JP2002114506A - 黒鉛化電気炉 - Google Patents

黒鉛化電気炉

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JP2002114506A
JP2002114506A JP2000304218A JP2000304218A JP2002114506A JP 2002114506 A JP2002114506 A JP 2002114506A JP 2000304218 A JP2000304218 A JP 2000304218A JP 2000304218 A JP2000304218 A JP 2000304218A JP 2002114506 A JP2002114506 A JP 2002114506A
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Masami Nojima
正美 野嶋
Takashi Majima
隆司 真島
Yasuo Kobayashi
靖雄 小林
Narifumi Tojima
成文 遠嶋
Hidefumi Takada
秀文 高田
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒鉛粉末の製造に要する電力効率を向上させ
て黒鉛粉末の製造コストを低減させる。 【解決手段】 商用電源を変圧比自在に変圧する変圧比
可変型トランス3と、該変圧比可変型トランス3の2次
側電圧を降圧する降圧トランス5Aと、カーボン粉末X
が徐々に通過するように充填された炉本体7と、降圧ト
ランス5Aの各出力端に接続され、カーボン粉末Xを挟
んで対峙するように対向状態で炉本体7に配置された1
対の加熱用電極8A1,8A2と、加熱用電極8A1,8
A2間の通電によるカーボン粉末Xの加熱電力が安定化
するように変圧比可変型トランス3の変圧比を制御する
制御部9とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボン粉末を連
続的に黒鉛化する黒鉛化電気炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カーボン粉末を不活性雰囲気
下で約3100℃以上に加熱処理することにより、前記
カーボン粉末を黒鉛化する人造黒鉛粉末製造法が工業化
されている。この種の黒鉛粉末の製造には、直接通電に
よるジュール熱でカーボン粉末を加熱して黒鉛化するア
チソン炉等が用いられている。このアチソン炉に代表さ
れる従来の黒鉛化電気炉は、バッチ式で黒鉛粉末の製造
を行うようにしたものであり、生産性が悪い。このた
め、連続的にカーボン粉末を加熱処理して黒鉛粉末を製
造し得るような黒鉛化電気炉の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現時点で提
案されている連続式の黒鉛化電気炉は、カーボン粉末が
充填された炉本体に黒鉛電極を対向配置し、該カーボン
粉末を移動させながら両黒鉛電極間に通電することによ
りジュール熱によってカーボン粉末を加熱するものであ
る。しかし、このような連続式の黒鉛化電気炉は、カー
ボン粉末の加熱に要する電力の利用効率が悪く、よって
黒鉛粉末の製造にコストが掛かるという問題点がある。
【0004】本発明は、上述する問題点に鑑みてなされ
たもので、黒鉛粉末の製造に要する電力の利用効率を向
上させて黒鉛粉末の製造コストを低減させる点を目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、第1の手段として、商用電源を変圧比
自在に変圧する変圧比可変型トランスと、該変圧比可変
型トランスの2次側電圧を降圧する降圧トランスと、カ
ーボン粉末が徐々に通過するように充填された炉本体
と、降圧トランスの出力が供給され、カーボン粉末を挟
んで対峙するように対向状態で炉本体に配置された1対
の加熱用電極と、加熱用電極間の通電によるカーボン粉
末の加熱電力が安定化するように前記変圧比可変型トラ
ンスの変圧比を制御する電力制御手段とを具備する手段
を採用する。
【0006】また、第2の手段として、上記第1の手段
において、炉本体に間隔を隔てて複数対の加熱用電極を
設けると共に、該各対の加熱用電極に対応して複数の降
圧トランスを設け、かつ、変圧比可変型トランスと各降
圧トランスとの間に介挿され、変圧比可変型トランスの
2次側電圧を各降圧トランスに所定の順番で順次切り換
えて供給する給電選択手段を設けるという手段を採用す
る。
【0007】第3の手段として、上記第2の手段におい
て、給電選択手段は、2次側電圧の極性に応じてON/
