JP2002092482A - 携帯情報端末装置に対する情報配信方法および情報配信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローカルな店舗情報を近隣地区の顧客に選択
的に配信する。 【解決手段】 各店舗Ａ，Ｂ，Ｃごとに、それぞれ近隣
の地域を配信対象エリアＸ，Ｙ，Ｚとして設定する。各
店舗は、それぞれ自己の店舗で販売する商品や、提供す
る役務に関する広告情報、開催する催事の情報、優待ク
ーポンの情報などを用意し、各顧客の端末装置Ｔ１〜Ｔ
１０にＥメールとして配信する。このとき、店舗Ａから
の情報は、店舗Ａについて設定された配信対象エリアＸ
内にその時点で存在する端末装置Ｔ１〜Ｔ４に対しての
み配信されるようにする。新たなエリアに移動した端末
装置に対しては、当該エリア内の店舗からの情報がその
時点で配信される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯情報端末装置
に対する情報配信方法および情報配信装置に関し、特
に、顧客に対して商品の販売もしくは役務の提供を行う
店舗の発する情報を、各顧客のもつ携帯情報端末装置に
配信する情報配信方法および情報配信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】インターネットをはじめとする情報通信
技術の発達により、情報伝達手段が、新聞、雑誌、チラ
シなどの紙媒体から、Ｅメールなどの電子媒体へと移行
しつつある。現在、様々な記事や広告が、Ｗｅｂページ
やＥメールといった電子媒体を介して提供されており、
出版業界や広告業界も、紙媒体から電子媒体へと軸足を
移しつつある。また、ハードウエア自体の小型化も進
み、携帯型のパソコン、携帯型の電話器、ＰＤＡ（Pers
on Degital Assistants）などの携帯情報端末装置が普
及し、これら携帯情報端末装置を用いてインターネット
にアクセスしたり、Ｅメールの送受信を行ったりするこ
とが可能になってきている。ユーザは、携帯情報端末装
置を持ち歩くことにより、任意の場所で所望の情報にア
クセスすることができ、種々の情報の配信を受けること
ができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】電子媒体による情報配
信は、物理的な資源を消耗することなしに、情報だけを
即時に伝達させることができるメリットを有するため、
その情報量は今後も益々増加してゆくものと予想され
る。半面、ユーザにとってみれば、あまりに大量の情報
が配信されると、情報洪水の中に埋もれてしまい、自分
にとって必要な情報を取捨選択する作業に忙殺されるこ
とになる。したがって、ユーザの立場からは、自分に必
要な情報だけが配信されるような環境が望ましい。もち
ろん、広告などの情報をユーザに対して配信する企業側
の立場も同様であり、情報に利用価値を見出だせるユー
ザに対してだけ配信が行われるような環境が望ましい。

【０００４】しかしながら、現在のところ、各地区ごと
のローカルな情報を、当該情報を求めているユーザに選
択的に配信する技術は確立していない。このため、個々
の地区を拠点として営業を行っている店舗の広告手段と
しては、依然として、チラシなどの紙媒体の広告を近隣
地区の居住者に対して物理的に配布するという手段が主
力となっている。

【０００５】そこで本発明は、電子媒体を利用して、ロ
ーカルな店舗情報を近隣地区の顧客に選択的に配信する
ことが可能な情報配信方法および情報配信装置を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第１の態
様は、顧客に対して商品の販売もしくは役務の提供を行
う店舗に関する情報を、各顧客のもつ携帯情報端末装置
に配信する情報配信方法において、個々の店舗ごとにそ
れぞれ配信対象エリアを設定する段階と、各携帯情報端
末装置の現在位置を探索し、ある店舗について設定され
た配信対象エリア内に存在する携帯情報端末装置を、当
該店舗についてのその時点における配信対象と認識する
段階と、各店舗に関する情報を、当該店舗についてその
時点で配信対象となっている携帯情報端末装置に対して
配信する段階と、を行うようにしたものである。

【０００７】(2) 本発明の第２の態様は、上述の第１
の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信方法に
おいて、携帯情報端末装置に対して、店舗で販売する商
品に関する情報、店舗で提供する役務に関する情報、も
しくは店舗で開催される催事に関する情報を配信するよ
うにしたものである。

