JP2002100659A - 配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システム - Google Patents

配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システム

Info

Publication number
JP2002100659A
JP2002100659A JP2000290753A JP2000290753A JP2002100659A JP 2002100659 A JP2002100659 A JP 2002100659A JP 2000290753 A JP2000290753 A JP 2000290753A JP 2000290753 A JP2000290753 A JP 2000290753A JP 2002100659 A JP2002100659 A JP 2002100659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
measurement
stress
void
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000290753A
Other languages
English (en)
Inventor
Takakimi Usui
孝公 臼井
Sachiyo Ito
祥代 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000290753A priority Critical patent/JP2002100659A/ja
Publication of JP2002100659A publication Critical patent/JP2002100659A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象の金属配線のストレスボイドの測定
規模を維持しつつ、測定対象の金属配線のストレスボイ
ドの測定精度を向上することができる配線の信頼性測定
方法、半導体装置の製造方法を提供する。さらに、これ
らの方法の実現に最適な半導体製造システムを提供す
る。 【解決手段】 IC、LSI等の半導体集積回路のスト
レスボイドの測定対象の金属配線と、この測定対象の金
属配線の配線長の一部の配線長を有する測定用単位配線
5を形成する<20>。この測定用単位配線5のストレ
スボイドを検出し<22〜24>、この測定用単位配線
5において検出されたストレスボイドを、統計的手法に
基づき、金属配線のすべての配線長において検出された
ストレスボイドとして規模換算する<25B>。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線の信頼性測定
方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システムに
関する。特に本発明は、金属配線のストレスボイド(又
はストレスマイグレーション)の測定精度の向上に好適
でしかも測定規模を縮小することができる配線の信頼性
測定方法、この配線の信頼性測定方法を利用した半導体
装置の製造方法及びこの半導体装置の製造方法を実現す
るための好適な半導体製造システムに関する。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体集積回路、プリ
ント配線基板等の配線基板において、アルミニウム合
金、銅等の金属配線の電気的信頼性を劣化させる要因の
1つにストレスボイドがある。ストレスボイドは、金属
配線に加わるストレスによりボイドが発生し、成長する
現象である。
【0003】半導体集積回路、配線基板等においては、
金属配線のストレスボイドを測定し、金属配線の電気的
信頼性を評価することが、製品の電気的信頼性の維持や
向上に不可欠である。ストレスボイドの測定は、一般的
に、専用の試験パターン(金属配線)が使用されてお
り、この試験パターンの抵抗値上昇の検出により行われ
ている。試験パターンは、LSI等の半導体集積回路の
実際の全配線長に合わせるために、1m〜10m程度の
非常に長い配線長により形成されている。試験パターン
の一端側、他端側にはそれぞれ測定端子(測定パッド)
が電気的に接続されている。この測定端子には、試験パ
ターンの抵抗値を測定するプローバが接触するようにな
っている。プローパはテスタに接続されており、試験パ
ターンの抵抗値上昇はテスタにより測定されるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなストレスボイドの測定方法においては、以下の点
について配慮がなされていなかった。
【0005】(1)まず第1に、ストレスボイドの測定
に使用される試験パターンは、一端側及び他端側に測定
端子を有する2端子測定可能な試験パターンとして形成
されている。このような2端子測定可能な試験パターン
は、測定毎に、測定端子とプローバとの接触抵抗値が異
なってしまい、ストレスボイドの発生に起因する抵抗値
変化を正確に測定することができない。
【0006】(2)第2に、最も重要な課題であるが、
ストレスボイドの測定は、試験パターンにおいて1個の
ボイドを検出しなければならないが、非常に長い配線長
を有する試験パターンにおいては小さなボイドが発生し
ていたとしても、試験パターン自体の配線抵抗そのもの
が非常に大きいので、抵抗値の変化により1個のボイド
を検出することができない。
【0007】図14はストレスボイド試験における抵抗
上昇挙動の配線長依存性を示した図であり、(A)は配
線長Lが400μmの試験パターンの場合、(B)は配
線長Lが1200μmの試験パターンの場合、(C)は
配線長Lが3mの試験パターンの場合をそれぞれ示して
いる。いずれも、横軸は時間(h1/2)、縦軸は抵抗
変化率(ΔR/R(%))である。図14(A)に示
す、最も短い配線長L(=400μm)を有する試験パ
ターンは、抵抗変化率が大きく、ストレスボイドを検出
し易い。これに対して、図14(C)に示すように、半
導体集積回路の金属配線の実際の配線長に合わせた最も
長い配線長L(=3m)を有する試験パターンにおいて
は、抵抗変化率が小さく、ストレスボイドを検出するこ
とが極めて難しい。例えば、図14(A)に示す試験パ
ターンの抵抗変化率の10%をストレスボイド不良基準
に設定すると、図14(B)に示す試験パターンにおい
ては試験パターンの抵抗変化率の3.3%がストレスボ
イド不良基準となり、図14(C)に示す試験パターン
においては試験パターンの抵抗変化率の0.0013%
がストレスボイド不良基準となる。
【0008】図15はストレスボイド試験における試験
パターンの配線長とストレスボイド不良基準との関係を
示す図である。半導体集積回路等の実際には配線長が長
い金属配線においても、最初の1つ目のボイドを検出す
る必要がある。図15(a)に示すように、試験パター
ンの基準配線長Lbにおいてストレスボイド不良基準を
10%に設定した場合、図15(b)に示すように、基
準配線長Lbの2倍の配線長(=2Lb)を有する試験
パターンのストレスボイド不良基準は5%になる。さら
に、図15(c)に示すように、基準配線長Lbの3倍
の配線長(=3Lb)を有する試験パターンのストレス
ボイド不良基準は3.3%になる。このように、ストレ
スボイド不良基準は試験パターンの配線長に応じて変え
る必要があり、実際の金属配線の非常に長い配線長に合
わせた試験パターンのストレスボイド不良基準は非常に
小さくなってしまうので、抵抗測定器の分解能から、事
実上、ストレスボイドを検出することが不可能に近い。
ストレスボイド試験を行い、この結果を半導体集積回路
等の製造プロセスに反映させるためには、ストレスボイ
ドの高い検出感度と、実際の金属配線の配線長に合わせ
た規模との両方が必要不可欠である。しかしながら、現
段階においては、後者の規模を優先するために、ストレ
スボイドの充分な検出感度を得ることができなかった。
【0009】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものである。従って、本発明の目的は、測定対象の金
属配線のストレスボイドの測定規模を維持しつつ、測定
対象の金属配線のストレスボイド(又はストレスマイグ
レーション)の測定精度を向上することができる配線の
信頼性測定方法を提供することである。
【0010】さらに、本発明の目的は、上記目的を達成
するための好適な測定用単位配線を使用した配線の信頼
性測定方法を提供することである。
【0011】さらに、本発明の目的は、測定対象の金属
配線のストレスボイドの測定規模を維持しつつ、測定対
象の金属配線のストレスボイドの測定精度を向上するこ
とができ、製造上の歩留まりを向上することができる半
導体装置の製造方法を提供することである。
【0012】さらに、本発明の目的は、上記半導体装置
の製造方法に好適な半導体製造システムを提供すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の特徴は、(1)測定対象の金属配線
の一部の配線長を有する測定用単位配線を形成する工程
と、(2)測定用単位配線において、ストレスボイドを
検出する工程と、(3)測定用単位配線において検出さ
れたストレスボイドを、統計的手法に基づき、金属配線
のすべての配線長において検出されたストレスボイドと
して規模換算する工程とを少なくとも備えた配線の信頼
性測定方法としたことである。ここで、「測定対象の金
属配線」とは、ストレスボイドを測定する金属配線とい
う意味で使用される。「金属配線」には、例えばアルミ
ニウム配線、アルミニウム合金配線、銅配線、銅合金配
線が少なくとも含まれる。さらに、「金属配線」とは、
IC、LSI等の半導体集積回路の金属配線、液晶表示
装置の液晶表示パネルの金属配線、プリント配線基板、
セラミックス配線基板、炭化珪素基板等の配線基板の金
属配線等が少なくとも含まれる。「測定用単位配線」と
は、測定対象の金属配線と同様な条件で形成され、金属
配線の一部の配線長を有する、金属配線のストレスボイ
ドを検出するための測定専用の配線(試験パターン)と
いう意味で使用される。「測定対象の金属配線の一部の
配線長」とは、金属配線のストレスボイドを測定する領
域のすべての配線長の一部の配線長という意味で使用さ
れる。例えば、測定対象の金属配線の配線長が1m〜1
0mの場合、測定用単位配線の配線長(一部の配線長)
は30μm〜3000μmであることが好ましい。30
μm未満の場合にはストレスボイドが発生しなくなる。
3000μmを超える場合には、測定用単位配線の配線
抵抗(寄生抵抗)が大きくなり、測定用単位配線の抵抗
値に対するストレスボイドの発生による抵抗値の変化分
(抵抗変化率)が小さくなり、ストレスボイドの検出が
非常に難しくなる。「金属配線と同様な条件で形成され
る」とは、金属配線の膜厚、配線幅等の諸条件、金属配
線の製造プロセス条件等と同様の条件において、測定用
単位配線が形成されるという意味で使用される。 「ス
トレスボイドの検出」とは、例えば測定用単位配線に測
定用電流を流し、この測定用単位配線の抵抗変化率を測
定し、ストレスボイドの発生量を検出するという意味で
使用される。すなわち、測定用単位配線の抵抗値の上昇
が大きい場合には、ストレスボイドの発生量が多いこと
を意味している。「測定用単位配線において検出された
ストレスボイドを、統計的手法に基づき、金属配線のす
べての配線長において検出されたストレスボイドとして
規模換算する」とは、金属配線のすべての配線長に相当
する分、測定用単位配線を配線長方向に連続的に繋ぎ合
わせることにより、この繋ぎ合わせた測定用単位配線と
金属配線とが同等のものであると見なし、測定用単位配
線において検出されたストレスボイドを、統計的手法に
基づき、金属配線のすべての配線長において検出された
ストレスボイドとして規模を広げて換算するという意味
で使用される。そして、この「規模換算」は、コンピュ
