JP2002091695A - ポインティングデバイスおよび受信ユニット - Google Patents

ポインティングデバイスおよび受信ユニット

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JP2002091695A
JP2002091695A JP2000283618A JP2000283618A JP2002091695A JP 2002091695 A JP2002091695 A JP 2002091695A JP 2000283618 A JP2000283618 A JP 2000283618A JP 2000283618 A JP2000283618 A JP 2000283618A JP 2002091695 A JP2002091695 A JP 2002091695A
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JP
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signal
pointing device
wireless signal
pen
ultrasonic
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JP2000283618A
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English (en)
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Katsuhiro Tsuji
勝啓 辻
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Melco Inc
Original Assignee
Melco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の有線ペン型ポインティングデバイスや
タブレット型ポインティングデバイスは操作性が悪く、
無線型では無駄な消費電力が多かった。 【解決手段】 ペン型筐体に複数の押しボタンを設け、
自己の位置を認識させるための信号を無線で送出するこ
とから、良操作性を実現しつつ通常のポインティングデ
バイスと同様の操作をすることができる。また、自己の
位置を認識させるための信号は、ペン先形状近傍に設け
られていることから、ポインティングデバイスの位置決
定において利用者が望む位置とポインタが表示される位
置とのずれを生じにくい。また、多様なスイッチ構成に
よって簡単に無駄な電力消費を防ぐことが可能であると
ともに、多様な利用者にも対応できる。また、未使用時
に無線信号の送出を停止し、常に適正強度で無線信号を
送出可能なので無駄な電力消費を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポインティングデ
バイスおよび受信ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】ポインティングデバイスは、GUI(G
raphical User Interface)を
多用する近年のコンピュータにおいて不可欠な入力装置
となっている。このポインティングデバイスはマウスを
始めトラックボールやタブレット等種々のものが実用化
されているが、操作性や利き手に対する対応等において
それぞれのポインティングデバイスで一長一短である。
CGを作成する際に特に有用なポインティングデバイス
としてペン型のものやタブレットが挙げられる。さら
に、信号線の煩わしさを解消するために近年ワイヤレス
型のマウスも実現されている。
【0003】実開平4−44040号公報には外径ケー
スをペン型としてペン先部分に位置情報を得るためのボ
ールを配設しており、他端に信号線を接続して検出信号
等をコンピュータに入力するようになっている。また、
特開2000−132327号公報にはタブレット型の
ものが開示されており、同公報ではペン型本体のペン先
から発光可能に構成し、タブレットにおいてペン先の発
光と接触とを検出し、同タブレットから検出信号等をコ
ンピュータに入力するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のポイン
ティングデバイスにおいては、次のような課題があっ
た。すなわち、前者のペン型ポインティングデバイスに
おいては先端に位置検出のためのボールを設けるため、
ある程度の大きさを有するボールとその回転を検出する
ための機構を先端に設ける必要があり、先端部が大きく
なってしまう。また、ポインティングデバイスとコンピ
ュータとを信号線によって接続しているため、ポインテ
ィングデバイスを移動させる際の自由度が同信号線によ
って規制され、操作性が悪いという問題があった。一
方、近年ワイヤレス型のマウスも実用化されているが、
このタイプでは自身にて信号を送出するために常に電力
を消費しており、省電力化が望まれている。
【0005】さらに、後者のタブレット型においてはポ
インティングデバイスとして常にペン型本体とタブレッ
トとがペアになっている必要があり、持ち運ぶには不便
であった。また、位置検出はタブレット上でしかできな
いため、操作性向上のためタブレットを大きくすると、
ポインティングデバイスが占有する場所が大きくなって
しまうという問題があった。本発明は、上記課題にかん
がみてなされたもので、装置構成が単純で、操作性及び
携帯性が良く、消費電力を低減することが可能なポイン
ティングデバイスおよび受信ユニットを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、所定の無線信号を複数位
置で検出させることによって自己の位置を認識させるポ
インティングデバイスであって、一方端がペン先形状で
あり、同ペン先形状側の先端近傍がグリップとなる概略
筒状のペン型筐体と、同筐体の上記グリップ部分に設け
られた複数の押しボタンと、自己の位置を認識させるた
めの信号及び上記押しボタンの操作内容に応じた信号を
生成する信号生成手段と、上記筐体のペン先形状近傍に
その信号出力部が設けられ、上記信号生成手段によって
生成された信号を無線信号として送出可能な無線信号送
出手段とを具備する構成としてある。
【0007】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、ポインティングデバイス本体をペン型に
するとともに、所定の無線信号を複数位置で検出させる
ことによって自己の位置を認識させるように構成してお
り、ワイヤレスであって操作性の良いポインティングデ
バイスを提供している。このために、本体の回路等はペ
ン型筐体内部に構成され、同ペン型筐体は一方端がペン
先形状であって、同ペン先形状側の先端近傍がグリップ
となる概略筒状の外形に構成されている。また、同筐体
の上記グリップ部分には複数の押しボタンが設けられて
おり、利用者が本ポインティングデバイスを握ったまま
クリック操作等を行うことが可能である。
【0008】また、信号生成手段は自己の位置を認識さ
せるための信号及び上記押しボタンの操作内容に応じた
信号を生成するようになっており、同生成された信号
は、上記筐体のペン先形状近傍にその信号出力部が設け
られた無線信号送出手段によって無線信号として送出可
能である。すなわち、本ポインティングデバイスからは
自己の位置を認識させるための信号が無線信号として送
出されており、また、利用者がポインティングデバイス
を握ったまま上記押しボタンをクリックすると、当該ク
リックに応じた信号が無線信号として送出される。従っ
て、ポインティングデバイスから提供する信号の全てを
無線で送出しており、ポインティングデバイスの操作に
当たって信号線に煩わされることがなく操作性が向上す
る。
【0009】一方、上記無線信号送出手段は上記筐体の
ペン先形状近傍にその信号出力部が設けられているの
で、ポインティングデバイスがペン型形状であっても位
置情報を的確に送出することができる。すなわち、所定
の無線信号を複数位置で検出させることによって自己の
位置を認識させるポインティングデバイスにおいては、
例えば、ポインティングデバイスから超音波信号を発信
し、上記複数の位置で受信した超音波信号の相対的な位
相差によって位置情報を算出するなどしている。従っ
て、利用者がポインティングデバイスによって示そうと
している位置と超音波信号の発信源の位置とがずれてい
ると、ポインティングデバイスの操作感,追従性が低下
してしまう。
【0010】ここで、ペン形状物体の通常の握り方を考
えてみると、ペン先の数cm上部を親指と人差し指と中
指とで固定するのが一般的であり、ペン先の反対側は手
の甲の脇に添えられるだけである。従って、ペン形状物
体の本体には上記三本の指による固定位置を回転中心と
したトルクがかかるようになっており、固定位置たる回
転中心からペン先までとペン先の反対側までとでは、固
定位置とペン先との距離の方が圧倒的に短い。従って、
ペン先位置が利用者の意図する位置である場合、ペン先
位置と上記固定位置とではほとんど相対位置のずれは生
じないが、ペン先の反対側に行くにつれペン先との相対
位置のずれが生じやすい。
【0011】本発明においては、無線信号送出手段はペ
ン先形状近傍にその信号出力部が設けられていることか
ら、ペン先との相対位置のずれはほとんど生じることは
なく、利用者の意図するポインティングデバイスの位置
を的確に反映することができる。ここでは信号出力部が
ペン先形状近傍に設けられることによって信号の出力位
置とペン先位置とが相対的にずれることがない状態で無
線信号を出力することができれば良く、上記の例におい
ては、ペン先とグリップとの間から無線信号が放射され
るように構成すると好適である。むろん、上述の例は一
