JP2002115236A - 水中土工材およびその製造方法 - Google Patents
水中土工材およびその製造方法Info
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Abstract
離性を確保できることはもちろん、十分なる耐侵食性も
確保できる適用範囲の広い水中土工材を提供する。 【構成】 解泥した粘性土と砂質土とを混合機11によ
り混合して原泥を製造した後、この原泥を固化処理機1
3に送って、原泥に石炭灰を添加混合して含水比を調整
し、さらに所望により固化材を添加混合する。この際、
各材料について事前に求めた粒径加積曲線から、粒径5
μm以下の粘土分を10重量%以上、粒径2μm以下の
粘土分を4.5重量%以上それぞれ含有し、かつ均等係
数Uc(D6 0/D10)が40以上となるように、粘性
土、砂質土、石炭灰および固化材の配合量を決定し、さ
らに、スランプ値が0.5〜1.0cmとなるように含水
比を決定する。
Description
土、山砂等の土砂を水中土工用に改良した水中土工材と
その製造方法に関する。
規模工事が進む中、工事現場から大量の土砂が発生し、
最近の環境や用地事情からその処理、処分が大きな社会
問題になっている。一方、海洋を含めた水中工事におい
ては、盛土材、傾斜堤の築堤材、海洋・港湾構造物の裏
込材、石材等の被覆材、遮水材、充填材等の需要が大量
にあり、このような水中土工材として上記した土砂を有
効活用できれば、環境保全、土地の有効利用などの面で
大いに役立つものとなる。
砂等の土砂を水中土工材として用いる場合は、水中不分
離性が大きな問題となり、このため、従来一般には、前
記した土砂にソイルモルタル用増粘結材やポリアクリル
アミドなどの分離防止材を添加していた。しかし、この
ような分離防止材は高価であり、水中土工材として汎用
的に使用される石材に比べて著しくコストが高くなる、
という問題があった。
37号公報には、土砂に、石炭灰と、水硬性結合材(固
化材)と水とを添加し、かつスランプ値が0.5cm以
上2.0cm以下である水中土工材が開示されており、
そこでは、石炭火力発電所から多量に発生する廃棄物と
しての石炭灰が分離防止材として機能するので、コスト
低減を図ることができる、としている。
炭灰を添加した水中土工材について、図2に示す水中落
下法を利用した濁度試験(JIS K0101に準拠)を行った
ところ、水中不分離性の指標となる濁度はほぼ500前
後かそれ以上となっており、理想的な濁度100以下と
比べてかなり悪く、水中不分離性が不十分であることが
分かった。なお、水中落下法は、内径Dが80mm、高
さLが100cmの大きさを有する塩化ビニル製の透明
円筒管1に深さHが90cmとなるように水を収容し、
この水中に、供試材としての水中土工材から、アイスク
リーム用ディッシャーを用いて採取して丸めた直径45
〜50mmの球体2を1個ずつ6個投入し、投入終了
後、直ちにガラス管1内の中間位置に排水ホース3を挿
入して、水面よりの深さhが約50cmの位置から被検
液をフラスコ4に採取するものである。
原泥とする水中土工材をスラリー状として用いることが
行われているが、このものでは、水中不分離性は高いが
未硬化時における波浪侵食に対する抵抗力が小さく、自
然投入も不可能なこともあって、適用範囲に著しく制限
を受けることになる。
されたもので、その課題とするところは、分離防止材に
頼ることなく十分なる水中不分離性を確保できることは
もちろん、十分なる耐侵食性も確保できる適用範囲の広
い水中土工材を提供し、併せてこのような水中土工材を
効率よく製造できる製造方法を提供することにある。
め、本発明に係る水中土工材は、砂質土と、粘性土と、
石炭灰と水との混合物からなり、粒径5μm以下の粘土
分を10重量%以上、粒径2μm以下の粘土分を4.5
重量%以上それぞれ含有し、かつ均等係数Uc(D60/
D10)が40以上であることを特徴とする。本水中土工
材は、スランプ値が0.5〜1.0cmであることが望ま
しい。本水中土工材はまた、固化材を含有させるように
してもよいものである。
泥した粘性土を砂質土に添加混合して原泥を製造した
後、前記原泥に石炭灰を添加混合して含水比を調整する
ことを特徴とする。本製造方法においては、上記原泥
に、さらに固化材を添加混合するようにしもよい。
する。
性土と、石炭灰と水との混合物からなるが、ここで用い
る砂質土および粘性土の種類は任意であり、砂質土およ
び粘性土としては浚渫土、建設残土等を用いることがで
きる。また、石炭灰は、その発生源を特に問うものでは
ないが、石炭火力発電所から廃棄物として多量に発生す
るので、これを用いるのが経済的である。また、水の種
類も任意であり、海水であっても淡水であってもよい。
本水中土工材は、所望により固化材を加えてもよいもの
であるが、この固化材の種類も任意であり、普通ポルト
