
りさせることにより電波の波動的な不整合量を調整して
放電管5に電波を収束させるチューナ6が設けられてい
る。
【0022】ここで、マイクロ波の発生動作について説
明する。マイクロ波発振器2は断面矩形の導波管の一端
に置かれマグネトロンを駆動して所定周波数の電磁波を
放射する。この電磁波の伝播現象は電磁波に関るマクス
ウェルの波動方程式を解くことによって特性が把握され
るわけであるが、結果的には伝播方向に電界成分を持た
ない電磁波TE波として伝播する。
【0023】この1次成分TE10の例を方向が交番する
矢印で図2の方形導波管の伝播方向に示す。また、方形
導波管1の他端部に2重の円筒状導体からなる2重円筒
導波管の環状空洞には、導波管1を伝播する電磁波、管
端で反射する電磁波の導体9による結合作用により、環
状空洞部には、進行方向に電界成分を持つTM波が生じ
る。この1次成分であるTM10波を同じく図2の環状空
洞部に矢印で示す。電磁波の波動の伝播に関る2次以上
の高調波に起因する微妙な調整はチューナ6で調整され
る。アイソレータ3はマイクロ波発振器2に根本的なダ
メージを及ぼすのを防止している。
【0024】さて、図2に示すように、放電管5は内管
11と外管12とから構成され、円筒導波管7の中心軸
に対して同軸となるように配置されている。円筒導波管
7は、外側導体8と、それよりも小径の内側導体9とか
ら構成され、方形導波管1の終端部近傍において当該方
形導波管1に連通した状態で垂直方向に延びるように接
続されている。内側導体9は、方形導波管1の上部に固
定された状態で石英製の放電管5を囲みつつ外側導体8
の端板8Aに向けて延在し、この延在部分をプローブア
ンテナ9aとしている。また、放電管5の内管11に
は、点火トランス13に接続された点火電極14が挿入
されている。
【0025】さらに、内管11の先端(下端)は、プロ
ーブアンテナ9aの先端よりも所定の距離だけ内方に配
されている。
【0026】他方、外管12の先端部は、外側導体8の
端板8Aを貫通して反応管15に連通し、また、外管1
2の基端側(上端側)は、内側導体9との間に隙間をあ
けた状態で取り付けられている。外側導体8の端板8A
と反応管15との間には、露出する外筒12に向けて光
センサ17が設けられている。光センサ17は、光度を
検出することによりプラズマの生成状態を監視するもの
である。
【0027】そして、内側導体9と外管12の基端側と
の隙間には、ガス供給管16が、外管12と内管11と
により形成される環状通路の入口側で、接線方向に沿っ
て挿入されている。アルゴンガス(希ガス)、フロンガ
ス(有機ハロゲン化合物)、エア、および水蒸気は、ガ
ス供給管16を介して放電管5の環状通路に供給され
る。これらアルゴンガス、フロンガス、およびエアは、
図1に示す電磁弁19a、19b、19cの開閉動作に
より、それぞれの供給源から選択的にヒータ18へと送
られる。
【0028】アルゴンガスは、プラズマの発生に先立っ
て着火を容易にするために供給されるもので、アルゴン
ボンベ21に貯蔵されている。なお、アルゴンガスの
他、ヘリウム、ネオン等の希ガスを用いることができる
のは言うまでもない。このアルゴンボンベ21と電磁弁
19aとの間には、圧力調整機22と圧力スイッチ23
が設けられている。
【0029】エアは、系内に残存する水分を除去して着
火の安定性を高めるために、また、系内に残存するガス
を排出するために、エアコンプレッサ24から供給され
るもので、空気、窒素ガス、アルゴンガス等が用いられ
る。水蒸気は、フロンガスの分解に必要なもので、プラ
ンジャポンプ25によって貯水タンク26内の水をヒー
タ18に送り込むことで生成される。この貯水タンク2
6には、水位の変動を検知するレベルスイッチ27が設
けられている。
【0030】フロンガスは、回収フロンボンベ28に液
貯蔵されていて、この回収フロンボンベ28と電磁弁1
9bとの間には、絞り装置31、ミストセパレータ3
2、および圧力スイッチ33が設けられている。絞り装
置31は、流れの定量化を図るために設けられたもの
で、例えばキャピラリ管とオリフィスとの組み合わせに
より構成されている。
【0031】ミストセパレータ32は、フロンガス中に
