JP2002119864A - 光触媒薄膜の製造方法 - Google Patents

光触媒薄膜の製造方法

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JP2002119864A
JP2002119864A JP2000317438A JP2000317438A JP2002119864A JP 2002119864 A JP2002119864 A JP 2002119864A JP 2000317438 A JP2000317438 A JP 2000317438A JP 2000317438 A JP2000317438 A JP 2000317438A JP 2002119864 A JP2002119864 A JP 2002119864A
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photocatalytic thin
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Akiko Kubo
晶子 久保
Atsushi Tomosawa
淳 友澤
Akiyuki Fujii
映志 藤井
Hideo Torii
秀雄 鳥井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光照射に対しても光触媒活性を発現する
光触媒薄膜の低温合成法を提供することを目的とする。 【解決手段】 排気手段6を有する反応チャンバー1内
に原料ガスを導入し、反応チャンバー内に設けた基板ホ
ルダー4と電極5との間に電力を供給して原料ガスをプ
ラズマ化し、基板ホルダーに保持した所定温度の基板上
に光触媒薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外光とともに可
視光にも光触媒活性を示す光触媒薄膜の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に可視光で活性を有する光触媒薄膜
は膜内部のO/Ti比が理論値2.0よりも小さいことが知ら
れている。このような光触媒薄膜の製造方法は特開平10
‐146530号公報に記載されたものが知られている。これ
によれば、アセチルアセトンのようなキレート化材でチ
タンアルコキシドを化学修飾した錯体を原料としてゾル
‐ゲル法を用いて、深さ方向のO/Ti比を連続的に変化
させた光触媒薄膜を作製することができる。この方法で
作製された光触媒薄膜は表面よりも深い層におけるO/T
i比が表面におけるO/Ti比よりも小さく、可視光活性を
有することが確認されている。この方法では成膜をした
後に400〜700℃で焼成をする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法で
は熱処理温度が400〜700℃と高く、耐熱性の低い基板に
製造することが困難である。
【0004】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、400℃以下の低温で可視光活性を有する酸
化チタン薄膜を合成することができる光触媒薄膜の製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の製造方法は、排気手段を有する反応チャンバ
ー内に原料ガスを導入し、前記反応チャンバー内に設け
た基板ホルダーと電極との間に電力を供給して前記原料
ガスをプラズマ化し、前記基板ホルダーに保持した所定
温度の基板上に酸化チタン薄膜を形成する光触媒薄膜の
製造方法であって、前記基板ホルダーを回転させなが
ら、前記基板ホルダーと電極との間に前記基板ホルダー
に対して所定の傾斜角を持たせて配置した原料ガス供給
手段によって、チタンを含む化合物のガス、反応ガス及
びキャリアガスからなる原料ガスを導入するようにした
ことを特徴とする。また、前記本発明方法の構成におい
ては、チタンを含む化合物がβ−ジケトン錯体または金
属アルコキシドであるのが好ましい。また、前記本発明
方法の構成においては、反応ガスが酸素ガスと水素ガス
であるのが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図3を用いて説明する。
【0007】図1に本発明の製造方法で光触媒薄膜を作
製するときに使用した化学蒸着装置の構成図を示す。
【0008】図1に示すように、反応チャンバー1内に
は,基板ホルダー4が回転自在に設けられている。そし