ータを利用し、ソフトウェアにより処理することが実用
的である。
【0014】このような本発明の第1の特徴に係る配線
の信頼性測定方法においては、測定対象の金属配線の一
部の配線長を有する測定用単位配線を使用してストレス
ボイドの検出を行い、配線抵抗成分を減少することによ
り、ストレスボイドの存在で生じる抵抗変化率を高め、
ストレスボイドの検出感度を高めることができるので、
配線の信頼性測定精度を向上することができる。さら
に、本発明の第1の特徴に係る配線の信頼性測定方法に
おいては、測定用単位配線において検出されたストレス
ボイドを統計的手法に基づき金属配線のすべての配線長
において検出されたストレスボイドとして規模換算して
いるので、実際の半導体集積回路、配線基板等の金属配
線の配線長に対応した規模のストレスボイドの測定を行
うことができる。
【0015】本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特
徴に係る配線の信頼性測定方法の測定用単位配線を形成
する工程を、少なくとも4端子測定可能な測定用単位配
線を形成する工程とする配線の信頼性測定方法としたこ
とである。ここで、「少なくとも4端子」とは、電流測
定に必要な2端子と、電圧測定に必要な2端子との少な
くとも合計4端子を有するという意味で使用されてい
る。
【0016】このような本発明の第2の特徴に係る配線
の信頼性測定方法においては、4端子測定可能とするこ
とにより、測定用単位配線の一端及び他端とそれに接続
されるプローブとの間の接触抵抗値を減少することがで
きるので、測定用単位配線の抵抗値変化のばらつきを減
少することができ、ストレスボイドの測定精度を向上す
ることができる。
【0017】本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特
徴に係る配線の信頼性測定方法の測定用単位配線を形成
する工程を、主組成金属の供給を遮断する物質により一
端及び他端が終端された測定用単位配線を形成する工程
とする配線の信頼性測定方法としたことである。ここ
で、「主組成金属の供給を遮断する物質」とは、例えば
金属配線がアルミニウム配線又はアルミニウム合金配線
の場合にはアルミニウム原子(主組成金属)の供給を遮
断する物質であり、金属配線が銅配線又は銅合金配線の
場合には銅原子(主組成金属)という意味で使用され
る。この「物質」には、タングステン、タンタル、ニオ
ブ、チタン等の高融点金属、この高融点金属の窒化物
等、いわゆるバリアメタルを実用的に使用することがで
きる。「一端及び他端が終端された」とは、主組成金属
の供給がない状態に維持されたという意味で使用され
る。具体的には、測定用単位配線の一端、他端は、その
下層又は上層に配設されたコンタクトホール、スルーホ
ール、ビアホール等の接続孔に埋設された上記バリアメ
タル(主組成金属の供給を遮断する物質)、その下層又
は上層にライナー材として配設されたバリアメタル(同
様に、主組成金属の供給を遮断する物質)のそれぞれを
介在させて、測定用電流を供給する配線に電気的に接続
されている。また、「接続孔」の1個当たりの開口面積
に対する測定用単位配線の体積(容積)が55倍〜60
倍程度から、測定用単位配線のストレスボイドに起因す
る抵抗上昇が顕著に観測されているので、「接続孔」の
1個当たりの開口面積に対する測定用単位配線の体積を
50倍以上に設定することが好ましい。
【0018】このような本発明の第3の特徴に係る配線
の信頼性測定方法においては、測定用単位配線の一端及
び他端を主組成金属の供給を遮断する物質により終端さ
せたので、測定用単位配線への主組成金属の供給がなく
なり、ストレスボイドの検出精度を向上することができ
る。
【0019】本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特
徴に係る配線の信頼性測定方法の測定用単位配線を形成
する工程を、30μm〜3000μmの範囲の間隔にお
いて配線長方向に複数個の電圧モニター用タップが配設
された測定用単位配線を形成する工程とする配線の信頼
性測定方法としたことである。
【0020】このような本発明の第4の特徴に係る配線
の信頼性測定方法においては、30μm〜3000μm
の範囲の間隔において電圧モニター用タップを配設した
ので、本発明の第1の特徴に係る配線の信頼性測定方法
と同様にストレスボイドを発生し易い環境に設定するこ
とができ、かつ必要以上に配線長が長くならずに、測定
用単位配線の抵抗値に対するストレスボイドの発生によ
る抵抗変化率を大きくすることができるので、ストレス
ボイドの測定精度を向上することができる。
【0021】本発明の第5の特徴は、本発明の第4の特
徴に係る配線の信頼性測定方法の測定用単位配線を形成
する工程を、下層又は上層に配設された少なくとも1つ
のダミー接続孔と、このダミー接続孔を通して電気的に
接続され、電気的にフローティングのダミー金属配線と
をさらに備えた測定用単位配線を形成する工程とする配
線の信頼性測定方法としたことである。ここで、「ダミ
ー接続孔」とは、測定用単位配線とダミー金属配線との
間を接続するための接続孔という意味で使用される。こ
の「ダミー接続孔」は、測定対象の金属配線とそれに接
続される他の金属配線との間を電気的に接続する接続孔
と同等のサイズ(例えば、開口寸法等)並びに同等の製
造プロセス条件において形成されている。「ダミー接続
孔」には、コンタクトホール、スルーホール、ビアーホ
ール等の接続孔が少なくとも含まれる。「ダミー金属配
線」とは、測定対象の金属配線とそれに接続される他の
金属配線との接続構造に類似するように(できる限り実
際の構造に対応するように)、測定用単位配線に疑似的
に取り付けた電気伝導には寄与しない金属配線という意
味で使用される。この「ダミー金属配線」は、金属配線
の主組成原子を含んでいるので、測定対象の金属配線と
ほぼ同様の条件において測定用単位配線のストレスボイ
ドを検出することができる。「ダミー接続孔」及び「ダ
ミー金属配線」は、上記本発明の第1の特徴又は本発明
の第4の特徴に係る配線の信頼性測定方法と同様に、3
0μm〜3000μmの範囲の間隔において配設される
ことが好ましい。
【0022】このような本発明の第5の特徴に係る配線
の信頼性測定方法においては、ダミー接続孔及びダミー
金属配線を備えたので、測定対象の金属配線とほぼ同様
の条件下において測定用単位配線を使用したストレスボ
イドの検出を行うことができ、ストレスボイドの測定精
度を向上することができる。
【0023】本発明の第6の特徴は、本発明の第1の特
徴に係る配線の信頼性測定方法の測定用単位配線におい
て、ストレスボイドを検出する工程が、(1)測定用単
位配線の抵抗値を測定する工程と、(2)測定用単位配
線を少なくとも高温度に保持する工程と、(3)高温保
持後において測定用単位配線の抵抗値を測定し、高温保
持前後の抵抗変化率を算出する工程とを少なくとも備え
た配線の信頼性測定方法としたことである。ここで、
「高温に保持する」とは、加速試験温度に保持するとい
う意味で使用される。例えば、「高温」には、150℃
〜300℃の温度範囲を実用的に使用することができ
る。また、「高温保持後において測定用単位配線の抵抗
値を測定する」ことには、高温保持を維持した状態にお
いて測定用単位配線の抵抗値を測定することが少なくと
も含まれ、目的とする「高温」の設定温度に対して±3
℃以内において測定用単位配線の抵抗値を測定すること
が好ましい。設定温度が3℃変動すると、測定用単位配
線の抵抗変化率は±1%程度の変動を生じる。
【0024】本発明の第6の特徴に係る配線の信頼性測
定方法においては、本発明の第1の特徴に係る配線の信
頼性測定方法で得られる効果と同様の効果を得ることが
できる。
【0025】本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特
徴に係る配線の信頼性測定方法の工程(3)の抵抗変化
率を算出する工程の後に、測定用単位配線の抵抗変化率
とストレスボイド不良基準とが比較され、測定対象の金
属配線がストレスボイド不良であるか否かの判定を行う
工程をさらに備えた配線の信頼性測定方法としたことで
ある。ここで、「ストレスボイド不良基準」とは、測定
対象の金属配線において、ストレスボイドが許容される
か、許容されないかの判定基準という意味で使用され
る。「ストレスボイド不良基準」は、半導体集積回路、
配線基板等の特定の金属配線、例えば動作性能を決定す
るようなクロック信号配線の動作性能を劣化させてしま
う抵抗変化率と同等の値に設定することができる。上記
測定対象の金属配線(例えば、クロック信号配線)の配
線長と測定用単位配線の配線長とが異なる場合には、測
定用単位配線の算出された抵抗変化率に、金属配線の配
線長と測定用単位配線の配線長との比の逆数を乗じた抵
抗変化率が「ストレスボイド不良基準」と比較される。
例えば、測定対象の金属配線の抵抗変化率が10%以上
上昇すると、半導体集積回路や配線基板の動作性能(動
作速度)が不良になる場合、「ストレスボイド不良基
準」は10%に設定することができる。「ストレスボイ
ド不良基準」を、10%〜30%の範囲、さらに厳しい
基準としては10%〜20%の範囲に設定することが実
用的である。
【0026】さらに、本発明の第7の特徴に係る配線の
信頼性測定方法において、「ストレスボイド不良基準」
は、以下のように設定することができる。
【0027】(1)測定用単位配線の高温保持前後にお
いて、エレクトロマイグレーション(EM)試験におけ
るメディアン値(MTF:median time to failure)を
測定し、高温保持後にメディアン値が例えば10%以上
短くなるまで高温保持した時間を「ストレスボイド不良
基準」とすることができる。
【0028】(2)測定用単位配線の高温保持前後にお
いて、エレクトロマイグレーション試験における累積不
良(cumulative failure distribution)を測定し、高
温保持前において最初にエレクトロマイグレーション不
良になる測定用単位配線のエレクトロマイグレーション
不良に至る時間(TTF:time to failure)に比べ
て、高温保持後に最初にエレクトロマイグレーション不
良になる測定用単位配線のエレクトロマイグレーション
不良に至る時間の例えば10%以上短い時間が検出され
るまで高温保持した時間を「ストレスボイド不良基準」
とすることができる。
【0029】(3)測定用単位配線の高温保持前後にお
いて、エレクトロマイグレーション試験における電流密
度指数(n:current exponent)を測定し、高温保持前
の測定用単位配線の電流密度指数に比べて、高温保持後
に測定用単位配線の電流密度指数が例えば1.5以下に
なるまで高温保持した時間を「ストレスボイド不良基
準」とすることができる。
【0030】(4)測定用単位配線の高温保持前後にお
いて、ウエハレベルのジュール熱を利用した等温試験
(ITT:isothemal testing)におけるメディアン値
を測定し、高温保持後にメディアン値が例えば10%以
上短くなるまで高温保持した時間を「ストレスボイド不
良基準」とすることができる。
【0031】(5)測定用単位配線の高温保持前後にお
いて、ウエハレベルのジュール熱を利用した等温試験に
おける累積不良を測定し、高温保持前において最初に等
温試験不良になる測定用単位配線の等温試験不良に至る
時間に比べて、高温保持後に最初に等温試験不良になる
測定用単位配線の等温試験不良に至る時間の例えば10
%以上短い時間が検出されるまで高温保持した時間を
「ストレスボイド不良基準」とすることができる。
【0032】(6)様々な配線長の測定用単位配線につ
いてストレスボイド試験の抵抗変化率によりストレスボ
イドを検出し、この検出結果を累積不良としてプロット
する。このプロットされた累積不良がほぼ直線的に近似
できる最小の配線長を測定用単位配線の基準配線長と定
義する。そして、測定対象の金属配線(半導体集積回路