含まれる油分(潤滑油)および水分を除去するためのも
ので、衝突式や遠心分離式のものが採用される。ヒータ
18は、フロンガスに反応させる水蒸気を生成するだけ
でなく、フロンガス等をあらかじめ加熱しておくことに
より、装置内で水蒸気がフロンガス等に冷やされて再凝
縮するといった不具合を回避することも意図して設けら
れており、電気式、スチーム式等の加熱方式が採用され
る。
【0032】ヒータ18内には、並列する二つの流路3
4a、34bが形成されていて、一方の流路34aには
フロンガス、アルゴンガス、およびエアが導入され、他
方の流路34bには貯水タンク26から水が導入されて
水蒸気が生成される。この水蒸気を生成する側の流路3
4bには、該流路34b内を移動する水蒸気に抵抗を与
える抵抗体35が充填されていて、水蒸気が流路内を円
滑に流通することができないようになっている。
【0033】この抵抗体35としては、無機または有機
の粒状、繊維状、多孔質のもの若しくはこれらを成形し
たものが採用されるが、高温下における劣化を防止する
観点からは、SiO2、Al23、TiO2、MgO、ZrO2
等に代表される酸化物や、炭化物、窒化物等の無機材で
あることが好ましい。なお、ヒータ18の出口近傍に
は、熱電対36が設けられている。
【0034】しかるに、ヒータ18を通過したフロンガ
ス等と水蒸気は、ミキサ37内で混合された後、ガス供
給管16を通って放電管5へと供給されるようになって
いる。
【0035】さて、図2に示すように、反応管15に
は、その周面を取り囲むようにして空冷ジャケット4
6、47(冷却ジャケット)が上限に二つ設けられてい
る。さらに反応管15の下方には吹込管45が連結して
いる。吹込管45は樹脂製であり、具体的には、PE,
PP,PTFE,PFA,PVDF,PVC,PVD
C,PS,PC等が用いられるが、特に、耐熱温度、耐
腐食性に優れているPTFE,PFAが望ましい。ま
た、反応管15内部には、断面全体にわたって邪魔板4
4が設けられている。邪魔板44は上面視ハニカム形状
の多孔形状を有しており、その材質は、Al23からな
っている。
【0036】次に、図3を参照して、反応管15と吹込
管45の連結部分について詳細に説明する。図示のよう
に、反応管15の下端には外周側に張り出すフランジ1
5aが設けられ、吹込管45の上端には外周側に張り出
すフランジ45aが設けられている。また、空冷ジャケ
ット47の下端には内周側に張り出すフランジ(第1の
固定手段)47aが設けられている。反応管15のフラ
ンジ15aと、吹込管45のフランジ45aとの間に
は、断熱ガスケット(第1の断熱手段)48が挟み込ま
れており、また、フランジ45aと空冷ジャケット47
のフランジ47aとの間には、シールを行うためのガス
ケット49が挟み込まれている。そして、これらフラン
ジ15a、断熱ガスケット48,フランジ45a、ガス
ケット49,フランジ47aが、この順でボルト50に
よって締結されている。
【0037】上記断熱ガスケット48の材料としては、
耐熱性・断熱性とシール性とを重視して、フッ素系樹脂
材料を用いる。また、ガスケット49としては、シール
性を重視してアスベスト系の材料を用いる。
【0038】排ガス処理タンク41は、フロンガスを分
解した際に生成されて吹込管45から吹き出される酸性
ガス(フッ化水素および塩化水素)を中和して無害化す
るために設けられたものであり、水に水酸化カルシウム
を加えたアルカリ性懸濁液(以下では単にアルカリ液と
呼称する)が収容されている。例えば、分解するフロン
ガスが廃冷蔵庫から回収した冷媒用のフロンR12(C
Cl22)の場合には、式1に示す分解反応により分解
される。 CCl22+2H2O → 2HCl+2HF+CO2 ……(式1)
【0039】またR22の場合には次のように反応す
る。 CHClF2+H2O → HCl+2HF+CO ……(式1a) さらにR134aの場合は次のように反応する。 CH2FCF3+H2O → 4HF+CO+C ……(式1b) R22,R134aの場合は、H2O添加のみでは炭素
Cが不完全燃焼して一酸化炭素COさらには遊離炭素C
が生じる。これを防ぐため、プラズマ分解後のガスに空
