JP2002105315A - 芳香族ポリサルホン樹脂フィルム、その製造方法およびその製造のための溶液組成物 - Google Patents

芳香族ポリサルホン樹脂フィルム、その製造方法およびその製造のための溶液組成物

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JP2002105315A
JP2002105315A JP2000299315A JP2000299315A JP2002105315A JP 2002105315 A JP2002105315 A JP 2002105315A JP 2000299315 A JP2000299315 A JP 2000299315A JP 2000299315 A JP2000299315 A JP 2000299315A JP 2002105315 A JP2002105315 A JP 2002105315A
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polysulfone resin
aromatic polysulfone
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film
manufactured
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Yoshiki Matsuoka
祥樹 松岡
Manabu Hirakawa
学 平川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性カーボンブラックの分散が良好な芳香族
ポリサルホン樹脂溶液組成物、該組成物を用いてなる芳
香族ポリサルホン樹脂フィルムおよびその製造方法を提
供する。 【解決手段】〔1〕芳香族ポリサルホン樹脂(A)、導
電性カーボンブラック(B)、界面活性剤(C)および
溶媒を含み、(A)と(B)の重量比(A)/(B)が
1≦(A)/(B)≦40であり、かつ(B)の最大粒
径が3μm以下である芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成
物。 〔2〕(1)上記〔1〕の芳香族ポリサルホン樹脂溶液
組成物を支持体上に流延して溶媒を含む流延フィルムを
形成し、(2)該流延フィルムから溶媒を蒸発せしめる
芳香族ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法。 〔3〕上記〔2〕の芳香族ポリサルホン樹脂フィルムの
製造方法で製造してなる芳香族ポリサルホン樹脂フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ポリサルホン
樹脂フィルム、その製造方法およびその製造のための芳
香族ポリサルホン樹脂溶液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックは、塗料などの黒色顔
料、タイヤなどゴム製品の補強用充填材料、導電性フィ
ラーとして広範な用途で使用されている。カーボンブラ
ックの性能を十分発現するためには、材料中にカーボン
ブラックが均一分散することが必須であるが、一次粒径
が極めて小さいこと、表面の濡れ性が低いことなどに由
来し、均一分散体を得ることは容易ではない。例えば炭
素 140巻 322頁(1989)には、カーボンブ
ラックやグラファイト微粒子の表面にポリプロピレング
リコールをグラフトし、テトラヒドロフラン中での分散
安定性を著しく向上させた例や、スチレンをグラフトし
たカーボンブラックを充填材に用いることで、未処理の
カーボンブラックを配合した場合よりも、ポリスチレン
フィルムの引張り強度が向上した事例が開示されてい
る。しかしながら、この方法は経済的な観点から現実的
ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、導電
性カーボンブラックの分散が良好な芳香族ポリサルホン
樹脂溶液組成物、該組成物を用いてなる芳香族ポリサル
ホン樹脂フィルムおよびその製造方法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
関し鋭意研究した結果、芳香族ポリサルホン樹脂
(A)、導電性カーボンブラック(B)、界面活性剤
(C)および溶媒を含み、(A)と(B)の重量比
(A)/(B)が特定の範囲であり、かつ(B)の最大
粒径が3μm以下である芳香族ポリサルホン樹脂溶液組
成物により上記課題を解決しうることを見出した。すな
わち本発明は以下の〔1〕〜〔3〕に係るものである。 〔1〕芳香族ポリサルホン樹脂(A)、導電性カーボン
ブラック(B)、界面活性剤(C)および溶媒を含み、
(A)と(B)の重量比(A)/(B)が1≦(A)/
(B)≦40であり、かつ(B)の最大粒径が3μm以
