JP2002102362A - 生体植え込み医療機器用チェッカー - Google Patents

生体植え込み医療機器用チェッカー

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JP2002102362A
JP2002102362A JP2000295034A JP2000295034A JP2002102362A JP 2002102362 A JP2002102362 A JP 2002102362A JP 2000295034 A JP2000295034 A JP 2000295034A JP 2000295034 A JP2000295034 A JP 2000295034A JP 2002102362 A JP2002102362 A JP 2002102362A
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implantable medical
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JP2000295034A
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Yoshizou Ishizuka
宜三 石塚
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 植え込まれている医療機器の動作状態を日常
的に管理する生体植え込み医療機器用チェッカーを提供
する。 【解決手段】 経皮的通信により、植え込み型医療機器
の動作状態の変更、もしくは前記植え込み型医療機器内
部に記憶されている内部情報の読み出しを指示する指示
情報を与え、前記内部情報を受信する通信部110と、
汎用の情報処理機器との間で前記指示情報あるいは前記
内部情報の入出力を行うための入出力部140と、前記
指示情報あるいは前記内部情報を少なくとも一次的に保
管する記憶部120と、装置全体を制御する制御部10
0と、本チェッカー全体に電力を供給する内蔵エネルギ
ー源180と、前記各構成要素をを内蔵する単一のハン
ドヘルド型筐体と、前記筐体表面に配置されたアクセス
スイッチ105とを備え、アクセススイッチの操作によ
って、前記植え込み型医療機器190に対して前記指示
情報の送信を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体植え込み医療機器
に対して体外から電磁波によって情報の入出力を行う装
置である、生体植え込み医療機器用チェッカーに関する
ものである。特に、植え込み型心臓ペースメーカーや植
え込み型除細動器など、患者の病態の経時的変化や該機
器の動作状態を検出し、その情報に基づいて該機器の設
定内容を変更する必要のある生体植え込み医療機器に対
して有効に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、徐脈や頻拍など不整脈の症状を呈
する心疾患の治療機器として、植え込み型心臓ペースメ
ーカー(以下、ペースメーカーと言う)や植え込み型除
細動器(以下、ICDと記す)が広く用いられている。
これらの治療機器は、半導体技術の進歩と共に小型・軽
量化のみならず、患者の病態に対応した適切な治療モー
ドの選択や、より生理的な制御を実現し、その結果とし
て単なる延命効果に留まらず、高いQOL(Quality Of
Life)を患者に提供することが可能となっている。例
えば、ペースメーカーの適用が必要とされる徐脈性不整
脈患者においては、自己心拍が生理的代謝レベルに必要
とされる心拍数に満たないので、酸素供給能力が不足
し、動悸や目眩、失神といった障害が生ずる。そのた
め、ペースメーカーは、電気パルスを発生する装置(ジ
ェネレータと呼ぶ)の出力を、先端に電極を有するリー
ドを介して心房や心室に挿入し、心臓に対して数百mVか
ら数V程度の振幅のパルス刺激を与えることによって、
心拍数の不足を補って心拍数を生理的に要求されるレベ
ルに近づける働きをするものである。
【0003】ペースメーカーは、Wilson Greatbatchに
よって植え込み型心臓ペースメーカー(U.S.Pat.No.3,0
57,356 "Medical Cardiac Pacemaker" issued 1962)が
発明されて以来、日常生活における恒久的な治療器とし
て著しい進歩を遂げてきた。初期のものは固定レート
で、代謝要求レベルとは関係なく一定の電気パルス刺激
を心臓に与えるものであり、また自発心拍と非同期であ
ったため、血行動態上の大きな問題を有していた。その
後、自発心拍のセンシング手段を内蔵させ、自発心拍検
出時には刺激出力を禁止する方式、即ち、デマンド型の
ペースメーカー(U.S.Pat.No.3,478,746 "CARDIAC IMPL
ANTABLE DEMAND PACEMAKER" issued 1969))や、心房
及び心室に対する刺激及びセンシング手段をそれぞれ内
蔵し、心房、心室の順次性収縮を保つことを可能とした
DDDペースメーカー(U.S.Pat.No.4,312,355 "Heart
Pacemaker" issued 1982)が発明された。また、ディジ
タル方式によるタイマの採用(U.S.Pat.No.3,557,796 "
Digital Counter Driven Pacer" issued 1971)に始ま
るディジタル化技術や、刺激レートを体外から変更する
ための電磁波を用いた通信手段の装備(U.S.Pat.No.3,8
33,005 "Compared Count Digitally Controlled Pacema
ker" issued 1974)に始まるプログラマシステムの技術
は、現在のマイクロプロセッサ内蔵型ペースメーカーの
へと発展し、ペースメーカー植え込み患者のQOLに多
大な貢献をするに至っている。
【0004】一方、ペースメーカーをプログラムするプ
ログラマは、初期には患者の心拍の基本レートを設定す
る程度の簡単なものであったが、ペースメーカーの高機
能化に伴い、現在ではペーシング出力の設定、自己心拍
検出閾値の設定、心房同期の心室ペーシングを行う際の
遅延時間(A-V テ゛ィレイ)をはじめとするペーシングパラ
メータの設定、患者の活動度に応じた心拍制御を行う際
に用いられるA-V テ゛ィレイの動的な制御パラメータの設定
などの動作設定機能、また、ペーシングやセンシングの
イベント情報のトレンド・ヒストグラム記録、心筋に接
触しているペーシングリードの状態をチェックするため
のペーシングインピーダンスの記録、内蔵電池電圧の記
録などの記録機能等々、数10項目におよぶ設定・記録
機能を装備している。
【0005】通常、プログラマは、ペースメーカー植え
込みやペースメーカー装着者の定期的な検査の際に用い
られるため、医療施設に備えられているが、電話回線等
の通信手段を用いた遠隔モニタリングやプログラミング
の技術についても古くから考案されてきた(U.S.Pat.N
o.3,768,014 "CARDIAC PACEMAKER RATE/INTERVAL COMPU
TER SYSTEM " Filed 1972),(U.S.Pat.No.3,769,965
"MONITOR APPRATUS FOR IMPLANTEDPULSE GENERATOR" F
iled 1971),(U.S.Pat.No.4,142,533 "MONITORING SY
STEM FOR CARDIAC PACERS" Filed 1976)。また、近年
では、衛生通信を用いた、植え込み型医療機器の動作モ
ニタリング、動作パラメータの変更、緊急時の補助とい
った遠隔操作が可能なシステムも考案されている(U.S.