気を添加して完全燃焼を図る。 CO+1/2*O2 → CO2 ……(式1c) C+O2 → CO2 ……(式1d)
【0040】上記のうち塩化水素、フッ化水素の両酸性
ガス(分解反応の結果生成される腐食性ガス)は、排ガ
ス処理タンク41において、消石灰スラリーによる気泡
塔式の処理法にて中和される。この中和反応は、下記式
2、式3で示される。 2HCl+Ca(OH)2→CaCl2+2H2O ……(式2) 2HF +Ca(OH)2→CaF2 +2H2O ……(式3)
【0041】式2の中和反応により生成された中和生成
物(塩化カルシウムおよびフッ化カルシウム)のうちフ
ッ化カルシウムは溶解度が小さいため、固形物として存
在する。また、式1の分解反応により生成された二酸化
炭素と、式2の中和反応により排出基準値以下の微少量
に低減された酸性ガスは、排ガス処理タンク41の上方
に接続された排気ダクト42からブロア43により系外
に排出される。
【0042】反応管15の下端は、アルカリ液に浸漬さ
れており、水面が空冷ジャケット47にかかるようにな
っている。吹込管45の先端(下端)からは、式1の分
解反応による生成ガスがアルカリ液中に気泡となって放
出されるが、アルカリ液中での中和反応は、気泡とアル
カリ液との接触面積が大きく、気泡が液面に到達するま
での時間が長いほど促進されるため、排ガス処理タンク
41内には、気泡を細かく分断させることで式2の中和
反応を促進させる気泡分断手段52が設けられている。
【0043】気泡分断手段52は、モータ52aにより
回転駆動される6つのブレード52bを備えている。気
泡分断手段52は、ブレード52bが吹込管45の先端
の上方に位置するように配置されていて、吹込管45の
先端から浮上する気泡は、約300rpmで回転するブレ
ード52bに当たって直径約3mm〜5mmの気泡に細かく
分断される。また、この気泡分断手段52は、排ガス処
理タンク41に投入した水酸化カルシウムの粉末を撹拌
することにより、水に不溶性の水酸化カルシウムと水の
懸濁液を作る役目も果たしている。気泡分断手段52
は、プラズマ分解装置の操業開始から操業終了まで、作
動状態を保つ。分解装置操業期間中以外は停止状態を保
つ。
【0044】さらに、排ガス処理タンク41には、pH
センサ55が設けられている。アルカリ液のpH値は、
このpHセンサ55を介して常に制御装置61(図6の
全体構成図参照)により監視されており、例えばpH値
が9(運転開始時は11〜12)になると、制御装置6
1からの指令によって警報手段が作動するとともに、分
解運転が停止するようになっている。警報手段として
は、周囲に注意を喚起できるものであれば何でもよく、
例えばランプを点滅させたり、警笛をならす等の手段が
採用される。
【0045】また、排ガス処理タンク41には、式2の
中和反応が発熱反応であることから、アルカリ液を冷却
する冷却器53が設けられている。この冷却器53は、
排ガス処理タンク41の底部からアルカリ液を取り出す
ポンプ53aと、アルカリ液が通過するとともにファン
53bによって冷却される放熱部53cとを備えてい
る。放熱部53cを通過して冷却されたアルカリ液は、
再び排ガス処理タンク41に戻されるようになってい
る。ちなみに、タンク内温度は熱電対54により検出さ
れる。
【0046】さらに、前記放熱部53cの下流側には三
方弁56が設けられており、この三方弁56を切り換え
ることによって処理液としてスラリーを含むアルカリ液
を沈降槽62に送ることができるようになっている。沈
降槽62内部には攪拌器62aが設けられており、処理
液に凝集剤を添加して凝集させた後、沈降槽62の下方
に設けられた脱水かご63によって固液分離されるよう
になっている。
【0047】以上の構成からなる有機ハロゲン化合物の
分解装置において、フロン分解の手順について説明す
る。電磁弁の開閉動作および点火トランス13の点火動
作は、制御装置61によって図7に示すように制御され
る。この図から明らかなように、この分解装置では、所
定時間を1サイクルとしたバッチ処理によりフロンガス
の分解が行われる。
【0048】すなわち、フロンガスや水蒸気を供給する
前に、まず、系内に残留する水分の除去を目的として加
