JP2002124409A - 超伝導磁石装置における超伝導シム・デバイスの寸法設計方法、及び超伝導磁石装置 - Google Patents

超伝導磁石装置における超伝導シム・デバイスの寸法設計方法、及び超伝導磁石装置

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JP2002124409A JP2001255268A JP2001255268A JP2002124409A JP 2002124409 A JP2002124409 A JP 2002124409A JP 2001255268 A JP2001255268 A JP 2001255268A JP 2001255268 A JP2001255268 A JP 2001255268A JP 2002124409 A JP2002124409 A JP 2002124409A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シム・コイルの電流に関わりなく作業容積に
おける磁場への寄与がz=0であるように、シム・デバ
イスを正しく寸法設計すること。 【解決手段】 電流が流れる少なくとも1つの超伝導磁
石コイルを含む磁石コイル系と、少なくとも1つの超伝
導シム・コイルを含むシム・デバイスと、オプションと
して1つ以上の付加的超伝導閉電流路を備え、z軸方向
の磁場を発生する超伝導磁石装置であって、動作時に誘
導される電流によって該付加的電流路によりz軸方向に
発生される磁場が0.1テスラという大きさを超えず、
該シム・デバイスがz軸に沿って偶数のべきk>0でz
のk乗で変化する磁場を発生する該超伝導磁石装置は、
シム・デバイスが、変数 が実質的にゼロであり、変数 がゼロより大、特にアンペア当たり0.2ミリテスラよ
り大であるように設計されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一つの
超伝導磁石コイルと、少なくとも一つの超伝導シム・コ
イルを有するシム・デバイスと、一つ以上の付加的超伝
導閉電流路を備え、z軸上のz=0を中心に配される作
業容積においてz軸方向に磁場を発生する超伝導磁石装
置に関し、詳しくは、動作中に該付加的電流路に誘導さ
れる電流によって生ずるz軸方向の磁場が該作業容積に
おいて0.1 テスラという大きさを超えず、該シム・
デバイスがz軸に沿って偶数のべきk>0でzのk乗で
変化する磁場を発生する超伝導磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このタイプのz2シム・デバイスを備え
た超伝導磁石装置は、例えば、ブルーカー・マグネティ
クス社によって販売されているNMR磁石システム600
SB UltraShield (登録商標)の一部になっている(199
9年5月15日付けの同社パンフレット)。
【0003】米国特許第5,329,266号は、z2シム・デバ
イスを用いず、アクティブ・シールドされる磁石と付加
的超伝導電流路を備えた超伝導磁石装置を記述してい
る。
【0004】超伝導磁石が用いられる応用分野はいろい
ろであるが、特に磁気共鳴法に応用する場合には通常、
磁場の局所的均一性が重要になる。最も要求の厳しい応
用分野は高分解能核磁気共鳴分光学(NMRスペクトロ
スコピー)である。超伝導磁石の基本的な均一性は、磁
場を発生する磁石コイルの幾何的な配置によって最適化
される。要求が厳しい応用分野では、生産における許容
誤差によって設計からのずれが生じるために、磁石の基
本的な均一性は、通常、不十分である。磁石に残留する
不均一性を補償するために、磁石システムは、作業容積
において一定の幾何的対称性を有する磁場不均一性を補
償する自律的な超伝導コイル、いわゆるシム・デバイ
ス、を備える。このようなシム・デバイスの例は、磁石
の軸であるz軸に沿ってznのように変化する磁場を生
ずるいわゆるZnシムである。本発明の主たる焦点は、
例えば、外部磁場の変動を補償するためにアクティブ浮
遊磁場シールドと付加的超伝導電流路を備えた磁石シス
テムにおける超伝導Znシムの寸法設計方法にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】作業容積における超伝
導Znシムの磁場への寄与は、シム・コイル自身の寄与
とシム・デバイスの充電時に超伝導磁石に誘導される電
流さらに超伝導閉電流路に誘導される電流による磁場変
化を考慮に入れて、シム・コイルの電流に関わりなく、
z=0で実質的にゼロでなければならない。従来の方法
によるZnシムの寸法設計では、場合によっては、シム
・デバイス充電時に作業容積におけるz=0での磁場強
度に望ましくないずれを生ずることがある。アクティブ
・シールド磁石の場合、この挙動は特にシム・コイルが
異なる半径に配分されるシム・デバイスで明らかであ
る。それは、従来の超伝導シム・デバイスの寸法設計方
法が超伝導体を非磁性物質として扱っているためであ
る。本発明は、例えば、超伝導シム・デバイスの充電時
に磁石体積で発生する可能性がある0.1テスラ未満の
磁場変動に対して、超伝導体は実質的に反磁性体の挙動
を示し、従ってその内部領域から小さな磁場変動を大部
分排除してしまうということを考慮に入れている。これ
は磁石装置の中で磁場変動の磁束の再分配を生じ、それ
はさらに、シム・デバイスの電流変化に対する超伝導磁
石の応答、さらに超伝導閉電流路の応答に影響する。こ
の応答は、超伝導閉ループを通る磁束の保存という原理
によって決定されるからである。
【0006】これに対し、本発明の根底にある目的は、
上記タイプの磁石装置における超伝導Znシムをできる
だけシンプルな仕方で変更し、特に、シム・コイルの電
流に関わりなく作業容積における磁場への寄与がz=0
で実質的にゼロであるように、超伝導体の反磁性を考慮
に入れながらシム・デバイスを正しく寸法設計すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
従って、変数(数式A)が、α=0のときに得られる変
数(数式B)がゼロより大、特にアンペア当たり0.2
ミリテスラより大である場合かつその場合に限り、実質
的にゼロであるようにシム・デバイスを設計することに
よって達成される。
【0008】上記の変数は以下のように定義される。 (数式E):作業容積内のz=0における磁場へのシム
・デバイスの電流1アンペア当たりの磁場寄与分であっ
て、その際シム・コイル自身の磁場寄与分、及びシム・
デバイスの充電時の超伝導磁石コイル系と超伝導短絡電
流路とに誘導される電流による磁場変化の寄与分も考慮
に入れた磁場寄与分、 −α :大きさ0.1Tを超えない磁場変動に関する磁
石コイル系の体積での平均磁化率(0<α≦1)、 gT=(gM,gp1,…,gpj,…,gpn)、 gpj :電流路Pjの1アンペア当たりの作業容積にお
ける磁場であって、i≠jの電流路Pi及び磁石コイル
系の磁場寄与分を含まず、シム・デバイスの磁場寄与分