例であり、毛筆のようにペン先と離れた位置を握るよう
なポインティングデバイスを構成するとしても、信号出
力部がペン先近傍に設けられることによって利用者の意
図するペン先位置を的確に反映させることができると言
える。
【0012】ここで、上記信号生成手段においては自己
の位置を認識させるための信号及び上記押しボタンの操
作内容に応じた信号を生成することができれば良く、種
々の態様が採用可能である。例えば、所定の発振回路か
ら定常的な発振信号を生成して自己の位置を認識させる
ための信号とし、上記押しボタン操作に応じて当該発振
信号を周波数変調することによって所定のコード信号と
することや、所定の発振回路から定常的な発振信号を生
成して自己の位置を認識させるための信号とし、上記押
しボタン操作に応じたコードを示すパルス信号列を生成
し、これらを重畳することによってボタン操作に応じた
信号を生成することができる。むろん、変調方式も種々
の対応が採用可能であり、上述の周波数変調の他、振幅
変調や位相変調、パルス変調等を採用することができ
る。
【0013】さらに、無線信号送出手段は上記信号生成
手段が生成した信号を無線信号として送出することがで
きれば良く、受信側にて上記自己の位置を認識させるた
めの信号及び上記押しボタンの操作内容に応じた信号と
を認識可能に復調することができればよい。例えば、上
述のようにして生成した信号を超音波信号として空間中
に放射したり、同様に電磁波信号として空間中に放射し
たりすることが可能である。むろん、上記自己の位置を
認識させるための信号を定常的な発振信号とする場合
に、当該定常的な発振信号を搬送波とすることも可能で
ある。
【0014】このように、本発明によるとワイヤレス型
のペン型ポインティングデバイスを提供することが可能
である。このようなワイヤレス型のポインティングデバ
イスにおいては、使用するコンピュータからポインティ
ングデバイスに対してケーブルを介して電源を供給する
ことができないため、コンピュータと別に電池等の独立
した電源から上記信号生成手段と上記無線信号送出手段
に所定の電力を供給する必要がある。従来のワイヤレス
型ポインティングデバイスにおいては内部電池から電源
を得ており、電源スイッチをオンにすると上記自己の位
置を認識させるための信号を常時発振/送出している。
しかし、コンピュータを使用している際にポインティン
グデバイスが常に使用され続けるわけではなく、放置さ
れていることも多い。
【0015】このような不使用時にも電力を消費してし
まうと電池容量の無駄であり、使用終了に際して電源ス
イッチをオフにし忘れるとたちどころに電池がなくなっ
てしまう等の問題がある。そこで、消費電力をできるだ
け抑えるための構成の一例として、請求項2にかかる発
明は、上記請求項1に記載のポインティングデバイスに
おいて、本ポインティングデバイスが転倒したことを検
出する転倒センサを具備し、上記信号生成手段と無線信
号送出手段とのいずれかまたは双方においては、上記転
倒センサが転倒を検出したときに電源供給が遮断される
構成としてある。
【0016】上記のように構成した請求項2にかかる発
明においては、転倒センサにてポインティングデバイス
が転倒したことを検出する。そして、この転倒が検出さ
れたときに上記信号生成手段と無線信号送出手段とのい
ずれかまたは双方に対する電源供給を遮断する。すなわ
ち、ペン型のポインティングデバイスにおいて利用者が
ポインティングデバイスを放すと通常同ポインティング
デバイスは転倒するので、かかる転倒を検出することで
ポインティングデバイスの未使用状態を検出することが
できる。この結果、未使用時に電源供給を遮断すること
が可能になる。
【0017】ここで、転倒センサにおいてはポインティ
ングデバイスが転倒した旨を検出することができればよ
く、種々の構成が採用可能である。例えば、ポインティ
ングデバイスに発生する振動を検出するセンサや、磁石
とホール素子とからなるいわゆる転倒傾斜センサ等が採
用でき、他にも種々のセンサにて構成可能である。ま
た、電源供給を遮断するための構成も様々であり、上記
転倒センサの検出信号に応じて導通/非導通を切り替え
るスイッチ等によって構成することができる。このと
き、転倒センサによって転倒を検知して電源供給を遮断
するとともに非転倒状態を検知して電源供給を再開する
ように構成すると好適である。
【0018】また、本発明によると無線対応のペン型ポ
インティングデバイスであっても、位置ずれを起こすこ
となく的確に位置情報を伝達することができるが、さら
に操作性を向上させるための好適な一例として、請求項
3にかかる発明は、上記請求項1または請求項2のいず
れかに記載のポインティングデバイスにおいて、上記ペ
ン型筐体の一方端は、押し込み操作可能なペン先形状の
スイッチとして形成されている構成としてある。
【0019】上記のように構成した請求項3にかかる発
明においては、上記ペン型筐体の一方端は、押し込み操
作可能なペン先形状のスイッチとして形成されているの
で、利用者は、上記グリップ部分の複数の押しボタンに
加えてペン先形状の押し込み操作によって所定の操作を
行わせることができる。すなわち、ペン形状物体を握っ
た状態では、上記押しボタン操作を行うことができる指
は実質上人差し指と親指とになってしまう場合が多い
が、ペン先の押し込みによって操作可能にすることでペ
ン形状物体を握っていても多くの操作を行うことができ
る。
【0020】このようにペン先形状のスイッチによって
操作を行う際の具体例として、請求項4にかかる発明
は、上記請求項3に記載のポインティングデバイスにお
いて、上記信号生成手段は、上記ペン先形状のスイッチ
の操作がなされたときに上記押しボタンのいずれかの操
作内容に応じた信号を生成する構成としてある。上記の
ように構成した請求項4にかかる発明においては、ペン
先形状のスイッチによって上記押しボタンと同様の操作
を行うことができる。例えば、描画ソフトウェアにおい
て押しボタンをクリックしながらポインティングデバイ
スを移動させることによって自由線を描画する場合、上
記ペン先形状のスイッチを当該押しボタンと同様の操作
を行うスイッチとして構成すれば、ペン先を押しつけな
がらポインティングデバイスを移動させるのみで自由線
を描画することが可能であり、紙に対してボールペン等
で描画している感覚に近い操作感を得ることができる。
【0021】さらに、ペン先形状のスイッチによって操
作を行う際の他の具体例として、請求項5にかかる発明
は、上記請求項3に記載のポインティングデバイスにお
いて、上記ペン先形状のスイッチは、上記信号生成手段
と無線信号送出手段とのいずれかまたは双方に対する電
源供給と遮断とを制御可能である構成としてある。上記
のように構成した請求項5にかかる発明においては、ペ
ン先形状のスイッチによって電源供給と遮断とを制御可
能であり、当該スイッチによって上記信号生成手段と無
線信号送出手段とのいずれかまたは双方が制御される。
【0022】すなわち、ワイヤレス型のポインティング
デバイスにおいては、上述のように省電力化が重要であ
る。そこで、本発明のように上記ペン先形状のスイッチ
を電源供給のスイッチとし、利用者がペン先を押しつけ
つつポインティングデバイスを使用するように構成すれ
ば、必要なときのみに電源が消費され電池を長持ちさせ
るのに非常に好適である。ところで、ポインティングデ
バイスは現在のところいわゆるマウスが最も普及してお
り、マウスには通常ボタンが一つあるいは二つあること
から、本ポインティングデバイスにおいても一つあるい
は二つのボタンが設けられればマウスの代替としても非
常に有用である。そこで、上記グリップ部分に設けられ
た複数の押しボタンの具体例として、請求項6にかかる
発明は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載のポ
インティングデバイスにおいて、上記押しボタンは、上
記ペン型筐体のグリップを握った状態の指先直下に設け
られている構成としてある。
【0023】上記のように構成した請求項6にかかる発
明において、上記押しボタンは上記ペン型筐体のグリッ
プを握った状態の指先直下に設けられている。従って、
利用者がグリップを握った状態において僅かに指先を動
かすのみでクリック動作を行うことが可能であり、指を
動かすための自由度が少なくても、容易にクリック動作
を行うことができる。より具体的には、例えば、右利き
の人がグリップを握った状態において人差し指の指先直
下と親指の指先直下とに押しボタンを設け、人差し指直
下の押しボタンに対していわゆる右クリックを対応さ
せ、親指の指先直下の押しボタンに対していわゆる左ク
リックを対応させることが挙げられる。
【0024】さらに、より多くの利用者に対して使用し
やすいポインティングデバイスを提供するための構成の
一例として請求項7にかかる発明は、上記請求項1〜請
求項6のいずれかに記載のポインティングデバイスにお
いて、上記信号生成手段は、上記押しボタンの操作内容
に応じて生成する信号パターンを各ボタン相互に変更可
能である構成としてある。上記のように構成した請求項
7にかかる発明においては、押しボタンの操作内容に応
じて生成する信号パターンを各ボタン相互に変更可能で
あるので、上述のように各押しボタンをマウスの左右ク
リックに対応させた場合、その左右の対応を右左に変更
することができる。従って、右利きの利用者,左利きの
利用者いずれにとっても違和感なく使用することが可能
になる。
【0025】さらに、請求項8にかかる発明は、上記請
求項1〜請求項7のいずれかに記載のポインティングデ
バイスにおいて、上記ペン型筐体の他方端は押し込み操
作可能なスイッチとして形成されている構成としてあ
る。上記のように構成した請求項8にかかる発明におい
ては、ペン型筐体の他方端が押し込み操作可能なスイッ