熱されたエアを所定の時間(3分間)供給することによ
り、分解装置の操業を開始する。このとき、気泡分断手
段52の作動も同時に開始する。エア供給停止後、着火
の安定性向上を目的としてアルゴンガスの供給を開始す
る。そして、アルゴンガス供給中に、マイクロ波を発振
して点火トランス13による着火を行うとともに水蒸気
およびフロンガスを供給しフロンの分解を行う。その
後、アルゴンガスの供給を停止する。なお、エアを乾燥
させることにより水分除去を行うこととしてもよい。
【0049】分解運転の停止後は、安全性を確保するこ
とを目的として掃気ガスとしてのエアを所定時間(5
分)供給し、残留酸性ガスをパージする。パージされた
酸性ガスは排ガス処理タンク41内で中和される。この
とき、気泡分断手段52を作動状態に保っておくことに
より、アルカリ液が撹拌されて中和が促進される。その
後、パージを停止して分解装置の操業を終了する。同時
にモータ52aを停止し、気泡分断手段52の作動を停
止させる。気泡分断手段52の停止により排ガス処理タ
ンク41内の撹拌が停止するので、該タンク41内でス
ラリーが沈澱する。
【0050】以上の工程では、アルゴンガスの供給とフ
ロンガスの供給とがオーバーラップしているときがある
が、フロンガスの供給を始めてからアルゴンガスの供給
を止めるまでの間は、ごくわずかでよい。その理由は、
着火の状態が安定しさえすれば、アルゴンガスを供給し
続ける必要はなくなり、また、低コスト化を図る観点か
らもアルゴン消費量を低く抑える必要があるからであ
る。特に、他のプラズマ、例えば高周波誘導プラズマに
比べ、マイクロ波によるプラズマは安定性が高いため、
アルゴンガスの供給を停止してもフロンガスのプラズマ
化への影響は殆どない。
【0051】また、制御装置61は、圧力スイッチ2
3、33、熱電対36、54、レベルスイッチ27、光
センサ17等の各種センサから信号を受信することによ
り、アルゴンガスおよびフロンガスのヒータ18への供
給圧、貯水タンク26内の液位、プラズマの生成状態、
排ガス処理タンク41内の温度を常に監視しており、こ
れらが規定値を外れた場合には、運転が正常または効率
的に行われていないおそれがあるため、運転を停止す
る。そして、運転停止後は、安全性を確保すべく上記の
通りエアを供給し、装置内の残留ガスを掃気する。
【0052】次に、図7に示されたフロン分解の工程に
ついて、さらに詳細に説明する。まず、電磁弁19a、
19bを閉にするとともに電磁弁19cを開にして、エ
アコンプレッサ24からのエアをガス供給管16を介し
て放電管5に3分間供給する。このエアは、ヒータ18
を通過することにより、100〜180℃に加熱されて
いる。このため、装置内の残留水分は確実に除去され、
着火の安定性が向上する。
【0053】そして、電磁弁19cを閉にするとともに
電磁弁19aを開にして、アルゴンガスを放電管5に供
給する。このとき、アルゴンガスは、外管12の接線方
向から供給されて螺旋状に流下するため、内管11の先
端近傍によどみが形成され、プラズマが保持されやすく
なる。
【0054】また、このときのガス供給量は、4〜40
l/min、望ましくは15l/min以上に設定する。この設定
範囲では、よどみが効果的に形成されてプラズマが一層
保持され易くなるとともに、プラズマの熱的影響を放電
管5が受け難くなり、その溶融変形や破損が効果的に防
止されることになる。
【0055】そして、アルゴンガスの供給開始から一定
の間隔をおいて、マイクロ波発振器2からマイクロ波を
発振する。マイクロ波は、方形導波管1によりその後端
部側に伝送され、さらに円筒導波管7へと伝送される。
【0056】このとき、円筒導波管7内の電界として
は、電界強度の大きなTM01モードが形成され、しか
も、内側導体9により、方形導波管1内の電界モード
と、円筒導波管7内の電界モードとがカップリングされ
ているため、円筒導波管7内の電界は安定している。当
然のことながら磁界は電解に直交叉する方向に生じてい
る。この振動する電磁界により放電管5に導入されたガ
スはプラズマ状態に加熱される。
【0057】次に、点火トランス13に連結された点火
電極14に高電圧を印加し、内側導体9との間に火花放
