JP2002090438A - 電波発信源位置探知装置 - Google Patents

電波発信源位置探知装置

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JP2002090438A
JP2002090438A JP2000275949A JP2000275949A JP2002090438A JP 2002090438 A JP2002090438 A JP 2002090438A JP 2000275949 A JP2000275949 A JP 2000275949A JP 2000275949 A JP2000275949 A JP 2000275949A JP 2002090438 A JP2002090438 A JP 2002090438A
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antenna
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vertical polarization
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Susumu Oikawa
将 及川
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単体で簡易に短波帯の電波発信源の位置を特
定できる電波発信源位置探知装置を提供する。 【解決手段】 複数のログペリオディックアンテナで構
成され、電波の水平偏波成分を捕捉するサーキュラアレ
イアンテナに電波の垂直偏波成分を受信する垂直偏波ア
ンテナエレメントを設置して垂直偏波成分を捕捉し、か
つ通信回線を介して外部より定期的に電離層高度データ
を取得する情報提供装置25を設けたことにより、単体
で簡易に電波発信源の位置を特定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短波帯の電波を受
信するサーキュラアレイアンテナに係り、特に電波発信
源を特定できるサーキュラアレイアンテナを用いた電波
発信源位置探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、1.5〜30MHzの短波帯の電
波発信源を特定するための方法として、複数の受信所に
おいてログペリオディックアンテナ(以下、LPアンテ
ナという)を回転することにより、又は4面の指向性ア
ンテナにより電波を捕捉、受信し、到来した電波のレベ
ル及び位相差を測定することでおおよその電波発信方向
を特定した上で、それぞれの受信所における電波発信方
向の交点を電波発信源とする方法が用いられてきた。
【0003】また、電波の発信源を特定する装置につい
ては、平成9年5月2日登録の特許第2645009号
「レーダ装置の目標方向検出装置」(特許権者:株式会
社東芝、発明者:山崎浩他)、平成11年12月17日
登録の特許第3015494号「モノパルス測角レーダ
装置」(特許権者:株式会社東芝、発明者:黒田雄
一)、平成6年4月8日公開の特開平6−94763号
「電波源可視化装置」(出願人:株式会社アドバンテス
ト、発明者:北吉均)、平成8年10月11日公開の特
開平8−265042号「偏波共用グリッドアレイアン
テナ」(出願人:中野久松、ティーディーケイ株式会
社、発明者:中野久松他)、平成12年2月18日公開
の特開2000−49524号「アレイアンテナ」(出
願人:日本電気株式会社、発明者:松本邦男他)等、多
数提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の短波帯の電波発信源を特定する方法では、種々の問
題点があった。第1の問題点は、低域周波数帯の電波を
捕捉できる回転形LPアンテナの製作が困難であること
である。既述した通り、従来の電波発信源の特定方法で
は、LPアンテナを回転させて電波を捕捉、受信するこ
とによっておおよその電波発信方向を特定していたが、
瞬時にしか発射されない電波の場合には、LPアンテナ
の回転時間によっては捕捉しきれない事態が起きること
がある。
【0005】すなわちLPアンテナの回転数及び形状
は、電波方向特定の性能と受信できる電波の周波数帯に
密接に関係し、両者に対する規定された条件を満足する
ようなLPアンテナを製作することが困難となってい
た。また、回転形LPアンテナは回転機構を必要とし、
この回転機構が故障しやすいことも問題点となってい
た。
【0006】第2の問題点は、複数の受信所での電波発
信方向の測定にかかる費用及び労力である。従来は単体
のアンテナでは、電波のおおよその方向しか特定できな
いため、複数の受信所において特定された方向の交点を
求めることで電波発信源を求めていた。しかしこれを実