を含まない磁場、 gM :磁石コイル系の1アンペア当たりの作業容積に
おける磁場であって、付加的電流路の磁場寄与分を含ま
ず、シム・デバイスの磁場寄与分を含まない磁場、 gS :シム・デバイスの1アンペア当たりの作業容積に
おける磁場であって、付加的電流路の及び磁石コイル系
の磁場寄与分を含まない磁場、 Lcl:磁石コイル系と付加的電流路の間及び付加的電流
路間の誘導結合の行列、 Lcor :インダクタンス行列Lclの補正であって、これ
は磁石コイル系の体積からの擾乱磁場の完全な反磁性的
排除によって生ずる補正、 (数式C):シム・デバイスと磁石コイル系及び付加的
電流路との誘導的結合のベクトル、 (数式D):結合ベクトル(数式C)の補正であって、
これは磁石コイル系の体積からの擾乱磁場の完全な反磁
性的排除によって生ずる補正。
【0009】従来の方法では、Znシムの正しい寸法設
計には、シム・デバイス、付加的超伝導電流路、及び磁
石の(他の成分のそれぞれの反応は考慮に入れない)磁
場効率gS、gp1、…、gpn、及びgM、及びシム・デバ
イス、付加的電流路、及び磁石の間の相互誘導結合、な
らびに自己インダクタンス、の正しい計算を必要とし、
シム・デバイスは、変数(数式B)が実質的にゼロとな
るように設計される。本発明による装置のシム・デバイ
スの寸法設計は、上記のコイル性質の他に磁石コイル系
の超伝導体積部分の磁気遮蔽挙動も考慮に入れる。この
ため、シム・デバイスは、変数
【0010】
【数15】
【0011】(以下、「数式N」と略称する)ではなく
変数(数式A)が実質的にゼロとなるように寸法設計さ
れる。超伝導体の上記の磁気遮蔽挙動は全ての超伝導磁
石装置で存在するが、いくつかの場合にしか変数(数式
E)に顕著な影響を及ぼさない。本発明は、そのような
磁石装置でも、(数式E)が実質的にゼロであるという
シム・デバイスに関する条件が満たされるという点で有
利である。
【0012】本発明の上記の利点は、主に作業容積にお
ける磁場の局所的均一性が特に重要であるシステムにお
いて顕著になる。したがって、ある好ましい実施形態で
は、本発明の磁石装置は高分解能磁気共鳴分光学のため
の装置、例えばNMR、ICR、又はMRIの分野にお
ける装置の一部になる。
【0013】この実施形態のさらに有利な発展例では、
磁気共鳴装置は作業容積に発生される磁場を磁場ロック
する手段を備える。
【0014】さらに改良された発展例では、該磁石装置
はまた磁場変調コイルも備える。
【0015】本発明の磁石装置の特に好ましいある実施
形態では、超伝導磁石コイル系は電気的に直列に結合さ
れた半径方向内側及び半径方向外側の二つの同軸コイル
系を備え、これら二つのコイル系がそれぞれ、作業容積
内に向きが反対のz軸方向の磁場を発生する。このよう
な装置では、超伝導体の反磁性的遮蔽挙動が、普通、磁
石コイル系におけるいくつかのシム・デバイスの作業容
積内の実効磁場強度(数式E)に特に強い影響を及ぼ
す。
【0016】この実施形態のさらに別の発展例では、半
径方向内側のコイル系及び半径方向外側のコイル系がほ
ぼ等しい大きさで反対方向の双極子モーメントを有す
る。これは磁石コイル系の浮遊磁場を最適に抑制するた
めの条件である。アクティブ・シールド磁石は技術的に
非常に重要であるから、磁石コイル系における超伝導体
の上記磁場遮蔽挙動がシム・デバイスの作業容積におけ
る実効磁場強度(数式E)に顕著な影響を及ぼす場合、
それらの磁石におけるシム・デバイスの正しい寸法設計
は相当に重要である。
【0017】上記のある実施形態のさらに有利な発展例
では、磁石コイル系が動作時に超伝導的に短絡される第
1の電流路を形成し、磁石コイル系とは電気的に結合さ
れていない擾乱補償コイルが磁石コイル系と同軸的に配
置されて動作時に超伝導的に短絡される別の電流路を形
成する。擾乱補償コイルの存在は、外部磁場変動の影響
下における作業容積内の磁場の時間的な安定性を改善す
る。本発明の磁石装置のこの発展例は、シム・デバイス
の作業容積内の実効磁場強度(数式E)に対する擾乱補
正コイルの影響を考慮に入れている。
【0018】別の有利な発展例では、少なくとも一つの
付加的電流路は、超伝導スイッチで橋絡される磁石コイ
ル系の一部である。この装置は、外部磁場変動の影響下
における作業容積内の磁場の時間的な安定性を改善す
る。本発明の磁石装置のこの別の発展例は、磁石コイル
系の一部を超伝導スイッチで橋絡することがシム・デバ
イスの作業容積内の実効磁場強度(数式E)に及ぼす影
響を考慮に入れている。
【0019】本発明の磁石装置の別の有利な発展例で
は、少なくとも一つの付加的電流路は、磁石コイル系の
ドリフトを補償するシステムの一部である。この装置
は、作業容積内の磁場の時間的な安定性を改善する。本
発明の磁石装置のこの別の発展例は、ドリフト補償がシ
ム・デバイスの作業容積内の実効磁場強度(数式E)に
及ぼす影響を考慮に入れている。
【0020】別のある有利な発展例では、少なくとも一
つの付加的電流路は別の超伝導シム・デバイスである。
この装置は、いろいろな対称性を有する磁場不均一性を
補償する。本発明の磁石装置のこの別の発展例は、付加
的な超伝導シム・デバイスが第1のシム・デバイスの作
業容積内の実効磁場強度(数式E)に及ぼす影響を考慮
に入れている。
【0021】本発明の磁石装置の特に好ましいある実施
形態は、超伝導シム・デバイスが作業容積内にz軸に沿
ってz2依存性を有する磁場を生ずることを特徴とす
る。超伝導磁石コイル系は、しばしば、作業容積内でz
軸に沿ってz2依存性を有する磁場不均一性を示すの
で、このようなシム・デバイスは特に重要である。
【0022】この磁石装置の特に有利な別の発展例で
は、この超伝導シム・デバイスはシム・デバイスのコン
パクトな構成を可能にするように異なる半径で巻かれた
部分コイルを備える。このような装置の磁石コイル系に
おける超伝導体の磁場遮蔽挙動は、普通、シム・デバイ
スの作業容積における実効磁場強度(数式E)に特に強
い影響を及ぼす。
【0023】本発明の磁石装置の別の有利な発展例は、
超伝導磁石コイル系の充電時又はクエンチ時にシム・デ
バイスに高電流が誘導されることを防ぐために、超伝導
シム・デバイスが超伝導磁石コイル系から誘導的に分離
されていることを特徴とする。
【0024】この実施形態のさらに有利な発展例は、半
径方向内側及び半径方向外側コイル系の異なる極性を利
用して磁石コイル系とシム・デバイスを誘導的に分離す
るものであり、超伝導磁石コイル系は電気的に直列に結
合された半径方向内側及び半径方向外側の同軸コイル系
を有し、この二つのコイル系はそれぞれ、作業容積内に
z軸に沿って反対方向の一つの磁場を発生する。異なる
極性の半径方向内側及び半径方向外側コイル系を用いる
ことによって、上記実施形態に係わる磁石装置の設計が
容易になる。
【0025】本発明はまた、シム・デバイスの寸法設計
の方法であって、シム・デバイスの電流1アンペア当た
りの作業容積におけるz=0での磁場変化に対応する変
数(数式E)が磁石装置の他の部分に誘導される電流に
