JP2002111367A - パッチアンテナおよびそれを用いたアンテナ装置 - Google Patents

パッチアンテナおよびそれを用いたアンテナ装置

Info

Publication number
JP2002111367A
JP2002111367A JP2000295064A JP2000295064A JP2002111367A JP 2002111367 A JP2002111367 A JP 2002111367A JP 2000295064 A JP2000295064 A JP 2000295064A JP 2000295064 A JP2000295064 A JP 2000295064A JP 2002111367 A JP2002111367 A JP 2002111367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
electrode
patch antenna
ground electrode
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000295064A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Aoyama
博志 青山
Keiko Kikuchi
慶子 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2000295064A priority Critical patent/JP2002111367A/ja
Publication of JP2002111367A publication Critical patent/JP2002111367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Waveguide Aerials (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)
  • Support Of Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面実装が可能なパッチアンテナを提供する
こと。 【解決手段】 背面に給電点11を有する放射電極13
を誘電体基版12の主面に形成し、他の主面に接地電極
17を設けるパッチアンテナ10において、スルーホー
ル導体14を給電点11に接続し、さらにスルーホール
導体14と導通する接地電極17の主面に設けたパター
ン導体15によって、誘電体基板12の外部から給電す
る構成とする。これにより、接地電極17の主面には回
路部品等が搭載されないため、実質的に平坦面とするこ
とができ、表面実装が可能な構造が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波通信用
小形アンテナに係わり、特に表面実装が可能なパッチア
ンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、AVI(Automatic Vehicle Iden
tification:自動車両識別)の実用化により欧米の一部
では、有料道路における自動料金収受システムがサービ
スを開始した。このような動向に即して、日本において
も自動料金収受システムの導入が検討されている。図1
5は、特開平5−233907号公報に記載のある自動
料金授受システムの概要である。車両と料金所ゲート間
では、無線によって情報を交信できる双方向性システム
を使用するため、車両が料金ゲートで停車する必要がな
くなり、料金所における渋滞解消に有力な方法とされて
いる。
【0003】図示するように料金所側のシステムは、通
信制御装置51とこれに接続される精算処理装置(コン
ピュータ)55および路上アンテナ53から構成され
る。一方、車両50に搭載される通信装置57は、IC
カード59のデータの読取装置、送受信回路、内蔵アン
テナ58等を筐体内に収納した構成となる。路上アンテ
ナ53と内蔵アンテナ58間の交信には、5.8GHz帯のマ
イクロ波が使用される。
【0004】携帯電話用のアンテナとは異なり、路上ア
ンテナ53および車載側の内蔵アンテナ58は、車両の
進行方向に関して所定の指向性が要求される。また、内
蔵アンテナ58は車載用であるため設置スペースの制約
が厳しく、狭い限られた空間を効率良く利用できる構造
を持っていなければならない。したがって、性能と共に
アンテナ自体が小形軽量であり、またアンテナ装置への
組み込み性が良好であることが、内蔵アンテナの具備条
件である。
【0005】現在、車載用内蔵アンテナとして実用性が
高いとされている小形アンテナの一つとして、ヘリカル
アンテナが知られている。このアンテナはE面内無指向
性であるため、携帯電話等の移動体無線システムには最
