JP2002124111A - 発光管体直付け型反射材およびそれを用いた発光管体と発光方法 - Google Patents

発光管体直付け型反射材およびそれを用いた発光管体と発光方法

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JP2002124111A JP2000314325A JP2000314325A JP2002124111A JP 2002124111 A JP2002124111 A JP 2002124111A JP 2000314325 A JP2000314325 A JP 2000314325A JP 2000314325 A JP2000314325 A JP 2000314325A JP 2002124111 A JP2002124111 A JP 2002124111A
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文博 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光管用の反射材が劣化しまた汚れて反射特
性が低下して、発光装置の効率が低下する問題に対処す
ること。 【解決手段】 発光管体に直付けして好適には多孔質ポ
リテトラフルオロエチレンシートである反射材を装着す
る。反射材を剛性及び弾力性を有するシートと多孔質ポ
リテトラフルオロエチレンシートとの積層体を発光管体
の背面の外周曲面に沿うように曲げ加工を施す。この発
光管体直付け型反射材を装着した発光管体。またそれを
用いて発光管体の内部から放射される光成分を反射材で
反射させる光エネルギー供給方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光灯照明、ネオ
ン照明、UV殺菌、硬化装置などの可視光線や紫外線を
用いる装置に取り付ける発光管体の照射強度を長期に高
いレベルで安定して維持させるための背面反射板に用い
る光反射材及びこれを装着した発光管体とその光エネル
ギー供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】汎用の蛍光灯照明装置やUV照射装置
は、一般に、発光管を装着し保持する手段と共に、発光
管から背面方向に放射される光を前面方向に返して照射
強度を高く保つ為に背面反射板が装備されている。この
背面反射板は、チタンホワイトなどの白色塗装鉄板や、
鏡面Al金属、Al蒸着や銀蒸着による鏡面仕上げが施
された金属板や、鏡面塗装されたプラスチック板などを
用いて、反射効率即ち照射効率を高く出来るように工夫
されている。
【0003】また、反射材料には、反射板に後付けして
反射率を高める反射材料を製品化した例もある(Sil
verlux住友3M(株)製、reflash磯部電
気(株)製)。しかし、これらの場合、発光管体と反射
板とは、必ずある空間を隔てて取り付けられる。この
為、発光管体から発光される光の一部は反射板に達する
ことなく分散されて、必ずしも有効に反射板によって反
射されていない場合がある。また、反射板はほとんどの
場合大気開放の状態であり、経年とともに必ず反射表面
が劣化したりゴミや油ミストなどで汚れたりすることに
より光反射機能が低下するという課題を抱えている。反
射材の汚れ対策としてPFAやFEPなどのフッ素系材
料で表面を処理して汚れが着きにくくかつ落ちやすくし
ようとする改良の例もあるが、耐熱性樹脂同士の複合化
はコスト的にも大きな負担を強いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】白色塗装は光の反射率
は高くても70%〜90%程度で完全な反射率を有して
いないことは周知である。また、白色塗装板や金属蒸着
等による鏡面加工の反射板は、周辺空間に対してほとん
どは露出しているか開放されている為、反射板の表面は
経時的な劣化やサビ、油汚れ、ゴミ・ホコリによって表
面の反射能が確実に落ちることが、我々の身の回りでも
体験的に知られている。具体例では例えば10年以上経
過した駅のホーム天井に設置されている蛍光灯の背面反