て、この基板ホルダー4には、基板加熱用ヒータ2が内
蔵されているとともに、その下面に基板3を保持するこ
とができるようにされている。
【0009】ここで、基板ホルダー4は接地され,電極
を兼ねている。また、反応チャンバー1内には基板ホル
ダー4に対向して電極5が設けられている。また、反応
チャンバー1の側壁には、反応チャンバー1内を低圧状
態にする保持するための排気手段6が設けられている。
基板ホルダー4と電極5の間に形成されるプラズマ放電
領域7内には、基板ホルダー4に対して所定の傾斜角θ
を持たせた状態で原料ガス供給手段8が設けられてい
る。なお、図1中、9は基板ホルダー4を回転させるため
の回転機構、10は電極5に電力を供給するための高周波
電源(13.56MHz)、11は電極5と反応チャンバー1とを絶
縁するための絶縁体[例えば、テフロン(デュポン社製
のポリテトラフルオロエチレンの商標名)]である。ま
た、12はバルブ13を介して原料ガス供給手段8に連結し
た酸素ガスボンベ、20はバルブ19を介して原料ガス供
給手段8に連結した水素ガスボンベである。14はバルブ1
5を介して原料ガス供給手段8に連結した気化器であ
る。さらに気化器14には、バルブ16を介して窒素ガスボ
ンベ17が連結されている。ここで、気化器14内には、
液体のチタンを含む化合物18が入っている。なお、基
板ホルダー4及び電極5の直径はそれぞれ400mmであり,
基板ホルダー4の下面には大きさが100mm×100mm×1.1mm
の基板3が4枚保持されている。
【0010】以下、上記のように構成された化学蒸着装
置を用いて光触媒薄膜を製造する方法について説明す
る。まず、反応チャンバー1内を排気手段6によって排気
し、反応チャンバー1内を低圧状態に保持する。つい
で、基板加熱用ヒータ2によって基板3を加熱し、基板ホ
ルダー4を回転させながら、光触媒薄膜を形成するため
の原料ガスを原料ガス供給手段8によって反応チャンバ
ー1内に供給する。この状態で基板ホルダー4と電極5と
の間に電力を供給すれば、プラズマ放電が起きる。これ
により、基板3の上に光触媒薄膜を形成することができ
る。
【0011】上記したように原料ガス供給手段8を基板
ホルダー4に対して所定の傾斜角θを持たせた状態で設
けたことにより、基板3の上で原料ガスの流れを容易に
層流とすることができる。すなわち、原料ガスを基板3
の平面と平行に流すことができる。そして、基板3が原
料ガスと接触する領域で光触媒薄膜が形成され、基板3
が原料ガスと接触しない領域ではアニールされる。これ
を繰り返しながら間欠的に光触媒薄膜を製造することが
できる。その結果,基板3の上にアナターゼ型結晶構造
の光触媒薄膜を製造することができる。また、原料ガス
供給手段8を基板ホルダー4と電極5との間(プラズマ
放電領域7内)に設け、基板ホルダー4を回転させるよう
にしたことにより、大面積に均一に光触媒薄膜を形成す
ることができる。原料ガス供給手段8をプラズマ放電領
域7内、すなわち基板3の近傍に設ければ、蒸気圧の低い
原料ガスを用いる場合であっても、基板3の上に原料ガ
スを大量に到達させることができるからである。
【0012】次に成膜の原理について説明する。図2は
基板ホルダー4周りの斜視図(ただし基板3は省略してい
る)、図3はプラズマ放電領域7の近傍の断面図であ
る。図2、図3に示すように、基板ホルダー4に対して
所定の傾斜角θをもって設置された原料ガス供給手段8
から原料ガスを供給すると、基板3が原料ガスと接触す
る領域21において光触媒薄膜が形成され、基板3が原料
ガスと接触しない領域22においてはアニールされる。そ
して、これを繰り返しながら成膜すれば、結晶性の良好
な光触媒薄膜を形成することができる。すなわち、還元
状態になるアニールと成膜が間欠的に行われ、さらに還
元性の水素ガスを導入することにより膜内部のO/Ti比
が理論値2.0よりも小さく、可視光活性に有効な酸素欠
損を有する光触媒薄膜を低温で作成することができる。
【0013】なお、本発明において、基板加熱温度は40
0℃以下に限らず、400℃以上700℃以下でも成膜するこ
とができる。
【0014】なお、本発明において、基板ホルダー4に
対する原料ガス供給手段8の傾斜角θを5°よりも小さく
すると、高品質の結晶性を有する光触媒薄膜を得ること
ができるが高堆積速度が得られにくかった。また、基板
ホルダー4に対する原料ガス供給手段8の傾斜角θを45°
よりも大きくすると、高堆積速度で光触媒薄膜を形成す