Pat.No.5,752,976 "WORLD WIDE PATIENT LOCATION AND
DATA TELEMETRY SYSTEM FOR IMPLANTABLE MEDICAL DEVI
CES" Filed 1995)。
【0006】このように、ペースメーカーのプログラマ
システムは、植え込まれているペースメーカーの動作状
態を的確に把握し、所望動作状態になるよう医師が処置
するために多大な恩恵を与えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プログ
ラマの操作は極めて複雑かつ専門的であるため、その操
作は医師など医療従事者に限られ、ペースメーカー装着
者(以下、PM装着者と記す)自身が自らの判断でペー
スメーカー内部の情報にアクセスすることは不可能であ
った。ペースメーカーは最も成功した人工臓器と言われ
ている現在であるが、様々な病態や生活環境に応じて完
璧に動作するペースメーカーは今もって存在せず、それ
ゆえに、定期的な検査、即ちペースメーカークリニック
において、PM装着者の愁訴や健康状態を考慮して、ペ
ースメーカー内部のモニター機能や動作状態を把握し、
より適切な動作となるべく制御パラメータの変更を行わ
なければならない。ペースメーカークリニックは、医療
施設において通常3〜6ヶ月に1度開催されるが、1日
に多くのPM装着者を検査するために、待ち時間が長
い、充分なサービスが受けられないといった問題もあ
る。PM装着者の愁訴が如何なる状況下での経験に基づ
くものかを的確に判断するには、心内心電図、センシン
グやペーシングのイベント情報、レート応答制御のため
のセンサ情報等、膨大な情報の記録をペースメーカー自
体に行わせ、医師がそれらを定期検査時において読み出
すことになるが、限られた時間に多くのPM装着者を検
査しなければならないペースメーカークリニックにおい
て、これは医師へ大きな負担を強いることになる。
【0008】PM装着者が何らかの異常を感じたとき
に、PM装着者自身が体外からハンドヘルド型の装置に
よって指示を与え、一定時間、心内心電図などのセンシ
ング情報をペースメーカーに記録させるもの(リモート
アシスタント機能,Medtronic社)が市販されている
が、PM装着者がその情報をその場で見ることができ
ず、PM装着者が医療施設に赴いて医師がプログラマに
よって読み出して、診断を行うためにのみ用いられるも
のである。
【0009】このように、PM装着者が何らかの異常を
感じたとしても、その場でペースメーカーの動作状態を
確認することはできず、仮にペースメーカーと無関係な
作用による異常であったとしても、いたずらにペースメ
ーカーを装着していることへの不安を助長する結果を招
いている。また、PM装着者は60歳以上の高齢者が大
半を占め、80歳以上の人も少なくない。高齢のPM装
着者がペースメーカークリニックに赴くことは、本人や
その家族に多大な負担を掛けることにもなる。
【0010】本発明は、このような事情を鑑みて考案さ
れたものであり、生体内に植え込まれた植え込み型医療
機器に対して、該機器の装着者や医師が必要とする時
に、装着者自身の手によって安全に体外から指示を与え
て、植え込み型医療機器内部の制御状態の選択や変更、
または内部に記憶されている情報の読み出しを行い、植
え込まれている医療機器の動作状態を日常的に管理する
生体植え込み医療機器用チェッカーを提供するものであ
る。
【0011】また、汎用の通信手段によって遠隔的に医
療施設の医師に情報を伝達し、該機器の装着者が医師か
ら適切なアドバイスを受けることを可能にする生体植え
込み医療機器用チェッカーを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明の生体植え込み医療機器用チェッカーは、
経皮的通信が可能な植え込み型医療機器に対して、前記
経皮的通信により、前記植え込み型医療機器の動作状態
の変更、もしくは前記植え込み型医療機器内部に記憶さ
れている内部情報の読み出しを指示する指示情報を与え
る指示手段と、該指示情報に基づく前記植え込み型医療
機器内部に記憶されている内部情報の送信を、前記経皮
的通信により受信する第1受信手段と、前記受信した内
部情報を外部機器に送信する送信手段と、前記指示情報
を外部機器から受信する第2受信手段とを備えることを
特徴とする。
【0013】又、経皮的通信が可能な植え込み型医療機
器に対して、前記経皮的通信により、前記植え込み型医
療機器の動作状態の変更、もしくは前記植え込み型医療
機器内部に記憶されている内部情報の読み出しを指示す
る指示情報を与え、前記内部情報を受信する通信手段
と、汎用の情報処理機器との間で前記指示情報あるいは
前記内部情報の入出力を行うための入出力手段と、前記
指示情報あるいは前記内部情報を少なくとも一次的に保
管する記憶手段と、装置全体を制御する制御手段と、本
チェッカー全体に電力を供給する内蔵エネルギー源と、
前記各構成要素を内蔵する単一のハンドヘルド型筐体
と、前記筐体表面に配置された第1スイッチ手段とを備
え、前記第1スイッチ手段の操作によって、前記植え込
み型医療機器に対して前記指示情報の送信を行うことを
特徴とする。
【0014】また、その一つの態様において、前記記憶
手段に記憶された情報のうち、少なくとも一部の情報も
しくは該情報に基づく関連情報を表示する表示手段を更
に有する。
【0015】また、その一つの態様において、前記筐体
外面に1またはそれ以上の第2スイッチ手段を有し、該
第2スイッチ手段の操作により、前記記憶手段に記憶さ
れた情報の中から、少なくともその一部の情報もしくは
該情報に関連する情報を選択して、前記表示手段に表示
する。
【0016】また、その一つの態様において、前記指示
情報を保管する記憶手段は複数の指示情報を記憶し、前
記筐体外面に1またはそれ以上の第3スイッチ手段を更
に有し、前記第3スイッチの操作により、前記複数の指
示情報の中から少なくとも1つの情報を選択して、前記
植え込み型医療機器に送信する。
【0017】また、その一つの態様において、前記指示
情報は、前記チェッカーに予め設定されてある指示情報
と、前記入出力手段を通じて前記汎用の情報処理機器に
よって設定された指示情報とを含む。
【0018】また、その一つの態様において、前記入出
力手段は、汎用の情報処理機器と電気的接点を介さずに
情報の送受が可能である。
【0019】また、その一つの態様において、前記入出
力手段は、前記生体植え込み医療機器に指示情報を与え
る通信手段と共用される。
【0020】また、その一つの態様において、前記チェ
ッカーの動作状態の変化を、光または音または振動等操
作者が体感できる手段、あるいはこれらを併用した手段
を更に有し、前記手段によって前記チェッカーの動作状
態の変化を操作者に認知させる。
【0021】また、その一つの態様において、前記光ま
たは音または振動等操作者が体感できる手段、あるいは
これらを併用した手段は、動作の種類、あるいは正常か
エラーかによって、その物理量を切り替える。
【0022】また、その一つの態様において、前記植え
込み型医療機器の内部情報の読み出し情報は、前記第1
スイッチ手段が押下される時点よりも少なくとも1分前
までの植え込み型医療機器の動作状態に関連する情報を
含む。
【0023】かかる構成により、本発明の生体植え込み
医療機器用チェッカーは内蔵エネルギー源を内蔵し、ハ
ンドヘルド型の形態であるため、装着者が日常的に容易
に携帯することができる。装着者が必要とする時や装着
者が医師から何らかの指示を受けた時、装着者自身がチ
ェッカーを植え込み型医療機器の植え込み部位近傍の体
表に当て、筐体外面に配置された第1スイッチを操作す
る。チェッカー内部の制御部はこのスイッチの操作を感
知すると、記憶部に保管された指示情報を植え込み型医
療機器に対して送信する。この指示情報は植え込み型医
療機器の動作状態の変更、もしくは植え込み型医療機器
内部に記憶されている内部情報の読み出しを行うもので
あり、植え込み型医療機器の通常の設定に用いられるプ
ログラマのコマンドと共通なものでも構わないが、チェ
ッカー専用に定められたものであっても良い。指示情報
がチェッカーの記憶部内に予め備わっているもの、即ち
規定コマンドである場合は、植え込み型医療機器の装着
者がアクセススイッチを操作すると、常に、定められた
種類の指示を植え込み型医療機器に与えることができ
