JP2002123976A - 光情報媒体 - Google Patents

光情報媒体

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JP2002123976A
JP2002123976A JP2000316248A JP2000316248A JP2002123976A JP 2002123976 A JP2002123976 A JP 2002123976A JP 2000316248 A JP2000316248 A JP 2000316248A JP 2000316248 A JP2000316248 A JP 2000316248A JP 2002123976 A JP2002123976 A JP 2002123976A
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light
absorbing layer
dav
light absorbing
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Isao Okitsu
勲 興津
Toru Fujii
徹 藤井
Makoto Negishi
良 根岸
Kazami Hara
風美 原
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長700nm以下の赤色短波長レーザーに
より高密度信号を記録する光情報媒体において、記録時
のトラック間及びピット間の熱干渉を抑え、ジッターを
改善する。 【解決手段】 光情報媒体は、透光性基板1と、この透
光性基板1の表面上に形成されたトラッキング用のグル
ーブ3と、このグルーブ3が形成された透光性基板1の
表面上に形成された光吸収層12と、この光吸収層12
の上に形成され、記録、再生光を反射する反射層13と
を有する。ここで、前記光吸収層12の平均膜厚davが
40nm≦dav≦65nmであり、かつ前記光吸収層1
2の複素屈折率の実数部nabsとその平均膜厚davと再
生光の波長λとで与えられるρ=nabs・dav/λが
0.14≦ρ≦0.3である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に再生可能
な情報が記録し得る光情報媒体に関し、特に630〜6
70nmの短波長赤色レーザ光により記録、再生される
高密度記録媒体に最適な光情報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の短波長レーザーの開発と実用化に
伴い、より高密度な記録再生を可能とするDVD(Digi
tal Versatile Disc)の規格の標準化に伴い、その実用
化が進んでいる。このDVDでは、その少なくとも一方
の主面にデータ記録領域が設定され、このデータ記録領
域に情報記録手段であるピットが形成され、その上に金
属膜からなる反射層が形成されている。
【0003】前記DVDでは、現在最も一般的な光情報
媒体の規格であるCD(Compact Disc)と比較して、高
密度化のために異なる規格が定められている。例えば、
ディスクの反り等に対応するため、0.6mm厚という
CDの約半分の厚さのディスクが採用されている。た
だ、ディスク厚1.2mmのCDとの寸法上の互換性を
確保するため、2枚のディスクの貼り合わせ構造となっ
ている。DVD規格では、1枚のディスクに標準で最大
記録容量約4.7GB、映像と音声が平均約133分収
録することを規格化している。
【0004】前記DVDの規格の標準化の中で、 現在
では、映像用のDVD−Videoとコンピュータデー
タ記録用のDVD−ROM等の再生専用のDVDと物理
的かつ光学的に互換性を有する最大記録容量4.7GB
という高密度な記録可能な光情報媒体とその記録技術の
開発が望まれている。
【0005】本件特許出願人は、1回だけ記録でき、記
録後はCDプレーヤでそのまま再生出来る光情報媒体、
いわゆるCD−Rを開発した。そして、その最適な光学
特性について検討をした。例えば、特公平3−7594
2号公報や特許第2710041号公報等がその例であ
る。
【0006】本来のCDは、トラックピッチが1.6μ
mであり、これに光学ピックアップの開口率NAが0.
45、そのレーザ光の波長が780nm、そのビームス
ポット径が1.42μmである。このような光学ピック
アップにより、基準線速度1.2〜1.4m/secで
再生を行う。また、変調度は60%以上、ピット長0.