ることができるが、結晶性が優れない場合が多い。
【0015】なお、以上の説明では金属アルコキシドに
チタンテトライソプロポキシドを使用した例で説明した
が、その他のテトラメトキシチタニウム、テトラエトキ
シチタニウム、テトライソプロポキシチタニウムイソプ
ロパノール錯体、テトラn−プロポキシチタニウム、テ
トライソブトキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタ
ニウム、テトラsec−ブトキシチタニウム、テトラt−
ブトキシチタニウム、テトラ(2−エチルヘキシルオキ
シ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、ジn−ブ
トキシ−ビス(トリエタノールアミナート)チタン、チ
タニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、チタ
ニウムステアレートなどを用いてもよい。
【0016】また、反応ガスは酸素ガスのみでも成膜す
ることは可能であるが、成膜条件が狭くなる。好ましく
は水素ガスの流量が2〜10sccmの範囲である。さらに、
還元性のガスとして水素ガスを用いたがアンモニアなど
も同様に用いることができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0018】(具体例1)図1において,気化器14内に
出発原料のチタンを含む化合物18としてチタンイソプロ
ポキシド[Ti(i-OC3H7)4]をいれ、85℃に加熱保持した。
また,基板ホルダー4と原料ガス供給手段8との傾斜角
(基板−ノズル角度)を20°に設定した。また,反応チ
ャンバー1内は、排気手段6によって13.3Paに減圧されて
いる。また、基板3としてはバリウムホウ珪酸ガラスを
用い、基板加熱用ヒータ2によって200℃に加熱した。ま
ず、バルブ16を開き、窒素ガスボンベ17からキャリアガ
スとして窒素ガスを流量100sccmでチタンイソプロポキ
シドの入った気化器14に供給した。ついでバルブ13とバ
ルブ15を開きチタンイソプロポキシドの蒸気及び窒素ガ
スとともに反応ガスとしての酸素ガスを酸素ボンベ12か
ら流量100sccmで供給した。これにより、チタンイソプ
ロポキシド蒸気、窒素ガス及び酸素ガスからなる原料ガ
スが反応チャンバー1内に導入され、プラズマが発生し
た(rfパワー:300W/cm2)。20分間反応させた結果、基
板3の上に光触媒薄膜が形成された。なお、このときの基
板3の回転数は60回転/分とした。光触媒薄膜を形成し
た後、基板3を室温付近まで冷却し、反応チャンバー1か
ら取り出し、4枚の基板3のすべてにおいて、結晶構造は
X線回折、膜構造は走査型電子顕微鏡、膜組成はX線光電
子分光法による解析を行った。但し、光触媒薄膜の形成
が不十分な外周部5mmは切断し40mm角となった基板3を10
mm角に切断した後、解析を行った。その結果、形成され
た光触媒薄膜の結晶構造はアナターゼ型であった。ま
た、光触媒薄膜の表面は平滑であり、膜厚は3.0μm、堆
積速度は150nm/minであった。また、試料間におけるバ
ラツキは3%以内であった。また、膜表面から50nmのO/
Ti比は1.98であった。
【0019】次にこの光触媒薄膜の可視光下での光触媒
特性について、アセトアルデヒド(CH3CHO)の光分解特
性と超親水性を調べることで評価した。これらの評価は
光源として420nm以下の波長を遮断するフィルターを取
り付けた蛍光灯ランプの光源を用いた。まず、内容積1
Lのステンレス製容器の中で低部に光触媒薄膜試料を設
置した。その試料を照明できるように、あらかじめ、前
面に420nm以下をカットするフィルターを取り付けた蛍
光灯ランプの光源を設置した。そして、このステンレス
容器内を窒素:酸素=4:1のガスで置換した後、500p
pmのアセトアルデヒドを混合した純窒素ガスを容器内に
満たした。その後、蛍光灯ランプを点灯し2時間放置し
た。
【0020】光照射2時間後、アセトアルデヒドの残存
量及びアセトアルデヒドが光触媒反応により分解して生
成する炭酸ガス(CO2)の発生量をガスクロマトグラフ
ィーで定量した。その結果、図4に示すようにアセトア
ルデヒドの残存量は200ppmで、最初は存在しない炭酸ガ
スが600ppm存在していた。
【0021】すなわち、420nm以上の可視光を照明する
ことでアセトアルデヒドが光触媒反応により炭酸ガスま
で分解したこと、つまり、可視光活性を示すことがわか
った。
【0022】次に同じ光源を用いて、表面上に落とした
