JP2002115239A - 凸型形成雪ダム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】河川や山間部への新たな環境変化を極力とどめ
ることと、水資源貯留地での、泥土をはじめとする河川
流出物の堆積廃物を生じさせない水利構成。 【解決手段】平地や丘陵地に雪の巨大集積を行い、これ
をもって固形水資源冷熱資源として活用する雪ダムの形
成で、四辺基部に止水堤を備えてこの中に頂部が平らな
角錐台形に雪を積み上げる事を特徴とした、凸形雪ダム
の形成。凸形雪ダムの断熱斜光に、木片樹皮片を覆いと
するもので、これらが強風によって四散したり、風に寄
せられて覆いむらとならないための、網かけによる断熱
遮光材の安定化を図る雪ダム覆いの安定化方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】四季のサイクルによって毎年の降
雪をみる自然の冷熱資源、また固形水資源としても豊か
な恩恵を垂れている雪を、農業、工業、民生へのクリン
冷熱として、貯留形成の容易な水資源として、平地や丘
陵地に大容量を貯留形成することで、従来にはない水利
の容易性と冷熱の大量供給が実用となる。

【０００２】

【従来の技術】露地での雪山貯蔵は積雪地の利雪親雪プ
ランで実施されているところであるが、この貯蔵方法は
防水シート、反射シート、断熱シートなどで覆い、風に
よるシートのめくれや降雨の流入阻止が難事であった。
シートでの覆い方法では、シート幕下での雪の沈降箇所
が出来ると、この空間では空気の対流が発生し雪の融解
を促進する。また雨水はシート面を流れながら、シート
の合わせ目の不備な所から集水となって内部に流れ込
み、シート幕下に空隙を作り雪山を融解する。事例とし
ては沢などの地形に雪を貯め、これに木片や樹皮片を覆
いとして雪の長期保存を実施しているものもあるが、実
施出来る地域に制約をうけるのが難点となっている。

【０００３】

【従来の水利情勢】従来の水利ダム建設が河川の堰き止
めや、山間部狭間でのダム建造によって行われ、供給水
路の整備も大変な事業であったことと、ダムはその底に
泥土や流出物が堆積して、ダムの老化を余儀なくされて
いる。水の消費地までの水路整備は予めの計画設計によ
るものであり、予定通りの消費推移が図られなかった
り、予想外の消費膨張には見直しの難点をはらむ。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】河川や山間部への新た
な環境変化を極力とどめることと、水資源貯留地での、
泥土をはじめとする河川流出物の堆積廃物を生じさせな
い水利構成。農林、水産、牧畜、工業用途での消費地直
近でのクリン水源、冷熱源の確保、局地資源貯留による
配給系統整備の省コストと利用者負担の軽減。需要と導
入規模への事例毎への適正対応の実現。

【０００５】積雪地域、寒冷地域での需要地直近での凸
形雪ダムの形成による固形型水資源と冷熱源の大量貯
留。平地や丘陵地の中腹または頂部への雪山造作による
冷熱と固形水資源の貯留で、農林、牧畜、工業の各団地
への局地配給系統の整備で地域ごと対応資源とする。

【課題を解決するための手段】

【０００６】平地又は丘陵地形に雪の露地貯蔵を行う事
とし、平地又は丘陵地に四辺基部の止水堤を形成し、こ
の中に台形型に雪を積み固め水資源と冷熱資源を巨大貯
蔵する凸形雪ダムによる。また四辺基部は半地下堀込み
よる残土で、止水提を造作する方法などや、山間の沢地
形の利用も用途向きでは有効な選択となる。その他固形
資源としての利用搬出には、採雪作業口には遮光雨よけ
の仮設屋根を備えるのも有効な方法となる。シート幕な
どのような風によるまくれ、合わせ目からの集水流入に
よる雪山の部分融解、シート幕下に雪山沈降部分の空隙
を発生させない為、遮光断熱には木片、樹皮片、籾殻な
どの粒体や片体を覆いとし雨水はそのまま均等に浸透
し、雪山全体が平均に沈降しこれに覆いが密着していく
ものとする。粒体片体であれば、雪山の表面に凹凸が出
来ても表面形状に沿って覆いされるので、シート幕下の
ような空隙は発性しない。また覆い材の耐候安定用に使
用する網については、メッシュが３ＣＭ以下の細目にす
ると、網の上を踏み歩く作業が容易となる。