下である芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成物。 〔2〕(1)上記〔1〕の芳香族ポリサルホン樹脂溶液
組成物を支持体上に流延して溶媒を含む流延フィルムを
形成し、(2)該流延フィルムから溶媒を蒸発せしめる
芳香族ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法。 〔3〕上記〔2〕の芳香族ポリサルホン樹脂フィルムの
製造方法で製造してなる芳香族ポリサルホン樹脂フィル
ム。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、芳香族ポリサル
ホン樹脂とは、アリーレン単位、エーテル結合およびサ
ルホン結合の三者が必須の繰り返し構造単位であって、
アリーレン単位がエーテルおよびサルホン結合とともに
無秩序にまたは秩序正しく位置するポリアリーレン化合
物である。本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂とし
ては、例えば、下記一般式(I)で示される繰り返し構
造単位からなる構造を含む樹脂、(II)で示される構造
を含む樹脂、または(III)で示される構造を含む樹脂
等があげられる。
【0006】 ……(I) [式(I)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数2〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン
原子を表し、pは0〜4の整数である。同一または異な
る核上の各R1は相互に異なっていてもよい。各pは相
互に異なっていてもよい。]
【0007】 ……(II) [式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。m、nは平均繰り返し
構造単位数を示し、m、nは0.1から100までの正
数である。同一または異なる核上の各R1は相互に異な
っていてもよい。各pは相互に異なっていてもよい。]
【0008】 ……(III) [式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。m、nは平均繰り返し
構造単位数を示し、m、nは0.1から100までの正
数である。同一または異なる核上の各R1は相互に異な
っていてもよい。各pは相互に異なっていてもよい。各
qは相互に異なっていてよい。]上記式(II)および式
(III)で示される構造はブロック共重合体を示してい
るが、本発明においては、それぞれの繰返し構造単位を
含むランダム共重合体や交互共重合体をも示すものとす
る。
【0009】本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹
脂としては、(II)または(III)で表される構造中に
おける(m/m+n)は0.8以上であることが好まし
い。また、(III)の構造中のqは1であることが好ま
しい。
【0010】これらの中で、(I)で示される繰り返し
構造単位からなる構造を含む樹脂、(II)で示される構
造を含む樹脂が好ましく、さらに好ましくは(I)で示
される繰り返し構造単位からなる構造を含む樹脂であ
る。
【0011】(I)の繰り返し構造単位からなる構造を
含む樹脂のなかで、全てのpが0であるもの、即ち、下
式で示される繰り返し構造単位からなる構造を含む樹脂
がより好ましく、一分子鎖あたり下式で示される繰り返
し構造単位を80モル%以上含有する樹脂が特に好まし
い。
【0012】
【0013】さらに、本発明に使用される芳香族ポリサ
ルホン樹脂には、上述の構造に加えて、例えば、(IV)
から(VI)の例で示される繰り返し構造単位を含んでい
てもよい。
【0014】 ……(IV)
【0015】 ……(V)
【0016】 ……(VI) (式(VI)中、Xは炭素数1〜20の有機基、2価の硫
黄原子または酸素原子を表す。)ここに、炭素数1〜2
0の有機基としては、例えばイソプロピリデン基、エチ
リデン基などがあげられる。
【0017】次に本発明の芳香族ポリサルホン樹脂組成
物溶液について説明する。本発明の芳香族ポリサルホン
樹脂組成物溶液に使用する溶媒としては通常有機溶剤を
用いる。該有機溶剤としては、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,
2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロ
エタン、1,1,2,2−テトラクロルエタンまたはブ
ロムクロムエタンなどのハロゲン化アルキル類;N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド類;クレゾール
などのフェノール類;γ−ブチロラクトンなどのエステ