電を発生させ着火させる。このとき、放電管5の内部
は、エアにより水分が除去され、かつ着火し易いアルゴ
ンガスがあらかじめ供給されているため、容易に着火す
る。次いで、プランジャポンプ25により貯水タンク2
6から水を吸引し、これをヒータ18に通して生成した
水蒸気を放電管5に供給する。
【0058】水蒸気の供給開始の後、後述のようにフロ
ンガスの供給を開始するが、水蒸気を先に供給する理由
は以下の通りである。本実施形態に係る有機ハロゲン化
合物の分解装置の運転制御方法においては、フロンガス
と水蒸気とを一定のモル比で供給して分解、反応させ、
酸性ガスを発生させる。フロンガスのみをプラズマ化す
ると、解離された原子の再結合によって予想外の有害な
ハロゲン化合物が発生し、無害化処理することができな
くなる為である。したがって、上記のように水蒸気を放
電管5に供給してからフロンガスを供給して、フロン分
解時には水蒸気が存在する状態としておくことにより、
安全にフロンを分解することができる。
【0059】また、この水蒸気は、ヒータ18内に充填
された抵抗体35によって、流路内を円滑に流通するこ
とができず、ヒータ18内には常に一定量の水蒸気が滞
留した状態になる。このため、脈動や突沸による飛散を
防いで水蒸気の流出量が安定し、ミキサ37上流側の流
量変動を効果的に抑制することができる。よって、プラ
ズマの消失を招くことなくプラズマを安定化させて、処
理能力の向上を図ることができる。
【0060】次いで、電磁弁19bを開にして、フロン
ガスを放電管5に供給する。このとき、回収フロンボン
ベ28から流出したフロンガスは、ミストセパレータ3
2を通過することで油分および水分が除去されている。
このため、フロンガス中の潤滑油による配管等の汚れお
よび副生成物の生成が抑制されて、フロンガス等の効率
的かつ安定的な供給が可能になり、しかも余分な水分供
給を防止し得てプラズマの消失を招くこともない。よっ
て、プラズマを安定化させて、処理能力の向上を図るこ
とができる。
【0061】また、ヒータ18を通過してミキサ37内
に流入した水蒸気、アルゴンガス、およびフロンガス
は、均一に混合された状態で流出して、放電管5に供給
されることになる。このため、式1の分解反応が十分に
行われることになって、塩素ガスや一酸化炭素等の副生
成物の生成を抑制することができる。
【0062】このようにして放電管5に供給されたフロ
ンガスにマイクロ波が照射されると、放電管5内には、
電子エネルギーが高く、しかも温度が2,000K〜
6,000Kに高められた熱プラズマが発生する。この
とき、放電管5には、フロンガスと水蒸気のみならず、
アルゴンガスも同時に供給されているため、プラズマの
消失を招くこともない。
【0063】また、内管11の先端が、プローブアンテ
ナ9aの先端よりも所定の距離だけ内方に配置されてい
るため、生成されたプラズマの熱的影響を回避し得て、
内管11の溶融破損が防止される。これにより、プラズ
マ形状の著しい変形をなくして、安定した分解運転が可
能になる。
【0064】しかして、熱プラズマの発生により、フロ
ンガスは塩素原子、フッ素原子、および水素原子に解離
し易い状態になるため、式1に示すように、水蒸気と反
応して容易に分解される。そして、プラズマが安定した
ら、電磁弁19aを閉にしてアルゴンガスの供給を止め
る。したがって、長時間にわたるフロンガスの分解時に
おいては、アルゴンの供給は不要であり、アルゴン消費
量が低く抑えられる。分解反応による生成ガスは、吹込
管45を通って排ガス処理タンク41内のアルカリ液中
に放出される。
【0065】しかして、吹込管45を通ってアルカリ液
中に放出された生成ガスは、式2の中和反応によって無
害化される。この中和反応は発熱反応であるため、アル
カリ液の温度は冷却器53によって60℃程度以下に保
持される。
【0066】また、吹込管45の先端から気泡として放
出された生成ガスは、気泡分断手段52のブレード52
dに当たって細かく分断させられるため、アルカリ液と
の接触面積が増大するとともに液面までに達する時間も
長くなり、中和反応が促進されることになる。これによ
り、中和処理不足によって基準値を超える量の酸性ガス