OFFするダイオードであるという手段を採用する。
【0008】第4の手段として、上記第1の手段におい
て、炉本体に所定間隔を隔てて複数対の加熱用電極を設
けると共に、該各対の加熱用電極に対応して複数の降圧
トランスを設け、かつ、各降圧トランスと各対の加熱用
電極との間に介挿され、各降圧トランスの出力を各対の
加熱用電極に所定の順番で順次切り換えて供給する給電
選択手段を設けるという手段を採用する。
【0009】第5の手段として、上記第2〜第4いずれ
かの手段において、給電選択手段は、半導体スイッチで
あるという手段を採用する。
【0010】第6の手段として、上記第1〜第5いずれ
かの手段において、変圧比可変型トランスは、巻線上に
複数の出力タップが固定されたものであり、いずれかの
出力タップを選択することにより変圧比を変更するとい
う手段を採用する。
【0011】第7の手段として、上記第1〜第5いずれ
かの手段において、変圧比可変型トランスは、出力タッ
プが巻線上を摺動することにより変圧比を変更するもの
であるという手段を採用する。
【0012】第8の手段として、上記第1〜第7いずれ
かの手段において、変圧比可変型トランスの1次側にス
イッチング方式電力制御手段を備えるという手段を採用
する。
【0013】第9の手段として、商用電源として3相交
流を用いる場合においては、各相につき上記第1〜第8
いずれかに記載の構成を備えるという手段を採用する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係わる黒鉛化電気炉の複数の実施形態について説明す
る。
【0015】図1は、本実施形態のブロック図である。
この図において、符号1は商用電源、2はスイッチング
方式電力制御手段、3は変圧比可変型トランス、4は給
電選択手段、5A,5Bは降圧トランス、7は炉本体、
8A1,8A2,8B1,8B2は加熱用電極、9は制御部
(電力制御手段)、またXはカーボン粉末である。
【0016】商用電源1は、産業用に給電される三相交
流の1相であり、スイッチング方式電力制御手段2を介
して変圧比可変型トランス3の1次側(入力側)に接続
されている。スイッチング方式電力制御手段2は、制御
部9による制御の下に上記商用電源1から供給される交
流電力を間欠的にスイッチングして変圧比可変型トラン
ス3への電力供給を調節するものであり、例えば互いに
逆極性で並列接続された2つのサイリスタ2a,2bか
ら構成されている。2つのサイリスタ2a,2bの接続
節点の一方は商用電源1に接続され、また接続節点の他
方は変圧比可変型トランス3の一方の入力タップに接続
されている。なお、このスイッチング方式電力制御手段
2は、必ずしも必要な構成要素ではなく、後述する変圧
比可変型トランス3による電力制御を補完するように補
足的に設けられたものである。
【0017】変圧比可変型トランス3は、1対の出力タ
ップのうち一方(可動出力タップ)が巻線上を摺動する
ように構成されたものであり、変圧比を連続的に可変す
るものである。変圧比可変型トランス3の各出力タップ
は、給電選択手段4を介して各降圧トランス5A,5B
の入力タップに共通接続されるようになっており、変圧
比可変型トランス3の出力電圧(2次側電圧)を各降圧
トランス5A,5Bに供給する。この変圧比可変型トラ
ンス3の変圧比は、制御部9によって制御されるように
なっている。
【0018】給電選択手段4は、制御部9による制御の
下に変圧比可変型トランス3の上記2次側電圧を各降圧
トランス5A,5Bに所定の順番で順次切り換えて供給
するものであり、例えば機械的に節点を開閉する2対の
切換スイッチ4a1,4a2,4b1,4b2である。図示
するように、一方の対の切換スイッチ4a1,4a2は、
制御部9による制御の下に2次側電圧の降圧トランス5
Aへの供給をON/OFFするものであり、他方の対の
切換スイッチ4b1,4b2は、2次側電圧の降圧トラン
ス5Bへの供給をON/OFFするものである。
【0019】降圧トランス5Aは、変圧比可変型トラン
ス3の2次側電圧を降圧して1対の加熱用電極8A1,
8A2に供給するものであり、一方の出力タップが一方
の加熱用電極8A1に接続されると共に他方の出力タッ
プは、他方の加熱用電極8A2に接続されている。ま
た、降圧トランス5Bは、変圧比可変型トランス3の2
次側電圧を降圧して1対の加熱用電極8B1,8B2に供
給するものであり、一方の出力タップが一方の加熱用電
極8B1に接続されると共に他方の出力タップは、他方
の加熱用電極8B2に接続されている。
【0020】炉本体7は、例えば円筒状に形成され、そ
の中心軸線Lが垂直となるように設置された一種の耐熱