よる磁場を考慮に入れて次のように計算されることを特
徴とする方法を含む、すなわち、
【0026】
【数16】
【0027】ここで、これらの変数は上記の定義を有す
る。シム・デバイスの寸法設計のためのこの方法は、磁
石コイル系における超伝導体の磁気遮蔽挙動を有利に考
慮に入れている。この方法は、シム・デバイスの充電時
の磁石システムの挙動を計算し、それにより磁石コイル
系及び付加的電流路に誘導される電流変化を考慮に入れ
て、本発明の全ての実施形態の寸法設計を可能にする。
この方法は、付加的電流路の間の、磁石コイル系との、
及びシム・デバイスとの誘導的結合並びに全ての自己誘
導に関する、対応する量に重み因子αによって影響を及
ぼす補正項の計算に基づいている。従来の方法に比べ
て、この方法は、シム・デバイスの作業容積における磁
場強度(数式E)の計算値と測定値の間の対応を改善す
る。特に、(数式E)は実質的にゼロにすることができ
る。
【0028】本発明の方法のある簡単な変形例では、パ
ラメータαは磁石コイル系のコイル容積に対する超伝導
体物質の体積比率に対応する。パラメータαを決定する
この方法は、超伝導体が磁場変動に関して(−1)とい
う磁化率を有するという(理想的反磁性)仮説に基づ
く。
【0029】このような仕方で決定されたαの値は、た
いていのタイプの磁石で実験的に確認することができな
い。したがって、特に好ましい別の方法は、磁石コイル
系のパラメータαが、磁石コイル系の体積内に実質的に
均一な擾乱磁場を発生する擾乱コイルに応答する付加的
電流路が存在しないときの磁石コイル系の変数(数式
G)を測定し、変数βexpを式
【0030】
【数17】
【0031】に代入することによって実験的に決定され
ることを特徴とする。ここで、 (数式H):擾乱コイルの電流1アンペア当たりの磁石
装置の作業容積で測定される磁場変化、
【0032】
【数18】
【0033】gM:磁石コイル系の1アンペア当たりの
作業容積における磁場、 gD:磁石コイル系の磁場寄与分がないときの擾乱コイ
ルの1アンペア当たりの作業容積における磁場、 (数式J):磁石コイル系のインダクタンス、 (数式K):擾乱コイルと磁石コイル系との誘導的結
合、 (数式L):磁気インダクタンス(数式I)の補正であ
って、これにより磁石コイル系の体積から擾乱磁場が完
全反磁性的に排除される補正、 (数式M):擾乱コイルと磁石コイル系との誘導的結合
の補正であって、これにより磁石コイル系の体積から擾
乱磁場が完全反磁性的に排除される補正、 最後に、本発明の方法の特に好ましい変形例では、
【0034】
【数19】
【0035】(以下、「数式O」と略称する)は次のよ
うに計算される。
【0036】
【数20】
【0037】ここで、 Ra1:磁石コイル系の外径(アクティブ・シールド磁
石コイル系の場合、メイン・コイルの外径)、 Ri1:磁石コイル系の内径、 R2 : アクティブ・シールド磁石コイル系の場合、シ
ールディングの平均半径、それ以外の場合無限大、 Rpj:付加的コイルPjの平均半径、
【0038】
【数21】
【0039】(以下、「数式P」と略称する)であり、
指標1は、アクティブ・シールド磁石コイル系のメイン
・コイル、それ以外の場合は磁石コイル系、を表し、指
標2は、アクティブ・シールド磁石コイル系のシールデ
ィングを表し、それ以外の場合は指標2は省かれ、指標
(X、red、R)は、コイルXの全ての巻き線が半径
Rにある仮想コイルを表す。
【0040】補正(数式O)を計算するためのこの方法
の利点は、特に、補正がコイルの誘導的結合及び自己イ
ンダクタンスから導出され、関連するコイルの幾何的配
置を考慮に入れていることにある。
【0041】本発明のその他の利点は、以下の記述及び
図面から明らかになる。上記の及び以下で述べる特徴
は、本発明に従って、個別的にも、又は任意の組み合わ
せで集団的にも利用できる。図示され記述される実施形
態は、全てを列挙するというものではなく、本発明を説
明するための例示的な性格のものと理解すべきである。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
超伝導磁石装置ついて図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0043】図1は、本発明の実施の形態に係る超伝導
磁石装置の片側を示す縦断面図である。
【0044】図1において、超伝導磁石装置の超伝導磁
石コイル系M、シム・デバイスS、及び付加的超伝導閉
電流路P1は、それぞれ、いくつかの部分コイルを有し
てもよく、それらは半径の異なる円周上に分布してもよ
い。このような部分コイルは、異なる極性を有してもよ
い。全ての部分コイルは、作業容積AVのまわりでz軸
に関しz=0の近くで同軸的に配置されている。
【0045】シム・デバイスS及び付加的超伝導閉電流
路P1のコイル断面は小さいので、シム・デバイスS及
び付加的超伝導閉電流路P1は弱い磁場しか発生しな
い。一方、超伝導磁石コイル系Mの断面はシム・デバイ
スS及び付加的超伝導閉電流路P1のコイル断面よりも
遥かに大きく、これによってメインの磁場が生じる。
【0046】図2から4までは、シム・デバイスの一つ
の部分コイルに関する関数geff,clとgeffとを、部分
コイルの半径への依存性によって示す図である。図2
は、付加的超伝導閉電流路なしのアクティブ・シールド
超伝導磁石コイル系におけるシム・デバイスの部分コイ
ルに関して既存の方法で計算された電流1アンペア当た
りの実効磁場強度geff,clを、その部分コイルの還元半
径ρ(超伝導磁石コイル系のメイン・コイルの外径で規
格化された半径)の関数として示す図である。図3は、
付加的電流路なしのアクティブ・シールド超伝導磁石コ
イル系におけるシム・デバイスのある個別部分コイルに
関して本発明の方法で計算された電流1アンペア当たり
の実効磁場強度geffを、その部分コイルの還元半径ρ
(超伝導磁石コイル系のメイン・コイルの外径で規格化
された半径)の関数として示す図である。図4は、図2
及び図3の変数geff,clとgeffとの差を、その部分コ
イルの還元半径ρ(超伝導磁石コイル系のメイン・コイ
ルの外径で規格化された半径)の関数として示す図であ
る。
【0047】使用した部分コイルは、軸方向の長さが2
00mmであり、各400本の巻線を有する二つの層か
ら成っている。その中心面は、作業容積内のz=0の高
さにある。変数geff,clとgeff とは、部分コイルの電
流1アンペア当たりの作業容積内のz=0における磁場
寄与分に対応し、その際、部分コイル自身の磁場寄与分
も、その部分コイルの充電時に超伝導磁石システムMに
誘導される電流による磁場変化の磁場寄与分も考慮に入
れられる。ここで、geff,clは従来技術の方法で計算さ
れ、geff は本発明の方法によって計算されたものであ
る。これらの計算は、付加的超伝導電流路を含まないア
クティブ・シールド超伝導磁石コイル系Mを有し、アク
ティブ・シールディングの半径が超伝導磁石システムM
