JP2002122248A - 弁箱シートリングの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁箱シートを弁箱とは別体に形成して弁箱の
変形による弁箱シートの変形を防止するとともに、弁箱
シートを容易に装着固定することができる弁箱シートリ
ングの取付構造を提供する。 【解決手段】 弁箱１２の内部に薄肉金属材からなる円
筒状の弁箱シート１３を流路軸心と同心状に配置し、弁
箱１２の内面と弁箱シート１３の外周面との間に弾性材
からなる弁箱シール材１４を配置し、弁箱のボス部１９
および弁箱シート１３の貫通孔１３ａに挿通して弁棒１
８を配置し、弁箱シート１３の内部に弁体２２を弁棒１
８の軸心廻りに回転自在に設け、弁箱シート１３の上流
側端部および下流側端部に隣接して配置する一つ割りの
ストッパー１６を弁箱１２の内周面に形成した環状溝１
２ａに拡径してた状態に装着し、ストッパー１６の割り
口をなすスリット１６ａに縮径防止体１６ｂを配置し、
縮径防止体１６ｂをボルト１７で弁箱１２に固定したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、弁箱シートリング
の取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的なメタルシートバタフライ
弁は、弁箱の内部に弁体を弁棒の軸心廻りに回転自在に
設け、弁体の周囲に金属材からなる弁体シートを設けて
おり、弁体シートに摺接する弁箱シートを弁箱の内面に
設けている。

【０００３】しかし、弁箱シートを弁箱の内周面に一体
的に形成した場合には、弁箱の変形に伴って弁箱シート
に変形が生じ、弁箱シートと弁体シートとが水密に当接
しなくなって漏水が生じる、あるいは弁箱シートの変形
によって弁体が拘束される等の問題がある。

【０００４】このため、図６〜図７に示すような構造が
ある。図６〜図７において、メタルシートバタフライ弁
５１は弁箱５２の内部に円筒状の薄肉金属材からなる弁
箱シート５３を同心状に配置し、弁箱シート５３と弁箱
５２の相互間に所定間隙を開ける。弁箱５２の内面と弁
箱シート５３の外周面との間には弾性材からなる弁箱シ
ール材として一対の弁箱Ｏリング５４を弁箱シート５３
の上流側および下流側の位置に配置し、弁箱Ｏリング５
４は弁箱５２の内面に形成した環状溝５５に装着する。

【０００５】弁箱シート５３の上流側端部および下流側
端部に隣接してストッパー５６を配置し、ストッパー５
６は流路軸心方向において弁箱シート５３を係止するも
ので、周方向において複数に分割形成した円弧状部材５
６ａからなり、各円弧状部材５６ａのそれぞれを個別に
複数のボルト５７により弁箱５２に固定する。

【０００６】弁箱５２の内部には弁棒５８の軸心回りに
回転する弁体５９を配置し、弁体５９の周囲に弁箱シー
ト５３に摺接する弁体シート６０を設けている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した構
成では、弁箱シート５３のストッパー５６の装着に際し
て、各円弧状部材５６ａのそれぞれを個別に複数のボル
ト５７により弁箱５２に固定する構造であるので、スト
ッパー５６の製作時にそれぞれの円弧状部材５６ａに複
数の貫通穴を穿孔する必要があり、弁箱５２の内周面に
も各ボルト５７を螺合装着するための複数のボルト穴を
穿孔する必要があり、製作工数が多くなる。また、組み
立て時にも、各円弧状部材５６ａのそれぞれを個別に複
数のボルト５７で固定するので作業が煩雑となる。

【０００８】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、弁箱シートを弁箱とは別体に形成して弁箱の変形に
よる弁箱シートの変形を防止するとともに、弁箱シート
を容易に装着固定することができる弁箱シートリングの
取付構造を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の弁箱シートリングの取付構造は、弁箱の内
部に薄肉金属材からなる円筒状の弁箱シートを流路軸心
と同心状に配置し、弁箱の内面と弁箱シートの外周面と
の間に弾性材からなる弁箱シール材を配置し、弁箱のボ
ス部および弁箱シートの貫通孔に挿通して弁棒を配置
し、弁箱シート内に弁体を弁棒の軸心廻りに回転自在に
設け、弁箱シートの上流側端部および下流側端部に隣接
して配置する一つ割りのストッパーを弁箱の内周面に形
成した環状溝に拡径してた状態に装着し、ストッパーの
割り口をなすスリットに縮径防止体を配置し、縮径防止
体をボルトで弁箱に固定したものである。