【０００８】(3) 本発明の第３の態様は、上述の第１
の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信方法に
おいて、携帯情報端末装置に対して、配信を受けた顧客
が来店すると優待サービスが与えられることを示すクー
ポン情報を配信するようにしたものである。

【０００９】(4) 本発明の第４の態様は、上述の第３
の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信方法に
おいて、店舗で販売する商品もしくは店舗で提供する役
務の価格に対して割引を行う旨の情報をクーポン情報と
して配信するようにしたものである。

【００１０】(5) 本発明の第５の態様は、上述の第４
の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信方法に
おいて、携帯情報端末装置に、販売された商品もしくは
提供された役務に対する代金決済処理を行う機能をもた
せ、この代金決済処理を行う際に、配信されたクーポン
情報に基づく割引処理を行うようにしたものである。

【００１１】(6) 本発明の第６の態様は、上述の第１
〜第５の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信
方法において、情報の配信を希望する顧客に、配信対象
となる携帯情報端末装置を特定したユーザ登録を予め行
わせておき、ある店舗について設定された配信対象エリ
ア内に存在し、かつ、ユーザ登録が行われている携帯情
報端末装置を、当該店舗についてのその時点における配
信対象とするようにしたものである。

【００１２】(7) 本発明の第７の態様は、上述の第６
の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信方法に
おいて、ユーザ登録の際に、顧客の個人情報をデータと
して収集しておき、携帯情報端末装置への配信を行う際
に、この個人情報を参照することにより、配信情報を取
捨選択するようにしたものである。

【００１３】(8) 本発明の第８の態様は、上述の第６
の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信方法に
おいて、店舗利用の際に、顧客の利用履歴をデータとし
て収集するようにし、携帯情報端末装置への配信を行う
際に、この利用履歴を参照することにより、配信情報を
取捨選択するようにしたものである。

【００１４】(9) 本発明の第９の態様は、上述の第１
〜第８の態様に係る情報配信方法において、特定の携帯
情報端末装置からの配信要求があった場合に、当該携帯
情報端末装置の現在位置を配信対象エリア内に含む店舗
に関する情報を、当該携帯情報端末装置に対して配信す
るようにしたものである。

【００１５】(10) 本発明の第１０の態様は、上述の
第１〜第９の態様に係る情報配信方法において、各店舗
自身にそれぞれ自己に関する情報を発信させ、各店舗を
発信源とする情報を、配信対象となる携帯情報端末装置
に配信するようにしたものである。

【００１６】(11) 本発明の第１１の態様は、顧客に
対して商品の販売もしくは役務の提供を行う店舗の発す
る情報を、各顧客のもつ携帯情報端末装置に配信する情
報配信装置において、個々の店舗に配置された店舗用シ
ステムと、情報配信の処理を行うための配信用システム
と、を設け、店舗用システムには、各店舗に固有の配信
情報を入力する情報入力部と、入力された配信情報を配
信用システムに伝送する情報伝送部と、を設け、配信用
システムには、各店舗について特定の配信対象エリアを
設定するエリア設定部と、各顧客のもつ携帯情報端末装
置の現在位置を探索する位置探索部と、各店舗に設定さ
れた配信対象エリア内に存在する携帯情報端末装置を当
該店舗についての配信対象と認識する配信対象認識部
と、情報伝送部から伝送されてきた特定の店舗について
の配信情報を当該特定の店舗についての配信対象となる
携帯情報端末装置に配信する配信処理部と、を設けるよ
うにしたものである。

【００１７】(12) 本発明の第１２の態様は、上述の第
１１の態様に係る携帯情報端末装置に対する情報配信装
置において、配信用システムに、顧客の個人情報もしく
は顧客の利用履歴をデータとして格納した顧客データベ
ースを更に設け、配信処理部が、この顧客データベース
を参照することにより、配信情報を取捨選択する機能を
有するようにしたものである。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。図１は、本発明に係る携帯情報端
末装置に対する情報配信方法の基本概念を示すブロック
図である。ここでは、説明の便宜上、３つの店舗Ａ，
Ｂ，Ｃが、この情報配信方法を利用する場合を考える。
もちろん、実用上は、より多数の店舗について実施が可
能である。この情報配信方法の特徴は、個々の顧客に対
して商品の販売もしくは役務の提供を行う店舗の発する
情報を、各顧客のもつ携帯情報端末装置に配信するよう
にし、かつ、配信時において特定のエリアに存在する携
帯情報端末装置に対してのみ配信を行うようにした点に
ある。