等の実際の金属配線)は基準配線長の測定用単位配線が
連続的に繋がって構成されていると仮定し、最初の基準
配線長に相当する測定用単位配線がストレスボイド不良
に至る時間を「ストレスボイド不良基準」とすることが
できる。
【0033】このような本発明の第6の特徴に係る配線
の信頼性測定方法においては、本発明の第1の特徴に係
る配線の信頼性測定方法で得られる効果と同様の効果を
得ることができる。
【0034】本発明の第8の特徴は、(1)半導体基板
上において、測定対象の金属配線の一部の配線長を有す
る測定用単位配線を形成する工程と、(2)測定用単位
配線においてストレスボイドを検出する工程と、(3)
測定用単位配線において検出されたストレスボイドを、
統計的手法に基づき、金属配線のすべての配線長におい
て検出されたストレスボイドとして規模換算する工程
と、(4)規模換算されたストレスボイドとストレスボ
イド不良基準とが比較され、測定対象の金属配線がスト
レスボイド不良であるか否かを判定する工程とを少なく
とも備えた半導体装置の製造方法としたことである。こ
こで、工程(1)乃至工程(3)の「測定対象の金属配
線」等の用語の定義は、本発明の第1の特徴に係る配線
の信頼性測定方法において説明した「測定対象の金属配
線」等の用語の定義と同一である。また、工程(4)の
「ストレスボイド不良基準」等の用語の定義は、本発明
の第7の特徴に係る配線の信頼性測定方法において説明
した「ストレスボイド不良基準」等の用語の定義と同一
である。さらに、本発明の第8の特徴に係る半導体装置
の製造方法においては、工程(4)の測定対象の金属配
線がストレスボイド不良であると判定された場合には半
導体装置(製造製品)は廃棄され、ストレスボイド不良
でないと判定された場合には半導体装置(製造製品)は
良品として出荷されるようにすることが好ましい。さら
に、工程(3)の規模換算されたストレスボイド、工程
(4)のストレスボイド不良であるか否かの判定は、半
導体装置の製造プロセスの前段階にフィードバックさ
れ、製造プロセスの最適化を図るようにすることが好ま
しい。
【0035】このような本発明の第8の特徴に係る半導
体装置の製造方法においては、測定対象の金属配線の一
部の配線長を有する測定用単位配線を使用してストレス
ボイドの検出を行い、配線抵抗成分を減少することによ
り、ストレスボイドの存在で生じる抵抗変化率を高め、
ストレスボイドの検出感度を高めることができるので、
金属配線の信頼性測定精度を向上することができる。さ
らに、本発明の第8の特徴に係る半導体装置の製造方法
においては、測定用単位配線において検出されたストレ
スボイドを統計的手法に基づき金属配線のすべての配線
長において検出されたストレスボイドとして規模換算し
ているので、実際の半導体装置の金属配線の配線長に対
応した規模のストレスボイドの測定を行うことができ
る。従って、本発明の第8の特徴に係る半導体装置の製
造方法においては、ストレスボイド不良に至らない電気
的信頼性に優れた半導体装置を製造することができる。
【0036】本発明の第9の特徴は、測定対象の金属配
線及びこの金属配線の一部の配線長を有する測定用単位
配線が配設された半導体基板を載置保持するステージ
と、ステージ上に載置保持された半導体基板の測定用単
位配線の抵抗値を測定する抵抗測定器と、半導体基板を
高温保持するオーブンと、ステージを高温保持する加熱
器又は高温保持可能な高温ステージと、抵抗測定器にお
いて測定された抵抗値に基づき測定用単位配線のストレ
スボイドを測定し、さらに統計的手法に基づき金属配線
のすべての配線長において測定されたストレスボイドと
して規模換算するコンピュータとを少なくとも備えた半
導体製造システムとしたことである。ここで、「抵抗測
定器」には、少なくとも測定用単位配線に接触する複数
本のプローバと、複数本のプローバ間の電流量又は電圧
差に基づき抵抗値を計測するテスタとを少なくとも備え
ることが実用的である。
【0037】このように構成される本発明の第9の特徴
に係る半導体製造システムにおいては、本発明の第8の
特徴に係る半導体装置の製造方法を簡易に実現すること
ができる。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明に
係る配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び
半導体製造システムを、本発明の実施の形態により説明
する。
【0039】[配線の信頼性測定方法の基本原理]本発
明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方法(ストレス
ボイド試験)は、測定用単位配線(試験パターン)を使
用してストレスボイドの測定精度(検出感度)を向上し
つつ、実際の測定対象の金属配線の配線長に匹敵する測
定規模を統計的手法に基づく規模換算によって補うこと
により、ストレスボイドの測定精度の向上と測定規模の
拡大とを両立させるようになっている。
【0040】このような配線の信頼性測定方法の実現に
は、少なくとも以下の4つの基本要素が必要である。
【0041】(1)ストレスボイドを測定する測定用単
位配線(:ストレスボイドの検出感度改善) (2)ストレスボイド不良基準の設定方法(failure cr
iterion)とストレスボイドの検出方法 (3)測定用単位配線の基準配線長(unit length)と
規模換算 (4)加速ファクタ(AF:acceleration factor) なお、以下に詳述する本発明の実施の形態に係るに係る
配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導
体製造システムは主にIC、LSI等の半導体集積回路
に本発明を適用した場合を説明するが、液晶表示装置の
液晶表示パネル、プリント配線基板、セラミックス配線
基板、炭化珪素基板等の金属配線を有する配線基板にも
本発明を適用することができる。
【0042】測定用単位配線の第1の構造:図2及び図
3に示すように、本発明の実施の形態に係る配線の信頼
性測定方法及び半導体装置の製造方法において使用され
る第1の構造の測定用単位配線5は、半導体集積回路
(半導体製造プロセスの過程においては半導体ウェハ)
上の測定対象の金属配線(図示しない。)のストレスボ
イドを検出するために配設されている。すなわち、半導
体ウェハである単結晶シリコン基板1上に素子分離絶縁
膜2、層間絶縁膜3のそれぞれが配設され、この層間絶
縁膜3上に測定用単位配線5が配設されている。通常、
半導体製造プロセスの過程において、測定用単位配線5
は、半導体ウェハの半導体集積回路の形成領域、半導体
ウェハの半導体集積回路の形成領域間であるスクライブ
エリア(ダイシングエリア)、半導体ウェハの周辺の空
き領域、半導体ウェハの半導体集積回路の形成領域に代
えて特別に用意された試験領域のいずれかに配設されて
いる。
【0043】測定用単位配線5は、測定対象の金属配線
と同様な半導体製造プロセス条件において同一製造工程
により形成され、測定対象の金属配線と同等の膜厚及び
配線幅寸法に設定されるものの、測定対象の金属配線の
一部の配線長を有するように設定されている。測定対象
の金属配線には例えばAl配線、Al合金(Al−C
u、Al−Si、Al−Cu−Si等)配線、Cu配
線、Cu合金配線等を実用的に使用することができ、測
定用単位配線5はこの金属配線と同一材料により形成す
ることができる。
【0044】測定対象の金属配線の配線長に比べて、測
定用単位配線5の配線長が短ければ短い方が配線抵抗を
減少することによりストレスボイドの測定精度(検出感
度)を向上することができるが、極端に配線長が短くな
るとストレスボイド自体を検出することができない。例
えば、測定対象の金属配線の配線長が1m〜10mの場
合、測定用単位配線5の配線長は30μm〜3000μ
mの範囲内に設定されることが好ましい。また、30μ
m〜3000μmの範囲内の配線長において、配線長が
異なる複数種類の測定用単位配線5を用意し、これら複
数種類の測定用単位配線5のストレスボイドを同時に測
定することが、測定精度を向上する上で好ましい。本発
明者が行った基礎研究においては、Al合金により測定
用単位配線5を形成した場合、測定用単位配線5の配線
長を100μmに設定した際のストレスボイドの測定精
度が最も好ましい結果が得られた。
【0045】さらに、測定用単位配線5は、電流測定に
必要な2端子と、電圧測定に必要な2端子とを少なくと
も備えており、4端子測定可能なように構成されてい
る。図2中及び図3中左側に示す測定用単位配線5の一
端は、接続孔配線7A、測定用引出配線8Aのそれぞれ
を通して測定端子(又は測定用パッド、又はプローブ接
触用パッド)8P1に電気的に接続されるとともに、同
一の接続孔配線7A、測定用引出配線8Cのそれぞれを
通して測定端子8P3に電気的に接続されている。測定
端子8P1には図示しないテスタからプローブを通して
ロウレベルの測定電流Iが供給され、測定端子8P3
には同様にロウレベルの測定電圧Vが印加されるよう
になっている。図2中及び図3中右側に示す測定用単位
配線5の他端は、接続孔配線7B、測定用引出配線8B
のそれぞれを通して測定端子8P2に電気的に接続され
るとともに、同一の接続孔配線7B、測定用引出配線8
Dのそれぞれを通して測定端子8P4に電気的に接続さ
れている。測定端子8P2にはテスタからプローブを通
してハイレベルの測定電流Iが供給され、測定端子8
P4には同様にハイレベルの測定電圧Vが印加される
ようになっている。
【0046】測定用引出配線8A〜8Dは、本発明の実
施の形態において、測定用単位配線5の上層に層間絶縁
膜6を介在して第2層目配線として配設されており、測
定用単位配線5と同様の配線材料例えばAl合金膜によ
り形成されている。測定用引出配線8Aと8Cとは一体
的に形成されており、測定用引出配線8Bと8Dとは一
体的に形成されている。
【0047】接続孔配線7A、7Bは、いずれも、層間
絶縁膜6において測定用単位配線5上に配設された接続
孔6Hの内部に埋設されている。接続孔配線7Aは測定
用単位配線5の一端と測定用引出配線8A及び8Cとの
間を電気的に接続し、接続孔配線7Bは測定用単位配線
5の他端と測定用引出配線8B及び8Dとの間を電気的
に接続するようになっている。測定用単位配線5の一
端、他端は、いずれも、主組成金属(本発明の実施の形
態においてはAl原子)の供給源(reservoir)となる
測定用引出配線8A〜8Dには直接接続されておらず終
端されており、必ず接続孔配線7A、7Bのそれぞれを
介在させて測定用引出配線8A〜8Dに接続するように
なっている。半導体集積回路の実際の測定対象の金属配
線は、例えば2層Al合金配線構造の場合、一端及び他
端が終端された第1層目配線と第2層目配線とを交互に
電気的に接続することにより長い配線長を得ており、こ
のように一端及び他端が終端された測定用単位配線5は
実際の測定対象の金属配線に近い構造になっている。こ
の接続孔配線7A及び7Bには、主組成金属の供給を遮
断する物質、具体的にはタングステン(W)、タンタル
(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)等の高融点
金属、この高融点金属の窒化物(例えば、TiN、Nb
N、TaN等)等、いわゆるバリアメタルを実用的に使
用することができる。
【0048】なお、本発明の実施の形態に係る測定用単
位配線5は、スルーホール又はビアホールとしての接続
孔6Hに埋設された接続孔配線7A若しくは7Bを通し
て上層の測定用引出配線8A〜8Dに接続されている
が、コンタクトホールとしての接続孔に配設された接続
孔配線を通して下層の測定用引出配線(例えば半導体領
域により形成された配線)に接続されるようにしてもよ
い。
【0049】また、本発明において、測定用単位配線5
には、ダマシーン若しくはデュアルダマシーン技術によ
り形成されるCu又はCu合金を使用することができ