射板の反射能は明らかに径時劣化によってその反射板と
しての役割が果たされず、蛍光管を新しく取り替えても
照射強度を満足に確保できないケースが多い。このよう
な照度不足を解決する為に、蛍光灯の背面反射板を清掃
したり取り替える方法もあるが、表面劣化や付着汚れが
著しい場合は清掃しても改善効果は期待できない場合が
多い。また、背面反射板は照明装置ごと取り替える必要
が有るので、コスト的に大きな負担を強いられるのが現
状である。
【0005】過去の特許文献等では反射材料を蛍光管な
どの発光管に直に取り付ける方法の公知の事例はない。
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決し、従来
の発光管体の照射強度を改善し高いレベルで長期安定し
て維持することを可能にする反射材とその利用方法を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、下記を提供する。 (1)発光管体に直付けされる反射材であることを特徴
とする発光管体直付け型反射材。 (2)前記反射材が多孔質ポリテトラフルオロエチレン
シートを含む材料である(1)に記載の発光管体直付け
型反射材。
【0007】(3)前記多孔質ポリテトラフルオロエチ
レンシートの厚さが0.1 〜1.0mm である(2)に記載の
発光管体直付け型反射材。 (4)前記多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートの
最大孔径が0.2 〜2.0μmである(2)(3)に記載の
発光管体直付け型反射材。 (5)前記反射材が、剛性及び弾力性を有する基材シー
トと多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートとの積層
体を発光管体の背面の外周曲面に沿うように曲げ加工を
施したものである(1)〜(4)に記載の発光管体直付
け型反射材。
【0008】(6)前記基材シートが金属製シート又は
合成樹脂製シートであるに(5)記載の発光管体直付け
型反射材。 (7)前記反射材が発光管に脱着可能に装着されるもの
である(1)〜(6)に記載の発光管体直付け型反射
材。 (8)前記反射材の表面が発光管に密着されるものであ
る(1)〜(7)に記載の発光管体直付け型反射材。
【0009】(9)発光管体が蛍光灯管、ネオン管およ
び紫外線管のいずれかである(1)〜(8)に記載の発
光管体直付け型反射材。 (10)(1)〜(9)に記載の発光管体直付け型反射
材を直付けした発光管体。 (11)(1)〜(9)に記載の発光管体直付け型反射
材が発光管体に直付けされた状態で、発光管体の内部か
ら放射される光成分を前記反射材で反射させることを特
徴とする光エネルギー供給方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、発光管体に直付けされ
る反射材であることを特徴とする発光管体直付け型反射
材にある。本発明の反射材を適用可能な発光管体は、発
光手段を含む管体であればよく、特に限定されず、その
形状も円筒管体に限定されず電球のような近球状などの
管体でもよいが、特に円筒管体状の放電発光管体に好適
に適用されるものであり、例えば、蛍光灯、ネオン管、
紫外線管、高圧ナトリウムランプ、水銀灯、キセノンラ
ンプ、メタルハライドランプ、白熱灯などを挙げること
ができる。
【0011】本発明の反射材は、発光管体から独立し離
間して設置されたものではなく、発光管体に直付けされ
ることを特徴とするものである。従来の反射材は、例え
ば、普通の室内用蛍光灯に見られるように、蛍光灯管体
を取り付ける蛍光灯取付け本体に固定して取付けられて
おり、蛍光灯管体が蛍光灯取付け本体に取り付けられた
とき、蛍光灯管体と反射板とは密着することなく、その
間には一定の距離(空間)がある。同様に、自転車や自
動車のヘッドライトの反射板には発光管体と一定の距離
(空間)がある。これに対して、本発明の反射材は発光
管体に直付けささるものである。直付けされることによ
って、基本的に反射特性を高くする可能性が生じ、また