容器であり、内部にはカーボン粉末Xが上方から下方に
徐々に通過(移動)するように充填されている。各々に
対を成す加熱用電極8A1,8A2及び加熱用電極8B
1,8B2は、このような炉本体7の水平断面の周縁上に
導電性のカーボン粉末(X)を挟んで対峙するように対
向配置されている。すなわち、一方の熱用電極8A1,
8A2は、その対向軸線R1が円筒状の炉本体7の中心軸
線Lを通過するように対向配置され、他方の熱用電極8
B1,8B2は、その対向軸線R2が円筒状の炉本体7の
中心軸線Lを通過すると共に上記対向軸線R1に対して
直交するように対向配置されている。
【0021】カーボン粉末Xは、このように加熱用電極
8A1,8A2,8B1,8B2が配置された炉本体7内に
充満状態で充填されている。導電性のカーボン粉末X
は、各々対を成す加熱用電極8A1,8A2及び加熱用電
極8B1,8B2によって通電されることにより加熱され
るようになっている。このようなカーボン粉末Xは、炉
本体7の上方から投入され、加熱の結果、黒鉛粉末とし
て下方から回収されるようになっている。
【0022】制御部9は、本黒鉛化電気炉の動作を統括
的に制御するものであり、その制御機能の1つとしてカ
ーボン粉末Xを介した加熱用電極8A1,8A2,8B
1,8B2間に通電されるカーボン粉末Xの加熱電力が安
定化するように、上記自動トランス3の変圧比を制御す
るものである。制御部9には変圧比可変型トランス3の
出力である2次側電圧が入力されるようになっており、
該2次側電圧の変化に基づいて上記変圧比を制御するよ
うに構成されている。また、この制御部9は、2次側電
圧の極性変化に基づいて給電選択手段4の切換動作を制
御する機能及びスイッチング方式電力制御手段2のスイ
ッチングタイミングを制御する機能を備えている。
【0023】次に、このように構成された黒鉛化電気炉
の動作について、図2に示す波形図を参照して説明す
る。なお、この波形図において、V1h,V2h,V3hは上
記ブロック図の各部電圧V1,V2,V3の波形に該当
し、またI1h,I2hは、上記ブロック図の各部電流I
1,I2の波形に該当するものである。
【0024】まず、商用電源1の電圧V1は、波形V1h
に示すように0電位を基準に両極に振幅する正弦波であ
る。この電圧V1は、スイッチング方式電力制御手段2
によってスイッチングされることにより、波形V2hに示
されるようにその一部が欠落した電圧V2となる。ここ
で、上述したようにスイッチング方式電力制御手段2
は、変圧比可変型トランス3による電力制御に対して補
足的に設けられたものであるため、その電力調整量つま
り波形V2の欠落量はゼロクロス点t0,t1,t2,……
から極僅かな期間△Tである。
【0025】そして、上記電圧V2は、変圧比可変型ト
ランス3によって変圧されることにより波形V3hに示さ
れる電圧V3となる。この電圧V3は、負荷抵抗つまりカ
ーボン粉末Xの電気抵抗の変化に応じて経時的に変動す
る。すなわち、カーボン粉末Xは加熱されるに従って徐
々に電気抵抗が減少するので、電圧V3は、カーボン粉
末Xの加熱状態に応じて経時的に変動する。波形V4hに
示される電圧V4も、全く同様に理由により経時的に変
動する。
【0026】ここで、制御部9は、電圧V3のゼロクロ
ス点t0,t1,t2,……を検出し、この検出結果に基
づいて給電選択手段4を制御することにより、上記電圧
V3をゼロクロス点t0,t1,t2,……のタイミングで
降圧トランス5A及び降圧トランス5Bのいずれか一方
に交互に供給させる。すなわち、各対の加熱用電極8A
1,8A2及び加熱用電極8B1,8B2には、電圧V3の
半周期毎に交互に電圧V4が印加される。この結果、カ
ーボン粉末Xには、加熱用電極8A1,8A2及び加熱用
電極8B1,8B2によって対向軸線R1の方向及び対向
軸線R2の方向に交互に加熱電流が通電されることにな
る。
【0027】上述したように各電圧V3,V4はカーボン
粉末Xの加熱状態に応じたカーボン粉末Xの電気抵抗の
変化に起因して経時的に変動するが、この変動は、カー
ボン粉末Xの加熱電力P(=V4・I2)の変動、つまり
カーボン粉末Xの加熱に要する本黒鉛化電気炉の消費電
力の変動を意味する。電圧V3は、降圧トランス5A,
5Bによって降圧されて電圧V4にとされるので、電流
I2のレベルは、波形I1hと波形I2hとの比較で明らか
なように電流I1のレベルよりも大きくなる。本黒鉛化
電気炉の規模にもよるが、上記加熱電力Pを規定する電
圧V4は、例えば数十ボルト程度であり、また同じく加
熱電力Pを規定する電流I2は1万アンペア程度であ
る。