現するには各受信所においてLPアンテナ又は指向性ア
ンテナを設置し、かつ到来電波の方向を特定しなければ
ならないため、アンテナの設置費用及び電波の方向特定
のための測定にかかる時間と労力が増大していた。
【0007】第3の問題点は、電波の発信時間による到
来電波の方向の特定の影響である。特に回転形LPアン
テナでは、電波の発信時間が短いと、回転している最中
に電波の発信が終了してしまう場合があり、この場合十
分に電波を捕捉しきれないため、電波の方向特定に支障
をきたすという問題点があった。
【0008】第4の問題点は、電波発信源の特定に要す
る処理時間である。電波発信源を特定するためには、各
受信所におけるアンテナによる方向特定結果を総合しな
ければならないため、各受信所の結果の集計及び電波発
信源の特定処理に時間を要していた。
【0009】一方、短波帯の電波発信源の特定を目的と
する装置として、サーキュラアレイアンテナが従来から
広く用いられている。サーキュラアレイアンテナは、電
波の水平偏波成分を受信するLPアンテナをアンテナエ
レメントとして円形に配置したものであり、電波を受信
したアンテナエレメントの部位をほぼそのまま到来電波
の方向とみなすことができる。よってサーキュラアレイ
アンテナは、電波の到来方向及び発信時間によらず確実
に電波を受信することができ、単体で瞬時に電波の発信
方向を特定することができるという特徴を有する。
【0010】しかし従来のサーキュラアレイアンテナで
は、電波の水平偏波成分のみを受信し、これに基づいて
電波発信方向を特定していたにとどまっていた。このた
め正確な電波発信源を特定するには、2地点にサーキュ
ラアレイアンテナを設置し、方向の特定結果に基づいて
双曲線航法等によって求める必要がある。このためアン
テナの設置費用がかかり、かつ各アンテナの受信結果の
集計及び電波発信源の特定処理に時間を要していた。
【0011】一方、電波発信源までの距離を測定する方
法として、受信した電波の仰角及び位相差と、電波の反
射された電離層の高さとに基づいて距離を算出する方法
が従来より用いられている。前述したサーキュラアレイ
アンテナ等によって電波発信源の方向が特定できていれ
ば、距離を算出することによって電波発信源の正確な位
置を特定することができる。しかし電離層の高さを知る
ためには、チャープサウンダ等の測定用の装置を用いて
前もって測定しておく必要があり、装置の設置にかかる
費用及び測定に要する時間が増大することが問題となっ
ていた。また電離層は季節、時間等により発生する高度
が変化するため、正確な高さのデータを得るためには定
期的に測定を行わねばならず、測定に要する労力が増大
するという更なる問題点があった。
【0012】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、単体で敏速にかつ簡易に電波発信源を特定できるサ
ーキュラアレイアンテナを用いた電波発信源位置探知装
置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための本発明の電波発信源位置探知装置は、電波
の水平偏波成分及び垂直偏波成分を捕捉するログペリオ
ディックアンテナのアンテナエレメントを複数用いて円
形に配置したアンテナ部と、アンテナ部で形成される円
形の中心付近に配置され、アンテナ部の各々のアンテナ
エレメントで捕捉した電波の水平偏波成分及び垂直偏波
成分のデータを受信するデータ受信装置と、データ受信
装置に接続され、データ受信装置で受信した電波の水平
偏波成分及び垂直偏波成分のデータの処理制御を行うデ
ータ処理制御装置と、データ処理制御装置に接続され、
通信回線を介して外部から電離層高度データを取得し、
データ処理制御装置に提供する情報提供装置とを有し、
データ処理制御装置が、データ受信装置で受信した電波
の水平偏波成分のデータに基づいて電波発信源の方向を
決定し、データ受信装置で受信した電波の垂直偏波成分
のデータと、情報提供装置から提供された電離層高度デ
ータに基づいて電波発信源の距離を算出し、電波発信源
の方向及び距離から電波発信源を特定するものであり、
単体で敏速にかつ簡易に電波発信源の位置を特定するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る電
波発信源位置探知装置は、複数のLPアンテナで構成さ
れ電波の水平偏波成分を受信することで電波発信源の方
向を特定するサーキュラアレイアンテナに、垂直偏波成
分を受信するアンテナエレメントを追加し、かつ電離層
の高度のデータを通信回線を介して定期的に取得する情
報提供装置を設置したものであり、これにより単体で敏
速にかつ簡易に電波発信源の位置を特定することができ
る。尚、請求項におけるデータ受信装置は図2の合成装