適なアンテナであるが、前述したように特定方向の指向
性が要求される自動料金授受システムの用途には、最も
適しているとは言い難い面がある。
【0006】一方、スロットアンテナは片面に広いビー
ム角を持ち、要請される条件を備えている。しかし、一
層効率的な動作が期待できるパッチアンテナが車載用に
有望であると考えられる。パッチアンテナはスロットア
ンテナの範疇に含まれ、外見が板状のコンパクトな構造
を持つ。主としてGPS(Global Position System)等
移動体の受信アンテナに使われている。
【0007】パッチアンテナの外観を図16に示す。パ
ッチアンテナ60は誘電体基板12の上面にパッチ状の
放射電極13と、下面に接地電極17を配した薄板状の
アンテナである。通常、放射電極13の一辺の長さは搬
送波の半波長に選ばれる。また、放射電極の縦横の比を
適当に選ぶことによって、偏波面あるいは旋回方向等が
制御される。パッチアンテナの給電方法には、放射電極
辺に直接給電する方法、あるいは誘電体基板にスルーホ
ールを設け、放射電極の背面に同軸ケーブルを接続する
1点給電方法等がある。いずれの方法においても給電点
における放射電極と給電線とのインピーダンス整合が必
要となる。このため図16に示す給電点11は、放射電
極13の中心から外れた位置となる。
【0008】一般に、パッチアンテナの放射電極には同
軸ケーブルが接続される。このため、パッチアンテナに
は同軸ケーブルを係止する手段が設けられる。図17は
特開平7−94934号公報に記載される係止手段の一
例である。因みに、この断面は図16中のA-A’の切断
面に相当する。また、同軸ケーブルは筒状の円筒導体と
その中央に絶縁物で支持した中心導体からなり、高周波
の微少信号の伝達に適した導線である。図中、同軸ケー
ブル端子の係止手段は同軸コネクタ71である。同軸コ
ネクタ71には円筒導体側が螺合され、誘電体基板12
の接地電極17と導通する。一方、中心導体はスルーホ
ール73内を貫通して給電点11に押圧され、放射電極
13に接触する。なお、これ以降言及する図面では、同
じ機能を持つ部品等は同一符号を付して、説明の簡略化
を図ることにする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上述べた従来
のパッチアンテナは、表面実装に適した構成ではない。
表面実装用として構成上配慮されていないため、回路基
板に直接搭載することが容易でなく、アンテナ装置の小
形化の障害となっていた。表面実装技術は、コンデン
サ、抵抗等の受動回路部品、あるいはトランジスタ、ア
ンプ等の能動回路部品をチップ部品化し、所要の回路を
基板上に構成する方法で、携帯機器の小形軽量化にはこ
の技術の貢献が非常に大きい。電気回路や装置をコンパ
クトに組み立てるには、強力な手法である。
【0010】図17に示すように、同軸コネクタ71が
接地電極17面より突出する。図には同軸ケーブルとの
結合状態を示していないが、同軸ケーブルの外側導体は
同軸コネクタ71と螺合する。同軸ケーブルを使用する
限り、上述した方法で同軸ケーブルとアンテナを係止す
る方法が一般的である。さて、表面実装用の搭載部品と
して好ましい要件は、外形が小形で扁平であること、加
えて搭載面に凹凸が少ないことである。同軸コネクタ7
1の突出が表面実装に大きな障害となることは以上の説
明から明らかである。また、前記のように突出部はアン
テナ、およびその装置の組立ての作業性を阻害するばか
りか、低背化のネックとなる可能性があった。
【0011】一方、特開平7−326923号公報に記
載されているパッチアンテナを図18に示す。パッチア
ンテナ60は、誘電基板12の主面に設けられた放射電
極13と接地電極17、さらに接地電極17上に固着さ
れた回路部品81からなる。接地電極17側の空いたス
ペースを巧みに利用したコンパクト設計ではあるが、接
地電極面17側が回路部品81によって実質的に平坦で
はなく、表面実装を難しくさせている。外見上、図17
のアンテナより接地電極側が平坦化され、より表面実装
に適するものと考えられるが、アンテナの固定方法等に
ついての開示あるいは示唆の記載は全くなく、また前述
した従来技術の課題に対する解決手段にも言及していな
い。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の問
題を解決するために以下に述べる手段を講じたものであ
る。次に、請求項毎に本発明の解決手段を詳細に説明す
る。請求項1に記載の発明は、表面実装の要件を満たす
新規な給電構造に関するものであり、放射電極の給電点
に同軸ケーブルを接合する必要のない構成である。給電
点の背部にスルーホールを設け、給電点に接続する導体
をこのスルーホール内に配置して接地電極側に引き出
し、さらに接地電極と併設したパターン導体を繋げるこ
とによって給電する方法である。このような構成から、