ル類;などの芳香族ポリサルホン樹脂の良溶媒を主溶剤
として利用できる。これらの溶剤は単独で使用しても、
複数を混合して使用してもよい。さらにメタノール、エ
タノール、イソプロパノールなどの脂肪族アルコール
類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル類;トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの炭化
水素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;
テトラヒドロフランなどの環状エーテル類;など芳香族
ポリエーテルサルホンの貧溶媒・非溶媒を添加すること
もできる。
【0018】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成
物中の芳香族ポリサルホン樹脂の濃度は5重量%〜50
重量%が好ましく、より好ましくは10重量%〜30重
量%である。濃度が低過ぎると、実効濃度が低く経済的
に不利であるほか、特に厚膜において乾燥の初期段階で
フィルムにオレンジピールが発生し、表面平滑性が低下
する場合がある。さらに、組成物の粘度が低下するた
め、カーボンブラックが凝集・沈降しやすくなるなど問
題が生じることがある。また、濃度が高すぎると、保存
時に該樹脂のゲル化が進行するため保存安定性に劣った
り、カーボンブラックを該樹脂に分散すること自体困難
となる場合がある。
【0019】次に、本発明に使用する導電性カーボンブ
ラックについて説明する。本発明で使用する導電性カー
ボンブラックとしては、 DBP吸油量が100ml/
100g以上であるものが好ましく、150ml/10
0g以上であるものがより好ましい。ここにDBP(ジ
ブチルフテレート)吸油量とは、ASTM−D2414
−88に規定された吸油量を意味する。DBP吸油量が
少なすぎる導電性カーボンブラックを用いると、導電性
の観点からカーボンブラックの添加量が多量となり、該
溶液組成物の溶液粘度が高くなり、取り扱いが困難とな
ることがある。上限は特に限定されないが、製造上の都
合から実際は1000ml/100g以下が好ましく、
750ml/100g以下がより好ましい。市販品の例
としては、350ml/100gのDBP吸油量を有す
るライオン・アクゾ社の商品名ケッチェンブラックE
C、215ml/100gのDBP吸油量を有するキャ
ボット社の商品名バルカンXC−72などがあげられる
が、これらに限定されない。さらに、DBP吸油量の異
なる2種類以上のカーボンブラックを添加して用いるこ
ともできる。
【0020】芳香族ポリサルホン樹脂(A)と導電性カ
ーボンブラック(B)の重量比(A)/(B)は1≦
(A)/(B)≦80、より好ましくは2≦(A)/
(B)≦40の範囲である。(A)/(B)が小さ過ぎ
ると、該溶液組成物の取り扱いが困難であったり、該溶
液組成物を用いて製造されたフィルムの外観が悪くなる
ことがある。大きすぎると導電性が不充分となる場合が
ある。また、該フィルムの外観と導電性の観点から該溶
液組成物中の導電性カーボンブラックの最大粒径は3μ
m以下とする。
【0021】次に本発明で使用する界面活性剤について
説明する。本発明で使用する界面活性剤としては、カー
ボンブラックを最大粒径3μm以下にする観点から、変
性ポリエステル型界面活性剤、ポリエーテルリン酸エス
テル型界面活性剤および酸価が20未満の高分子量ポリ
エステル酸アマイドアミン型界面活性剤からなる群から
選ばれる界面活性剤を使用することが好ましい。ここに
酸価とは、界面活性化剤中のカルボキシル基のモル数と
カルボキシレートアニオンとのモル数の合計を100モ
ルとしたときのカルボキシル基のモル数をいう。高分子
量ポリエステル酸アマイドアミン型界面活性剤の具体例
としてディスパロンDA703−50(商品名 楠本化
成(株)製)、変性ポリエステル型界面活性剤の具体例
としてテキサホール3112(商品名 サンノプコ
(株)製)、ポリエーテルリン酸エステル型界面活性剤
の具体例としてディスパロンDA325(商品名 楠本
化成(株)製)などがあげられるが、これに限定される
ものではない。
【0022】また、導電性カーボンブラック(B)と界
面活性剤(C)の重量比(B)/(C)は、0.5≦
(B)/(C)≦20であることが好ましく、1≦
(B)/(C)≦4であることがより好ましい。該重量
比が小さ過ぎるとフィルムが粘着性を帯びることがあ
り、大き過ぎるとカーボンブラックが分散不良となる場
合がある。
【0023】次に、芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成物
の製造方法について説明する。本発明では、予め芳香族
ポリサルホン樹脂(A)と溶媒より溶液を調整してお
き、これにカーボンブラック(B)と界面活性剤(C)