【０００７】

【実施様態】本出願の実施様態を図面によって説明す
る。 １．基部を四辺に形作るのは複数の雪山を密集形成する
に最も土地の利用効率が高いから。 ２．四辺基部止水提は融解冷水の集留貯留の機能であ
り、集積雪に混入の異物を一次濾過沈殿させる機能を備
える。 ３．雪山を台形に形作るのは、雪の集積形成に重機類の
関わりが容易であるため。 ４．雪山の頂部を平坦にすると、覆い材の装着作業や覆
い材の耐候安定化が容易であること、角錐頂部は効率の
よい貯蔵形態とはならない。

【０００８】図面に示す雪山は、一辺が１００メートル
高さ２５メートル約２０万ｍ^３の集雪規模を基準として
おり（重量約１０万トン）、本形態において降雨による
浸透での自然融解は、降雨量１０００ミリにつき雪山は
５００ミリの融解沈降をみるところなので、充分の雪が
貯雪として残り、初期の目的用途利用の供給に足りる。
冷熱の取り出しについては、底辺部に施した止水基部に
て地下浸透をとどめ、融解水を融水ピットに導き冷水冷
熱源として活用される。熱交換をへて冷熱需要先へ供給
されるものや、用途向きによっては、融解自然冷水をそ
のままパイプラインで供与したり、雪シャーベットを混
入した様態をパイプラインでサービスすることも容易な
ことである。また固形のままでの用途には一般的な車両
でも、固形水として冷熱として搬送も可能なので雪配給
事業も伴うことが可能である。

【０００９】

【発明の効果】単年度または数年で雪ダムの底さらいが
出来るので泥土堆積の対応が計画処理出来る。地上に造
作されるので河川ダムのような水底をもたず、他方から
の流出物堆積がない需要の変化に対し逐次雪ダム規模の
拡大縮小が容易に図られることと、需要地直近に雪ダム
を造作することから、エネルギー配給系統は局所地域と
なるので整備費用が縮小され、需用者の負担が軽減され
る。雪ダム造作には河川に築造される水ダムの様な、高
度の土木技術や膨大な資材を必要とするものではなく、
一般的中小零細規模の施工業業者にてプランの実行が可
能である。また地域除排雪にともなう、雪捨て場のステ
ーションと兼ね合いに出来るので、資源貯蔵集積の一環
に代用可能である。その他降雪を見ない地域でも、寒冷
な条件（−０．５℃以下）季であれば、人工降雪機によ
る露地での大量の雪山造作が可能であるので、夜間冷え
込みのある地域であれば、晩秋より早春に至る季節内で
任意の地域が、雪山形成による固形の水資源冷熱貯蔵が
容易となる。本出願にみられる雪山一つの規模は、従来
製氷機による生産量から換算すると、２００リットルの
ドラム缶６千本相当の石油量が節約される省エネルギー
効果と、この省石油効果から約３，５００トンのＣＯ_２
が削減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】平地での雪ダム構成を任意断面にて示す

【図２】地盤堀込み盛り土による雪ダムの形成任意断面
にて示す

【図３】雪ダム形成の斜視図、一部透過にてしめす

【図４】実施様態の想定規模を任意断面で示す

【符号の説明】

１．雪山覆い材 ２．集積雪 ３．止水基部 ４．基部提 ５．盛り土基部提 ６．融水導溝 ７．融水ピット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平地や丘陵地に雪の巨大集積を行い、これ
   をもって固形水資源冷熱資源として活用する雪ダムの形
   成で、四辺基部に止水提を備えてこの中に頂部が平らな
   角錐台形に雪を積み上げる事を特徴とした、凸形雪ダム
   の形成。
2. 【請求項２】凸形雪ダムの断熱斜光に、木片樹皮片を覆
   いとするもので、これらが強風によって四散したり、風
   に寄せられて覆いむらとならないための、網かけによる
   断熱遮光材の安定化を図る雪ダム覆いの安定化方法。
3. 【請求項３】凸形雪ダムの断熱遮光に、穀物の籾殻を覆
   いとするとき、この粒体物の風雨による崩れなどで覆い
   むらとなることを防止する保護幕に、麦藁や稲藁などを
   外皮として重ねることで、内部粒体断熱物の安定を図る
   雪ダム覆いの構成方法。