従来技術で用いられていた同軸ケーブルの係止手段とし
ての同軸コネクタ等が不要となり、接地電極側を実質的
に平坦とすることが可能である。
【0013】本発明では、スルーホール導体とパターン
導体が主な構成要件であるが、基板における配設位置、
導体の形状寸法など適正化すべきパラメータは多い。特
性、製造および組立を考慮した最適化は、以下述べる実
施形態の説明で発明の本質を明らかにする。
【0014】請求項2に記載の内容は、給電電極の配置
位置に関する発明である。一般的には、給電電極は放射
電極に近いところが最適ではあるが、表面実装を前提と
する場合接地電極の主面に配置するのが好ましい。さら
に、後述するインピーダンス整合、あるいは表面実装時
の固着力増加の方策として、給電電極を接地電極主面ば
かりかその隣接する側面に展開することが可能である。
また、放射電極上の給電点と給電電極とは、誘電体基板
において対角位置関係にあるのが好ましい。
【0015】請求項3に記載の発明は、前記スルーホー
ル導体とパターン導体をインピーダンス整合手段とする
ものである。同軸ケーブルでは、ケーブル自体が特性イ
ンピーダンスを有しているため、従来の場合は給電点の
選択だけでよかった。しかし、上記のような導体で給電
路を構成する本発明では、導体路のインピーダンス整合
が必要である。したがって、パターン導体の終端側から
給電点を見た場合の入力インピーダンスを、特性インピ
ーダンスに等しくしなければならない。本発明では、ス
ルーホール導体とパターン導体の形状あるいは配置等を
適宜選択する手段によって、特性インピーダンスが得ら
れるように配慮するものである。
【0016】インピーダンス整合は高周波回路では常に
用いられる回路手法ではあるが、放射電極、給電点、ス
ルーホール導体およびパターン導体を3次元的に誘電体
基板を介して配列する本発明では、それぞれの構成部品
との相対位置の好ましい関係を見出すには、従来技術か
ら容易に類推することが困難である。すなわち、本発明
による構成のパッチアンテナでは、インピーダンス整合
は未解決の問題であり、従来技術から有効な解を引き出
すことは簡単ではない。以下、本発明のインピーダンス
整合原理を詳しく説明することにする。
【0017】パッチアンテナの等価回路を図4および図
5に示す。図4が本発明の場合、図5が従来の場合を示
す。まず、図5を用いて従来の動作を説明する。パッチ
アンテナでは放射電極が方形状であるため、それぞれの
対角線上に共振モードが発生する。そのため、等価回路
ではaおよびb回路からなる共振回路を並列に接続した構
成と考えられる。回路中のインダクタンスLa,Lb、コン
デンサC0および放射等価抵抗Ga,Gbは、それぞれ放射電
極の各辺の長さ、接地電極あるいは給電点との相対的な
配置関係等から規定される等価回路定数である。従っ
て、それぞれ回路定数を適宜選ぶことによって共振周波
数を設定することができる。一方、円偏波を生じさせる
には、放射電極の角部に縮退分離素子を設けて、共振周
波数を僅かにずらすことによって得られる。
【0018】次に、本発明の特長を図4の等価回路を用
いて述べる。本発明の構成では、トランスの1次側にイ
ンダクタンスLLとコンデンサCcを図のように接続するこ
とになり、その他については従来と変わらない。新たに
接続するLLは、パターン導体によるインダクタンス分を
あらわし、また、Ccはスルーホール導体による対地容量
分である。本発明では、LLとCcがトランス1次側に結線
されるため、LLおよびCcによる電圧降下の影響が生じ
る。従来と同一の電流配分を得るには、LLとCcの電流分
担の効果をなくす必要がある。具体的には、誘導性のリ
アクタンス分を容量性のリアクタンス分でキャンセルで
きるように、スルーホール導体およびパターン導体を設
計することになる。なお、スルーホール導体によるイン
ダクタンス分および導体パターンによる対地容量分は、
無視できる程度に小さいことが前提であるが、この前提
条件を満足できないスルーホール導体あるいは導体パタ
ーンの適用は可能であり、その場合は図4の等価回路を
部分的に修正することになる。
【0019】図4と図5の等価回路を比較すると、図4
のトランス一次に接続されるLLとCcによるリアクタンス
分が互いにキャンセルするように選べば、従来と同一の
動作特性が得られることが理解される。これは好ましい
組み合わせではあるが、LLとCcとが互いにキャンセルし
ない場合でも、発明の効果は充分えられ、 LLとCcの値
は設計的な選択事項に過ぎない。さらに、上記の条件を
大幅に逸脱するような場合、誘電体基板にインダクタン
スあるいはコンデンサを内蔵もしくは形成して調整する
ことも可能である。
【0020】請求項4に記載の発明は、面実装ができる
アンテナであり、回路基板との整合性を考えると、接地
電極側が平坦であることが第一条件と言える。完全に平
坦である必要はなく、例えば半田付け工程を阻害しない