反射面が空気に暴露されることあるいは汚れの付着によ
る反射特性の劣化を抑制することも可能にし、さらに簡
単な取替えやディスポーザブルな使い方も可能になる。
【0012】本発明の好適な態様では、反射材として、
高い反射率を有すると共に、耐熱性、不燃性、化学的安
定性、適度の柔軟性を有する材料を用いれば、反射材を
発光管体に密着して装着して使用することができ、それ
によって、より簡単に高い反射効率を実現でき、かつ反
射材の永年使用による劣化を少なくできる。本発明に使
用する反射材としては、反射特性を有する材料であれば
特に限定されず、従来より反射材に使用されている白色
塗料(白色酸化チタンが代表的である)、金属反射材料
(鏡面アルミニウム、銀蒸着金属が代表的である)、白
色樹脂材料(例えば、発泡ポリエチレンや発泡ポリスチ
レンの反射率は70〜90%である)などのいずれでも
よい。
【0013】しかし、本発明の反射材として好適な材料
は、上記のように高い反射率を有する材料、耐熱性、不
燃性、化学的安定性、適度の柔軟性を有する材料が選択
され、従来の反射スクリーンなどに用いられている材料
からこのような条件に適合するものを適当に選択して使
用することができる。反射率としては80%以上、より
好ましくは90%以上、さらには93%以上、特に95
%以上であることが好ましい。このように高い反射率を
有する反射材を直付けすることによりより高い照度を得
ることが可能にされる。
【0014】また、耐熱性、不燃性、化学的安定性、適
度の柔軟性を有する材料が好ましい。発光管体に直付け
するために、あるいは繰り返し使用するために、このよ
うな性質を持つ材料が好適である。本発明において特に
好適な材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)その他のフッ素系材料である。
【0015】PTFE材料としては、懸濁重合により得
られたディスパージョンから分離、造粒されたモールデ
ィングパウダーを結着、一体化した多孔質素材としたも
の(例えば特開平6-93123 号公報参照)等を使用できる
が、本発明の反射材の材料としては、特公昭56-17216
号、米国特許第3,953,566 号などに開示されているよう
な、延伸多孔質PTFEを含んでなる材料が特に好適で
ある。これらの特許はいずれも本発明に参照される。こ
のPTFE製の延伸多孔質材料は、特表2000-503126 号
公報で示されているようにポリマーの結節とその結節を
相互に接続する微視的なポリマーのフィブリルの微細多
孔質構造を含んでなる。
【0016】延伸多孔質PTFEは、本発明の反射面と
して特に適切なものにする多くの重要な特性を有する。
第一に、PTFEは疎水性で高度に化学的不活性の材料
である。従って反射面に損傷を与える水や様々な他の物
質のいずれにも抵抗性がある。第二に、耐熱性も有機材
料の中では極めて高く反射材料として発光管体の発熱に
対してもおよそ260℃までの常用温度に耐える性能を
有しており、不燃性も有している(限界酸素指数が95
Vol%) ことが判っている。第三に、特公昭56-17216号
公報によって教示される仕方でPTFEを延伸配向させ
結節とフィブリル構造を形成させることにより、この材
料は引張り強度にかなりの向上を呈し、高度に柔軟性も
生じ、硬度の高い発光管体に対する密着性も向上する。
第四に、前記したモールディングパウダーをベースとし
たPTFE材料はあらゆる波長の光を吸収しない性質を
持つ為に良好な拡散反射性を提供するが、延伸多孔質P
TFEの結節とフィブリルの構造は紫外線領域から可視
光領域さらには7,000nm程度までの長波の領域まで
の間で充填顆粒をベースとしたPTFE材料を大きく上
回る拡散反射特性を提供することが見出されている(特
表2000-503126 号公報)。
【0017】この延伸多孔質PTFEの優秀な特性を生
かして、照明用蛍光管やUV照射装置用のUV管さらに
は電飾看板等に用いられるネオン管などの発光管体に直
に約半周分背面側に巻きまわし物理的に密着させると、
本発明の反射材の好適な態様が実現する。本発明に用い
