JP2002115856A - 温水床暖房装置及び管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、蓄熱性能を向上させると共に、
温水床を一体構造とすることを目的としたものである。 【解決手段】 この発明は板上に温水管を平行に敷設
し、該温水管上へワイヤメッシュを被着し、前記温水管
及びワイヤメッシュをモルタル内に埋設し、前記モルタ
ル上へ外装材を装着すると共に、前記温水管を管継手で
連結して、循環管系を形成したことを特徴とする温水床
暖房装置により目的を達成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、床に敷設した温
水管により床を加熱することを目的とした温水床暖房装
置及び継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来温水床暖房は色々の構造が使用され
ているが、その多くは、現場敷設方式であり、断熱材は
もとより、温水管、管継手なども設計に基づいて現場調
達されていた。

【０００３】

【発明により解決しようとする課題】前記従来の床暖房
においては、床の蓄熱について考慮がなかったり、隣接
温水管の間隔なども一定にならない場合が多く、循環水
の流速変化についても考慮のない場合が多かった。そこ
で継手管とか、温水管については耐孔食、浸食性などに
ついて要請があっても、必ずしも十分な対応がなされて
いなかった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、温水管をモ
ルタル中へ埋設することによって、強度の向上と、蓄熱
問題を解決し、温水管内壁へコーティングすることによ
って耐孔食、浸食性を付与し、継手管の工夫によって流
速の変化を最少に止めるなど、幾多の改良により、前記
問題点を解決したのである。

【０００５】即ちこの発明は、板上に温水管を平行に敷
設し、該温水管上へワイヤメッシュを被着し、前記温水
管及びワイヤメッシュをモルタル内に埋設し、前記モル
タル上へ外装材を装着すると共に、前記温水管を管継手
で連結して、循環管系を形成したことを特徴とする温水
床暖房装置である。また、温水管は、銅管の内面に耐食
性コーティングを行ったものであり、モルタルは蓄熱性
材料を混入したものである。

【０００６】次に他に発明は、三方継手の横直管の両端
に、温水床の隣接温水管と同一間隔の屈曲管を連結し、
前記三方継手の縦直管の端部に、前記横直管よりも大径
であって、横直管と平行な屈曲部を有する屈曲管を連結
したことを特徴とする温水床暖房装置の管継手である。

【０００７】この発明に用いるモルタルは、通常の配合
（セメント１に対し、砂３）又はセメントを多少多くし
た配合、或いは砂の一部を軽量骨材（例えばシラスバル
ーン、軽石、石炭灰）に代え、又は重い骨材（例えば金
属スラグ）などにすることもできる。

【０００８】要は熱容量を大きくして、温水の送水中止
後もなお長時間に亘り適温範囲を保つような効果を保有
させる為である。

【０００９】前記発明において、管継手は、二本の温水
管を一本にまとめて隣りへ移すので、一本の断面積を二
本分にすれば同一流速であり、一本の断面積を温水管の
一本と同一にすれば速度が２倍となるが、速度が余り速
くなると、腐食等も早くなり勝ちだから、まとめた方の
管継手の断面積は一本より広くした方が好ましい。

【００１０】この発明におけるコーティング材料は、金
属スズを用いる。前記金属スズの外に、温水に対して反
応性がなく、伝熱性及び皮膜の形成と付着性のよい材質
が使用される。

【００１１】

【発明の実施の形態】この発明は、断熱板上に温水管を
平行に敷設し、温水管の上面にワイヤメッシュを被着
し、前記温水管及びワイヤメッシュをモルタル内に埋設
し、前記モルタル上へ外装材（例えばリノリューム）を
装着し、前記温水管を管継手で連結し、循環管を形成し
た温水床暖房装置である。