程度の凹凸は、発明の趣旨に反するものではない。
【0021】請求項5は、少なくとも接地電極が半田面
を有する発明である。表面実装では回路部品を半田で固
着する関係上、部品側に半田面を形成することは必須要
件である。また、半田面の形成は接地電極の全てに限る
必要はなく、電極の一部だけに形成しても目的を充分果
たすことが可能である。
【0022】請求項6の発明は、ダミーパターン電極に
関するもので、回路基板との固着を一層確実にし、信頼
性の高いアンテナ装置を提供するものである。車両等は
使用環境が劣悪な上に、大きな衝撃あるいは振動が常時
加わるため、機械的な強度と耐震性が要求されるが、回
路上いずれにも接続されないダミーパターン電極を誘電
体基板の所要位置に設けることによって、上記の目的が
より確実に達成される。
【0023】さらに、請求項7〜9は本発明によるアン
テナを搭載するアンテナ装置である。特徴とするところ
は、パッチアンテナおよびその周辺回路を基板に一括し
て組み込み、同軸ケーブルにて給電する小形軽量化が可
能なアンテナ装置である。また、回路基板の誘電率を誘
電体板より低くして、アンテナの特性を低下させないよ
うに配慮するものである。さらに、パッチアンテナの接
地電極が回路基板の接地電極と一致する位置に配設され
る場合、パッチアンテナ側の接地電極を不要とする。こ
れによりアンテナ側の接地電極の形成工程を省くことが
できる。
【0024】以上述べたように本発明の実施によって従
来の課題を解消でき、チップマウンタ等の使用による自
動組立て、および半田リフロー炉の使用等ができ、製造
工程の合理化が可能である。しかしながら、好ましい特
性を獲得するには、以下述べるパラメータサーベイが必
要であり、誘電体基板の厚さおよび誘電率、導体パター
ンの形状および配置、あるいは電極の導電率等の詳細な
る検討を行った。次に、具体的な実施例等によって本発
明の本質と特徴を明らかにする。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明によるパッチアンテナの一
実施例を図1に示す。また、図2および図3はそれぞれ
放射電極と接地電極側から見た平面図である。まず、図
1では誘電体基板12上に形成された放射電極13は、
縦横比がほぼ1に等しい正方形であり、電極の一辺の長
さが動作周波数の半波長である。また、縮退分離素子1
6を放射電極13の対角両隅の図示の位置に1組み設け
る。これにより放射電波は円偏波の特性を持つと共に、
紙面に対して右旋回する。さらに、放射電極13と給電
電極19は、放射電極13の中心から図面上方に偏った
位置にある給電点11を通過するスルーホール導体14
と、パターン導体15によって接続される構成である。
【0026】さらに、効率的なアンテナ動作を行わせる
には、放射電極とのインピーダンス整合が必要である。
給電電極19側から見た入力インピーダンスを特性イン
ピーダンスに一致させるために、本発明ではパターン導
体15およびスルーホール導体14の配置あるいは形状
寸法を適正化してインピーダンス整合を図った。しか
し、上記のパラメータの他に給電点11の位置、誘電体
基板12の厚さあるいは誘電率等が影響する。本発明で
は、パターン導体の形状を適宜選択しながら誘電体基板
の厚みと誘電率についての適正化を図ることにした。以
下、この方法について詳しく説明するが、上記以外のパ
ラメータでも適宜選ぶことによって、本発明の効果が得
られることはいうまでもない。
【0027】パターン導体15は、図3においてW,dお
よびLtのパラメータによって特長づけられる。Ltは特性
インピーダンスの値が得られるように、(1/4)波長以
上の長さが必要である。さらに、給電点11と給電電極
19の相対的な位置関係は、誘電基板12に関して概略
対角線上に選ぶ。この位置関係を維持すると、インピー
ダンス整合が容易になり、良好な特性が得られる。
【0028】次に、試作サンプルを作製して好ましい範
囲を探索する。まず、試作サンプルの概要を説明する。
中心周波数foは5.8GHzであり、帯域幅:200MHz以上、絶
対利得:10dBi以下、指向性:上下/方向にて-5dB以
下、半値幅は上下/方位角60度以上、偏波:右旋円偏波
の特性を有するものである。接地電極は10x10mmの正方
形パターンである。給電点は放射電極の中心から1mm離
れた位置に選び、直径0.8mmのスルーホール導体を配置
した。また、放電電極パターンは7.4〜7.8mmの正方形と
し、対角線上の両隅には一辺が1.3〜1.9mmの直角三角形
の縮退分離素子を配置することにし、放射電極および縮
退分離素子の大きさは、アンテナ特性が最も好ましいと
考えられる値に決めた後、以降パラメータサーベイに際
しては一定値に固定する。
【0029】図6は誘電体基板の比誘電率と放射電極の
大きさの関係である。図示するように誘電体基板が厚く