置21、切替器22及び受信機23に相当し、データ処
理制御装置はデータ処理制御部24に、データ合成部は
合成装置21に、データ切替部は切替器22に、データ
受信部は受信機23にそれぞれ相当する。
【0015】本発明の実施の形態の電波発信源位置探知
装置の構成について、図を用いて説明する。図1(a)
は、本発明の実施の形態の電波発信源位置探知装置の斜
影図である。また図1(b)は、本発明の電波発信源位
置探知装置のアンテナエレメントとして用いられるLP
アンテナの構成図である。図1(a)において、本発明
の電波発信源位置探知装置は、アンテナ部11と、ハウ
ス12とで構成されている。
【0016】アンテナ部11は、全方向に渡って発信さ
れている電波を水平偏波成分又は垂直偏波成分とに分け
て捕捉する。アンテナ部11では、図1(b)のLPア
ンテナが複数、幅の狭い側を中心に向けて円形状に配置
されている。本発明の電波発信源位置探知装置では、ア
ンテナエレメント、すなわちLPアンテナが24本設け
られており、それぞれのアンテナエレメントを地面から
支えるため、支柱が円の中心から外側に向け複数設置さ
れている。このように円形状に配置されたアンテナエレ
メントによって、電波の水平偏波成分を捕捉することが
できる。
【0017】また、アンテナ部11では、支柱を利用し
て図1(b)のLPアンテナを垂直に展張しており、こ
のアンテナエレメントにより電波の垂直偏波成分を捕捉
することができる。以下、円形状に配置されたアンテナ
エレメントを水平偏波用アンテナ、支柱を利用して展張
されたアンテナエレメントを垂直偏波用アンテナとい
う。LPアンテナは広帯域に渡り単一指向性を得られる
特徴があるため、アンテナ部11を構成するLPアンテ
ナは、自身の配置されている位置に到達した電波に対し
ては高利得で捕捉することができる。またLPアンテナ
は円形状に複数配置されているため、あらゆる方向にお
いて電波の受信感度は一様となる。
【0018】低域周波数帯の電波を受信する場合、電波
の波長に対応して受信する必要があるため、アンテナエ
レメントの長さが不足することがあるが、この場合、ア
ンテナエレメントにコイルを挿入して不足分を補うよう
にしてもよい。本発明の電波発信源位置探知装置におい
て、アンテナ部11で形成される円形の直径は約290
m、円周上に設置される支柱の高さは約41m、内部の
空洞円周上に設置される支柱の高さは約16mである。
【0019】ハウス12は、アンテナ部11の中心に設
置されており、アンテナ部11で受信された電波の水平
偏波成分又は垂直偏波成分の受信結果を処理し、電波発
信源を特定するための発信源特定装置を内部に有する。
各々のアンテナエレメントで捕捉された電波の水平偏波
成分及び垂直偏波成分は、ハウス12内の発信源特定装
置で受信される。発信源特定装置において、受信された
電波のレベル又は位相差が測定され、これらに基づいて
電波発信源が特定される。図1(b)に示すように、ア
ンテナエレメントであるLPアンテナの電波は、狭い側
から入射される。またLPアンテナの性質より、LPア
ンテナの素子、すなわち図1(b)における複数の縦棒
部分のうち、周波数に対応するいずれか一つで電波が捕
捉され、ハウス12内の発信源特定装置で受信される。
【0020】図2は、発信源特定装置の構成ブロック図
である。図2の発信源特定装置は、合成装置21と、切
替器22と、受信機23と、データ処理制御部24と、
情報提供装置25とから構成されている。本発明では発
信源特定装置はハウス12内に設けられているが、図2
に示すように発信源特定装置をアンテナ部11の外部に
設けるようにしてもよい。
【0021】合成装置21は、アンテナ部11の各アン
テナエレメントで補足した電波を合成して切替器22に
出力する。合成装置21で合成された各アンテナエレメ
ントの電波は、無指向性の合成信号として切替器22に
出力される。
【0022】切替器22は、合成装置21から出力され
た合成信号から電波の水平偏波成分又は垂直偏波成分の
データを抽出し、切り替えながら受信機23に出力す
る。切替器22は、データ処理制御部24から出力され
る切替制御信号に応じて、水平偏波成分又は垂直偏波成
分とを交互に切り替えて出力している。
【0023】受信機23は、切替器22から交互に出力
される電波の水平偏波成分又は垂直偏波成分を、アンテ
ナエレメントの方向別に受信する。また受信機23は、
データ処理制御部24から出力される読み出し制御信号
に基づいて、受信データをデータ処理制御部24に出力
する。本発明では受信機23は、一つの装置で水平偏波
成分又は垂直偏波成分を個別に受信しているが、それぞ
れの成分を受信するための受信機を別個に設けてもよ
い。
【0024】データ処理制御部24は、切替器22、受
信機23及び情報提供装置25を制御し、受信機23で