が系外に排出されるといったことがない。
【0067】中和反応により無害化された生成ガスのう
ち、気体は排気ダクト42から排出され、気体以外はア
ルカリ液中にスラリーとして残る。分解運転停止後は気
泡分断手段52を停止させたのちポンプ53aで処理液
を汲み上げ、三方弁56を切り換えてこれを沈降槽62
に移す。沈降槽62に移した処理液を攪拌器62aで攪
拌しつつ凝集剤を均一に添加し、攪拌器62aを停止さ
せて沈殿させた後、脱水かご63において固液分離し、
液体分は廃水処理し、固形分は廃棄処理される。なお、
分解運転停止後は、エアコンプレッサ24を駆動するこ
とにより、装置内に残留する酸性ガスを掃気するように
しているため、安全性も高められる。
【0068】上述したように本例の有機ハロゲン化合物
分解装置によれば、腐食ガスが凝縮液となる吹込管45
を樹脂で形成することにより、腐食を防止することがで
きるとともに、重量を軽減することができる。また、金
属の溶出が起きず安全性が高めることができる。また、
局所的に高温となっている反応管15内のガスは、邪魔
板44を通過することでその温度が均一化され、樹脂製
の吹込管45が局所的に極めて高温にさらされることが
防止される。これによって、吹込管45の変形、穴あき
などを防止することができる。
【0069】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。なお、上記形態と同一構成については同一の符号
を用い、その説明を省略する。図4において、符号4
5’は吹込管であり、グラファイト製の連結部45b
と、樹脂製の樹脂部45cとにより構成されている。連
結部45bは吹込管45’の上端部に設けられ、その下
部に樹脂部45cが連結している。この有機ハロゲン化
合物の分解装置によれば、高温となる吹込管45’上端
部が、耐熱性、耐食性に優れているグラファイトにより
構成されているので、反応管15と吹込管45’の連結
部の焼損を防ぐことができて、安全性をより高めること
ができる。なお、吹込管45’全体をグラファイト製と
してもよい。
【0070】さらに、他の実施形態として、図5に示す
構成としてもよい。図5において、反応管15には、そ
の周面を取り囲むようにして空冷ジャケット147(冷
却ジャケット)が設けられている。空冷ジャケット14
7には、固定ブラケット150(第1の固定手段)およ
び、固定ブラケット151(第2の固定手段)が、それ
ぞれシール部材152,153を挟んでボルト154,
155により締結されている。固定ブラケット150
は、図のように断面略L字形であり、下端部150aが
ちょうど固定ブラケット151の下方に位置している。
そして、固定ブラケット151と固定ブラケット下端部
150aの間に、上方から断熱ガスケット(第2の断熱
手段)160、反応管15のフランジ15a、断熱ガス
ケット48,吹込管45のフランジ45a、および、ガ
スケット49がこの順で挟み込まれている。なお、シー
ル部材152はシール性を考慮し、シール部材153,
断熱ガスケット160は断熱性を考慮し、それぞれアス
ベスト系の材料を用いる。
【0071】この有機ハロゲン化合物の分解装置によれ
ば、反応管15と吹込管45とは直接ボルトなどで締結
されていないため、両者間の熱伝導が防止される。すな
わち、もし反応管15が露点以下に冷却されると結露に
酸性ガスが溶け込み、反応管15を腐食させてしまう
が、このように熱伝導が防止されているので反応管15
の腐食を防ぐことができる。また、反応管側の熱がボル
トを通じて吹込管45の樹脂を溶かしてしまうことが防
止される。
【0072】なお、本発明に係る有機ハロゲン化合物の
分解装置は、上述の実施形態に限定されるものではな
く、以下の形態をも含むものである。
【0073】(1)中和処理不足による酸性ガスの系外
排出を未然に回避する手段として、アルカリ液のpH管
理に代えて、モータ電流値を管理するようにしてもよ
い。すなわち、モータ回転数が低下したり停止すると、
吹込管45から放出された気泡が十分に分断されず、中
和反応が十分に行われないことがある。そこで、モータ
回転の異常をモータ電流値に基づき検出し、制御装置6
1からの指令によって分解装置の運転を停止させるよう