る反射材として特に延伸多孔質PTFE材料を用いる場
合、その厚さは、0.1mmから1.0mmの厚さが好まし
く、より好適には0.3〜0.8mmである。この厚さは
透過率をある程度(例えば、3%程度)に押さえ、かつ
経済的に薄く出来る厚さである。
【0018】また延伸多孔質PTFE材料の最大孔径は
0.05μm 〜10μm 、より好適には0.2μm 〜
2.0μm の範囲内が好適である。反射率などの特性を
最適化するためである。なお、延伸多孔質PTFE材料
は散乱反射型であり、アルミニウムの鏡面反射とは異な
る特質を有している。
【0019】本発明の反射材を発光管体に直付けするた
めの方法は、発光管体自体に取り付ける方法が好適であ
る。しかし、反射材が発光管体に直付けされてさえいれ
ば、反射材は発光管体の取付け本体によって支持されて
いてもよいし、発光管体に装着されると共に発光管体の
取付け本体によっても保持される構造でもよい。しか
し、最も好適には、本発明の反射材は発光管体だけに装
着する構造がよい。その方が構造が簡単であり、また使
用する上でも、あるいは取替えを行う場合も、簡単であ
るからである。
【0020】例えば、反射材を発光管体に耐熱粘着材や
接着剤などで貼り付ける方法でも良い。また、反射材
は、発光管体に脱着可能に装着すると、繰り返し使用で
きるので好適であるが、使い捨てタイプとして使用して
もよく、必ずしも限定されない。また、反射材は表面が
発光管体に密着していることが望ましいが、完全に密着
していなくても問題はないし、さらには反射材の一部が
発光管体に直付けされて一部は発光管体からある程度離
間していてもよい。例えば、反射材の両端部のみ発光管
体に接触し中央部が発光管体から離間していても光は反
射材から逃散することはない。あるいは逆に反射材の中
央部が発光管体に密着しているが端部が発光管体から分
かれて延在して傘的な役割(反射方向の制御)をしても
よい。さらには、耐汚染性では劣るが、反射材を発光管
体に対して発光管体の表面から僅かな隙間を置いて覆う
ように配置しても反射効率は従来の反射板より向上させ
る可能性がある。従って、本発明の反射材は発光管体に
直付けすることに特徴があり、密着することは必須では
ない。しかし、本発明の反射材は全部または一部が発光
管体に密着することが好適である。
【0021】本発明の好適な態様では、図1に示すよう
に、柔軟性を有する反射材(延伸多孔質PTFE)2を
わずかの剛性と弾性を持つ金属薄板やプラスチック薄板
1と接着剤や熱融着で全面ろるいは部分的に張り合わせ
て2層のラミネート材料3とし、図2に示すように、張
り合わせた複合材料3を延伸多孔質PTFE面側を反射
面として発光管体4に物理的に密着できるように曲面加
工し、人間の手で軽く脱着できる程度にし、かつ管体と
物理的に装着した時に隙間なく密着できるようにする。
延伸多孔質PTFEと他の部材との接着方法はいろいろ
公知である。即ち、金属薄板やプラスチック薄板の弾
性、復元力を利用して発光管体に物理的に密着させるも
のである。
【0022】あるいは、任意に上記の如く金属薄板やプ
ラスチック薄板とラミネートしあるいはラミネートしな
い本発明の柔軟性を有する反射材を発光管体に密着させ
た状態で、適当な装着器具を用いて反射材の外側から反
射材を発光管体に装着固定してもよい。また、本発明の
柔軟性を有する反射材を発光管体に密着させた状態で、
わずかの剛性と弾性を持つ金属薄板やプラスチック薄板
を反射材の外側から覆うようにして、反射材を発光管体
に装着固定してもよい。なお、これらの金属板やプラス
チック板は、平板状のもの以外にパンチング状、メッシ
ュ状、織物や金網状の材料でもあってもよい。
【0023】反射材を発光管体に装着する機構は特に限
定されない。図2の反射材は発光管体の半周をカバーす
る形であるが、これ以外に、1/3周や、1/4周にし
て、180度より後方に光の方向を任意に設定すること
なども可能である。また、図3のように、発光管体4を
半周巻きまわした反射材3の裾3aを水平あるいは任
意の傾斜角にて広げ反射面積を大きくとることも可能で
ある。