【0028】ところで、本黒鉛化電気炉においては、制
御部9によって電圧V3が安定化するように変圧比可変
型トランス3の変圧比が制御される。すなわち、制御部
9は、電圧V3の変動を検出し、電圧V3が所望の目標値
となるように変圧比可変型トランス3の可動出力タップ
の位置をフィードバック制御する。このフィードバック
制御の結果、電圧V3は目標値近傍に安定化されて、カ
ーボン粉末Xの加熱電力Pつまりカーボン粉末Xの加熱
に要する本黒鉛化電気炉の消費電力が安定化する。
【0029】このように変圧比可変型トランス3の変圧
比を調節してカーボン粉末Xの加熱電力Pを制御するこ
とにより、スイッチング方式電力制御手段2を主体とし
て加熱電力Pを制御する場合に比較して、種々の利点が
得られる。
【0030】すなわち、図示する波形Phは加熱電力P
(=V4・I2)を示しているが、スイッチング方式電力
制御手段2による制御の場合には電圧V1を時間軸上で
スイッチングすることにより電力を制御するために、加
熱電力Pに対応する電力波形は2点鎖線で示す波形Pj
となる。この波形Pjと波形Phとの比較から容易に判る
ように、波形Phのピーク値は、波形Pjよりも小さくな
る。
【0031】本実施形態では、このように加熱電力Pの
ピーク値を低減させることが可能なため、上述した各種
の電気的な構成要素に電力容量の小さなものを選定する
ことが可能であり、よって装置コストを低減させること
ができる。また、加熱電力Pのピーク値を低減させるこ
とにより力率の向上が図れるので、商用電源1から供給
される電力の利用効率が向上する。
【0032】なお、本実施形態では、変圧比可変型トラ
ンス3として変圧比を連続的に可変するものを採用して
いるため、スイッチング方式電力制御手段2による補完
的な電力制御は必ずしも必要ない。しかし、変圧比可変
型トランス3として、多数の出力タップを備え、該出力
タップの選択によって変圧比を調節するもの(タップ切
換式)を採用する場合には、変圧比を十分に細かく設定
することができないので、変圧比可変型トランス3とス
イッチング方式電力制御手段2とを併用する必要が生じ
る。したがって、タップ切換式の変圧比可変型トランス
3を採用する場合には、出力タップ数が多いものが好ま
しい。
【0033】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、例えば以下のような変形が考えられる。
【0034】(1)上記実施形態では2対の加熱用電極
8A1,8A2及び加熱用電極8B1,8B2を設け、カー
ボン粉末Xに異なる方向から通電する構成を採用した。
これは、円筒形の炉本体7内のカーボン粉末Xを均一に
加熱することを意図したものであるが、最小限の構成と
して1対の加熱用電極8A1,8A2とし、加熱用電極8
B1,8B2及び降圧トランス5Bを削除しても良い。ま
た、この場合、給電選択手段4が不要となり、装置構成
が簡単化される。さらに、上記実施形態よりもさらに多
数対の加熱用電極を設けるようにしても良い。
【0035】(2)上記実施形態では降圧トランス5
A,5Bの1次側(入力側)に給電選択手段4を設けた
が、これは図2に示すように1次側の電流I1が2次側
(出力側)の電流I2よりもピーク値が小さいため、給
電選択手段4に比較的小さな容量のものを採用して装置
コストを低減させるためである。しかしながら、給電選
択手段4に比較的大きな容量のものを採用することによ
り、給電選択手段4を降圧トランス5A,5Bの1次側
に設けることが可能である。
【0036】(3)また、図3に示すように、変圧比可
変型トランス3の2次側電圧の極性に応じてON/OF
Fするダイオード4c,4dからなる給電選択手段4’
を採用することにより、制御部9による切換制御を必要
とすることなく加熱用電極8A1,8A2と加熱用電極8
B1,8B2とに交互に通電することができる。
【0037】すなわち、ダイオード4cは、アノード端
子が変圧比可変型トランス3の可動出力タップに接続さ
れると共にカソード端子が降圧トランス5Aの一方の入
力タップに接続されている。一方、ダイオード4dは、
アノード端子が変圧比可変型トランス3の固定出力タッ
プに接続されると共にカソード端子が降圧トランス5B
の一方の入力タップに接続されている。
【0038】したがって、ダイオード4cは、電圧V3
の正極性の半周期のときにONして可動出力タップと降
圧トランス5Aの入力タップとが導通し、電圧V3の負
極性の半周期のときにはOFFとなり可動出力タップと
降圧トランス5Aの入力タップとの導通は遮断される。
これに対して、ダイオード4dは、電圧V3の正極性の
半周期のときにOFFとなり可動出力タップと降圧トラ