9〜3.3μm、プッシュプル0.04〜0.09であ
る。とりわけ、反射率に関しては、70%以上という高
反射率が要求される。
【0007】CD−Rは、透光性基板と反射層との間
に、レーザ光による記録のため、再生光を吸収してしま
う色素層を挿入したものである。CDではこのような色
素層は存在しない。このため、CD−Rでは、色素層の
存在のもとで前記のようなCDの規格をクリアする必要
があった。とりわけ、70%以上という高い反射率をク
リアする必要があり、CD−Rの光学特性は、その高い
反射率をクリアすることに比較的大きな主眼をおいて検
討されたものである。
【0008】他方DVDは、トラックピッチが0.74
μmであり、これに光学ピックアップの開口率NAが
0.6、そのレーザ光の波長が650nmまたは635
nm、そのビームスポット径が0.89μmである。こ
のような規格の光学ピックアップにより、基準線速度
3.49m/secで再生を行う。また、変調度は60
%以上、ピット長0.4〜1.87μm、プッシュプル
0.22〜0.44であり、反射率は45%以上であ
る。CDに比べて、高密度記録のために、トラックピッ
チが狭く、レーザ光のビームスポット径も小さく、ピッ
ト長も短くなっているが、反射率はCD程高い反射率は
要求されない。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】本件発明者らは、
記録可能なDVD、いわゆるDVD−Rの開発に当た
り、前述のようなCDとDVDの規格の相違から、前述
のCD−Rについて検討した光学特性について再検討し
た結果、DVD−Rにおいて、CD−R向けに検討した
光学特性では、必ずしも適当でないことに着目した。
【0010】とりわけ、DVD−Rでは、CD−Rに比
べて、トラックピッチが狭く、レーザ光のビームスポッ
ト径も小さく、ピット長も短いため、記録時にレーザ光
を光吸収層に入射させ、光吸収層に熱変化を与えたと
き、トラック間及びピット間の熱干渉が問題となり、ジ
ッター特性が悪くなることが分かった。
【0011】本発明は、前記のような規格を有するDV
Dに対応した短波長赤色レーザーにより記録する光情報
媒体における課題に鑑み、その光学特性を見直し、記録
特性、特に記録時におけるトラッキング間及びピット間
の熱干渉が小さく、これによりジッター特性が良好な光
情報媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、前記本
発明の目的を達成するため検討した結果、記録時のトラ
ック間及びピット間の熱干渉を抑え、ジッターを改善す
るためには、少なくともトラックとなるグルーブ3の部
分での光吸収層12の膜厚を薄くすることが効果的であ
ることに着目した。
【0013】そこで本発明では、前記の検討の結果、光
吸収層12の平均膜厚を40nm≦dav≦65nmとし
たものである。さらに、単に光吸収層12の膜厚を薄く
しただけでは、ジッターの改善が十分でないことに鑑
み、光吸収層12の複素屈折率の実数部nabsとその平
均膜厚davと再生光の波長λとで与えられるρ=nabs・
dav/λというパラメータに着目し、そのρを0.14
≦ρ≦0.3とすることとした。これらにより、ジッタ
ー特性が改善されることを見いだした。
【0014】すなわち、本発明による光情報媒体は、透
光性基板1と、この透光性基板1の表面上に形成された
トラッキング用のグルーブ3と、このグルーブ3が形成
された透光性基板1の表面上に形成された光吸収層12
と、この光吸収層12の上に形成され、記録、再生光を
反射する反射層13とを有し、波長700nm以下のレ
ーザー光により、光学的に読み取り可能な信号を記録
し、再生するものであって、前記光吸収層12の平均膜
厚davが40≦dav≦65であり、かつ光吸収層12の
複素屈折率の実数部nabsとその平均膜厚davと再生光
の波長λとで与えられるρ=nabs・dav/λが0.1
4≦ρ≦0.3であることを特徴とする。
【0015】CD−Rに比べてトラッキングピッチが狭
く、ピット長が短い波長700nm以下のレーザー光に
より記録されるDVD−Rでは、記録時のトラキング間
及びピット間の熱干渉がより大きな問題となることが分
かった。この熱干渉による記録特性の悪化、とりわけジ
ッター特性の悪化を抑えるには、レーザー光を光吸収層
12に照射したとき発生する光吸収層12における熱変
化を記録のため必要最小限に抑えることが有効である。
そのためには、光吸収層12の平均膜厚davを薄くする
ことが有効である。そこで、光吸収層12の平均膜厚を
40nm≦dav≦65nmとしたものである。
【0016】しかし単に光吸収層12の平均膜厚davを
薄くしただけでは、グルーブ3における変調度が小さく
なり、トラッキング特性が悪くなるため、ジッターの改
善に逆効果になることもある。そこで、光吸収層12に