受信された電波の水平偏波成分及び垂直偏波成分の受信
データ及び情報提供装置25に格納されている電離層高
度データを読み出してデータ処理を行い、電波の発信源
を特定する。
【0025】すなわちデータ処理制御部24は、切替器
22に対して切替制御信号を、受信機23に対して受信
した電波の各成分の受信データの読み出し制御信号を、
情報提供装置25に対して高度データ読み出し制御信号
を出力することでそれぞれの装置の制御を行っている。
またデータ処理制御部24には、垂直偏波成分の仰角を
求めるための判定データのテーブルを記憶したメモリが
格納されている。この判定データのテーブルとは、垂直
偏波成分の受信データと仰角の値が一対一で決まるよう
な構成となっており、これに基づいて電波の仰角が決定
される。
【0026】情報提供装置25は、インターネット回線
に接続されており、観測所で測定された電離層高度デー
タが格納されている観測データサーバ27にインターネ
ット26を介して定期的にアクセスし、電離層高度デー
タを読み込む。さらに情報提供装置25は、電離層高度
データにデータ処理を施した上で記憶する。また情報提
供装置25は、データ処理制御部24から出力される高
度データ読み出し制御信号に基づいて、記憶した電離層
高度データのうち所望のデータをデータ処理制御部24
に出力する。
【0027】観測データサーバ27には、観測所におい
て測定された電離層高度データが格納されている。観測
データサーバ27は、インターネット回線に接続されて
おり、外部からのアクセスにより、格納されている電離
層高度データをインターネット26を介して提供する。
【0028】本発明の電波発信源位置探知装置におい
て、発信源特定装置を構成する各機器は、一箇所にまと
まって存在していなくてもよい。例えば図2の発信源特
定装置において、ハウス12内には合成装置21のみを
設置し、その他の機器はハウス12外に設置して、電波
発信源を特定できるような構成にしてもよい。
【0029】次に、本発明の電波発信源位置探知装置の
動作について図を用いて説明する。本発明の電波発信源
位置探知装置において、アンテナ部11はあらゆる方向
から送信される電波を水平偏波成分又は垂直偏波成分と
に分けて捕捉し、捕捉した電波をハウス12に出力す
る。
【0030】すなわちアンテナ部11の水平偏波アンテ
ナでは電波の水平偏波成分を、垂直偏波アンテナでは垂
直偏波成分をそれぞれ捕捉し、ハウス12に出力してい
る。また本発明の電波発信源位置探知装置では、全方位
を24個に分割してアンテナエレメントを張り巡らせて
いるため、少なくともいずれか一つの方向のアンテナエ
レメントにおいて電波を捕捉することができる。尚、ア
ンテナの分割は12〜36個の範囲で任意に選択するこ
とができる。
【0031】各方向のアンテナエレメントで捕捉された
電波の水平偏波成分及び垂直偏波成分は、ハウス12内
の発信源特定装置に入力される。図2の発信源特定装置
において、電波の各成分はまず合成装置21に入力され
る。合成装置21では入力された電波の各成分を合成、
必要に応じて増幅等の処理を行い、無指向性の合成信号
として切替器22に出力する。切替器22では合成信号
から各方向の水平偏波成分又は垂直偏波成分を抽出し、
データ処理制御部24から出力される切替制御信号に応
じて、交互に受信機23に出力される。
【0032】切替器22から出力された電波の各成分
は、受信機23において受信される。受信機23は、各
方向の受信データを成分別に受信する。また受信機23
は、データ処理制御部24から出力される読み出し制御
信号に基づいて、受信データをデータ処理制御部24に
出力する。
【0033】一方、情報提供装置25では、観測所で観
測された電離層高度データが格納されている観測データ
サーバ27にインターネット26を介して定期的にアク
セスし、電離層高度データを読み込む。さらに情報提供
装置25は読み込んだ電離層高度データにデータ処理を
行い、記憶する。また情報提供装置25は、データ処理
制御部24から出力される高度データ読み出し制御信号
に基づいて、記憶している電離層高度データから指定の
データをデータ処理制御部24に出力する。データ処理
制御部24は、時間又は観測地等の条件を満たすような
電離層高度データを読み込むよう、高度データ読み出し
制御信号を指定し、情報提供装置25に出力するように
してもよい。
【0034】観測データサーバ27の実例の一つとし
て、郵政省通信総合研究所のホームページが挙げられ
る。このホームページでは、全国各地の観測所(稚内、
国分寺、山川、沖縄)で観測された電離層の高度データ
を毎時15分毎に更新、公開している。図4は、郵政省
通信総合研究所のホームページで公開されている全国各
地の観測所で測定された電離層の一次観測データ、すな
わちイオノグラムを示した図である。図4のイオノグラ