【0024】蛍光管体が単純円筒形(直管型)ではな
く、サークル型蛍光管のドーナツ型などの場合、本発明
の反射材の種類や成形方法によっては、内円周側にシワ
が発生する可能性があり、その場合見た目が悪く反射特
性上も好ましくないが、4分割の直付け反射板にするな
どの工夫をすればそれらの形状への適用も不可能ではな
い。しかし、本発明の反射材は直管系の発光管体に対し
てより効果的である。
【0025】このようにして発光管体に直接に反射材を
装着した発光管体は、従来の発光管体と同様に取り扱う
ことができ、発光管体取付け器具にそのまま取付けある
いは取り外しして使用できる。この取付けに際しては、
あらかじめ発光管体に反射材を装着したものを反射面が
背面に位置するように調整したうえで、取付け器具に取
り付ける。発光管体には寿命があり必ず取替えが行なわ
れる。このときこの反射材は人の手で軽く反射材を発光
管体から取り外すことが可能である。またこの反射材の
性能は、蛍光管体より長い寿命を有することができるの
で、発光管体の取替えのときにも新しく取り替えること
なく、引き続き利用することができる。従って取替え用
の新しい発光管体に再び簡単にはめ込み、使用を続行す
ることが可能である。
【0026】本発明の反射材の適用箇所としては、経年
劣化の著しい駅のプラットホーム、官公庁、学校などの
旧い公共施設などにおいて、蛍光管を新しく取り替えて
も、十分な照射強度が期待できない照明施設などに特に
有効である。また、UV照射装置に使われているAl鏡
面反射板は非常に高価であるが、反射表面の酸化劣化に
よって反射能が低下するという欠点が有る。本発明の反
射材は、発光管体の寿命の問題を除けば、当初の設計照
射強度をほぼ半永久的に持続することも可能であるの
で、鏡面反射板の取り替えコストやメンテナンス費用を
削減したい用途には最適である。
【0027】また、ビル設計時の照明装置の配置数を検
討する際においても、最低10%の削減が出来、長期の
照度安定確保の観点からも余裕を持った有利な設計が可
能となる。
【0028】
【実施例】実施例1 特公昭56-17216号公報の教示に従って作製されたジャパ
ンゴアテックス(株)製の二軸延伸多孔質PTFEフィ
ルム(厚さ72μm、バブルポイント118kPa 、密度
0.4g/cc)を準備した。
【0029】このフィルムを2枚、4枚、6枚、8枚、
10枚、20枚を重ねて周囲を固定し、340℃で10
分間電熱炉中にて焼成し、縦横約70cmの、夫々0.9
6mm、0.197mm、0.305mm、0.403mm、
0.501mm、1.004mmの厚さで、密度0.6g/
ccのシートを得た。これらのシートの夫々の光透過率と
0.501mmの光反射率を、島津製作所製分光光度計U
VPC3000にて測定した。
【0030】その結果、透過率は厚さによって変化する
が、透過率を3%以下に押さえる経済的な厚さとしては
0.3mm〜0.5mmが適当であった。また、波長250
nm〜750nmの波長領域において反射率は99%以上の
驚異的な値を取ることを確認した。同時に従来の白色塗
装鉄板の反射率は波長域によって80%〜95%の範囲
でばらついていることが確認できた。
【0031】これらの事実から延伸多孔質PTFEシー
トは理想的な光拡散反射材であることが判った。 実施例2 実施例1で得られた厚さ約0.5mmの延伸多孔質PTF
Eシートを、電飾看板に付帯する蛍光管に背後より半周
巻きまわし粘着剤で仮固定した。
【0032】その結果、実施例2の1本の蛍光管は、隣
接する蛍光管2本分の明るさを提供するという顕著な反
射率の向上を確認することができた。 実施例3 実施例1で得られた厚さ約0.5mmの延伸多孔質PTF
Eシートを、20W2灯の照明装置の直管の蛍光管の背
面側に、延伸多孔質PTFEシートが密着するように半
周巻きまわし、蛍光管の円周曲率よりも若干小さ目の半
割の金属円筒部材を用意し、これを用いて延伸多孔質P
TFEシートが蛍光管に物理的に密着するように取り付
けた。
【0033】暗室にて延伸多孔質PTFEシートを取り
付けた照明装置を設置し、この光源より160cm下の照