おける光路長であるnabs・davと、再生光の波長λと
の関係で光吸収層12の膜厚davをρ=nabs・dav/
λというパラメータで検討し、実験の結果、その値を
0.14≦ρ≦0.3に決定したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。本
発明による光情報媒体の一例として、両面貼り合わせに
よる片面記録・再生構造を有する追記形光情報媒体の例
を図1と図2に示す。透光性基板1は、中央にセンター
ホール9を有する透明な円板状の基板である。この透光
性基板1は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)等の透明樹脂で作るのが最もよい。
【0018】前記透光性基板1は射出成形により作られ
ることが一般的である。この射出成形においては、透光
性基板1の表面上に溝形状を転写する型としてスタンパ
が用いられる。その作り方の一例を示すと、次のように
なる。先ず、表面が平滑なガラス原盤に、フォトレジス
トを0.1〜0.2μmの膜厚にスピンコートしてから
乾燥する。その後、紫外領域のレーザ光を照射しカッテ
ィングを行い感光させる。この時、レーザビーム光量
(パワー)を連続的に変化させることで内外周のグルー
ブの幅を変えることができる。カッティング後現像工程
を経て、Niなどの金属膜をスパッタ等で形成し、更に
電鋳処理をして完成する。
【0019】この透光性を有する透光性基板1の片面の
前記センターホール9の外側にクランピングエリアが設
定されており、このクランピングエリアの外周側がデー
タ記録領域となる。透光性基板1のデータ記録領域の部
分には、連続したスパイラル状のトラッキング用のグル
ーブ3が形成され、このトラッキング用のグルーブ3の
間はランド4となっている。このトラッキング用のグル
ーブ3のピッチは、0.74μmを標準とする。また、
前記ランド4の表面にランドプレピットが形成されてい
ても良い。
【0020】図3及び図4にも示すように、前記のよう
な透光性基板1の前記トラッキング用のグルーブ3を有
する表面上に、光吸収層12が形成される。具体的に
は、スピンコート法により、透光性基板1の表面上に有
機色素等が塗布され、光吸収層12が形成される。この
とき、レベリングにより、グルーブ3の部分の光吸収層
12の部分の膜厚が或る程度制御することができる。
【0021】さらに、前記の光吸収層12の上に、金、
アルミニウム、銀、銅等の金属膜或いはこれらの合金膜
からなる反射層13が形成される。反射層13の上に、
紫外線硬化性樹脂等の保護膜14が形成される。図1〜
図3に示されたように、この透光性基板1の他にもう1
枚の基板5を用意する。この基板5は、前記透光性基板
1と同じ材質で出来た同じサイズのものであるが、その
主面には、前記透光性基板1のような光吸収層12、反
射層13は設けられていない。後述するように、この他
の基板5にも前記透光性基板1と同様に、光吸収層12
や反射層13等を設けることもできる。
【0022】次に、これらの2枚の基板1、5を貼り合
わせる。例えば、スピンコート法やスクリーン印刷法等
の手段により、2枚の基板1、5の少なくとも一方の主
面に接着剤として反応性硬化樹脂が塗布され、さらにこ
れらの面が互いに向かい合わせて重ね合わせられ、且つ
前記反応性硬化樹脂が硬化される。これにより、前記反
応性硬化樹脂が硬化することにより形成された接着層1
1により、2枚の基板1、5の主面が互いに貼り合わせ
られる。この場合、透光性基板1はその光吸収層12及
び反射層13が形成された面が接着される。
【0023】このような光情報媒体において、光吸収層
12の平均膜厚davを、40nm≦dav≦65nmとす
る。なおかつ、光吸収層12の複素屈折率の実数部nabs
とその平均膜厚davと再生光の波長λとで与えられるρ
=nabs・dav/λを、0.14≦ρ≦0.3の範囲とす
る。
【0024】こうすることにより、図3に示すように、
対物レンズoを通して光学ピックアップからレーザー光
を光吸収層12に照射したとき発生する光吸収層12に
おける熱変化を、記録、つまりピットの形成のため必要
最小限に抑えることができる。しかも、グルーブ3にお
ける変調度も確保されるため、トラッキング特性も悪く
ならない。これらの総合的な効果として、ジッターの改
善が図られる。具体的には、ジッターを8.0%以下に
抑えることができる。
【0025】これに対し、光吸収層12の平均膜厚dav
<40nmであると、グルーブ3における変調度が確保
できず、トラッキング特性が悪くなり、ジッターが増大
してしまう。また、光吸収層12の平均膜厚dav>65
nmであると、記録時に発生する光吸収層12における
熱変化が大きく、トラッキング間或いはピット間の熱干
渉が生じ、やはりジッターが増大してしまう。