とを該溶液に添加し、該溶液中に分散して製造すること
が好ましい。分散は塗料やインキの製造で利用されてい
るボールミル、サンドミル、アトライター、振動ミル、
ローラーミル、ディゾルバーなどの高速ミキサー、ホモ
ジナイザー、コロイドミルなどを用いて、最大粒径が3
μm以下となるまで分散を行う。
【0024】尚、本発明において最大粒径とは、JIS
K5400の4・7・2に規定された線条法を用い
て、カーボンブラックの分散度を3回測定して、これら
の平均値を求めたときの該平均値をいう。
【0025】また、カーボンブラックの最大粒径をナノ
メーターのオーダーで分散させる必要がある場合は、コ
スモ計器(株)製 商品名 ナノマイザーなどを用いて
分散を行うことが有効である。カーボンブラックをナノ
メーターのオーダーで分散させることで、フィルムに透
明性を付与したり、機械性能を向上させることができ
る。
【0026】また、本発明の芳香族ポリサルホン樹脂溶
液組成物には必要に応じて、レベリング剤、可塑剤など
の各種添加剤を配合することもできる。レベリング剤と
しては、アクリル系、シリコーン系、フッ素系のものが
使用できる。可塑剤としては、芳香族ポリサルホン樹脂
との相溶性が良く、相分離やブリードアウトを生じない
もので、かつ着色の生じないものが好ましい。例えば、
フタル酸系、リン酸系、アジピン酸系、クエン酸系、グ
リコール酸系などの可塑剤が挙げられ、フタル酸ブチル
ベンジル、リン酸トリクレジル、メチルフタリルエチル
グリコレートなどが好ましく用いられる。
【0027】次に本発明の芳香族ポリサルホン樹脂フィ
ルムの製造方法について説明する。本発明の芳香族ポリ
サルホン樹脂フィルムの製造方法においては、(1)本
発明の芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成物を支持体上に
流延して溶媒を含む流延フィルムを形成し(以下流延工
程ということがある)、(2)該流延フィルムから溶媒
を蒸発せしめる(以下、乾燥工程ということがある)こ
とを特徴とする。
【0028】流延工程は、溶媒を含む流延フィルムを支
持体上に形成する工程である。この工程では本発明の芳
香族ポリサルホン樹脂組成物溶液をコンマコーター、リ
ップコーター、ドクターブレードコーター、バーコータ
ー、ロールコーター等を用いて、エンドレスバンドまた
はドラムなどの支持体上に流延するのが一般的である。
尚、支持体には鏡面処理を施したステンレスなどの金
属、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルム、
ガラスなどが用いられるが特に制約はない。
【0029】乾燥工程は、該流延フィルムより溶媒を蒸
発させて、膜状物を形成する工程である。溶媒の蒸発
は、蒸発の効率を向上させるため、加熱により行うこと
が好ましい。加熱は一定温度で行ってもよいが、数段以
上にわたって変化させることが経済性やフィルムの表面
の平滑性の観点から好ましい。乾燥が終了したフィルム
中の残存溶媒量は好ましくは、5重量%以下、より好ま
しくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以
下である。残存溶媒量が多いと、芳香族ポリサルホン樹
脂のガラス転移温度(Tg)が著しく低下するばかり
か、後加工で熱が加わった場合に寸法変化やカールを引
き起こしたり、吸湿を引き起こすことがある。さらに、
残留溶媒が実用段階でのフィルムの周辺部品に悪影響を
与えることもある。
【0030】また、本発明の製造方法において、原料の
芳香族ポリサルホン樹脂のTgと実質的に同等のTgを
有する芳香族ポリサルホン樹脂フィルムを効率よく製造
するためには、芳香族ポリサルホン樹脂のTg以上の温
度で加熱する工程を含むことが好ましい。
【0031】なお、通常は、形成された膜状物を支持体
から剥離して、目的とする芳香族ポリサルホン樹脂フィ
ルムを得る。剥離の方法には特に制限はないが、膜状物
を支持体から連続的に剥離しすることにより長尺の芳香
族ポリサルホン樹脂フィルムを得るこどができる。ま
た、シート状の支持体を用いてバッチ法で短尺の芳香族
ポリサルホン樹脂フィルムを得ることもできる。
【0032】このようにして製造された芳香族ポリサル
ホン樹脂フィルムは、帯電防止コートや導電性フィルム
などに利用できる。
【0033】
【実施例】次に本発明につき実施例をあげ具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、最大粒径は下記方法を用いて測定した。 〔最大粒径〕JIS K5400の4・7・2に規定さ
れた線条法を用いて分散度を3回測定し、これらの平均
値を最大粒径とした。ただし、一つの溝に10mm以上
の線条が3本並んで現れなかった場合、もしくは線条が
全く観察されなかった場合の分散度は0μmとした。