のメイン・コイルの外径の2倍である超伝導磁石装置に
ついて行われた。メイン・コイルとシールディング・コ
イルとの双極子モーメントは、大きさが等しく、向きが
反対である。α=0.33という重みを付した本発明の
方法による補正項は、従来の方法と比べて、シム・デバ
イスの部分コイルの大きな半径でのアンペア当たり実効
磁場強度にほぼ40パーセントのずれを生ずる。変数α
=0.33は、磁石コイル系のコイル体積の超伝導体含
有量にほぼ相当する。
【0048】以下の議論を分かり易くするために次の用
語を導入する: ・ アクティブ・シールド超伝導磁石コイル系Mは、以
下でメイン・コイルと呼ぶ半径方向内側コイル系C1
と、以下でシールディング・コイルと呼ぶ半径方向外側
コイル系C2を備える。これらのコイルは、z軸の周り
で軸対称に配置され、z=0を中心に配された容積−以
下で磁石の作業容積と呼ぶ−内に反対向きの磁場を発生
する。シールドされない超伝導磁石コイル系Mは、外側
コイル系C2が無視できるほどである特別なケースと見
なされる。
【0049】・ 擾乱磁場とは、超伝導磁石装置の外部
で発生される電磁的擾乱か、又は磁石コイル系Mに属さ
ない付加的コイル(例えば、付加的磁場発生コイル系の
コイル)が生ずる磁場で、磁場寄与分が0.1Tを超え
ないものである。
【0050】・ できるだけコンパクトで明瞭な式を得
るために、以下の指標が実施形態において用いられる。
【0051】1 メイン・コイル 2 シールディング・コイル M 磁石コイル系C1,C2 S シム・デバイス D 擾乱 P 付加的超伝導電流路 cl 従来の方法で計算された変数 cor 本発明による補正項 指標P1,P2は付加的超伝導電流路に用いられる。
【0052】シム・デバイスの電流1アンペア当たりの
実効磁場強度geffを計算するときは、シム・コイル自
身の磁場寄与分と、シム・デバイスの充電時に超伝導磁
石コイル系及び別の超伝導的に閉じた電流路に誘導され
る電流による磁場変化の寄与分も考慮に入れなければな
らない。従来のモデル(以下では古典的モデルと呼ぶ)
によって超伝導磁石コイル系の誘導的応答を計算すると
き、超伝導磁石コイル系の超伝導体は電気抵抗のない物
質としてモデル化される。本発明の基礎となるモデル
は、超伝導体の別の磁気的性質も考慮に入れる。全ての
超伝導磁石コイル系がこの性質を有するが、アクティブ
・シールド超伝導磁石において、磁石装置の付加的コイ
ル系(例えば、シム・デバイス)の実効磁場強度に関し
てその影響が大きく、特にその付加的コイル系が異なる
半径に分布する部分コイルを備えている場合、それが生
ずる影響は最大になる。このような磁石装置では、付加
的コイル系の(例えば、シム・デバイスの)実効磁場強
度の測定値は、しばしば古典的に計算されたモデルに対
応しない。その結果、古典的モデルによる方法を用いて
寸法設計されたシム・デバイスは作業容積内で望ましく
ない磁場寄与分が生ずる。
【0053】作業容積における超伝導磁石コイル系の磁
場は付加的コイル系(例えば、シム・デバイス)の磁場
より何桁も大きいので、付加的コイル系の磁場のうち磁
石コイル系の磁場と平行な成分(本明細書でz成分と呼
ぶ)だけが全磁場の大きさに影響がある。このため、以
下ではBz場だけに注目する。
【0054】擾乱コイルDが超伝導磁石コイル系Mの場
所に擾乱磁場を発生すると(例えば、シム・デバイスの
充電時)、ただちに超伝導的に短絡された磁石コイル系
にレンツの法則にしたがって電流が誘導され、それが擾
乱磁場に反対の補償磁場を生ずる。作業容積に生ずる磁
場変化ΔBz,totalは、擾乱磁場ΔBz,Dと補償磁場ΔB
z,Mの重ね合わせ、すなわち、ΔBz,total=ΔBz,D
ΔBz,Mである。擾乱コイルDの電流ΔID は磁石コイ
ル系に電流
【0055】
【数22】
【0056】を誘導する、ここで(数式J)は磁石コイ
ル系の(古典的な)自己インダクタンスであり、(数式
K)は磁石コイル系と擾乱コイルとの間の(古典的な)
誘導的結合である。擾乱コイルDの電流1アンペア当た
りの作業容積内の実効磁場強度
【0057】
【数23】
【0058】は、その電流コイル自身の1アンペア当た
りの磁場寄与分
【0059】
【数24】
【0060】プラス擾乱電流1アンペア当たり超伝導磁
石コイル系Mに誘導される電流による磁場変化との重ね
合わせ、すなわち、
【0061】
【数25】
【0062】である。ここで、gM は磁石コイル系Mの
1アンペア当たりの作業容積内の磁場である。
【0063】磁石装置に、磁石コイル系M及び擾乱コイ
ルDの他に、さらに超伝導的に短絡される電流路P
1,..,Pnが存在する場合(例えば、シム・デバイ
ス)、上記の式は次のように一般化される:
【0064】
【数26】
【0065】(以下、「数式Q」と略称する)ここで、
T=(gM,gP1,..,gPj,..,gPn)である。
ここで、 gM:付加的電流路P1,...,Pnに誘導される電
流の磁場寄与分がない場合の磁石コイル系Mの電流1ア
ンペア当たりの作業容積内の磁場 gPj:電流路Pjの電流1アンペア当たりの作業容積内
の磁場であって、他の付加的電流路P1,...Pn及
び磁石コイル系Mに誘導される電流の磁場寄与分がない
場合の磁場
【0066】
【数27】
【0067】は、磁石コイル系Mと電流路P
1,...,Pnの間、及び電流路P1,..,Pnの
間の(古典的な)誘導的結合であり、(Lcl-1は、行
列Lclの逆である。すなわち、
【0068】
【数28】
【0069】である。ここで、
【0070】
【数29】
【0071】は、電流路PjとコイルDとの(古典的
な)誘導的結合であり、(数式K)は、磁石コイル系M
とコイルDとの(古典的な)誘導的結合である。
【0072】超伝導シム・デバイスSの磁場効率(数式
N)を計算するために、擾乱コイルDに対して上で導出
した式
【0073】
【数30】
【0074】(以下、「数式R」と略称する)を用いる
ことができる、ここでシム・デバイスSと磁石コイル系
M及び付加的超伝導電流路P1,..,Pnとの誘導的
結合が擾乱コイルDとの結合に取って代わる。
【0075】超伝導体の上記の特別な磁気的性質を考慮
に入れることにより、古典的な誘導的結合及び自己イン
ダクタンスは付加的な寄与によって補われる。このた
め、磁石コイル系M及び付加的超伝導電流路P
1,..,Pnに誘導される電流は、一般に古典的に計
算される値と異なる値をとる。これらの補正を、以下で
磁石コイル系における超伝導体に磁気的挙動のあるモデ
ルに基づいて計算する。
【0076】タイプI超伝導体はその内部から磁束を完
全に排除することが知られている(マイスナー効果)。
これは下方臨界磁場Hc1より上ではタイプII超伝導体
に当てはまらない。Bean モデル(C. P. Bean, Ph
ys. Rev. Lett. 8, 250 (1962), C. P. Bean. Rev. Mo
d. Phys. 36, 31 (1964))によると、磁力線はいわゆる