度を照度計(ミノルタ製T−1H)で測定した。比較の
ために、延伸多孔質PTFEシートを取り付けない従来
品の裸管のままの蛍光管についても、同様にして照度を
計測した。この時照明装置本体に付いている背面反射板
は反射面の劣化による反射能の低下を想定して取り外し
た。
【0034】40cm間隔の12点で照度を測定しJIS
C−7612に示されている照度評価法に順じて測定し
た結果を表1に示す。試験体Aは実施例品、試験体Bは
従来品である。
【0035】
【表1】
【0036】本発明の反射材(延伸多孔質PTFEシー
ト)の取り付けの有無以外はすべて同じ条件であり、3
回とも高度に再現性があり、このときの照度向上効果は
約1.95倍明るく改善されていることが判った。 実施例4 照明装置に具備された背面反射カバーを新品の状態で付
けた時の照度を比較したところ、約13%の照度向上を
示した。試験体Cは実施例品(実施例3と同一のも
の)、試験体Dは従来品である。
【0037】
【表2】
【0038】実施例5 実施例4の試験体CとDについて累積で1千時間後の照
度を測定したところCは約5%低下、Dは約10%の照
度低下を示したが、これらの半分は蛍光管自体の劣化に
よるものと思われる。実施例の照度低下はほとんど蛍光
管の劣化によると考えられるので、さらに汚れの多い劣
悪環境下では、その差がいっそう顕著になることが容易
に想像される。
【0039】実施例6 実施例3及び4に掲載のものは半周巻きまわすものの真
横方向や散乱の為に背面方向に光が進む。そこで、これ
らの光も積極的に前面に戻すように、反射材を図3のよ
うにスカート状に両側に25mmずつ延長させ改善したも
のを製作した。これについても、同様に照度の測定をし
た。この時測定日が異なったので現行蛍光灯の再現測定
も行なった。試験体Eは実施例改良品、Dは従来品であ
る。
【0040】
【表3】
【0041】照度が従来よりも32%向上することがわ
かった。さらに、従来の背面反射板が劣化した時の照度
131.4に対し実施例の改善品は約2.4倍の照度向
上が見られた。これは、20W蛍光灯が48W相当の明
るさを提供することを意味している。なお、データ比較
上の信頼性を高める為に照度データA,B,Cの再現測
定を行なった結果、誤差1.1%〜3.2%以内で再現
した為、これらのデータは十分信頼できるものと考えら
れる。
【0042】参考例1 従来の反射板を有する蛍光灯本体に蛍光灯を装着した場
合と、その反射板に実施例1で得られた反射材(延伸多
孔質PTFEシート)を貼り付けた場合の照度を実施例
3と同じ方法で測定した。結果を表4に示す。試験体F
が従来の蛍光灯、試験体Gが延伸多孔質PTFEシート
(厚さ約0.5mm)を貼り付けた蛍光灯である。
【0043】
【表4】
【0044】実施例1で製造した延伸多孔質PTFEシ
ートが、従来の蛍光灯の反射板と比べて反射率だけでも
約22%の照度の改良をもたらすものであることを示し
ている。本発明ではこの反射材を蛍光管に直付けするこ
とにより、従来の蛍光灯と比較して約32%の照度の改
良を達成するものである。 参考例2 従来の蛍光灯の反射板に市販のアルミニウム鏡面反射板
(住友3M製SAilvweLux)を貼り付けた場合の照度を測
定した。表5において、試験体Hがそれであるが、実施
例3の実施例改良品Eの結果を併せて示す。
【0045】
【表5】
【0046】本発明の反射材が、反射率100%を示す
アルミニウム鏡面反射板と比べても照度が約8%改良さ
れることが示されている。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように、従来の反射表
面に付着する汚れや背面反射材表面の劣化による光反射
能の低下の課題に対して本発明の蛍光管に直付けする反
射材を用いる事によって、経済的に簡便な方法で解決策
を提供するものである。照明装置やUV照射装置の分野
において環境の明るさや照度ならびに紫外線照射強度を
高いレベルで長期的に維持できる画期的な製品と言うこ
とが出来る。本発明の好適な実施例品は従来の金属反射
表面が錆劣化し反射能が低下し易いのに比べて高度な化