ンス5Aの入力タップとの導通が遮断され、電圧V3の
負極性の半周期のときにはONして可動出力タップと降
圧トランス5Aの入力タップとは導通状態となる。この
ようなダイオード4c,4dのON/OFFにより、加
熱用電極8A1,8A2及び加熱用電極8B1,8B2に対
する通電が自動的に切り換えられる。
【0039】(4)さらに、上記実施形態では給電選択
手段4として、機械的に節点を開閉する切換スイッチ4
a1,4a2,4b1,4b2を採用したが、半導体スイッ
チを代用することが可能である。例えば、電力用半導体
スイッチ素子であるIGBT(Insulated Gate Bipolar
Transistor)は特に大電流容量であり、給電選択手段
4を降圧トランス5A,5Bの1次側及び1次側の何れ
に挿入する場合であっても適用することができる。この
ような半導体スイッチは、切換スイッチ4a1,4a2,
4b1,4b2よりも素子寿命が長いので保守性が向上す
る。
【0040】(5)上述した黒鉛化電気炉の各種構成で
は、商用電源1として三相交流の1相を用いている。ま
た、本黒鉛化電気炉は、上述したように消費電力が数百
キロワット程度と比較的大きい。すなわち、1相のみを
用いる形態では、消費電力の相間バランスが悪く、電源
供給ラインの電圧変動が生じ易い。
【0041】図4は、このような問題点を解決する黒鉛
化電気炉のシステム構成を示している。このシステム構
成では、上記消費電力の相間バランスを取るために、三
相交流の各相(U相,V相,W相)に対して各々黒鉛化
電気炉A,黒鉛化電気炉B及び黒鉛化電気炉Cを設けて
いる。すなわち、黒鉛化電気炉AにはU相電源供給ライ
ンLuとV相電源供給ラインLvとから電源を供給し、黒
鉛化電気炉Bには、V相電源供給ラインLuとW相電源
供給ラインLvとから電源を供給し、また黒鉛化電気炉
Cには、U相電源供給ラインLuとW相電源供給ライン
Lvとから電源を供給する。このようなシステム構成を
採用することにより、各相の負荷が均等化されるので電
源の利用効率が向上すると共に、電圧変動を抑制するこ
とができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる黒
鉛化電気炉によれば、商用電源を変圧比自在に変圧する
変圧比可変型トランスと、該変圧比可変型トランスの2
次側電圧を降圧する降圧トランスと、カーボン粉末が徐
々に通過するように充填された炉本体と、降圧トランス
の出力が供給され、カーボン粉末を挟んで対峙するよう
に対向状態で炉本体に配置された1対の加熱用電極と、
加熱用電極間の通電によるカーボン粉末の加熱電力が安
定化するように前記変圧比可変型トランスの変圧比を制
御する電力制御手段とを具備するので、一般的なスイッ
チング方式の電力制御に比較して電力のピーク値を低下
させることが可能である。したがって、力率が向上する
ので商用電源から供給される電力の利用効率を上昇させ
ると共に、黒鉛化電気炉を構成する各種電気機器の電力
容量を抑えて装置コストを低減することができる。この
結果、黒鉛粉末の製造コストを低減させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の機能構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】 本発明の一実施形態の各部波形を示す波形図
である。
【図3】 本発明の一実施形態に対する第1の変形機能
構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の一実施形態に対する第2の変形機能
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……商用電源 2……スイッチング方式電力制御手段 2a,2b……サイリスタ 3……変圧比可変型トランス 4……給電選択手段 4a1,4a2,4b1,4b2……切換スイッチ 4c,4d……ダイオード 5A,5B……降圧トランス 7……炉本体 8A1,8A2,8B1,8B2……加熱用電極 9……制御部(電力制御手段) X……カーボン粉末 Lu……U相電源供給ライン Lv……V相電源供給ライン Lw……W相電源供給ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 靖雄 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 遠嶋 成文 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 高田 秀文 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 Fターム(参考) 3K058 AA81 BA19 CB09 CD01 CD04 CD06 FA02 GA08 4G046 EA06 EB09 EB10 4K063 AA01 AA12 BA09 BA15 CA01 FA22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用電源を変圧比自在に変圧する変圧比