る。この規定コマンドは、例えば植え込み型医療機器が
ペースメーカーの場合においては心拍数やその日内トレ
ンド、ペースメーカーの働いている割合といった日常的
にチェックしたい項目の読み出しに適している。
【0024】一方、インターネット等の汎用の通信手段
を用いて、病院などから遠隔的に指示情報を汎用の情報
処理機器に伝送し、チェッカーの入出力部を通じて記憶
部内に設定することも可能であるので遠隔的に植え込み
型医療機器を操作することも可能である。この場合のコ
マンド、即ち外部コマンドは、基本的に医師の指示によ
るものであり、医師がチェックしたい情報や設定したい
パラメータの書き換え等の指示といった専門的なものと
なる。
【0025】生体内に植え込まれた植え込み型医療機器
がこの指示情報を受信すると、指示情報に基づく動作を
行う。指示情報が動作状態の変更であれば、指示に基づ
く動作状態の変更を行い、その実行終了をチェッカーに
送信する。あるいは、指示情報が内部情報の読み出しで
あれば、指示に基づく内部情報をチェッカーに送信す
る。
【0026】この内部情報はチェッカー内部の記憶部に
一次的保管され、この保管された情報もしくは該情報に
基づく関連情報が表示部に表示される。情報読み出しが
前述した外部コマンドによるものであれば、この情報は
入出力部を経由して汎用の情報処理機器に出力すること
ができる。そして、インターネット等の汎用の通信手段
を用いて、病院などへ遠隔的に内部情報を伝達すること
が可能となる。
【0027】筐体外面に第2スイッチ手段を備えること
により、該第2スイッチ手段の操作で記憶部に記憶され
た情報の中から、少なくともその一部の情報もしくは該
情報に関連する情報を選択して表示することが可能であ
る。
【0028】筐体外面に第3スイッチ手段を備え、更
に、指示情報を保管する記憶部に複数の指示情報を記憶
させることにより、第3スイッチ手段の操作により、複
数の指示情報の中から、その時の目的に合った一つの指
示情報を選択して植え込み型医療機器に送信することが
できる。
【0029】ハンドヘルド型筐体の入出力部が電気的接
点を持たないタイプ、例えばIrDAのような赤外線通信の
場合においては、汎用の情報処理機器との接続が極めて
容易となり、また、多数回の装着にも電気的接点のよう
に接触不良などの問題を生ずることが無い。
【0030】本チェッカーの動作状態の変化を、光また
は音または振動等操作者が体感できる手段、あるいはこ
れらを併用した手段を搭載することによって、操作者が
ペースメーカー植え込み部位に本チェッカーを当てたま
まの状態で、指示情報が正常に受け付けられたか、ある
いはエラーが発生したことを認知することができる。更
に、これらの手段は、動作の種類、あるいは正常かエラ
ーかによって、その物理量を切り替えれば、装着者はチ
ェッカーの動作状態について、より的確な判断が可能と
なる。
【0031】植え込み型医療機器からの内部情報の読み
出し情報として、前記第1スイッチが押下される時点よ
りも少なくとも1分前までの植え込み型医療機器の動作
状態を含む場合、植え込み型医療機器の装着者は何らか
の異常を感じたときにアクセススイッチを押すことによ
って、その異常が装着者の保有している植え込み型医療
機器の制御状態と関連するものであるかどうかを判断す
ることが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の生体植え込み医療
機器用チェッカーの実施の形態を詳細に説明する。尚、
本実施の形態では、生体植え込み医療機器として心臓ペ
ースメーカー(以下PM)を想定し、本発明を植え込み
型心臓ペースメーカーチェッカー(以下PMチェッカ
ー)として応用した場合について、図面参照して具体的
に説明する。
【0033】<本実施の形態のPMチェッカーの構成例
>図2はPMチェッカー200の外観の実施の形態を示す
図である。
【0034】図2のように、PMチェッカー200の全体
の寸法は手のひらにちょうど入る大きさである。すなわ
ち、この寸法が可能なように設計され、各要素や部品な
どが選択される。外周上の一辺にデータ入出力部となる
IrDAポート205が形成されており、汎用のパーソナルコ
ンピュータと非接触にて通信を行うことができる。デー
タ入出力部の反対側の一辺にはアクセススイッチ201が
設けられ、PMチェッカーを把持した状態において、人
差し指で押下しやすい位置に配置されている。PMチェ
ッカーの片面には液晶表示面202が配置され、PMチェ
ッカー内部には通信コイル(破線で示す)203が配置さ
れている。液晶画面としては、画素数128ドット×64ド
ット以上、望ましくは256ドット×128ドット程度のもの
が好ましい。
【0035】体内に植え込まれた医療機器と通信を行う
場合は、PMチェッカー200を図のような持ち方で植え
込み部位の体表にPMチェッカーの片面を当てた状態
で、アクセススイッチ201を押す。通信コイル203は、体
内に植え込まれた医療機器に対して、所定のコマンドを
送信し、そのコマンドに基づいて医療機器側から送信さ
れる情報を同じ通信コイル203によって受信する。植え
込み型ペースメーカーや植え込み型除細動器では、体外
のプログラマとの通信において、一般的に、半二重双方
向シリアル通信プロトコルを用いている。従って、送信
と受信が同時に行われることは無いため、通信コイル20
3を送信と受信に共用することができる。表示部202はこ
の受信された情報、あるいはそれに関連する情報を表示
する。表示部202の横に配置された複数の選択スイッチ2
04は、受信された情報の中から必要とするものを選択す
るのに用いられる。アクセススイッチ201や選択スイッ
チ204は本実施の形態のようにボタン式のものでも良い
が、現在広く用いられている液晶パネル上のタッチセン
サのようなものでも良い。その場合にはスイッチがPM
チェッカーのソフトウェアによって液晶表示される。
【0036】PMチェッカー200の具体的な構成を図1
のブロック構成図に示す。
【0037】図1において、CPU101と制御プログラ
ム及び既定コマンドのような固定データが格納されたR
OM102を主体とする制御部100は、PMチェッカー全体
の動作を制御する。CPU101としてはHALT/RELEASE機
能及び割込入力機能を有するものが適している。通信部
110、記憶部120、表示部130、入出力部140など各部への
データの入出力は、データバス150を介して行われる。
アドレスバス160に接続されるアドレスデコーダ161は、
CPUシステムの一般的な手法と同様に、各部へデータ
を入出力する際のアドレス指定を司る(具体的な接続関
係は省略している)。割込フラグレジスタ103は、選択
スイッチ104の押下検出や通信部110におけるデータのシ
リアル/パラレル変換(データ入力時)やパラレル/シ
リアル変換が終了したタイミングの検出に用いられる。
【0038】記憶部120は一般的なRAMで構成され
る。記憶部のメモリ空間は図3に示されるように、CP
U101の処理に用いるワーク領域310、既定コマンド情報
記憶領域320、外部コマンド情報記憶領域330、カスタム
コマンド情報記憶領域340に大別される。ワーク領域310
には、外部コマンドレジスタ311とカスタムコマンドレ
ジスタ312といったソフト的なレジスタや、通信時に一
時的に用いられる送信バッファ領域313、受信バッファ
領域314等が含まれる。
【0039】ここで、既定コマンドは、PMチェッカー
の表示項目に対応した情報をペースメーカーから読み出
せるよう予め定められたコマンドであり、読み出された
情報を既定コマンド情報記憶領域320に保存する。既定
コマンドは、製品製造時にROM102内の既定コマンド
レジスタ102aに書き込まれたものであり内容を変えるこ
とは出来ない。
【0040】カスタムコマンドも装着者自身への情報提
供を目的とするものであるが、外部通信によってRAM
310内のカスタムコマンドレジスタ312にコマンドを書き
込むことによって、既定コマンドとは異なる指示をペー
スメーカーに与えることができる。この応用としては、
例えば発作性心房細動が時々みられるPM装着者に、オ
ートモードスイッチ機能の働いたイベントを表示させる
ような指示を与えることが考えられる。PM装着者は日
常的にこのようなイベントをチェックし、その発生頻度
が高まるようであれば、病院でのより精密な診断や治療
を受けるための判断情報とすることができる。