る。この場合、測定用単位配線5と測定用引出配線8A
〜8Dのそれぞれとの接続には、主組成金属(Cu)の
供給を遮断する物質、例えば上記バリアメタルにより形
成されたライナー材を介在させることができる。
【0050】さらに、測定用単位配線5の周囲には、こ
の測定用単位配線5と同一層により形成されかつ同一導
電性材料により形成されたダミー測定用単位配線5Dが
配設されている。ダミー測定用単位配線5Dは、測定用
単位配線5との間のラインアンドスペース(粗密パター
ン)を、測定対象の金属配線のラインアンドスペース
(粗密パターン)と同等になるように形成されている。
つまり、ダミー測定用単位配線5Dは、半導体製造プロ
セスの過程において、粗密パターンの違いにより発生す
るエッチング不良を防止することができ、測定対象の金
属配線の特に配線幅に対する測定用単位配線5の配線幅
のばらつきを防止することができる。ダミー測定用単位
配線5Dは測定対象の金属配線並びに測定用単位配線5
を形成する製造マスクにパターンを追加するだけで簡易
に形成することができるので、半導体製造プロセスの製
造工程数を増加させることがない。
【0051】このような本発明の実施の形態に係る配線
の信頼性測定方法及び半導体装置の製造方法において、
4端子測定可能な第1の構造の測定用単位配線5を使用
することにより、測定用単位配線5の測定端子8P1〜
8P4とそれに接続されるプローブ(後述する図11に
示すプローブ15P又は16P)との間の接触抵抗値を
減少することができるので、測定用単位配線5の抵抗値
変化のばらつきを減少することができ、ストレスボイド
の測定精度を向上することができる。
【0052】さらに、本発明の実施の形態に係る配線の
信頼性測定方法及び半導体装置の製造方法において、測
定用単位配線5の一端及び他端に主組成金属の供給を遮
断する物質により形成された接続孔配線7A及び7Bを
配設し、測定用単位配線5の一端及び他端を終端させた
ので、測定用単位配線5への主組成金属の供給がなくな
り、ストレスボイドの検出精度を向上することができ
る。
【0053】測定用単位配線の第2の構造:本発明の実
施の形態に係る配線の信頼性測定方法及び半導体装置の
製造方法において使用される第2の構造の測定用単位配
線5は、前述の4端子測定可能な第1の構造の測定用単
位配線5と基本的には同様の構造を備えているが、図4
及び図5に示すように、30μm〜3000μmの範囲
の間隔において配線長方向に複数個の電圧モニター用タ
ップ8T1〜8T3をさらに備えたものである。
【0054】測定用単位配線5の一端、他端はいずれも
上層の層間絶縁膜6の影響等により測定用単位配線5の
中央部に比べて応力的に特殊である場合が多い。電圧モ
ニター用タップ8T1〜8T3は、このような測定用単
位配線5の一端、他端のそれぞれに発生する応力と同じ
ような応力が発生するように、測定用単位配線5の一端
に接続孔6Hに埋設された接続孔配線7Aを通して測定
用引出配線8A及び8Cを接続する構造、並びに測定用
単位配線5の他端に接続孔6Hに埋設された接続孔配線
7Bを通して測定用引出配線8B及び8Dを接続する構
造と同様の、接続孔6Hに埋設された接続孔配線7Cを
通して接続する構造により形成されている。
【0055】測定用単位配線5と電圧モニター用タップ
8T1〜8T3のそれぞれとの間を接続する接続孔配線
7Cは、前述の接続孔配線7A及び7Bと同様に、主組
成原子の供給を遮断する物質、例えばバリアメタルによ
り形成されることが好ましい。
【0056】なお、同図4及び図5には、測定用引出配
線8A及び8Cと8B及び8Dとの間に等間隔において
合計3個の電圧モニター用タップ8T1〜8T3が配設
されているが、本発明はこの個数に限定されるものでは
なく、測定用単位配線5の配線長と電圧モニター用タッ
プ8Tの間隔とを適宜設定することにより、1個、2個
又は4個以上の電圧モニター用タップ8Tを配設するこ
とができる。
【0057】このような本発明の実施の形態に係る配線
の信頼性測定方法及び半導体装置の製造方法において使
用される第2の構造の測定用単位配線5においては、3
0μm〜3000μmの範囲の間隔において電圧モニタ
ー用タップ8T1〜8T3を配設したので、ストレスボ
イドを発生し易い環境に設定することができ、かつ必要
以上に配線長が長くならずに、測定用単位配線5の抵抗
値に対するストレスボイドの発生による抵抗変化率を大
きくすることができるので、ストレスボイドの測定精度
を向上することができる。
【0058】測定用単位配線の第3の構造:本発明の実
施の形態に係る配線の信頼性測定方法及び半導体装置の
製造方法において使用される第3の構造の測定用単位配
線5は、前述の4端子測定可能な第1の構造の測定用単
位配線5と基本的には同様の構造を備えているが、図6
及び図7に示すように、上層に配設された少なくとも1
つのダミー接続孔6DHと、このダミー接続孔6DHを
通して電気的に接続され、電気的にフローティングのダ
ミー金属配線8MDとをさらに備えたものである。
【0059】この第3の構造の測定用単位配線5におい
て、図6中及び図7中左側に示す一端には接続孔配線7
E、測定用引出配線4Aのそれぞれを通して測定端子8
P1が電気的に接続されるとともに、同一の接続孔配線
7E、測定用引出配線4Cのそれぞれを通して測定端子
8P3が電気的に接続されている。測定端子8P1には
図示しないテスタからプローブを通してロウレベルの測
定電流Iが供給され、測定端子8P3には同様にロウ
レベルの測定電圧Vが印加されるようになっている。
図6中及び図7中右側に示す測定用単位配線5の他端
は、接続孔配線7F、測定用引出配線4Bのそれぞれを
通して測定端子8P2が電気的に接続されるとともに、
同一の接続孔配線7F、測定用引出配線4Dのそれぞれ
を通して測定端子8P4が電気的に接続されている。測
定端子8P2にはテスタからプローブを通してハイレベ
ルの測定電流Iが供給され、測定端子8P4には同様
にハイレベルの測定電圧Vが印加されるようになって
いる。
【0060】測定用引出配線4A〜4Dは、本発明の実
施の形態に係る第3の構造の測定用単位配線5におい
て、測定用単位配線5の下層の素子分離絶縁膜2上に配
設されており、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジス
タ(IGFET)のゲート電極と同一層のゲート電極材
料により形成されている。測定用引出配線4A〜4D
は、例えば多結晶シリコン、高融点金属(例えば、T
i、W、Mo等)若しくは高融点金属シリサイド(例え
ば、TiSi、WSi、MoSi等)の単層膜、
又は多結晶シリコン膜上に高融点金属膜若しくは高融点
金属シリサイド膜を積層した複合膜により形成すること
ができる。なお、図6中、符号を付けないが、測定用引
出配線4Aは、接続孔配線7Eと同一層の接続孔配線、
測定用単位配線5と同一層の中間配線のそれぞれを通し
て、ダミー金属配線8MDと同一層の測定端子8P1に
電気的に接続されている。同様に、測定用引出配線4C
は、接続孔配線7Eと同一層の接続孔配線、測定用位配
線5と同一層の中間配線のそれぞれを通して、ダミー金
属配線8MDと同一層の測定端子8P3に電気的に接続
されている。一方、測定用引出配線4Bは、接続孔配線
7Fと同一層の接続孔配線、測定用単位配線5と同一層
の中間配線のそれぞれを通して、ダミー金属配線8MD
と同一層の測定端子8P2に電気的に接続されている。
同様に、測定用引出配線4Dは、接続孔配線7Fと同一
層の接続孔配線、測定用位配線5と同一層の中間配線の
それぞれを通して、ダミー金属配線8MDと同一層の測
定端子8P4に電気的に接続されている。
【0061】接続孔配線7Eは、測定用単位配線5の一
端において層間絶縁膜3に形成された接続孔3Hに埋設
されており、測定用単位配線5の一端と測定用引出配線
4A及び4Cとの間を電気的に接続するようになってい
る。同様に、接続孔配線7Fは、測定用単位配線5の他
端において層間絶縁膜3に形成された接続孔3Hに埋設
されており、測定用単位配線5の他端と測定用引出配線
4B及び4Dとの間を電気的に接続するようになってい
る。接続孔配線7E、7Fは、いずれも、前述の第1の
構造の測定用単位配線5と同様に、主組成原子の供給を
遮断する物質、例えばバリアメタルにより形成すること
ができる。
【0062】ダミー接続孔6DHは、測定用単位配線5
の中央部上において、層間絶縁膜6に配設され、測定用
単位配線5とダミー金属配線8MDとの間を接続するよ
うになっている。ダミー接続孔6DHは、測定対象の金
属配線とそれに接続される他の金属配線との間を電気的
に接続する接続孔と同等のサイズ並びに同等の製造プロ
セス条件において形成されている。
【0063】ダミー金属配線8MDは、層間絶縁膜6上
に形成され、ダミー接続孔6DHを通して測定用単位配
線5の中央部に接続されている。このダミー金属配線8
MDは、測定対象の金属配線とそれに接続される他の金
属配線との接続構造に類似するように(できる限り実際
の構造に対応するように)、電流を供給することなく、
測定用単位配線5に疑似的に取り付けられている。本発
明の実施の形態に係る第2の構造の測定用単位配線5の
電圧モニター用タップ8T1〜8T3と同様に、第3の
構造の測定用単位配線5のダミー金属配線8MDは、3
0μm〜3000μmの範囲の間隔において配設される
ことが好ましい。なお、同図6及び図7には、測定用引
出配線4A及び4Cと4B及び4Dとの間に等間隔にお
いて合計3個のダミー金属配線8MDが配設されている
が、本発明は、この個数に限定されるものではなく、測
定用単位配線5の配線長とダミー金属配線8MDの配列
間隔とを適宜設定することにより、1個、2個又は4個
以上のダミー金属配線8MDを配設することができる。
【0064】ストレスボイドは、半導体集積回路の製造
プロセス中の特に配線形成プロセスに大きく依存してし
まう。例えば、配線形成プロセスにリフロー成膜プロセ
スが組み込まれる場合、測定対象の金属配線(例えば、
Al合金配線)を形成し、引き続き層間絶縁膜6、接続
孔6H(図3及び図5の接続孔6H、図7のダミー接続
孔6DHを参照。)のそれぞれを順次形成した後に、ア
ニール(熱処理)が行われる。このアニールは、層間絶
縁膜6中に含まれる水分等の放出を目的として行われ
る。また、上記接続孔6Hを形成した後に、測定対象の
金属配線の上層配線の一部を接続孔6H内部に比較的高
温度において埋込み、引き続き層間絶縁膜6上に上層配
線の他の一部を堆積する場合がある。このようなリフロ
ー成膜プロセスを採用した場合、測定対象の金属配線と
それを囲む層間絶縁膜6との間の熱膨張係数差により、
測定対象の金属配線は、圧縮応力を受けるので、上層配
線との接続部分において隆起し、応力を緩和する傾向が
ある。この結果、測定対象の金属配線には、微少なボイ
ド若しくはボイドの核になるようなものが発生し、スト
レスボイド不良が発生し易い。
【0065】また、測定対象の金属配線にCuが使用さ
れるリフロー成膜プロセスにおいては、放出ガス及びリ
フロー成膜温度だけでなく、アニール時にライナー材に
バリア効果がないと、応力勾配により測定対象の金属配
線(下層配線)の金属原子(主組成金属)が上層配線に
移動してしまう。この結果、測定対象の金属配線に微少
なボイド若しくはボイドの核になるようなものが発生
し、ストレスボイド不良が発生し易い。
【0066】さらに、測定対象の金属配線にCuが使用
される配線形成プロセスにおいては、めっきによりCu
薄膜の成膜が行われ、この後にCu薄膜にアニールが行
われる場合がある。このような場合にも、測定対象の金
属配線に微少なボイド若しくはボイドの核になるような
ものが発生し、ストレスボイド不良が発生し易い。
【0067】本発明の実施の形態に係る第3の構造の測
定用単位配線5は、特にアニール若しくは高温度雰囲気
を伴う配線形成プロセスを採用し、上層配線に接続され
る構造を備えた測定対象の金属配線と類似した構造、す
なわちダミー接続孔6DH及びダミー金属配線(上層配
線に対応する配線)8MDを備えることにより、測定対