なる程、また比誘電率が高くなる程、放射電極は小さく
て済む。しかしながら、フリンジング効果のため極端に
誘電体基板を薄くすることができず、適正な厚さに対す
る比誘電率の範囲がある。本発明では、誘電体基板を4m
m以下とするのが、製造上有利と考え、この範囲を適正
値とする。
【0030】図7は誘電体基板厚さに対するQ特性であ
る。比誘電率εrの僅かな変動に対してQは大きく変化
し、基板が薄い程その傾向が大きい。特に、基板厚みが
2mm以下では急激に変化する。なお、図7のQ特性だけ
では基板厚みの好ましい範囲を決めることはできないた
め、次に述べる帯域幅との関係を考慮して、基板厚みの
好適な範囲を規定する。
【0031】図8は誘電体基板厚さと帯域幅の関係で、
比誘電率εr =8と20の場合を示す。帯域幅は誘電体基板
の厚みにほぼ比例する。これはアンテナのQ値が厚さと
共に低下するためで、アンテナ内に蓄えられるエネルギ
ーが厚さに反比例することと、放射損失が厚さに無関係
であることによる。VSWR(電圧定在波比)<2の条
件で、帯域幅2%以上が好ましい範囲である。この制約
条件に適合する基板厚みは、εr =8のとき、2mm以上が
望ましい厚みである。
【0032】次に、パターン導体に関して簡単に触れて
おく。図3に示す各部の長さは、Lt=5mm,W=0.2mm,d=1mm
として、以降の検討に際しては一定値に固定する。誘電
体基板の誘電率と厚みの関係をまとめると、表1に記載
するような傾向が得られた。誘電体基板の誘電率と厚さ
は、アンテナ辺長、帯域幅および放射効率に影響がある
が、指向性にはあまり影響しない。
【0033】
【表1】
【0034】図9は試作サンプルの特性測定方法を示
す。指向性および利得の測定は電波無響室で行った。タ
ーンテーブル上に木製のポールを立て、高さ約4メート
ルの位置に被試験アンテナを固定し、放射電波をホーン
アンテナで受けスペクトルアナライザーによって電界強
度を測った。
【0035】図10に周波数に対する反射特性を示す。
縦軸の反射係数はdBで表示する。周波数が5.65GHzを超
えると、反射係数は-10dB以下となり、目標特性が得ら
れる。この結果により、5.8GHzを中心にして200MHz以上
の帯域幅特性が得られ、実用的に問題ない性能である。
【0036】図11に周波数に対する軸比の関係を示
す。目標とする軸比3以下となる周波数は、5.75〜5.87
GHzの範囲である。また、図12は利得特性である。図
示の周波数範囲では、利得0dBを中心に利得の変動ΔB
が見られるが、5.8GHzを中心に±60MHz内ではΔB=1.4d
B以下の変動幅であり、問題とならない値である。
【0037】図13は本発明による他の実施例である。
給電電極19を接地電極の主面ばかりでなく、隣接する
側面にダミーパターン電極を設ける場合である。図13
にはダミーパターン電極20は誘電体基板12の側面ま
で延在させた場合を示し、給電電極19と一体的になっ
ている。また、給電電極19の配置を接地電極主面に限
定する図17あるいは図18の従来と比較すると、給電
電極19の面積が増すと共に、側面にまで伸びることに
よって固着力が大幅に増加する。回路基板との接合力が
増し、信頼性向上に寄与することは自明である。
【0038】パッチアンテナ10を回路基板45に搭載
した場合のアンテナの中心線に沿った縦断面を図14に
示す。図示するようにパッチアンテナ10は、回路基板
45に密着した状態で半田41によって固定され、本発
明によるアンテナが表面実装に適した構成であることが
わかる。また、ダミーパターン電極20が半田41で回
路基板45に固定されることもこの断面図から理解され
る。
【0039】
【発明の効果】以上述べた詳細な説明から容易に理解さ
れるように、本発明によって回路基板に直に搭載できる
表面実装用アンテナが得られる。これはアンテナの低背
化と組立て時の生産性が著しく向上するばかりか、構成
部品点数の削減も可能になり、低コスト化にも波及効果
があり、車載用アンテナの小形軽量化に貢献することは
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例を示すパッチアンテナの
外観図である。
【図2】放射電極側から見た平面図である。
【図3】接地電極側から見た平面図である。
【図4】本発明によるパッチアンテナの等価回路であ
る。
【図5】従来のパッチアンテナの等価回路である。
【図6】本発明のパッチアンテナの比誘電率と放射電極
の大きさの関係である。
【図7】本発明のパッチアンテナのQ特性である。
【図8】本発明のパッチアンテナの誘電体基板厚さと帯
域幅の関係である。
【図9】特性測定装置とその測定方法である。
【図10】本発明のパッチアンテナの反射特性である。
【図11】本発明のパッチアンテナの放射電極の軸比特
性である。
【図12】本発明のパッチアンテナの利得特性である。