ムは各観測所における同時刻の電離層の高度を示してお
り、各イオノグラムにおいて、縦軸は見かけ上の高度、
横軸は電波の周波数を表している。よって各イオノグラ
フからは、どの周波数の電波はどの高度の電離層で反射
されたか、どの周波数の電波を通信に利用できるかが明
らかとなる。本発明において、このホームページから電
離層高度データを読み込む際には、データ処理制御部2
4は電波発信源位置探知装置又は電波発信源に最も近い
観測地のイオノグラムを読み込むよう制御することが好
適である。
【0035】データ処理制御部24は、受信機23から
出力された各成分の受信データ及び情報提供装置25か
ら出力された電離層高度データに基づいてデータ処理を
行い、電波の発信源を特定する。以下、データ処理制御
部24における電波の発信源の特定方法について説明す
る。
【0036】データ処理制御部24では、垂直偏波成分
の仰角特定するための判定データのテーブルを記憶した
メモリが設けられており、この判定データのテーブルを
用いて電波の垂直偏波成分の仰角が求められる。水平偏
波成分の受信データからは、従来通り電波の水平位相差
を求めることによって電波の方向が特定される。また垂
直偏波成分の受信データから求められる受信電圧と垂直
位相差の関係及び判定データのテーブルに基づいて統計
的処理を行うことによって電波の垂直偏波成分の仰角が
求められる。さらに情報提供装置25から読み出した電
離層高度データに基づいて電波の発信源からの距離が特
定される。特定された電波の方向及び発信源からの距離
に基づいて、データ処理制御部24は電波の発信源の位
置を特定する。
【0037】図3は、本発明の電波発信源位置探知装置
における電波発信源の距離の測定方法の原理を示した図
である。図2の発信源特定装置のデータ処理制御部24
において、電波の垂直偏波成分の受信データより電波の
仰角θを求めることができる。電波の仰角は、電波発信
源32から発信された後に電離層で反射された電波、す
なわち空間波が電波発信源位置探知装置31に入射され
た角度であるといえる。よって電離層の高度をhとすれ
ば、電波反射地点と電波発信源位置探知装置との距離d
は d=h/tanθ で求めることができる。距離dを得ることにより、電波
発信源位置探知装置から電離層までの距離を知ることが
でき、したがって電波発信源までの距離を特定すること
ができる。以上述べたような測定方法を用いて、データ
処理制御部24は電波の発信源を特定することができ
る。
【0038】上述したように、本発明の実施の形態の電
波発信源位置探知装置によれば、従来のサーキュラアレ
イアンテナに電波の垂直偏波成分を受信する垂直偏波ア
ンテナエレメントを設置したことにより、受信した短波
帯の電波の垂直偏波成分の仰角を測定でき、これに基づ
いて電波の発信源の距離を特定することができる。よっ
て水平偏波アンテナエレメントを用いて特定された電波
の方向と総合することによって、ただ一式のアンテナで
電波発信源の位置を特定できる効果がある。
【0039】さらに単体の電波発信源位置探知装置によ
って電波発信源の位置を特定することができるため、複
数の受信所に同様の装置を設置する必要がなく、アンテ
ナの設置費用を低減できる効果がある。本発明の電波発
信源位置探知装置の仕様によれば、本発明の電波発信源
位置探知装置1個による電波発信源の特定精度は、25
0〜1000kmの距離の電波発信源に対して、標準誤
差は±10%である。
【0040】また、受信機42において電波の水平偏波
成分又は垂直偏波成分を切り替えて受信できるようにし
ているので、電波発信源の位置の特定に要する時間が従
来と比較して短縮できる効果がある。本発明の電波発信
源位置探知装置の仕様によれば、各アンテナエレメント
は電波を1〜2秒内で受信でき、電波の受信から電波発
信源の特定までに要する時間は、約5秒である。
【0041】また、電離層高度データをインターネット
等の回線を用いて定期的に得られるようにしたことによ
り、特殊な測定装置を用いずに正確な電離層高度データ
を得ることができるため、測定装置の設置費用及び測定
の労力を低減でき、垂直偏波成分の仰角を得られること
で簡易に電波発信源の位置を特定できる効果がある。よ
って電離層の高さの測定に要する時間を低減できるた
め、従来と比較して敏速に電波発信源の位置を特定でき
る効果がある。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、電波の水平偏波成分及
び垂直偏波成分を捕捉するログペリオディックアンテナ
のアンテナエレメントを複数用いて円形に配置したアン
テナ部と、アンテナ部の各々のアンテナエレメントで捕
捉した電波の水平偏波成分及び垂直偏波成分のデータを
受信するデータ受信装置と、データ受信装置で受信した