チであり、通常のペンによくあるノック式ペンと同様の
外観にしてペン型の外観を損ねることなく構成し、か
つ、多様な操作を行わせることが可能である。
【0026】さらに、請求項9にかかる発明は、上記請
求項8に記載のポインティングデバイスにおいて、上記
他方端に形成されたスイッチは、上記信号生成手段と無
線信号送出手段とのいずれかまたは双方に対する電源供
給と遮断とを制御可能である構成としてある。上記のよ
うに構成した請求項9にかかる発明においては、上記他
方端に形成されたスイッチは、上記信号生成手段と無線
信号送出手段とのいずれかまたは双方に対する電源供給
と遮断とを制御可能であるので、本ポインティングデバ
イスの未使用時に電源をオフにすることによって無駄な
電力消費を防止することができる。
【0027】さらに、請求項10にかかる発明は、上記
請求項1〜請求項9のいずれかに記載のポインティング
デバイスにおいて、利用者が上記ペン型筐体のグリップ
を握っているか否かを検出するセンサを具備し、同セン
サの検出信号は、上記信号生成手段と無線信号送出手段
とのいずれかまたは双方に対する電源供給と遮断とを制
御するために使用される構成としてある。上記のように
構成した請求項10にかかる発明においては、所定のセ
ンサを具備し、同センサによって利用者が上記ペン型筐
体のグリップを握っているか否かを検出する。そして、
同センサの検出信号は、上記信号生成手段と無線信号送
出手段とのいずれかまたは双方に対する電源供給と遮断
とを制御するために使用される。すなわち、上記センサ
によってグリップを握っていることが検出されていると
きのみに本ポインティングデバイスの電源がオンにな
り、未使用時の無駄な電力消費を防止することができ
る。
【0028】ここで、上記センサにおいては、利用者が
グリップを握っているか否かを検出することができれば
良く、種々の態様が採用可能である。例えば、ポインテ
ィングデバイスに生じる振動を検出する振動センサにて
検出することができるし、握った状態で指や手によって
隠れる部分に光センサを設けることによっても可能であ
る。さらに、利用者が本ポインティングデバイスに触れ
たときに生じる静電ノイズを検出するセンサやその圧力
を検出する圧力センサ等を使用してもよい。
【0029】さらに、ワイヤレス型のポインティングデ
バイスにおいて、ポインティングデバイスは信号線の束
縛から解放されていることから、移動自由度が高くなる
反面、どこにでも移動させることができることによっ
て、無線信号がコンピュータに接続された受信側に到達
しにくくなる程度の距離にまで利用者がポインティング
デバイスを移動させてしまうこともあり得る。このよう
な場合に対処するための構成の一例として、請求項11
にかかる発明は、上記請求項1〜請求項10のいずれか
に記載のポインティングデバイスにおいて、送出する無
線信号の強度を調整するために、外部にて送出された無
線信号を受信する強度調整信号受信手段を具備し、上記
無線信号送出手段は、上記強度調整信号受信手段が上記
無線信号を受信したときに、上記無線信号の強度を調整
して送出する構成としてある。
【0030】上記のように構成した請求項11にかかる
発明において強度調整信号受信手段は、本ポインティン
グデバイスが送出する無線信号の強度を調整するため
に、ポインティングデバイスの外部にて送出された無線
信号を受信する。そして、同強度調整信号受信手段が上
記無線信号を受信したときに、上記無線信号送出手段は
上記無線信号の強度を調整して送出する。すなわち、本
ポインティングデバイスは外部機器が送出する無線信号
を指令として、自己が送出する無線信号の出力を増減す
ることができる。従って、外部機器がポインティングデ
バイスからの無線信号を受信できなくなったときに、当
該外部機器にて上記無線信号の強度を調整するための無
線信号を送出すれば、ポインティングデバイスからの無
線信号強度が増大して再び外部機器に到達し、一旦無線
回線が遮断された後に復旧することができる。また、外
部機器が受信する無線信号の強度が必要以上に大きい場
合、当該外部機器にて上記無線信号の強度を調整するた
めの無線信号を送出すれば、ポインティングデバイスか
らの無線信号強度が小さくなり、不必要な電力消費を防
ぐことができる。
【0031】ここで、強度調整信号受信手段は外部にて
送出される無線信号を受信することができればよく、受
信した無線信号を復調できればよい。ここでも、超音波
信号や電磁波信号受信するように構成可能である。上記
無線信号の強度を調整するための信号は、外部から送出
されるとともに本ポインティングデバイスが無線信号の
強度を調整して送出する制御を行うための契機になるこ
とができればよく、種々の信号にて実現できる。すなわ
ち、上述のような種々の変調態様や搬送波の形態等を採
用可能である。
【0032】さらに、このように無線信号の送出強度を
増大可能なポインティングデバイスに使用して好適な受
信ユニットとして、請求項12にかかる発明は、上記請
求項1〜請求項11のいずれかに記載のポインティング
デバイスが送出する無線信号に基づいてポインタを制御
するための信号を生成する受信ユニットであって、上記
無線信号送出手段が送出する無線信号を受信する無線信
号受信手段と、同無線信号受信手段によって受信する無
線信号の受信強度を検出する無線信号受信強度検出手段
と、同無線信号受信強度検出手段によって受信する無線
信号の強度が適正でないことが検出されたときに、上記
ポインティングデバイスが送出する無線信号の強度を調
整するための無線信号を送出する強度調整信号送出手段
とを具備する構成としてある。
【0033】上記のように構成した請求項12にかかる
発明では、ポインティングデバイスが送出する無線信号
に基づいて、受信ユニットにてポインタを制御するため
の信号を生成する。従って、コンピュータに対して当該
受信ユニットを接続することによって、本発明にかかる
ポインティングデバイスの操作内容に応じたポインタ制
御を行うことができる。さらに、受信ユニットは無線信
号受信手段と無線信号受信強度検出手段と強度調整信号
送出手段とを具備しており、無線信号受信手段によって
上記ポインティングデバイスの無線信号送出手段が送出
する無線信号を受信する。そして、無線信号受信強度検
出手段によって同無線信号受信手段によって受信する無
線信号の受信強度を検出し、同無線信号受信強度検出手
段によって受信する無線信号の強度が適正でないことが
検出されたときに、強度調整信号送出手段は上記ポイン
ティングデバイスが送出する無線信号の強度を調整する
ための無線信号を送出する。
【0034】すなわち、受信ユニットにおいてポインテ
ィングデバイスが送出する無線信号の受信レベルが低下
した段階で、同受信ユニットから無線信号の強度を調整
するための無線信号を送出してポインティングデバイス
の無線信号の出力レベルを増大させる。この結果、受信
ユニットがポインティングデバイスからの無線信号を受
信できなくなって一旦無線回線が遮断されたとしても、
後に復旧することができる。また、ポインティングデバ
イスが送出する無線信号の受信レベルが強すぎる場合
に、同受信ユニットから無線信号の強度を調整するため
の無線信号を送出してポインティングデバイスの無線信
号の出力レベルを減少させる。この結果、ポインティン
グデバイスからの無線信号強度が小さくなり、不必要な
電力消費を防ぐことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、信
号線に煩わされることなく操作を行うことが可能であ
り、また、利用者の意図するポインティングデバイスの
位置を的確に反映させることが可能なポインティングデ
バイスを提供することができる。また、請求項2にかか
る発明によれば、未使用時に電源供給を遮断することが
できる。さらに、請求項3にかかる発明によれば、ペン
形状物体を握っている状態であっても多様な操作を行う
ことができる。さらに、請求項4にかかる発明によれ
ば、ボールペン等で描画している感覚に近い操作感でポ
インティングデバイスの操作を行うことができる。さら
に、請求項5にかかる発明によれば、電力消費を低減す
ることができる。さらに、請求項6にかかる発明によれ
ば、容易にマウスと同様の操作を行うことができる。
【0036】さらに、請求項7にかかる発明によれば、
右利きの利用者,左利きの利用者いずれにとっても違和
感なく使用することが可能になる。さらに、請求項8に
かかる発明によれば、ペン型の外観を損ねることなく構
成しつつも多様な操作を行うことができる。さらに、請
求項9にかかる発明によれば、電力消費を低減すること
ができる。さらに、請求項10にかかる発明によれば、
電力消費を低減することができる。さらに、請求項11
にかかる発明によれば、一旦無線回線が遮断されても復
旧可能なポインティングデバイスを提供することがで
き、不必要な電力消費を防ぐことができる。さらに、請
求項12にかかる発明によれば、一旦無線回線が遮断さ
れても復旧可能であり、不必要な電力消費を防ぐことが
可能なポインティングデバイスの受信ユニットを提供す
ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1と図2は、本発明の一実施形
態にかかるポインティングデバイス10を示しており、
上記図1には同ポインティングデバイス10を使用して
好適なノート型パソコン30を同時に示している。図に
おいて、ノート型パソコン30は上面にキーボードを備
えた本体と同本体に回動可能に支持された液晶ディスプ
レイとから構成されており、手前側に超音波受信ユニッ
ト20を備えている。超音波受信ユニット20は、後述
するようにノート型パソコン30とシリアル通信用I/
Fを介して接続されるようになっており、いわゆるシリ
アルマウスからの信号と同様にポインタ移動,クリック
操作等を示す信号を上記ノート型パソコン30に対して