にすれば、酸性ガスの系外排出を未然に防止することが
できる。
【0074】(2)点火電極14の先端を放電管5の内
部に配置する代わりに、放電管5の外部に配置して、火
花放電で着火するようにしてもよい。 (3)内管11の先端がプローブアンテナ9aの先端か
ら内方に離間する距離は、内管11が溶融しなければプ
ローブアンテナ9aの先端とマイクロ波によるエネルギ
ー集中部との距離に等しく設定するのが最適であるが、
内管11の溶融を考慮して適宜変更してもよい。
【0075】(4)気泡分断手段52は、軸部の先端に
プロペラを固定してなるスクリュー式のものであっても
よい。 (5)排ガス処理タンク41に貯留される中和液は、上
記のアルカリ性懸濁液に限らず、水酸化ナトリウム水溶
液等のアルカリ性水溶液を用いても構わない。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機ハロ
ゲン化合物分解装置によれば、以下の効果を得ることが
できる。請求項1〜4に記載の発明によれば、腐食ガス
が凝縮液となる吹込管を樹脂で形成することにより、腐
食を防止することができるとともに、重量を軽減するこ
とができる。また、金属の溶出が起きず安全性を高める
ことができる。請求項5に記載の発明によれば、反応管
と吹込管とは直接ボルトなどで締結されていないため、
両者間の熱伝導が防止され、反応管を露点以下に冷却さ
せることがない。したがって、反応管の腐食を防止する
ことができる。また、反応管側の熱がボルトなどを通じ
て吹込管の樹脂を溶かしてしまうことが防止される。
【0077】請求項6に記載の発明によれば、局所的に
高温となっている反応管内のガスは、邪魔板を通過する
ことでその温度が均一化され、樹脂製の吹込管が局所的
に極めて高温にさらされることが防止される。これによ
って、吹込管の変形、穴あきなどを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る有機ハロゲン化合物の分解装置
の一実施形態を示すシステム系統図である。
【図2】 同分解装置の放電管及び反応管の部分を示す
断面図である。
【図3】 同分解装置の放電管と吹込管の連結部を示す
部分拡大図である。
【図4】 同連結部の変形例を示す部分拡大図である。
【図5】 同連結部の変形例を示す部分拡大図である。
【図6】 同分解装置の全体構成を示す斜視図である。
【図7】 同分解装置においてマイクロ波、アルゴンガ
ス等が供給される時期と点火の時期を経時的に示す比較
図である。
【符号の説明】
5 放電管 12 外管 15 反応管 15a フランジ 44 邪魔板 45 吹込管 45’ 吹込管 45a フランジ 45b 連結部 45c 樹脂部 47 空冷ジャケット(冷却ジャケット) 47a フランジ(第1の固定手段) 48 断熱ガスケット(第1の断熱手段) 49 ガスケット 147 空冷ジャケット(冷却ジャケット) 150 固定ブラケット(第1の固定手段) 151 固定ブラケット(第2の固定手段) 160 断熱ガスケット(第2の断熱手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 19/10 B01D 53/34 134E (72)発明者 松尾 識 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 岡田 有二 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 (72)発明者 松本 創一郎 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 (72)発明者 鈴木 一弘 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA15 BC01 BD18 4D002 AA19 AA23 AB01 BA02 CA06 DA01 DA05 4G075 AA03 AA37 BA01 BA05 BB04 BD12 BD13 BD27 CA48 CA51 CA57 DA01 DA02 EA01 EA06 EB27 EB44 EC01 EC06 EC21 ED02 ED08 FC09 4H006 AA05 AC13 BA95 BD80