【0034】実施例1 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名ディスパロンDA70
3−50(楠本化成(株)製 高分子量ポリエステル酸
アマイドアミン 酸価(100%)15、アミン価(1
00%)40)2g、商品名東芝ガラスビーズGB50
3M(東芝バロティーニ(株)製、ガラスビーズ)65
gを秤りとり、商品名コンディショニングミキサーMX
201(株)シンキー製、攪拌脱泡ミキサー)を用いて
5分間分散を行った。分散後ガラスビーズを取り除き、
カーボンブラックの最大粒径を評価した。その結果、線
条が1本も観察されず、優れた分散性を示すことが判明
した。
【0035】実施例2 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20%重量NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名テキサホール3112
(サンノプコ(株)製 変性ポリエステル)2g、商品
名東芝ガラスビーズGB503M(東芝バロティーニ
(株)製、ガラスビーズ)65gを秤りとり、商品名コ
ンディショニングミキサーMX201(株)シンキー
製、攪拌脱泡ミキサー)を用いて5分間分散を行った。
分散後ガラスビーズを取り除き、カーボンブラックの最
大粒径を評価した。その結果、最大粒径が2μmであ
り、優れた分散性を示すことが判明した。
【0036】実施例3 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名ディスパロンDA32
5(楠本化成(株)製 ポリエーテルリン酸エステル)
2g、商品名東芝ガラスビーズGB503M(東芝バロ
ティーニ(株)製、ガラスビーズ)65gを秤りとり、
商品名コンディショニングミキサーMX201(株)シ
ンキー製、攪拌脱泡ミキサー)を用いて5分間分散を行
った。分散後ガラスビーズを取り除き、カーボンブラッ
クの最大粒径を評価した。その結果、最大粒径が3μm
であり、優れた分散性を示すことが判明した。
【0037】比較例1 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名テキサホール963
(サンノプコ(株)製 ポリカルボン酸アミン塩)2
g、商品名東芝ガラスビーズGB503M(東芝バロテ
ィーニ(株)製、ガラスビーズ)65gを秤りとり、商
品名コンディショニングミキサーMX201(株)シン
キー製、攪拌脱泡ミキサー)を用いて5分間分散を行っ
た。分散後ガラスビーズを取り除き、カーボンブラック
の最大粒径を評価した。その結果、最大粒径が20μm
であり、分散性に劣った。
【0038】比較例2 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名テキサホール3061
(サンノプコ(株)製 ポリカルボン酸塩)2g、商品
名東芝ガラスビーズGB503M(東芝バロティーニ
(株)製、ガラスビーズ)65gを秤りとり、商品名コ
ンディショニングミキサーMX201(株)シンキー
製、攪拌脱泡ミキサー)を用いて5分間分散を行った。
分散後ガラスビーズを取り除き、カーボンブラックの最
大粒径を評価した。その結果、最大粒径が11μmであ
り、分散性に劣った。
【0039】比較例3 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名テンロ70(サンノプ
コ(株)製 油溶性ノニオン)2g、商品名東芝ガラス
ビーズGB503M(東芝バロティーニ(株)製、ガラ
スビーズ)65gを秤りとり、商品名コンディショニン
グミキサーMX201(株)シンキー製、攪拌脱泡ミキ
サー)を用いて5分間分散を行った。分散後ガラスビー
ズを取り除き、カーボンブラックの最大粒径を評価し
た。その結果、最大粒径が14μmであり、分散性に劣
った。
【0040】比較例4 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名ディスパロンPW36
(楠本化成(株)製 リン酸エステル)2g、商品名東
芝ガラスビーズGB503M(東芝バロティーニ(株)
製、ガラスビーズ)65gを秤りとり、商品名コンディ
ショニングミキサーMX201(株)シンキー製、攪拌
脱泡ミキサー)を用いて5分間分散を行った。分散後ガ
ラスビーズを取り除き、カーボンブラックの最大粒径を
評価した。その結果、最大粒径が16μmであり、分散
性に劣った。
【0041】比較例5 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名K−SPESE152
(楠本化成(株)製 亜鉛塩/ブチルセルソルブ)2
g、商品名東芝ガラスビーズGB503M(東芝バロテ
ィーニ(株)製、ガラスビーズ)65gを秤りとり、商
品名コンディショニングミキサーMX201(株)シン
キー製、攪拌脱泡ミキサー)を用いて5分間分散を行っ