水滴の接触角を測定することによって、光触媒特性のひ
とつである超親水性を調べた。この420nm以上の可視光
による接触角は2°であった。下記(表1)の第2列目
に、本具体例1における製造条件と解析結果を示す。
【0023】(具体例2)上記具体例1において、一部
の製造条件を変更して、基板3の上に光触媒薄膜を作製
した。すなわち、気化温度を90℃に、真空度を13.3Pa
に、基板温度を150℃にそれぞれ変更した。次にバルブ1
6を開き、窒素ガスボンベ17からキャリアガスとして窒
素ガスを流量100sccmでチタンイソプロポキシドの入っ
た気化器14に供給した。ついでバルブ13、バルブ15及び
バルブ19を開き、チタンイソプロポキシドの蒸気及び窒
素ガスと共に反応ガスとしての酸素ガス及び水素ガスを
酸素ボンベ12から流量1000sccm、水素ガスボンベ20から
流量10sccmでそれぞれ供給した。これにより、チタンイ
ソプロポキシド蒸気、窒素ガス、酸素ガス及び水素ガス
からなる原料ガスが反応チャンバー1内に導入されプラ
ズマが発生し(rfパワー:300W/cm2)、20分間反応さ
せ、基板3の上に光触媒薄膜を作製した。なお、堆積速
度は120nm/minであり、結晶構造はアナターゼ型であっ
た。また、膜表面から50nmのO/Ti比は1.99であった。
光触媒特性の評価は(具体例1)と同様に行った。その
結果を下記(表1)の第3列目に示す。アセトアルデヒド
の光分解特性を調べたところ、アセトアルデヒドの残存
量は300ppm、炭酸ガスの発生量は400ppmであり可視光活
性を有することが確認できた。また、超親水性に関して
は表面上に落とした水滴の接触角は3°であった。
【0024】(具体例3)上記具体例1において、出発
原料及び製造条件の一部を変更して、基板3の上に光触
媒薄膜を作製した。すなわち、出発原料をチタンジピバ
ロイルメタンに、気化温度を85℃に、基板加熱温度を40
0℃に、キャリアガス流量を150sccmに、酸素ガス流量を
500sccmに、水素ガス流量を2sccmにそれぞれ変更して、
基板3の上に光触媒薄膜を作製した。なお、堆積速度は1
30nm/minであり、結晶構造はアナターゼ型であった。ま
た、膜表面から50nmのO/Ti比は1.97であった。光触媒
特性の評価は(具体例1)と同様に行った。その結果を
下記(表1)の第4列目に示す。アセトアルデヒドの光分
解特性を調べたところ、アセトアルデヒドの残存量は25
0ppm、炭酸ガスの発生量は500ppmであり可視光活性を有
することが確認できた。また、超親水性に関しては表面
上に落とした水滴の接触角は2°であった。
【0025】(具体例4)上記具体例1において、出発
原料及び製造条件の一部を変更して、基板3の上に光触
媒薄膜を作製した。すなわち、出発原料をチタンジピバ
ロイルメタンに、気化温度を90℃に、基板加熱温度を60
0℃に、キャリアガス流量を150sccmに、酸素ガス流量を
200sccmに、水素ガス流量を0sccmにそれぞれ変更して、
基板3の上に光触媒薄膜を作製した。なお、堆積速度は1
50nm/minであり、結晶構造はアナターゼ型であった。ま
た、膜表面から50nmのO/Ti比は1.97であった。光触媒
特性の評価は(具体例1)と同様に行った。その結果を
下記(表1)の第5列目に示す。アセトアルデヒドの光分
解特性を調べたところ、アセトアルデヒドの残存量は27
5ppm、炭酸ガスの発生量は450ppmであり可視光活性を有
することが確認できた。また、超親水性に関しては表面
上に落とした水滴の接触角は2.5°であった。なお、基
板加熱温度が600℃の高温でも可視光活性を有する光触
媒薄膜を作製することができる。
【0026】
【表1】
【0027】(比較例1)比較例の光触媒活性な光触媒
薄膜の試料をゾル‐ゲル法で作製した。その方法を以下
に示す。
【0028】85.6g(0.3モル)のチタンテトライソプロ
ポキシド(Ti(OPr)4)に攪拌しながら60.3g(0.6モ
ル)のアセチルアセトン(AcAc)をビュレットを用いて
徐々に滴下し、約1時間攪拌することにより安定なTi(A
cAc)2(OPr)2錯体溶液(150ml)を得た。基板は透明
な石英基板(20×50×1mm)を使用した。上記の溶液
を用いてディッピング法により、基板上に光触媒薄膜を
形成させた(基板引き上げ速度=3.8cm/分)。約30分
静置乾燥した後に、空気中で500℃で30分間焼成した。
膜厚は約70nmであった。X線回折による測定の結果、ア