【００１９】この配信方法を実施する場合、まず、個々
の店舗ごとにそれぞれ配信対象エリアを設定しておく。
たとえば、図１に示す例では、店舗Ａについてはエリア
Ｘが、店舗ＢについてはエリアＹが、店舗Ｃについては
エリアＺが、それぞれ配信対象エリアとして設定されて
いる。一般的には、各店舗をほぼ中心とした近隣の所定
範囲内のエリアを配信対象エリアとして設定すればよい
が、あくまでも配信対象エリアは、店舗が発した情報を
配信したい地理的なエリアであり、各店舗ごとの営業形
態や地理的条件などを考慮して、適宜決定すればよい。
もちろん、各配信対象エリアの形状は任意であり、ま
た、複数の飛地領域からなるエリアを設定してもかまわ
ない。たとえば、駅前に位置する店舗の場合、鉄道沿線
を配信対象エリアとすることもできるし、近隣の駅周辺
からなる飛地領域を配信対象エリアとすることもでき
る。もちろん、各配信対象エリアは、店舗ごとに重複す
る領域を含んでいてもかまわない。図示の例では、各エ
リアＸ，Ｙ，Ｚはいずれも一部が重複している。

【００２０】続いて、顧客のもつ各携帯情報端末装置の
現在位置を探索し、ある店舗について設定された配信対
象エリア内に存在する携帯情報端末装置を、当該店舗に
ついてのその時点における配信対象と認識する。図１で
は、１０台の携帯情報端末装置Ｔ１〜Ｔ１０がエリア
Ｘ，Ｙ，Ｚ内に存在する例が示されており、店舗Ａにつ
いての配信対象は端末装置Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４、店
舗Ｂについての配信対象は端末装置Ｔ３，Ｔ４，Ｔ５，
Ｔ６，Ｔ７、店舗Ｃについての配信対象は端末装置Ｔ
４，Ｔ７，Ｔ８，Ｔ９，Ｔ１０ということになる。この
ような配信対象の認識処理は、個々の端末装置の地理的
な位置座標（たとえば、緯度および経度）を測定し、設
定した各配信対象エリアに関する地理情報と比較するこ
とによって行うことができる。各端末装置の地理的な位
置座標は、たとえば、現在利用されている一般的な携帯
型の電話機であれば、所定周期で中継アンテナとの交信
を行うことにより、常に最寄りの基地局の位置が把握さ
れているので、ある程度の精度で、現在位置を把握する
ことができる。また、最近では、ＧＰＳ（Global Posit
ioning System ）を搭載した携帯情報端末装置も普及し
始めており、このような端末装置については、自らが測
定した緯度および経度の情報を外部へ送信する機能をも
たせるようにすれば、自己の正確な位置を外部へ伝える
ことができる。

【００２１】こうして、各店舗についての配信対象とな
る携帯情報端末装置が認識できたら、各店舗の発する情
報を、当該店舗についてその時点で配信対象となってい
る携帯情報端末装置に対して配信すればよい。たとえ
ば、図１に示す例では、店舗Ａはディスカウントショッ
プであり、販売する商品に関する情報を広告として配信
している。図１の右下に示すメッセージは、この配信情
報の一例を示すものである。店舗Ａの発する配信情報
は、配信対象エリアＸ内に存在する端末装置Ｔ１，Ｔ
２，Ｔ３，Ｔ４に対して配信されることになる。したが
って、たとえば、端末装置Ｔ１（この例では、携帯電
話）の液晶ディスプレイには、図示のようなメッセージ
が表示されることになる。情報配信の手段としては、こ
こでは、Ｅメールを用いている。この場合、店舗Ａの発
する配信情報は、テキストデータとして用意され、端末
装置Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４に対するＥメールアドレス
宛に配信されることになる。もちろん、画像を受信でき
る携帯情報端末装置に対しては、画像入りの情報を配信
することも可能である。また、ここでは図示を省略する
が、実際には、店舗の住所、電話番号、道順などの情報
も併せて配信するのが好ましい。