出力することが可能である。
【0038】また、同超音波受信ユニット20は上記ポ
インティングデバイス10から超音波信号を受信する超
音波受信器21a,21cおよび超音波信号を送受信す
る超音波送受信器21bを有している。これらの超音波
受信器21a,21cおよび超音波送受信器21bは、
上記超音波受信ユニット20の手前側の一面において、
長手辺に対して略平行に並設されており、ポインティン
グデバイス10に備えられる単一の超音波送受信器11
からの超音波を受信して同超音波送受信器11から上記
各超音波受信器21a,21cおよび超音波送受信器2
1bまでの距離を算出し、上記超音波送受信器11の位
置を算出するようになっている。また、上記超音波送受
信器11からの超音波に基づいてボタン12a,bの操
作の有無を判別する。これらの演算と判別とに基づいて
ポインタ移動,クリック操作等を示す信号を生成し、上
記ノート型パソコン30におけるポインタ操作を実行可
能にしている。
【0039】また、本実施形態においては超音波受信ユ
ニット20においてポインティングデバイス10からの
超音波受信レベルが低下あるいは過大化したときに、超
音波受信ユニット20の超音波送受信器21bから所定
のコード化された超音波信号を送出する。一方、ポイン
ティングデバイス10の超音波送受信器11にて当該コ
ード化された超音波信号を受信すると、超音波送受信器
11からの出力レベルを調整するので、超音波信号の出
力レベルを適正に保つことが可能である。
【0040】ポインティングデバイス10は概略筒状の
筐体にて構成されており、一方の端部は先端方向に向け
て筒状体の半径が徐々に小さくなるようにして構成され
ており、最先端部には押し込み可能であって、押し込ま
れている間は導通を確保する略ペン先形状のペン先スイ
ッチ12cが構成されている。また、他方の端部には押
し込み可能であって一回の押し込み操作ごとにオン/オ
フが切り替えられるノックスイッチ14が構成されてお
り、いわゆるノック式のボールペンのような操作感を得
られるようになっている。
【0041】ポインティングデバイス10をペン先スイ
ッチ12cを下にしてペンのように握ったときには、同
ポインティングデバイス10の上記ペン先スイッチ12
c寄りのグリップ部gが中指と人差し指と親指とによっ
て固定されるように構成されている。このグリップ部g
には右ボタン12aと左ボタン12bとが備えられてお
り、通常のマウス左右ボタンに対応したスイッチング動
作が可能である。また、上記右ボタン12aはグリップ
部gを握った状態にて人差し指が添えられる位置の直下
に備えられ、上記左ボタン12bはグリップ部gを握っ
た状態にて親指が添えられる位置の直下に備えられてい
る。
【0042】従って、利用者はグリップ部gを握った状
態でポインティングデバイス10を操作しているとき、
グリップ部gを握ったままの状態で上記右ボタン12a
と左ボタン12bとをクリックすることができる。ま
た、右ボタン12aおよび左ボタン12bとペン先スイ
ッチ12cとの間には超音波送受信器11が備えられて
おり、利用者がグリップ部gを握った状態において指に
遮られることなく超音波信号を送出することが可能にな
っている。尚、ポインティングデバイス10のノックス
イッチ14寄りにはクリップ10aが備えられており、
同ポインティングデバイス10を衣服のポケットに取り
付けるなどして持ち運び可能に構成されている。
【0043】ポインティングデバイス10の概略筒状の
筐体内部には自己の位置を認識させるための信号及び上
記押しボタンの操作内容に応じた信号を生成し、これに
応じた無線信号を送出するための回路が備えられてい
る。図3は、ポインティングデバイス10の筐体内部に
備えられる回路の概略構成を示すブロック図である。同
図において、発振回路16は上記超音波送受信器11か
ら送出される超音波信号のキャリアになるとともに上記
自己の位置を認識させるための信号となる所定周波数の
信号を発振可能であり、同発振信号は変調回路17に入
力される。
【0044】変調回路17には上記右ボタン12aと左
ボタン12bとが接続されており、これらのボタンが押
された場合にはそれぞれのボタンが押されたことを示す
コードを重畳させるように上記発振回路16から入力さ
れる所定周波数の信号を変調する。図4は、本実施形態
における信号態様を示している。本実施形態において、
ボタン操作を示すコードは4ビットの信号で表されるよ
うになっており、右ボタン12aのクリックは「000
1」,左ボタン12bのクリックは「0010」という
ビットシーケンスである。そこで、上記変調回路17は
上記入力される発振信号を所定の単位時間間隔中通過さ
せない状態で「0」を示し、発振信号を通過させる状態
で「1」を示している。
【0045】具体的には、同図上段に示すように搬送波
が連続的な発振信号であるのに対し、右ボタン12aの
クリック時には同図中段に示すように、単位時間間隔t
1〜t3において発振信号を通過させない状態とし単位
時間間隔t4において発振信号を通過させる。左ボタン
12bのクリック時には単位時間間隔t1,t2,t4
において発振信号を通過させない状態とし、単位時間間
隔t3において発振信号を通過させる。このようにして
変調回路17にて所定の変調を施された信号は増幅回路
15に入力され、所定のゲインで増幅された後超音波送
受信器11に入力される。
【0046】超音波送受信器11は入力される電気信号
を超音波に変換して空気中に放射するデバイスであり、
増幅回路15からの出力信号が超音波送受信器11に入
力され、上記自己の位置を認識させるための信号あるい
はボタン操作内容に応じた信号として外部空間に送出さ
れる。このようにして出力された信号は上記超音波受信
ユニット20において後述のようにして復調されてポイ
ンティングデバイス10の座標を認識するために使用さ
れ、あるいは、上記コード「0001」,「0010」
の判別に基づくクリック操作の判別に使用される。
【0047】尚、本実施形態においては、上記右ボタン
12aと左ボタン12bとを押し込み操作した後に同押
し込み操作を開放したことを示すコードも用意されてお
り、上記超音波受信ユニット20においては各ボタンの
押し込み操作と開放操作とに応じた信号を出力して、い
わゆるドラッグ操作等に対応可能に構成されている。ま
た、上記ペン先スイッチ12cのスイッチング動作も上
記左ボタン12bと同一の接点にて上記変調回路17に
入力されるようになっており、ペン先スイッチ12cの
押し込み操作が左ボタン12bと同様の操作になるよう
に構成されている。
【0048】一方、上記増幅回路15はマイクロプロセ
ッサ19に接続されており、マイクロプロセッサ19が
出力する所定の制御信号に応じてゲインを増減可能に構
成されている。マイクロプロセッサ19は、上記超音波
送受信器11から入力される信号に基づいて増幅回路1
5のゲインを制御するように構成されており、マイクロ
プロセッサ19にて所定のコード解析を可能にするため
超音波送受信器11とマイクロプロセッサ19の間には
フィルタ19dと整流回路19eが介在されている。ま
た、マイクロプロセッサ19は図5に示すブロック図の
ように、増幅度制御部19aとコード解析部19bと送
受信モード制御部19cとを備えている。
【0049】超音波送受信器11においては、上記図4
に示す変調方式と同様にして所定のコードが重畳された
超音波信号を受信し、フィルタ19dに対して出力す
る。フィルタ19dは入力される超音波搬送波の周波数
帯域の信号を通過させる帯域フィルタであり、通過した
信号は整流回路19eに入力される。整流回路19eは
入力される高周波信号を整流して出力する回路であり、
上記フィルタ19dが出力する周波数帯域の信号が存在
する時間間隔においてはハイレベルの信号を出力し、当
該周波数帯域の信号が存在しない時間間隔においてはロ
ーレベルの信号を出力する。すなわち、超音波信号を所
定のパルス信号に変換して出力する。このパルス信号は
上記マイクロプロセッサ19のコード解析部19bと送
受信モード制御部19cに入力される。一方、上記発振
回路16が出力する発振信号は図示しないフィルタと増
幅回路を介してマイクロプロセッサ19の送受信モード
制御部19cに対しても入力される。送受信モード制御
部19cは入力される二信号の位相を比較することによ
って、上記超音波送受信器11にて何らかの信号を受信
しているか否かを判断するものである。すなわち、上記
超音波送受信器11からフィルタ19dまでの信号線に
は上記増幅回路15も接続されているので、超音波送受
信器11にて何らかの信号を受信していないときには、
送受信モード制御部19cには増幅回路15の出力信号
と発振回路16の出力信号とが入力される。
【0050】一方、超音波送受信器11にて何らかの信
号を受信しているときには、送受信モード制御部19c
には受信信号に基づくパルス信号が入力され、また、上
記発振回路16の出力信号が入力される。従って、超音
波送受信器11にて何らかの信号を受信していないとき
には、送受信モード制御部19cに入力される二信号の
位相は略同相である。そこで、入力二信号の位相が略同
相である場合に送信モードとし、略同相でない場合には
受信モードとして上記コード解析部19bを駆動して受
信信号のコードを解析させる。
【0051】コード解析部19bは、入力される信号の
ビットシーケンスが所定のものであるか否かを判別し、
当該ビットシーケンスの内容に応じて増幅度制御部19
aを駆動して、増幅回路15のゲインを増減させる。よ
り具体的には、コード解析部19bは4ビットのコード
を解析するようになっており、そのコードが「010
0」である場合にゲインを増大させ、コードが「010
1」である場合にゲインを減少させる。すなわち、本ポ
インティングデバイス10は外部の超音波受信ユニット