象の金属配線とほぼ同様の条件下においてストレスボイ
ドの検出を行うことができ、ストレスボイドの測定精度
を向上することができる。
【0068】測定用単位配線の第4の構造:本発明の実
施の形態に係る配線の信頼性測定方法及び半導体装置の
製造方法において使用される第4の構造の測定用単位配
線5は、前述の4端子測定可能で、かつダミー接続孔6
DH及びダミー金属配線8MDを備えた第3の構造の測
定用単位配線5と基本的には同様の構造を備えている
が、図8に示すように、接続孔3H、ダミー接続孔6D
Hの1個当たりの開口面積に対する体積を50倍以上
(測定用単位配線5の体積/接続孔6Hの開口面積≧5
0)に設定している。
【0069】測定用単位配線5の体積が55倍〜60倍
程度から、測定用単位配線5のストレスボイドに起因す
る抵抗上昇が顕著に観測され、ストレスボイドに対して
敏感な検出感度を得ることができるので、マージンを見
込んで測定用単位配線5の体積を50倍以上に設定する
ことが好ましい。
【0070】ストレスボイド不良基準の第1の設定方
法:次に、上記測定用単位配線5により測定されたスト
レスボイド(抵抗上昇値)に対して、この測定されたス
トレスボイドが半導体装置の製品として妥当か否か、つ
まり測定されたストレスボイドが許容されるか許容され
ないかの判定を行う基準値となるストレスボイド不良基
準の第1の設定方法について説明する。
【0071】ストレスボイド試験は、測定対象の金属配
線並びに測定用単位配線5を備えた半導体ウェハを、1
50℃〜300℃の温度範囲の高温に保持されたオーブ
ン内に載置し、所定時間毎に測定用単位配線5の抵抗上
昇値を測定することにより行うことができる。ストレス
ボイドは拡散律速現象であるので、時間tにおいてはt
1/2においてプロットすることができ、直線により近
似することができる。例えば、抵抗上昇が10%に達し
た時間をストレスボイド不良(寿命)に達したストレス
ボイド不良基準に設定することができる。
【0072】ストレスボイド不良基準は、半導体集積回
路の動作性能(動作速度)の不良臨界値と同等の値に設
定することが最適である。例えば、ストレスボイド不良
基準を10%〜30%の範囲、さらに厳しい基準として
は10%〜20%の範囲に設定することが実用的であ
る。
【0073】図9には、配線長400μm、800μ
m、1200μmの複数種類の配線長の測定用単位配線
5においてストレスボイド不良に達した時間を正規分
布、対数正規分布若しくはワイブル分布にプロットした
累積不良率の分布を示す。図9において、横軸はストレ
スボイド不良に達した時間t、縦軸は累積不良率σであ
る。ここで、IC、LSI等の半導体集積回路のストレ
スボイド不良基準について説明する。例えば、半導体集
積回路に測定用単位配線5を10個配設した場合、1
個の測定用単位配線5のうち最初の1個目の測定用
単位配線5がストレスボイド不良に達した時点で半導体
集積回路はストレスボイド不良(製品不良)になる。従
って、10−5に相当する高温保持時間に達する時点
が、ストレスボイド試験において半導体集積回路の寿命
になる。
【0074】また、半導体集積回路の製品としてのスト
レスボイド不良が、例えば1ppm(10−6)まで許
容される場合、「半導体集積回路内の配線数×半導体集
積回路数=10×10=1011個」のうち最初の
1個目の測定用単位配線5がストレスボイド不良に達し
た時点が製品としての寿命になる。従って、10−1
に相当する高温保持時間に達する時点が、ストレスボイ
ド試験において半導体集積回路の寿命になる。
【0075】ストレスボイド不良基準の第2の設定方
法:次に、ストレスボイド不良基準の第2の設定方法に
ついて説明する。この第2の設定方法において、ストレ
スボイド不良基準は下記(1)乃至(3)のように設定
することができる。
【0076】(1)測定用単位配線5の高温保持前後に
おいて、エレクトロマイグレーション試験におけるメデ
ィアン値(MTF)を測定し、高温保持後にメディアン
値が例えば10%以上短くなるまで高温保持した時間を
ストレスボイド不良基準とすることができる。
【0077】(2)測定用単位配線5の高温保持前後に
おいて、エレクトロマイグレーション試験における累積
不良を測定し、高温保持前において最初にエレクトロマ
イグレーション不良になる測定用単位配線5のエレクト
ロマイグレーション不良に至る時間(TTF)に比べ
て、高温保持後に最初にエレクトロマイグレーション不
良になる測定用単位配線5のエレクトロマイグレーショ
ン不良に至る時間の例えば10%以上短い時間が検出さ
れるまで高温保持した時間をストレスボイド不良基準と
することができる。
【0078】(3)測定用単位配線の高温保持前後にお
いて、エレクトロマイグレーション試験における電流密
度指数(n)を測定し、高温保持前の測定用単位配線の
電流密度指数に比べて、高温保持後に測定用単位配線5
の電流密度指数が例えば1.5以下になるまで高温保持
した時間をストレスボイド不良基準とすることができ
る。
【0079】図10はストレスボイド試験前後にエレク
トロマイグレーション試験を行った場合のエレクトロマ
イグレーションの累積不良率を示している。図10中、
横軸は試験時間、縦軸は累積不良である。図10に示す
ように、半導体集積回路の測定対象の金属配線の動作性
能を考慮した場合、ストレスボイド試験において抵抗上
昇により検出することができない微小なボイドであって
も、エレクトロマイグレーション信頼性は劣化する。半
導体集積回路の回路動作が行われる時には、ストレスボ
イド現象とエレクトロマイグレーション現象とが同時に
発生していると推察することができる。
【0080】このような観点から、ストレスボイド不良
基準の設定方法として、上記のようにストレスボイド試
験として高温保持した単結晶シリコン基板1(半導体ウ
ェハ)を保持時間毎に抜き取り、エレクトロマイグレー
ション試験を行い、エレクトロマイグレーション特性が
劣化する時まで高温保持した時間をストレスボイド不良
基準とすることができる。このストレスボイド不良基準
によれば、ストレスボイド試験の抵抗変化率においては
検出することができないボイド、特に微小なボイドをエ
レクトロマイグレーション試験により検出することがで
きる。
【0081】ここで、エレクトロマイグレーション特性
の劣化について説明する。通常のボイドが存在しない2
0個〜30個程度の測定用単位配線5(サンプル)にエ
レクトロマイグレーション試験を行うと、不良に至るま
での時間(TTF)の分布は、対数正規分布、正規分布
又はワイブル分布に一致する。測定用単位配線5に最初
からボイド若しくはボイドの核になるようなものが存在
している場合には、不良に至るまでの時間は短くなる。
【0082】図10に示す累積不良の分布図において
は、丁度、サンプルのメディアン値を取ってMTF(me
dian time to failure)と呼ばれており、ストレスボイ
ド試験によりサンプルの多くにボイド又はボイドの核に
なるようなものが存在していると、このMTFはストレ
スボイド試験前よりストレスボイド試験後の方が短くな
る。 また、エレクトロマイグレーション試験において
は、次式(1)が成り立つ。
【0083】 MTF=Aj-nexp(Ea/kT) ・・・・・・(1) 上記式(1)は一般的にブラックの式(Black's equati
on)と呼ばれている。jは電流密度(current densit
y)、nは電流密度指数(current exponent)、Eaは
活性化エネルギ(activation energy)、kはボルツマ
ン定数(Bolt'manconstant)、Tは絶対温度(absolute
temperature)である。
【0084】ストレスボイド試験により、サンプルの多
くにストレスボイドが発生した場合、MTFは短くな
る。しかしながら、ストレスボイドが発生、成長しても
時間に対して分布があるため、特にストレスボイドが少
ししか発生していない場合は、MTFに殆ど変化は見ら
れない。ところが、図11に示すように、ストレスボイ
ド試験後においてエレクトロマイグレーション不良にな
る最初のサンプルS1’及び2番目のサンプルS2’の
MTFは、ストレスボイド試験前の最初のサンプルS1
及び2番目のサンプルS2に比べて著しく短くなり、エ
レクトロマイグレーション試験の分布から外れる。この
ような現象が検出されると、半導体集積回路の動作性能
が劣化していることになるので、このエレクトロマイグ
レーションにより劣化が検出されるまでの時間をストレ
スボイド不良時間に設定することは、実際の半導体集積
回路の回路動作上、最も現実に即したストレスボイド不
良基準の設定方法である。
【0085】ストレスボイド不良基準の第3の設定方法 次に、ストレスボイド不良基準の第3の設定方法につい
て説明する。この第3の設定方法において、ストレスボ
イド不良基準は下記(4)及び(5)のように設定する
ことができる。
【0086】(4)測定用単位配線5の高温保持前後に
おいて、半導体ウェハレベルのジュール熱を利用した等
温試験(ITT)におけるメディアン値を測定し、高温
保持後にメディアン値が例えば10%以上短くなるまで
高温保持した時間をストレスボイド不良基準とすること
ができる。
【0087】(5)測定用単位配線5の高温保持前後に
おいて、半導体ウェハレベルのジュール熱を利用した等
温試験(ITT)における累積不良を測定し、高温保持
前において最初に等温試験不良になる測定用単位配線5
の等温試験不良に至る時間に比べて、高温保持後に最初
に等温試験不良になる測定用単位配線5の等温試験不良
に至る時間の例えば10%以上短い時間が検出されるま
で高温保持した時間をストレスボイド不良基準とするこ
とができる。
【0088】前述のストレスボイド不良基準の第2の設
定方法において説明したエレクトロマイグレーション試
験をストレスボイドの検出方法として使用することは、
半導体集積回路の回路動作を考慮すると物理的には適切
である。ところが、ストレスボイド試験においては、エ
レクトロマイグレーション試験時にサンプルのアセンブ
リ等をしなければならないためにやや手間がかかる。一
方、物理的な厳密性はエレクトロマイグレーション試験
に比べてやや劣るものの、エレクトロマイグレーション
試験程度のストレスボイド検出感度が得られる試験方法
として、半導体ウェハレベルにおいてジュール加熱を利
用した等温試験がある。等温試験は、エレクトロマイグ
レーション試験に比べて10倍以上の電流を測定用単位
配線5に流し、その大電流により測定用単位配線5はジ
ュール熱によって加熱され、エレクトロマイグレーショ
ン現象を意図的に生じさせる試験である。等温試験によ
れば、ストレスボイドによる小さなボイド若しくはボイ
ドの核になるようなものが存在する箇所においてもの凄
い発熱が生じ、この発熱の生じた箇所は断線不良に至
る。
【0089】半導体集積回路の回路動作とその動作特性
の劣化を検出するという観点からすると物理的な厳密性
がやや欠けるものの、エレクトロマイグレーション試験
と同様であり、図10及び図11に示すようなストレス
ボイド不良を検出することができるので、有効なストレ
スボイド不良基準として使用することができる。
【0090】測定用単位配線の基準配線長:ストレスボ
イド不良基準の設定においては、測定用単位配線5の配
線長の設定が重要な要因になる。ストレスボイド不良が
発生する最も短い長さを測定用単位配線5の基準配線長
(unit length)とすることができ、半導体集積回路の
測定対象の金属配線がこの基準配線長の測定用単位配線
5を連続的に繋げて構築されていると仮定することがで
きる。
【0091】上記図9に示すように、測定用単位配線5
の配線長を400μm、800μm、1200μmにそ
れぞれ変えた場合、ストレスボイドの累積不良率には次
式(2)の関係が成り立つ。
【0092】1−(1−P) … (2) ここで、Pは不良発生確率である。なお、経験的に次式
(3)の関係になる場合があり、パラメータaが必要な
場合がある。