「ピン止め中心(pinning centers)」に固着する。小さ
な磁束変化は超伝導体の表面で「ピン止め中心」にトラ
ップされて超伝導体の内部に達せず、超伝導体の体積内
部からの擾乱磁場の部分的排除が起こる。タイプII超伝
導体は小さな磁場変動には反磁性的に応答するが、大き
な磁場変化は実質的に超伝導体物質内部に入り込む。
【0077】超伝導体体積内部からの小さな擾乱磁場の
排除というこの効果を計算するために我々はいろいろな
仮定をおく。第1に、磁石装置の超伝導体全体積の大部
分はメイン・コイルに集中し、シールディング・コイル
及びその他の超伝導コイル系の超伝導体体積は無視する
ことができる、と仮定する。
【0078】さらに我々は、メイン・コイルの体積内で
の全ての磁場変動は超伝導体の反磁性的遮蔽効果がなか
った場合の値に比べて、一定因子(1−α)、0<α<
1、だけ小さくなると仮定する。メイン・コイルの自由
な内側ボア(半径Ri1)では超伝導体の反磁性による擾
乱磁場の減少は何もないと仮定する。メイン・コイルか
ら排除された磁力線は、メイン・コイルの外径Ra1
外側に累積してこの領域に過剰な擾乱磁場を生ずる。我
々は、Ra1の外側のこの過剰擾乱磁場の強度は、磁石
の軸からの間隔rの増加と共にRa1での最大値から
(1/r3)のように減少する(双極子挙動)と仮定す
る。Ra1における最大値は、Ra1の外側の擾乱磁束の
増加がメイン・コイルの超伝導体体積内の擾乱磁束の減
少を正確に補償するように規格化される(磁束の保
存)。
【0079】小さな磁場変動に応答する超伝導体体積の
反磁性挙動によって生ずる磁束の再配分は、超伝導体体
積の領域におけるコイルの誘導的結合及び自己インダク
タンスを変化させる。超伝導体の反磁性の影響を考慮し
て、擾乱コイルD(例えば、シム・デバイスの部分コイ
ル)の実効磁場強度を計算する古典的モデルを拡張する
ためには、式(数式Q)の各結合項又は自己インダクタ
ンス項に対する正しい補正項を決定すれば十分である。
これらの補正項を、以下で全ての結合及び自己インダク
タンスに対して導出する。
【0080】補正項を計算する原理は、全ての場合で同
じである、すなわち、別の(又は同じ)コイルにおける
小さな電流変化によってあるコイルに生ずる磁束に、磁
石コイル系のメイン・コイルに反磁性的に応答する超伝
導体物質が存在することによって現れる減少を決定する
こと、である。第1及び第2のコイルの間の結合(又は
自己インダクタンス)がそれに応じて減少する。補正項
の大きさは、誘導的に応答するコイル内部でメイン・コ
イルの超伝導体物質で満たされている体積がそのコイル
で囲まれる全体積の中で占める割合に依存する。コイル
間の相対位置も相互誘導的結合の補正項に影響する。
【0081】「還元コイル」を用いることが補正項の計
算に有益であることが分かった。半径Rに還元されたコ
イルXとは、もしもコイルXの全ての巻き線が半径Rに
あるとした場合に得られる仮想的なコイルである。指標
“X,red,R”がこのコイルに対して用いられる。あるコ
イルを通る磁束が変化する場合、還元コイルは、このコ
イルの部分面積を通る磁束変化の全磁束変化に対する寄
与分を計算することを可能にする。
【0082】まず、ある擾乱コイルDと磁石コイル系
(遮蔽される又はされない)のメイン・コイルC1との
結合の補正項を計算する。
【0083】メイン・コイルC1の体積内の擾乱磁場Δ
z,Dは、平均して量αΔBz,Dだけ減少する、ここで0
<α<1はある未知パラメータである。したがって、メ
イン・コイルの内側ボアの擾乱磁場が因子(1−α)だ
け減少すると扱われるならば、メイン・コイルを通る擾
乱磁束、またその結果としてメイン・コイルと擾乱源と
の結合L1Dは、古典的な値
【0084】
【数31】
【0085】(以下、「数式S」と略称する)に対して
因子(1−α)だけ減少する。我々は、擾乱磁束は磁石
の内側ボアから排除されないと仮定する。このため、擾
乱コイルとメイン・コイルの間の結合は、内側ボアから
間違って差し引かれた分だけ補わなければならない。
「還元コイル」の定義に従って、この量は
【0086】
【数32】
【0087】であり、ここで
【0088】
【数33】
【0089】は内径Ri1に還元されたメイン・コイル
C1と擾乱の結合である。メイン・コイルと擾乱源との
間の誘導的結合L1D は、
【0090】
【数34】
【0091】となる。ここではメイン・コイルの超伝導
体体積からの擾乱磁場の排除を考慮に入れている。
【0092】排除された磁束は、メイン・コイルの外径
Ra1の半径方向外側に再び現れる。排除された磁場が
双極子挙動((1/r3)で減少)を示すと仮定する
と、メイン・コイルの外側で古典的な擾乱磁場の他に次
の量:
【0093】
【数35】
【0094】が得られる。この関数は、半径Rの大きな
ループを通る全擾乱磁束がR→∞でゼロになるように規
格化される。擾乱磁場ΔBz,Dは円柱対称であると仮定
された。
【0095】アクティブ・シールド磁石コイル系では、
シールディング・コイルC2を通る擾乱磁束も、メイン
・コイルC1による擾乱磁束の排除によって減少する。
さらに詳しく言うと、半径R2及び軸方向高さz0の巻き
線を通る擾乱磁束は古典的な場合に対して次の量だけ減
少する(領域r>R2にわたる(4式)の積分):
【0096】
【数36】
【0097】ここで、
【0098】
【数37】
【0099】は半径R2(Ri1のアナログ)の観測され
るループと同じ軸方向高さz0にある半径Ra1のルー
プを通る古典的な擾乱磁束を表す。シールディング・コ
イルの全ての巻き線(それらは全てほぼ同じ半径R2
ある)にわたって加え合わせて、次のような擾乱コイル
とシールディング・コイルの間の相互結合が得られる。
【0100】
【数38】
【0101】ここで、
【0102】
【数39】
【0103】は、擾乱コイルと半径Ra1(Ri1のアナ
ログ)に「還元された」シールディングとの古典的な結
合を表す。乗数因子Ra1/R2と合わせて、この「還
元」は結合L2Dの古典的な値
【0104】
【数40】
【0105】に対する減少を、L1Dの(数式S)に対
する減少に比べてずっと小さくしている。メイン・コイ
ルとシールディング・コイルは電気的に直列に結合して
いるので、擾乱に対する磁石コイル系の全体的な応答の
中でシールディング・コイルの誘導的応答はメイン・コ
イルのそれより大きくなる。
【0106】全体として、擾乱Dと磁石コイル系Mとの
新しい結合は次の式で与えられる
【0107】
【数41】
【0108】ここで、
【0109】
【数42】
【0110】メイン・コイルと同様に、擾乱磁束はシー
ルディングの超伝導体体積からも排除される。普通、こ
の体積はメイン・コイルの超伝導体体積と比べて小さい
ので、この影響は無視することができる。
【0111】擾乱磁場が磁石装置の内部又は外側の擾乱
コイルによって発生されるか、磁石コイル系自身の小さ
な電流変化によって発生されるか、は磁束排除のメカニ
ズムにとって重要ではない。したがって、磁石コイル系
の自己インダクタンスも古典的な場合に比べて変化す