ランドセメントはもちろん、高炉セメント等を用いるこ
とができる。本水中土工材は、粒径5μm以下の粘土分
を10重量%以上、粒径2μm以下の粘土分を4.5重
量%以上それぞれ含有し、かつ均等係数Uc(D60/D
10)が40以上であることを特徴とするが、このような
粒度組成を得るには、前記した原材料としての砂質土、
粘性土、石炭灰および固化材について、事前に粒径加積
曲線を求め、それぞれの粒径加積曲線に基づいて配合量
を決定するようにする。この場合、含水比は、スランプ
値0.5〜1.0cmが得られるように調整するのが望ま
しい。
と、粘性土と、石炭灰と水との混合物からなり、しか
も、微細粒の粘性分を適当量含有しかつ粒径分布が適当
となっているので、微細粒の粘性分が適当量の水分と結
合して水中不分離性の向上に大きく寄与すると共に、砂
質分が、強度および密度を向上させて未硬化時における
耐侵食性の向上に寄与する。因みに、前記水中落下法
(図2)を利用した濁度試験によれば、濁度100以下
が得られるようになる。ただし、粒径5μm以下の粘土
分が10重量%未満、粒径2μm以下の粘土分が4.5
重量%未満で、かつ均等係数Uc(D60/D10)が40
未満では、前記した効果は小さいので、これらは、上記
した条件を満足するように含有させる必要がある。この
場合、粒径5μm以下および粒径2μm以下の粘土分の
上限は、均等係数Uc(D60/D10)を40以上とする
ことで、また、均等係数Uc(D60/D10)の上限は、
粒径5μm以下の粘土分を10重量%以上、粒径2μm
以下の粘土分を4.5重量%以上とすることで、それぞ
れ相補的に抑えられるので、粘土分、均等係数Ucの上
限を特定する必要はない。
値を0.5〜1.0cmとするのが望ましいが、この範囲
にスランプ値を抑えることで、所望の水中不分離性を安
定的に確保できるようになり、その上、適度の流動性が
付与されて施工性が向上する。ただし、スランプ値が
0.5cm未満では流動性が不足し、また、1.0cmを
超えると、水中不分離性を低下させるので、上記範囲
0.5〜1.0cmとする。本水中土工材はまた、上記し
たように固化材を含有させるようにしてもよいもので、
この場合は、硬化後の強度、密度が十分となり、重力構
造体としての使用が可能になって、適用範囲が拡大す
る。
が、図1に示す方法を採用することができる。すなわ
ち、先ず、砂質土と粘性土とを所定の割合で混合機11
に供給し、攪拌混合して原泥を製造する。この時、粘性
土は、通常塊状で提供されるので、汎用のバックホウま
たは混練装置付きのバックホウを用いて加水しながら解
泥する。この場合の加水の量は、解泥のし易さを優先さ
せて決定し、最終の含水比に必要な水量よりも多めに加
えてもよい。次に、前記原泥を振動スクリーン12に通
してごみ等の粗大物を除去し、続いて、固化処理機13
に供給する。固化処理機13には、石炭灰と固化材とを
所定量供給し、前記原泥と良く攪拌混合する。この時、
石炭灰は、原泥中に占める水分の量を考慮して、所定の
含水比が得られるように適当量添加する。このように石
炭灰を含水比調整に用いるので、解泥時に多めに加水し
ても脱水の必要がなく、製造は容易となる。なお、粘性
土が十分なる水分を含んでいる場合は、当然のこととし
て加水は行わない。
を有するものを用い、砂質土と粘性土との混合比を1:
1,2:1,3:1と変化させた原泥を製造し、各混合
比の原泥に対する石炭灰の添加量を、発生地の異なる石
炭灰A,Bごとに100kg/m3,200kg/m3,300kg
/m3,400kg/m3の4水準に設定し、これら原泥、石炭
灰、固化材(高炉セメント)および海水を表2乃至表4
に示すように配合し、スランプ値が1.0cmとなるよ
うに含水比を調整して、各種水中土工材を製造した。そ
して、得られた各種水中土工材について、JSF T131-199
0 による土の粒度試験を行って粒径加積曲線を求め、各
粒径加積曲線から、粒径5μm以下の粘土分および粒径
2μm以下の粘土分の含有量を求めると共に、均等係数
Uc(D60/D10)を求めた。また、各種水中土工材に
ついて、図2に示した水中落下法を利用した濁度試験
(JIS K0101に準拠)を行って濁度を測定し、併せてこ
の濁度と前記粘土分または均等係数との関係を調査し
た。これら粘土分の含有量および濁度の測定結果を表2
乃至表4に示すと共に、濁度と粘土分または均等係数と
の関係を図3乃至図5に示す。
果より、濁度と粘土分または均等係数とは密接な相関が
あり、粒径5μm以下の粘土分が約10%以上(図
3)、粒径2μm以下の粘土分が約4.5%以上(図
4)、均等係数Uc(D60/D10)が約40%以上(図
5)で、濁度がほぼ100以下となり、水中不分離性が
著しく向上することが確認できた。
い、表3に示すように必要な材料を配合すると共に、含
水比を調整してスランプ値が0.5cm,1.0cm,1.