た。分散後ガラスビーズを取り除き、カーボンブラック
の最大粒径を評価した。その結果、最大粒径が7μmで
あり、分散性に劣った。
【0042】比較例6 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名KS−873N(楠本
化成(株)製 ポリエステルアミン)2g、商品名東芝
ガラスビーズGB503M(東芝バロティーニ(株)
製、ガラスビーズ)65gを秤りとり、商品名コンディ
ショニングミキサーMX201(株)シンキー製、攪拌
脱泡ミキサー)を用いて5分間分散を行った。分散後ガ
ラスビーズを取り除き、カーボンブラックの最大粒径を
評価した。その結果、最大粒径が12μmであり、分散
性に劣った。
【0043】比較例7 ポリカップに商品名スミカエクセルPES5003P
(住友化学工業(株)製、ポリエーテルスルホン、還元
粘度0.51dl/g)の20重量%NMP溶液65
g、商品名ケッチェンブラックEC600JD(ライオ
ンアクゾ(株)製)2g、商品名ディスパロンDA72
5(楠本化成(株)製 高分子量ポリエステル酸アマイ
ドアミン 酸価(100%)20、アミン価(100
%)40)2g、商品名東芝ガラスビーズGB503M
(東芝バロティーニ(株)製、ガラスビーズ)65gを
秤りとり、商品名コンディショニングミキサーMX20
1(株)シンキー製、攪拌脱泡ミキサー)を用いて5分
間分散を行った。分散後ガラスビーズを取り除き、カー
ボンブラックの最大粒径を評価した。その結果、最大粒
径が6μmであり、分散性に劣った。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリサルホン樹脂の溶液
組成物はカーボンブラックの分散性が良好であるため、
耐熱性や耐薬品性を有した帯電防止コートや導電性フィ
ルムに応用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 71/00 71/00 Z 77/12 77/12 // B29K 81:00 B29K 81:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA51 AA64 AA78 AB03 AD02 AE10 AE15 AF37 AH12 AH19 BA02 BB02 BC01 4F205 AA34 AB10 AB18 AC05 AG01 GA07 GB02 GC02 GC07 GE21 GF24 4J002 CF272 CH052 CN031 DA036 FA086 FD312

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリサルホン樹脂(A)、導電性カ
    ーボンブラック(B)、界面活性剤(C)および溶媒を
    含み、(A)と(B)の重量比(A)/(B)が1≦
    (A)/(B)≦40であり、かつ(B)の最大粒径が
    3μm以下であることを特徴とする芳香族ポリサルホン
    樹脂溶液組成物。
  2. 【請求項2】(C)が変性ポリエステル型界面活性剤、
    ポリエーテルリン酸エステル型界面活性剤および酸価が
    20未満の高分子量ポリエステル酸アマイドアミン型界
    面活性剤からなる群から選ばれる界面活性剤であり、
    (B)と(C)の重量比(B)/(C)が0.5≦
    (B)/(C)≦20であることを特徴とする請求項1
    記載の芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成物。
  3. 【請求項3】(1)請求項1または2記載の芳香族ポリ
    サルホン樹脂溶液組成物を支持体上に流延して溶媒を含
    む流延フィルムを形成し、(2)該流延フィルムから溶
    媒を蒸発せしめることを特徴とする芳香族ポリサルホン
    樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】芳香族ポリサルホン樹脂のガラス転移温度
    (Tg)以上の温度で加熱する工程を含むことを特徴と
    する請求項3記載の芳香族ポリサルホン樹脂フィルムの
    製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の芳香族ポリサルホ
    ン樹脂フィルムの製造方法で製造してなることを特徴と
    する芳香族ポリサルホン樹脂フィルム。
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WO2023228875A1 (ja) * 2022-05-27 2023-11-30 住友化学株式会社 樹脂組成物、成形体及びカーボンブラック分散剤

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