20からの指示によって、超音波の出力レベルを増減さ
せることができる。
【0052】一方、ポインティングデバイス10には電
池18を装着可能な電池ケースが備えられており、上記
発振回路16,変調回路17等は当該電池ケースに装着
された電池18を電源として駆動される。電池18と発
振回路16および変調回路17との間には転倒検知スイ
ッチ13および上記ノックスイッチ14が介在されてお
り、同ノックスイッチ14の押し込み操作に応じて上記
発振回路16と変調回路17とに対する電源の供給と遮
断とが制御される。すなわち、ポインティングデバイス
10を使用しないときにはノックスイッチ14を操作し
て電源供給を遮断することによって、未使用時の発振を
防止して電力消費を防ぐことができる。
【0053】さらに、転倒検知スイッチ13はポインテ
ィングデバイス10の転倒を検知する転倒センサと連動
したスイッチであり、ポインティングデバイス10の転
倒状態と非転倒状態を検出することができる。利用者が
ポインティングデバイス10を握って使用している状態
からグリップを放し、ポインティングデバイス10が転
倒したときには転倒検知スイッチ13のスイッチング動
作によって上記発振回路16と変調回路17とに対する
電源の供給が遮断される。また、利用者がポインティン
グデバイス10を再び握って使用し始めると転倒検知ス
イッチ13によって非転倒状態が検出され、同転倒検知
スイッチ13のスイッチング動作によって上記発振回路
16と変調回路17とに対する電源の供給が再開され
る。すなわち、ポインティングデバイス10を転倒させ
て未使用状態になったときにも発振等を防止して電力消
費を防ぐことができる。尚、上述のようにノックスイッ
チ14も併用しており、このスイッチにおいては転倒/
非転倒に関わらず電源の供給/遮断が制御される。ま
た、以上のように、本実施形態においては、上記発振回
路16と変調回路17とが上記信号生成手段に該当し、
上記超音波送受信器11が上記無線信号送出手段に該当
する。さらに、送出無線信号の強度を調整するための構
成としては、超音波送受信器11が上記強度調整信号受
信手段に該当し、増幅回路15とマイクロプロセッサ1
9とで強度が調整される。
【0054】本実施形態においては、上述のようにノー
ト型パソコン30に備えられる超音波受信ユニット20
が上記超音波送受信器11から送出される超音波信号を
受信し、通常のシリアルマウスからの信号と同様の信号
を出力することから、汎用的なノート型パソコン30に
おいてこのポインティングデバイス10を使用すること
ができる。すなわち、図6は上記図1に示すノート型パ
ソコン30の概略構成を示しており、同図に示すような
一般的な構成のパソコンにてポインティングデバイス1
0を使用可能である。
【0055】図6において、ノート型パソコン30は演
算処理の中枢をなすCPU31を備えており、このCP
U31はシステムバス32を介してBIOSなどの記載
されたROM33やRAM34にアクセス可能となって
いる。また、システムバス32には外部記憶装置として
のハードディスクドライブ(HDD)35が接続されて
おり、ハードディスクドライブ35に記憶されたオペレ
ーティングシステムやアプリケーションなどがRAM3
4に転送され、CPU31はROM33とRAM34に
適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。
【0056】シリアル通信用I/F36にはキーボード
36aからキータッチに応じた信号が入力されるように
なっており、図示しないディスプレイI/Fを介して液
晶ディスプレイ37にて所定の表示を行わせるようにな
っている。さらに、上記シリアル通信用I/F36には
上記超音波受信ユニット20を接続するようになってお
り、ポインティングデバイス10の移動と操作とに応じ
たパルス信号が同シリアル通信用I/F36に入力され
る。このような構成により、上記オペレーティングシス
テムの制御によって上記液晶ディスプレイ37上にポイ
ンタが表示され、利用者がポインティングデバイス10
を操作すると同ポインタの移動等がなされる。
【0057】むろん、本発明が適用されるコンピュータ
はノート型に限定されるものではない。すなわち、デス
クトップ型コンピュータやモバイル対応コンピュータで
あっても良い。また、ノート型パソコン30と超音波受
信ユニット20との接続インタフェースもシリアル通信
用I/F36に限る必要はなく、パラレルインタフェー
スやSCSI,USB接続など種々の接続態様を採用可
能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であって
も同様である。
【0058】図7は上記超音波受信ユニット20の構成
を示すブロック図であり、図8は超音波受信ユニット2
0が備えるマイクロプロセッサの構成を示すブロック図
である。図において上記超音波受信器21a,21cは
超音波信号を受信して電気信号に変換するデバイスであ
り、変換された電気信号はフィルタ22a,22cに入
力される。超音波送受信器21bは、超音波信号を受信
して電気信号に変換可能であるとともに、入力される電
気信号を超音波に変えて空気中に放射可能なデバイスで
あり、受信後に電気信号に変換された信号はフィルタ2
2bに入力される。フィルタ22a〜22cは上記発振
回路16が発振出力する搬送波の周波数帯域の信号を通
過させる帯域フィルタであり、通過した信号はそれぞれ
増幅回路23a〜23cに入力される。
【0059】増幅回路23a〜23cは入力される信号
を増幅して出力する回路であり、これらの増幅回路23
a〜23cに入力された帯域通過信号は所定の増幅を受
ける。また、上記増幅回路23a,23bの出力信号は
位相差検出回路24aに入力され、上記増幅回路23
b,23cの出力信号は位相差検出回路24bに入力さ
れる。さらに、増幅回路23bの出力信号は整流回路2
5にも入力される。
【0060】位相差検出回路24aは入力される二信号
から両者の位相差に基づいて両者の時間的ずれに応じた
信号を出力する回路であり、同位相差検出回路24aの
出力信号はマイクロプロセッサ40の距離差算出部41
aに入力される。すなわち、増幅回路23aの出力信号
を「f1」、増幅回路23bの出力信号を「f2」とし
たときに、上記位相差検出回路24aは「f1−f2」
という誤差成分を出力するいわゆる位相比較器である。
従って、上記超音波受信器21a,超音波送受信器21
bにて受信した超音波が空間中を伝播していた時間の差
を示す信号が距離差算出部41aに入力されることとな
る。
【0061】同距離差算出部41aは、入力される信号
が示す時間差に基づいて、同時間差に応じた距離を算出
するようになっており、同距離差算出部41aの算出結
果はマイクロプロセッサ40の座標算出部42に入力さ
れる。すなわち、本発明においては超音波が空間中を伝
播する速度は一定であると考えられるので、上記時間差
から上記超音波受信器21a,超音波送受信器21bに
て受信した超音波が空間中を伝播した距離の差を算出す
ることが可能であり、算出結果が上記座標算出部42に
て使用される。
【0062】また、上記位相差検出回路24bとマイク
ロプロセッサ40の距離差算出部41bとの関係は上記
位相差検出回路24aと距離差算出部41aとの関係と
同様であり、上記超音波受信器21cと超音波送受信器
21bにて受信した超音波が空間中を伝播した距離の差
が算出され、算出結果が距離差算出部41bから上記座
標算出部42に入力される。座標算出部42は、入力さ
れる二信号が示す距離差に基づいて超音波信号を送出し
た位置の座標、すなわち、ポインティングデバイス10
の超音波送受信器11の座標を算出する回路であり、算
出結果はマイクロプロセッサ40のパルス信号生成部4
3に入力される。
【0063】上記座標算出の手順は図9に示す原理に基
づいている。同図において点P(x,y)はx−y平面
上の任意の点を示しており、点A(l,0)はx軸上に
おいて原点Oから正の方向に距離「l」だけ離れた点で
あり、点B(−l,0)はx軸上において原点Oから負
の方向に距離「l」だけ離れた点である。この座標系に
おいては、点P(x,y)を上記超音波送受信器11の
位置、点A(l,0)を上記超音波受信器21aの位
置、原点(0,0)を上記超音波送受信器21bの位
置、点B(−l,0)を上記超音波受信器21cの位置
として対応づけることができる。
【0064】このような対応において、上記距離差算出
部41aが算出する距離差は、点AP間の距離と点OP
間の距離との距離差「m」を示しており、同距離差
「m」は点Pの座標値と上記「l」とを使用して以下の
式(1)のように表すことができる。
【0065】
【数1】 同様に、上記距離差算出部41bが算出する距離差は、
点BP間の距離と点OP間の距離との距離差「n」を示
しており、同距離差「n」は点Pの座標値と上記「l」
とを使用して以下式(2)のように表すことができる。
【0066】
【数2】 これらの式(1)と式(2)とに基づいて座標「x」と
座標「y」とを求めると、以下の式(3)と式(4)と
が求められる。尚、これらの式において「y<0」であ
る。
【0067】
【数3】
【0068】
【数4】 すなわち、点Pの座標値は上記距離「l」と距離差
「m」と距離差「n」とが与えられれば算出することが
可能である。ここで、距離「l」は超音波受信器21
a,21cおよび超音波送受信器21bのうち隣接する
ものの距離であることから固定値であり、上記距離差
「m」と距離差「n」とは上記距離差算出部41a,4
1bの出力信号から与えられる。従って、座標算出部4
2は予め与えられる距離「l」と入力される信号とに基
づいて点Pの座標値を算出することができる。
【0069】一方、上記増幅回路23bからの出力信号
は整流回路25に対しても入力される。整流回路25は