【0093】1−(1−aP) … (3) 測定用単位配線の基準配線長に基づく規模換算:次に、
上記測定用単位配線5の基準配線長に基づく規模換算
(実際の半導体集積回路において測定対象の金属配線の
配線長への換算)の方法について説明する。
【0094】本発明の先行技術に係るストレスボイド試
験方法においては、ストレスボイドの検出感度を落とし
て、半導体集積回路の測定対象の金属配線の配線長に匹
敵する配線長を有する試験パターンが使用されていた
が、本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方法及
び半導体装置の製造方法においては、上記のようにスト
レスボイド検出感度を優先させた測定用単位配線5が使
用されている。この測定用単位配線5のストレスボイド
検出感度、すなわち測定精度を向上するためには、基準
配線長を有する測定用単位配線5を測定対象の金属配線
の全体の配線長に一致するように規模換算するようにな
っている。規模換算とは、例えば半導体集積回路の測定
対象の金属配線の配線長が10mである場合、例えば1
00μmの基準配線長の測定用単位配線5を準備し、こ
の測定用単位配線5が10個連続的に繋がっていると
仮定し、測定用単位配線5により得られたストレスボイ
ド検出結果を統計的手法により連続的に繋がっている複
数の測定用単位配線5のストレスボイド検出結果として
算出することである。
【0095】上記例題において、同様な製造プロセス条
件等により測定用単位配線5を10 個製作することも
可能ではあるが、半導体集積回路(又は製造マスク)に
おいてこのような膨大な個数の測定用単位配線5のパタ
ーンを作成することは、半導体集積回路の面積の増大、
製造プロセス上の歩留まりの低下、個々の測定用単位配
線5の測定時間の増大等を誘発するので現実的ではな
い。
【0096】そこで、半導体集積回路において測定用単
位配線5の占有面積を適切な範囲に止めつつ、測定用単
位配線5の抵抗変化率等の測定時間を比較的短くできる
ように、例えば100〜300個程度の測定用単位配線
5を準備し、この個数の測定用単位配線5によるストレ
スボイド測定結果から、10個規模の測定用単位配線
5によるストレスボイド測定結果を予測することが、ス
トレスボイド測定精度、経済効率等の観点から最適であ
る。すなわち、本発明の実施の形態に係る配線の信頼性
測定方法及び半導体装置の製造方法においては、ストレ
スボイド測定精度の向上と、実際の半導体集積回路の測
定対象の金属配線の配線長に匹敵する規模とを両立させ
ることができる。
【0097】統計的手法においては、ストレスボイド不
良に達したサンプルの不良時間が図10に示すようにプ
ロットされる。この時、正規分布に従うか、対数正規分
布に従うか、ワイブル分布に従うかは、製造プロセス等
によって変るので、様々な分布にプロットしてみる必要
がある。また、この分布を作成する際に、前述したよう
に、測定用単位配線5の基準配線長をどの長さに設定す
るかが重要になる。ストレスボイド検出感度を向上する
という観点においては、測定用単位配線5の基準配線長
は短ければ短いほど良い。しかしながら、基準配線長が
短くなりすぎると全くストレスボイド不良の存在しない
サンプルが多数発生してくる。概念的な言い方をする
と、ストレスボイドの発生原因となるような核がある密
度において半導体ウェハ面内に存在していて、その核を
含む測定用単位配線5はストレスボイド不良になるが、
核を含まない測定用単位配線5はストレスボイド不良に
ならない。
【0098】ここで、概念的に必ずストレスボイド不良
に至る核になるものを1つ持つような最小の長さを測定
用単位配線5の基準配線長と定義する。このように定義
すれば、必ず測定用単位配線5はストレスボイド不良に
なり、通常の正規分布、対数正規分布、ワイブル分布の
いずれかに従うようになる。限られたストレスボイド試
験時間内においてこの測定用単位配線5の基準配線長を
厳密に求めることは難しい。従って、実際のストレスボ
イド試験においては、配線長の異なる測定用単位配線5
を何種類か準備し、図9に示すようにプロットを行い、
基準配線長の長さに対して累積不良(CF)が上記式
(2)を満足させる最小の長さを測定用単位配線5の基
準配線長とすることが実用的である。さらに、式(2)
の不良発生確率Pは製造プロセスによる変動のパラメー
タaを乗じた方が配線長に対する累積不良の結果と一致
するので、上記式(3)を満足させるように測定用単位
配線5の基準配線長を設定することが好ましい。パラメ
ータaの物理的な意味は現在追求中であり、測定用単位
配線5に生じる測定端子8P1〜8P4による応力勾配
の違い等が要因として推察されているが、いずれにして
もパラメータaはストレスボイドに対する配線の強さが
配線長によって変ることを意味している。
【0099】加速ファクタの設定方法:前述の半導体集
積回路を高温度保持した状態で行われるストレスボイド
試験は一般的に加速試験と呼ばれ、この加速試験におい
て測定された半導体集積回路の寿命は図12に示すよう
に実使用条件における寿命として換算する場合がある。
この換算は加速ファクタAFにより行うことができ、加
速ファクタAFは以下の大まかな近似式(4)として表
すことができる。
【0100】 AF=exp((−Ea/kT)((1/Tstress)−(1/Tuse))) ・・・・・(4) ここで、Eaは活性化エネルギ、kはボルツマン定数、
Tは絶対温度である。また、Tstresはストレスボイド
試験温度(加速試験温度)、Tuseは実使用温度であ
る。なお、加速ファクタについては、さらに精度の高い
近似式等を適用することが望ましい。
【0101】さらに、半導体集積回路の実使用条件にお
ける寿命にはある一定の基準を越える必要がある。これ
は例えば保証期限であり、半導体集積回路には一定の耐
用年数が必要である。例えば、最低限10年の寿命を必
要とする場合、加速ファクタAFは次式(5)を満たさ
なければならない。
【0102】 tuse=tstress・AF≧10(年) ・・・・・(5) 半導体製造システムの基本的構成:上記ストレスボイド
試験は、図13に示す半導体製造システム(ストレスボ
イド試験装置)により、簡易に実現することができる。
すなわち、半導体製造システム10は、測定対象の金属
配線及びこの金属配線の一部の配線長を有する測定用単
位配線5(図2及び図3等参照。)が配設された単結晶
シリコン基板(半導体基板又は半導体ウェハ)1を載置
保持するステージ12と、ステージ12上に載置保持さ
れた単結晶シリコン基板1の測定用単位配線5の抵抗値
を測定する抵抗測定器15と、単結晶シリコン基板1を
高温保持するオーブン11と、単結晶シリコン基板1を
高温保持可能な高温ステージ14と、高温ステージ14
上に載置保持された単結晶シリコン基板1の測定用単位
配線5の抵抗値を測定する抵抗測定器16と、抵抗測定
器15及び16において測定された抵抗値に基づき測定
用単位配線5のストレスボイドを測定し、さらに統計的
手法に基づき金属配線のすべての配線長において測定さ
れたストレスボイドとして規模換算するコンピュータ1
3とを少なくとも備えて構築されている。
【0103】上記半導体製造システム10のオーブン1
1は、前述のように例えば150℃〜300℃の高温度
に単結晶シリコン基板1を加熱保持することができ、加
速試験を行う目的において配設されている。
【0104】ステージ12は、主に高温加熱前におい
て、単結晶シリコン基板1を載置しかつ保持することが
できる。このステージ12上において単結晶シリコン基
板1の測定用単位配線5の抵抗値が抵抗測定器15によ
り測定されるようになっている。抵抗測定器15は、測
定用単位配線5の測定端子8P1〜8P4のそれぞれに
個別に接触する少なくとも4本のプローバ15Pと、プ
ローバ15Pから得られた電流値又は電圧値を抵抗値に
変換するテスタ15Tとを少なくとも備えて構成されて
いる。
【0105】高温ステージ14は、主に高温加熱後にお
いて、単結晶シリコン基板1を載置しかつ保持し、さら
に単結晶シリコン基板1を引き続き加熱保持することが
できる。この高温ステージ14上において単結晶シリコ
ン基板1の測定用単位配線5の抵抗値が抵抗測定器16
により測定されるようになっている。抵抗測定器16
は、抵抗測定器15と同様に、測定用単位配線5の測定
端子8P1〜8P4のそれぞれに個別に接触する少なく
とも4本のプローバ16Pと、プローバ16Pから得ら
れた電流値又は電圧値を抵抗値に変換するテスタ16T
とを少なくとも備えて構成されている。なお、上記ステ
ージ12に単結晶シリコン基板1を高温保持する加熱器
(図示しない。)を配設することにより、高温ステージ
14並びに抵抗測定器16を省略することができる。
【0106】コンピュータ13には一般的なパーソナル
コンピュータを実用的に使用することができる。このコ
ンピュータ13は、抵抗測定器15及び16により測定
された抵抗値を電子データとして格納するメモリ機能
と、このメモリ機能に格納された抵抗値の電子データに
基づき測定用単位配線5のストレスボイド不良を測定
し、さらに統計的手法に基づき金属配線のすべての配線
長において測定されたストレスボイドとして規模換算す
る演算処理機能とを少なくとも備えていればよい。勿
論、コンピュータ13には、キーボード等の入力装置、
モニター等の表示装置等が含まれている。
【0107】このような本発明の実施の形態に係る半導
体製造システム10においては、本発明の実施の形態に
係る、後述する半導体装置の製造方法を簡易に実現する
ことができる。
【0108】配線の信頼性測定方法並びに半導体装置の
製造方法:次に、図1に示す製造プロセスのフローチャ
ートを使用し、本発明の実施の形態に係る配線の信頼性
測定方法並びに半導体装置の製造方法を説明する。な
お、ここで説明する半導体装置の製造方法は本発明に係
る配線の信頼性測定方法を具現化したものであり、以
下、この半導体装置の製造方法とともに本発明に係る配
線の信頼性測定方法を説明する。なお、半導体装置の製
造方法は、前述のIC、LSI等の半導体集積回路の製
造方法を例として説明する。
【0109】(1)まず最初に、半導体集積回路のデザ
イン設計が行われ、このデザイン設計に基づき具体的な
半導体集積回路の製造プロセスが開発される。そして、
この開発された製造プロセスに基づき、実際に半導体集
積回路(製品)を製造する<ステップ20。以下、「ス
テップ」は省略し、符号のみを記載する。>。
【0110】半導体集積回路の製造プロセスにおいて
は、トランジスタ、抵抗素子、容量素子等の半導体素子
間や、この半導体素子を集積化して構築された回路間を
接続する金属配線(例えば、Al合金配線)が単結晶シ
リコン基板1(図2及び図3等参照。)上に形成され
る。特に、マイクロプロセッサ機能、ロジック機能、メ
モリ機能等を備えた半導体集積回路においては、クロッ
ク信号配線等の信号配線の信号伝達速度(抵抗値)が動
作性能(動作速度)を大幅に左右する。このような信号
配線が本発明に係る「測定対象の金属配線」であり、こ
の「測定対象の金属配線」と同一製造工程でかつ同一製
造プロセス条件において、前述の図2及び図3(又は図
4及び図5、若しくは図6及び図7、若しくは図8)に
示す、測定対象の金属配線の一部の配線長を有する「測
定用単位配線5」が形成される。測定対象の金属配線の
配線長が例えば1m〜10mの場合、30μm〜3mm
の配線長の範囲内において、例えば400μm、800
μm、1200μm等の複数種類の基準配線長を有する
複数本の測定用単位配線5が準備され配設される。
【0111】なお、ここでの測定用単位配線5を形成す
る工程は、本発明に係る「測定対象の金属配線の一部の
配線長を有する測定用単位配線を形成する工程」の一具
体例に対応するものである。
【0112】(2)図13に示す半導体製造システム1
0のステージ12上に単結晶シリコン基板1(半導体ウ
ェハ)が載置され保持される。このステージ12上にお
いて、単結晶シリコン基板1上の測定用単位配線5の初
期抵抗値が抵抗測定器15により測定される<21>。