【0026】また、ρ<0.14であると、グルーブ3
における変調度が確保できず、トラッキング特性が悪く
なって、ジッターが増大し、8.0%を上回ってしま
う。また、ρ>0.3であると、レーザー光を光吸収層
12に照射したとき発生する光吸収層12における熱変
化が大きく、トラッキング間或いはピット間の熱干渉が
生じ、やはりジッターが増大し、8.0%を上回ってし
まう。
【0027】なお、前記の例は、トラッキング用のグル
ーブ3を有する透光性基板上に光吸収層12と反射層1
3とを形成した透光性基板1と、光吸収層12と反射層
13とを形成していない他の基板5とを貼り合わせた例
である。これらの場合は、片面のみ記録・再生が可能で
ある。前記他の基板5は、透光性を有しないものや、耐
光性を保持するために着色してあるもの、或いは表面に
文字、図柄、書き込み可能な領域を設けたものであって
もよい。
【0028】他方、トラッキング用のグルーブ3を有す
る透光性基板1上に光吸収層12と反射層13とを設け
た2枚の透光性基板1を2枚用意し、これらの光吸収層
12及び反射層13側を向かい合わせて貼り合わせた、
いわゆる両面記録・再生構造の光情報媒体とすることも
できる。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例について、具体的な数
値をあげて説明する。 (実施例)先ず、表面が平滑なガラス原盤に、フォトレ
ジストを所定の膜厚にスピンコートしてから乾燥させ
た。この時、フォトレジストの膜厚は150nmであっ
た。次に、紫外領域のレーザ光をレーザビーム光量(パ
ワー)を連続的に変化させながらカッティングを行っ
た。その後、現像工程を経て、Ni膜をスパッタ等で形
成し、更に電鋳処理をし、スタンパを作った。
【0030】前記スタンパを用いてポリカーボネートを
射出成形し、外径120mmφ、内径15mmφ、厚さ
0.597mm、屈折率1.59のポリカーボネート基
板であって、その一方の主面に螺旋状のトラッキング用
のグルーブ3を有する透光性基板1が完成した。このグ
ルーブ3のトラッキングピッチp=0.74μmであ
る。
【0031】この透光性基板1のトラッキング用のグル
ーブ3を有する面側に、シアニン色素の溶液をスピンコ
ート法により成膜し、光吸収層12を形成した。さら
に、前記光吸収層12の上にAuをスパッタリングし、
反射層13を形成した。この上に紫外線硬化性樹脂(大
日本インキ化学工業(株)社製SD211)をスピンコ
ートし、これに紫外線を照射して硬化させ、保護層14
を形成した。この保護層14に紫外線硬化性樹脂製の接
着剤を塗布し、光吸収層や反射層を有しないこと以外
は、前記と同じ材質、形状の基板を貼り合わせ、前記接
着剤に紫外線を照射して硬化させ、接着した。これによ
り、表1の実施例1〜7に示す7種類の光情報媒体を作
った。
【0032】こうして作られた光情報媒体について、そ
れぞれ対物レンズoの開口率0.6の光学ピックアップ
を使用し、波長650nm、記録パワー10mWでEF
M−Plus信号(8−16変調信号)を記録した。表
1に示す通り、この光情報媒体に記録された信号を波長
λ=650nmの再生用のレーザ光で再生した。このと
きのジッターは、それぞれ表1に示す通り、何れも8.
0%以下であった。なお、これらの光情報媒体の反射率
は、何れも45%以上であった。
【0033】これら実施例1〜7の光情報媒体の光吸収
層12における屈折率nabs、平均膜厚davは、それぞ
れ表1の実施例1〜7の欄にそれぞれ記載された通りで
ある。ここで、光吸収層12の平均膜厚davは、光吸収
層12を形成するコーティング材の塗布量から塗布面積
を除した値で求めた。前述の通り、再生用のレーザ光の
波長λは、何れも650nmである。これらから計算さ
れるρ=nabs・dav/λは、それぞれ表1に示す通りで
ある。
【0034】ここで、光吸収層12の平均膜厚davは、
TEM、SEMなどの膜厚測定機を用いて平均膜厚dav
を測定する。或いは、ガラス上に塗布した色素膜の吸光
度を測定し、その色素膜の膜厚を膜厚測定機で測定し、
これらから単位吸光度あたりの膜厚を算出し、ディスク
上に塗布した色素膜からなる光吸収層12の吸光度から
その平均膜厚を求めることも可能である。また、光吸収
層12の屈折率nabsは、色素の表面状態がムラの無い
領域、例えばディスクのミラー面を用いて反射率、透過
率を測定し、その反射率、透過率及び前記膜厚のデータ
から屈折率を算出する。
【0035】表1から明らかな通り、これら実施例1〜
7として作られた光情報媒体の光吸収層12の複素屈折
率の実数部nabsとその平均膜厚davと再生光の波長λと
で与えられるρ=nabs・dav/λは、0.14≦ρ≦
0.3であり、光吸収層12の平均膜厚davは、40n
m≦dav≦65nmである。
【0036】
【表1】
【0037】(比較例)前記実施例と同様にして、表2