【００２２】上述の例の場合、店舗Ａから発せられたロ
ーカルな広告情報は、エリアＸ内に存在する端末装置Ｔ
１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４に対してのみ配信されることにな
り、他の端末装置に配信されることはない。別言すれ
ば、その時点で、エリアＸ内に居た顧客に対してのみ、
店舗Ａから発せられた情報が伝達されることになる。も
ちろん、端末装置Ｔ３のように、２つのエリアＸ，Ｙに
跨がる位置に存在する装置に対しては、店舗Ａの情報と
店舗Ｂの情報とが配信されることになり、端末装置Ｔ４
のように、３つのエリアＸ，Ｙ，Ｚに跨がる位置に存在
する装置に対しては、店舗Ａ，Ｂ，Ｃの情報すべてが配
信されることになるが、いずれにしても、その時点で近
隣に存在している顧客に対してのみ、ローカルな情報を
伝達することができる。これは、店舗にとっても、顧客
にとっても、極めて好都合である。顧客にしてみれば、
遠方からの不要な情報が配信されることはなく、店舗に
してみれば、来店が期待できる近隣の顧客に対してのみ
効率的な情報伝達ができる。

【００２３】もちろん、各携帯情報端末装置は移動する
可能性があるので、たとえば、図１に示す端末装置Ｔ１
に対して、常に、店舗Ａからの情報が配信されるとは限
らない。そこで実用上は、１つの情報を配信するための
有効期間を設けておき、この有効期間内に新たな端末装
置が移動してきた場合には、当該端末装置に対して情報
配信を行うようにするとよい。たとえば、図１に示す例
では、ある時点で店舗Ａが情報を発した場合、当該情報
は、４台の端末装置Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４に配信され
ることになるが、しばらくして、端末装置Ｔ１０がエリ
アＸ内に移動してきたような場合には、店舗Ａが情報を
発した情報についての配信有効期間内であれば、この端
末装置Ｔ１０にも店舗Ａの情報を配信するようにする。
このような手法を採れば、たとえば、エリアＸ→Ｙ→Ｚ
の順に車で移動している通り掛かりの顧客に対しては、
店舗Ａ→Ｂ→Ｃの順で情報が配信されることになる。別
言すれば、移動中の顧客は、移動の先々でローカルな情
報を取得することができるようになる。

【００２４】図１では、ディスカウントショップＡが店
舗で販売する商品に関する情報を配信した例を示した
が、店舗から発する情報は、必ずしも商品に関する情報
に限られるわけではない。たとえば、図２(a) は、ビュ
ーティーサロンＢなる美容院が、店舗で提供する役務に
関する情報を配信した例である。また、図２(b) は、激
安スーパーＣなるスーパーマケットが、店舗で開催され
る催事に関する情報を配信した例である。ローカルな個
々の店舗が、日時を決めて開催する催事に関する情報
を、その時点で近隣にいる顧客にタイムリーに配信す
る、という課題を解決するために、本発明に係る情報配
信方法は最適である。

【００２５】図２(c) は、配信を受けた顧客が来店する
と優待サービスが与えられることを示すクーポン情報を
配信した例である。この例では、店舗で販売する商品の
価格に対して割引を行う旨の情報をクーポン情報として
配信しているが、もちろん、店舗で提供する役務の価格
に対して割引を行う旨の情報をクーポン情報として配信
することもできるし、割引以外の優待サービス（たとえ
ば、粗品の進呈）が与えられることを示すクーポン情報
を配信することも可能である。図２(c) に示すようなク
ーポン情報の配信を受けた顧客は、この店舗Ａにおい
て、当該携帯情報端末装置に表示されているクーポン情
報をレジなどで提示することにより、割引などのサービ
スを受けることができる。あるいは、印刷機能をもって
いる端末装置の場合は、図２(c) に示すようなクーポン
情報をプリントアウトし、一般の紙媒体のクーポンと同
様に、レジなどで差し出すようにしてもよい。更に、今
後は、販売された商品もしくは提供された役務に対する
代金決済処理を行う機能をもった携帯情報端末装置の利
用も普及するものと思われる。このような端末装置を利
用する場合であれば、この代金決済処理を行う際に、配
信されたクーポン情報に基づく割引処理を端末装置内部
で実行するようにしておけばよい。