測定用単位配線5の初期抵抗値は、前述の図2に示す測
定端子8P1〜8P4のそれぞれに図13に示す抵抗測
定器15のプローバ15Pを接触させ、測定端子8P1
と8P2との間の電流変化、測定端子8P3と8P4と
の間の電圧変化をテスタ15Tにより測定することによ
り得ることができる。この初期抵抗値は電子データとし
てコンピュータ13のメモリに格納される。
【0113】(3)初期抵抗値が測定された測定用単位
配線5を有する単結晶シリコン基板1は図13に示す半
導体製造システム10のオーブン11に収納され、スト
レスボイドの高温加速試験が行われる<22>。この加
速試験において、オーブン11は例えば150℃〜30
0℃の高温度に保持される。
【0114】(4)予め定められた一定時間の経過後
に、単結晶シリコン基板1がオーブン11から取り出さ
れ、この単結晶シリコン基板1は半導体製造システム1
0の高温ステージ14上に載置され保持される。初期抵
抗値の測定の手順と同様に、この高温ステージ14上に
おいて、単結晶シリコン基板1上の測定用単位配線5の
高温保持後(加速試験後)の抵抗値が抵抗測定器16に
より測定される<23>。測定用単位配線5の抵抗値
は、前述の図2に示す測定端子8P1〜8P4のそれぞ
れに図13に示す抵抗測定器16のプローバ16Pを接
触させ、測定端子8P1と8P2との間の電流変化、測
定端子8P3と8P4との電圧変化をテスタ16Tによ
り測定することにより得ることができる。この高温保持
後の抵抗値は電子データとしてコンピュータ13のメモ
リに格納される。
【0115】(5)ここで、高温保持後の抵抗上昇率
(抵抗変化率)がストレスボイド不良に達するまで高温
保持(加速試験)が持続される<24>。高温ステージ
14上において測定用単位配線5が載置され保持されて
いるので、測定用単位配線5は高温保持状態において抵
抗値の測定を実施することができる。ストレスボイド不
良基準は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造
方法において、例えば10%の抵抗上昇率に設定されて
いる。
【0116】なお、高温保持後の抵抗値の測定、又は前
述の初期抵抗値の測定及び高温保持後の抵抗値の測定は
ストレスボイドを検出する工程であり、このストレスボ
イドを検出する工程は、本発明に係る「測定用単位配線
において、ストレスボイドを検出する工程」の一具体例
に対応するものである。
【0117】(6)測定用単位配線5の抵抗上昇率がス
トレスボイド不良基準(抵抗上昇率10%以上)に達し
た時点において<24>、ストレスボイド不良が発生し
た測定用単位配線5を特定し、この測定用単位配線5の
配線長を「基準配線長」に決定することができる<25
A>。
【0118】さらに、測定用単位配線5の基準配線長が
決定されると、この測定用単位配線5のストレスボイド
試験結果から、実際の半導体集積回路の測定対象の金属
配線の配線長に匹敵するように、統計的手法に基づき、
金属配線のすべての配線長において検出されたストレス
ボイドとして規模換算を行うことができる<25B>。
この規模換算は、半導体製造システム10のコンピュー
タ13において、予め格納された抵抗上昇率の電子デー
タをソフトウエアにより処理することで簡易に行うこと
ができる。
【0119】なお、この規模換算を行う工程は、本発明
に係る「測定用単位配線において検出されたストレスボ
イドを、統計的手法に基づき、金属配線のすべての配線
長において検出されたストレスボイドとして規模換算す
る工程」の一具体例に対応するものである。
【0120】また、実際の半導体集積回路の測定対象の
金属配線のストレスボイドとして規模換算された結果に
基づき、半導体集積回路の測定対象の金属配線の実使用
時間(加速試験結果)を求めることができる<25C
>。
【0121】(7)上記測定対象の金属配線の実使用時
間から、この半導体集積回路の寿命が予測される<26
>。ここで、半導体集積回路の製品としての耐用年数を
満足できる場合には、半導体集積回路は製品として出荷
される<27>。また、耐用年数を満足できない半導体
集積回路は不良品として廃棄される<28>。
【0122】さらに、半導体集積回路の寿命が予測され
た時点において<26>、或いは耐用年数を満足できな
い場合には、半導体集積回路の開発が見直される<29
>。この改善項目には、例えば製造プロセスの改善、金
属配線の配線構造の改善等がある。具体的には以下のよ
うな改善項目が少なくとも含まれる。
【0123】(a)成膜温度、膜厚等の金属配線の成膜
条件の改善 (b)金属配線の膜積層構造の改善 (c)添加物、添加物量、ライナー膜種類等の金属配線
の材料の改善 (d)堆積温度、膜種等の層間絶縁膜の改善 (e)金属配線、層間絶縁膜等の加工条件の改善 このような本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造
方法においては、測定対象の金属配線の一部の配線長を
有する測定用単位配線5を使用してストレスボイドの検
出を行い、配線抵抗成分を減少することにより、ストレ
スボイドの存在で生じる抵抗変化率を高め、ストレスボ
イドの検出感度を高めることができるので、金属配線の
信頼性測定精度を向上することができる。さらに、本発
明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法において
は、測定用単位配線5において検出されたストレスボイ
ドを統計的手法に基づき金属配線のすべての配線長にお
いて検出されたストレスボイドとして規模換算している
ので、実際の半導体装置の金属配線の配線長に対応した
規模のストレスボイドの測定を行うことができる。従っ
て、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法に
おいては、ストレスボイド不良に至らない電気的信頼性
に優れた半導体装置を容易かつ確実に製造することがで
きる。さらに、本発明の実施の形態に係る半導体装置の
製造方法においては、ストレスボイド試験結果に基づ
き、製造プロセスの改善、金属配線の配線構造の改善が
図られるので、製造上の歩留まりを向上することができ
る。
【0124】(その他の実施の形態)本発明は上記実施
の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述
及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべき
ではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形
態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0125】例えば、前述の実施の形態は2層配線構造
を備えた半導体集積回路に適用した場合を説明したが、
本発明は、1層配線構造又は3層以上の多層配線構造を
備えた半導体集積回路に適用することができる。勿論、
本発明は、このような配線構造は、必ずしもAl合金配
線により構築される場合に限定されるのではなく、Al
配線、Cu配線、Cu合金配線等の配線により構築され
ていてもよい。
【0126】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。した
がって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特
許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められ
るものである。
【0127】
【発明の効果】本発明は、測定対象の金属配線のストレ
スボイドの測定規模を維持しつつ、測定対象の金属配線
のストレスボイドの測定精度を向上することができる配
線の信頼性測定方法を提供することができる。
【0128】さらに、本発明は、上記効果を得ることが
できる好適な測定用単位配線を使用した配線の信頼性測
定方法を提供することができる。
【0129】さらに、本発明は、測定対象の金属配線の
ストレスボイドの測定規模を維持しつつ、測定対象の金
属配線のストレスボイドの測定精度を向上することがで
き、製造上の歩留まりを向上することができる半導体装
置の製造方法を提供することができる。
【0130】さらに、本発明は、上記半導体装置の製造
方法に好適な半導体製造システムを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方
法並びに半導体装置の製造方法を説明する製造プロセス
のフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方
法において使用される第1の構造の測定用単位配線の平
面図である。
【図3】図2に示す第1の構造の測定用単位配線の断面
図(F3−F3切断線で切った断面図)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方
法において使用される第2の構造の測定用単位配線の平
面図である。
【図5】図4に示す第2の構造の測定用単位配線の断面
図(F5−F5切断線で切った断面図)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方
法において使用される第3の構造の測定用単位配線の平
面図である。
【図7】図6に示す第3の構造の測定用単位配線の断面
図(F7−F7切断線で切った断面図)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方
法において使用される第4の構造の測定用単位配線の平
面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定方
法において、複数種類の配線長の測定用単位配線を用い
た場合のストレスボイドの累積不良率を示す分布図であ
る。
【図10】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定
方法において、ストレスボイド試験の前後にエレクトロ
マイグレーション試験を行った場合のエレクトロマイグ
レーションの累積不良率を示す分布図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定
方法において、ストレスボイド試験の前後にエレクトロ
マイグレーション試験を行った場合のエレクトロマイグ
レーションの累積不良率を示す分布図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る配線の信頼性測定
方法において、加速試験の寿命と実使用条件の寿命と加
速ファクタとの関係を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る半導体製造システ
ムの概略構成図である。
【図14】(A)は本発明の先行技術に係るストレスボ
イド試験において配線長が400μmの試験パターンの
抵抗上昇挙動の配線長依存性を示す図、(B)は配線長
が1200μmの試験パターンの抵抗上昇挙動の配線長
依存性を示す図、(C)配線長が3mの試験パターンの
抵抗上昇挙動の配線長依存性を示す図である。
【図15】本発明の先行技術に係るストレスボイド試験
における試験パターンの配線長とストレスボイド不良基
準との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板 3,6 層間絶縁膜 5 測定用単位配線 5D ダミー測定用単位配線 3H,6H 接続孔 7A〜7F 接続孔配線 6DH ダミー接続孔 8A〜8D,4A〜4D 測定用引出配線 8P1〜8P4 測定端子 8T,8T1〜8T3 電圧モニター用タップ 8MD ダミー金属配線 10 半導体製造システム 11 オーブン 12 ステージ 13 コンピュータ 14 高温ステージ 15,16 抵抗測定器 15P,16P プローバ 15T,16T テスタ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G028 AA01 BC02 CG02 DH00 HN11 MS03 2G060 AA09 AE01 AE28 AF07 EA07 EB07 EB09 HC13 KA15 4M106 AA01 AA07 AA11 AB15 AC05 BA14 BA20 CA10 CA56 CA60 DH16 DH46 DH51 5F033 HH08 HH09 HH11 HH12 JJ17 JJ18 JJ19 JJ21 JJ32 JJ33 KK08 KK09 KK11 KK12 VV01 VV12 XX06 XX37