【００１２】前記温水管は、銅管の内壁に金属スズを被
着したものである。

【００１３】前記管継手は、二本側を細く（例えば直径
１５ｍｍ）、一本側を太く（例えば直径２０ｍｍ）し
て、流速の変化を成可く少なくしてある。

【００１４】

【実施例】この発明の実施例を図面について説明する。
断熱板１上へ温水管２用の凹入条３ａ、３ｂを平行に設
け、該凹入条３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ上に温水管２ａ、
２ｂ、２ｃ、２ｄを載置する。前記温水管２ａ、２ｂ、
２ｃ、２ｄ上へワイヤメッシュ４を被着し、その上から
モルタル５（例えばセメント１に対し砂３の割合）を投
入し、前記ワイヤメッシュ４と、温水管２ａ、２ｂ、２
ｃ、２ｄとをモルタル５内へ埋設し、該モルタル５上へ
外装材６（例えばリノリューム）を被覆すると、この発
明の温水床暖房装置７ができる。

【００１５】また隣接２本の温水管２ａ、２ｂの端部へ
連結管１５ａを連結し、温水管２ｃ、２ｄへ管継手１０
を連結して循環させ、管継手１０へは給湯管１６を連結
する。例えば温水は、給湯管１６を矢示１２のように流
動して、管継手１０を矢示１３のように通過し、他の温
水管２ｃ、２ｄ、へ給送される。図中１５ｂ、１５ｃは
連結管である。

【００１６】前記管継手１０は、横直管１０ａの両端部
に、屈曲管１０ｂ、１０ｃを連結し、前記横直管１０ａ
の中央部に縦直管１０ｄの一端を連結し、前記縦直管１
０ｄの他端に屈曲管１０ｅの下端を連結して構成してい
る（図４）。

【００１７】そこで発生熱は、図２中矢示１４のように
上昇し、モルタル５を加温した後、矢示１５のように外
装材６を透過して室内を加温する。この場合にモルタル
５は熱容量が大きいので、仮に温水管２への温水の供給
が中止された場合であっても、なお数時間は温度低下量
が緩徐である。図中８は温水管の内面に塗布した金属ス
ズ層である。

【００１８】前記実施例によれば、温水管２と、ワイヤ
メッシュ４とはモルタル５によって一体化されているの
で、温水床９は一枚盤として作用し、分離、折損その他
のおそれはない。またモルタル５は熱容量が大きいの
で、一旦加温されると、同一温度を比較的長く保有する
ことができる。

【００１９】前記実施例は、外装材６にリノリュームを
用いたが、リノリュームに限定されることなく、従来公
知の外装材を使用することができる。

【００２０】

【発明の効果】この発明によれば、温水管からの発生熱
は全部上昇し（断熱板が上下するから）モルタルに蓄熱
され、送温水遮断後もなお一定の温度を保つことができ
る効果がある。

【００２１】また温水管として銅管を使用したので、伝
熱性が抜群であり、銅管の内壁に金属スズを層着したの
で、温水による腐食などのおそれはない。従って相当早
く（例えば１０ｍ／ｓｅｃ）循環させることもできるの
で、所定の熱量を速やかに送ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の一部を省略した斜視図。

【図２】同じく一部断面拡大図。

【図３】同じく温水管の一部断面拡大斜視図。

【図４】同じく管継手の断面拡大図。

【符号の説明】

１ 断熱材 ２、２ａ、２ｂ、２ｃ 温水管 ３ 凹入条 ４ ワイヤメッシュ ５ モルタル ６ 外装材 ７ 温水床暖房装置 ８ 金属スズ ９ 温水床 １０ 管継手 １５ａ、１５ｂ、１５ｃ 連結管 １６ 給湯管

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板上に温水管を平行に敷設し、該温水管
   上へワイヤメッシュを被着し、前記温水管及びワイヤメ
   ッシュをモルタル内に埋設し、前記モルタル上へ外装材
   を装着すると共に、前記温水管を管継手で連結して、循
   環管系を形成したことを特徴とする温水床暖房装置。
2. 【請求項２】 温水管は、銅管の内面に耐食性コーティ
   ングを行ったことを特徴とする請求項１記載の温水床暖
   房装置。
3. 【請求項３】 モルタルは蓄熱性材料を混入したことを
   特徴とする請求項１記載の温水床暖房装置。
4. 【請求項４】 三方継手の横直管の両端に、温水床の隣
   接温水管と同一間隔の屈曲管を連結し、前記三方継手の
   縦直管の端部に、前記横直管よりも大径であって、横直
   管と平行な屈曲部を有する屈曲管を連結したことを特徴
   とする温水床暖房装置の管継手。