【００１０】上記した構成により、弁体は弁箱シートの
内部において弁体シートが弁箱シートに摺接する全閉位
置と弁体が流路軸心と平行となる全開位置とにわたって
弁棒の軸心廻りに回転する。弁箱シール材で弁箱の内面
と弁箱シートの外周面との間の間隙をシールすること
で、全開時には弁箱に流入する流体の全量が弁箱シート
の内部流路を通過する。

【００１１】弁箱シートの装着に際しては、ストッパー
を縮径した状態で弁箱内に挿入し、弁箱内で環状溝に拡
径してた状態に装着し、一個所のスリットに縮径防止体
を配置し、縮径防止体をボルトで弁箱に固定するだけで
弁箱シートを弁箱に容易に装着固定することができ、ス
トッパーの製作を容易に行なうことができる。

【００１２】弁箱シートは弁箱との間に間隙を有するこ
とで、弁箱の変形の影響を受けることがなく、弁箱が変
形する場合にあっても、弁箱シートは変形を起こさずに
その形状を保全することができ、弁体シートとのシート
面での整合性を維持して水密に当接するので漏水が生じ
ることがなく、弁体を拘束することもない。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
るメタルシートバタフライ弁を図面に基づいて説明す
る。図１〜図５において、メタルシートバタフライ弁１
１は弁箱１２の内部に弁箱シート１３を配置しており、
弁箱シート１３は円筒状の薄肉金属材からなり、弁箱１
２の流路軸心と同心状に、かつ相互間に所定の間隙Ｓを
開けて設けている。

【００１４】弁箱１２の内面と弁箱シート１３の外周面
との間には弾性材からなる弁箱シール材として一対の弁
箱Ｏリング１４を弁箱シート１３の上流側および下流側
の位置に配置しており、弁箱Ｏリング１４は弁箱１２の
内面に形成した環状溝１５に装着している。

【００１５】弁箱シート１３の上流側端部および下流側
端部に隣接して配置したストッパー１６は、流路軸心方
向において弁箱シート１３を係止するものであり、図４
〜図５に示すように、一つ割りのリング状をなして一個
所に割り口をなすスリット１６ａを形成している。スト
ッパー１６は弁箱１２の内周面に形成した環状溝１２ａ
内に拡径した状態で配置し、スリット１６ａに縮径防止
体１６ｂを挿入し、縮径防止体１６ｂをボルト１７によ
り弁箱１２に固定している。

【００１６】弁棒１８は弁箱１２のボス部１９および弁
箱シート１３の貫通孔１３ａを流路軸心方向と直交する
方向に貫通し、弁箱１２のボス部１９に挿入したブッシ
ュ２０で回転自在に保持している。ブッシュ２０の内周
面および外周面には複数のＯリング２１を配置して弁棒
１８およびボス部１９との間をシールしている。

【００１７】弁体２２は弁箱シート１３の内部に弁棒１
８の軸心廻りに回転自在に配置し、ピン２３で弁棒１８
に連結している。弁体２２は周縁部に弁体シート２４を
設けており、弁体シート２４は金属材からなり、その外
周面に形成した弁体シート面において弁箱シート１３の
弁箱シート面に水密に摺接する。弁体シート２４は弁箱
流路断面に対して所定角度に傾斜する形状を有してい
る。

【００１８】弁体２２とブッシュ２０の間には、金属材
からなるリング状の弁体側軸封シール材２５と四フッ化
エチレン樹脂の弾性材からなる弁箱側軸封シール材２６
とを配置している。弁体側軸封シール材２５は弁棒１８
の軸心方向における弁体２２の両側に配置し、弁体シー
ト２４は双方の弁体側軸封シール材２５の間に設けてい
る。

【００１９】弁箱側軸封シール材２６は弁箱シート１３
の貫通孔１３ａに介装しており、内周にテーパ面を形成
している。ブッシュ２０の下端には弁箱側軸封シール材
２６と弁棒１８との間に配置するシール材押圧部２０ａ
を設けており、シール材押圧部２０ａの外周にテーパ面
を形成し、弁箱側軸封シール材２６とシール材押圧部２
０とを双方のテーパ面で当接させて配置している。ブッ
シュ２０の他端側には環状の押さえ板２７を配置してお
り、押さえ板２７は締付ボルト２８でボス部１９に装着
しいる。この締付ボルト２８を締付けることにより、押
さえ板２７、ブッシュ２０を介してシール材押圧部２０
ａで弁箱側軸封シール材２６を押圧する。