る。詳しくは、
【0112】
【数43】
【0113】他のインダクタンスは次のように変化す
る。
【0114】
【数44】
【0115】磁石コイル系の新しいインダクタンスは次
のようになる。
【0116】
【数45】
【0117】ここで、
【0118】
【数46】
【0119】擾乱源Dの実効磁場効率に対し、古典的な
誘導的結合(数式K)の代わりに(5式)にしたがって
磁石と擾乱コイルの間の補正された結合LMDを代入
し、古典的な自己インダクタンス(数式J)の代わりに
(6式)にしたがって補正された自己インダクタンスL
Mを代入すると次の式が導かれる。
【0120】
【数47】
【0121】上記の式はさらに付加的電流路P
1,..,Pnがある場合には以下のように一般化され
る。
【0122】方向M←Pj(Pjにおける電流変化がM
に電流を誘導する)に関しては、磁石コイル系と付加的
電流路(j=1,..,n)の間の結合は、磁石コイル
系と擾乱コイルの間の対応する結合と同程度に減少す
る。
【0123】
【数48】
【0124】ここで、
【0125】
【数49】
【0126】新たな結合LPjM(Mにおける電流変化が
Pjに電流を誘導する)は次のように計算される。
【0127】
【数50】
【0128】ここで、
【0129】
【数51】
【0130】RPj>Ra1では、Ra1に「還元された」
コイルPjとは、再び、全ての巻き線がより小さな半径
Ra1に縮小したものと定義される(Ri1のアナロ
グ)。しかし、もしもRi1<RPj<Ra1 ならば、R
1に「還元された」コイルはコイルPjと同定される
(巻き線はRa1に拡大されない)。 RPj< Ri1
は、Ri1に「還元された」コイルはやはりコイルPj
と同定される、すなわち、この場合、古典理論に対する
補正は何もない。
【0131】RPj>Ra1では、定数fPjは、範囲r>
Pjで(4)を積分して計算される。RPj≦Ra1
は、fPj=1である:
【0132】
【数52】
【0133】したがって、超伝導体の性質による補正は
非対称なインダクタンス行列を生ずる(LMPj≠L
PjM!)。
【0134】付加的超伝導電流路Pjと擾乱コイルDと
の結合LPjDも、メイン・コイルの超伝導体物質からの
コイルDの擾乱磁場の磁束の排除によって多少とも影響
される。
【0135】
【数53】
【0136】ここで、
【0137】
【数54】
【0138】付加的超伝導電流路の間の結合も、同じ原
理によって多少とも減少する(指標の順序に注意)。
【0139】
【数55】
【0140】ここで、
【0141】
【数56】
【0142】特に、付加的超伝導電流路の自己インダク
タンス(j=k)も影響される。
【0143】擾乱コイルDの電流1アンペア当たりの作
業容積内の実際の磁場寄与分
【0144】
【数57】
【0145】(以下、「数式T」と略称する)は、擾乱
コイルDの古典的な磁場効率(数式R)に関する(2
式)によって計算され、ここで結合LMD、LMPj
PjM、LPjD、及びLPjPkに関する補正された値が(5
式)、(8式)、(9式)、(10式)、及び(11
式)にしたがって代入される。
【0146】
【数58】
【0147】ここで、 (数式T):擾乱コイルDの電流1アンペア当たりの作
業容積内のz=0における磁場寄与分であって、その
際、擾乱コイル自身の磁場寄与分、及び超伝導磁石コイ
ル系Mと超伝導的に閉じた電流路P1,..,Pnに擾
乱コイルの充電時に誘導される電流とによる磁場変化の
磁場寄与分を考慮に入れた磁場寄与分 −α: 大きさ0.1Tを超えない磁場変動に関する磁
石コイル系Mの体積での平均磁化率。ここで、0<α≦
1 gT=(gM,gp1,…,gpj,…,gpn) gpj:電流路Pjの電流1アンペア当たりの作業容積に
おける磁場であって、i≠jの電流路Pi及び磁石コイ
ル系Mの磁場寄与分を含まず、擾乱コイルDの磁場寄与
分を含まない磁場 gM :磁石コイル系Mの電流1アンペア当たりの作業容
積における磁場であって、付加的電流路P1,..,P
nの磁場寄与分を含まず、擾乱コイルDの磁場寄与分を
含まない磁場 gD :擾乱コイルDの電流1アンペア当たりの作業容積
における磁場であって、付加的電流路P1,..,Pn
の磁場寄与分を含まず、かつ磁石コイル系Mの磁場寄与
分を含まない磁場 Lcl: 磁石コイル系Mと付加的電流路P1,..,P
nの間及び付加的電流路P1,..,Pn間の誘導結合
の行列 Lcor:インダクタンス行列Lcl の補正であって、これ
は磁石コイル系Mの体積からの擾乱磁場の完全反磁性的
排除によってもたらされる補正
【0148】
【数59】
【0149】(以下、「数式U」と略称する):擾乱コ
イルDと磁石コイル系M及び電流路P1,..,Pnと
の誘導的結合のベクトル
【0150】
【数60】
【0151】(以下、「数式V」と略称する):結合ベ
クトル(数式U)の補正であって、これは磁石コイル系
Mの体積からの擾乱磁場の完全反磁性的排除によっても
たらされる補正電流路Pjが異なる半径の部分コイルを
備える場合、Pjに属する補正項Lco r及び(数式V)
の行列要素は、各部分コイルを最初は個別電流路として
扱い、その後全ての部分コイルの補正項を加えるという
仕方で計算しなければならない。この和が電流路Pjの
行列要素である。
【0152】超伝導シム・デバイスSの磁場効率(数式
E)を計算するには、(数式T)に関して上で導出した
式を用いることができるが、そこでシム・デバイスSと
の結合で、磁石コイル系M及び付加的超伝導電流路P
1,..,Pnと擾乱コイルDとの結合を置き換えなけ
ればならない。
【0153】超伝導シム・デバイスSの磁場効率(数式
E)は、普通、実質的にゼロでなければならない。シム
・デバイスによって作業容積内に磁場が生ずることはシ
ム動作で問題を生じ、シム電流の導入後磁石コイル系の
電流を再調整して作業容積内の磁場が再び所望の値にな
るようにする必要があるかもしれない。
【0154】磁石コイル系M、シム・デバイスS、及び
超伝導的に閉じた付加的電流路P1,..,Pnを備え
る多くの超伝導磁石装置M、S、P1,..,Pnにお
いては、古典的に計算された磁場効率(数式N)と本発
明の方法に従って計算された磁場効率(数式E)の間に
大きな差はない。メイン・コイルC1,シールディング
・コイルC2,及び部分コイルが二つの異なる半径に分
配されているZ2シム・デバイスを備えたアクティブ・
シールド磁石コイル系は、超伝導体物質の磁気遮蔽挙動
が小さな磁場変化に関するシム・デバイスの磁場効率
(数式E)に相当な影響を及ぼす磁石装置である。Z2
シム・デバイスの半径方向内側部分コイルは、主に磁石
の軸z方向にz2依存性を有する磁場を生ずる。半径方
向外側部分コイルは実質的にz軸に沿って一定な磁場を
生ずる。この磁場寄与分は、半径方向内側部分コイルの
一定磁場寄与分を補償して、作業容積におけるシム・デ
バイスの全磁場効率(数式E)がゼロになるようにす
る。このシム・デバイスの半径方向内側部分コイルは普