【0041】一方、外部コマンドレジスタ311は、入出
力部140を経由して、図示されていない汎用情報処理機
器から送られる外部コマンドを記憶する領域である。外
部コマンド情報記憶領域330は、この外部コマンドによ
って得られたPM内部情報を記憶する領域である。外部
コマンドは基本的に医師によって操作されるので、コマ
ンドやペースメーカー190から読み出された情報につい
ては、PMチェッカー200での画面表示は行われない。
【0042】<本実施の形態のPMチェッカーの動作例
>本PMチェッカーの全体の動作フローチャートを図4
に示す。図1の構成図と図4の動作フローチャートに従
い、その動作の概略を説明する。
【0043】PMチェッカーの動作は、アクセススイッ
チ105を押下した時点から始まる。電源オフ時において
は、消費電力を抑えるために、非使用時は電力消費の大
きな表示部130や通信部110などは電源がオフの状態とな
っている。しかし、CPU101や制御ロジックを主体と
する制御部100や記憶部120はディジタル系であるため、
信号変化の無い状態、即ち非稼働状態であるならば消費
電流は微弱なものである。そのため、これらの回路に
は、電池180から直接配線される電源ラインVBATが常に
接続された状態となっている。従って、記憶部120に記
憶されている情報はシステムが非稼働の状態でも保存さ
れる。
【0044】システムの稼働/非稼働の状態は、CPU
101のHALT/RELEASE端子(H/R)に入力される信号がハイ
(稼働)かロー(非稼働)かで決まる。稼働状態とは、
具体的にはCPU101に内蔵されている発振回路が起動
し、クロックをCPU101全体に供給する状態である。H
ALT/RELEASE端子に入力される信号は、制御部内のフリ
ップフロップ(FF1)106から出力される。アクセススイ
ッチ105を押すことにより、フリップフロップ106がセッ
トされてH/R端子にハイレベルのロジック信号を出力
し、CPU101が稼働する。この信号は電源スイッチ107
の制御信号にもなっており、電源スイッチ107を閉路状
態として電源ラインVSUPに電池電圧を供給する。VSUPは
表示部130、通信部110、入出力部140などの電源ライン
となる。
【0045】電源スイッチ107としては、ロジック信号
でオンオフ制御が可能な半導体スイッチが望ましいが、
リードリレーのようなものでも可能である。アクセスス
イッチ105の出力は割込フラグレジスタ103の1つの入力
にも接続されており、アクセススイッチ105の押下がト
リガとなって、割込フラグレジスタ103の中のアクセス
フラグがセットされる。
【0046】電源オン直後は表示ルーチン(S10)が
実行され、PMチェッカーの表示画面には既定コマンド
情報記憶領域320の内容が表示される。前述したよう
に、PMチェッカー200内部のRAM120は電源オフ時に
もデータが消失しないので、この内容は、前回に電源オ
フとなった直前の表示内容となる。表示ルーチンは、具
体的には、RAM120内の既定コマンド情報記憶領域320
のデータを予め定められた表示形式となるような画像デ
ータに変換し、表示部130内のLCD制御回路131に送ら
れる。LCD制御回路131としては、例えばML9050(沖
電気)のように、LCDコントローラ、表示RAM、L
CDドライバ、LCD駆動用電源回路などを1チップに
まとめた専用LSIを用いることができる。
【0047】CPU101は表示ルーチンを終えるとメッ
セージフラグをチェックする(図示せず)。後述するよ
うに、PMチェッカーは各種動作状態においてメッセー
ジをROM102のメッセージ領域102bから読み出して画
面に表示するが、その際、対応するメッセージフラグが
RAM102内のCPUワーク領域310に設定される。シス
テム起動直後は全てのメッセージフラグがリセットされ
ている。
【0048】次にCPU101はアクセスフラグをチェッ
クする(S20)。システム起動時は、前述したよう
に、アクセスフラグがセットされているので、CPU10
1は図6に従って後述する経皮通信処理サブルーチン
(S60)を実行する。経皮通信モードはPMチェッカ
ーとペースメーカーとの通信を行う。サブルーチン終了
後、アクセスフラグはリセットされる(S61)。
【0049】次に、CPU101は外部通信フラグをチェ
ックする(S30)。外部通信フラグがセットされてい
ることが検出された場合、CPU101は図9に従って後
述される外部通信処理サブルーチンを実行する(S9
0)。サブルーチン終了後、外部通信フラグはリセット
される(S91)。
【0050】次に、CPU101は秒フラグをチェックす
る(S40)。秒フラグは、図2の中のリアルタイムク
ロック(RTC)108から、1秒間隔で発生するフラグであ
る。秒フラグが0の場合、CPU101はHALT状態に移行
する。秒フラグがセットされていることが検出された場
合、CPU101は図5に従って後述するタイマ処理サブ
ルーチンを実行する(S50)。
【0051】(タイマ処理サブルーチンS50)タイマ
処理サブルーチンの動作フローチャートを図5に示す。
【0052】このルーチンでは各種動作の途上で表示部
130に出力されるメッセージを一定時間でクリアするた
めのタイマの機能(S51〜S54)と、PMチェッカ
ーが後述するプログラマモードとなった場合、プログラ
マモードが使用可能な時間制限を行うタイマとしての機
能(S55〜S58)とがある。タイマ処理サブルーチ
ン終了後、秒フラグはリセットされる(S80)。
【0053】次に、CPU101は外部出力要求フラグを
チェックし(S81)、フラグが立っていると、外部通
信ポート141に受信要求コマンドを出力する(S8
2)。
【0054】次に、CPU101は操作タイマをチェック
し(S83)、もし、操作タイマがタイムリミットとな
ったならば、図2のフリップフロップ(FF2)109のセッ
ト端子にハイレベルのロジックパルス信号を瞬間的出力
し、フリップフロップ109をセットする。フリップフロ
ップ109の出力はフリップフロップ106のリセット端子に
入力されているので、フリップフロップ109出力がハイ
レベルと同時にフリップフロップ106はリセットされ
る。その結果、スイッチ107が開き、電源VSUP側への電
池電圧供給は停止される(S84)。更に、フリップフ
ロップ106の反転出力がタイマレジスタ109のリセット端
子に接続されているため、フリップフロップ109の出力
はリセットされる。そのため、フリップフロップ106は
アクセススイッチ105の入力受け付け可能な状態とな
る。
【0055】次に本実施の形態におけるPMチェッカー
の通信動作について詳述する。
【0056】(経皮通信処理ルーチンS60)経皮通信
処理における動作フローチャートを図6A、図6Bに示
す。また、それに応答するPM側の動作フローチャート
を図7に示す。
【0057】経皮通信動作では、最初に、表示面上のメ
ッセージ表示をクリアする(S601;メッセージが表
示されている場合)。クリア後は通常画面に戻る(S6
02)。
【0058】次に、RAM120内の外部コマンドレジス
タ311が検索される(S603、S604)。もし、外
部コマンドが無ければ、次にカスタムコマンドレジスタ
312が検索される(S605、S606)。このレジス
タにもコマンドが無ければ、ROM102内に記述されて
いる既定コマンドが選択される(S607)。これらい
ずれか選択されたコマンドは、ワーク領域310に設定さ
れた送信バッファ領域313に一次保管される。更に、R
OM102内のメッセージ領域からメッセージ「通信中」
を選択してPMチェッカー画面に表示する。
【0059】次に、PMチェッカー200は、ペースメー
カー109に対してインテロゲートパルスを出力する(S
608〜S614)。これは、ペースメーカー190を通
信状態にするためのものである。インテロゲートの方式
はペースメーカー側の仕様に関連するが、1つの例とし
ては、単にバーストパルスを繰り返し出す方式について
説明する。
【0060】まず、CPU101は秒フラグを監視して、
秒フラグが1となった時にデータバス150を経由してオ
ール1のデータを通信部110に送る(同時に秒フラグを
クリアする)。このデータはP/S変換部111でシリア
ルに変換され、更に変調回路112によってキャリア周波
数で変調された後、ドライバ113によって通信コイルを
駆動する。その結果、ペースメーカー190に対して1キ