電波の水平偏波成分及び垂直偏波成分のデータの処理制
御を行うデータ処理制御装置と、通信回線を介して外部
から電離層高度データを取得し、データ処理制御装置に
提供する情報提供装置とを有し、データ処理制御装置
が、データ受信装置で受信した電波の水平偏波成分のデ
ータに基づいて電波発信源の方向を決定し、データ受信
装置で受信した電波の垂直偏波成分のデータと、情報提
供装置から提供された電離層高度データに基づいて電波
発信源の距離を算出し、電波発信源の方向及び距離から
電波発信源を特定する電波発信源位置探知装置としてい
るので、単体で敏速にかつ簡易に電波発信源の位置を特
定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電波発信源位置探知
装置の斜影図及びアンテナエレメントとして用いられる
LPアンテナの構成図である。
【図2】発信源特定装置の構成ブロック図である。
【図3】電波発信源の距離の測定方法の原理を示した図
である。
【図4】郵政省通信総合研究所のホームページで公開さ
れている各観測所におけるイオノグラムを示した図であ
る。
【符号の説明】
11…アンテナ部、 12…ハウス、 21…合成装
置、 22…切替器、23…受信機、 24…データ処
理制御部、 25…情報提供装置、 26…インターネ
ット回線、 27…観測データサーバ、 31…電波発
信源位置探知装置、 32…電波発信源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 21/20 H01Q 21/24 21/24 G01S 11/00 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波の水平偏波成分及び垂直偏波成分を
    捕捉するログペリオディックアンテナのアンテナエレメ
    ントを複数用いて円形に配置したアンテナ部と、 前記アンテナ部で形成される円形の中心付近に配置さ
    れ、前記アンテナ部の各々のアンテナエレメントで捕捉
    した電波の水平偏波成分及び垂直偏波成分のデータを受
    信するデータ受信装置と、 前記データ受信装置に接続され、前記データ受信装置で
    受信した電波の水平偏波成分及び垂直偏波成分のデータ
    の処理制御を行うデータ処理制御装置と、 前記データ処理制御装置に接続され、通信回線を介して
    外部から電離層高度データを取得し、前記データ処理制
    御装置に提供する情報提供装置とを有し、 前記データ処理制御装置は、前記データ受信装置で受信
    した電波の水平偏波成分のデータに基づいて電波発信源
    の方向を決定し、前記データ受信装置で受信した電波の
    垂直偏波成分のデータと、前記情報提供装置から提供さ
    れた電離層高度データに基づいて電波発信源の距離を算
    出し、前記電波発信源の方向及び距離から電波発信源を
    特定することを特徴とする電波発信源位置探知装置。
  2. 【請求項2】 アンテナ部を構成する各々のアンテナエ
    レメントは、電波の水平偏波成分を捕捉する水平偏波受
    信アンテナと、前記電波の垂直偏波成分を捕捉する垂直
    偏波受信アンテナとで構成され、 データ受信装置は、前記アンテナ部で補足した電波の水
    平偏波成分又は垂直偏波成分のデータを合成して出力す
    るデータ合成部と、前記データ合成部から出力された合
    成結果から電波の水平偏波成分又は垂直偏波成分のデー
    タを抽出し、切り替えて出力するデータ切替部と、前記
    データ切替部から出力されたデータを受信するデータ受
    信部とを有するデータ受信装置であり、 データ処理制御装置は、前記水平偏波アンテナ又は前記
    垂直偏波アンテナのデータを交互に切り替えて受信する
    旨の制御信号を前記データ切替部に出力すると共に、前
    記データ受信部で受信したデータ及び情報提供装置から
    提供された電離層高度データに基づいて電波発信源を特
    定するデータ処理制御装置であることを特徴とする請求
    項1に記載の電波発信源位置探知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008122246A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Toshiba Corp アレイアンテナ装置
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WO2020003513A1 (ja) * 2018-06-29 2020-01-02 三菱電機株式会社 レーダ装置

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