通アクティブ・シールド磁石コイル系のメイン・コイル
C1の領域にあり、半径方向外側部分コイルはシールデ
ィングC2の領域にある。このようなシム・デバイスに
は、部分コイルが単一半径上にある装置と比べてよりコ
ンパクトであり、その結果、磁石コイル系のためにより
多くのスペースを提供できるという利点がある。
【0155】図2から図4までに見られるように、シム
・デバイスの部分コイルはアクティブ・シールド磁石コ
イル系のメイン・コイルC1の領域にある限り古典的な
挙動を示す。しかし、それが半径方向でさらに外側に位
置する場合、その実効磁場効率は磁石コイル系の超伝導
物質の磁気遮蔽挙動によって増強される。それは、Z 2
シム・デバイスが二つの半径に配分されている場合、半
径方向外側部分コイルの実効磁場効率は古典的モデルに
よって予期されるよりも大きいということを意味する。
このようなシム・デバイスを古典的モデルにしたがって
寸法設計すると(すなわち、(数式N)=0)、実際の
実効磁場効率(数式E)はゼロと相当に異なることにな
る。
【0156】第1近似では、パラメータαはメイン・コ
イルC1の体積の超伝導体部分である。パラメータαを
決定する最も正確な仕方は、付加的超伝導電流路S、P
1,..,Pnなしの磁石コイル系Mの擾乱実験に基づ
くものである。大きな半径を有する擾乱コイルが特に適
当である。次の手順が勧められる。
【0157】1.磁石コイル系において実質的に均一で
ある擾乱(例えば、大きな半径の擾乱コイルによるも
の)に関する磁石コイル系の変数(数式G)の実験的決
定。ここで、 (数式H):擾乱コイルDの電流1アンペア当たり磁石
装置の作業容積内で測定される磁場変化 gD :磁石コイル系Mの磁場寄与分なしでの擾乱コイル
Dの電流1アンペア当たりの作業容積内の磁場 2.同じ擾乱コイルに関する変数(数式I)の決定。こ
こで、 gM:磁石コイル系Mの電流1アンペア当たりの作業容
積内の磁場 (数式J):磁石コイル系Mのインダクタンス (数式K):擾乱コイルDと磁石コイル系Mとの誘導的
結合 3.次式からのパラメータαの決定。
【0158】
【数61】
【0159】ここで、 (数式L):磁気インダクタンス(数式J)の補正であ
って、磁石コイル系Mの体積からの擾乱磁場の完全反磁
性的排除によって生ずる補正 (数式M):擾乱コイルDと磁石コイル系Mとの誘導的
結合(数式K)の補正であって、磁石コイル系Mの体積
からの擾乱磁場の完全反磁性的排除によって生ずる補正 以下、上記特許請求の範囲並びに詳細な説明で使用した
数式の略称をリストとして列記する。
【0160】
【数62】
【0161】
【発明の効果】シム・デバイスの寸法設計のための本発
明の方法は、磁石コイル系における超伝導体の磁気遮蔽
挙動を有利に考慮に入れている。この方法は、シム・デ
バイスの充電時の磁石システムの挙動を計算し、それに
より磁石コイル系及び付加的電流路に誘導される電流変
化を考慮に入れて、本発明の全ての実施形態の寸法設計
を可能にする。この方法は、付加的電流路の間の、磁石
コイル系との、及びシム・デバイスとの誘導的結合及び
全ての自己誘導に関する、対応する量に荷重因子αによ
って影響を及ぼす補正項の計算に基づいている。従来の
方法に比べて、この方法は、シム・デバイスの作業容積
における磁場強度(数式E)の計算値と測定値の間の対
応を改善する。特に、(数式E)は実質的にゼロにする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る超伝導磁石装置の縦
断面図である。
【図2】付加的超伝導閉電流路なしのアクティブ・シー
ルド超伝導磁石コイル系におけるシム・デバイスの部分
コイルに関して既存の方法で計算された電流1アンペア
当たりの実効磁場強度geff,clを、その部分コイルの還
元半径ρ(磁石コイル系のメイン・コイルの外径で規格
化された半径)の関数として示す図である。
【図3】付加的電流路なしのアクティブ・シールド超伝
導磁石コイル系におけるシム・デバイスのある個別部分
コイルに関して本発明の方法で計算された電流1アンペ
ア当たりの実効磁場強度geffを、その部分コイルの還
元半径ρ(磁石コイル系のメイン・コイルの外径で規格
化された半径)の関数として示す図である。
【図4】図2及び3の変数geff,clとgeffの差を、その
部分コイルの還元半径ρ(磁石コイル系のメイン・コイ
ルの外径で規格化された半径)の関数として示す図であ
る。
【符号の説明】
C1,C2 同軸コイル系 M 磁石コイル系 P1,..,Pn 付加的超伝導閉電流路 S シム・デバイス α 平均磁化率 gpj,gM,gS 磁場 Lcl 誘導結合の行列 Lcor インダクタンス行列Lclの補正
フロントページの続き (72)発明者 アンドレアス アマン スイス国 チューリッヒ ツェーハー− 8008 ネベルバッハシュトラーセ 7 (72)発明者 ウェーナー ツチョツプ スイス国 フォルヒ ツェーハー−8127 エゲンベルグシュトラーセ 11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの電流が流れる超伝導磁
    石コイルを含む磁石コイル系(M)と、少なくとも1つ
    の超伝導シム・コイルを含むシム・デバイス(S)と、
    オプションとして1つ以上の付加的超伝導閉電流路(P
    1,..,Pn)を備え、z=0を中心に配置された作
    業容積内にz軸方向の磁場を発生する超伝導磁石装置
    (M、S、P1、..、Pn)であって、動作時に誘導
    される電流によって該付加的電流路(P1,..,P
    n)により作業容積内に発生されるz軸方向の磁場が
    0.1テスラという大きさを超えず、該シム・デバイス
    (S)がz軸に沿って偶数のべきk>0でzのk乗で変
    化する磁場を発生する該超伝導磁石装置において、シム
    ・デバイス(S)が、変数 【数1】 (以下、「数式A」と略称する)が実質的にゼロであ
    り、 【数2】 (以下、「数式B」と略称する)の絶対値がゼロより
    大、特にアンペア当たり0.2ミリテスラより大である
    ように設計され、これらの変数は以下の定義: −α:0.1Tという大きさを超えない磁場変動に関す
    る磁石コイル系(M)の体積における平均磁化率(0<
    α≦1)、 gT=(gM,gp1,…,gpj,…,gpn)、 gpj:電流路Pjの電流1アンペア当たりの作業容積に
    おける磁場であって、i≠jの電流路Piの磁場寄与分
    及び磁石コイル系(M)の磁場寄与分を含まず、シム・
    デバイス(S)の磁場寄与分も含まない磁場、 gM :磁石コイル系(M)の電流1アンペア当たりの作
    業容積における磁場であって、付加的電流路(P
    1,..,Pn)の磁場寄与分を含まず、 シム・デバイス(S)の磁場寄与分も含まない磁場、 gS :シム・デバイス(S)の電流1アンペア当たりの
    作業容積における磁場であって、付加的電流路(P
    1,..,Pn)の磁場寄与分及び磁石コイル系(M)