ャラクタ長のバースト波が出力される。キャリア周波数
は、ペースメーカーにおいては通常、数10KHz〜数100KH
z程度の周波数帯の単一キャリア周波数で変調される。
インテロゲートパルスを1パルス送出後、ペースメーカ
ーからのレスポンスを待つ。同時に秒フラグを監視し、
もし、次に秒フラグが1になるまでにレスポンスが受信
されなかった場合は、再び前記の過程でインテロゲート
パルスを1パルス送信する。所定回数、例えば60回イ
ンテロゲートパルスを送信してもレスポンスが受信され
ない場合は、エラーメッセージ「通信できませんでし
た」がROM内のメッセージ領域から選択され、PMチ
ェッカー画面202に表示される。エラーメッセージ表示
後、経皮通信処理ルーチンからエスケープし、メインル
ーチンに戻る。
【0061】ペースメーカー190はこの通信コイル114か
ら出力されたインテロゲートパルスを検出すると(S7
1、S72)、レスポンス信号をPMチェッカー200に
送信する(S73)。このレスポンス信号はPMチェッ
カー側の通信コイル114に入射し、増幅器115で後段の処
理に必要なレベルまで増幅された後、復調回路116にて
キャリア周波数成分が除かれシリアルロジック信号とな
る。このシリアルロジック信号はS/P変換器117によ
ってシリアル形式からパラレル形式の信号に変換され
る。S/P変換器117は一般的にはシフトレジスタが用
いられる。レスポンスデータが8ビット分、シフトレジ
スタに保持されると、S/P変換器117から割込信号が
割込フラグレジスタ103へ出力される。CPU101はこの
割り込み信号を検出したならば、レスポンスデータ8ビ
ット分をデータバス150経由にて取り込む。CPU101へ
のデータ転送が終了したならば、S/P変換器117は次
のデータの変換を開始する。この過程は“データ終了”
のレスポンスデータが検出されるまで繰り返され、全レ
スポンスデータがRAM120のワーク領域310の受信バッ
ファ領域314に記憶される。
【0062】レスポンスデータが検出されたならば、P
Mチェッカーはコマンドバッファ内のコマンドを送信す
る。送信時においては、送信されるコマンドは8ビット
を単位としてデータバス経由でP/S変換部111に送出
され、MSBあるいはLSBから順次シリアルに変換されて変
調回路112に送られる。変調されたシリアル信号は、ド
ライバ113に入力され、通信コイル114を駆動する。8ビ
ット分の送信が終了した段階で、P/S変換部は割り込
み信号を割込フラグレジスタ103へ出力する。CPU101
はこの割り込み信号を検出して、次の送信データがあれ
ばその8ビットデータをP/S変換部111に送る。コマ
ンドを形成する一連のデータを送信し終えれば、CPU
101は受信信号の待機状態となる。
【0063】ペースメーカー側ではPMチェッカーから
のコマンドを受信すると(S74)、そのコマンドを解
析し(S75)、対応する処理を実施する(S76)。
この場合の処理として、既定コマンドの場合を例として
挙げれば、コマンド受付直前1分間の心拍数、過去1日
の心拍数トレンドデータ、過去1日あるいは1週間のイ
ベントヒストグラムデータ、過去1日のペーシング率、
内蔵電池電圧といった情報をメモリから読み出し、レス
ポンスデータとしてPMチェッカー側に送信するといっ
たものとなる。アクティビティや呼吸などのレート応答
制御用センサ内蔵型のペースメーカーにおいては、過去
1日の内蔵センサのセンサ出力トレンドデータをこれら
に付加して送信しても良い。
【0064】PMチェッカー側ではこれらの情報を受信
したならば、前述した受信プロセスを経て、受信データ
を受信バッファ領域314に一時的に記憶する。次にCP
U101は受信バッファ領域314の内容のエラーチェックを
行う。もし、エラーが発見された場合はROM内のメッ
セージ領域からエラーメッセージ「もう一度やり直して
ください」が選択されて、PMチェッカー画面202に表
示される。エラーが無い場合には通信モードに対応した
情報記憶領域に受信バッファ領域314のデータを転送す
る(S615〜S622)。
【0065】既定コマンド通信モードにおいては(S6
29〜S631)、受信バッファ領域314のデータは既
定コマンド情報記憶領域320に転送される。この際の格
納の仕方は、PMチェッカー画面202に表示しやすい
形、例えば数値データに何らかの演算を行ったり、数値
データをグラフデータに変換したりした上で格納しても
良い。既定コマンド情報記憶領域320にデータが格納さ
れた後は、そのデータが前述した電源オン直後のデータ
表示のプロセスと同様、PMチェッカー画面202に表示
される。既定コマンド通信モードにおける通信終了後の
画面表示を図8に示す。既定コマンド通信モードの場
合、得られた情報に基づいてシステムの状態を解析し、
PM装着者へのコメントを表示することも可能となる。
例えば前回の情報と較べて、ペーシング率が著しく高い
場合や著しく低い場合はセンシング機能の不全あるいは
オーバーセンシングといった問題の発生が考えられる。
また、心拍数トレンドグラフを解析することによって、
このような現象の一時的発生も判断することができる。
更に、電池電圧がペースメーカーで規定されている電池
寿命に対応する電圧値に近づいていることも判断できる
ので表1のようなコメントを表示することが考えられ
る。画面への表示が終了したならばCPUは経皮通信処
理サブルーチンからエスケープし、メインルーチンに戻
る。
【0066】経皮通信処理が外部コマンドで行われた場
合は(S627、S628)、前記の受信バッファ領域
314の情報は外部コマンド情報記録領域330に転送され
る。この情報は外部通信モードにおいて、外部通信ポー
トからパソコン等の汎用情報処理機器へ送信されるもの
であり、PMチェッカー画面202に表示されることは無
い。外部コマンド情報記録領域330への転送が終了する
と外部出力要求フラグがセットされる。また、外部コマ
ンドレジスタの内容をクリアする。これは、PMチェッ
カーに書き込まれた外部コマンドの使用を1回のみに制
限するためである。
【0067】経皮通信処理がカスタムコマンドで行われ
た場合は(S624、S625)、前記の受信バッファ
領域314の情報はカスタムコマンド情報記録領域340に転
送される。その場合、通常表示されている既定コマンド
情報の替わりに、カスタムコマンド情報記録領域340の
内容がPMチェッカー画面202に表示される。カスタム
コマンドは既定コマンドと同様、外部通信によってクリ
アされたり、更新されたりしない限り、何度でも使用可
能である。
【0068】カスタムコマンドと既定コマンドの双方を
切り替えて使用するためには、アクセススイッチとは別
にカスタムコマンドスイッチを設け、それを押すことに
よってカスタムコマンドフラグがセットされるようにし
ても良い。更にまた、カスタムコマンドバッファに複数
のカスタムコマンドを記憶できるようにしておき、カス
タムコマンドスイッチによってその中から任意のコマン
ドを選択してから、アクセススイッチを押すという操作
を行うことで用途に応じたコマンドを実行できるように
しても良い。その場合、それぞれのカスタムコマンドに
対応付けられた複数のカスタムコマンドフラグを設け、
図6におけるカスタムコマンドフラグの判定部で検出さ
れたカスタムコマンドフラグに対応するカスタムコマン
ドをカスタムコマンドレジスタから読み出して、コマン
ドレジスタに転送すれば良い。
【0069】(外部通信処理ルーチンS90)次に、P
Mチェッカーとパーソナルコンピュータ(以下、パソコ
ン)との通信、即ち外部通信動作について図9のフロー
チャートに従って説明する。
【0070】メインルーチンにおいて、割込フラグレジ
スタ103内の外部通信フラグが1となっていることが検
出された場合は外部通信動作となる。外部通信フラグは
PMチェッカーが入出力部を介してパーソナルコンピュ
ータと接続され、パーソナルコンピュータから指示情報
が入力された場合に1となる。PMチェッカーの入出力
部140にIrDA規格を用いた場合のデータの入出力は、変
調方式以外、前述したペースメーカーとの通信部110の
場合と同様なものとなる。通常、PMチェッカー側は受
信状態となっており、パーソナルコンピュータから出力
されるシリアルデータをパラレル変換し、1バイトの変
換が終了するたびに割込信号が割込フラグレジスタへ出
力し、外部通信フラグをセットする。CPUはこの割り