入力される高周波信号を整流して出力する回路であり、
上記発振回路16が出力する周波数帯域の信号が存在す
る時間間隔においてはハイレベルの信号を出力し、当該
周波数帯域の信号が存在しない時間間隔においてはロー
レベルの信号を出力する。すなわち、超音波送受信器1
1が出力する超音波に重畳されたコード同様のパルス信
号列を復調/生成する。発振回路16の出力信号は上記
図4に示すように、変調回路17によって発振信号の有
無によるコードに変調されるので、超音波送受信器21
bにて受信して増幅回路23bが出力する信号波形は、
例えば図10の上段に示すような状況になっている。
【0070】この図10の上段に示すような発振信号が
整流回路25に入力されると、その発振部分をハイレベ
ルとして同図下段に示すような信号が出力される。この
出力信号は上記マイクロプロセッサ40のコード解析部
44に入力され、同コード解析部44は同入力信号が示
すコードに基づいてポインティングデバイス10の移動
やクリック等の操作内容を判別する。例えば、上記図1
0の下段に示すパルス信号において、時間間隔t5〜t
8におけるパルス列のレベルを二進数表示すると「00
10」であることから、このパルスパターンは上述の左
ボタン12bのクリックを意味するものであることが判
別される。
【0071】また、本実施形態において、ポインティン
グデバイス10にてクリック動作をしていないときには
発振信号を出力し続けていることから、パルスが連続し
て「1」である時に、ポインタ移動のための処理をすべ
きことを判別する。上述の図10下段に示すパルス列に
おいては、時間間隔t5以前ではパルスレベルが「1」
であることから、同時間間隔t5以前にてポインタ移動
のための処理を行わせ、時間間隔t5〜t8においては
パルスパターンが「0010」であることから、左クリ
ックのための処理を行わせ、時間間隔t8以降ではパル
スレベルが「1」であることから、再びポインタ移動の
ための処理を行わせる。
【0072】コード解析部44はポインティングデバイ
ス10の操作内容を判別した後に、当該判別結果を示す
信号を上記パルス信号生成部43に出力する。パルス信
号生成部43は、通常のマウスと同様に上記オペレーテ
ィングシステムがポインタを制御するための信号を上記
シリアル通信用I/F36に出力する。このとき、上記
コード解析部44により上記右ボタン12aや左ボタン
12bがクリックされている旨の信号が入力されている
ときには、対応するボタンをクリックした旨の信号を出
力する。一方、上記コード解析部44がポインタ移動の
ための処理をすべきことを判別しているときには、パル
ス信号生成部43は上記座標算出部42が出力する座標
値の算出結果に基づいてポインタの移動量を計算し、当
該ポインタを移動させるための信号を上記シリアル通信
用I/F36に出力する。
【0073】さらに、超音波受信ユニット20はポイン
ティングデバイス10から送出される超音波信号の受信
レベルが低下しているときあるいは過大となっていると
きに、ポインティングデバイス10に対して送出レベル
を調整するように指示することができる。具体的には、
送出レベルを調整するように指示するために所定のコー
ドの信号をポインティングデバイス10にて認識可能に
送出するようになっている。このために、超音波受信ユ
ニット20はさらに強度比較回路26と変調回路27と
発振回路28とを備え、マイクロプロセッサ40には信
号強度解析部45とコード生成部46と送受信モード制
御部47とが備えられている。
【0074】強度比較回路26は、入力する信号の強度
を二種類のリファレンスレベル(Vh,Vl)と比較す
る回路であり、入力される信号のうち最も高レベルのも
のがリファレンスレベルVhより大きい場合に所定のパ
ルスを出力し、入力される信号のうち最も低レベルのも
のがリファレンスレベルVlより小さい場合に所定のパ
ルスを出力する。本実施形態においては、フィルタ22
a〜22cの出力が当該強度比較回路26に入力される
ようになっていることから、フィルタ22a〜22cの
出力信号レベルのいずれかがリファレンスレベルより高
いあるいは低い場合、すなわち、上記超音波受信器21
a,21cおよび超音波送受信器21bに到達する超音
波のレベルが通常のレベルより高いあるいは低いときに
所定のパルス信号が出力される。
【0075】強度比較回路26の出力はマイクロプロセ
ッサ40に入力されており、上記所定のパルス信号はマ
イクロプロセッサ40の信号強度解析部45に入力され
る。信号強度解析部45は、上記到達する超音波のレベ
ルが通常のレベルより高いあるいは低いときに超音波受
信ユニット20側から所定のコード信号を出力させるも
のであり、上記所定のパルスが入力されたときに上記コ
ード生成部46を駆動して所定のコードを重畳した発振
信号を生成させる。すなわち、信号強度解析部45は、
上記リファレンスレベルVlより小さい場合に出力され
る所定のパルスに応じてコード生成部46を駆動し、パ
ルス信号列「0100」を重畳した発振信号を生成さ
せ、上記リファレンスレベルVhより大きい場合に出力
される所定のパルスに応じてコード生成部46を駆動
し、パルス信号列「0101」を重畳した発振信号を生
成させる。
【0076】これらのパルス信号列を重畳した発振信号
は、上述のようにポインティングデバイス10において
増幅回路15のゲインを増減させるのに使用される信号
であり、一定周期の発振し続ける発振回路28の出力信
号を変調回路27にて所定のタイミングで通過させ、ま
た遮断することによって生成される。すなわち、変調回
路27には発振回路28の出力信号が入力されており、
上記変調回路27は上記コード生成部46の制御によっ
てこれらのうち所定間隔のもののみを通過させることに
よって上記図4と同様の原理によってコード信号を重畳
する。
【0077】この結果、変調回路27からは上記「01
00」や「0101」といったパターンのコード信号が
重畳された信号が出力され、同信号が超音波送受信回路
21bに入力されることによって対応する超音波が外部
に送出される。このとき、ポインティングデバイス10
では、超音波送受信器11が当該超音波を受信し、マイ
クロプロセッサ19のコード解析部19bがコードを解
析することによって、増幅回路15のゲインを増減させ
る。従って、ポインティングデバイス10が出力する超
音波の強度が増減し、適度なレベルで超音波受信ユニッ
ト20へ到達するようになる。
【0078】一方、上述のような原理にてコード信号を
送出するのであるが、超音波受信ユニット20は超音波
の受信と送信とを単一の超音波送受信器21bにて行う
ことから、上記変調回路27が生成したコード信号はフ
ィルタ22bを介して増幅回路23bや強度比較回路2
6に入力される。超音波受信ユニット20が生成した信
号に基づいて強度比較回路26がパルスを生成し、この
信号に対して上記信号強度解析部45が信号強度の解析
を行うと、受信レベルに対する強度調整を行うことにな
らないので、マイクロプロセッサ40の送受信モード制
御部47が送信モードと受信モードとを区別するように
制御する。
【0079】すなわち、送受信モード制御部47は上記
コード解析部44が解析するコードに基づいて送受信モ
ードを判別し、コード解析部44にて超音波受信ユニッ
ト20内で生成したコード以外のコードが判別されたと
きに受信モードにするようになっている。具体的には、
上記変調回路27から上記増幅回路15のゲインを増減
するためのコードである「0100」や「0101」と
いう信号が重畳された信号が出力されているときには、
フィルタ22b,増幅回路23b,整流回路25を介し
てコード解析部44においても入力コードが「010
0」や「0101」である旨が解析される。従って、コ
ードパターンがこれらのものである場合には送信モード
であるとする。尚、送信モードでは信号強度解析部45
は駆動しない。さらに、コード解析部44にて入力コー
ドが「0100」や「0101」以外である旨が解析さ
れているとき、すなわち、ポインティングデバイス10
の位置を認識するための信号等を受信しているときには
受信モードであるとして、座標算出部42等において通
常の処理を行い、信号強度解析部45の解析も行う。
尚、コード解析部44に所定のコードが入力されている
状態から突然コードが入力されない状態になったときに
は送信モードへの移行は行わない。すなわち、このよう
にコードが突然入力されなくなる場合は、転倒検知スイ
ッチ13等によってポインティングデバイス10への電
源供給を遮断した場合などであり、この場合は増幅回路
15のゲインを調整しない。一方、ポインティングデバ
イス10が遠ざかる場合などは徐々に入力信号が弱まる
ものの、コード解析部44にてコードを検知している状
態で上記信号強度解析部45によって信号強度が弱くな
ったことを検知する。従って、この場合に上述のように
して送信モードに移行する。以上説明したように、本実
施形態においては、上記超音波送受信器21bが上記無
線信号受信手段を構成し、フィルタ22bと強度比較回
路26と信号強度解析部45とが上記無線信号受信強度
検出手段を構成し、コード解析部44とコード生成部4
6と送受信モード制御部47とが上記強度調整信号送出
手段を構成する。
【0080】以下、上記構成におけるポインティングデ
バイス10の動作を説明する。利用者が本ポインティン
グデバイス10を使用するには、上記電池ケースに電池
18を装着させ、上記ノックスイッチ14をノックす
る。すると、同ノックスイッチ14の接点が導通し、上
記発振回路16と変調回路17とに電力が供給される。
発振回路16に対する電力供給によって同発振回路16
は上記発振信号を出力し、上記右ボタン12a,左ボタ
ン12b,ペン先スイッチ12cにて押し込み操作され
ていないときには変調回路17は同発振信号を通過させ