【図13】本発明のパッチアンテナのダミーパターン電
極部の拡大図である。
【図14】本発明のパッチアンテナを回路基板に搭載し
た場合の断面図である。
【図15】自動料金収集システムの概略構成図である。
【図16】従来のパッチアンテナの外観図である。
【図17】従来のパッチアンテナの断面図である。
【図18】従来の回路部品を搭載したパッチアンテナの
断面図である。
【符号の説明】
10:パッチアンテナ、11:給電点、12:誘電体基
板、13:放射電極 14:スルーホール導体、15:パターン導体、16:
縮退分離素子 17:接地電極、19:給電電極、20:ダミーパター
ン電極、41:半田 43:接地導体、45:回路基板、50:車両、51:
通信制御装置 53:路上アンテナ、55:精算処理装置、56:表示
部、57:車両通信装置 58:内蔵アンテナ、59:ICカード、60:パッチ
アンテナ 71:同軸ケーブル、73:スルーホール、81:回路
部品、83:導体 95:測定基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板の一方の主面に方形状の放射
    電極、他方の主面に接地電極を配設するパッチアンテナ
    において、前記放射電極の給電点に接続されるスルーホ
    ール導体と、該スルーホール導体に導通し前記接地電極
    に併設される導体パターンとを備え、接地面側が実質的
    に平坦であることを特徴とするパッチアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、給電電極を前記接地
    電極の主面もしくは隣接面にかけて配設することを特徴
    とするパッチアンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかにおいて、
    前記スルーホール導体および/または導体パターンは前
    記給電点に対するインピーダンス整合手段に用いられる
    ことを特徴とするパッチアンテナ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記
    接地電極側が面実装可能な程度に平坦であることを特徴
    とするパッチアンテナ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、少なくとも前記接地
    電極が一部もしくは全てに半田面を有することを特徴と
    するパッチアンテナ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、回路
    基板等固定のためのダミーパターン電極を、少なくとも
    接地電極の主面側に設けることを特徴とするパッチアン
    テナ。
  7. 【請求項7】 パッチアンテナと所要回路を回路基板等
    に搭載するアンテナ装置において、請求項1〜6のいず
    れかに記載するパッチアンテナと所要回路を前記回路基
    板に搭載し、同軸ケーブル等によって給電することを特
    徴とするアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記回路基板の誘電
    率は前記誘電体板のそれより小さいことを特徴とするア
    ンテナ装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8のいずれかにおいて、
    前記パッチアンテナの接地電極は回路基板に接地導体パ
    ターンと共用することを特徴とするアンテナ装置。
JP2000295064A 2000-09-27 2000-09-27 パッチアンテナおよびそれを用いたアンテナ装置 Pending JP2002111367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000295064A JP2002111367A (ja) 2000-09-27 2000-09-27 パッチアンテナおよびそれを用いたアンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000295064A JP2002111367A (ja) 2000-09-27 2000-09-27 パッチアンテナおよびそれを用いたアンテナ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002111367A true JP2002111367A (ja) 2002-04-12

Family