込み信号を検出した場合、図9の外部通信処理サブルー
チン実行する。
【0071】このサブルーチンでは、まず外部通信回路
141から出力されるパラレルデータを1バイト毎にデー
タバス150経由で受信バッファ領域314に取り込み、内容
をチェックする(S91、S92)。“データ終了”を
示すコードが検出されたならば、CPU101はデータの
受付を終了し(S93)、コマンド解析を実行する(S
94)。そして、その結果に応じて、以下の表1のよう
な処理を実行する。
【0072】
【表1】
【0073】(1)外部コマンド(S120〜S123) 外部コマンドには「読み出しコマンド」「書き込みコマ
ンド」がある。これらのコマンドはペースメーカーの操
作を行うコマンドであり、読み出しや書き込みの情報の
種類によって、様々な種類のものが存在する。コマンド
解析で外部コマンドと判定された場合は、CPU101は
そのコマンドを前述したRAM上の外部コマンドレジス
タ312に格納する。同時にメッセージ領域からメッセー
ジ「プログラマモード」を読み出し、PMチェッカー表
示画面202上に表示して、メインルーチンに戻る。この
「プログラマモード」の表示は外部コマンドがクリアさ
れる時点まで表示される。
【0074】次に、CPU101はソフト的に動作するプ
ログラマモードタイマをスタートさせる。外部コマンド
は、PM装着者がPMチェッカーをペースメーカー植え
込み部位に当て、経皮通信を行ってはじめてその目的が
達成されるが、もし、何らかの理由により書き込まれて
いる外部コマンドを使用する必要が無くなった場合に
は、長時間経過後に不用意にその外部コマンドがペース
メーカーに送られてしまう可能性もある。それを防止す
るためにプログラマモードタイマは、外部コマンドがレ
ジスタに入力されてから一定時間経過しても使用されな
かった場合は、その外部コマンドをクリアする役割を担
う。PMチェッカーは常にPM装着者の近傍にあるた
め、このタイマの時間長としては数分が適当である。
【0075】(2)カスタムコマンド(S140、S1
41) コマンド解析でカスタムコマンドと判定された場合、C
PU101はそのコマンドを前述したRAM上のカスタム
コマンドレジスタ312に格納する。もし、前述のよう
に、複数のカスタムコマンドが設定できるようにするの
であれば、外部通信プロトコルとして、カスタムコマン
ドに格納するカスタムコマンドレジスタの番号を付与す
る形式とすれば良い。
【0076】(3)転送コマンド(S130〜S13
3) 転送コマンドは読み出しコマンドを実行した後に用いら
れるコマンドである。前述のように、読み出しコマンド
によってペースメーカーから送信された情報は、RAM
内の外部コマンド情報記憶領域330に記憶されている。
転送コマンドが受け付けられると、PMチェッカーはこ
の情報を、入出力部140を介してパソコンに出力する。
出力後、前述の経皮通信処理ルーチンでセットされた外
部出力要求フラグをリセットする。
【0077】(4)クリアコマンド(S110、S11
1) クリアコマンドは誤った外部コマンドをPMチェッカー
に送信した場合等にそのコマンドを取り消すために用い
られる。クリアコマンドを受信した場合、先にPMチェ
ッカー内の外部コマンドレジスタ311に格納された外部
コマンドはクリアされる。
【0078】<他の動作状態認知の例>以上の説明の中
で、PMチェッカーの動作状態をPM装着者に認知させ
る手段としては画面上のメッセージ表示を用いていた
が、他の方法としては、PMチェッカー内部にブザーを
設けておき、PMチェッカーは光または音または振動、
あるいはこれらを併用した手段によって操作者に指示情
報が正常に受け付けられたことを認知させる方法も考え
られる。1つの具体例としては、PMチェッカー内部に
圧電ブザーを内蔵させ、CPUのデータバスに1ビット
分の出力ポートを設ける。前述した各種メッセージ表示
が行われる時にブザーを数秒間鳴らすよう、CPUの制
御プログラムに含めておくことで実現できる。通常の動
作メッセージとエラーメッセージのブザー音のパターン
を替えるようにすれば、操作者に正常に操作が行われた
か、エラーとなったか的確に認知させることができる。
これは、例えば、通常の動作メッセージのブザー音を連
続音とし、エラーメッセージのブザー音を断続音とする
ことで達成できる。
【0079】PMチェッカーがペースメーカーと通信を
行う時は、ペースメーカーの植え込み部位に当てられる
ため、PM装着者は表示画面を視認することが困難とな
るため、このようにブザー音でPM装着者にPMチェッ
カーの動作状態を知らせることは、操作性を大幅に向上
させることになる。ブザーの替わりに発光ダイオード、
あるいは振動子を用いれば、例えば公共の場において、
周囲の人に迷惑にならないような形でPMチェッカーを
用いることが可能となる。この場合の制御の仕方は前述
のブザーの場合と同様であり、単にその出力信号を発光
ダイオード、あるいは振動子を駆動可能なレベルに増幅
することで達成できる。
【0080】<通信部の共用の例>前述のように、一般
的にペースメーカーとプログラマとの間の通信は半二重
双方向シリアル通信プロトコルが用いられている。一
方、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理機器で用
いられているシリアル通信ポートは、前術のIrDA通信ポ
ートの他、RS-232Cが一般的である。RS-232Cは全二重双
方向シリアル通信規格であり、送信と受信を同時に行う
ことが可能である。しかし、単に送信を受信中は行わな
いようにして用いれば、実質的に半二重とすることもで
きる。
【0081】この性質を利用して、ペースメーカーとP
Mチェッカーの通信に用いた通信手段を、パーソナルコ
ンピュータとの通信に使うことも可能である。その場合
は、パーソナルコンピュータ側にペースメーカーに用い
られている通信回路と同様なものを接続し、その通信回
路の入出力ラインをRS-232Cの電圧レベルに変換する。
通信回路は共用されるが、通信プロトコルはペースメー
カー側とパーソナルコンピュータ側で同一にする必要は
無く、それぞれのプロトコルでPMチェッカーのCPU
に通信制御を行わせることができる。
【0082】<直前のペースメーカー情報読み出しの例
>PM装着者が用いているペースメーカーが、ペーシン
グやセンシングのイベント情報を常時、RAMに記録さ
せる機能を有している場合、本PMチェッカーにより、
その記録情報を読み出すことにより、アクセススイッチ
が押下される直前(例えば、1分程度前まで)のペース
メーカーの動作状態に知ることができる。この機能によ
り、PM装着者自身が不自然な脈拍を感じた時、あるい
は周囲の電磁波などの影響が心配された時に、ペースメ
ーカーの制御状態を即座に把握することが可能となる。
【0083】但し、ペーシングやセンシングのイベント
情報を、そのままPMチェッカー画面に表示させても、
一般人にとってはペースメーカーの動作にどのような影
響があったか判断することは難しい。そのため、PMチ
ェッカー側で、取り込まれたイベント全体の傾向に対し
て、短期的(5〜10秒)に起こったイベントの違いに着
目して、予め定められた基準に適合しているか否かを判
断し、制御状態のコメントを表示する方式が考えられ
る。その結果のコメント内容としては、表2のようなも
のが例として挙げられる。
【0084】
【表2】
【0085】ペースメーカーの記録機能がイベントのみ
ならず、心内心電図波形を記録する機能を有する場合
は、更に、直前の心電図情報を得ることもできる。波形
情報は、イベント情報に比べて情報量が極端に多いた
め、ペースメーカーの電力消費に影響する。そのため、
医師がPM装着者の病態を考慮して必要と感じた時に、
本PMチェッカーの外部コマンド機能によって、ペース
メーカーに心電図記録機能を稼働させる指令を与え、更
にカスタムコマンドとして、アクセススイッチが押され
た時に、心電図記録内容を読み出すという機能のものを
PMチェッカーに記憶させておけば良い。異常を感じた
直後などに、PM装着者がペースメーカー植え込み部位
に本PMチェッカーを当てながらアクセススイッチ押し
たならば、それ以前の1分程度の時間長の心内心電図情
報がPMチェッカー側に転送される。このような情報を
PMチェッカーに一定期間蓄積させた後、前述の外部通
信機能を用いて病院内のパソコンに転送し、パソコン画