学的安定性により劣化による反射率低下が全く生じな
い。蛍光管やUV管の熱発生に対しても従来の有機系反
射材料基材(PBTで140℃程度)と比較しても高い
耐熱性(260℃)を備え不燃性である、かつ管材に物
理的にその柔軟性により密着させることによってゴミや
汚れが侵入しにくくできるので長期に安定して蛍光管や
UV管の寿命の期間、照射強度を従来よりも高く(従来
反射板と比較して最低1.1倍〜最大2.4倍の照度向
上)安定して提供することが出来る。また更に、新しく
蛍光管やUV管を取り替える際には簡単に脱着可能でそ
の機能を引き続き永続的に繰り返し利用できる利点を持
つ直付け反射材を提供するものである。
【0048】照明の配置や設置箇所数を設計する段階に
おいても、適宜少ない設置箇所数で既往設計と同等の照
度を得ることが可能となり、設計段階での省エネルギー
効果を生み出すことの出来る方法として期待することも
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の反射材の断面構造を説明す
る図である。
【図2】蛍光管に本発明の反射材が装着された様子を示
す図である。
【図3】蛍光管に鍔付きの反射材が装着された様子を示
す図である。
【符号の説明】
1…弾性薄板(プラスチック板or金属板) 2…延伸多孔質PTFEシート 3…弾性薄板/延伸多孔質PTFEシート複合反射板 4…蛍光管

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光管体に直付けされる反射材であるこ
    とを特徴とする発光管体直付け型反射材。
  2. 【請求項2】 前記反射材が多孔質ポリテトラフルオロ
    エチレンシートを含む材料である請求項1に記載の発光
    管体直付け型反射材。
  3. 【請求項3】 前記多孔質ポリテトラフルオロエチレン
    シートの厚さが0.1〜1.0mm である請求項2に記載の発
    光管体直付け型反射材。
  4. 【請求項4】 前記多孔質ポリテトラフルオロエチレン
    シートの最大孔径が0.2 〜2.0 μmである請求項2また
    は3に記載の発光管体直付け型反射材。
  5. 【請求項5】 前記反射材が、剛性及び弾力性を有する
    基材シートと多孔質ポリテトラフルオロエチレンシート
    との積層体を発光管体の背面の外周曲面に沿うように曲
    げ加工を施したものである請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の発光管体直付け型反射材。
  6. 【請求項6】 前記基材シートが金属製シート又は合成
    樹脂製シートである請求項5に記載の発光管体直付け型
    反射材。
  7. 【請求項7】 前記反射材が発光管に脱着可能に装着さ
    れるものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の発
    光管体直付け型反射材。
  8. 【請求項8】 前記反射材の表面が発光管に密着される
    ものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光管
    体直付け型反射材。
  9. 【請求項9】 発光管体が蛍光灯管、ネオン管および紫
    外線管のいずれかである請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の発光管体直付け型反射材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    発光管体直付け型反射材を直付けした発光管体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    発光管体直付け型反射材が発光管体に直付けされた状態
    で、発光管体の内部から放射される光成分を前記反射材
    で反射させることを特徴とする光エネルギー供給方法。
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