つつ上記超音波送受信器11から超音波信号を出力させ
る。
【0081】この状態において、利用者は上記右ボタン
12aに対して右手の人差し指を添え、上記左ボタン1
2bに対して右手の親指を添え、さらに中指を添えつつ
ポインティングデバイス10の上記グリップ部gを固定
して同ポインティングデバイス10を操作する。上記ノ
ックスイッチ14の操作によって出力される超音波信号
は上記図4に示す位置認識信号であって、連続的に振動
する信号が発振されており、この状態で利用者がポイン
ティングデバイス10を移動させても当該信号は出力さ
れ続ける。ポインティングデバイス10の超音波送受信
器11から上記超音波受信器21a,21cおよび超音
波送受信器21bまでの距離は一般的に異なることか
ら、同超音波受信器21a,21cおよび超音波送受信
器21bのそれぞれに入力される超音波の位相は少しず
つ異なっている。超音波受信器21aに入力された超音
波はフィルタ22aを介して増幅回路23aにて所定の
増幅を受け、超音波送受信器21bに入力された超音波
はフィルタ22bを介して増幅回路23bにて所定の増
幅を受け、超音波受信器21cに入力された超音波はフ
ィルタ22cを介して増幅回路23cにて所定の増幅を
受ける。
【0082】増幅回路23a,23bの出力信号は位相
差検出回路24aに入力され、両者の位相差を示す誤差
成分が出力されることによって距離差算出部41aが当
該位相差に該当する距離差「m」を算出する。同様に、
増幅回路23b,23cの出力信号は位相差検出回路2
4bに入力され、両者の位相差に基づく信号が出力され
ることによって距離差算出部41bが当該位相差に該当
する距離差「n」を算出する。また、各超音波受信器2
1a,21cおよび超音波送受信器21bの距離「l」
は予め与えられている。そして、座標算出部42はこれ
らの距離「l」と距離差「m」と距離差「n」とを使用
して超音波送受信器11の座標を算出する。ここで、ポ
インティングデバイス10を移動させると超音波送受信
器11の座用が逐次変化するが、座標算出部42に入力
される距離差「m」等の情報も逐次変化するので同座標
算出部42が算出する座標も逐次変化する。
【0083】一方、このようにポインティングデバイス
10にて連続的に発振出力する信号は、上記増幅回路2
3bから整流回路25に入力され、同整流回路25は連
続してハイレベルである信号を出力する。従って、コー
ド解析部44はポインタ移動のための処理をすべきこと
を判別し、その旨をパルス信号生成部43に出力する。
従って、上記座標算出部42による算出座標が逐次変化
すると、パルス信号生成部43は当該座標変化に対応さ
せつつポインタを移動させるための信号をシリアル通信
用I/F36に出力し、ノート型パソコン30の液晶デ
ィスプレイ37上のポインタが本ポインティングデバイ
ス10の移動と同様の軌跡を描いて移動する。
【0084】利用者が右ボタン12aや左ボタン12b
をクリックしたときには、上記変調回路17が上記電池
18から電力供給を受けつつボタンの押し込み操作に応
じて上記発振回路16の発振出力に対して変調を施す。
上記左ボタン12bをクリックしたときには、当該左ボ
タン12bのスイッチング動作が上記変調回路17に入
力され、同変調回路17が上記図4の上段に示す発振信
号を変調して上記図4の下段に示すパターンの信号に変
換し、上記超音波送受信器11から出力させる。この信
号が上記超音波送受信器21bに入力されると、当該信
号が増幅回路23bでの信号処理を経て上記整流回路2
5に入力される。
【0085】この場合、入力される信号は上記図10上
段に示すような信号パターンであることから、整流回路
25からは上記図10下段に示すパルス信号が出力され
る。従って、上記コード解析部44はこの入力されるパ
ルス信号パターンからポインティングデバイス10にて
上記左ボタン12bがクリックされた旨を判別し、その
旨を示す信号を上記パルス信号生成部43に出力する。
この結果、同パルス信号生成部43においては、左クリ
ックを示す信号を上記シリアル通信用I/F36に対し
て出力し、ノート型パソコン30においてはポインタが
示す位置のGUI等に対して左クリックがなされた場合
の処理を行う。
【0086】尚、本実施形態においては、上記ペン先ス
イッチ12cの押し込み操作を行ったときには上記左ボ
タン12bの押し込み操作を行った場合と同様の信号処
理が行われる。一方、上記右ボタン12aをクリックし
たときには上記図4中段に示すパターンの信号へと変調
され、当該パターンの信号が超音波送受信器11から出
力される。また、超音波受信ユニット20のコード解析
部44においては、当該パターンに基づいて整流回路2
5が出力する信号において「0001」というパターン
のパルスが存在することを判別し、パルス信号生成部4
3に対して右クリックがなされた旨の信号を出力する。
この結果、上記ノート型パソコン30においてポインタ
が示す位置のGUI等に対して右クリックがなされた場
合の処理を行う。
【0087】以上の動作によってポインティングデバイ
ス10は通常のマウス等と同様にポインティングデバイ
スとして機能する。ここで、利用者がノート型パソコン
30によってキーボード入力を行うためにポインティン
グデバイス10を放して転倒させた場合、上記転倒検知
スイッチ13が当該転倒を検出する。このとき、転倒検
知スイッチ13は発振回路16と変調回路17とに対す
る電池18からの電源供給を停止する。従って、ポイン
ティングデバイス10を使用していない状態で電池18
の電力を消費してしまうことはない。この場合は、超音
波送受信器11から出力される超音波が突然遮断される
ので、上記コード解析部44は送受信モード制御部47
に対して送信モードに移行させるための処理を行わず、
上記超音波受信ユニット20から送出レベルを上昇させ
るためにコード信号「0100」が重畳された信号が出
力されることはない。
【0088】一方、ポインティングデバイス10を使用
している状態で超音波受信ユニット20から遠ざけた場
合には、超音波受信ユニット20にて受信する超音波の
レベルが低下する。ここで、ポインティングデバイス1
0は使用されていたため、直前まで上記コード解析部4
4ではポインティングデバイス10からの適正なコード
を判別していたと考えられ、上記送受信モード制御部4
7は受信モードを維持している。超音波受信ユニット2
0にて受信する超音波のレベルが低下すると、各超音波
受信器21a,21cおよび超音波送受信器21b、さ
らにフィルタ22a〜22cを介して上記強度比較回路
26に入力される信号レベルが低下する。同強度比較回
路26に入力される信号のいずれかがリファレンスレベ
ルVlより小さくなると、同強度比較回路26はその旨
を示す所定のパルスを出力する。
【0089】このとき信号強度解析部45はコード生成
部46にコード「0100」を生成させる。すなわち、
コード生成部46が変調回路27を制御して「010
0」というコードが重畳された超音波信号を出力させ
る。当該超音波信号がポインティングデバイス10に到
達すると、ポインティングデバイス10の送受信モード
制御部19cが受信モードに切り替えるとともに、コー
ド解析部19bがコードが「0100」である旨を判別
する。この結果、増幅度制御部19aによって増幅回路
15のゲインが上昇され、ポインティングデバイス10
からの超音波信号が再び超音波受信ユニット20に到達
するようになる。尚、ポインティングデバイス10を超
音波受信ユニット20に近づけすぎた場合などには、上
記動作と同様にしてコード「0101」によってポイン
ティングデバイス10の超音波出力レベルを下げる処理
が行われる。
【0090】このように、本発明においては、ペン型の
ポインティングデバイスにおいて右ボタン12aと左ボ
タン12bとをグリップ部gを握ったままクリックでき
るように構成してあり、操作性を損なうことなく通常の
マウスと同様の操作を行うことができる。また、上記ペ
ン先スイッチ12cは左クリックと同様に機能すること
から、左クリックを押したまま自由線を描画する場合
に、ペン先を押しつけたままポインティングデバイス1
0を移動させるのみで良く、通常のペンによる描画と同
様の操作感を得ることができて好適である。さらに、低
消費電力に構成してあり、超音波受信状況に応じて送信
レベルを増減させることができる。
【0091】一方、本ポインティングデバイス10の構
成は上述のものに限られる必要はなく、他の構成も可能
である。図11は第二の実施形態にかかるポインティン
グデバイス100の筐体内部に備えられる回路の概略構
成を示すブロック図である。同図において、超音波送受
信器110と右ボタン120aと左ボタン120bとノ
ックスイッチ140と発振回路160と変調回路170
との構成は概略上記図3に示す第一の実施形態と同様で
ある。本実施形態においてはペン先スイッチ12c0の
役割が上記第一の実施形態と異なっており、上記ノック
スイッチ140と発振回路160および変調回路170
との間にその接点が介在されている。
【0092】すなわち、本実施形態においてはノックス
イッチ140の操作によって電池180からの電力供給
の可否を制御可能にしつつも、ペン先スイッチ130の
押し込み操作を行わない限り上記発振回路160と変調
回路170とには電力が供給されず、超音波信号は発振
されない。また、利用者がポインティングデバイス10
0を使用するときに常にペン先スイッチ130を押し込
み操作することは容易である。従って、本実施形態では
利用者がポインティングデバイス100を使用している
ときのみに電力を消費するように構成されていることに
なり、無駄な電力消費を防止することができる。
【0093】尚、このように、ノックスイッチ140を
メインスイッチとしつつも、利用者がポインティングデ