5cmとなる3種類の水中土工材を製造した。そして、
各種水中土工材について、図2に示した水中落下法を利
用した濁度試験(JIS K0101に準拠)を行って濁度を測
定し、併せてこの濁度と前記スランプ値との関係を調査
した。これら濁度の測定結果を表5に示すと共に、濁度
とスランプ値との関係を図6および図7に示す。
度とスランプ値とは密接な相関があり、スランプ値が
1.0以下で濁度がほぼ100以下となり、水中不分離
性が著しく向上することが確認できた。
ものを用い、前記砂質土を原泥として、この原泥に対す
る石炭灰の添加量を、発生地の異なる石炭灰A,Bごと
に100kg/m3,200kg/m3,300kg/m3,400kg/
m3の4水準に設定し、これら原泥(砂質土)、石炭灰、
固化材(高炉セメント)および海水を表6に示すように
配合し、スランプ値が1.0cmとなるように含水比を
調整して、各種水中土工材を製造した。そして、得られ
た各種水中土工材について、図2に示した水中落下法を
利用した濁度試験(JIS K0101に準拠)を行って濁度を
測定し、併せてこの濁度と石炭灰添加量との関係を調査
した。これら濁度の測定結果を表6に示すと共に、濁度
と石炭灰添加量との関係を図8に示す。
添加量で、濁度は400〜600あるいはそれ以上とな
り、砂質土に単に石炭灰を加えただけでは、特定の粒子
径の粘性分を加えた本実施例1および実施例2のような
水中不分離性が得られないことが明らかとなった。
中土工材によれば、砂質土と、粘性土と、石炭灰と水と
の混合物からなり、しかも、微細粒の粘性分を適当量含
有しかつ粒径分布が適当となっているので、水中不分離
性に優れると共に未硬化時における耐侵食性にも優れた
ものとなり、各種水中施工に有効に利用できる。また、
砂質土に加えて粘性土の大量使用が可能になるので、各
種工事現場から発生する土砂の処理に極めて有用とな
り、高価な分離防止材を含まないこともあって、その利
用価値は大なるものがある。また、本発明に係る水中土
工材の製造方法によれば、石炭灰を含水比調整に用いる
ので、解泥時に多めに加水して解泥を効率よく行うこと
ができ、特別の脱水も不要になるので、その製造は容易
となる。
態を示す工程図である。
被検液を得るための水中落下法を示す模式図である。
と5μm以下粘土分含有率との相関を示すグラフであ
る。
と2μm以下粘土分含有率との相関を示すグラフであ
る。
と均等係数Ucとの相関を示すグラフである。
とスランプ値との相関を示すグラフである。
とスランプ値との相関を示すグラフである。
加量との相関を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 砂質土と、粘性土と、石炭灰と水との混
合物からなり、粒径5μm以下の粘土分を10重量%以
上、粒径2μm以下の粘土分を4.5重量%以上それぞ
れ含有し、かつ均等係数Uc(D60/D10)が40以上
であることを特徴とする水中土工材。 - 【請求項2】 スランプ値が0.5〜1.0cmであるこ
とを特徴とする請求項1に記載の水中土工材。 - 【請求項3】 固化材を含有させたことを特徴とする請
求項1または2に記載の水中土工材。 - 【請求項4】 解泥した粘性土を砂質土に添加混合して
原泥を製造した後、前記原泥に石炭灰を添加混合して含
水比を調整することを特徴とする水中土工材の製造方
法。 - 【請求項5】 原泥に、さらに固化材を添加混合するこ
とを特徴とする請求項4に記載の水中土工材の製造方
法。
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JP2000311031A JP3760371B2 (ja) | 2000-10-11 | 2000-10-11 | 水中土工材およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011127353A (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-30 | Ohbayashi Corp | 埋立工法 |
-
2000
- 2000-10-11 JP JP2000311031A patent/JP3760371B2/ja not_active Expired - Fee Related
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