    の磁場寄与分を含まない磁場、 Lcl: 磁石コイル系(M)と付加的電流路(P
    1,..,Pn)の間の及び付加的電流路(P
    1,..,Pn)間の誘導結合の行列、 Lcor:インダクタンス行列Lclの補正であって、これ
    は磁石コイル系(M)の体積からの擾乱磁場の完全反磁
    性的排除によって生ずる補正、 【数3】 (以下、「数式C」と略称する):シム・デバイス
    (S)と磁石コイル系(M)及び付加的電流路(P
    1,..,Pn)との誘導的結合のベクトル、 【数4】 (以下、「数式D」と略称する):結合ベクトル(数式
    C)の補正であって、これは磁石コイル系(M)の体積
    からの擾乱磁場の完全反磁性的排除によって生ずる補
    正、を有することを特徴とする超伝導磁石装置。
  2. 【請求項2】 該超伝導磁石コイル系(M)が、電気的
    に直列に結合された半径方向内側及び半径方向外側の同
    軸コイル系(C1,C2)を備え、これら二つのコイル
    系がそれぞれ作業容積内にz軸方向に反対向きの1つの
    磁場を発生することを特徴とする請求項1記載の磁石装
    置。
  3. 【請求項3】 該磁石コイル系(M)が動作時に超伝導
    的に短絡される第1の電流路を形成し、該磁石コイル系
    (M)に電気的に結合されていない擾乱補償コイルが該
    磁石コイル系(M)と同軸的に配置されて動作時に超伝
    導的に短絡される別の電流路(P1)を形成することを
    特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の磁石装
    置。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの付加的電流路(P
    1,..,Pn)は超伝導スイッチで橋絡される磁石コ
    イル系(M)の一部であることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の磁石装置。
  5. 【請求項5】 該超伝導シム・デバイス(S)が作業容
    積の領域でz軸上でz2依存性を有する磁場を発生する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁
    石装置。
  6. 【請求項6】 該超伝導シム・デバイス(S)が異なる
    半径に巻かれた部分コイルを含むことを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の磁石装置。
  7. 【請求項7】 該超伝導シム・デバイス(S)が超伝導
    磁石コイル系(M)から誘導的に分離されていることを
    特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁石装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7項のいずれかに記載の磁
    石装置における該超伝導シム・デバイス(S)の寸法を
    設計する方法であって、シム・デバイス(S)の電流1
    アンペア当たりの作業容積内のz=0における磁場変化
    に対応する変数 【数5】 (以下、「数式E」と略称する)が、残りの磁石装置
    (M、P1、..、Pn)に誘導される電流によって発
    生される磁場を考慮に入れて: 【数6】 と計算され、ここで諸変数が以下の定義: −α:0.1Tという大きさを超えない磁場変動に関す
    る磁石コイル系(M)の体積における平均磁化率(0<
    α≦1)、 gT=(gM,gp1,…,gpj,…,gpn)、 gpj:電流路Pjの電流1アンペア当たりの作業容積に
    おける磁場であって、i≠jの電流路Piの磁場寄与分
    及び磁石コイル系(M)の磁場寄与分を含まず、シム・
    デバイス(S)の磁場寄与分も含まない磁場、 gM :磁石コイル系(M)の電流1アンペア当たりの作
    業容積における磁場であって、付加的電流路(P
    1,..,Pn)の磁場寄与分を含まず、 シム・デバイス(S)の磁場寄与分も含まない磁場、 gS :シム・デバイス(S)の電流1アンペア当たりの
    作業容積における磁場であって、付加的電流路(P
    1,..,Pn)の磁場寄与分及び磁石コイル系(M)
    の磁場寄与分を含まない磁場、 Lcl: 磁石コイル系(M)と付加的電流路(P
    1,..,Pn)の間の、及び付加的電流路(P
    1,..,Pn)間の誘導結合の行列、 Lcor:インダクタンス行列Lclの補正であって、これ
    は磁石コイル系(M)の体積からの擾乱磁場の完全反磁
    性的排除によって生ずる補正、 (数式C):シム・デバイス(S)と磁石コイル系
    (M)及び付加的電流路(P1,..,Pn)との誘導
    的結合のベクトル、 (数式D):結合ベクトル(数式C)の補正であって、
    これは磁石コイル系(M)の体積からの擾乱磁場の完全
    反磁性的排除によって生ずる補正、を有することを特徴
    とする方法。
  9. 【請求項9】 パラメータαが、磁石コイル系(M)の
    体積内に均一な擾乱磁場を生ずる擾乱コイル(D)に応
    答する磁石コイル系(M)[電流路(P1,..,P
    n)はなく、シム・デバイス(S)もない]の変数β
    expの測定、及び次式、すなわち: 【数7】 (以下、「数式F」と略称する)ここで、 【数8】 (以下、「数式G」と略称する)ここで、 【数9】 (以下、「数式H」と略称する):擾乱コイル(D)の
    電流1アンペア当たり磁石装置の作業容積内で測定され
    る磁場変化、 【数10】 (以下、「数式I」と略称する)ここで、 gM:磁石コイル系Mの電流1アンペア当たりの作業容
    積内の磁場、 gD:磁石コイル系(M)の磁場寄与分なしでの擾乱コ
    イル(D)の電流1アンペア当たりの作業容積内の磁
    場、 【数11】 (以下、「数式J」と略称する):磁石コイル系(M)
    のインダクタンス、 【数12】 (以下、「数式K」と略称する):擾乱コイル(D)と
    磁石コイル系(M)との誘導的結合、 【数13】 (以下、「数式L」と略称する):磁気インダクタンス
    (数式J)の補正であって、磁石コイル系(M)の体積
    からの擾乱磁場の完全反磁性的排除によって生ずる補
    正、 【数14】 (以下、「数式M」と略称する):擾乱コイル(D)と
    磁石コイル系(M)との誘導的結合(数式J)の補正で
    あって、磁石コイル系Mの体積からの擾乱磁場の完全反
    磁性的排除によって生ずる補正、(数式F)への該変数
    βexpの代入によって実験的に決定されることを特徴と
    する請求項8記載の方法。
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