【００２６】なお、図１に示す例では、各配信対象エリ
ア内に存在する端末装置すべてに、該当店舗から発せら
れた情報を配信するような説明を行ったが、実際には、
このような情報配信サービスの利用を希望した顧客に対
してのみ、情報配信を行うのが現実的である。したがっ
て、実用上は、情報の配信を希望する顧客に、配信対象
となる携帯情報端末装置を特定したユーザ登録を予め行
わせておくことになる。このユーザ登録のときに、Ｅメ
ールによる配信に必要なメールアドレスを申告してもら
うようにする。そして、ある店舗についての情報を配信
する際には、当該店舗について設定された配信対象エリ
ア内に存在し、かつ、ユーザ登録が行われている携帯情
報端末装置を、当該店舗についてのその時点における配
信対象として情報配信を行うようにする。

【００２７】このユーザ登録を行う際には、顧客の住
所、年齢、性別、職業、家族構成、趣味などの情報も知
らせてもらい、これらの情報を各顧客の個人情報として
顧客データベースに収集しておくようにすると便利であ
る。すなわち、このような顧客データベースが用意でき
れば、携帯情報端末装置への配信を行う際に、顧客デー
タベース内の個人情報を参照することにより、配信情報
を取捨選択することが可能になる。たとえば、図２(a)
に示すような美容院の広告については、女性の顧客に対
してのみ配信する、といった取捨選択を行うことによ
り、無駄な情報配信を避けることができる。

【００２８】また、上述した代金決済処理を行う機能を
もった携帯情報端末装置を利用している場合や、クレジ
ットカードなどを利用して代金決済処理を行うような場
合には、店舗利用の際に、顧客の利用履歴をデータとし
て収集し、顧客データベースに蓄積することも可能であ
る。すなわち、顧客がいつ、どのような商品を、どのよ
うな価格で購入したか、あるいは、どのような役務の提
供を、どのような価格で利用したか、という利用履歴
が、何らかの形で記録として残るシステムであれば、個
々の顧客の利用履歴をデータとして収集し、顧客データ
ベースに蓄積することが可能になる。このような顧客デ
ータベースが用意できれば、携帯情報端末装置への配信
を行う際に、顧客データベース内の利用履歴を参照する
ことにより、配信情報を取捨選択することが可能にな
る。たとえば、前日に美容院を利用したばかりの顧客に
対しては、図２(a) に示すような美容院の広告は配信し
ないようにし、無駄な情報配信を避けることができる。

【００２９】最後に、本発明に係る情報配信方法を実施
するのに適した情報配信装置の構成例を、図３のブロッ
ク図に基づいて説明する。この情報配信装置は、顧客に
対して商品の販売もしくは役務の提供を行う店舗の発す
る情報を、各顧客のもつ携帯情報端末装置に配信する処
理を実行することができ、図示のとおり、店舗用システ
ム１００と配信用システム２００とによって構成されて
いる。店舗用システム１００は、個々の店舗に配置され
るシステムであり（図では、１つの店舗分のみが示され
ている）、各店舗に固有の配信情報（具体的には、図２
(a) ，(b) ，(c) に示すような各店舗ごとのローカルな
広告情報）を入力する情報入力部１１０と、入力された
配信情報を配信用システム２００に伝送する情報伝送部
１２０とを有している。具体的には、この店舗用システ
ム１００は、パソコンなどの通信機能をもった情報処理
装置によって構成することができる。たとえば、各店舗
の店長が、情報入力部１１０（具体的には、キーボード
など）を操作して、任意の配信情報を入力すると、この
配信情報は、情報伝送部１２０（たとえば、モデムなど
の通信装置）によって、配信用システム２００へと伝送
されることになる。