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物を含むガスにマイク
    ロ波のエネルギーを投入することによって熱ブラズマを
    生成し、該熱プラズマ中で有機ハロゲン化合物を分解す
    る装置であって、 内部で有機ハロゲン化合物を水蒸気と反応させて前記熱
    プラズマにより分解する反応管と、アルカリ液を収容す
    る排ガス処理タンクと、前記反応管の下端部に連結さ
    れ、前記排ガス処理タンク内のアルカリ液中に開口する
    吹込管と備え、 前記反応管と吹込管とは、第1の断熱手段を挟んで連結
    され、 前記吹込管は、樹脂材料により形成されていることを特
    徴とする有機ハロゲン化合物の分解装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の有機ハロゲン化合物の
    分解装置において、 前記吹込管は、前記反応管と連結されるグラファイト製
    の連結部を備え、該連結部に、樹脂材料により形成され
    た樹脂部が連結されていることを特徴とする有機ハロゲ
    ン化合物の分解装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の有機ハロゲン
    化合物の分解装置において、 前記反応管の下端には外周側に張り出すフランジが設け
    られ、前記吹込管の上端には外周側に張り出すフランジ
    が設けられ、 前記反応管のフランジとの間で前記第1の断熱手段およ
    び前記吹込管のフランジを挟み込む第1の固定手段が設
    けられていることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分
    解装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の有機ハロゲン化合物の
    分解装置において、 前記反応管は、その周囲を取り囲んで設けられた冷却ジ
    ャケットを備え、 前記反応管の下端には外周側に張り出すフランジが設け
    られ、前記吹込管の上端には外周側に張り出すフランジ
    が設けられ、前記冷却ジャケットの下端は前記反応管の
    下端より下に位置しているとともに、該下端には内周側
    に張り出す前記第1の固定手段としてのフランジが設け
    られ、 前記反応管のフランジと、前記第1の断熱手段と、前記
    吹込管のフランジと、シールを行うためのガスケット
    と、前記ジャケットのフランジとが、この順で締結され
    ていることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の有機ハロゲン化合物の
    分解装置において、 前記反応管は、その周囲を取り囲んで設けられた冷却ジ
    ャケットを備え、 第2の固定手段及び前記第1の固定手段が前記冷却ジャ
    ケットに設けられており、これら第2の固定手段と第1
    の固定手段の間に、第2の断熱手段、前記反応管のフラ
    ンジ、前記第1の断熱手段、吹込管のフランジ、およ
    び、シールを行うためのガスケットがこの順で挟み込ま
    れていることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5いずれかに記載の有機ハ
    ロゲン化合物の分解装置において、 前記反応管内には、多孔形状を有する邪魔板が設けられ
    ていることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006510683A (ja) * 2002-12-18 2006-03-30 バイオテージ・アクチボラグ 化学反応を制御するための方法及び装置
CN103657370A (zh) * 2012-09-07 2014-03-26 韩国能量技术研究院 利用微波等离子体的硫化氢及硫化羰去除装置及方法

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