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも以下の工程を備えたことを特
    徴とする配線の信頼性測定方法。 (1)測定対象の金属配線の一部の配線長を有する測定
    用単位配線を形成する工程 (2)前記測定用単位配線においてストレスボイドを検
    出する工程 (3)前記測定用単位配線において検出されたストレス
    ボイドを、統計的手法に基づき、前記金属配線のすべて
    の配線長において検出されたストレスボイドとして規模
    換算する工程
  2. 【請求項2】 前記測定用単位配線を形成する工程は、 少なくとも4端子測定可能な測定用単位配線を形成する
    工程であることを特徴とする請求項1に記載の配線の信
    頼性測定方法。
  3. 【請求項3】 前記測定用単位配線を形成する工程は、 主組成金属の供給を遮断する物質により一端及び他端が
    終端された測定用単位配線を形成する工程であることを
    特徴とする請求項1に記載の配線の信頼性測定方法。
  4. 【請求項4】 前記測定用単位配線を形成する工程は、 30μm〜3000μmの範囲の間隔において配線長方
    向に複数個の電圧モニター用タップが配設された測定用
    単位配線を形成する工程であることを特徴とする請求項
    3に記載の配線の信頼性測定方法。
  5. 【請求項5】 前記測定用単位配線を形成する工程は、 下層又は上層に配設された少なくとも1つのダミー接続
    孔と、このダミー接続孔を通して電気的に接続され、電
    気的にフローティングのダミー金属配線とをさらに備え
    た測定用単位配線を形成する工程であることを特徴とす
    る請求項3又は請求項4に記載の配線の信頼性測定方
    法。
  6. 【請求項6】 前記測定用単位配線においてストレスボ
    イドを検出する工程は、少なくとも下記工程を備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の配線の信頼性測定方
    法。 (1)前記測定用単位配線の抵抗値を測定する工程 (2)前記測定用単位配線を少なくとも高温度に保持す
    る工程 (3)前記高温保持後において前記測定用単位配線の抵
    抗値を測定し、高温保持前後の抵抗変化率を算出する工
    程。
  7. 【請求項7】 前記工程(3)の抵抗変化率を算出する
    工程の後に、 前記測定用単位配線の抵抗変化率とストレスボイド不良
    基準とが比較され、前記測定対象の金属配線がストレス
    ボイド不良であるか否かの判定を行う工程をさらに備え
    たことを特徴とする請求項6に記載の配線の信頼性測定
    方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも以下の工程を備えたことを特
    徴とする半導体装置の製造方法。 (1)半導体基板上において、測定対象の金属配線の一
    部の配線長を有する測定用単位配線を形成する工程 (2)前記測定用単位配線においてストレスボイドを検
    出する工程 (3)前記測定用単位配線において検出されたストレス
    ボイドを、統計的手法に基づき、前記金属配線のすべて
    の配線長において検出されたストレスボイドとして規模
    換算する工程 (4)前記規模換算されたストレスボイドとストレスボ
    イド不良基準とが比較され、前記測定対象の金属配線が
    ストレスボイド不良であるか否かを判定する工程
  9. 【請求項9】 測定対象の金属配線及びこの金属配線の
    一部の配線長を有する測定用単位配線が配設された半導
    体基板を載置保持するステージと、 前記ステージ上に載置保持された半導体基板の測定用単
    位配線の抵抗値を測定する抵抗測定器と、 前記半導体基板を高温保持するオーブンと、 前記ステージを高温保持する加熱器又は高温保持可能な
    高温ステージと、 前記抵抗測定器において測定された抵抗値に基づき測定
    用単位配線のストレスボイドを測定し、さらに統計的手
    法に基づき前記金属配線のすべての配線長において測定
    されたストレスボイドとして規模換算するコンピュータ
    とを少なくとも備えたことを特徴とする半導体製造シス
    テム。
JP2000290753A 2000-09-25 2000-09-25 配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システム Pending JP2002100659A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000290753A JP2002100659A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000290753A JP2002100659A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002100659A true JP2002100659A (ja) 2002-04-05

Family

ID=18773936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000290753A Pending JP2002100659A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002100659A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011506936A (ja) * 2007-12-06 2011-03-03 クゥアルコム・インコーポレイテッド 金属接続配線の抵抗及び容量を推定する方法及び装置
KR20220029352A (ko) * 2020-09-01 2022-03-08 건국대학교 산학협력단 반도체 소자의 초기 불량 검출 방법 및 장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011506936A (ja) * 2007-12-06 2011-03-03 クゥアルコム・インコーポレイテッド 金属接続配線の抵抗及び容量を推定する方法及び装置
KR20220029352A (ko) * 2020-09-01 2022-03-08 건국대학교 산학협력단 반도체 소자의 초기 불량 검출 방법 및 장치
KR102636299B1 (ko) 2020-09-01 2024-02-15 건국대학교 산학협력단 반도체 소자의 초기 불량 검출 방법 및 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI601222B (zh) 具有監控鏈與測試導線之積體電路測試結構
US6320391B1 (en) Interconnection device for low and high current stress electromigration and correlation study
Schafft et al. Reproducibility of electromigration measurements
US8323991B2 (en) Method for detecting stress migration properties
US7105856B1 (en) Test key having a chain circuit and a kelvin structure
US20090033351A1 (en) Test structure for electromigration analysis and related method
US20130038334A1 (en) Test structure, method and circuit for simultaneously testing time dependent dielectric breakdown and electromigration or stress migration
US7253436B2 (en) Resistance defect assessment device, resistance defect assessment method, and method for manufacturing resistance defect assessment device
LaCombe et al. The distribution of electromigration failures
US20040036495A1 (en) Electromigration test structure for detecting the reliability of wiring
Hong et al. Breakdown energy of metal (BEM)-A new technique for monitoring metallization reliability at wafer level
JP2974068B1 (ja) エレクトロマイグレーション試験用半導体素子
Schafft et al. Electromigration and the current density dependence
JP2002100659A (ja) 配線の信頼性測定方法、半導体装置の製造方法及び半導体製造システム
US6770847B2 (en) Method and system for Joule heating characterization
US7804317B1 (en) Test device for determining charge damage to a transistor
Towner Are electromigration failures lognormally distributed?
US7119545B2 (en) Capacitive monitors for detecting metal extrusion during electromigration
GB2368974A (en) Method of testing an integrated circuit by assessing a conductive region formed at the periphery of the substrate
US6819124B1 (en) Detection of electromigration in integrated circuits
JPH11214628A (ja) 半導体装置の配線試験方法、配線試験回路および配線試験装置
Huang et al. Some practical concerns on isothermal electromigration tests
US8519388B2 (en) Embedded structure for passivation integrity testing
Passage et al. Stress migration followed by electromigration reliability testing
US20080237590A1 (en) Design structure for electrically tunable resistor