面上に心電図やイベントの情報を表示させることによっ
て、医師の診断に役立たせることができる。
【0086】<ペースメーカークリニックにおけるPM
チェッカーの使い方の例>定期的なペースメーカークリ
ニック等でPM装着者が病院を訪れたとき、従来のプロ
グラマを用いること無く、PMチェッカーとパソコンに
よりペースメーカー管理を行うことが可能である。
【0087】現在、パソコンを用いてペースメーカー患
者管理を行うことがいくつかの企業から提案されている
が、1例として図10に示す(株)カーシ゛オヘ゜ーシンク゛リサーチ・ラ
ホ゛ラトリーが提案している「ペーシング管理システム」(プ
ログラマとペーシング管理システムの開発;医薬品機構
出資プロジェクト研究発表 第25回研究開発動向セミ
ナー要旨集「次世代ペースメーカーの研究開発」Page36
〜40)を基に、拡張したシステム例が考えられる。この
ペーシング管理システムでは、IrDA通信ポートによりプ
ログラマと双方向で通信を行い、プログラマ220aによっ
て得られたペースメーカー190のデータやペースメーカ
ー190に設定したパラメータ等のデータをパソコン210a
に転送することができる。得られたデータはパソコン上
で稼働する「ペーシング管理ソフト」によってディスプ
レイ上に表示され、ペースメーカー装着者の管理に用い
ることができる。しかしながら、このシステムでは、ペ
ースメーカーからの情報読み出しやペースメーカー190
へのパラメータ設定などの操作はプログラマ220aを用い
て行われるため、医師はパソコン画面から直接ペースメ
ーカーを操作するコマンドを送ることはできない。
【0088】このシステムにおいて、プログラマの替わ
りにPMチェッカー200を用い、PMチェッカーの外部
通信プロトコルをこのシステムの通信プロトコルと同一
のものとすることにより、パソコン210aとのデータのや
り取りが可能となる。「ペーシング管理ソフト」の中
に、PMチェッカー200へ任意のコマンドを出力した
り、PMチェッカー200の外部コマンド情報記憶領域か
らデータを読み込んだりする機能を付与すれば、プログ
ラマ220aを用いること無く、ペースメーカー190からデ
ータを読みとったり、パラメータや制御動作の変更を行
ったりすることが可能となる。更に、パソコン210aをネ
ットワーク250に接続すれば、遠隔のパソコン210bにデ
ータを転送して、パソコン210bに接続する220bでのデー
タ解析も可能である。すなわち、パソコン210aがPM装
着者のパソコンで、パソコン210bが病院やクリニックの
パソコンと考えられる。
【0089】以下に、このシステムの動作について具体
的な一例を説明する。
【0090】医師は、前述のパソコン上に「ペーシング
管理ソフト」が立ち上がっている状態で、PMチェッカ
ーをパソコンの通信ポートに装着した後、アクセススイ
ッチを押す(既に電源が入っているならば、押さなくと
も良い)。PMチェッカーは電源が投入されると経皮通
信処理サブルーチンを実行するが、ペースメーカーに近
接していないため、経皮通信処理は実行されないまま経
皮通信処理サブルーチンから戻り、アイドリング状態
(割込待ち)となる。
【0091】次に、医師は「ペーシング管理ソフト」の
機能を用いて、ペースメーカーからの情報読み出しを指
示する。具体的には「ペーシング管理ソフト」によって
パソコン画面上に表示されている「PM読み出し」とい
うアイコンをマウスポインタで選択するという操作にな
る。「ペーシング管理ソフト」はパソコンの通信ポート
にその機能に対応する「読み出しコマンド」を出力す
る。「読み出しコマンド」出力後は受信状態となり、P
Mチェッカー側からの「受信要求コマンド」待ちとな
る。
【0092】「ペーシング管理ソフト」側からのコマン
ドは、PMチェッカーにおいては「外部コマンド」とし
て扱われる。通信ポートに装着されているPMチェッカ
ーは、パソコンからの「読み出しコマンド」入力を認識
すると外部通信モードとなり、前述した外部通信処理動
作に従って、このコマンドを外部コマンドレジスタに記
憶し、プログラマモードとなる。医師は、PMチェッカ
ー画面に“プログラマモード”とメッセージが表示され
たことを確認したならば、PMチェッカーを通信ポート
から外し、PM装着者のペースメーカー植え込み部位に
PMチェッカーを当て、アクセススイッチを押す。PM
チェッカーは経皮通信モードとなり、前述した経皮通信
処理動作に従って、この「読み出しコマンド」をペース
メーカーに送信し、ペースメーカーの内部情報を外部コ
マンド記憶領域に得る。PMチェッカーは外部通信ポー
トに「受信要求コマンド」を定期的(例えば1秒毎)に
出力する。
【0093】医師はPMチェッカー画面に“受信終了”
のメッセージを確認したならば、PMチェッカーをPM
装着者から外し、再びパソコンの通信ポートに接続す
る。パソコンの「ペーシング管理ソフト」はPMチェッ
カーから出力される「受信要求コマンド」を認識する
と、PMチェッカーに「転送コマンド」を出力する。P
Mチェッカーはこのコマンドを認識すると外部通信モー
ドとなり、前述した外部通信処理動作に従って、外部コ
マンド記憶領域の情報をパソコンに出力する。出力が完
了するとPMチェッカー画面から“プログラマモード”
のメッセージが消える。
【0094】PMチェッカーから読み出された情報、例
えばペーシングパラメータ、ペーシング・センシング閾
値、リードインピーダンス、ペーシング・センシングイ
ベント情報、電池電圧情報等は、「ペースメーカー管理
ソフト」により所定の形式で画面表示される。医師はそ
れらの情報に基づいて、患者の病態や患者に植え込まれ
ているペースメーカーの動作状態を判断し、必要とする
処置を決定する。処置がペースメーカーの制御パラメー
タの変更を要する場合、必要とする「書き込みコマン
ド」を前述の「読み出しコマンド」の送信手順と同様な
プロセスでPMチェッカーに入力した後、それを患者の
ペースメーカー植え込み部位に当て、ペースメーカーに
コマンドを送信する。
【0095】ペースメーカークリニック等、多数のPM
装着者の処置を行うような場においては、PMチェッカ
ーを他の患者のものと取り違えたり、「ペースメーカー
管理ソフト」でパソコン画面に表れている情報が他の患
者のデータであったりすることが起こりうる。そのよう
な時のために、本発明のPMチェッカーが使用可能なペ
ースメーカーとしては、その内部のソフトウェアに「患
者識別情報」を設けておくべきであろう。そして、PM
チェッカーからペースメーカーへ送信される「書き込み
コマンド」は、「患者識別情報」を付加した形式とし、
ペースメーカー内部では、「患者識別情報」がそのペー
スメーカー固有のものと一致した場合のみ、書き込みを
実行するようにすれば、誤設定の危険を回避できよう。
【0096】<遠隔通信によるペースメーカー管理への
使用例>次に本発明のPMチェッカーを用いて、PM装
着者のペースメーカーからの情報の読み出し、並びに情
報の書き込みの実施の形態を説明する。
【0097】まず、病院内のパソコンと家庭内のパソコ
ンがインターネットで接続されているものとする。PM
装着者は、専用の「ペースメーカーサービスソフト」を
立ち上げ、PMチェッカーを家庭のパソコンの通信ポー
トに接続し、病院側の医師へアクセスする。
【0098】この「ペースメーカーサービスソフト」と
しては、例えばマイクロソフト社のウィンドウズ98の
ような汎用のOS下で動作可能なアプリケーションソフ
トであって、インターネットによって病院側の医師と対
話やデータを送受する機能と、パソコンの通信ポートを
経由して、PMチェッカーとデータを送受する機能が備
わっている。
【0099】医師はPM装着者と双方向通信で対話を行
い、その内容に基づいて、必要と思われる情報を得るた
めの「外部コマンド」を家庭内のパソコンに転送する。
家庭内のパソコンで稼働している「ペースメーカーサー
ビスソフト」はこの「外部コマンド」を受け付けたなら
ば、パソコンの通信ポートにそのコマンドを出力する。
この後の操作は、前述のペースメーカークリニックにお
けるPMチェッカーの使い方と同様な手順となるので詳
細は省略する。PM装着者はPMチェッカーをパソコン
の通信ポートから外し、ペースメーカー植え込み部位に
当ててアクセススイッチを押し、ペースメーカーからレ
スポンス情報を得る。PM装着者はPMチェッカーを再
びパソコンに接続し、その情報を病院側へ転送する。医