【００３０】一方、配信用システム２００は、複数の店
舗から伝送されてきた配信情報を、特定の顧客の携帯情
報端末装置１０へと配信する処理を行うシステムであ
り、具体的には、ある程度の規模をもったコンピュータ
システムによって構成される。このブロック図では、こ
の配信用システム２００の構成が、配信処理部２１０、
配信対象認識部２２０、顧客データベース２３０、エリ
ア設定部２４０、位置探索部２５０なる５つの機能ブロ
ックとして示されている。エリア設定部２４０は、各店
舗について特定の配信対象エリアを設定する機能を有
し、たとえば、図１に示すように、各店舗Ａ，Ｂ，Ｃに
ついて設定された配信対象エリアＸ，Ｙ，Ｚを地図デー
タとして格納保持する。位置探索部２５０は、各顧客の
もつ携帯情報端末装置１０の現在位置を探索する機能を
有し、たとえば、各携帯情報端末装置１０に内蔵された
ＧＰＳによって検知された緯度／経度からなる位置情報
の送信を受け、現在位置の認識を行う機能を有してい
る。配信対象認識部２２０は、エリア設定部２４０に設
定されたデータと、位置探索部２５０が探索した位置デ
ータとに基づいて、各店舗について設定された配信対象
エリア内に存在する携帯情報端末装置を当該店舗につい
ての配信対象と認識する処理を行う。

【００３１】配信処理部２１０は、各店舗の情報伝送部
１２０から伝送されてきた配信情報を受信し、配信対象
認識部２２０における認識結果に基づいて、各配信情報
を対象となる特定の携帯情報端末装置１０に配信する処
理を行う。このとき、顧客データベース２３０が参照さ
れる。この顧客データベース２３０には、前述したユー
ザ登録処理により、個々の顧客の個人情報が格納されて
おり、また、個々の顧客の利用履歴も格納されている。
配信処理部２１０は、この個人情報および利用履歴を参
照して、各店舗から伝送されてきた配信情報を取捨選択
することになる。また、顧客データベース２３０内に
は、個々の顧客（端末装置）のＥメールアドレスも格納
されており、配信処理部２１０は、このＥメールアドレ
スを利用して、特定の顧客の携帯情報端末装置１０に、
特定の店舗からの情報を、Ｅメールとして配信する処理
を行う。

【００３２】このように、個々の店舗に配置された店舗
用システム１００と、情報配信の処理を行うための配信
用システム２００と、によって情報配信装置を構成して
おくと、本発明に係る携帯情報端末装置に対する情報配
信方法を円滑に実施することができるようになる。たと
えば、全国に多数の店舗を展開する企業が、本発明に係
る情報配信方法を利用する場合、各店舗にそれぞれ店舗
用システム１００を設置し、本部に配信用システム２０
０を設定しておく形態を採ることができる。この場合、
個々の顧客についてのユーザ登録は、本部において一括
して行い、収集したデータを顧客データベース２３０に
格納するようにする。また、各店舗についての配信対象
エリアの設定、個々の携帯情報端末装置１０の位置探
索、配信対象の認識、Ｅメールを利用した情報配信、と
いった処理は、すべて本部に設置された配信用システム
２００によって実行するようにする。そうすれば、個々
の店舗では、当該店舗の広告として配信すべき情報を入
力し、これを本部の配信用システム２００に伝送する処
理を行うだけですむ。

【００３３】以上、本発明を図示する実施形態に基づい
て説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるも
のではなく、この他にも種々の形態で実施可能である。
たとえば、図３に示す例では、情報配信はすべて配信用
システム２００によって行うようにしているが、もちろ
ん、各店舗用システム１００から、各顧客の携帯情報端
末装置１０に対して、情報配信を直接行うようにしても
かまわない。また、本発明にいう携帯情報端末装置と
は、顧客とともに移動が可能な情報通信端末装置を広く
指しており、携帯型のパソコン、携帯型の電話器、ＰＤ
Ａなどを含むことはもちろん、自動車のナビゲーション
システムなどに組み込まれた端末装置なども含むもので
ある。