ID=18777556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000295064A Pending JP2002111367A (ja) 2000-09-27 2000-09-27 パッチアンテナおよびそれを用いたアンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002111367A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006210971A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Furuno Electric Co Ltd アンテナ
JP2006314069A (ja) * 2005-05-05 2006-11-16 Chiho Kagi Kofun Yugenkoshi アンテナ構造
US8812062B2 (en) 2007-01-25 2014-08-19 Kabushiki Kaisha Toshiba Electronic apparatus

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006210971A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Furuno Electric Co Ltd アンテナ
JP4611039B2 (ja) * 2005-01-25 2011-01-12 古野電気株式会社 アンテナ
JP2006314069A (ja) * 2005-05-05 2006-11-16 Chiho Kagi Kofun Yugenkoshi アンテナ構造
US8812062B2 (en) 2007-01-25 2014-08-19 Kabushiki Kaisha Toshiba Electronic apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6292141B1 (en) Dielectric-patch resonator antenna
US6476767B2 (en) Chip antenna element, antenna apparatus and communications apparatus comprising same
US6809687B2 (en) Monopole antenna that can easily be reduced in height dimension
US6812892B2 (en) Dual band antenna
US6768476B2 (en) Capacitively-loaded bent-wire monopole on an artificial magnetic conductor
US7423591B2 (en) Antenna system
EP0829917B1 (en) Antenna device
JP2002232223A (ja) チップアンテナおよびアンテナ装置
US6573867B1 (en) Small embedded multi frequency antenna for portable wireless communications
US8547184B2 (en) High-frequency coupler and communication device
US6542124B1 (en) Surface mounted chip antenna
JP2003163528A (ja) プリント回路板、表面実装装置アンテナ及び通信装置
US6850195B2 (en) Antenna structure and communication apparatus including the same
US7893879B2 (en) Antenna apparatus
JP2003110344A (ja) 表面実装型アンテナおよびそれを搭載したアンテナ装置
KR20020033582A (ko) 안테나 및 이것을 이용한 전파송수신장치, 및 안테나의제조방법
JP2003188624A (ja) 指向性アンテナ
US20030210189A1 (en) Antenna module whose antenna characteristics are not adversely affected by a mother board
JP2002530909A (ja) パッチアンテナ装置
US7030816B2 (en) Printed PIFA antenna and method of making the same
JP3430809B2 (ja) 送受信装置
US20040125033A1 (en) Dual-band antenna having high horizontal sensitivity
JP2003174315A (ja) モノポールアンテナ
JP2002111367A (ja) パッチアンテナおよびそれを用いたアンテナ装置
US8803754B2 (en) Antenna and wireless device having same