    可変型トランス(3)と、 該変圧比可変型トランス(3)の2次側電圧を降圧する
    降圧トランス(5A)と、 カーボン粉末(X)が徐々に通過するように充填された
    炉本体(7)と、 前記降圧トランス(5A)の出力が供給され、カーボン
    粉末(X)を挟んで対峙するように対向状態で炉本体
    (7)に配置された1対の加熱用電極(8A1,8A2)
    と、 前記加熱用電極(8A1,8A2)間の通電によるカーボ
    ン粉末(X)の加熱電力が安定化するように前記変圧比
    可変型トランス(3)の変圧比を制御する電力制御手段
    (9)と、 を具備することを特徴とする黒鉛化電気炉。
  2. 【請求項2】 炉本体(7)に間隔を隔てて複数対の加
    熱用電極(8A1,8A2,8B1,8B2)を設けると共
    に、該各対の加熱用電極(8A1,8A2,8B1,8B
    2)に対応して複数の降圧トランス(5A,5B)を設
    け、かつ、変圧比可変型トランス(3)と各降圧トラン
    ス(5A,5B)との間に介挿され、変圧比可変型トラ
    ンス(3)の2次側電圧を各降圧トランス(5A,5
    B)に所定の順番で順次切り換えて供給する給電選択手
    段(4)を設けることを特徴とする請求項1記載の黒鉛
    化電気炉。
  3. 【請求項3】 給電選択手段(4)は、2次側電圧の極
    性に応じてON/OFFするダイオードであることを特
    徴とする請求項2記載の黒鉛化電気炉。
  4. 【請求項4】 炉本体(7)に所定間隔を隔てて複数対
    の加熱用電極(8A1,8A2,8B1,8B2)を設ける
    と共に、該各対の加熱用電極(8A1,8A2,8B1,
    8B2)に対応して複数の降圧トランス(5A,5B)
    を設け、かつ、各降圧トランス(5A,5B)と各対の
    加熱用電極(8A1,8A2,8B1,8B2)との間に介
    挿され、各降圧トランス(5A,5B)の出力を各対の
    加熱用電極(8A1,8A2,8B1,8B2)に所定の順
    番で順次切り換えて供給する給電選択手段(4)を設け
    ることを特徴とする請求項1記載の黒鉛化電気炉。
  5. 【請求項5】 給電選択手段(4)は、半導体スイッチ
    であることを特徴とする請求項2〜4いずれかに記載の
    黒鉛化電気炉。
  6. 【請求項6】 変圧比可変型トランス(3)は、巻線上
    に複数の出力タップが固定されたものであり、いずれか
    の出力タップを選択することにより変圧比を変更するこ
    とを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の黒鉛化電
    気炉。
  7. 【請求項7】 変圧比可変型トランス(3)は、出力タ
    ップが巻線上を摺動することにより変圧比を変更するも
    のであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載
    の黒鉛化電気炉。
  8. 【請求項8】 変圧比可変型トランス(2)の1次側に
    スイッチング方式電力制御手段(2)を備えることを特
    徴とする請求項1〜7いずれかに記載の黒鉛化電気炉。
  9. 【請求項9】 商用電源として3相交流を用いる場合に
    おいては、各相につき請求項1〜8いずれかに記載の構
    成を備えることを特徴とする黒鉛化電気炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103727781A (zh) * 2014-01-14 2014-04-16 湖南顶立科技有限公司 一种间歇式碳化炉

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CN103727781A (zh) * 2014-01-14 2014-04-16 湖南顶立科技有限公司 一种间歇式碳化炉

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