【００３４】更に、上述の実施形態では、情報の発信者
（店舗）の意思に基づいて、情報の受信者（顧客）に対
して一方的に配信を行ういわゆる「ＰＵＳＨ型」の配信
を行う例を述べたが、本発明を実施する上での情報配信
は、必ずしも「ＰＵＳＨ型」で行う必要はなく、いわゆ
る「ＰＵＬＬ型」の配信を採ることも可能である。この
「ＰＵＬＬ型」の配信を採る場合は、情報の受信者たる
顧客の意思に基づいて、配信が行われることになる。す
なわち、顧客が携帯情報端末装置を用いて所定のサーバ
にアクセスすることにより、ファイルのダウンロードと
いう形式で配信情報を得ることができるようになる。別
言すれば、特定の携帯情報端末装置からの配信要求があ
った場合に、当該携帯情報端末装置の現在位置を配信対
象エリア内に含む店舗に関する情報が、当該携帯情報端
末装置に対して配信されることになる。

【００３５】また、上述の実施形態では、携帯情報端末
装置に対する情報配信をＥメールを利用して行っている
が、Ｗｅｂサイトを利用した配信を行うことも可能であ
る。この場合は、上述した「ＰＵＬＬ型」の配信が行わ
れることになる。すなわち、顧客が携帯情報端末装置の
Ｗｅｂブラウザ機能を利用して、所定のＷｅｂサイトを
アクセスすると、当該顧客に対して配信すべき情報（当
該顧客のもつ携帯情報端末装置の現在位置を配信対象エ
リア内に含む店舗に関する情報）がＷｅｂページとして
提供されることになる。もちろん、本発明による情報配
信は、ＥメールやＷｅｂサイトを利用した情報配信に限
定されるわけではなく、個々の携帯情報端末装置ごと
に、それぞれ固有の情報を配信することができれば、ど
のような配信手段を用いてもかまわない。また、上述の
実施形態では、各店舗自身にそれぞれ自己に関する情報
を発信させ、各店舗を発信源とする情報を、配信対象と
なる携帯情報端末装置に配信するようにしているが、各
店舗に関する情報を各店舗自身に発信させる代わりに、
たとえば、本部で作成してこれを配信するようなことも
可能である。

【００３６】

【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る携帯情報端
末装置に対する情報配信方法および情報配信装置によれ
ば、電子媒体を利用して、ローカルな店舗情報を近隣地
区の顧客に選択的に配信することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る情報配信方法の基本概念を示すブ
ロック図である。

【図２】本発明に係る情報配信方法において店舗から発
せられる情報の一例を示す図である。

【図３】本発明に係る情報配信装置の基本構成を示すブ
ロック図である。

【符号の説明】

１０…携帯情報端末装置 １００…店舗用システム １１０…情報入力部 １２０…情報伝送部 ２００…配信用システム ２１０…配信処理部 ２２０…配信対象認識部 ２３０…顧客データベース ２４０…エリア設定部 ２５０…位置探索部 Ａ，Ｂ，Ｃ…店舗 Ｔ１〜Ｔ１０…携帯情報端末装置 Ｘ，Ｙ，Ｚ…配信対象エリア