師は受信した情報を病院内のパソコン上で解析し、必要
な処置を判断する。処置内容としては、PM装着者へ
コメントするだけのもの、ペースメーカーに比較的簡
単な設定変更を要するもの、病院での精査が必要なも
の等に分けられるが、の場合は、必要とされる設定情
報を「外部コマンド」として家庭内のパソコンに送信す
る。「ペースメーカーサービスソフト」はこの「外部コ
マンド」を受け付けたならば、パソコンの通信ポートに
そのコマンドを出力する。PM装着者はPMチェッカー
をパソコンの通信ポートから外し、ペースメーカー植え
込み部位に当ててアクセススイッチを押し、ペースメー
カーに設定情報を書き込む。
【0100】以上のように、本発明のPMチェッカーを
用いることにより、インターネットを介してペースメー
カー設定コマンドをPMチェッカー側に送信できるた
め、患者が病院へ来院する労力を省くことができる。
【0101】尚、遠隔通信で行われるペースメーカーの
設定機能は、万が一にも患者が危険な状態に陥らないよ
うなものに限るべきであることは言うまでも無い。
【0102】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の生体植え込
み医療機器用チェッカーは、生体内に植え込まれた植え
込み型医療機器に対して、該機器の装着者や医師が必要
とする時に、装着者自身の手によって安全に体外から指
示を与えて、植え込み型医療機器内部の制御状態の選択
や変更、または内部に記憶されている情報の読み出しを
行い、植え込まれている医療機器の動作状態を日常的に
管理することができる。
【0103】また、汎用の通信手段によって遠隔的に医
療施設の医師に情報を伝達し、該機器の装着者が医師か
ら適切なアドバイスを受けることを可能にする。
【0104】従って、植え込み型医療機器装着者自身が
植え込み型医療機器の動作を安全な形でチェックするこ
とができ、動作への影響を日常的に把握できるので、植
え込み型医療機器装着者の体調の変化と植え込み型医療
機器の動作状態の関係を的確に判断することが可能とな
る。
【0105】また、植え込み型医療機器の定期検診にお
ける検査の時間を短縮や、遠隔的サービスを可能とし、
植え込み型医療機器装着者の医療施設への移動の労力を
大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における回路ブロック図である。
【図2】本実施の形態の生体植え込み医療機器用チェッ
カーの外観図である。
【図3】本実施の形態におけるメモリマップの概略図で
ある。
【図4】本実施の形態におけるメインルーチンのフロー
チャートである。
【図5】図4におけるタイマ処理サブルーチンのフロー
チャートである。
【図6A】図4における経皮通信処理サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図6B】図4における経皮通信処理サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図7】本実施の形態に対応するペースメーカー側の動
作フローチャートである。
【図8】本実施の形態におけるチェッカー画面表示例で
ある。
【図9】図4における外部通信処理サブルーチンのフロ
ーチャートである。
【図10】ペーシング管理システムの説明図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経皮的通信が可能な植え込み型医療機器
    に対して、前記経皮的通信により、前記植え込み型医療
    機器の動作状態の変更、もしくは前記植え込み型医療機
    器内部に記憶されている内部情報の読み出しを指示する
    指示情報を与える指示手段と、 該指示情報に基づく前記植え込み型医療機器内部に記憶
    されている内部情報の送信を、前記経皮的通信により受
    信する第1受信手段と、 前記受信した内部情報を外部機器に送信する送信手段
    と、 前記指示情報を外部機器から受信する第2受信手段とを
    備えることを特徴とする生体植え込み医療機器用チェッ
    カー。
  2. 【請求項2】 経皮的通信が可能な植え込み型医療機器
    に対して、前記経皮的通信により、前記植え込み型医療
    機器の動作状態の変更、もしくは前記植え込み型医療機
    器内部に記憶されている内部情報の読み出しを指示する
    指示情報を与え、前記内部情報を受信する通信手段と、 汎用の情報処理機器との間で前記指示情報あるいは前記
    内部情報の入出力を行うための入出力手段と、 前記指示情報あるいは前記内部情報を少なくとも一次的
    に保管する記憶手段と、 装置全体を制御する制御手段と、 本チェッカー全体に電力を供給する内蔵エネルギー源
    と、 前記各構成要素を内蔵する単一のハンドヘルド型筐体
    と、 前記筐体表面に配置された第1スイッチ手段とを備え、 前記第1スイッチ手段の操作によって、前記植え込み型
    医療機器に対して前記指示情報の送信を行うことを特徴
    とする生体植え込み医療機器用チェッカー。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段に記憶された情報のうち、
    少なくとも一部の情報もしくは該情報に基づく関連情報
    を表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求
    項1又は2記載の生体植え込み医療機器用チェッカー。
  4. 【請求項4】 前記筐体外面に1またはそれ以上の第2
    スイッチ手段を有し、該第2スイッチ手段の操作によ
    り、前記記憶手段に記憶された情報の中から、少なくと
    もその一部の情報もしくは該情報に関連する情報を選択
    して、前記表示手段に表示することを特徴とする請求項
    3記載の生体植え込み医療機器用チェッカー。
  5. 【請求項5】 前記指示情報を保管する記憶手段は複数
    の指示情報を記憶し、前記筐体外面に1またはそれ以上
    の第3スイッチ手段を更に有し、前記第3スイッチの操
    作により、前記複数の指示情報の中から少なくとも1つ
    の情報を選択して、前記植え込み型医療機器に送信する
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の生体植え込み医
    療機器用チェッカー。
  6. 【請求項6】 前記指示情報は、前記チェッカーに予め
    設定されてある指示情報と、前記入出力手段を通じて前
    記汎用の情報処理機器によって設定された指示情報とを
    含むことを特徴とする請求項2記載の生体植え込み医療
    機器用チェッカー。
  7. 【請求項7】 前記入出力手段は、汎用の情報処理機器
    と電気的接点を介さずに情報の送受が可能であることを
    特徴とする請求項2記載の生体植え込み医療機器用チェ
    ッカー。
  8. 【請求項8】 前記入出力手段は、前記生体植え込み医
    療機器に指示情報を与える通信手段と共用されることを
    特徴とする請求項2記載の生体植え込み医療機器用チェ
    ッカー。
  9. 【請求項9】 前記チェッカーの動作状態の変化を、光
    または音または振動等操作者が体感できる手段、あるい
    はこれらを併用した手段を更に有し、前記手段によって
    前記チェッカーの動作状態の変化を操作者に認知させる
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の生体植え込み医
    療機器用チェッカー。
  10. 【請求項10】 前記光または音または振動等操作者が
    体感できる手段、あるいはこれらを併用した手段は、動
    作の種類、あるいは正常かエラーかによって、その物理
    量を切り替えることを特徴とする請求項9記載の生体植
    え込み医療機器用チェッカー。
  11. 【請求項11】 前記植え込み型医療機器の内部情報の
    読み出し情報は、前記第1スイッチ手段が押下される時
    点よりも少なくとも1分前までの植え込み型医療機器の
    動作状態に関連する情報を含むことを特徴とする請求項
    2記載の生体植え込み医療機器用チェッカー。
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