の比較例1〜7に示す7種類の光情報媒体を作った。こ
うして作られた光情報媒体について、それぞれ対物レン
ズの開口率0.6の光学ピックアップを使用し、波長6
50nm、記録パワー10mWでEFM−Plus信号
(8−16変調信号)を記録した。表2に示す通り、こ
の光情報媒体に記録された信号を波長λ=650nmの
再生用のレーザ光で再生した。このときのジッターは、
それぞれ表2の通りである。
【0038】これらの光吸収層12の屈折率nabs、平
均膜厚davは、それぞれ表2の比較例1〜7の欄に記載
された通りである。前述の通り、再生用のレーザ光の波
長λは、何れも650nmである。これらから計算され
るρは、それぞれ、表2に示す通りである。
【0039】
【表2】
【0040】比較例1は、光吸収層12の平均膜厚dav
がdav<40であり、光吸収層12の屈折率nabs、平
均膜厚dav及び再生用のレーザ光の波長λから計算され
るρもρ<0.14である。この比較例1では、記録信
号を波長λ=650nmの再生用レーザ光で再生したと
きのジッターが14.7%と、8.0%を越えていた。
【0041】比較例2、比較例3及び比較例7は、光吸
収層12の平均膜厚davがdav>65であり、光吸収層
12の屈折率nabs、平均膜厚dav及び再生用のレーザ
光の波長λから計算されるρもρ>0.3である。これ
らの比較例2、比較例3及び比較例7では、記録信号を
波長λ=650nmの再生用レーザ光で再生したときの
ジッターが何れも8.0%を越えていた。
【0042】比較例4は、光吸収層12の屈折率nab
s、平均膜厚dav及び再生用のレーザ光の波長λから計
算されるρが0.14≦ρ≦0.3であるが、光吸収層
12の平均膜厚davがdav>65である。この比較例4
では、記録信号を波長λ=650nmの再生用レーザ光
で再生したときのジッターが13.0%と、8.0%を
越えていた。
【0043】比較例5と比較例6は、光吸収層12の屈
折率nabs、平均膜厚dav及び再生用のレーザ光の波長
λから計算されるρが0.14≦ρ≦0.3であるが、
光吸収層12の平均膜厚davがdav<40である。この
比較例5では、記録信号を波長λ=650nmの再生用
レーザ光で再生したときのジッターが何れも8.0%を
越えていた。なお、これら比較例1〜7として作られた
光情報媒体の反射率は、何れも45%以上であった。
【0044】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、波
長700nm以下の短波長レーザで記録する高密度記録
の光情報媒体において、記録時のためレーザー光を光吸
収層12に照射したとき発生する光吸収層12における
熱変化を必要最小限に抑えることができる。しかも、グ
ルーブ3における変調度も確保されるため、ジッターの
改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光情報媒体の例を示す2枚の基板
を貼り合わせる前の状態の断面分解斜視図である。
【図2】同光情報媒体を示す一部縦断面斜視図である。
【図3】同光情報媒体の記録領域を示す要部縦断側面図
である。
【図4】同光情報媒体の記録領域の要部拡大縦断側面図
である。
【符号の説明】
1 透光性基板 3 トラッキング用のグルーブ 4 ランド 12 光吸収層 13 反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根岸 良 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 原 風美 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JA04 JB35 JB47 JC06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板(1)と、この透光性基板
    (1)の表面上に形成されたトラッキング用のグルーブ
    (3)と、このグルーブ(3)が形成された透光性基板
    (1)の表面上に形成された光吸収層(12)と、この
    光吸収層(12)の上に形成され、記録、再生光を反射
    する反射層(13)とを有し、波長700nm以下のレ
    ーザー光により、光学的に読み取り可能な信号を記録
    し、再生する光情報媒体において、光吸収層(12)の
    平均膜厚davが40nm≦dav≦65nmであり、かつ
    光吸収層(12)の複素屈折率の実数部nabsとその平
    均膜厚davと再生光の波長λとで与えられるρ=nabs・
    dav/λが0.14≦ρ≦0.3であることを特徴とす
    る光情報媒体。
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