バイスを使用しているときのみに電力消費がなされるよ
うに構成することは、上記ペン先スイッチ130のみな
らず他のスイッチでも可能である。例えば、利用者がグ
リップを握っているか否かを検出するセンサをスイッチ
として構成することが可能である。当該センサは、ポイ
ンティングデバイスに生じる振動を検出する振動センサ
や、握った状態における照射光量を検出する光センサ
や、接触に伴う静電ノイズを検出するセンサや、接触圧
力を検出する圧力センサ等を使用することができる。
【0094】さらに、本実施形態において、左ボタンと
右ボタンとの区別は上記変調回路17に対するスイッチ
ング動作の差異のみであることから、左右ボタンの接点
を相互に入れ替え可能なスイッチを構成するなどして、
簡単に左右ボタンの機能を入れ替えることが可能であ
る。かかる構成によると、右利きのみならず左利きの利
用者に対しても容易に対応することができる。この場
合、上述の第一の実施形態のように上記超音波受信ユニ
ット20を上記ノート型パソコン30の手前に構成する
のではなく、その右側や左側に構成すると好適である。
【0095】このように、本発明においては、ペン型筐
体に複数の押しボタンを設け、自己の位置を認識させる
ための信号を無線で送出することから、良操作性を実現
しつつ通常のポインティングデバイスと同様の操作をす
ることができる。また、自己の位置を認識させるための
信号は、ペン先形状近傍に設けられていることから、ポ
インティングデバイスの位置決定において利用者が望む
位置とポインタが表示される位置とのずれを生じにく
い。また、多様なスイッチ構成によって簡単に無駄な電
力消費を防ぐことが可能であるとともに、多様な利用者
にも対応できる。また、未使用時に無線信号の送出を停
止し、常に適正強度で無線信号を送出可能なので無駄な
電力消費を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるポインティングデ
バイスとノート型パソコンとを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるポインティングデ
バイスの外観図である。
【図3】ポインティングデバイスの筐体内部回路の概略
ブロック図である。
【図4】ポインティングデバイスが出力する信号態様を
示す図である。
【図5】ポインティングデバイスに備えられるマイクロ
プロセッサの構成を示すブロック図である。
【図6】ノート型パソコンの概略構成を示す図である。
【図7】超音波受信ユニットの構成を示すブロック図で
ある。
【図8】超音波受信ユニットに備えられるマイクロプロ
セッサの構成を示すブロック図である。
【図9】座標算出の原理を示す図である。
【図10】超音波受信ユニットにおける信号処理を示す
図である。
【図11】第二の実施形態にかかるポインティングデバ
イスの筐体内部回路の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10…ポインティングデバイス 10a…クリップ 11…超音波送受信器 12a…右ボタン 12b…左ボタン 12c…ペン先スイッチ 13…転倒検知スイッチ 14…ノックスイッチ 15…増幅回路 16…発振回路 17…変調回路 18…電池 19…マイクロプロセッサ 19a…増幅度制御部 19b…コード解析部 19c…送受信モード制御部 20…超音波受信ユニット 21a,21c…超音波受信器 21b…超音波送受信器 22a〜22c…フィルタ 23a〜23c…増幅回路 24a,24b…位相差検出回路 25…整流回路 26…強度比較回路 27…変調回路 28…発振回路 30…ノート型パソコン 31…CPU 32…システムバス 33…ROM 34…RAM 35…ハードディスクドライブ(HDD) 36a…キーボード 37…液晶ディスプレイ 40…マイクロプロセッサ 41a,41b…距離差算出部 42…座標算出部 43…パルス信号生成部 44…コード解析部 45…信号強度解析部 46…コード生成部 47…送受信モード制御部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 3/03 380 G06F 1/00 331C

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の無線信号を複数位置で検出させる
    ことによって自己の位置を認識させるポインティングデ
    バイスであって、 一方端がペン先形状であり、同ペン先形状側の先端近傍
    がグリップとなる概略筒状のペン型筐体と、 同筐体の上記グリップ部分に設けられた複数の押しボタ
    ンと、 自己の位置を認識させるための信号及び上記押しボタン
    の操作内容に応じた信号を生成する信号生成手段と、 上記筐体のペン先形状近傍にその信号出力部が設けら
    れ、上記信号生成手段によって生成された信号を無線信
    号として送出可能な無線信号送出手段とを具備すること
    を特徴とするポインティングデバイス。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載のポインティングデ
    バイスにおいて、 本ポインティングデバイスが転倒したことを検出する転
    倒センサを具備し、 上記信号生成手段と無線信号送出手段とのいずれかまた
    は双方においては、上記転倒センサが転倒を検出したと
    きに電源供給が遮断されることを特徴とするポインティ
    ングデバイス。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載のポインティングデバイスにおいて、 上記ペン型筐体の一方端は、押し込み操作可能なペン先
    形状のスイッチとして形成されていることを特徴とする
    ポインティングデバイス。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載のポインティングデ
    バイスにおいて、 上記信号生成手段は、上記ペン先形状のスイッチの操作
    がなされたときに上記押しボタンのいずれかの操作内容
    に応じた信号を生成することを特徴とするポインティン
    グデバイス。
  5. 【請求項5】 上記請求項3に記載のポインティングデ
    バイスにおいて、 上記ペン先形状のスイッチは、上記信号生成手段と無線
    信号送出手段とのいずれかまたは双方に対する電源供給
    と遮断とを制御可能であることを特徴とするポインティ
    ングデバイス。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載のポインティングデバイスにおいて、 上記押しボタンは、上記ペン型筐体のグリップを握った
    状態の指先直下に設けられていることを特徴とするポイ
    ンティングデバイス。
  7. 【請求項7】 上記請求項1〜請求項6のいずれかに記
    載のポインティングデバイスにおいて、 上記信号生成手段は、上記押しボタンの操作内容に応じ
    て生成する信号パターンを各ボタン相互に変更可能であ
    ることを特徴とするポインティングデバイス。
  8. 【請求項8】 上記請求項1〜請求項7のいずれかに記
    載のポインティングデバイスにおいて、 上記ペン型筐体の他方端は押し込み操作可能なスイッチ
    として形成されていることを特徴とするポインティング
    デバイス。
  9. 【請求項9】 上記請求項8に記載のポインティングデ
    バイスにおいて、 上記他方端に形成されたスイッチは、上記信号生成手段
    と無線信号送出手段とのいずれかまたは双方に対する電
    源供給と遮断とを制御可能であることを特徴とするポイ
    ンティングデバイス。
  10. 【請求項10】 上記請求項1〜請求項9のいずれかに
    記載のポインティングデバイスにおいて、 利用者が上記ペン型筐体のグリップを握っているか否か
    を検出するセンサを具備し、同センサの検出信号は、上
    記信号生成手段と無線信号送出手段とのいずれかまたは
    双方に対する電源供給と遮断とを制御するために使用さ
    れることを特徴とするポインティングデバイス。
  11. 【請求項11】 上記請求項1〜請求項10のいずれか
    に記載のポインティングデバイスにおいて、 送出する無線信号の強度を調整するために、外部にて送
    出された無線信号を受信する強度調整信号受信手段を具
    備し、 上記無線信号送出手段は、上記強度調整信号受信手段が
    上記無線信号を受信したときに、上記無線信号の強度を
    調整して送出することを特徴とするポインティングデバ
    イス。
  12. 【請求項12】 上記請求項1〜請求項11のいずれか
    に記載のポインティングデバイスが送出する無線信号に
    基づいてポインタを制御するための信号を生成する受信
    ユニットであって、 上記無線信号送出手段が送出する無線信号を受信する無
    線信号受信手段と、 同無線信号受信手段によって受信する無線信号の受信強
    度を検出する無線信号受信強度検出手段と、 同無線信号受信強度検出手段によって受信する無線信号
    の強度が適正でないことが検出されたときに、上記ポイ
    ンティングデバイスが送出する無線信号の強度を調整す
    るための無線信号を送出する強度調整信号送出手段とを
    具備することを特徴とする受信ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103869112A (zh) * 2014-04-01 2014-06-18 福建利利普光电科技有限公司 带有轨迹球功能的示波器探笔

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