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 顧客に対して商品の販売もしくは役務の
   提供を行う店舗に関する情報を、各顧客のもつ携帯情報
   端末装置に配信する情報配信方法であって、 個々の店舗ごとにそれぞれ配信対象エリアを設定する段
   階と、 各携帯情報端末装置の現在位置を探索し、ある店舗につ
   いて設定された配信対象エリア内に存在する携帯情報端
   末装置を、当該店舗についてのその時点における配信対
   象と認識する段階と、 各店舗に関する情報を、当該店舗についてその時点で配
   信対象となっている携帯情報端末装置に対して配信する
   段階と、 を有することを特徴とする携帯情報端末装置に対する情
   報配信方法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の情報配信方法におい
   て、 携帯情報端末装置に対して、店舗で販売する商品に関す
   る情報、店舗で提供する役務に関する情報、もしくは店
   舗で開催される催事に関する情報を配信することを特徴
   とする携帯情報端末装置に対する情報配信方法。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の情報配信方法におい
   て、 携帯情報端末装置に対して、配信を受けた顧客が来店す
   ると優待サービスが与えられることを示すクーポン情報
   を配信することを特徴とする携帯情報端末装置に対する
   情報配信方法。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の情報配信方法におい
   て、 店舗で販売する商品もしくは店舗で提供する役務の価格
   に対して割引を行う旨の情報をクーポン情報として配信
   することを特徴とする携帯情報端末装置に対する情報配
   信方法。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の情報配信方法におい
   て、 携帯情報端末装置に、販売された商品もしくは提供され
   た役務に対する代金決済処理を行う機能をもたせ、この
   代金決済処理を行う際に、配信されたクーポン情報に基
   づく割引処理を行うことを特徴とする携帯情報端末装置
   に対する情報配信方法。
6. 【請求項６】 請求項１〜５のいずれかに記載の情報配
   信方法において、 情報の配信を希望する顧客に、配信対象となる携帯情報
   端末装置を特定したユーザ登録を予め行わせておき、 ある店舗について設定された配信対象エリア内に存在
   し、かつ、ユーザ登録が行われている携帯情報端末装置
   を、当該店舗についてのその時点における配信対象とす
   ることを特徴とする携帯情報端末装置に対する情報配信
   方法。
7. 【請求項７】 請求項６に記載の情報配信方法におい
   て、 ユーザ登録の際に、顧客の個人情報をデータとして収集
   しておき、 携帯情報端末装置への配信を行う際に、前記個人情報を
   参照することにより、配信情報を取捨選択することを特
   徴とする携帯情報端末装置に対する情報配信方法。
8. 【請求項８】 請求項６に記載の情報配信方法におい
   て、 店舗利用の際に、顧客の利用履歴をデータとして収集す
   るようにし、 携帯情報端末装置への配信を行う際に、前記利用履歴を
   参照することにより、配信情報を取捨選択することを特
   徴とする携帯情報端末装置に対する情報配信方法。
9. 【請求項９】 請求項１〜８のいずれかに記載の情報配
   信方法において、 特定の携帯情報端末装置からの配信要求があった場合
   に、当該携帯情報端末装置の現在位置を配信対象エリア
   内に含む店舗に関する情報を、当該携帯情報端末装置に
   対して配信することを特徴とする携帯情報端末装置に対
   する情報配信方法。
10. 【請求項１０】 請求項１〜９のいずれかに記載の情報
    配信方法において、 各店舗自身にそれぞれ自己に関する情報を発信させ、各
    店舗を発信源とする情報を、配信対象となる携帯情報端
    末装置に配信することを特徴とする携帯情報端末装置に
    対する情報配信方法。
11. 【請求項１１】 顧客に対して商品の販売もしくは役務
    の提供を行う店舗の発する情報を、各顧客のもつ携帯情
    報端末装置に配信する情報配信装置であって、 個々の店舗に配置された店舗用システムと、情報配信の
    処理を行うための配信用システムと、を備え、 前記店舗用システムは、各店舗に固有の配信情報を入力
    する情報入力部と、入力された配信情報を前記配信用シ
    ステムに伝送する情報伝送部と、を有し、 前記配信用システムは、各店舗について特定の配信対象
    エリアを設定するエリア設定部と、各顧客のもつ携帯情
    報端末装置の現在位置を探索する位置探索部と、各店舗
    に設定された配信対象エリア内に存在する携帯情報端末
    装置を当該店舗についての配信対象と認識する配信対象
    認識部と、前記情報伝送部から伝送されてきた特定の店
    舗についての配信情報を当該特定の店舗についての配信
    対象となる携帯情報端末装置に配信する配信処理部と、
    を有することを特徴とする携帯情報端末装置に対する情
    報配信装置。
12. 【請求項１２】 請求項１１に記載の情報配信装置にお
    いて、 配信用システムが、顧客の個人情報もしくは顧客の利用
    履歴をデータとして格納した顧客データベースを更に備
    え、配信処理部が、この顧客データベースを参照するこ
    とにより、配信情報を取捨選択する機能を有することを
    特徴とする携帯情報端末装置に対する情報配信装置。