ナターゼ型結晶構造を有していることが明らかになっ
た。
【0029】次に、この光触媒薄膜について、実施例と
まったく同様にして、可視光線における光触媒活性を調
べた。(比較例1)で作製した光触媒薄膜の成膜条件と
解析結果を(表2)に示した。結晶構造はアナターゼ型
であり、膜表面から50nmのO/Ti比は1.98であった。光
触媒特性の評価は(具体例1)と同様に行った。その結
果を下記(表2)の第2列目に示す。アセトアルデヒドの
光分解特性を調べたところ、アセトアルデヒドの残存量
は480ppm、炭酸ガスの発生量は40ppmであった。また、
超親水性に関しては表面上に落とした水滴の接触角は10
°であった。
【0030】
【表2】
【0031】この(表1)、(表2)から明らかなように、本
実施例による製造法で作製した光触媒薄膜は(比較例
1)よりも高い可視光活性を有し、さらに低温で合成で
きるという点で優れている。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明に係る光触媒薄膜の
製造方法によれば、可視光活性を有する光触媒薄膜を低
温合成できるという格段の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化学蒸着装置の実施例を示す断面
【図2】本発明に係る化学蒸着装置の実施例における基
板ホルダー周りの斜視図(但し基板は省略している)
【図3】本発明に係る化学蒸着装置の実施例におけるプ
ラズマ放電領域近傍の断面図
【図4】本発明に係る実施例(具体例1)及び(比較例
1)のアセトアルデヒド分解特性の評価結果を示すグラ
【符号の説明】
1 反応チャンバー 2 基板加熱用ヒーター 3 基板 4 基板ホルダー 5 電極 6 排気手段 7 プラズマ放電領域 8 原料ガス供給手段 9 回転機構 10 高周波電源 11 絶縁体 12 酸素ガスボンベ 13,15,16,19 バルブ 14 気化器 17 窒素ガスボンベ 18 チタンを含む化合物 20 水素ガスボンベ 21 原料ガスと接触する領域 22 原料ガスと接触しない領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 映志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鳥井 秀雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA09 AA14 BA04A BA04B BA04C BA27A BA27B BA27C BA48A BC48C CA01 CA10 CA17 EA08 EC22Y FA03 FB03 4K030 AA11 AA14 AA17 BA46 CA06 EA06 FA03 GA06 JA04 LA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気手段を有する反応チャンバー内に原
    料ガスを導入し、前記反応チャンバー内に設けた基板ホ
    ルダーと電極との間に電力を供給して前記原料ガスをプ
    ラズマ化し、前記基板ホルダーに保持した所定温度の基
    板上に酸化チタン薄膜を形成する光触媒薄膜の製造方法
    であって、前記基板ホルダーを回転させながら前記基板
    ホルダーと電極との間に前記基板ホルダーに対して所定
    の傾斜角を持たせて配置した原料ガス供給手段によって
    チタンを含む化合物のガス、反応ガス及びキャリアガス
    からなる原料ガスを導入するようにしたことを特徴とす
    る光触媒薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 チタンを含む化合物がβ−ジケトン錯体
    または金属アルコキシドである請求項1に記載の光触媒
    薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応ガスが酸素ガスと水素ガスである請
    求項1に記載の光触媒薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板ホルダーに対する原料ガス供給手段
    の傾斜角が5〜45°である請求項1に記載の光触媒薄膜
    の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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