【００２０】以下、上記した構成における作用を説明す
る。弁箱Ｏリング１４が弁箱１２の内面と弁箱シート１
３の外周面との間隙Ｓをシールすることで、弁箱１２に
流入する流体の全量が弁箱シート１３の内部流路を通過
する。

【００２１】弁棒１８を正方向もしくは逆方向に回転駆
動することにより、弁体２２は弁箱シート１３の内部に
おいて全閉位置と全開位置とにわたって弁棒の軸心廻り
に９０度の角度で反転し、全閉位置において弁体シート
２４の弁体シート面が弁箱シート１３の弁箱シート面に
水密に摺接し、弁箱シート１３の内部流路を閉栓する。

【００２２】この弁箱シート１３は弁箱１２と別体であ
り、双方の間に所定間隙Ｓを有するので、水圧や地盤の
変動を受けて弁箱１２に力が作用し、弁箱１２が変形す
る場合にあっても、弁箱シート１３は変形を起こさずに
その形状が保全される。このため、弁箱シート１３は弁
体シート２４とのシート面での整合性を維持して水密に
当接するので漏水が生じることがなく、弁体２２を拘束
することもない。

【００２３】弁箱シート１３の装着に際しては、ストッ
パー１６を縮径した状態で弁箱１２の内部に挿入し、其
の後に環状溝１２ａに拡径してた状態に装着し、一個所
のスリット１６ａに縮径防止体１６ｂを配置し、ストッ
パー１６が縮径して脱落することを縮径防止体１６ｂで
防止し、縮径防止体１６ｂをボルト１７で弁箱１２に固
定するだけであるので、弁箱シート１３を弁箱１２に容
易に装着固定することができ、ストッパー１６の製作を
容易に行なうことができる。

【００２４】一方、締付ボルト２８を締付けることによ
り、押さえ板２７、ブッシュ２０を介してシール材押圧
部２０ａで弁箱側軸封シール材２６を押圧する。この結
果、双方のテーパ面による楔作用により弁箱側軸封シル
材２６が径方向の外側に広がり、弁箱シート１３、シー
ル材押圧部２０ａに対する面圧が発生してシール性能が
発揮されるとともに、弁体２２の回転時には弁体側軸封
シール材２５が弁箱側軸封シール材２６に対して水密に
摺接しながら回転する。このため、弁箱シート１３の内
部流路を流れる流体が弁棒１８の周囲において漏水する
ことがない。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、弁箱シー
トは弁箱との間に間隙を有することで、弁箱の変形の影
響を受けることがなく、弁箱が変形する場合にあって
も、弁箱シートは変形を起こさずにその形状を保全する
ことができ、弁体シートとのシート面での整合性を維持
して水密に当接するので漏水が生じることがなく、弁体
を拘束することもない。弁箱シートの装着に際しては、
ストッパーを縮径した状態で弁箱内に挿入し、弁箱内で
環状溝に拡径してた状態に装着し、一個所のスリットに
縮径防止体を配置し、縮径防止体をボルトで弁箱に固定
するだけで弁箱シートを弁箱に容易に装着固定すること
ができ、ストッパーの製作を容易に行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態におけるメタルシートバタ
フライ弁を示す平面断面図である。

【図２】同メタルシートバタフライ弁を示す正面断面図
である。

【図３】同メタルシートバタフライ弁の要部断面図であ
る。

【図４】同メタルシートバタフライ弁のストッパーを示
す正面図である。

【図５】同ストッパーの固定状態を示す要部断面図であ
る。

【図６】従来のメタルシートバタフライ弁を示す平面断
面図である。

【図７】従来のストッパーを示す正面図である。

【符号の説明】

１１ メタルシートバタフライ弁 １２ 弁箱 １２ａ 環状溝 １３ 弁箱シート １６ ストッパー １６ａ スリット １６ｂ 縮径防止体 １７ ボルト １８ 弁棒 ２４ 弁体シート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁箱の内部に薄肉金属材からなる円筒状
   の弁箱シートを流路軸心と同心状に配置し、弁箱の内面
   と弁箱シートの外周面との間に弾性材からなる弁箱シー
   ル材を配置し、弁箱のボス部および弁箱シートの貫通孔
   に挿通して弁棒を配置し、弁箱シート内に弁体を弁棒の
   軸心廻りに回転自在に設け、弁箱シートの上流側端部お
   よび下流側端部に隣接して配置する一つ割りのストッパ
   ーを弁箱の内周面に形成した環状溝に拡径してた状態に
   装着し、ストッパーの割り口をなすスリットに縮径防止
   体を配置し、縮径防止体をボルトで弁箱に固定したこと
   を特徴とする弁箱シートリングの取付構造。